JP2012153539A - 爆裂防止超高強度プレキャストコンクリート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成樹脂繊維が混入されたフレッシュコンクリートを打設・脱型した硬化コンクリートを高温履歴養生した後、乾燥炉内でコンクリート温度が低くとも前記混入した合成樹脂繊維が溶融する温度以上で養生し、溶融した合成樹脂を養生中のコンクリートの微小空隙に吸収させることにより、前記合成樹脂の占有空間の少なくとも一部をセメント硬化体の空洞に変化させることによって製造されて、コンクリートの内部に混入された合成樹脂繊維の少なくとも一部が溶融し、セメント硬化体の微小空隙に吸収されて形成された空洞を有する構造とされた、爆裂が抑制された、超高強度プレキャストコンクリートとした。
【選択図】なし
Description
この爆裂現象は鉄筋コンクリートの断面の欠損およびコンクリート内部温度の早期上昇を招くことが知られている。
また、加熱が構造体の表面温度40〜60℃の範囲で行われるため、この方法を圧縮強度が150N/mm2以上の超高強度コンクリートに適用した場合、水分の除去程度が低く爆裂防止効果がほとんど期待できないという問題がある。
したがって、圧縮強度が150N/mm2以上の耐爆裂性を有する超高強度コンクリートを製作するためには、PP繊維混入量をなるべく少なくする必要がある。しかしながら、そうすると爆裂防止性能が低下してしまうという問題が発生する。
また、この発明の合成樹脂繊維は、火災が発生してコンクリート構造体が火災にて加熱されたとき、合成樹脂繊維が溶融、分解して毛細管孔を形成するもので、コンクリート構造体に毛細管孔が形成されるまで、火災発生の時点からある程度の時間を要することから、超高強度コンクリートの場合、合成樹脂繊維を添加しても、火災時のように急速に加熱されると表層が剥離するような爆裂を生じてしまうことがある。
この点、従来のコンクリート内部に混入されたPP繊維が、火災発生後に溶融、分解して消失するものとは著しく異なるところである。
また、この高温加熱処理は、コンクリートの強度発現を促進することができる効果もある。さらに、混入された合成樹脂繊維が少量でも爆裂防止に有効に働き、合成樹脂の添加量を大幅に減らすことができることから、合成樹脂繊維の添加による強度低下と施工性の低下を最小限に留めることができ、繊維を除いた同一コンクリート配合でも、大幅に強度の高いプレキャストコンクリート部材を提供することができる。
本実施形態に係る超高強度コンクリートは、少なくとも結合材と、水と、細骨材と、粗骨材と、熱可塑性合成樹脂からなる繊維を含んだ混合体により構成されている。
本実施形態では、低熱セメントを、コンクリート混合体1m3当たり250〜310L(リットル)の範囲内で添加することが好ましい。
ここで、低熱セメントの添加量が250〜310L/m3の範囲を外れると、各粉体(低熱セメント、フライアッシュまたは珪石粉、シリカフューム)の化学組成のバランスや粒度分布のバランスが崩れ、高強度を達成できなくなるおそれがある。
ここで、フライアッシュの添加量が125〜170L/m3の範囲を外れると、各粉体(低熱セメント、フライアッシュまたは珪石粉、シリカフューム)の化学組成のバランスや粒度分布のバランスが崩れ、高強度を達成できなくなるおそれがある。
本実施形態では、コンクリート混合体1m3当たり75〜100Lの範囲内でシリカフュームを添加することが好ましい。
ここで、シリカフュームの添加量が75〜100L/m3の範囲を外れると、各粉体(低熱セメント、フライアッシュまたは珪石粉、シリカフューム)の化学組成のバランスや粒度分布のバランスが崩れ、高強度を達成できなくなるおそれがある。
ここで、水の結合材に対する重量比が11%未満だと、練混ぜることができなくなるおそれがある。一方、水の結合材に対する重量比が13%よりも大きいと、高強度を達成できなくなるおそれがある。
本実施形態では、コンクリート混合体1m3当たり150〜260Lの範囲内で細骨材を添加することが好ましい。
ここで、細骨材の添加量が150L/m3未満だと、配合的に細骨材から置換される粗骨材が多くなりすぎ、鋼繊維などと干渉して良好な流動性を得られなくなるおそれがある。一方、細骨材の添加量が260L/m3よりも大きいと、添加可能な粗骨材が少なくなりすぎてコンクリートとしての収縮が大きくなるおそれがある。
ここで、粗骨材の添加量が95L/m3未満だと、コンクリートとしての収縮が大きくなるおそれがある。一方、粗骨材の添加量が120L/m3よりも大きいと、鋼繊維などと干渉して良好な流動性を得られなくなるおそれがある。
本実施形態では、長さが13±2mm、直径が0.16mm、断面積が0.020m2、質量が100本あたり204.1mg±15%のものを使用する。なお、鋼繊維の形状寸法は限定されるものではなく、例えば、長さが6±2mmのものを使用してもよい。
ここで、鋼繊維の容積比が0.5%未満だと、繊維の補強効果が減少し、良好は強度が得られなくなるおそれがある。一方、鋼繊維の容積比が2%よりも大きいと、コンクリートの流動性が大きく低下するおそれがある。
なお、鋼繊維は後述するPP繊維の添加による強度低下を補完する目的で添加されているが、PP繊維の添加を少なくした場合には、鋼繊維の添加により、圧縮強度が高くなることもある。
鋼繊維の形状は、限定されるものではなく、円形断面、矩形断面や多角形断面等の異形断面の他、変形する断面径状を有したものを使用することが可能である。
本実施形態では、PP繊維として、直径48μm、長さ20mmのものを使用するが、例えば直径18μm、長さ10mmのものを使用するなど、PP繊維の寸法は限定されるものではない。
ここで、PP繊維の容積比が0.05%未満だと、耐火繊維の効果が減少し、火災時の爆裂抑制効果が得られなくなるおそれがある。一方、PP繊維の容積比が0.6%よりも大きいと、コンクリートの流動性が大きく低下するとともに、高強度が得られなくなるおそれがある。なお、外割りの容積比で0.55%のPP繊維を添加すると、30N/mm2程度の圧縮強度の低下を生じる。
本実施形態では、混練工程、打設工程、型枠養生工程、第一養生工程および第二養生工程により、コンクリート部材を製造する。
超高強度コンクリートは、コンクリート部材の形状に応じて形成された型枠に打設する。
本実施形態では、型枠に打設された超高強度コンクリートを、所定の強度が発現するまで(1〜2日程度)、常温(20℃程度)にて行う。
なお、第一養生工程における養生の温度、気圧、保持時間は、前記の条件に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。また、型枠養生工程で水和物の基本組織が十分に構築できると判断される場合には、第一養生工程を省略してもよい。また、型枠養生工程において断熱養生を行い、さらに、高温養生や高温高圧養生による第一養生工程を行ってもよい。
本実施形態の第二養生工程は、乾燥加熱養生をPPの融点160〜170℃よりやや高温の200℃程度の温度雰囲気下で5時間行う。乾燥加熱養生方法の諸条件の一例を示す。乾燥炉内を用い、昇温速度1℃/分で200℃まで上げ5時間保持した後、乾燥炉内で自然放冷する。
さらに、200℃による乾燥加熱養生を行うことで、圧縮強度が230N/mm2以上のコンクリート部材を製造することができる。
実験では、超高強度コンクリートについて、20℃気中養生後、90℃養生(18日間)を行った試料をA養生、20℃気中養生後、オートクレーブ養生(180℃10気圧で5時間保持)を行った試料をB養生、20℃気中養生後、90℃養生を行い、200℃加熱養生(気中200℃で5時間保持)を行った試料をC養生、20℃気中養生後、オートクレーブ養生(180℃10気圧)を行い、200℃加熱養生を行った試料をD養生とし、圧縮強度の測定と加熱試験(ISO 834)を実施した。
Claims (3)
- コンクリートの内部に混入された合成樹脂繊維の少なくとも一部が溶融し、セメント硬化体の微小空隙に吸収されて形成された空洞を有する、爆裂が抑制された、超高強度プレキャストコンクリート。
- 前記超高強度プレキャストコンクリートは、鋼繊維が混入されたものであることを特徴とする請求項1に記載された、爆裂が抑制された、超高強度プレキャストコンクリート。
- コンクリートの内部に混入された合成樹脂繊維の少なくとも一部が溶融し、セメント硬化体の微小空隙に吸収されて形成された微細な空洞を有する、爆裂が抑制された、超高強度プレキャストコンクリートの製造方法であって、
前記合成樹脂繊維が混入されたフレッシュコンクリートを打設・脱型した硬化コンクリートをセメントの自己発熱・温水・温風等を利用した高温履歴養生した後、乾燥炉内でコンクリート温度が低くとも前記混入した合成樹脂繊維が溶融する温度以上で養生し、溶融した合成樹脂を養生中のコンクリートの微小空隙に吸収させることにより、前記合成樹脂の占有空間の少なくとも一部をセメント硬化体の空洞に変化させる、爆裂が抑制された、超高強度プレキャストコンクリートの製造方法。
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