JP2003306366A - 耐爆裂性コンクリート - Google Patents
耐爆裂性コンクリートInfo
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Abstract
ても、流動性を低下させることなく、効果的に火災時の
爆裂を抑制することができる経済性の高い高強度の耐爆
裂性コンクリートを提供する。 【解決手段】 セメント、水、微粉末混和材料、骨材及
び化学混和剤を含有し、水結合材比が20%以下である
耐爆裂性コンクリートであって、有機繊維、好ましく
は、500℃に加熱した時の重量残存率が30%以下で
あるポリプロピレン、ポリビニルアルコールなどの有機
材料よりなる、直径5〜500μm、長さ5〜40mm
の有機繊維を0.05〜0.50容量%、及び、金属繊
維、炭素繊維などから選択される1種以上の無機繊維を
0.1〜2.0容量%を含有し、且つ、両者の含有比率
(容量比)が1:0.2〜1:20の範囲にあることを
特徴とする。
Description
等、火災を受ける可能性のある構造物に用いる火災時の
耐爆裂性に優れたコンクリートに関する。
リート構造物は耐火構造物として認められており、耐火
被覆等の特別な防火対策を施さなくとも、法的に定めら
れた時間内である1〜3時間以内の安全性が保たれてい
る。一方、近年では通常のコンクリートに比べて圧縮強
度を高めた高強度コンクリートが実用化されるようにな
ってきた。コンクリートにおける水と結合材、即ち、セ
メント、スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等、
コンクリート中で水和反応する材料、との比率を小さく
すると高強度のコンクリートが得られる。高強度コンク
リートにより、コンクリート造建築物の柱の断面積を小
さくしたり、柱間隔を大きくしたり、建物の超高層化が
可能になるなどの利点が生じる。しかしながら、水の含
有量を低下させてコンクリートを高強度化すると、火災
時等高温環境下で、水蒸気圧や熱応力等により表面のコ
ンクリートが急激に剥離する爆裂現象が生じ易くなり、
種々の問題を生ずる可能性のあることが知られている。
このような高強度コンクリートを用いた建築物の爆裂を
抑制するために、次の技術が知られている。特開平9−
13531号には柱の周囲の、火災を直接受ける表面近
傍に強度の低いコンクリートを使用して爆裂を抑制する
とともに、中央部には高強度コンクリートを利用して、
外力と火災に対して高い抵抗性を保持する構造物が記載
されている。
のではないが、建物の内外装用のパネルなどに使用する
高強度の押出し成型板として、例えば、特公昭57−2
0126号には、長さ5〜20mm、太さ1〜25デニ
ールのアセテート、またはレーヨン繊維をセメントアス
ベスト重量の0.5〜2.0%混入した押出し成型板が
記載され、火災時に繊維が蒸発して細孔を形成し、この
部分から水蒸気を逃すことにより爆裂を防止する旨の開
示がある。さらに、特開昭59−1284号には、中空
のポリプロピレン繊維を混入し、この繊維の孔から蒸気
を逃すことにより、爆裂を防止する方法が、同じく、特
公昭62−12197号には、パーライトやパルプを混
合することにより、空隙率30〜60%のアスベストセ
メント中の1〜5μmの細孔を空隙の10%以上確保
し、爆裂を防止する方法が記載されている。これらは、
いずれもコンクリートの耐爆裂性にある程度の効果を有
するが、特開平9−13531のように、高強度コンク
リート部材の表面に低強度のコンクリートを使用する方
法は、建築物の柱等の断面積を必然的に大きくせざるを
得ず、高強度コンクリートを利用する効果を減じてしま
うことになり、さらに、少なくとも二種類のコンクリー
トを使用することで、複雑な施工法となり、著しくコス
トが高くなるという問題があった。
59−1284号等のように、コンクリートに繊維など
の充填材を混入する方法は、高強度のコンクリートに適
用可能であるが、爆裂を抑制する効果がある有効量を混
入するとコンクリートの流動性が低下し、施工現場で型
枠中に打設するのが困難になる。特公昭62−1219
7号のようにアスベストセメント中に空隙を確保する技
術を高強度コンクリートに適用した場合、多量の空隙を
形成することにより必然的に強度が低下してしまい、高
強度コンクリートの本質的な目的が達成できなくなる。
工法として一般に用いられている、セメント、セラミッ
クス等の不燃性物質とロックウール等を水とともに吹付
ける吹付け耐火被覆工法や、繊維混合珪酸カルシウム
板、繊維混合石膏ボード等を貼り付ける張り付け工法、
耐火塗料等を施す工法をそのまま適用する方法も考えら
れる。これらの工法はコンクリートの爆裂防止にある程
度の効果を有するが、特開平9−13531号のような
方法は柱部材の断面積を結果的に大きくすることとな
り、高強度コンクリートを利用する効果を減じてしまう
欠点がある。また吹付け耐火被覆工法、張り付け工法、
耐火塗料等の方策は、いずれも費用が高い等の問題があ
る。
2000−143322公報、特開平11−30324
5公報などにより、高強度コンクリート中に予め、火災
時の高温条件下で溶融・蒸発するような直径5μm〜5
00μm、長さ5〜40mmの有機繊維を0.05〜
0.50容量%混入してなる耐爆裂性コンクリートを提
案した。この方法は、耐火被覆等に比べ費用が安く、施
工が容易であり、またコンクリート部材の断面積が変わ
らないという利点を有している。この方法によれば、水
結合材比20%程度以上のコンクリートにおいては、圧
縮強度120N/mm2程度までの高強度コンクリート
柱での火災時の爆裂を低減し、載荷加熱試験においても
3時間の耐火時間を確保できることが確認され、一応の
成果を上げることができた。
せた高強度コンクリートを得ようとする場合、所定量の
有機繊維の添加のみでは十分な効果が得られず、このた
め、有機繊維の量を増やす試みもなされたが、有機合成
繊維の量を増加させると組成物の流動性が低下して作業
性が著しく低下し、さらには、コンクリート強度自体に
も影響を及ぼすことがわかってきた。さらに、有機繊維
の爆裂防止効果も低下することがわかってきた。この理
由として水結合材比20%程度以下の高強度コンクリー
トでは、有機繊維が蒸発して形成される細孔による水蒸
気圧の緩和効果のみでは不充分であり、爆裂のもうひと
つの要因である熱応力に対する抵抗性の増大も必要にな
るためと考えられる。一方、特開平10−183764
号公報においては、高強度コンクリートの耐爆裂性を確
保するため、金属繊維を0.2〜1.0容量%添加する
技術が提案されている。ここでは、金属繊維を充填剤と
して強度を確保するとともに、金属繊維の熱伝導性を利
用して火災時の熱を分散し、局所的な熱応力を防止する
ことで耐爆裂性を得ようとしている。しかしながら、本
発明者らの検討によれば、熱伝導性の低いコンクリート
に少量の金属繊維を添加するのみでは耐爆裂性を確保し
得るような効率的熱伝導性確保が不充分であることがわ
かった。
ト等の結合材に対する水の量の比率を小さくして高い強
度を達成しているが、水結合材比の低下とともに、塑性
粘度が大きくなり、作業性が低下することから、高強度
セメント用の分散剤としての界面活性剤の開発や、ガラ
ス質シリカの超微粒子であるシリカフュームの利用等に
より所要の流動性を確保しているものである。したがっ
て、爆裂に対する抵抗性を確保するために、繊維を多量
に混入して、流動性が低下することは実用上も好ましく
なく、繊維の混入が爆裂防止に有効であるとしても、高
強度コンクリートの流動性の低下を最小限に抑制できる
ものでなければならない。上記のように水結合材比の著
しく小さい高強度コンクリートの爆裂を防止しようとす
る各種の技術は、各々ある程度の効果を有する反面、高
強度コンクリートに適用した場合には種々の課題を有し
ており、未だ実用上好ましい成果を得られないのが現状
である。
した本発明の目的は、水結合材比の著しく低い高強度コ
ンクリートにおいて、流動性を低下させることなく、爆
裂を抑制することができ、経済性の高い高強度コンクリ
ートを提供することにある。
題に鑑みて、剛性を有する無機繊維と、熱により溶融す
る有機繊維とを所定量添加することにより、上記目的を
達成し得ることを見出し、本発明を完成した。即ち、本
発明の耐爆裂性コンクリートは、セメント、水、微粉末
混和材料、骨材及び化学混和剤を含有し、水結合材比が
20%以下である耐爆裂性コンクリートであって、有機
繊維を0.05〜0.50容量%、及び、無機繊維を
0.1〜2.0容量%を含有し、且つ、両者の含有比率
(容量比)が1:0.2〜1:20の範囲にあることを
特徴とする。ここに用いられる有機繊維としては、直径
5〜500μm、長さ5〜40mmであり、500℃に
加熱した時の重量残存率が30%以下である有機材料に
より構成される繊維が好ましく、より具体的には、ポリ
プロピレン、ポリビニルアルコールからなる群より選択
される1種以上の有機材料よりなる有機繊維であること
が好ましい。また、併用される無機繊維としては長さ5
〜40mmであり、且つ、引張強度600N/mm2以
上、直径が50〜2000μmであることものが好まし
く、素材を考慮すれば、鋼繊維、ステンレス繊維、炭素
繊維、ガラス繊維及びこれらのストランドより選択され
る1種以上であることが好ましい。
に所定の剛性(可撓性)を有する無機繊維を併用するこ
とで、柔軟な有機繊維のみを混入した場合に生じるコン
クリート組成物の流動性の低下を効果的に抑制するとと
もに、無機繊維の剛性と強度とがコンクリート強度の低
下を抑制する。ここで無機繊維は加熱時の熱応力に抵抗
し、有機繊維の水蒸気圧緩和効果と相乗作用を発揮して
爆裂を抑制する。このときの両者の混合比を1:0.2
〜1:20の範囲とすることにより、両者の相乗効果が
得られて、少量の繊維の添加により爆裂を効果的に防止
することができるものと考えられる。なお、このような
加熱時における速やかな空隙の形成には、500℃に加
熱した時の重量残存率(非蒸発量)が30%以下である
有機繊維が好ましく用いられる。また、無機繊維として
は、鋼やステンレスなどの金属繊維等が好ましく用いら
れる。
いて詳細に説明する。高強度コンクリートの近年の設計
値によれば、水結合材比20%程度のコンクリートを使
用する部材の設計基準強度はおよそ100〜120N/
mm2程度であり、これにより50階〜70階程度の超
高層鉄筋コンクリート造建築物の実用化が可能となって
いる。さらに高層な建築物を実現するためには、より高
強度のコンクリートが必要とされ、水結合材比をさらに
低減し、16%程度とするような超高強度コンクリート
の実用化が必要とされている。本発明のコンクリート組
成物は、このような目的の水結合材比20%以下のコン
クリートに適用される。本発明において、コンクリート
に添加する有機繊維は、火災などの熱印可時に速やかに
溶融して空隙を形成し、コンクリートマトリックス中で
発生する水蒸気を拡散させて爆裂を防止し得るものであ
れば、特に制限はなく、一般的な熱可塑性高分子からな
る有機繊維が使用できるが、効果の観点からは、500
℃に加熱した時の重量残存率が30%以下である有機材
料により形成されたものが好ましい。
時の重量残存率には、各種あるが、重量残存率の大きい
繊維を使用した場合には、火災時に、繊維の蒸発によっ
て形成される爆裂防止用のコンクリート中の水蒸気の逃
し穴が十分形成されず、爆裂防止に対する繊維の効果
は、大きくそこなわれてしまう懸念があり、本発明者ら
の検討によれば、500℃に加熱した時の重量残存率の
小さい繊維程、火災時によく蒸発し、効果的に水蒸気の
逃し穴を形成することができ、少ない繊維で有効に爆裂
を防止できることになる。蒸発により蒸発前の繊維体積
に匹敵する容積の大きな空孔が形成され、その空孔が水
蒸気逃し穴としてよく機能し、好ましい耐爆裂性を発現
するという観点からは、500℃に加熱した時の重量残
存率が30%以下の繊維が望ましい。
重量残存率の測定方法について説明する。まず、有機繊
維の気乾質量を測定して6〜7mgを秤量し、示差走査
熱分析法により測定を行う。具体的な測定条件として
は、示差走査熱量天秤(TAS200、理学電気社製)
を用いて、アルミナ製サンプルホルダーにて、温度上昇
率:5.0℃/分、測定時間間隔:0.6秒にて測定す
る。
蒸発温度の低い繊維であるポリプロピレン、ポリビニル
アルコールを前記条件で測定すると、それぞれ重量残存
率が14%、18%であり、本発明に特に好適に使用し
得ることがわかる。これに対して、ポリ塩化ビニル、ア
クリル繊維は重量残存率が30%を超えるため、十分な
耐爆裂性の効果を期待することはできない。このような
観点から、例えば、ポリプロピレン系、ポリビニルアル
コール系、ビニリデン系などの有機材料からなる有機繊
維が好ましく挙げられる。
熱時の耐爆裂性をもたらす水蒸気拡散用の細孔の作用を
検討して選択されるべきであるが、爆裂防止に適した繊
維の直径は5〜500μmであることが望ましい。繊維
直径が小さすぎると水蒸気の経路として好ましい大きさ
の空孔を形成し難く、多きすぎる場合には、高密度コン
クリートに対して十分な耐爆裂性を発現し難く、また、
強度が低下する傾向がある。
ことが好ましい。この範囲で、好ましい耐爆裂効果と均
一分散性が得られる。繊維長が長すぎる場合、コンクリ
ート組成物中での分散性が悪化し、均一なコンクリート
を得難くなると共に、局所的な耐爆裂効果の低下が懸念
される。これらの有機繊維は、コンクリート中で凝集す
ることなく、それぞれが均一に分散が可能であれば、モ
ノフィラメントでもストランド状の繊維でも使用するこ
とができる。また、モノフィラメントの場合でも、必ず
しも円柱形でなくてもよく、流動性を損なわない限り
は、中空繊維や異形断面繊維、表面に細孔や微細な分岐
が存在する繊維であってもよい。
機繊維の混入量については、多いほど水蒸気拡散性は向
上するが、一方、コンクリートの強度や硬化前のコンク
リート組成物の流動性は低下する傾向にあり、これらを
考慮すると0.05〜0.50容量%の範囲であること
が好ましい。本発明に用いられる有機繊維の如く、高温
で速やかに蒸発がおこり、有効な空隙を形成しやすい繊
維を用いた場合においても0.05容量%未満では爆裂
防止効果が不十分となる傾向がある。
機繊維に加えて無機繊維を含有することを特徴とする。
無機繊維は、コンクリート組成物中に有機繊維とともに
混入され、有機繊維による流動性の低下を抑制すると共
に、コンクリートマトリックス中にあって、火災時のコ
ンクリート表面に発生する熱応力に抵抗してコンクリー
トの剥離を抑制することにより耐爆裂を発現する機能を
有する。このような観点から、使用される無機繊維の長
さは、コンクリートの混合、打ち込み時の物性を考慮す
れば、骨材の最大寸法と同等もしくはより大きいものが
好ましく、得られる爆裂抑制効果も大きい。具体的に
は、超高強度コンクリートの骨材の最大寸法は一般に5
〜25mm程度であるが、骨材の最大寸法は同寸法の篩
い目を通過するものとして表されるため、実際には扁平
な骨材など最大寸法以上の骨材が相当量含まれている。
このような観点から、無機繊維の長さは5〜40mmの
範囲が望ましい。無機繊維長が短すぎるとコンクリート
の拘束による補強硬化が低下し、一方、これらの繊維が
長すぎるとフレッシュコンクリートの流動性を低下させ
る傾向があり、作業性の確保が困難である。実用上から
は無機繊維の長さは5〜40mm程度であることが爆裂
防止効果と流動性の双方の観点からより好ましい。
れたストランド状のものでもよいが、有機繊維の耐爆裂
性の確保と流動性の低下抑制効果の観点から、直径は5
0〜2000μm程度のものが好適である。無機繊維の
形状は必ずしも円柱形でなくてもよく、長さと最大径が
上記好ましい範囲であれば、紡錘状や針状でもよく、異
形断面繊維でもよく、アスペクト比が適度で、且つ、表
面積の大きいものや、端部をフック状に変形したファイ
バー等がコンクリートとの接合性の観点から好ましい。
上記の無機繊維としては、鋼繊維、ステンレス繊維など
に代表される金属繊維や、炭素繊維、ガラス繊維などが
挙げられる。効果や入手容易性の観点からは金属繊維が
好ましいが、高温環境下において強度低下のない炭素繊
維やガラス繊維などの非金属無機繊維もまた本発明にお
いては、好ましい効果を上げることが確認されている。
金属繊維としては、例えば、鋼繊維補強コンクリートに
用いられる鋼繊維なども好適に使用することができ、円
柱状のカットワイヤータイプの他、せん断ファイバー、
切削ファイバー、メルトエクストラクションフィバーな
どの変形繊維も本発明に好適に使用され、これらは例え
ば、(株)ブリヂストン製のタフグリップ、日本鋼管
(株)製のテスサ、神戸製鋼(株)製のシンコーファイ
バー、日本冶金(株)製のNASファイバーなどの市販
品としても入手可能である。
束し、熱応力に抵抗して剥離を抑制する補強材としての
機能を果たすため、適度な引張耐力(引張強度)が必要
となる。爆裂防止に有効な引張耐力は600N/mm2
以上であり、好ましくは600N/mm2〜3000N
/mm2の範囲である。このような強度を有する無機繊
維であれば高温加熱条件下でもコンクリートに対する十
分な拘束力が確保され、有効である。なお、ここで引張
強度は、土木学会 コンクリート用鋼繊維品質規格 J
SCE−E 101に記載の方法により測定することが
できる。
圧縮強度が高いほど多く、部材に加わる応力が高いほど
多いことが好ましい。したがってコンクリートの水結合
材比および設計応力に応じて、爆裂抑制効果が発揮され
る範囲でもっとも少ない量を選択することが望ましい。
このような観点から、本発明の如き水結合材比が20%
以下の高強度コンクリートの場合には、添加量は0.1
〜2.0容量%の範囲で耐爆裂性能とフレッシュコンク
リートの流動性のバランスのよい組成物が得られる。な
お、フレッシュコンクリートの流動性低下抑制の観点か
らは、有機繊維と無機繊維の上記好ましい添加量の他、
両者の比率も重要であり、1:0.2〜1:20の範囲
であることが好ましい。また、この配合比であれば、無
機繊維で補強されたコンクリートマトリックス及び、そ
のマトリックス中に均一に配置された有機繊維の機能に
より、高温加熱時のコンクリートの熱応力による剥離防
止効果と水蒸気の拡散効果のいずれもが好適に発揮され
る。また、同様の観点から、有機繊維の直径を1とした
とき、無機繊維の直径はその5〜200倍であることが
好ましい。この範囲において、有機繊維のさらに好まし
い分散を達成しうる。
水結合材比、及び有機繊維、無機繊維の添加以外の成
分、具体的には、セメント、水、微粉末混和材料、骨
材、化学混和剤などについては特に制限はなく、一般的
な公知のコンクリート組成物のいずれにも目的に応じて
適用することができる。以下、これらの成分について順
次説明する。
び混和材を含む。本発明が適用できるセメントの種類は
特に限定されるものではなく、普通ポルトランドセメン
ト、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセ
メント、低熱ポルトランドセメントあるいは高炉セメン
ト、フライアッシュセメント等の混合セメントのいずれ
をも適宜選択して用いることができる。なお、コンクリ
ートの水結合材比が30%を上回る如き通常のコンクリ
ートの場合には火災時にコンクリートに生ずる爆裂の影
響が問題にならないレベルであり、また、本発明の目的
である高強度、且つ、爆裂防止効果の向上を考慮すれ
ば、本発明は、水結合材比が20%以下の高強度コンク
リートに適用して特に有用であり、この水結合材比は本
発明において必須の構成であることはいうまでもない。
ム、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ等をの公知の混
和材料を用いることができる。なかでも、近年、高強度
発現性に優れた混和材料として注目されている、特開平
6−211550号公報などに記載のガラス質シリカを
含有する微粒子シリカフュームが好ましく用いられる。
これらのシリカフュームはセメント粒子表面に凝集して
これらを被覆し、水結合材比率の小さいフレッシュコン
クリートの流動性確保に有用である。
じて配合することができるが、高強度の発現しやすい硬
質砂岩、石英片岩、安山岩等が有効である。配合量もま
た、公知の範囲で適宜選択することができる。化学混和
剤としては、高強度コンクリートに汎用される高性能減
水剤を用いることが好ましい。このような化学混和剤と
しては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮
合物塩、水溶性ビニル共重合体などが挙げられ、公知の
ものを適宜選択して使用できる。なかでも、特許第26
46449号公報に記載の(メタ)アクリル酸系構造単
位を含む特定水溶性ビニル共重合体などが好ましく用い
られる。
明するが、本発明はこの実施例に制限されるものではな
い。 (実施例1〜4、比較例1〜6) (1)コンクリートの材料 セメント:低熱ポルトランドセメント 細骨材 :砕砂 (最大寸法5mm、表乾密度2.67g/cm3、吸水
率1.75%、実積率54.9%m、粗粒率2.78) 粗骨材 :硬質砂岩砕石 (最大寸法20mm、表乾密度2.66g/cm3、吸
水率1.75%、実積率59.9%m) 混和材 :粉体シリカフューム (比重2.2、比表面積14m2/g、SiO2含有量9
4%) 混和剤 :ポリカルボン酸塩系高性能AE減水剤 (竹本油脂社製、高性能減水剤 SSP−104) 有機繊維:ポリプロピレン繊維 (比重1.0、耐熱温度160℃、付着水分率30%、
500℃に加熱した時の重量残存率14%、繊度17d
tex、繊維直径0.1mm、長さ10mm) 無機繊維:鋼繊維 (比重7.75、繊維直径0.8mm、長さ30mm) (2)コンクリートの調合 下記表1に示す調合により、水結合材比が15%の高強
度コンクリートを基材として実験した。コンクリート
は、練り上がり時のスランプフロー値が65cm±5c
mとなるよう高性能減水剤の量により調整した。
ぜ量は100リットル以下とした。細骨材、セメント、
シリカフュームを15秒空練りした後、水と混和剤を投
入し1分練混ぜた後、粗骨材を投入した。粗骨材投入後
の練混ぜ時間を2分とし、粗骨材投入後、60秒間練り
混ぜ後に有機繊維及び無機繊維を混入し、さらに60秒
間練り混ぜてコンクリートを得た。
を、特許登録第2589757号に記載のLフロー試験
方法によりLフロー初速度を測定し、コンクリートの流
動性を判定した。流動速度の大きいものは粘性が低く、
流動性に優れたコンクリートといえる。結果を下記表2
に示した。また、有機繊維及び無機繊維を全く混入しな
かったものをコントロール(比較例1)とし、水結合材
比の高いもの(水結合材比23%)を対象例として、同
様の測定を行った結果も表2に併記した。
として、直径に対して垂直方向中心部に直径13mmの
異形鉄筋を配した円柱試験体により行った。試験体は打
設後、室内に静置し、所定の材齢(26週)が経過した
後、加熱試験を行った。試験時には、JASS 5N
T−602に準じた試験方法で含水率を計測した。試験
は、試験体を耐火試験用載荷加熱炉の中央に設置し、I
SO834(旧建設省告示2999号)に定められた標
準加熱温度曲線T=345log(8t+1)+20
(t:時間(分))に沿って、60分間加熱を継続し、
破壊の状況を確認した。供試体の加熱前の重量および所
定時間加熱後の重量を測定し、加熱による重量減少率で
爆裂の程度を評価した。即ち爆裂しやすいコンクリート
は、爆裂により供試体の表面からコンクリートが飛散し
失われるため、加熱前後の重量減少率が大きいと言え
る。
加熱後の重量(g)〕/加熱前の重量(g)] 下記表2に載荷加熱試験の結果を併記する。1種類につ
き3本の供試体の試験を行い、3本の供試体の重量減少
率の平均値を試験結果とした。
裂性コンクリートである実施例1乃至4では、繊維を混
入しないコンクリート(比較例1)に対して流動性の低
下は少なく、実用上問題のないレベルであることがわか
る。また、耐火試験においては、重量減少率は20.8
〜23.5%であり、外観の変化を目視でかんさつした
ところ、供試体の表層が部分的に剥落している状態であ
り、大きな爆裂は生じていなかった。これらは重量変化
が繊維を混入しないコンクリートに比較して著しく低下
しており、十分に爆裂を防止する効果があることがわか
る。一方、有機繊維及び無機繊維のいずれも添加しない
比較例1(コントロールの試料)では、流動性には問題
はないが、このように水結合材比が低いものは、水結合
材比が比較的高い対象例に比べて耐火試験における重量
変化が大きく、外観上も、激しく爆裂を生じ、中心部分
のコンクリートが残っているだけであった。対象例であ
る水結合材比の比較的高い試料は、重量減少率が35%
であったが、爆裂は表層のみに生じ、水結合材比の低い
比較例1に比べれば爆裂の状態は抑制されている。
3では、繊維を添加しないものに比べて、流動性はほぼ
同等であるが、耐火試験においては若干の向上が見られ
るものの、いずれも爆裂を生じ、重量減少率からも実用
上十分な爆裂防止効果がみられないことがわかった。ま
た、有機繊維のみを添加した比較例4〜6でも、同様の
傾向が見られ、耐火試験においては有機繊維の添加量の
向上に従って若干の向上が見られるものの、爆裂を生
じ、重量減少率からも実用上十分ではないことがわかっ
た。流動性については、有機繊維の添加量を0.5容量
%とした比較例6において流動性の著しい低下が見られ
た。また、流動性のみに着目すれば、有機繊維を等量含
有する実施例3、4と比較例5との対比において、無機
繊維の併用により、若干ではあるが流動性が向上してお
り、両者の併用による流動性の低下抑制効果が確認され
た。
比が低いコンクリートにおいても、流動性を低下させる
ことなく、爆裂を効果的に抑制することができ、経済性
の高い高強度の耐爆裂性コンクリートを提供しうるとい
う効果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】 セメント、水、微粉末混和材料、骨材及
び化学混和剤を含有し、水結合材比が20%以下である
耐爆裂性コンクリートであって、 有機繊維を0.05〜0.50容量%、及び、無機繊維
を0.1〜2.0容量%を含有し、且つ、両者の含有比
率(容量比)が1:0.2〜1:20の範囲にあること
を特徴とする耐爆裂性コンクリート。 - 【請求項2】 前記有機繊維が、直径5〜500μm、
長さ5〜40mmであり、500℃に加熱した時の重量
残存率が30%以下である有機材料により構成されるこ
とを特徴とする、請求項1に記載の耐爆裂性コンクリー
ト。 - 【請求項3】 前記有機繊維を構成する有機材料が、ポ
リプロピレン、ポリビニルアルコールからなる群より選
択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に
記載の耐爆裂性コンクリート。 - 【請求項4】 前記無機繊維が、長さ5〜40mmであ
り、且つ、引張強度600N/mm2以上、直径が50
〜2000μmであることを特徴とする、請求項1に記
載の耐爆裂性コンクリート。 - 【請求項5】 前記無機繊維が、鋼繊維、ステンレス繊
維、炭素繊維、ガラス繊維及びこれらのストランドより
選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1
に記載の耐爆裂性コンクリート。
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