JP2003309993A - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置

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JP2003309993A
JP2003309993A JP2002112023A JP2002112023A JP2003309993A JP 2003309993 A JP2003309993 A JP 2003309993A JP 2002112023 A JP2002112023 A JP 2002112023A JP 2002112023 A JP2002112023 A JP 2002112023A JP 2003309993 A JP2003309993 A JP 2003309993A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正弦波駆動方式と矩形波駆動方式とを切り替
えることなくシームレスに制御し、何れの駆動方式にお
いても所望の電圧を出力する。 【解決手段】 PWM制御を行い直流電圧を交流電圧に
変換することで3相交流モータ1に印加する電圧を制御
するに際して、バッテリ電圧で出力可能な正弦波状電圧
の大きさに対する電圧指令値(vu*、vv*、vw
*)の大きさの割合を示す変調率mを変調率計算部21
にて演算し、変調率補正係数演算部22により変調率m
に応じた電圧指令値の補正係数m_cmpを算出し、基
本波電圧成分線形化部9により電圧指令値の補正をして
電圧指令値(vu_cmp*、vv_cmp*、vw_
cmp*)を生成する。そして、PWM生成部13は、
この電圧指令値に応じてキャリア周波数を変更してPW
M制御をしてバッテリ電圧を交流電圧に変換しして3相
交流モータ1に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正弦波PWM(Pu
lse Width Modulation)駆動と矩形波駆動を行って、モ
ータに印加する電圧を制御してモータトルクを制御する
モータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、さまざまな分野において、モータ
の小型化、高効率化の要求が大きくなっている。
【0003】モータの高効率化を達成するためには、磁
石を使用したモータを使用することが不可欠であり、近
年は、磁石によるトルクと、リラクタンスによるトルク
とを併用するIPMモータが広く使用されている。ま
た、小型化を達成するために、モータの高回転化が行わ
れている。
【0004】モータ自体の進歩と歩調をあわせて、制御
面でも小型・高効率化を支える技術が使われている。モ
ータを高効率に駆動するには、通常、モータを正弦波P
WM制御により駆動する。一方、高回転域で大きな出力
を発生させるには、大きな電圧が必要になるため、正弦
波PWM駆動で出力可能な最大電圧以上の電圧を出力で
きる矩形波駆動が用いられる。このように小型・高効率
モータを高効率で大きな出力にて駆動するには、動作領
域に応じて正弦波駆動方式と矩形波駆動方式とのうち、
望ましい駆動方式を行うことができるモータ制御装置が
必要となる。
【0005】このモータ制御装置としては、正弦波駆動
方式と矩形波駆動方式とを切り替える必要が生じる。し
かし、この駆動方式切り替え時に電圧変化及び電流変化
が発生して、モータのトルク変化が発生してしまうとい
う問題点が発生する。この問題を低減する方法として、
例えば、特開平11−285288号公報に開示された
技術が知られている。
【0006】この従来例では、正弦波駆動方式と矩形波
駆動方式とを切り替える際に、モータ回転速度及びモー
タトルクの少なくとも一方に応じて駆動方式を切り替え
る。そして、駆動方式切り替えの際に、正弦波電圧波形
の位相と電圧を連続的に変化させることで切り替え前の
電圧波形から切り替え後の電圧波形に近づけるようにし
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな駆動方式の切替方法では、正弦波駆動方式と矩形波
駆動方式との駆動方式を滑らかに繋ぐことを目的とし
て、両駆動方式の切り替え移行時の中間状態において、
切り替え前後の両駆動方式の電圧の振幅及び位相を滑ら
かに接続する方法であるが、dq軸電圧成分の変化に伴
ってdq軸電流の変化が発生し、滑らかに移行すること
はできてもトルクが変化してしまうことは免れない。
【0008】また、従来において、正弦波の振幅を無限
大にするだけでは、矩形波駆動にはならず、インバータ
で出力可能な最大電圧まで出力することが不可能であ
り、所望の出力電圧と異なる電圧を出力してしまう。
【0009】更に、正弦波駆動と矩形波駆動の中間状態
時や、矩形波駆動時では、電流の振動が発生してしまう
ことがある。
【0010】以上のように、従来では、正弦波駆動と矩
形波駆動を滑らかに移行させて、完全な矩形波駆動を実
現することはできないという問題点があり、正弦波駆動
から矩形波駆動に切り替える場合にトルクショックが発
生してしまう。
【0011】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、正弦波駆動方式と矩形波駆動
方式とを切り替えることなくシームレスに制御し、何れ
の駆動方式においても所望の電圧を出力できるモータ制
御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るモータ制
御装置では、PWM制御を行い直流電圧を交流電圧に変
換することでモータに印加する電圧を制御するモータ制
御装置において、モータに印加する正弦波状電圧の指令
値である第1の電圧指令値を生成する電圧指令値生成手
段と、上記直流電圧で出力可能な正弦波状電圧の大きさ
に対する、上記電圧指令値生成手段にて生成した第1の
電圧指令値の大きさの割合を示す変調率を演算する変調
率演算手段と、上記変調率演算手段により演算された変
調率に応じて、上記電圧指令値生成手段により生成され
た第1の電圧指令値の補正をして第2の電圧指令値を生
成する電圧指令値補正手段と、上記第1の電圧指令値も
しくは上記第2の電圧指令値の基本周波数に応じてPW
M制御をするときに使用するキャリア周波数を変更する
キャリア周波数変更手段と、上記キャリア周波数変更手
段により周波数変更されたキャリア及び上記第2の電圧
指令値に基づいてPWM制御をして上記直流電圧を交流
電圧に変換したPWM電圧を生成するPWM電圧生成手
段とを備えることで、上述の課題を解決する。
【0013】請求項2に係るモータ制御装置では、請求
項1記載のモータ制御装置であって、上記電圧指令値補
正手段は、第1の電圧指令値の大きさと上記PWM電圧
生成手段の出力電圧の基本波成分の大きさの関係を線形
化する補正を行うことを特徴とする。
【0014】請求項3に係るモータ制御装置では、請求
項2に記載のモータ制御装置であって、上記電圧指令値
補正手段は、出力電圧の上下限値が制限されることによ
る出力電圧変化の影響を補正して線形化する処理、又
は、デジタル制御の離散化による出力電圧変化の影響を
補正して線形化する処理のいずれか、もしくは両方を行
うことを特徴とする。
【0015】請求項4に係るモータ制御装置では、請求
項1乃至請求項3の何れかに記載のモータ制御装置であ
って、上記キャリア周波数変更手段は、少なくとも上記
変調率が1を超える場合に、キャリア周波数を第1の電
圧指令値もしくは第2の電圧指令値の基本周波数の略6
n倍(n:自然数)の周波数にすることを特徴とする。
【0016】請求項5に係るモータ制御装置では、請求
項1乃至請求項3の何れかに記載のモータ制御装置であ
って、上記PWM電圧生成手段は、少なくとも上記変調
率が1を超える場合に、上記第1の電圧指令値の電圧ベ
クトルと基本電圧ベクトルとの電圧位相が略2π/6の
整数倍である時の第2の電圧指令値の値に基づいて、P
WM電圧を生成することを特徴とする。
【0017】請求項6に係るモータ制御装置では、請求
項1乃至請求項3の何れかに記載のモータ制御装置であ
って、上記PWM電圧生成手段は、少なくとも前記変調
率が1を超える場合に、d軸の電圧ベクトルと基本電圧
ベクトルとの電圧位相が略2π/6の整数倍近傍の所定
値である時の第2の電圧指令値の値に基づいてPWM電
圧を生成することを特徴とする。
【0018】
【発明の効果】請求項1に係るモータ制御装置では、変
調率演算手段により演算された変調率に応じて、電圧指
令値生成手段により生成された第1の電圧指令値の補正
をして第2の電圧指令値を生成すると共に第1の電圧指
令値もしくは第2の電圧指令値の基本周波数に応じてP
WM制御をするときに使用するキャリア周波数を変更し
て、第2の電圧指令値に基づいてPWM制御をしてPW
M電圧をモータに供給することができるので、正弦波駆
動時のみならず、矩形波駆動時、及び駆動方法の移行時
においても、第1の電圧指令値に応じた電圧をモータに
印加できる。
【0019】請求項2に係るモータ制御装置によれば、
第1の電圧指令値の大きさと出力電圧の基本波成分の大
きさの関係を線形化する補正を行うので、正弦波駆動時
のみならず、矩形波駆動じ及び駆動方法の移行時におい
ても、電圧指令値と出力電圧の基本波成分とを線形な関
係とすることができ、いずれの駆動状態であっても電圧
指令値に応じた基本波電圧をモータに印加することがで
きる。
【0020】請求項3に係るモータ制御装置によれば、
出力電圧の上下限値が制限されることによる出力電圧変
化の影響を補正して線形化する処理、又は、デジタル制
御の離散化による出力電圧変化の影響を補正して線形化
する処理のいずれか、もしくは両方を行うので、直流電
圧の最大値で決まる出力電圧の上下限値の範囲に制限さ
れることで発生する電圧歪みの影響と、高回転域でその
影響が大きくなる離散化による出力電圧誤差の影響を補
正することができ、第1の電圧指令とその基本波が同じ
電圧が出力できる。
【0021】請求項4に係るモータ制御装置によれば、
少なくとも変調率が1を超える場合に、キャリア周波数
を第1の電圧指令値もしくは第2の電圧指令値の基本周
波数の略6n倍(n:自然数)の周波数にするので、矩
形波駆動時及び駆動方法の移行時において、出力電圧の
基本波成分の振幅を振動させることなく第1の電圧指令
値の振幅に一致させることができる。
【0022】請求項5に係るモータ制御装置によれば、
少なくとも変調率が1を超える場合に、第1の電圧指令
値の電圧ベクトルと基本電圧ベクトルとの電圧位相が略
2π/6の整数倍である時の第2の電圧指令値の値に基
づいてPWM電圧を生成するので、PWM生成時の基準
とする第2の電圧指令値を、常に基本電圧ベクトル上の
電圧位相とすることができ、確実に最大電圧を出力する
ことができる。
【0023】請求項6に係るモータ制御装置では、少な
くとも変調率が1を超える場合に、d軸の電圧ベクトル
と基本電圧ベクトルとの電圧位相が略2π/6の整数倍
近傍の所定値である時の第2の電圧指令値の値に基づい
てPWM電圧を生成するので、PWM生成時の基準とす
る第2の電圧指令値を、常に基本電圧ベクトル上の電圧
位相とすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0025】本発明は、例えば図1に示すように構成さ
れたモータ制御装置に適用される。このモータ制御装置
は、制御対象である3相交流モータ1をベクトル制御す
るものである。この3相交流モータ1は、U相、V相及
びW相に供給される各電流値が制御されることで、内部
コイルに流れる各電流が制御されてトルクが制御され
る。
【0026】先ず、このモータ制御装置における基本的
な駆動方法について説明する。
【0027】このモータ制御装置の3相交流モータ1の
駆動方式としては、正弦波駆動方式と矩形波駆動方式と
がある。このモータ制御装置は、正弦波駆動方式の最大
電圧出力時から矩形波駆動方式に移行するときにシーム
レスな同一制御を行うことで、3相交流モータ1に所望
とするトルクを発生させる。
【0028】このモータ制御装置において、3相交流モ
ータ1に供給する電圧状態は8状態あり、各状態をベク
トル表記すると図2に示すようになる。例えば基本電圧
ベクトルV1(1,0,0)で表現される電圧状態は、
U相に電源電圧(バッテリ電圧)を印加し、V相及びW
相には電圧印加をしないことを示す。モータ制御装置で
は、各基本電圧ベクトルV0〜V7のうち、とびとびの
基本電圧ベクトルしか出力できないが、等価的には、図
2の6角形内の全領域の電圧ベクトルを出力する。
【0029】例えば、図3に示すように基本電圧ベクト
ルV1と基本電圧ベクトルV6とで挟まれた領域の電圧
ベクトルVoを等価的に出力する場合には、ある時間範
囲Tにおける等価出力電圧Voを、下記式1及び式2の
ように、 Vo=(t1V1+t2V6+t3V0+t4V7)/T (式1) T=t1+t2+t3+t4 (式2) にて表現される演算をして実現する。すなわち、上記式
1、式2により、等価出力電圧Voは、実現したい電圧
ベクトルVoを挟む2つの基本電圧ベクトルV1,V6
と、2つの零の基本電圧ベクトルである電圧ベクトルV
0,V7の出力時間の割合を変えることにより出力可能
とされる。これにより、2つの基本電圧ベクトルで挟ま
れる全領域の電圧を等価的に出力できる。他の基本電圧
ベクトルで挟まれる領域も全く同じ演算をする。このよ
うに、モータ制御装置では、原理的には、図2の6角形
に囲まれる領域内の全ての電圧ベクトルを出力すること
ができる。
【0030】上記の正弦波駆動方式は、図4に示すよう
に、各相に印加する電圧ベクトルを調整することで、線
間電圧が正弦波となるように3相交流モータ1を駆動す
る方式である。この正弦波駆動方式では、電源電圧(バ
ッテリ電圧)の中間電位を基準とした仮想相電圧(以
降、単に相電圧と呼ぶ)が正弦波の場合と、そうでない
場合がある。ここで、モータ制御装置により3相交流モ
ータを駆動するときには、一般的に、キャリアの三角波
と正弦波とを比較したPWM変調により疑似的に正弦波
を生成する場合が多く、その出力電圧範囲は、図2に示
す6角形の内接円で囲まれる範囲である。図4では、位
相軸上で正弦波駆動で出力可能な最大の相電圧及び線間
電圧を表記している。
【0031】一方、矩形波駆動方式は、相電圧が矩形波
となるように駆動する方式である。その出力電圧は、各
電圧ベクトルV1〜V6のとびとびの電圧のみである。
すなわち、この矩形波駆動方式では、図5に示すような
位相軸上での相電圧及び線間電圧となる。
【0032】このように、正弦波駆動方式では図2に示
す六角形の内接円範囲外の電圧は出力することができな
いが、矩形波駆動方式では内接円範囲外の基本電圧ベク
トルV1〜V6を出力することができ、矩形波駆動方式
のほうが、大きい電圧を出力することができる。すなわ
ち、正弦波駆動方式では、図4に示す相電圧の最大値を
1に規格化すると線間電圧の振幅は2に規格化される
が、矩形波駆動方式では、図5に示す線間電圧波形とな
り、その基本波成分の振幅が4sqrt(3)/π=
2.2053…となる。
【0033】従って、矩形波駆動方式では、正弦波駆動
方式での最大出力電圧の約1.1倍の基本波成分電圧を
出力でき、矩形波駆動方式を用いることにより正弦波駆
動方式より大きなトルクを得られる。矩形波駆動方式で
は、通常、高回転領域、つまり周波数が高い領域で使用
されるので、矩形波に含まれる高次成分は減衰し、3相
交流モータ1にほぼ基本波成分の電流を供給する。
【0034】[モータ制御装置の構成]このモータ制御
装置は、図1に示すように、外部から3相交流モータ1
のトルクを制御するトルク指令Te*が供給されて、こ
のトルク指令Te*のトルクを発生させるための各種演
算を行って、3相交流モータ1に供給する電流を制御す
る。
【0035】トルク指令Te*に従って3相交流モータ
1を駆動制御する場合には、3相交流モータ1に供給し
ているU相モータ電流iu及びV相モータ電流ivを電
流センサ2U及び電流センサ2Vにより検出して、3相
/dq変換部3に送る。また、回転角センサ(PS)4
により3相交流モータ1の回転角を入力することにより
3相交流モータ1の回転角θmを検出し、位相・速度計
算部5に送る。
【0036】位相・速度計算部5は、回転角θmに基づ
いて3相交流モータ1の回転速度ωe及び電圧位相θe
を計算して3相/dq変換部3に送る。ここで、電圧位
相θeとは、図6において、例えば電圧ベクトルVoを
出力するときのU相軸とd軸電圧ベクトルVd_oとの
なす角度である。
【0037】3相/dq変換部3は電圧位相θeを入力
すると、U相モータ電流iu及びV相モータ電流iv
を、回転直交座標系であるdq座標系のd軸電流値id
及びq軸電流値iqに変換して電流制御部6に送る。
【0038】一方、トルク制御部7は、外部からトルク
指令Te*及び3相交流モータ1の回転速度(電気)ω
eが与えられると、目標とするd軸電流値のd軸電流指
令id*及び目標とするq軸電流値iqのq軸電流指令
iq*を求めて、電流制御部6に送る。電流制御部6
は、トルク制御部7からd軸電流指令id*及びq軸電
流指令iq*が供給され、3相/dq変換部3からd軸
電流値id及びq軸電流値iqが供給されると、d軸電
流値idをd軸電流値id*にするためのd軸電圧指令
値vd*、q軸電流値iqをq軸電流指令iq*にする
ためのq軸電圧指令値vq*を計算してdq/3相変換
部8に送る。
【0039】dq/3相変換部8は、電流制御部6から
d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*が供給
され、位相・速度計算部5から電圧位相θeが供給され
ると、電圧位相θeに基づいた3相座標系のU相電圧指
令値vu*、V相電圧指令値vv*、W相電圧指令値v
w*に変換して基本波電圧成分線形化部9に送る。この
とき、dq/3相変換部8は、d軸電圧指令値vd*及
びq軸電圧指令値vq*を図6におけるd軸電圧ベクト
ルVd及びq軸電圧ベクトルVqとし、d軸電圧ベクト
ルVdとの電圧位相γを有する3相の電圧ベクトルを求
めてU相電圧指令値vu*、V相電圧指令値vv*、W
相電圧指令値vw*に変換する。ここで、電圧位相γは
tan−1(Vq/Vd)であり、この演算をdq/3
相変換部8により行う。
【0040】このモータ制御装置では、基本波電圧成分
線形化部9によってU相電圧指令値vu*、V相電圧指
令値vv*及びW相電圧指令値vw*の補正をして出力
電圧の線形化を行うための変調率の補正係数m_cmp
を演算する変調率補正部10を備える。この変調率補正
部10は、変調率計算部21によりバッテリ11のバッ
テリ電圧及び2軸電圧指令値(vd*、vq*)から、
変調率mを求める。この変調率mは、バッテリ電圧で出
力可能な正弦波状電圧の大きさに対する、3相電圧指令
値(vd*,vq*)の大きさの割合を示す値であり、
正弦波駆動方式にて正弦波状電圧が飽和するときに、そ
の値が1となる。
【0041】そして、変調率補正係数演算部22は、変
調率mを基に、3相交流モータ1に供給する出力電圧の
基本波成分を3相電圧指令値(vu*、vv*、vw
*)に一致させるための変調率の補正係数m_cmpを
求めて、基本波電圧成分線形化部9に送る。
【0042】基本波電圧成分線形化部9は、dq/3相
変換部8から出力された3相の電圧指令値vu*,vv
*,vw*を、実際に3相交流モータ1に印加する出力
電圧の基本波成分に一致させる。基本波電圧成分線形化
部9は、変調率補正係数演算部22からの補正係数m_
cmpを3相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)に
乗じて補正後のU相電圧指令値vu_cmp*,V相電
圧指令値vv_cmp*,W相電圧指令値vw_cmp
*を求めて、電圧リミッター部12に送る。
【0043】電圧リミッター部12は、補正後の3相電
圧指令値(vu_cmp*,vv_cmp*,vw_c
mp*)の上下限値を設定して電流制御部6に送ること
で、電流制御部6に2軸電圧指令値(vd*,vq*)
の上下限値を制限させる。電圧リミッター部12は、入
力した3相電圧指令値(vu_cmp*,vv_cmp
*,vw_cmp*)をPWM生成部13に送る。
【0044】PWM生成部13は、電圧リミッター部1
2からの3相電圧指令値をもとにPWM駆動用パルスを
生成する。このPWM駆動用パルスは、変調率mが1以
下である場合には通常の正弦波状の波形となり、変調率
mが1を超える場合には正弦波の上部及び下部が制限さ
れた歪んだ波形となり、その値が大きくなると矩形波に
なる。
【0045】キャリア周波数決定部14は、変調率mが
1を超える場合に、キャリア電圧の周波数を3相交流モ
ータ1の回転速度ωeの6倍とするように演算して、P
WM生成部13に送る。
【0046】電圧位相計算部15は、実際の3相交流モ
ータ1の電圧位相θeを基に、d軸電圧指令値vd*と
q軸電圧指令値vq*との電圧位相を計算してPWM生
成部13に送る。
【0047】PWM生成部13は、キャリア周波数決定
部14で決定したキャリア周波数、電圧位相計算部15
で計算された電圧位相に基づいて、PWM駆動用パルス
の周波数を可変させ、3相電圧指令値(vu_cmp
*、vv_cmp*、vw_cmp*)とキャリアとの
比較結果に基づくバッテリ電圧のPWM変調をする。そ
して、PWMインバータ16内のスイッチ回路は、PW
M生成部13によりPWM変調されたバッテリ11から
の直流電圧を交流電圧に変換して3相交流モータ1に印
加する。
【0048】「出力電圧の線形化処理」つぎに、上述し
たようなモータ制御装置における出力電圧の線形化につ
いて説明する。
【0049】先ず、出力電圧の上下限値が制限されるこ
とによる出力電圧変化の影響を補正して線形化する処理
について説明する。
【0050】変調率mが1を超える高回転数領域では、
3相電圧指令値と3相交流モータ1に印加される電圧が
異なるようになる。すなわち、正弦波状電圧のピーク部
分が欠けた電圧が3相交流モータ1に印加されることに
なる。そのため、このような高回転数領域では、3相電
圧指令値の振幅と3相交流モータ1に印加する電圧の基
本波成分が異なることになる。この関係を図7,図8に
示す。
【0051】図7は、変調率mを1〜10まで変化させ
た場合の線間電圧波形を示している。一方、図8は、変
調率mと線間電圧波形の基本波成分の関係を示してい
る。図示していないが、正弦波駆動を行なう変調率1以
下の領域では、3相電圧指令値に従った電圧を出力でき
るので、3相電圧指令値と出力電圧との基本波成分は同
一である。
【0052】これに対し、図7及び図8に示したように
変調率mが1を超える領域では、線間電圧が非線形とな
っているので、変調率補正部10及び基本波電圧成分線
形化部9により、3相電圧指令値と出力電圧との基本波
成分が同じとなるように、3相電圧指令値を補正を行な
い、3相電圧指令値と出力電圧が一致するようにする。
これにより、変調率mが1以下の場合のみならず、変調
率mが約1.1となる場合であっても3相電圧指令と同
一な基本波成分の出力電圧を得ることができる。
【0053】変調率mが1より大きい場合であって出力
電圧の補正を行わない場合、ディジタル処理による離散
化の影響を無視できるシステムでは、演算した変調率m
と実際の出力電圧の変調率は、図8のような関係があ
る。したがって、演算上の変調率mと最終的に出力され
る電圧の変調率が同じとなるように補正を行なう。これ
により、全電圧範囲において、3相交流モータ1に印加
する電圧の基本波と3相電圧指令値(vu*,vv*,
vw*)とを一致させる。
【0054】このように制御する場合、変調率mに対す
る補正係数m_cmpは、図9に示すような関係にすれ
ば良い。すなわち、変調率補正係数演算部22では、変
調率mが「1」よりも大きい場合には、予め保持してお
いた図9に示すようなテーブルを参照して補正係数m_
cmpを決定する。
【0055】次に、ディジタル制御の離散化による出力
電圧変化の影響を補正して線形化する処理について説明
する。
【0056】図10に、連続系の電圧指令値と離散系の
電圧指令値の関係を示す。ディジタル離散系の電圧指令
値は、この図において2nπ/6の位相毎に演算を行な
った場合について示している。
【0057】このように、2nπ/6のタイミングで出
力電圧を印加するようにした場合、電圧指令値と出力電
圧の関係は、図11示すように、3相電圧指令値の補正
をしない場合には3相電圧指令値と出力電圧とは一致し
ない。これに対し、この線形化処理では、変調率補正係
数演算部22により、図12に示すように、変調率mに
かかわらず変調率mの補正係数m_cmpを約1.04
7倍とすることで3相電圧指令値を出力電圧と一致させ
ることができる。
【0058】このような補正をすることにより、モータ
制御装置によれば、離散化システムであっても正弦波駆
動領域から矩形波駆動領域まで、常に所望の電圧がモー
タに印加することになる。
【0059】なお、上述の説明では、出力電圧の上下限
値が制限されることによる出力電圧変化の影響を補正し
て線形化する処理と、ディジタル制御の離散化による出
力電圧変化の影響を補正して線形化する処理を別々に説
明したが、少なくとも変調率mが1を超える場合に、変
調率補正係数演算部22により何れかの処理をするよう
に補正係数m_cmpを決定しても良く、双方の線形化
処理を行うように補正係数m_cmpを決定しても良
い。
【0060】「演算タイミング制御処理」上述のモータ
制御装置は、変調率mが1を超える内接円の外の領域の
出力電圧を3相交流モータ1に供給する場合、図2から
わかるように電圧位相θeによって出力できる最大電圧
Voが異なり、ディジタル離散系ではPWM生成部13
において出力電圧演算を実行するタイミングが重要であ
る。
【0061】図13に(2n−0.5)π/6のタイミ
ングで出力電圧の演算を行なう場合、図14に2nπ/
6のタイミングで出力電圧の演算を行なう場合の、相電
圧と線間電圧の最大値を示す。
【0062】図13に示す場合の線間電圧の基本波成分
の最大値は、6/π=1.91…となり、図14に示す
場合の線間電圧の基本波成分の最大値は、4・sqrt
(3)/π=2.20…となる。したがって、位相が2
nπ/6のタイミングで演算を行なう場合にのみモータ
制御装置から最大電圧の出力電圧を印加することが原理
的には可能となる。これは、変調率が1を超えるような
高回転高出力領域では補正後の3相電圧指令値の電圧位
相が概略d軸電圧ベクトルから180°回転した位置と
なるため、電圧ベクトルの位相の計算を省略してd軸の
位相の近傍の値としても、ほぼ同じ効果を得ることがで
きるからである。
【0063】したがって、このモータ制御装置によれ
ば、演算を行なうタイミング、すなわち出力電圧を印加
するタイミングを、電圧ベクトルが2nπ/6の位相で
行なうことが望ましく、このために、PWM生成部13
によりキャリア電圧の周期を、基本周波数の概略6n倍
とする。
【0064】[モータ制御装置の他の構成]図15に、
他のモータ制御装置の構成を示す。このモータ制御装置
は、電圧位相計算部31により、変調率mが1を超える
ような高回転高出力領域では、電圧ベクトルの電圧位相
を、ほぼ基本電圧ベクトル上の位相とする。これによ
り、d軸位相が2nπ/6となるタイミングで出力電圧
を3相交流モータ1に印加することができ、上述した効
果と同じ効果を得ることができる。
【0065】[実施の形態の効果]以上詳細に説明した
ように、モータ制御装置によれば、変調率mに応じて3
相電圧指令値を補正するようにしたので、変調率mが1
以上であって3相電圧指令値の出力電圧の基本は成分と
を一致させることができ、正弦波駆動をしていて変調率
mが1以上となって矩形波駆動に切り替えるときであっ
ても、シームレスな同一な制御を行なって所望とするモ
ータトルクを発生させることができる。また、このモー
タ制御装置によれば、正弦波駆動方式と矩形波駆動方式
を切り替えることにより電圧の振幅が急に変化して、電
流変動が発生しトルク変動が発生することを防止するこ
とができる。
【0066】また、このモータ制御装置によれば、変調
率が1を超える高回転数領域であっても、キャリア周波
数を最適な値に設定してPWM生成部13にPWM変調
を行わせることができるので、3相交流モータ1の回転
周波数とキャリア周波数が近接して出力電圧の振動を発
生させることなく、最大電圧まで安定した出力電圧を出
力することができる。すなわち、変調率mが1を超える
場合には、電圧位相θeによって出力できる最大電圧が
異なるため、ある決まった位相タイミングで電圧を出力
しない限りは電圧の振動が発生する。これに対し、モー
タ制御装置では、キャリア周波数決定部14により、キ
ャリア周波数を3相交流モータ1の回転速度ωeの6倍
とすることにより、2π/6周期毎に出力電圧を出力す
るので、出力タイミング毎に電圧が変化することがな
い。さらに、その出力するタイミングを電圧位相が2n
π/6となるようにすることで、出力可能な最大電圧ま
で出力できる。
【0067】なお、上述の実施の形態は本発明の一例で
ある。このため、本発明は、上述の実施形態に限定され
ることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明
に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に
応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したモータ制御装置の構成を示す
ブロック図である。
【図2】電圧ベクトルと出力電圧範囲の関係を示す図で
ある。
【図3】基本電圧ベクトルに挟まれた電圧ベクトルを等
価的に出力する処理を説明するための図である。
【図4】正弦波駆動方式で出力可能な最大の相電圧と線
間電圧とを示す図である。
【図5】矩形波駆動の相電圧と線間電圧とを示す図であ
る。
【図6】d軸電圧ベクトル、q軸電圧ベクトルから電圧
ベクトルVoを決定することを説明するための図であ
る。
【図7】変調率を変化させたときのと出力電圧波形の変
化を示す図である。
【図8】変調率と出力電圧の基本波成分との関係を示す
図である。
【図9】変調率と補正係数との関係を示す図である。
【図10】規格化した電圧指令値と出力電圧との関係を
示す図である。
【図11】変調率と補正係数との他の関係を示す図であ
る。
【図12】離散系システムでの出力電圧及び相電圧の変
化を示す図である。
【図13】(2n−0.5)π/6のタイミングにて演
算を行なう場合の相電圧と線間電圧の関係を示す図であ
る。
【図14】θ=2nπ/6のタイミングにて演算を行な
う場合の相電圧と線間電圧の最大値を示す図である。
【図15】本発明を適用した他のモータ制御装置の構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 3相交流モータ 2 電流センサ 3 3相/dq変換部 4 回転角センサ 5 位相・速度計算部 6 電流制御部 7 トルク制御部 8 dq/3相変換部 9 基本波電圧成分線形化部 10 変調率補正部 11 バッテリ 12 電圧リミッター部 13 PWM生成部 14 キャリア周波数決定部 15,31 電圧位相計算部 16 PWMインバータ 21 変調率計算部 22 変調率補正係数演算部
フロントページの続き Fターム(参考) 5H560 BB04 BB12 DA00 DC12 EB01 EC01 EC02 GG01 RR01 SS02 XA02 XA12 XA13 5H576 BB04 CC02 DD07 EE01 FF08 GG04 HA01 HB01 JJ01 LL22 LL41

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PWM(Pulse Width Modulation)制御
    を行い直流電圧を交流電圧に変換することでモータに印
    加する電圧を制御するモータ制御装置において、 モータに印加する正弦波状電圧の指令値である第1の電
    圧指令値を生成する電圧指令値生成手段と、 上記直流電圧で出力可能な正弦波状電圧の大きさに対す
    る、上記電圧指令値生成手段にて生成した第1の電圧指
    令値の大きさの割合を示す変調率を演算する変調率演算
    手段と、 上記変調率演算手段により演算された変調率に応じて、
    上記電圧指令値生成手段により生成された第1の電圧指
    令値の補正をして第2の電圧指令値を生成する電圧指令
    値補正手段と、 上記第1の電圧指令値もしくは上記第2の電圧指令値の
    基本周波数に応じてPWM制御をするときに使用するキ
    ャリア周波数を変更するキャリア周波数変更手段と、 上記キャリア周波数変更手段により周波数変更されたキ
    ャリア及び上記第2の電圧指令値に基づいてPWM制御
    をして、上記直流電圧を交流電圧に変換したPWM電圧
    を生成するPWM電圧生成手段とを備えることを特徴と
    するモータ制御装置。
  2. 【請求項2】 上記電圧指令値補正手段は、第1の電圧
    指令値の大きさと上記PWM電圧生成手段の出力電圧の
    基本波成分の大きさの関係を線形化する補正を行うこと
    を特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 上記電圧指令値補正手段は、出力電圧の
    上下限値が制限されることによる出力電圧変化の影響を
    補正して線形化する処理、又は、デジタル制御の離散化
    による出力電圧変化の影響を補正して線形化する処理の
    いずれか、もしくは両方を行うことを特徴とする請求項
    2に記載のモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 上記キャリア周波数変更手段は、少なく
    とも上記変調率が1を超える場合に、キャリア周波数を
    第1の電圧指令値もしくは第2の電圧指令値の基本周波
    数の略6n倍(n:自然数)の周波数にすることを特徴
    とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のモータ制
    御装置。
  5. 【請求項5】 上記PWM電圧生成手段は、少なくとも
    上記変調率が1を超える場合に、上記第1の電圧指令値
    の電圧ベクトルと基本電圧ベクトルとの電圧位相が略2
    π/6の整数倍である時の第2の電圧指令値の値に基づ
    いて、PWM電圧を生成することを特徴とする請求項1
    乃至請求項3の何れかに記載のモータ制御装置。
  6. 【請求項6】 上記PWM電圧生成手段は、少なくとも
    前記変調率が1を超える場合に、d軸の電圧ベクトルと
    基本電圧ベクトルとの電圧位相が略2π/6の整数倍近
    傍の所定値である時の第2の電圧指令値の値に基づいて
    PWM電圧を生成することを特徴とする請求項1乃至請
    求項3の何れかに記載のモータ制御装置。
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