JP2003292503A - 重合体の連続重合方法と同重合設備 - Google Patents

重合体の連続重合方法と同重合設備

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Abstract

(57)【要約】 【課題】モノマー回収工程で回収される未重合反応のモ
ノマー成分を含めてモノマー調製部における各モノマー
成分の正確な成分濃度を自動的に且つ連続して制御でき
る重合体の重合方法とその重合設備とを提供する。 【解決手段】モノマー調製タンク(3) で2成分系以上の
モノマーの重合時に生じる重合未反応モノマー成分を回
収し、この回収モノマー成分をモノマー調製タンク(3)
に連続して戻す。モノマー調製タンク(3) に戻される回
収モノマー成分の流量及び成分濃度を測定し、その測定
結果に基づいて前記モノマー調製タンク(3) 部に供給さ
れる各成分モノマーの供給流量を自動制御し、重合反応
釜(4) で生成される重合体の組成濃度を一定にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2以上の重合未反
応モノマー成分の回収量に応じてモノマー調製部に供給
される各原料(バージン)モノマーの供給量を連続制御
する各種重合体の連続重合方法とその重合設備に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に重合体は2以上のモノマー成分を
重合させることにより得られる。例えば、ABS樹脂は
アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを重合させる
ことにより得られ、MBS樹脂はメチルメタクリレー
ト、ブタジエン、スチレンの重合体であり、アクリル系
共重合体はアクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸
メチルなどを重合することにより得られる。
【0003】例えば、アクリル繊維の紡糸原料となるア
クリロニトリル系共重合体は、アクリロニトリルモノマ
ーとそれと共重合可能なアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、酢酸ビニル、アクリルアミドなどの非イ
オン性のコモノマーとをラジカル重合させることにより
製造される。アクリロニトリル系共重合体を原料とする
紡糸法は、アクリル系共重合体を有機溶媒、又は無機溶
媒に溶解する溶解工程を経て、湿式紡糸法、乾式紡糸法
又は半乾式紡糸法によりステ−プル又はフィラメントと
される。
【0004】アクリロニトリル系共重合体の製造は、水
を反応媒体として、連続懸濁重合方式を採用することが
多い。この連続懸濁重合方式では、原料タンク及びモノ
マー回収工程よりアクリロニトリルとコモノマーとが個
別に計量され、モノマー調製タンクに供給される。調製
タンク内のモノマー仕込組成は、製造するポリマーの共
重合組成により、アクリロニトリルとコモノマーの反応
性比を考慮して、一定値に厳密に設定する必要がある。
【0005】重合釜には、成分濃度が調製されたアクリ
ロニトリル、コモノマー、水、触媒などとともに、重合
開始剤が添加されて重合が行われる。このときの重合開
始剤としては、一般的に無機系開始剤が使用される。無
機系開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム−亜硫
酸水素ナトリウム−硫酸第一鉄の酸化−還元系の組合せ
が多く使われており、上記コモノマーを含むアクリロニ
トリルを主成分とするモノマー成分が、反応媒体として
作用する硫酸酸性水を使用して重合反応すると、数十ミ
クロンの粒子状の重合体が形成され、水性分散液の状態
でアクリロニトリル系重合体が得られる。
【0006】重合釜から取り出した重合体に、重合停止
剤を添加し反応を停止させる。アクリロニトリル系重合
体を水系懸濁重合で製造する場合の重合停止剤として
は、反応系の酸性水溶液を中和する機能を保持すること
が必要であり、シュウ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウ
ム、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム塩などの電解
質水溶液が用いられる。また、貯蔵中や輸送中において
アクリロニトリルのモノマーの重合を禁止すべく、通
常、原料モノマーに、例えばp- メトキシフェノールな
どの重合禁止剤が予め添加されている。
【0007】重合反応の重合停止剤は、通常、アクリロ
ニトリル系重合体を水系懸濁重合方式で製造する際に使
用されるものであれば問題はない。重合体水溶液に重合
停止剤を添加した後、未反応単量体の回収を行う。重合
未反応モノマー成分の回収方法としては、重合体と重合
未反応モノマー成分の分離部である蒸留塔で、重合体水
溶液を直接蒸留したのち、気化して分離した未反応モノ
マー成分と水がコンデンサーに送られ凝縮し、モノマー
/水の溶液となる。この溶液をデカンターによりモノマ
ー成分と水とに分離する。分離した重合未反応モノマー
成分は回収されてモノマー調製タンクを介して重合反応
釜に戻される。一方、重合体中に残った水分は通常の乾
燥方式によって取り除かれる。従来は、前述のように重
合未反応モノマー成分を回収してモノマー調製タンクで
規定濃度に調製する作業はバッチ処理によりなされてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、回収され
た重合未反応モノマー成分をモノマー調製タンクに戻す
作業がバッチ処理でなされると、モノマー調製タンクに
戻すときの重合未反応モノマー成分の成分濃度を予め測
定する必要がある。通常、この測定は重合未反応モノマ
ー成分の組成分析から始められ、しかもモノマー調製タ
ンク内のモノマー調製が完了後に行われることが多い。
その測定結果から、モノマー調製タンクに戻す次回の重
合未反応モノマー成分量の流量を決定している。これら
の作業や管理には多くの人手を要し、長時間を費やする
だけでなく、必然的にその成分量にバラツキが生じる。
更には、バッチ処理であるため、回収モノマー成分の貯
留タンクも必要以上に設置しておく必要がある。
【0009】本発明は、こうした課題を解決すべくなさ
れたものであり、具体的な目的はモノマー回収工程で回
収される未重合反応のモノマー成分を含めてモノマー調
製部における各モノマー成分の正確な成分濃度を自動的
に且つ連続して制御できる重合体の重合方法とその重合
設備とを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記目的
は、本発明の第1の基本構成であるモノマー調製部で2
成分以上の各モノマーの組成濃度が調製されたモノマー
の混合液を重合反応部で重合させる連続重合工程にあっ
て、重合反応部における重合未反応モノマー成分を連続
して回収することと、回収された重合未反応モノマー成
分をモノマー調製部に連続して戻すこととを備えてな
り、モノマー調製部に戻される重合未反応モノマー成分
の流量及び成分濃度を測定すること、及びその測定結果
に基づき、重合反応部から導出される重合体の組成濃度
を一定にすべく、前記モノマー調製部に供給される各成
分モノマーの供給流量を制御することを含んでいること
を特徴とする重合体の連続重合方法により達成される。
【0011】また、かかる連続重合方法は、本発明の第
2の基本構成を備えた連続重合設備により好適に実施で
きる。この連続重合設備の基本構成は、2成分以上の異
なるモノマー貯留部、モノマー調製部、重合反応部、重
合体と重合未反応モノマー成分とを分離する重合体分離
部、及び重合未反応モノマー成分の回収部とを備え、各
部が複数の管路で連結されてなり、前記重合未反応モノ
マー成分の回収部から前記モノマー調製部に重合未反応
モノマー成分を戻す管路中の重合未反応モノマー成分の
流量と各成分濃度とを測定する第1測定部と、第1測定
部による測定結果に基づき、モノマー貯留部からモノマ
ー調製部へと供給する各モノマー成分の流量を算出し
て、それらの供給流量を制御する制御部とを備えている
ことを特徴としている。
【0012】前述の基本構成を備えた本発明によれば、
モノマー調製部に重合未反応モノマー成分の回収部で回
収された重合未反応モノマー成分を送る途中で、その供
給流量を測定するとともに、その一部を抽出して流体中
に含まれる回収モノマー成分の成分濃度を第1測定部で
測定する。このとき、同時に第2測定部及び第3測定部
にて重合反応部から送り出される重合体の組成濃度及び
/又は重合液中の重合未反応モノマーの成分濃度が測定
されることが好ましい。これらの測定データが制御部に
送られると、重合反応部から送り出される重合体の組成
濃度を一定にすべく、第1測定部で測定されたデータに
基づいて重合未反応モノマー成分の供給流量が決定され
ると共に、原料モノマーの各貯留部から供給される原料
モノマーの供給流量を決定し、それらの決定に基づく信
号が各部の流量調節部に送られ、各部から送り出される
各モノマー成分の流量を自動的に制御する。また、前記
第2測定部を排除して、重合体の組成及び重合未反応モ
ノマーの成分濃度の標準データを予め制御部に入力して
おくこともできる。この場合、前記標準データと第1測
定部で測定されたデータとを比較することにより、各部
からのモノマー供給量を制御することもできる。
【0013】本発明にあっては、さらに前記モノマー調
製部から重合反応部に供給されるモノマー成分の流量と
成分濃度を測定することが好ましい。そのため、前記モ
ノマー調製部と重合反応部とを連結する管路を流れるモ
ノマー混合液の流量と各モノマー成分の成分濃度とを測
定する第4測定部を更に備えていることが望ましい。モ
ノマー調製部には、既述したとおり2成分系の原料モノ
マーの各貯留部からそれぞれ適量の原料(バージン)モ
ノマーが供給されると同時に、上述のごとくして回収さ
れた重合未反応モノマーの適量が送り込まれる。モノマ
ー調製部は、こうして導入量が適正に調整された各モノ
マーを次工程の重合反応部へと連続して送り出す。
【0014】このとき、本発明にあっては、モノマー調
製部から送り出される各モノマー成分の成分濃度を第3
測定部で測定し、規定どおりの成分濃度となっているか
どうかを確認する。その成分濃度が予め設定されている
濃度と異なる場合には、制御部ではその過不足分を演算
し、対応するモノマー供給部に信号を送り、各モノマー
供給部からのモノマー導入量を制御する。
【0015】本発明の連続重合方法により重合される重
合体としては、代表的な例として前記2成分以上のモノ
マーが、アクリロニトリルを主成分として、これと共重
合するコモノマーの重合体であるアクリロニトリル系の
共重合体がある。その他の例としては、アクリロニトリ
ル、ブタジエン、スチレンを重合させるABS樹脂や、
メチルメタクリレート、ブタジエン、スチレンの重合体
であるMBS樹脂がある。
【0016】上記測定部にガスクロマトグラフが備えら
れ、このガスクロマトグラフにより各部の流量と成分濃
度や組成濃度を測定する。ガスクロマトグラフを使う場
合には、ガスクロマトグラフと制御部とを電気的に接続
でき、その測定データを即座に制御部に送ることができ
るようになり、更には測定時間に差を設けることによ
り、第1〜第4測定部を単一のガスクロマトグラフをも
ってカバーすることができ、余分の測定機器の設置を不
要とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の代表的な実施の形
態を図面に基づいて詳細に説明する。以下に説明する実
施形態は、本発明の連続重合方法及び重合設備を水系懸
濁重合方式によるアクリロニトリル系重合技術に適用し
たものであるが、本発明は以下に述べる実施形態に限定
されず多様な重合技術に適用可能である。
【0018】図1は、本実施形態による連続重合・回収
工程の全てを模式的に示している。まず、主原料である
アクリロニトリルの貯留槽1から計量ポンプ2aを介し
てモノマー調製タンク3に、計量されながら所定量投入
される。本実施形態では、前記貯蔵槽1に貯留されるア
クリロニトリルには貯留中に重合を起こさないように、
重合禁止剤であるp- メトキシフェノールが重量比で4
0ppn添加されている。重合禁止剤としては、前記p
- メトキシフェノールの他に、ハイドロキノン、p- t
- ブチルカテコール、ジフェニルピクリルヒドラジル、
ベンゾキノン、ガルビノキシル、1,3,5−トリフェ
ニルフェルダジルなどが使用できる。
【0019】前記モノマー調製タンク3には、更にアク
リロニトリルと共重合する第2成分であるコモノマー
が、図示せぬ第2貯留槽から同じく計量されながら所定
の割合で投入されるとともに、重合時に未反応のまま重
合反応釜4から送り出された重合未反応モノマー成分が
回収されて送り込まれている。モノマー調製タンク3で
調製された粘調な原料液は、次の計量ポンプ2bを介し
て連続して重合反応釜4へと送り込まれる。この重合反
応釜4には、そのほかに必要量の純水が供給され、同時
に重合開始剤や各種の助剤が添加される。
【0020】本発明では重合開始剤として、無機系レド
ックス開始剤を使用している。無機系レドックス開始剤
としては、通常の酸化剤、還元剤の中から選ぶことがで
きる。酸化剤と還元剤との組合せからなるレドックスの
場合、代表的なものは、酸化剤としては過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の通常使用
されるものであり、還元剤は亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アン
モニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウ
ム、亜二チオン酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデ
ヒドスルフォキシレ−ト、L−アルコルビン酸、デキス
トロ−ズ等の通常使用されているものである。硫酸第一
鉄又は硫酸銅などの化合物も組合せて使用できる。その
中で、過硫酸アンモニウム−亜硫酸水素ナトリウム(ア
ンモニウム)−硫酸第一鉄の組合せが好ましい。還元剤
と酸化剤の比率はどんな割合でも可能であるが、重合を
より効率よく進めるうえで還元剤と酸化剤との当量比を
1〜4にすることが好ましい。
【0021】本実施形態で用いられるアクリロニトリル
系重合体は、アクリロニトリルモノマーの他にこれと共
重合可能なモノオレフィン性モノマーとからなる繰り返
し単位からなるものであってもよい。ここでアクリロニ
トリル系重合体は、少なくとも60重量%のアクリロニ
トリルモノマーから構成される必要がある。アクリロニ
トリルモノマーの含有量が60重量%未満であると、ア
クリロニトリル系合成繊維が本来有する繊維機能を保有
することができないためである。ここで共重合可能なモ
ノオレフィン性モノマーとしては、例えばアクリル酸、
メタクリル酸及びそれらのエステル、アクリルアミド、
酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
無水マレイン酸、N−置換マレインイミド、ブタジエ
ン、イソプレン等を挙げることができる。また、P−ス
ルフォニルメタリルエ−テル、メタリルスルフォン酸、
アリルスルフォン酸、スチレンスルフォン酸、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、2−ス
ルフォエチルメタクリレ−ト及びこれらの塩も共重合可
能なモノマーとして使用できる。
【0022】アクリロニトリル系モノマーの重合は、次
のような条件で行う。すなわち、重合反応温度は30〜
80℃にすることが好ましい。重合温度が80℃を超え
るとアクリロニトリルが蒸発し、反応系外へ離散し、重
合転化率が低下する。また30℃未満では重合速度が低
下し、生産性が低下するばかりでなく、重合安定性を損
なう。重合媒体としての水はイオン交換水を使用するこ
とが好ましい。さらにモノマーに対するイオン交換水の
割合(以下、水/モノマー比という)は如何なる比率で
も可能であるが、好ましくは水/モノマー比は1.0〜
5.0の範囲である。重合反応釜内でのモノマーの平均
滞在時間は、アクリロニトリル系重合体を水系懸濁重合
方式で製造する際に採用される通常の時間でよい。重合
反応釜内での水素イオン濃度は使用される触媒がすみや
かに酸化・還元反応を起こす範囲であればよく、好まし
くはpH2.0〜3.5の酸性領域がよい。
【0023】重合反応釜4から取り出した重合体に、重
合停止剤を添加し反応を停止させる。重合反応の停止剤
は通常アクリロニトリル系重合体を水系懸濁重合で製造
する際使用されるものであれば限定されない。重合体水
溶液に重合停止剤を添加した後、未反応モノマーの回収
を行う。重合未反応モノマーの回収方法としては重合体
水溶液を直接蒸留する方法、また一旦脱水し未反応単量
体を重合体と分離した後蒸留する方法があるが両方式と
も採用が可能である。本実施形態では、重合体水溶液を
直接蒸留する方法が採用される。本実施形態にあって
は、重合反応釜4で重合された重合体水溶液は、図1に
示すように、重合反応釜4から取り出されて蒸留塔5に
導入される。
【0024】蒸留塔5では、重合体とモノマー/水とに
分離されるとともに、モノマー/水の混合液は蒸留塔5
で蒸留されて気化し、コンデンサー6に導入されて凝縮
し重合未反応のモノマー成分と水との混合液となる。コ
ンデンサー6で液化された重合未反応モノマー成分と水
との混合液はデカンター7を介して分離され、水は蒸留
塔5に戻される。既述したように、一方のモノマー成分
は回収モノマータンク8を介してモノマー調製タンク3
へと戻される。
【0025】図2は、本実施形態による連続重合工程に
おける2以上の工程間で抽出される測定用モノマー成分
の抽出箇所をブロック線図で示している。本実施形態に
あって、回収モノマー成分の抽出は回収モノマータンク
8からモノマー調製タンク3に送られる途中でなされ、
モノマー調製タンク3から重合反応釜4に送り込まれる
途中でモノマー成分が抽出され、更に重合反応釜4から
蒸留塔5に送り出される重合液より重合未反応モノマー
成分とが抽出される。この抽出された重合液中の未反応
モノマー分/水の混合流体は、ガスクロマトグラフ9に
送られる。本実施形態では抽出されたサンプルの成分濃
度と重合体の組成濃度とがガスクロマトグラフにより瞬
時に分析測定され、それらの測定データ信号は制御部1
0に送られる。
【0026】本発明における成分濃度や組成濃度の測定
はガスクロマトグラフ9に限定されず、例えば液体クロ
マトグラフを使うこともできる。このようにガスクロマ
トグラフ9を使う場合には、回収されてモノマー調製タ
ンク3に送り込まれる重合未反応モノマー成分、モノマ
ー調製タンク3から重合反応釜4に送られるモノマー混
合流体、及び重合反応釜4から導出される重合体/重合
未反応モノマー成分/水の混合流体のサンプル抽出と測
定に時間差を設ければ、単一のガスクロマトグラフ9で
それぞれの測定が可能となる。すなわち、それらを測定
する第1〜第4の測定部を個別に設ける必要がなくな
る。また、本実施形態にあっては、成分濃度や組成濃度
を測定すると同時に、各サンプルが抽出された各配管内
を流れる流体の流量を検出している。
【0027】こうして測定された、成分濃度、組成濃度
及び流量に関するデータは、デジタル信号に変換されて
制御部10へと送られる。制御部10では、これらのデ
ータに基づいて各サンプル抽出部における各モノマーの
成分ごとの重量、重合体の組成重量等を算出してそれら
を比較し、それらの間に合致性を判断する。また、同時
に各モノマーの成分組成比や重合体の組成比等も演算さ
れる。それらの演算結果は、予め設定されている成分濃
度及び組成濃度と比較されて、その合致性が判断され
る。前記合致性がない場合には、重合条件を調整し、或
いは2成分以上のモノマー供給部のモノマー供給流量を
制御したり、重合未反応の回収モノマーの供給流量を制
御して、上記合致性を確保する。
【0028】更に本実施形態にあって、別にモノマー成
分の所望の成分濃度と組成濃度とをもつ標準液を用意す
ることもでき、この標準液をガスクロマトグラフに導入
し、測定のたびに、その成分濃度のデータ信号を制御部
10に送り、制御部10で同標準データと各測定データ
とを比較して、各測定データによる成分濃度や組成濃度
の過不足を調整すべく、各モノマー成分の供給流量を制
御する。
【0029】図3は、本発明の他の実施形態を示してい
る。この実施形態によれば、モノマー調製タンク3に戻
される重合未反応の回収モノマー成分に対する格別の流
量調整を行わず、回収モノマー成分の流量と成分濃度の
変化に基づき原料モノマーの供給部の供給量を連続的に
制御している。
【0030】すなわち、上述の実施形態と同様に、重合
速度に見合った量のバージン原料である第1モノマー成
分A及び第2モノマー成分Bと、重合未反応の回収モノ
マー成分とが混合されて連続してモノマー調製タンク3
に投入される。回収モノマータンク8から供給される重
合未反応の回収モノマー成分の一部が、その供給の途中
で抽出され、ガスクロマトグラフ9に送られて、その成
分濃度が測定される。同時に回収モノマー成分の供給流
量が測定される。その流量とガスクロマトグラフ9で測
定された成分濃度の測定データは逐次制御部10へと送
られる。
【0031】制御部10には、予め設定されている調製
液中の第1モノマー成分Aの成分濃度と第2モノマー成
分Bの各成分濃度と、モノマー調製タンク3に投入され
るモノマー成分の全投入流量に関する各種データが入力
されており、制御部10ではこれらのデータと刻々と変
化する前述の測定データとに基づいて、モノマー調製タ
ンク3に対する第1モノマー成分A及び第2モノマー成
分Bの投入流量を算出し、第1モノマー成分A及び第2
モノマー成分Bの供給部に配された図示せぬ計量ポンプ
に信号が送られ、同ポンプから吐出される各モノマー成
分A,Bの吐出流量を増減して、算出された前記投入流
量に制御する。
【0032】次に、本発明をアクリルニトリル系重合体
の重合工程に適用した実施例に基づいて更に具体的に説
明する。 実施例1:アクリロニトリルと酢酸ビニルの連続重合に
おいて、モノマー調製タンクに原料モノマーであるアク
リロニトリルと酢酸ビニルとを投入すると同時に、5.
8t/hrの流量をもってアクリロニトリルと酢酸ビニ
ルとの混合液である重合未反応の回収モノマーを導入し
て、モノマーの連続調製を行った。その際、モノマー調
製タンクから重合反応釜に供給する調製液の総供給量を
16.0t/hrとし、調製液中の酢酸ビニルを5%〜
15%(重量比) の範囲で任意の濃度を設定し、インラ
インガスクロマトグラフにより得られた重合未反応回収
モノマーの酢酸ビニル濃度から、新たに加える原料モノ
マーであるアクリロニトリルと酢酸ビニルの必要流量を
算出して連続調製を行った。得られた調製後のモノマー
の酢酸ビニルの濃度は目的とした濃度に対して誤差0.
05%以内であり、設定されたとおりの調製液を連続し
て得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモノマー回収装置を備えたアクリロニ
トリル系重合体の重合システムを示す工程図である。
【図2】本発明の代表的な実施の形態である重合工程に
おけるモノマー調製部に導入されるモノマー供給量の連
続制御フローを示すブロック線図である。
【図3】本発明の他の実施の形態である同連続制御フロ
ーを示すブロック線図である。
【符号の説明】
1 アクリロニトリルの貯留槽 2a,2b 計量ポンプ 3 モノマー調製タンク 4 重合反応釜 5 蒸留塔 6 コンデンサー 7 デカンター 8 回収モノマータンク 9 ガスクロマトグラフ 10 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA04 AA07 AB11 AC06 BA01 BA03 BB04 BB16 BB18 DB03 DB13 DB27 DB28 DB33

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマー調製部で2成分系以上のモノマ
    ーの組成濃度が調製されたモノマー混合液を重合反応部
    で重合させる連続重合工程にあって、 重合反応部における重合未反応モノマー成分を連続して
    回収することと、回収された重合未反応モノマー成分を
    モノマー調製部に連続して戻すこととを備えてなり、 モノマー調製部に戻される重合未反応モノマー成分の流
    量及び成分濃度を測定すること、 その測定結果に基づき、重合反応部から導出される重合
    体の組成濃度を一定にすべく、前記モノマー調製部に供
    給される各成分モノマーの供給流量を制御すること、を
    含んでなることを特徴とする重合体の連続重合方法。
  2. 【請求項2】 前記重合反応部から導出される重合体の
    組成濃度を測定することを含んでなることを特徴とする
    請求項1記載の連続重合方法。
  3. 【請求項3】 前記モノマー調製部から重合反応部に供
    給されるモノマー成分の流量と成分濃度を測定すること
    を含んでなることを特徴とする請求項1又は2記載の連
    続重合方法。
  4. 【請求項4】 前記2成分以上のモノマーが、アクリロ
    ニトリルを主成分として、これと共重合するコモノマー
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の連続重合方法。
  5. 【請求項5】 重合体の連続重合設備にあって、 2成分以上の異なるモノマー貯留部、モノマー調製部、
    重合反応部、重合体と重合未反応モノマー成分とを分離
    する重合体分離部、及び重合未反応モノマー成分の回収
    部とを備え、各部が複数の管路で連結されてなり、 前記重合未反応モノマー成分の回収部から前記モノマー
    調製部に重合未反応モノマー成分を戻す管路中の重合未
    反応モノマー成分の流量と各成分濃度とを測定する第1
    の測定部と、 第1測定部による測定結果に基づき、モノマー貯留部か
    らモノマー調製部へと供給する各モノマー成分の流量を
    算出して、それらの供給流量を制御する制御部と、を備
    えてなることを特徴とする重合体の連続重合設備。
  6. 【請求項6】 前記重合反応部からの導出管路を流れる
    重合体の組成濃度を測定する第2の測定部を更に備えて
    なることを特徴とする請求項5記載の連続重合設備。
  7. 【請求項7】 前記重合反応部からの導出管路を流れる
    重合液より重合未反応モノマー成分濃度を測定する第3
    の測定部を更に備えてなることを特徴とする請求項5又
    は6記載の連続重合設備。
  8. 【請求項8】 前記モノマー調製部と重合反応部と連結
    する管路を流れるモノマー混合液の流量と各モノマー成
    分の成分濃度とを測定する第4の測定部を備えてなるこ
    とを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の連続重
    合設備。
  9. 【請求項9】 前記測定部がガスクロマトグラフを備え
    てなることを特徴とする請求項6〜8記載の連続重合設
    備。
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