JP2003287885A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 画像形成材料の面積に係わらず、エネルギー
付与により耐久性と鮮鋭度の高い画像が容易に得られ、
且つ、高濃度の画像によるディスプレイ材料への応用、
あるいは高親水性を活かした平版印刷版への応用など、
応用範囲の広い画像形成方法を提供する。 【解決手段】 疎水性支持体上に、少なくとも側鎖又は
末端に光活性基を有する親水性ポリマーを含有する組成
物を接触させ、画像様にエネルギーを付与して、疎水性
ポリマー含有層上に該親水性ポリマーを固定化して親水
性パターンを形成し、該親水性パターン、或いはエネル
ギーを付与されていない疎水性領域のいずれかに色材を
付着させることを特徴とする。
付与により耐久性と鮮鋭度の高い画像が容易に得られ、
且つ、高濃度の画像によるディスプレイ材料への応用、
あるいは高親水性を活かした平版印刷版への応用など、
応用範囲の広い画像形成方法を提供する。 【解決手段】 疎水性支持体上に、少なくとも側鎖又は
末端に光活性基を有する親水性ポリマーを含有する組成
物を接触させ、画像様にエネルギーを付与して、疎水性
ポリマー含有層上に該親水性ポリマーを固定化して親水
性パターンを形成し、該親水性パターン、或いはエネル
ギーを付与されていない疎水性領域のいずれかに色材を
付着させることを特徴とする。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成方法に関
し、特に、耐久性と解像度とに優れた画像を容易に形成
することができるパターン形成材料を用いたディスプレ
イ材料および平版印刷版等に有用な画像形成方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来、種々の画像形成材料が、ディスプ
レイ材料やパターン形成材料として使用されている。こ
れらは通常、紙媒体などの白色の受像材料表面にインク
などの有色材料を像様に付着させたり、プラスチックフ
ィルムなどの透明な受像材料に顔料などの光非透過性の
材料を像様に付着させることで画像形成を行っている。
画像形成は、例えば、受像材料にインクジェット印刷に
よりインクを付着させたり、コピー機に代表されるよう
に、静電的に有色材料を受像材料の表面に付着させ、加
熱定着させる、感熱記録材料を用いて加熱により像様に
染料前駆体を発色させるなどの種々の方法で行われてい
る。また、配向が制御された緻密なパターンを形成する
方法として、例えば、特開2000−247799号に
は、機能性有機分子薄膜の製造方法が提案されている。
この方法によれば、緻密なパターンを形成することがで
きるが、特殊な材料を用いる必要があり、且つ、形成さ
れたパターンの画像形成などへの応用が困難であった。
一方、従来の一般的な画像形成方法では、大面積の受像
材料に高解像度の画像を形成したり、薄膜の受像材料に
高濃度の画像を形成することが困難であった。 【0003】一方、近年、画像形成材料として、ディジ
タル化された画像データーからリスフィルムなどの媒介
を用いずに直接、受像材料上に画像形成する方法が注目
され、種々提案されてきている。このようなデジタル化
された画像形成方法を利用すれば、受像材料の面積や特
性に係わらず、鮮明な画像を形成することが期待される
が、所望の受像材料に、このデジタル化されたデータに
基づいて光非透過性材料や有色材料を安定に定着させる
技術は未だ確立されていないのが、現状である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の欠点
を考慮してなされた本発明の目的は、画像形成材料の面
積に係わらず、エネルギー付与により耐久性と鮮鋭度の
高い画像が容易に得られ、且つ、高濃度の画像によるデ
ィスプレイ材料への応用、あるいは高親水性を活かした
平版印刷版への応用など、応用範囲の広い画像形成方法
を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、光活性基を有する親水性ポリマーが、露光、加熱
等のエネルギー付与により支持体上に固定化されること
に着眼し、この特性の利用により上記目的が達成される
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明の画像形成方法は、疎水性支持体上に、少な
くとも側鎖又は末端に光活性基を有する親水性ポリマー
を含有する組成物を接触させ、画像様にエネルギーを付
与して、疎水性ポリマー含有層上に該親水性ポリマーを
固定化して親水性パターンを形成し、該親水性パター
ン、或いはエネルギーを付与されていない疎水性領域の
いずれかに色材を付着させることを特徴とする。 【0006】本発明の画像形成方法は、所望の支持体基
板上に、疎水性ポリマー含有層を形成するか、又は、疎
水性ポリマー含有層自体を支持体とし、そこに光活性基
を有する親水性ポリマーを含有する組成物を接触させて
なるものであり、該親水性ポリマー含有組成物を塗布法
により基板上に接触させて親水性ポリマー含有層を形成
することができるため、製造が容易である。この画像形
成材料にエネルギーを付与することで、親水性ポリマー
の側鎖又は末端の光活性基が分解してラジカルを発生
し、エネルギー付与によって疎水性支持体表面に発生す
る活性点と直接結合したり、親水性ポリマーの側鎖の光
活性基同士が架橋反応を起こして強固に結合するため、
耐久性に優れた親水性パターンが形成されるものと考え
られる。 【0007】一方、エネルギーを付与されない未露光領
域は、水で洗浄することで未反応の高分子が容易に除去
され、疎水性支持体表面が露出して疎水性パターンとな
る。したがって、このパターン形成後に、可視画像形成
可能な物質を親水性領域或いは疎水性領域に、その親和
性にしたがって付着させることにより、鮮鋭な可視画像
を容易に形成することができる。また、これに湿し水と
インクとを供給することで親水性領域には湿し水が、疎
水性領域にはインクが付着し、平版印刷版として使用す
ることもできる。 【0008】 【発明の実施の形態】〔疎水性支持体〕本発明の画像形
成方法は、疎水性支持体上に、少なくとも側鎖又は末端
に光活性基を有する親水性ポリマーを含有する組成物を
接触させ、画像様にエネルギーを付与することで親水性
パターンを形成する。ここで、疎水性支持体とは、その
主成分が疎水性ポリマーであり、表面疎水性を示すもの
であれば特に制限はなく、所望の支持体基板上に、疎水
性ポリマー含有層を形成するか、又は、疎水性ポリマー
含有層自体が支持体を兼ねることもできる。 【0009】本発明に適用し得る疎水性ポリマーとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、二
酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セル
ロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セ
ルロース、ポリエチレンテレフタレー卜、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール、ポリウレタン、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹
脂などが挙げられ、これらをフィルム状に成形したもの
をそのまま支持体(兼、疎水性ポリマー含有層)として
使用してもよい。 【0010】また、所望の他の支持体基板上に前記のよ
うな疎水性ポリマー含有層を形成することもできる。本
発明に適用可能な支持体基板としては、寸度的に安定な
板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、金属板
(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、上記の如き金
属がラミネート若しくは蒸着された紙等が含まれる。こ
の支持体基板に上記疎水性ポリマー含有層を形成するに
は、公知の方法を適用すればよく、フィルム状に形成し
た疎水性ポリマーを基板上にラミネートする方法や、溶
融押出法等を用いることができる。本発明に使用される
支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウ
ム板が好ましく、その中でも、前記疎水性ポリマー含有
層を兼ねることができるポリエステルフィルムが特に好
ましい。 【0011】〔親水性パターンの形成〕 (光活性基を有する親水性ポリマー)本発明の画像形成
方法は、上記疎水性支持体上に、少なくとも側鎖又は末
端に光活性基を有する親水性ポリマーを含有する組成物
を接触させ、画像様にエネルギーを付与することで親水
性パターンを形成する。このような親水性パターンを形
成するために用いられる、光活性基を有する親水性ポリ
マーを得るには、一般的な親水性ポリマーに、光活性基
を導入すればよい。 【0012】本発明における一般的な親水性ポリマーと
しては、以下に挙げる親水性モノマーを重合して得られ
るものが適用できる。そのような親水性モノマーとして
は、(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金属塩お
よびアミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカリ金属塩
およびアミン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール
(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)ア
クリルアミド、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水
素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ
金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン酸もしくはその
アルカリ金属塩およびアミン塩、2−スルホエチル(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロバンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキ
シエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの
カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基も
しくはそれらの塩、水酸基、アミド基およびエーテル基
などの親水性基を有するモノマーが挙げられる。上記一
般的な親水性ポリマーとしては、これらの親水性モノマ
ーから選ばれる少なくとも1種を用いて得られるホモポ
リマー、もしくは2種以上を共重合させたコポリマー等
を目的に応じて選択すればよい。共重合させる場合に
は、ランダム共重合でもブロック共重合でもよい。 【0013】本発明における光活性基とは、150nm
〜1200nmの領域の光照射により分解され、ラジカ
ルを発生する基を指す。具体的には、光ナイトレンを発
生するアジド基や、一般に光でラジカルを発生するジア
ゾ基、ベンゾフェノン基、トリクロロメチル基、α−ヒ
ドロキシアセトフェノン基、α−アルコキシアセトフェ
ノン基等が挙げらる。これらの光活性基を上記親水性ポ
リマーに導入する方法としては、光活性基を有する化合
物を該親水性ポリマーと反応させる方法が挙げられ、詳
しくは、Macromolecules 1997 3
0,7001(伊藤ら)に記載されている方法を用いる
ことができる。光活性基を有する化合物としては、アジ
ド化合物、シアゾ化合物等が挙げられる。また、光活性
基を有する親水性ポリマー中の親水性基と、光活性基と
の組成比としては、105:1〜1:10が好ましく、
104:1〜1:1がさらに好ましい。なお、これらの
組成比は、合成時において、上記一般的な親水性ポリマ
ーに対する光活性基を有する化合物の添加量を調節する
ことでコントロールすることができる。また、本発明に
おいて、光活性基を導入する位置は、側鎖でも末端でも
よいが、親水性発現の観点から末端が好ましい。ここ
で、光活性基が側鎖又は末端に導入された親水性ポリマ
ーの具体例(親水性ポリマー1〜親水性ポリマー14)
を組成比と共に以下に示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。 【0014】 【化1】【0015】 【化2】【0016】このような光活性基を有する親水性ポリマ
ーは、公知の方法で合成することができる。例として、
上記具体例の親水性ポリマー12の合成例を以下に示
す。アクリルアミド30g、3−メルカプトプロピオン
酸3.8gをエタノール70gに溶解後、窒素雰囲気下
60℃に昇温し、AIBN(2,2−アゾビスイソブチ
ルニトリル)300mgを加えて6時間反応した。反応
後白色沈殿を濾過しメタノールで十分洗浄し末端カルボ
ン酸アクリルアミドポリマーを28.7g得た(酸価
0.787meq/g分子量1.29×103)。前記
プレポリマー20gおよび4−アジドアニリン0.2g
およびWSC(水溶性カルボジイミド,和光純薬(株)
社製)0.45gを水200g溶解し、塩酸水および水
酸化ナトリウム水溶液にてPHを7.0に調整した。室
温にて48時間攪拌のち,反応液をセルロースフィルム
を通して透析を48時間行った。その後,反応溶液をア
セトンに加え、ポリマーを沈殿させ、よく洗浄して末端
アジド基アクリルアミドポリマー(具体例の親水性ポリ
マー12)18.4g(分子量1.68×103)を得
た。なお、その他の光活性基を有する親水性ポリマーに
ついても、出発物質を変えることにより同様に合成する
ことができる。 【0017】上記光活性基を有する親水性ポリマーは、
溶媒に溶かして、親水性ポリマー含有組成物として用い
る。使用する溶剤は、主成分である前記親水性ポリマー
が溶解可能ならば特に制限はないが、水、水溶性溶剤な
どの水性溶剤が好ましい。これらの混合物には、溶剤の
みならず塗布性や付着性向上のため、さらに界面活性剤
などの公知の添加剤を併用することができる。水溶性溶
剤は、水と任意の割合で混和しうる溶剤を言い、そのよ
うな水溶性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン
の如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトンの如
きケトン系溶剤、ホルムアミドの如きアミド系溶剤、な
どが挙げられる。 【0018】必要に応じて溶剤に添加することのできる
界面活性剤は、溶剤に溶解するものであればよく、その
ような界面活性剤としては、例えば、n−ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤
や、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの
如きカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル(市販品としては、例えば、エマルゲ
ン910、花王(株)製など)、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート(市販品としては、例えば、商
品名「ツイーン20」など)、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げられ
る。組成物を液状のまま接触させる場合には、任意に行
うことができるが、塗布法により親水性ポリマー組成物
塗布層を形成する場合の塗布量は固形分換算で0.1〜
10g/m2が好ましく、特に1〜5g/m2が好まし
い。0.lg/m2未満では十分な表面親水性を得るこ
とができず、また10g/m2を超えると均一な塗布膜
が得にくいため、いずれも好ましくない。 【0019】(エネルギー付与)本発明の方法において
画像形成を行う場合のエネルギー付与方法には特に制限
はなく、光活性基を分解させ、さらには所望により疎水
性ポリマー含有層表面に活性点を生じさせて、光活性基
を有する親水性ポリマーと結合し得るエネルギーを付与
できる方法であれば、露光、加熱のいずれの方法も使用
できるが、コスト、装置の簡易性の観点からは活性光線
を照射する方法が好ましい。画像様の露光に活性光線の
照射を適用する場合、デジタルデータに基づく走査露
光、リスフィルムを用いたパターン露光のいずれも使用
することができる。画像形成に用いる方法としては、加
熱、露光等の輻射線照射により書き込みを行う方法が挙
げられる。例えば、赤外線レーザ、紫外線ランプ、可視
光線などによる光照射、γ線などの電子線照射、サーマ
ルヘッドによる熱的な記録などが可能である。これらの
光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク
灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビ
ーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep
−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)
も使用される。一般的に用いられる具体的な態様として
は、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レー
ザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッ
シュ露光や赤外線ランプ露光などが好適に挙げられる。
コンピュータのデジタルデータによるダイレクト画像形
成を行うためには、レーザ露光によりエネルギーを付与
することが好ましい。レーザとしては、炭酸ガスレー
ザ、窒素レーザ、Arレーザ、He/Neレーザ、He
/Cdレーザ、Krレーザ等の気体レーザ、液体(色
素)レーザ、ルビーレーザ、Nd/YAGレーザ等の固
体レーザ、GaAs/GaAlAs、InGaAsレー
ザ等の半導体レーザ、KrFレーザ、XeClレーザ、
XeFレーザ、Ar2等のエキシマレーザ等を使用する
ことができる。なかでも、波長700〜1200nmの
赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体
高出力赤外線レーザによる露光が好適である。この後、
水で洗浄することにより、未露光部の高分子を溶解除去
する。以上のようにして、エネルギー付与領域には、光
活性基を有する親水性ポリマーによって親水性パターン
が形成され、エネルギーを付与されない領域では、疎水
性ポリマー含有層表面が露出して疎水性領域となる。 【0020】〔可視画像形成〕上記で得られた親/疎水
性パターンに可視画像形成可能な色材を付着させること
で可視画像が形成される。ここで、親/疎水性パターン
に吸着させる色材は、可視画像を形成しうる物質であれ
ば、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよ
い。なお、可視像を形成可能であるとは、可視波長領域
に吸収を有する物質を指し、具体的には、例えば、有色
の染料或いは顔料、光非透過性の各種顔料、金属微粒子
などが挙げられる。 【0021】(親水性ポリマーの極性基と色材との関
係)具体的には、親水性ポリマーの親水性基がスルホン
酸塩やカルボン酸塩などの負の電荷を有する場合、正の
電荷を有する分子、例えば、カチオン染料などを吸着さ
せることで可視画像を形成することができる。 【0022】このような画像形成に用い得るカチオン性
の色材としては、カチオン染料やカチオン性に帯電させ
た無機顔料、金属微粒子及び表面にカチオン性の表面層
を形成してなる被覆顔料、被覆金属微粒子などが挙げら
れる。ここで、用い得るカチオン染料としては、公知の
染料を色調や画像濃度などの目的に応じて適宜選択して
使用することができる。このようなカチオン染料は前記
極性変換基である酸性基(スルホン酸基、カルボン酸基
など)の機能により電気的に画像記録層表面に引き寄せ
られ、表面のみならず内部へも浸透して最終的に酸性基
と結合して画像が形成されるものと考えられる。この画
像はイオン性の相互作用によるため、強固に吸着し、少
ない染料で堅牢度の高い高濃度の画像が形成される。 【0023】カチオン染料としては、発色団の末端にア
ルキルアミノ、アラルキルアミノ結合を有する染料、ス
ルホン酸アルキルアミド結合などの酸アミド結合を有す
る染料、カチオンを形成し得る基を有するアゾ染料、メ
チン染料、チアゾール・アゾ染料などの複素環化合物な
どが挙げられる。カチオン染料の骨格としては、トリフ
ェニルメタン、ジフェニルメタン、キサンテン、アクリ
ジン、アジン、チアジン、チアゾール、オキサジン、ア
ゾなどが挙げられ、このような染料は例えば、「新染料
化学」細田 豊著、技報堂、(1957年)の第316
頁〜322頁に詳述されている。 【0024】他の画像形成機構として、例えば、親水性
ポリマーの親水性基がアンモニウム基などのカチオン性
の電荷をもつ場合、負の電荷をもつ分子、例えば、酸性
染料などを吸着して可視画像が形成される。 【0025】このような画像形成に用い得るアニオン性
の色材としては、酸性染料やアニオン性に帯電させた無
機顔料、金属微粒子及び表面にアニオン性の表面層を形
成してなる被覆顔料、被覆金属微粒子などが挙げられ
る。ここで、用い得る酸性染料としては、公知の染料を
色調や画像濃度などの目的に応じて適宜選択して使用す
ることができる。このような酸性染料としては、アゾ
系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、キサン
テン系、アジン、キノリンなどの染料が挙げられ、これ
らのいずれでも任意に用いることができる。具体的に
は、例えば、C.I.Acid Yellow 1、
C.I.AcidOrange 33、C.I.Aci
d Red 80、C.I.Acid Violet
7、C.I.Acid Blue 93などが挙げら
れ、このような染料は例えば、「染料便覧」有機合成化
学協会編、丸善、(1970年)の第392頁〜471
頁に詳述されている。 【0026】可視画像の形成に用いられる前記色材は1
種のみならず、必要に応じて複数種を併用することがで
きる。また、所望の色調を得るため、予め複数の材料を
混合して用いることもできる。色材を親/疎水性領域に
吸着させる方法としては、色材分子を溶解又は分散させ
た液を露光などにより像様にパターン形成されたパター
ン形成材料表面に塗布する方法、及び、これらの溶液又
は分散液中に像様にパターン形成されたパターン形成材
料を浸漬する方法などが挙げられる。塗布、浸漬のいず
れの場合にも、過剰量の色材を供給し、所望の親/疎水
性パターン領域との間に十分な付着がなされるために、
溶液又は分散液とパターン形成材料表面との接触時間
は、10秒から60分程度であることが好ましく、1分
から20分程度であることがさらに好ましい。色材は、
パターン形成領域に吸着し得る最大量結合されること
が、画像の鮮鋭度、色調及び耐久性の点で好ましい。ま
た、吸着の効率からは、溶液、分散液の濃度は、少なく
とも10〜20重量%程度が好ましい。 【0027】これら色材の使用量は、画像形成機構やそ
の目的に応じて適宜選択することができるが、イオン性
の吸着により導入される場合には、一般的な画像形成材
料に用いる発色材料、有色材料の使用量に比較して、少
量で、高濃度、高鮮鋭度の画像を形成することができ
る。また、疎水性ポリマー含有層が支持体を兼ねる樹脂
フィルムを用いて、無機顔料や金属顔料などの光非透過
性の材料を吸着させた場合、或いは、光透過性の有色染
料を吸着させた場合には、OHPや街頭における電飾の
ごとき光透過性のパターン形成材料、ディスプレイ材料
をも容易に得ることができる。 【0028】また、他の画像形成機構として、疎水性領
域に、例えば、油性インクの如き疎水性の材料を付着さ
せる方法が挙げられる。このような画像形成機構を用い
る場合には、未露光部の疎水性領域表面のみに色材が吸
着するため、単色の画像形成に適する画像形成方法とな
る。 【0029】(平版印刷版への応用)本発明の画像形成
方法を用いて得られた親/疎水性パターンを平版印刷版
として用いることもできる。すなわち、パターン形成後
に湿し水と油性インクとを供給することで、湿し水は形
成された親水性パターン領域に吸着して非画像部を形成
し、疎水性ポリマー含有層表面は疎水性の油性インク受
容領域となり、画像部を形成する。親水性パターン領域
は強固に架橋された親水性ポリマーが直接支持体と結合
しているため、非画像部に汚れの生じない、優れた画質
の画像を形成することができる。また、画像部は疎水性
支持体そのものであるため、親水性領域の耐久性とあい
まって印刷版としての耐刷性に優れる。また、未露光部
においては、未反応の親水性ポリマー含有組成物が水で
容易に溶解除去されることから、インクと湿し水を供給
して印刷を開始するとその初期の段階で未露光部が除去
されて疎水性ポリマー含有層表面が露出するため、機上
現像可能な平版印刷版としても好適に使用し得る。な
お、平版印刷版に用いられる支持体としては、上述の可
視画像形成で用いたものと同様のものを用いることがで
きるが、特に平版印刷版に用いる場合には、寸度安定性
の観点から、PETなどのポリエステルフィルムや、ア
ルミニウム板上に前記疎水性ポリマー含有層を形成した
ものが好適に用いられる。 【0030】本発明の画像形成方法によれば、任意の基
材表面に比較的簡易な処理で、鮮鋭な画像を形成するこ
とが可能であり、さらには、形成された画像の耐久性が
良好であるため、多用な目的に好適に使用しうるという
利点を有することから、種々の画像形成、あるいは、デ
ィスプレイ形成が容易に得られ、広い用途が期待され
る。 【0031】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。 【0032】〔実施例1〕 (親水性パターンの形成)光活性基を有する親水性ポリ
マー1の5%の水溶液を188μのコロナ処理されたP
ETフィルム上にロッド10番の塗布バーを使用して塗
布し、80℃で5分間乾燥し、画像形成材料を得た。次
に黒色のパターンが印刷されたリスフィルムを通して4
00Wの高圧水銀灯の光を5分間照射した。その後未露
光部分を水洗、除去し、リスフィルムに従った親水性パ
ターンを得た。 【0033】(可視画像形成)次に、この親水性パター
ン形成された支持体をメチレンブルー(和光純薬製)
0.1重量%の水溶液に10分浸漬した後、蒸留水で洗
浄したところ、露光部に選択的にメチレンブルーが付着
して、青色の鮮明な画像が得られた。 【0034】〔実施例2〕 (平版印刷版への応用)実施例1で得られた画像形成材
料1の表面を実施例1と同様にしてエネルギーを付与
し、画像様の親水性パターンを形成した。次に、上記親
水性パターンが形成された支持体をそのまま印刷版とし
てリスロン印刷機に装着し、湿し水としてIF201
(2.5%)、IF202(0.75%)〔富士写真フ
イルム(株)製〕、インクとしてGEOS−G墨〔大日
本インキ化学工業(株)製〕を供給して、通常通り印刷
を行った。得られた印刷物の画像部が良好に形成されて
いるかどうか、および非画像部に汚れが生じていないか
を観察したところ、画像部のヌケや非画像部の汚れのな
い良好な画質の印刷物が得られた。その後、1万枚の印
刷を継続したが、1万枚の印刷が終了した時点でも、画
像部のかすれや非画像部の汚れの発生もなく、良好な印
刷物が得られ、本発明の画像形成方法で得られた親/疎
水性パターンを平版印刷版として用いた場合、印刷物の
画質、耐刷性ともに良好であることがわかった。 【0035】 【発明の効果】本発明の画像形成方法によれば、エネル
ギー付与により画像形成材料の面積に係わらず、耐久性
と鮮鋭度の高い画像が得られることから、高濃度の画像
によるディスプレイ材料への応用、あるいは高親水性を
活かした平版印刷版への応用など、幅広い用途が期待さ
れる。
し、特に、耐久性と解像度とに優れた画像を容易に形成
することができるパターン形成材料を用いたディスプレ
イ材料および平版印刷版等に有用な画像形成方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来、種々の画像形成材料が、ディスプ
レイ材料やパターン形成材料として使用されている。こ
れらは通常、紙媒体などの白色の受像材料表面にインク
などの有色材料を像様に付着させたり、プラスチックフ
ィルムなどの透明な受像材料に顔料などの光非透過性の
材料を像様に付着させることで画像形成を行っている。
画像形成は、例えば、受像材料にインクジェット印刷に
よりインクを付着させたり、コピー機に代表されるよう
に、静電的に有色材料を受像材料の表面に付着させ、加
熱定着させる、感熱記録材料を用いて加熱により像様に
染料前駆体を発色させるなどの種々の方法で行われてい
る。また、配向が制御された緻密なパターンを形成する
方法として、例えば、特開2000−247799号に
は、機能性有機分子薄膜の製造方法が提案されている。
この方法によれば、緻密なパターンを形成することがで
きるが、特殊な材料を用いる必要があり、且つ、形成さ
れたパターンの画像形成などへの応用が困難であった。
一方、従来の一般的な画像形成方法では、大面積の受像
材料に高解像度の画像を形成したり、薄膜の受像材料に
高濃度の画像を形成することが困難であった。 【0003】一方、近年、画像形成材料として、ディジ
タル化された画像データーからリスフィルムなどの媒介
を用いずに直接、受像材料上に画像形成する方法が注目
され、種々提案されてきている。このようなデジタル化
された画像形成方法を利用すれば、受像材料の面積や特
性に係わらず、鮮明な画像を形成することが期待される
が、所望の受像材料に、このデジタル化されたデータに
基づいて光非透過性材料や有色材料を安定に定着させる
技術は未だ確立されていないのが、現状である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の欠点
を考慮してなされた本発明の目的は、画像形成材料の面
積に係わらず、エネルギー付与により耐久性と鮮鋭度の
高い画像が容易に得られ、且つ、高濃度の画像によるデ
ィスプレイ材料への応用、あるいは高親水性を活かした
平版印刷版への応用など、応用範囲の広い画像形成方法
を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、光活性基を有する親水性ポリマーが、露光、加熱
等のエネルギー付与により支持体上に固定化されること
に着眼し、この特性の利用により上記目的が達成される
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明の画像形成方法は、疎水性支持体上に、少な
くとも側鎖又は末端に光活性基を有する親水性ポリマー
を含有する組成物を接触させ、画像様にエネルギーを付
与して、疎水性ポリマー含有層上に該親水性ポリマーを
固定化して親水性パターンを形成し、該親水性パター
ン、或いはエネルギーを付与されていない疎水性領域の
いずれかに色材を付着させることを特徴とする。 【0006】本発明の画像形成方法は、所望の支持体基
板上に、疎水性ポリマー含有層を形成するか、又は、疎
水性ポリマー含有層自体を支持体とし、そこに光活性基
を有する親水性ポリマーを含有する組成物を接触させて
なるものであり、該親水性ポリマー含有組成物を塗布法
により基板上に接触させて親水性ポリマー含有層を形成
することができるため、製造が容易である。この画像形
成材料にエネルギーを付与することで、親水性ポリマー
の側鎖又は末端の光活性基が分解してラジカルを発生
し、エネルギー付与によって疎水性支持体表面に発生す
る活性点と直接結合したり、親水性ポリマーの側鎖の光
活性基同士が架橋反応を起こして強固に結合するため、
耐久性に優れた親水性パターンが形成されるものと考え
られる。 【0007】一方、エネルギーを付与されない未露光領
域は、水で洗浄することで未反応の高分子が容易に除去
され、疎水性支持体表面が露出して疎水性パターンとな
る。したがって、このパターン形成後に、可視画像形成
可能な物質を親水性領域或いは疎水性領域に、その親和
性にしたがって付着させることにより、鮮鋭な可視画像
を容易に形成することができる。また、これに湿し水と
インクとを供給することで親水性領域には湿し水が、疎
水性領域にはインクが付着し、平版印刷版として使用す
ることもできる。 【0008】 【発明の実施の形態】〔疎水性支持体〕本発明の画像形
成方法は、疎水性支持体上に、少なくとも側鎖又は末端
に光活性基を有する親水性ポリマーを含有する組成物を
接触させ、画像様にエネルギーを付与することで親水性
パターンを形成する。ここで、疎水性支持体とは、その
主成分が疎水性ポリマーであり、表面疎水性を示すもの
であれば特に制限はなく、所望の支持体基板上に、疎水
性ポリマー含有層を形成するか、又は、疎水性ポリマー
含有層自体が支持体を兼ねることもできる。 【0009】本発明に適用し得る疎水性ポリマーとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、二
酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セル
ロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セ
ルロース、ポリエチレンテレフタレー卜、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール、ポリウレタン、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹
脂などが挙げられ、これらをフィルム状に成形したもの
をそのまま支持体(兼、疎水性ポリマー含有層)として
使用してもよい。 【0010】また、所望の他の支持体基板上に前記のよ
うな疎水性ポリマー含有層を形成することもできる。本
発明に適用可能な支持体基板としては、寸度的に安定な
板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、金属板
(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、上記の如き金
属がラミネート若しくは蒸着された紙等が含まれる。こ
の支持体基板に上記疎水性ポリマー含有層を形成するに
は、公知の方法を適用すればよく、フィルム状に形成し
た疎水性ポリマーを基板上にラミネートする方法や、溶
融押出法等を用いることができる。本発明に使用される
支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウ
ム板が好ましく、その中でも、前記疎水性ポリマー含有
層を兼ねることができるポリエステルフィルムが特に好
ましい。 【0011】〔親水性パターンの形成〕 (光活性基を有する親水性ポリマー)本発明の画像形成
方法は、上記疎水性支持体上に、少なくとも側鎖又は末
端に光活性基を有する親水性ポリマーを含有する組成物
を接触させ、画像様にエネルギーを付与することで親水
性パターンを形成する。このような親水性パターンを形
成するために用いられる、光活性基を有する親水性ポリ
マーを得るには、一般的な親水性ポリマーに、光活性基
を導入すればよい。 【0012】本発明における一般的な親水性ポリマーと
しては、以下に挙げる親水性モノマーを重合して得られ
るものが適用できる。そのような親水性モノマーとして
は、(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金属塩お
よびアミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカリ金属塩
およびアミン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール
(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)ア
クリルアミド、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水
素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ
金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン酸もしくはその
アルカリ金属塩およびアミン塩、2−スルホエチル(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロバンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキ
シエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの
カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基も
しくはそれらの塩、水酸基、アミド基およびエーテル基
などの親水性基を有するモノマーが挙げられる。上記一
般的な親水性ポリマーとしては、これらの親水性モノマ
ーから選ばれる少なくとも1種を用いて得られるホモポ
リマー、もしくは2種以上を共重合させたコポリマー等
を目的に応じて選択すればよい。共重合させる場合に
は、ランダム共重合でもブロック共重合でもよい。 【0013】本発明における光活性基とは、150nm
〜1200nmの領域の光照射により分解され、ラジカ
ルを発生する基を指す。具体的には、光ナイトレンを発
生するアジド基や、一般に光でラジカルを発生するジア
ゾ基、ベンゾフェノン基、トリクロロメチル基、α−ヒ
ドロキシアセトフェノン基、α−アルコキシアセトフェ
ノン基等が挙げらる。これらの光活性基を上記親水性ポ
リマーに導入する方法としては、光活性基を有する化合
物を該親水性ポリマーと反応させる方法が挙げられ、詳
しくは、Macromolecules 1997 3
0,7001(伊藤ら)に記載されている方法を用いる
ことができる。光活性基を有する化合物としては、アジ
ド化合物、シアゾ化合物等が挙げられる。また、光活性
基を有する親水性ポリマー中の親水性基と、光活性基と
の組成比としては、105:1〜1:10が好ましく、
104:1〜1:1がさらに好ましい。なお、これらの
組成比は、合成時において、上記一般的な親水性ポリマ
ーに対する光活性基を有する化合物の添加量を調節する
ことでコントロールすることができる。また、本発明に
おいて、光活性基を導入する位置は、側鎖でも末端でも
よいが、親水性発現の観点から末端が好ましい。ここ
で、光活性基が側鎖又は末端に導入された親水性ポリマ
ーの具体例(親水性ポリマー1〜親水性ポリマー14)
を組成比と共に以下に示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。 【0014】 【化1】【0015】 【化2】【0016】このような光活性基を有する親水性ポリマ
ーは、公知の方法で合成することができる。例として、
上記具体例の親水性ポリマー12の合成例を以下に示
す。アクリルアミド30g、3−メルカプトプロピオン
酸3.8gをエタノール70gに溶解後、窒素雰囲気下
60℃に昇温し、AIBN(2,2−アゾビスイソブチ
ルニトリル)300mgを加えて6時間反応した。反応
後白色沈殿を濾過しメタノールで十分洗浄し末端カルボ
ン酸アクリルアミドポリマーを28.7g得た(酸価
0.787meq/g分子量1.29×103)。前記
プレポリマー20gおよび4−アジドアニリン0.2g
およびWSC(水溶性カルボジイミド,和光純薬(株)
社製)0.45gを水200g溶解し、塩酸水および水
酸化ナトリウム水溶液にてPHを7.0に調整した。室
温にて48時間攪拌のち,反応液をセルロースフィルム
を通して透析を48時間行った。その後,反応溶液をア
セトンに加え、ポリマーを沈殿させ、よく洗浄して末端
アジド基アクリルアミドポリマー(具体例の親水性ポリ
マー12)18.4g(分子量1.68×103)を得
た。なお、その他の光活性基を有する親水性ポリマーに
ついても、出発物質を変えることにより同様に合成する
ことができる。 【0017】上記光活性基を有する親水性ポリマーは、
溶媒に溶かして、親水性ポリマー含有組成物として用い
る。使用する溶剤は、主成分である前記親水性ポリマー
が溶解可能ならば特に制限はないが、水、水溶性溶剤な
どの水性溶剤が好ましい。これらの混合物には、溶剤の
みならず塗布性や付着性向上のため、さらに界面活性剤
などの公知の添加剤を併用することができる。水溶性溶
剤は、水と任意の割合で混和しうる溶剤を言い、そのよ
うな水溶性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン
の如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトンの如
きケトン系溶剤、ホルムアミドの如きアミド系溶剤、な
どが挙げられる。 【0018】必要に応じて溶剤に添加することのできる
界面活性剤は、溶剤に溶解するものであればよく、その
ような界面活性剤としては、例えば、n−ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤
や、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの
如きカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル(市販品としては、例えば、エマルゲ
ン910、花王(株)製など)、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート(市販品としては、例えば、商
品名「ツイーン20」など)、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げられ
る。組成物を液状のまま接触させる場合には、任意に行
うことができるが、塗布法により親水性ポリマー組成物
塗布層を形成する場合の塗布量は固形分換算で0.1〜
10g/m2が好ましく、特に1〜5g/m2が好まし
い。0.lg/m2未満では十分な表面親水性を得るこ
とができず、また10g/m2を超えると均一な塗布膜
が得にくいため、いずれも好ましくない。 【0019】(エネルギー付与)本発明の方法において
画像形成を行う場合のエネルギー付与方法には特に制限
はなく、光活性基を分解させ、さらには所望により疎水
性ポリマー含有層表面に活性点を生じさせて、光活性基
を有する親水性ポリマーと結合し得るエネルギーを付与
できる方法であれば、露光、加熱のいずれの方法も使用
できるが、コスト、装置の簡易性の観点からは活性光線
を照射する方法が好ましい。画像様の露光に活性光線の
照射を適用する場合、デジタルデータに基づく走査露
光、リスフィルムを用いたパターン露光のいずれも使用
することができる。画像形成に用いる方法としては、加
熱、露光等の輻射線照射により書き込みを行う方法が挙
げられる。例えば、赤外線レーザ、紫外線ランプ、可視
光線などによる光照射、γ線などの電子線照射、サーマ
ルヘッドによる熱的な記録などが可能である。これらの
光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク
灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビ
ーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep
−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)
も使用される。一般的に用いられる具体的な態様として
は、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レー
ザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッ
シュ露光や赤外線ランプ露光などが好適に挙げられる。
コンピュータのデジタルデータによるダイレクト画像形
成を行うためには、レーザ露光によりエネルギーを付与
することが好ましい。レーザとしては、炭酸ガスレー
ザ、窒素レーザ、Arレーザ、He/Neレーザ、He
/Cdレーザ、Krレーザ等の気体レーザ、液体(色
素)レーザ、ルビーレーザ、Nd/YAGレーザ等の固
体レーザ、GaAs/GaAlAs、InGaAsレー
ザ等の半導体レーザ、KrFレーザ、XeClレーザ、
XeFレーザ、Ar2等のエキシマレーザ等を使用する
ことができる。なかでも、波長700〜1200nmの
赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体
高出力赤外線レーザによる露光が好適である。この後、
水で洗浄することにより、未露光部の高分子を溶解除去
する。以上のようにして、エネルギー付与領域には、光
活性基を有する親水性ポリマーによって親水性パターン
が形成され、エネルギーを付与されない領域では、疎水
性ポリマー含有層表面が露出して疎水性領域となる。 【0020】〔可視画像形成〕上記で得られた親/疎水
性パターンに可視画像形成可能な色材を付着させること
で可視画像が形成される。ここで、親/疎水性パターン
に吸着させる色材は、可視画像を形成しうる物質であれ
ば、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよ
い。なお、可視像を形成可能であるとは、可視波長領域
に吸収を有する物質を指し、具体的には、例えば、有色
の染料或いは顔料、光非透過性の各種顔料、金属微粒子
などが挙げられる。 【0021】(親水性ポリマーの極性基と色材との関
係)具体的には、親水性ポリマーの親水性基がスルホン
酸塩やカルボン酸塩などの負の電荷を有する場合、正の
電荷を有する分子、例えば、カチオン染料などを吸着さ
せることで可視画像を形成することができる。 【0022】このような画像形成に用い得るカチオン性
の色材としては、カチオン染料やカチオン性に帯電させ
た無機顔料、金属微粒子及び表面にカチオン性の表面層
を形成してなる被覆顔料、被覆金属微粒子などが挙げら
れる。ここで、用い得るカチオン染料としては、公知の
染料を色調や画像濃度などの目的に応じて適宜選択して
使用することができる。このようなカチオン染料は前記
極性変換基である酸性基(スルホン酸基、カルボン酸基
など)の機能により電気的に画像記録層表面に引き寄せ
られ、表面のみならず内部へも浸透して最終的に酸性基
と結合して画像が形成されるものと考えられる。この画
像はイオン性の相互作用によるため、強固に吸着し、少
ない染料で堅牢度の高い高濃度の画像が形成される。 【0023】カチオン染料としては、発色団の末端にア
ルキルアミノ、アラルキルアミノ結合を有する染料、ス
ルホン酸アルキルアミド結合などの酸アミド結合を有す
る染料、カチオンを形成し得る基を有するアゾ染料、メ
チン染料、チアゾール・アゾ染料などの複素環化合物な
どが挙げられる。カチオン染料の骨格としては、トリフ
ェニルメタン、ジフェニルメタン、キサンテン、アクリ
ジン、アジン、チアジン、チアゾール、オキサジン、ア
ゾなどが挙げられ、このような染料は例えば、「新染料
化学」細田 豊著、技報堂、(1957年)の第316
頁〜322頁に詳述されている。 【0024】他の画像形成機構として、例えば、親水性
ポリマーの親水性基がアンモニウム基などのカチオン性
の電荷をもつ場合、負の電荷をもつ分子、例えば、酸性
染料などを吸着して可視画像が形成される。 【0025】このような画像形成に用い得るアニオン性
の色材としては、酸性染料やアニオン性に帯電させた無
機顔料、金属微粒子及び表面にアニオン性の表面層を形
成してなる被覆顔料、被覆金属微粒子などが挙げられ
る。ここで、用い得る酸性染料としては、公知の染料を
色調や画像濃度などの目的に応じて適宜選択して使用す
ることができる。このような酸性染料としては、アゾ
系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、キサン
テン系、アジン、キノリンなどの染料が挙げられ、これ
らのいずれでも任意に用いることができる。具体的に
は、例えば、C.I.Acid Yellow 1、
C.I.AcidOrange 33、C.I.Aci
d Red 80、C.I.Acid Violet
7、C.I.Acid Blue 93などが挙げら
れ、このような染料は例えば、「染料便覧」有機合成化
学協会編、丸善、(1970年)の第392頁〜471
頁に詳述されている。 【0026】可視画像の形成に用いられる前記色材は1
種のみならず、必要に応じて複数種を併用することがで
きる。また、所望の色調を得るため、予め複数の材料を
混合して用いることもできる。色材を親/疎水性領域に
吸着させる方法としては、色材分子を溶解又は分散させ
た液を露光などにより像様にパターン形成されたパター
ン形成材料表面に塗布する方法、及び、これらの溶液又
は分散液中に像様にパターン形成されたパターン形成材
料を浸漬する方法などが挙げられる。塗布、浸漬のいず
れの場合にも、過剰量の色材を供給し、所望の親/疎水
性パターン領域との間に十分な付着がなされるために、
溶液又は分散液とパターン形成材料表面との接触時間
は、10秒から60分程度であることが好ましく、1分
から20分程度であることがさらに好ましい。色材は、
パターン形成領域に吸着し得る最大量結合されること
が、画像の鮮鋭度、色調及び耐久性の点で好ましい。ま
た、吸着の効率からは、溶液、分散液の濃度は、少なく
とも10〜20重量%程度が好ましい。 【0027】これら色材の使用量は、画像形成機構やそ
の目的に応じて適宜選択することができるが、イオン性
の吸着により導入される場合には、一般的な画像形成材
料に用いる発色材料、有色材料の使用量に比較して、少
量で、高濃度、高鮮鋭度の画像を形成することができ
る。また、疎水性ポリマー含有層が支持体を兼ねる樹脂
フィルムを用いて、無機顔料や金属顔料などの光非透過
性の材料を吸着させた場合、或いは、光透過性の有色染
料を吸着させた場合には、OHPや街頭における電飾の
ごとき光透過性のパターン形成材料、ディスプレイ材料
をも容易に得ることができる。 【0028】また、他の画像形成機構として、疎水性領
域に、例えば、油性インクの如き疎水性の材料を付着さ
せる方法が挙げられる。このような画像形成機構を用い
る場合には、未露光部の疎水性領域表面のみに色材が吸
着するため、単色の画像形成に適する画像形成方法とな
る。 【0029】(平版印刷版への応用)本発明の画像形成
方法を用いて得られた親/疎水性パターンを平版印刷版
として用いることもできる。すなわち、パターン形成後
に湿し水と油性インクとを供給することで、湿し水は形
成された親水性パターン領域に吸着して非画像部を形成
し、疎水性ポリマー含有層表面は疎水性の油性インク受
容領域となり、画像部を形成する。親水性パターン領域
は強固に架橋された親水性ポリマーが直接支持体と結合
しているため、非画像部に汚れの生じない、優れた画質
の画像を形成することができる。また、画像部は疎水性
支持体そのものであるため、親水性領域の耐久性とあい
まって印刷版としての耐刷性に優れる。また、未露光部
においては、未反応の親水性ポリマー含有組成物が水で
容易に溶解除去されることから、インクと湿し水を供給
して印刷を開始するとその初期の段階で未露光部が除去
されて疎水性ポリマー含有層表面が露出するため、機上
現像可能な平版印刷版としても好適に使用し得る。な
お、平版印刷版に用いられる支持体としては、上述の可
視画像形成で用いたものと同様のものを用いることがで
きるが、特に平版印刷版に用いる場合には、寸度安定性
の観点から、PETなどのポリエステルフィルムや、ア
ルミニウム板上に前記疎水性ポリマー含有層を形成した
ものが好適に用いられる。 【0030】本発明の画像形成方法によれば、任意の基
材表面に比較的簡易な処理で、鮮鋭な画像を形成するこ
とが可能であり、さらには、形成された画像の耐久性が
良好であるため、多用な目的に好適に使用しうるという
利点を有することから、種々の画像形成、あるいは、デ
ィスプレイ形成が容易に得られ、広い用途が期待され
る。 【0031】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。 【0032】〔実施例1〕 (親水性パターンの形成)光活性基を有する親水性ポリ
マー1の5%の水溶液を188μのコロナ処理されたP
ETフィルム上にロッド10番の塗布バーを使用して塗
布し、80℃で5分間乾燥し、画像形成材料を得た。次
に黒色のパターンが印刷されたリスフィルムを通して4
00Wの高圧水銀灯の光を5分間照射した。その後未露
光部分を水洗、除去し、リスフィルムに従った親水性パ
ターンを得た。 【0033】(可視画像形成)次に、この親水性パター
ン形成された支持体をメチレンブルー(和光純薬製)
0.1重量%の水溶液に10分浸漬した後、蒸留水で洗
浄したところ、露光部に選択的にメチレンブルーが付着
して、青色の鮮明な画像が得られた。 【0034】〔実施例2〕 (平版印刷版への応用)実施例1で得られた画像形成材
料1の表面を実施例1と同様にしてエネルギーを付与
し、画像様の親水性パターンを形成した。次に、上記親
水性パターンが形成された支持体をそのまま印刷版とし
てリスロン印刷機に装着し、湿し水としてIF201
(2.5%)、IF202(0.75%)〔富士写真フ
イルム(株)製〕、インクとしてGEOS−G墨〔大日
本インキ化学工業(株)製〕を供給して、通常通り印刷
を行った。得られた印刷物の画像部が良好に形成されて
いるかどうか、および非画像部に汚れが生じていないか
を観察したところ、画像部のヌケや非画像部の汚れのな
い良好な画質の印刷物が得られた。その後、1万枚の印
刷を継続したが、1万枚の印刷が終了した時点でも、画
像部のかすれや非画像部の汚れの発生もなく、良好な印
刷物が得られ、本発明の画像形成方法で得られた親/疎
水性パターンを平版印刷版として用いた場合、印刷物の
画質、耐刷性ともに良好であることがわかった。 【0035】 【発明の効果】本発明の画像形成方法によれば、エネル
ギー付与により画像形成材料の面積に係わらず、耐久性
と鮮鋭度の高い画像が得られることから、高濃度の画像
によるディスプレイ材料への応用、あるいは高親水性を
活かした平版印刷版への応用など、幅広い用途が期待さ
れる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 2H025 AA14 AA15 AA17 AB03 AB14
AC01 AD01 BA03 BA06 BD27
BH02 BH03 BH04 CB42 DA36
FA17 FA37
2H096 AA06 AA28 BA02 BA03 CA01
GA08 HA09
2H114 AA04 BA01 EA02
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 疎水性支持体上に、少なくとも側鎖又は
末端に光活性基を有する親水性ポリマーを含有する組成
物を接触させ、 画像様にエネルギーを付与して、疎水性ポリマー含有層
上に該親水性ポリマーを固定化して親水性パターンを形
成し、 該親水性パターン、或いはエネルギーを付与されていな
い疎水性領域のいずれかに色材を付着させる画像形成方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002092437A JP2003287885A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | 画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002092437A JP2003287885A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | 画像形成方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003287885A true JP2003287885A (ja) | 2003-10-10 |
Family
ID=29237268
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002092437A Pending JP2003287885A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | 画像形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003287885A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007223216A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Fujifilm Corp | 平版印刷版原版の処理方法、検版方法、画像品質管理方法、およびそれらに用いる染色用水溶液 |
| JP2016114716A (ja) * | 2014-12-12 | 2016-06-23 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 光架橋剤による電極印刷用親撥パターン形成方法 |
-
2002
- 2002-03-28 JP JP2002092437A patent/JP2003287885A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007223216A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Fujifilm Corp | 平版印刷版原版の処理方法、検版方法、画像品質管理方法、およびそれらに用いる染色用水溶液 |
| JP2016114716A (ja) * | 2014-12-12 | 2016-06-23 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 光架橋剤による電極印刷用親撥パターン形成方法 |
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