JP2003285192A - セラミック基板へのレーザー加工方法 - Google Patents

セラミック基板へのレーザー加工方法

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JP2003285192A
JP2003285192A JP2002086694A JP2002086694A JP2003285192A JP 2003285192 A JP2003285192 A JP 2003285192A JP 2002086694 A JP2002086694 A JP 2002086694A JP 2002086694 A JP2002086694 A JP 2002086694A JP 2003285192 A JP2003285192 A JP 2003285192A
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ceramic substrate
solvent
laser
starch
protective film
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JP2002086694A
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English (en)
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Takahiro Matsuzaki
孝博 松崎
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザー加工時に発生する溶融したセラミック
スの飛着物がセラミック基板に付着することを防止する
とともに、ヒュームの発生を抑え、かつレーザー加工後
において余分な作業を発生させないようにする。 【解決手段】セラミック基板1の加工表面にレーザー光
を照射してレーザースクライブ、穴、溝等の加工を施す
前に、上記加工表面に、澱粉を含有する溶剤を塗布し、
余分な溶剤を飛ばして澱粉からなる保護膜2を被着する
ようにしてレーザー加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CO2レーザー装
置やYAGレーザー装置を用いてセラミック基板にレー
ザースクライブ、穴、溝等の加工を施すためのレーザー
加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
セラミックスを用いたチップ抵抗器、センサー、ハイブ
リッドIC、サーマルヘッド等を製作する場合、生産効
率を高めるため、大型のセラミック基板上に、抵抗体、
回路電極、半導体、センサー素子、サーマルヘッド素子
等を形成し、セラミック基板に形成されたレーザースク
ライブや溝に沿って分割することにより多数個取りする
ことが行われている。
【0003】そして、セラミック基板上に形成するレー
ザースクライブや溝に高い寸法精度が要求される場合、
レーザースクライブや溝をレーザー加工によって形成す
るようになっていた。
【0004】ところで、セラミック基板にレーザー光を
照射すると、その加工部は約3000℃以上にも達し、
加工部のセラミックスが一度溶融されるのであるが、直
ぐに冷却されて加工部の底にその一部が残留して固着
し、分割性を低下させるとともに、レーザー光を加工部
に集光させる集光レンズにセラミックスの飛着物が付着
して加工できなくなるため、アシストエアーと呼ばれる
圧縮気体を吹きつけることが行われている。
【0005】ところが、図7に示すように、加工部に圧
縮気体を吹きつけるとセラミックスの飛着物52が飛散
し、加工部以外のセラミック基板60上に付着するとい
った課題があった。
【0006】また、レーザースクライブ50の周縁には
セラミックスの溶融物が堆積して盛り上がったヒューム
51が発生するといった課題もあった。
【0007】そして、セラミック基板60上にヒューム
51や飛着物52が存在すると、この後の製造工程にお
いて悪影響を与えるといった課題があった。
【0008】例えば、配線の印刷工程ではスクリーンを
痛めたり、配線の断線を招く恐れがあるとともに、露光
工程ではマスクを痛める恐れがあり、また、搬送や電装
部品を装着する際のクランプ時にはクラック不良が発生
したり、分割後の完成品の組み付け時にヒユーム51の
盛り上がり部を起点として基板が割れる恐れがあり、製
品の信頼性を損なう恐れがあった。
【0009】その為、レーザー加工後にセラミック基板
60に付着するヒューム51や飛着物52を除去するこ
とが行われているのであるが、ヒューム51や飛着物5
2はセラミックスの溶融物が付着したものであるために
簡単に除去することができず、硬質な砥石やアルミナ粉
を含有した硬質ブラシを用いて除去しなければならず、
作業工程を簡略することができないといった課題があっ
た。
【0010】しかも、硬質な砥石やブラシを用いてヒュ
ーム51や飛着物52を除去すると、セラミック基板に
欠けや割れを発生させることもあった。
【0011】そこで、ヒューム51や飛着物52の発生
を抑えるため、特開平3−252384号公報には、セ
ラミック基板の加工部周辺に、アクリル系のセロテープ
(登録商標)、メンディングテープ、両面紙粘着テー
プ、両面セロハン粘着テープ、導電性粘着テープ、プリ
ント基板用粘着テープ、ポリエステル系フィルム等の保
護シートを形成した後、レーザー光を照射して加工を行
うか、あるいはセラミック基板の加工部周辺に、非ハロ
ゲン活性化ロジンフラックスに代表される各種フラック
スを塗布した後、レーザー光を照射して加工を行うこと
が提案されている。
【0012】ところが、上記保護シートを使用した場
合、ヒュームや飛着物の発生は抑えられるものの、加工
部に必ずカーボンが残るため、レーザー加工後に100
0℃以上の熱処理を与えてカーボンを除去する工程が必
要となり、作業工程を減らすことができないといった課
題があった。しかも、セラミック基板に縦横に交差する
多数のレーザースクライブを形成するような場合、保護
シートが細かく裁断されてしまうため、レーザー加工後
に保護シートを素早く完全に剥ぎ取るためには新たな設
備が必要となるといった課題もあった。
【0013】一方、フラックスを使用した場合もヒュー
ムや飛着物の発生は抑えられるものの、レーザー加工後
にフラックスの焼き付きによるシミがセラミック基板に
発生して製品の品質を低下させるとともに、フラックス
は油分であるため、レーザー加工後にフラックスを除去
するには薬剤や溶剤等の専用洗浄液を用いるか、熱処理
を施さなければ除去することができないといった課題が
あった。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題に鑑
み、本発明のセラミック基板へのレーザー加工方法は、
セラミック基板の加工表面に、澱粉を溶媒中に分散させ
た溶剤を塗布し、乾燥させて余分な溶媒を飛ばすことに
より澱粉からなる保護膜を被着した後、上記加工表面に
レーザ光を照射してレーザースクライブ、穴、溝等の加
工を施すようにしたことを特徴とする。
【0015】なお、上記溶剤中における澱粉の添加量は
5重量%〜20重量%とすることが好ましく、また、板
厚が0.1mm〜2.0mmのセラミック基板に、加工深
さがセラミック基板の板厚の1/3〜1/4の範囲にあ
るレーザースクライブを形成する場合、澱粉にコーンス
ターチ又は小麦粉を用いるとともに、保護膜の膜厚みを
10μm〜500μmとすることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0017】本発明のセラミック基板へのレーザー加工
方法は、セラミック基板の加工表面にレーザー光を照射
して、レーザースクライブ、穴、溝等の加工を施す前
に、上記加工表面に、澱粉を溶媒中に分散させた溶剤を
塗布し、余分な溶媒を飛ばして澱粉からなる保護膜を被
着するようにしたことを特徴とする。
【0018】具体的には、セラミック基板の加工表面
に、澱粉を含有する溶剤を塗布する。ここで、溶剤を形
成する溶媒としては、環境問題や洗浄後の排水等を考慮
すると水又はお湯を用いることが好ましく、また、溶媒
中に分散させる澱粉としてはコーンスターチ、小麦粉、
葛粉、米粉、ゼラチンのうちいずれか一種以上を用いる
ことができる。
【0019】次に、図1(a)に示すように、セラミッ
ク基板1に塗布した溶剤を乾燥させて澱粉からなる保護
膜2を形成するのであるが、この時、溶媒を完全に除去
するのではなく、余分な溶媒を乾燥工程にて除去する。
即ち、若干の溶媒を残すことにより澱粉同士を密着させ
ておくことができるため、セラミック基板1上に保護膜
2を形成することができる。
【0020】しかる後、図1(b)に示すように、レー
ザービームヘッド4より出射されたレーザー光を集光レ
ンズ5によってセラミック基板1の加工部7に集光さ
せ、保護膜2上からセラミック基板1の所定位置にレー
ザー光6を照射することによりレーザースクライブ、
穴、溝等の加工を施すようになっている。
【0021】この時、レーザー加工時に用いるアシスト
エアーによってセラミックスの溶融物が飛散するのであ
るが、本発明の加工方法によれば、セラミック基板1の
加工表面に澱粉からなる保護膜2を形成してあることか
ら、飛散したセラミックスの飛着物8を保護膜2に付着
させ、セラミック基板1に付着するのを防止することが
できる。
【0022】また、加工部周辺に吐き出されるセラミッ
クスの溶融物の盛り上がりも保護膜2の存在によって抑
えることができ、ヒュームの発生を防止又は大幅に低減
することができる。しかも、加工部に照射されるレーザ
ー光6の外周部には加工に寄与しない無益なエネルギー
部が存在するのであるが、この無益なエネルギー部は保
護膜2によって吸収することができるため、加工に寄与
する高エネルギー部のみを加工部に照射することができ
るため、例えば、レーザー光6の照射によってレーザー
スクライブを形成する場合、図2に示すように、ヒュー
ム9が発生したとしてもレーザースクライブ10の形状
にならって形成させることができる。
【0023】そして、レーザー加工後においては、保護
膜2が澱粉からなるため、水又は温水を用いた洗浄のみ
によって保護膜2を容易に除去することができ、従来の
ように薬剤や溶剤等の専用洗浄液を用いた洗浄作業や、
熱処理を施す必要がなく、作業性を大幅に改善すること
ができる。また、仮に水や温水を用いた洗浄だけでは除
去できないヒューム9や飛着物が残っていても従来のよ
うな硬質の砥石やブラシを用いる必要はなく、柔らかい
ブラシ等で軽く掃くことで容易に除去することができ、
セラミック基板1に欠けや割れを発生させることがな
い。
【0024】ところで、溶剤を形成するのに用いる澱粉
としては、前述したように、コーンスターチ、小麦粉、
葛粉、米粉、ゼラチンのうちいずれか一種以上を用いる
ことができるが、これらの中でも常温の溶媒にも良く溶
け、溶剤の製作のし易さの点でコーンスターチ又は小麦
粉を用いることが好ましく、さらに70度〜85度の湯
に溶かすことで澱粉を溶媒中に均一に溶かすことができ
望ましい。
【0025】また、溶剤中における澱粉の添加量は5重
量%〜20重量%とすることが良い。なぜなら、溶剤中
における澱粉の添加量が5重量%未満になると、その粘
度が小さいために塗布した加工表面より流れ出すととも
に、乾燥後において保護膜2を形成することが難しいか
らであり、逆に溶剤中における澱粉の添加量が20重量
%を超えると、溶剤の粘度が増し、均一な塗布ができな
いといった不都合があるからで、溶剤中における澱粉の
添加量を5重量%〜20重量%とすることにより、取り
扱いが容易で塗布性が良く必要な膜厚が得易い溶剤を形
成することができる。
【0026】乾燥後の保護膜2の膜厚みtは、厚くなり
過ぎると、セラミックスの飛着物の付着やヒューム9の
高さを抑制するのに効果的であるものの、レーザー光の
エネルギーを奪い、加工深さVが設定値よりも浅くな
り、逆に薄くなり過ぎると、セラミックスの飛着物の付
着やヒューム9の高さを十分に抑制する効果が得られな
くなるため、加工深さVに応じて適宜設定することが好
ましい。
【0027】例えば、板厚Tが0.1mm〜2.0mmの
セラミック基板1に、加工深さVがセラミック基板1の
板厚Tの1/3〜1/4の範囲にあるレーザースクライ
ブ10を形成する場合、澱粉にコーンスターチ又は小麦
粉を用いるとともに、保護膜2の膜厚みtを10μm〜
500μmとすることが好ましい。
【0028】即ち、保護膜2の膜厚みtが10μm未満
となると、セラミックスの飛着物の付着やヒューム9の
高さを十分に抑えることができず、逆に保護膜2の膜厚
みtが500μmを超えると、加工深さVが設定値より
も浅くなるからである。
【0029】なお、板厚Tが0.635mmのセラミッ
ク基板1に加工深さVが0.22mmのレーザースクラ
イブ10を形成する場合、保護膜2の膜厚みtは100
〜200μmとすることが望ましく、また、板厚Tが
1.0mmのセラミック基板1に加工深さVが0.33
mmのレーザースクライブ10を形成する場合、保護膜
2の膜厚みtは150μm〜300μmとすることが望
ましい。
【0030】さらに、加工深さVを安定させるために
は、セラミック基板1の加工表面に形成する保護膜2の
膜厚みtをできるだけ均一にすることが好ましく、その
ためには溶剤の塗布にあたり、塗工機、キャステイング
装置、テーブルコーター、スクリーン印刷機のいずれか
一種の塗布装置を用いることが好ましい。
【0031】図3は塗工機の概略を示す側面図で、溶剤
タンク11に入れた溶剤3を回転ブラシ12で受け取
り、ローラー13に転写し、続いて拡散ローラー14で
溶剤3を均一に広げ、最後に転写ローラー15でセラミ
ック基板1に溶剤3を転写するようになっており、溶剤
3が塗布されたセラミック基板1を搬送ベルト16で乾
燥BOX17に運ぶことにより、余分な溶媒を飛ばして
澱粉からなる保護膜2をセラミック基板1上に形成する
ようになっている。
【0032】また、溶剤タンク11の底面にはシートヒ
ータ18を備え、溶剤3を50℃以上に加熱するととも
に、攪拌バー19にて攪拌することで溶剤3を凝固させ
ないようになっている。
【0033】図4はキャスティング装置の概略を示す側
面図で、底面にスリット22を有する溶剤タンク21に
溶剤3を入れ、搬送ベルト23によってセラミック基板
1を溶剤タンク21の下まで運び、溶剤タンク21のス
リット22よりその自重で流れ出る溶剤3をセラミック
基板1上に塗布し、さらに搬送ベルト23によって乾燥
BOX24に運ぶことにより、余分な溶媒を飛ばして澱
粉からなる保護膜2をセラミック基板1上に形成するよ
うになっている。
【0034】また、溶剤タンク1の側面にはシートヒー
タ25を備え、溶剤3を50℃以上に加熱することによ
り溶剤3を凝固させないようになっている。
【0035】図5はテーブルコーターの概略を示す側面
図で、真空吸引機構を有するテーブル34上にセラミッ
ク基板1を真空吸引によって吸着固定させ、ブレード3
1に入れた溶剤3をエアーによって均一に加圧しながら
ブレード31の底面に備えるスリット32より押し出す
ようになっている。ブレード31はテーブル34の両脇
に配置されたガイドレール36上を移動する支柱33に
取着されており、ガイドレール36に沿ってブレード3
1を移動させることによりセラミック基板1上に溶剤3
を塗布するようになっている。しかる後、ガイドレール
36に沿って乾燥BOX35をテーブル34上まで移動
させ、余分な溶媒を飛ばして澱粉からなる保護膜2をセ
ラミック基板1上に形成するようになっている。
【0036】図6はスクリーン印刷機の概略を示す側面
図で、真空吸引機構を有するテーブル45上にセラミッ
ク基板1を真空吸引によって吸着固定させた後、ガイド
レール46に沿ってテーブル45を印刷部44の下まで
搬送する。印刷部44ではスクリーン41に投入された
溶剤3をスキージ42によって延ばしながらセラミック
基板1上に印刷する。しかる後、テーブル45をガイド
レール46によって印刷部44より取り出し、さらに溶
剤3が塗布されたセラミック基板1をテーブル45から
取り出し、バッチ乾燥機やライン乾燥機によって余分な
溶媒を飛ばして澱粉からなる保護膜2をセラミック基板
1上に形成するようになっている。
【0037】なお、スクリーン41にはシートヒータ4
3が設置され、溶剤3を50℃以上に加熱することによ
り溶剤3を凝固させないようになっている。
【0038】これらの塗布装置を用いて溶剤3を塗布し
乾燥させれば膜厚みtが均一な保護膜2をセラミック基
板1上に形成することができるため、レーザー光を照射
して各種加工を施せば加工深さVのバラツキを抑え、所
定深さの加工を施すことができる。
【0039】以上、本発明の実施形態について示した
が、本発明の加工方法に用いるセラミック基板の材質と
しては特に限定するものではなく、アルミナ、ジルコニ
ア、ムライト、窒化アルミニウム等を主成分とするセラ
ミック焼結体を用いることができる。
【0040】また、レーザー加工に用いるレーザーの種
類については特に限定するものではなく、加工径や加工
深さあるいは加工精度に応じてCO2レーザー又はYA
Gレーザーを用いれば良い。
【0041】
【実施例】(実施例1)ここで、セラミック基板の加工
表面に澱粉からなる保護膜を形成してレーザー加工を行
う本発明の方法、セラミック基板の加工表面にポリエス
テル系フィルム又はフラックスを設けてレーザー加工を
行う従来の第一の方法、及びセラミック基板の加工表面
に直にレーザー加工を行う従来の第二の方法をそれぞれ
用い、レーザースクライブを形成した時の飛着物の有
無、ヒュームの高さ、洗浄具合をそれぞれ比較する実験
を行った。
【0042】具体的には、アルミナ純度が96%のアル
ミナセラミックスからなる板厚が0.635mmのセラ
ミック基板を用い、表1に示す条件にてレーザー光を照
射することにより、加工深さが0.22mm、開口部の
径が0.15mmの逆円錐状をしたレーザースクライブ
を0.16mmのピッチで複数形成した。なお、レーザ
ーの加工スピードは12000mm/分とした。
【0043】そして、レーザー加工後にまず70℃の熱
水で洗浄作業を行い、セラミックスの飛着物の有無、ヒ
ュームの高さ、シミの有無を調べた後、油分専用の洗浄
液を用いて洗浄作業を行いシミの有無について調べ、さ
らに1000℃の温度で熱処理を与えることによりシミ
の有無を調べる実験を行った。
【0044】ただし、セラミックスの飛着物の有無と洗
浄作業後のシミの有無については目線と蛍光灯の間に加
工後のセラミック基板を手に持って平行におく目視検査
と、NIKON製の実体顕微鏡(SMZ−U ZOOM
1:10)を用いて確認した。ヒュームの高さについて
は、小坂研究所製のSURFCORDER SE−23
00を用い、縦倍率:1000倍、横倍率:100倍、
送り:1として測定した。さらにシミの同定にはXMA
分析を行った。
【0045】結果は表2に示す通りである。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】この結果、従来の第二の方法によれば、ア
シストエアーによってセラミック基板の加工表面上には
多数の溶融したセラミックスの飛着物が強固に付着して
おり、いずれの洗浄作業を行っても除去することができ
なかった。しかも、加工部周辺のヒュームの高さも16
μmと高く、硬質ブラシ等を用いて飛着物やヒュームを
除去しなければならなかった。
【0049】また、従来の第一の方法によれば、いずれ
も洗浄作業後においてセラミック基板上に溶融したセラ
ミックスの飛着物を付着させることがなく、また、加工
部周囲のヒュームの高さを10μm未満に抑えることが
できたものの、セラミック基板上にはカーボンのシミが
残存していた。そして、このシミは熱水や油分専用の洗
浄剤を用いた洗浄でも除去することができず、加熱処理
を施さなければ除去することができなかった。
【0050】これに対し、本発明の加工方法によれば、
洗浄作業後にセラミック基板上に溶融したセラミックス
の飛着物の付着は見られず、また、加工部周囲のヒュー
ムの高さを4μmと大幅に低減することができた。しか
も、熱水による洗浄作業によって簡単に除去することが
でき、シミ等を発生させることもなかった。その為、本
発明の加工方法では、油分専用の洗浄剤を用いた洗浄や
加熱処理が不要であるため、作業性の点で優れていた。 (実施例2)次に、澱粉として、小麦粉、葛、コーンス
ターチ、米粉、ゼラチンを用い、表3に示す割合で水に
溶かして溶剤を製作し、実施例1と同様の条件にて、ア
ルミナ純度が96%のアルミナセラミックスからなる板
厚が0.635mmのセラミック基板に、加工深さが
0.22mm、開口部の径が0.15mmの逆円錐状を
したレーザースクライブを0.16mmのピッチで複数
形成した時の加工深さについて確認する実験を行った。
【0051】結果は表4に示す通りである。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】この結果、澱粉に小麦粉、葛、米粉、ゼラ
チンを用いたとしても保護膜の膜厚みを厚くするにした
がって、加工深さを浅くなることが判る。ただし、米粉
やゼラチンは粘度調整が難しく、また、葛を用いた場
合、保護膜の膜厚みを他の材質と同じにしても加工深さ
がかなり浅くなった。
【0055】この結果、澱粉としては小麦粉又はコーン
スターチを用いることが良いことが判る。 (実施例3)次に、澱粉としてコーンスターチを用い、
澱粉と溶媒である水との割合を変化させて溶剤を製作
し、取り扱いが容易で塗布性が良く必要な膜厚が得易い
溶剤を得るのに好ましい澱粉の含有量について調べる実
験を行った。
【0056】この結果、表5に示すように溶剤中の澱粉
の含有量を5重量〜20重量%の範囲で形成することが
良いことが判った。
【0057】そこで、この結果を基に、水にコーンスタ
ーチを15重量%混ぜて攪拌した溶剤を用意し、図3の
塗工機を用いて溶剤を、アルミナ純度が96%のアルミ
ナセラミックスからなる板厚が0.635mmのセラミ
ック基板に塗布厚みを異ならせて塗布した後、乾燥BO
Xにて余分な溶媒を飛ばすことにより膜厚みを異ならせ
た保護膜を形成した。
【0058】そして、これらのセラミック基板に、実施
例1と同様の条件にて加工深さが0.22mm、開口部
の径が0.15mmの逆円錐状をしたレーザースクライ
ブを0.16mmのピッチで複数形成し、保護膜の膜厚
みに対する加工深さ、飛着物の有無、ヒュームの高さ、
ヒュームの幅、レーザースクライブ開口部の真円度をそ
れぞれ調べる実験を行った。
【0059】保護膜の膜厚みと加工深さの関係は表6
に、保護膜の膜厚みと飛着物の有無の関係は表7に、保
護膜の膜厚みとヒュームの高さとの関係は表8に、保護
膜の膜厚みとヒュームの幅との関係は表9に、保護膜の
膜厚みとレーザースクライブ開口部の真円度との関係は
表10にそれぞれ示す通りである。
【0060】ただし、加工深さとレーザースクライブ開
口部の真円度は、NIKON製の工具顕微鏡(MEAS
URESCOPE MM−22)を用い、倍率を100
倍として図2に示すように孔径のX寸法とY寸法を測定
し、その差を真円度とした。
【0061】ヒュームの高さと幅は、小坂研究所製のS
URFCORDER SE−2300を用い、縦倍率:
1000倍、横倍率:100倍、送り:1として測定し
た。
【0062】加工深さは、保護膜を熱水により洗浄除去
した後、レーザースクライブ上を、SHACHIHAT
A製の油性、角6mm中細書きの赤色タイプで1往復な
ぞり、しかる後、セラミック基板を分割して赤色のイン
クが浸透した最深部で測定した。
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
【表10】
【0069】これらの結果、まず、表6,8,9より保
護膜2の膜厚みが厚くなるにしたがって、加工深さが浅
く、またヒュームの高さ及び幅が小さくなることが判
る。また、表7より保護膜の膜厚みを10μm以上とす
ることで、セラミック基板への飛着物の付着を防止でき
た。さらに、表10より保護膜の膜厚みが厚くなるにし
たがって、レーザースクライブ開口部の真円度の度合い
を高められることが判る。ただし、保護膜の膜厚みが5
00μmを超えると加工深さが浅くなり過ぎることが判
る。
【0070】これらの結果、板厚が0.1mm〜2.0
mmのセラミック基板に、深さがセラミック基板の板厚の
1/3〜1/4の範囲にあるレーザースクライブを形成
する場合、保護膜の膜厚みは10μm〜500μmとす
ることが良いことが判る。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明のセラミック基板
へのレーザー加工方法によれば、セラミック基板の加工
表面に、澱粉を溶媒中に分散させた溶剤を塗布し、乾燥
させて余分な溶媒を飛ばすことにより澱粉からなる保護
膜を被着した後、上記加工表面にレーザ光を照射してレ
ーザースクライブ、穴開け加工、溝加工等の加工を施す
ようにしたことによって、セラミック基板への飛着物の
付着を防止するとともに、加工部周辺に形成されるヒュ
ームの高さを抑えることができる。その為、従来のよう
に硬質ブラシ等によって飛着物やヒュームを除去する必
要性がないため、セラミック基板に欠けや割れを発生さ
せることがなく、歩留りを向上させることができるとと
もに、仮に、洗浄作業によって飛着物やヒュームを除去
することができなかったとしても軟質ブラシ等によって
掃き取ることで容易に除去できるため、セラミック基板
を傷付けるようなことがない。その為、チップ抵抗器、
センサー、ハイブリットIC、サーマルヘッド等の多数
個取りセラミック基板は勿論のこと、熱サイクルに対す
る信頼性が要求されるパワーモジュール基板へのレーザ
ー加工にも用いることができる。
【0072】さらに、澱粉からなる保護膜は水や温水を
用いた洗浄作業によって容易に除去することができ、ま
た、セラミック基板にシミを発生させることもないた
め、レーザー加工後におけるセラミック基板への処理作
業を大幅に簡略化することができる。
【0073】特に、溶剤中における澱粉の添加量を5重
量%〜20重量%とすることで溶剤の粘度を適度に調整
することができるため、乾燥後における保護膜の膜厚み
を均一にすることができ、その結果、加工深さを安定さ
せることができるため、寸法バラツキの少ない加工を実
現することができる。
【0074】さらに、板厚が0.1mm〜2.0mmのセ
ラミック基板に、深さがセラミック基板の板厚の1/3
〜1/4の範囲にあるレーザースクライブを形成する場
合、澱粉にコースターチ又は小麦粉を用いるとともに、
保護膜の膜厚みを10μm〜500μmとすることで、
加工深さ方向における寸法バラツキを抑え、かつヒュー
ムの高さを大幅に抑えることができるとともに、レーザ
ースクライブの開口部の形状を真円に近づけることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明のセラミック基板へのレ
ーザー加工方法を説明するための模式図である。
【図2】本発明のセラミック基板へのレーザー加工方法
にて形成したレーザースクライブ周辺のヒュームの形状
を示す平面図である。
【図3】セラミック基板へ溶剤を塗布する塗工機の概略
を示す側面図である。
【図4】セラミック基板へ溶剤を塗布するキャスティン
グ装置の概略を示す側面図である。
【図5】セラミック基板へ溶剤を塗布するテーブルコー
ターの概略を示す側面図である。
【図6】セラミック基板へ溶剤を塗布するスクリーン印
刷機の概略を示す側面図である。
【図7】従来のセラミック基板へのレーザー加工方法に
て形成したレーザースクライブ周辺のヒュームと飛着物
の形状を示す平面図である。
【符号の説明】
1:セラミック基板 2:保護膜 3:溶剤 4:レーザービームヘッド 5:集光レンズ 6:レーザー光 7:加工部 8:溶融したセラミックスの飛着物 9:ヒューム 11:溶剤タンク 12:回転ブラシ 13:ローラー 14:拡散ローラー 15:転写ローラー 16:搬送ベルト 17:乾燥BOX 18:シートヒータ 19:攪拌バー 21:溶剤タンク 22:スリット 23:搬送ベルト 24:乾燥BOX 25:シートヒータ 31:ブレード 32:スリット 33:支柱 34:テーブル 35:乾燥BOX 36:ガイドレール 41:スクリーン 42:スキージ 43:シートヒータ 44:印刷部 45:テーブル 46:ガイドレール 50:レーザースクライブ 51:ヒューム 52:飛着物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック基板の加工表面に、澱粉を溶媒
    中に分散させた溶剤を塗布、乾燥させて澱粉からなる保
    護膜を被着した後、上記加工表面にレーザ光を照射し
    て、レーザースクライブ、穴、溝等の加工を施すように
    したことを特徴とするセラミック基板へのレーザー加工
    方法。
  2. 【請求項2】上記溶剤中における澱粉の添加量が5重量
    %〜20重量%であることを特徴とする請求項1に記載
    のセラミック基板へのレーザー加工方法。
  3. 【請求項3】板厚が0.1mm〜2.0mmである上記セ
    ラミック基板の加工表面に、澱粉としてコーンスターチ
    又は小麦粉を用いた保護膜を形成するとともに、該保護
    膜の膜厚みを10μm〜500μmとし、上記セラミッ
    ク基板の加工表面にレーザ光を照射して加工深さがセラ
    ミック基板の板厚の1/3〜1/4の範囲にあるレーザ
    ースクライブを形成するようにしたことを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載のセラミック基板へのレーザ
    ー加工方法。
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