JP2004008317A - ウエットワイパー - Google Patents

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平賀  敏
Yoshio Nojima
野島 由郎
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Abstract

【課題】人体に対して安全性が高く、効率的にカビを除去し、かつ、清拭した箇所に優れた殺菌性あるいは防カビ性などを長期間持続することのできる除カビ・防カビ用ウエットワイパーの提供。
【解決手段】少なくとも拭き取り面を構成する面積率20%以上の繊維が単繊維径0.2〜5μmの布帛であって、該布帛に可溶性キトサン及び界面活性剤が含浸されている除カビ・防カビ用ウエットワイパー。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品の製造現場や気密性の高いマンション等の風呂場など比較的湿度が高い場所の壁や天井に生えたカビ等を効率的に除去し、かつ、清拭した箇所に優れた殺菌性あるいは防カビ性などを長期間持続することのできるウエットワイパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から湿度が高く、暖かい雰囲気下にある食品製造現場や風呂場の壁や天井にはカビが生えやすく、カビを除去するために塩素系や酸素系の除カビ剤を用いてカビを除去していた。
除カビ剤を用いたカビの除去方法は、除カビ剤をカビに付与して除カビし、スポンジ等でカビを壁や天井から掻き取り、次いで除カビ剤を除去するために水洗する方法が取られている。
この方法によれば、生えたカビはかなり除去できるが、時間がかかったり、除カビ剤から塩素や酸素が発生し、特に塩素は刺激臭が強く、取り扱い方によっては、例えば換気を十分に行わないと窒息したり、人体への安全性が十分でないという欠点があった。
【0003】
また、十分な除カビ性を得るために除カビ剤の液性はアルカリ性で、取り扱い方によっては、例えば皮膚に付着すれば皮膚を溶かしたり、衣服に付着すると塩素や酸素の影響で染料が変色したり、特定の金属に付着すると錆びたり、急速に除カビ剤が分解して塩素や酸素が発生したり安全性が十分なものではなかった。更に、除カビ剤自体を除去するために水洗しなければならず、非常に手間がかかるものであった。
更にまた、食品製造現場で除カビ剤を用いる場合、取り扱い方によっては、作業中の除カビ剤が飛散しこれの除去や残留した臭いが食品等へ移染することも予想され、安全性が十分なものではなかった。
また、この方法で除カビを行っても生えているカビを取り去るだけで、カビの除去が不十分であればすぐに、十分に除去できていてもカビが育成しやすい環境下であるため、長期間カビを生やさないことは困難であった。
【0004】
上記問題を解決するために特許第3187676号公報に分散安定剤として可溶性キトサン・コラーゲンを使用して、銀系無機抗菌剤を安定分散した抗菌性ワイパーが開示されている。
この方法によればコラーゲンの作用で皮膚への保湿性が確保され、銀系抗菌剤による殺菌・抗菌性には優れるものの、カビの除去が十分でない場合には抗菌スペクトルの異なったカビに対する阻害効果に劣るという欠点があった。
また、経済的にも高価な銀系の抗菌剤を使用しなければならないとともに、清拭した箇所へ銀系抗菌剤が転写されるため銀が酸化されて清拭箇所が変色する可能性があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、人体に対して安全性が高く、効率的にカビを除去し、かつ、清拭した箇所に優れた殺菌性あるいは防カビ性などを長期間持続することのできる除カビ・防カビ用ウエットワイパーを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題に鑑み拭き取り用の基材を検討し物理的にカビを除去し、かつ基材に不揮発性の防カビ剤を含浸し拭き取り面へ転写することにより、効率的にカビを除去し、かつ、清拭した箇所に優れた殺菌性あるいは防カビ性などを長期間持続することのできることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
▲1▼ 少なくとも拭き取り面を構成する面積率20%以上の繊維が単繊維径0.2〜5μmの布帛であって、該布帛に可溶性キトサン及び界面活性剤が含浸されている除カビ・防カビ用ウエットワイパーを提供する。また、
▲2▼ 該布帛が表面に多数の平均面積0.05mm〜20mmの凹部及び/または貫通孔を有している不織布である、▲1▼に記載の除カビ・防カビ用ウエットワイパーにも特徴を有する。また、
▲3▼ 該不織布が10〜80重量%のセルロース繊維を含有している、▲1▼又は▲2▼に記載の除カビ・防カビ用ウエットワイパーにも特徴を有する。また、
▲4▼ 該不織布が3層以上の積層体で構成されており、中央部が主にセルロース繊維で構成されている、▲1▼〜▲3▼のいずれかに記載の除カビ・防カビ用ウエットワイパーにも特徴を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明について以下具体的に説明する。
本発明のウエットワイパーは少なくとも拭き取り面を構成する面積率20%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは60%以上の繊維が単繊維径0.2〜5μmの布帛である。
本発明でいう布帛とは、織物、編物、不織布のことをいう。
【0008】
本発明の目的の一つは、カビ等を効率よく除去することにあり、除去したカビ等の汚れは布帛に残留することが拭き取り面への再汚染を防止することから好ましく、この為使用後は衛生上の観点から布帛を廃棄することが好ましく、布帛は経済的に安価である不織布が好ましい。
本発明でいう布帛の拭き取り面とは、ウエットワイパーを使用して壁面、天井面、床面等のカビ等が繁殖している部分を拭き取る際に直接接触する面をいう。ウエットワイパーの使用に際して布帛の拭き取り面が明示されていない場合には通常の拭き取り作業において使用可能な面のことをいい、少なくとも布帛の表裏どちらかがこれに相当する。
【0009】
本発明でいう単繊維径とは布帛を構成する単繊維の径であり、単繊維の断面が円状の場合は直径を、楕円状の場合は長径を、扁平の場合は最大幅がこれに相当する。U字型やC字型や多葉形の断面を持つ場合は投影した最大の幅がこれに相当する。
布帛を構成する単繊維径は、0.2〜5μm、好ましくは0.3〜4μm、より好ましくは0.35〜35μmである。
布帛を構成する単繊維径が0.2μm未満では拭き取り作業時に摩擦により単繊維が切断し、拭き取り面を汚染することがある。単繊維径が5μmを越えるとカビ等の掻き取り効果が減少する。
【0010】
本発明でいう面積率とは、拭き取り面に存在する全繊維の面積に対する単繊維径0.2〜5μmの繊維が占める割合をいう。
即ち、面積率は次式(I)で与えられる。
面積率(%)=(拭き取り面に存在する単繊維径0.2〜5μmの繊維が占める面積)/(拭き取り面に占める全繊維の面積)×100 ・・・(I)
本発明の布帛における面積率は、20%以上が好ましく、より好ましくは40%以上、更に好ましくは60%以上、最も好ましくは100%である。
面積率の測定方法は、5μmの繊維が3〜6mm程度に拡大される倍率でランダムに100点の拡大写真を例えば電子顕微鏡を用いて撮影し、5μm以下の繊維が写真に撮影された全面積に占める割合の平均値として測定できる。
尚、拭き取り面に凹部や貫通孔がある場合はその部分を除いた部分が拭き取り面の繊維が占める全面積となる。
【0011】
布帛を構成する単繊維径が0.2〜5μmの繊維の存在の仕方はまんべんなく存在していることが好ましいが、例えば縦筋状や円状に部分的に存在していてもよい。
本発明では、単繊維径が0.2〜5μmの繊維の素材は特に限定されない。
布帛を構成する単繊維として、ポリエステル、ポリアミド、アクリル等の合成繊維やセルロース繊維等の素材が一般的に用いられるが、これらの素材が1種以上混用されていてもよい。
例えば、ポリアミドで多葉形で芯部を、ポリエステルで多葉形のへこんだ部分を埋めるようにして同時に円形となるように紡糸して、ポリアミドを溶解させて目的とする単繊維径の繊維を得たり、繊維横断面に不特定な形状を有する開口部を多数有し、該開口の各々は繊維の内部において繊維の長さ方向に沿って略平行な60μm以上の長さを有する筋状(ストロー状)の空隙を形成するアクリル系合成繊維から分割して目的とする単繊維径の繊維を得てもよい。
【0012】
本発明のウエットワイパーには界面活性剤及び可溶性キトサンが含浸されている。
界面活性剤を配合することによりカビ等を含む汚れを効率よく除去することができる。
また、可溶性キトサンは拭き取り操作により拭き取り面へ転写されそこに残留するため、拭き取り後のカビ等の育成を長期間阻害することができる。
また、若干のカビ等が残留していても可溶性キトサンが転写されているためその後の成長を阻害することができる。
【0013】
本発明でいう界面活性剤とは通常に使用されている界面活性剤であれば特に限定されないが、併用する可溶性キトサンの安定性にも寄与できるものがよく、かつ発泡性の少ないものがよく、その面から両性界面活性剤や非イオン界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の使用量はウエットワイパーに添加されている薬液の5〜20重量%が好ましく、より好ましくは10〜15重量%である。
5重量%未満では除カビ性が低下することがある。また、20重量%を超えると発泡性を抑制することが困難となり作業性が低下することがある。
【0014】
本発明でいう可溶性キトサンとは部分脱アセチル化キチンとキトサンの混合物で、取扱いに優れ、かつ抗菌、防カビ効果が認められている公知のものをいう。可溶性キトサンの使用量は、固形分として不織布に添加される薬液重量の0.1〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜1重量%である。
0.1重量%未満では拭き取り後の拭き取り面の防カビ性が低下する。3重量%を超えても防カビ効果には変化がなく、また薬液の安定性が悪くなりゲル化等により清拭面を汚染することがある。
【0015】
本発明のウエットワイパーは該布帛の表面に多数の平均面積0.05mm〜20mm、好ましくは1mm〜5mmの凹部及び/または貫通孔を有している不織布であることが好ましい。
不織布表面に多数の平均面積0.05mm〜20mmの凹部及び/または貫通孔を有していることにより、カビの掻き取り効果が更に向上する。
不織布表面の凹部または貫通孔の平均面積が0.05mm未満、または20mmを超えるとの場合は凹部または貫通孔によるカビの掻き取り効果が低下する。
ここでいう凹部とは、シート上で貫通はしていないが、窪みがある状態のことをいう。
尚、凹部の深さ、即ちシート表面から凹部の底部までの深さはシート全体の厚みの30%以上、好ましくは50%以上である。30%未満では、カビ等の掻き取り効果が減少する。
【0016】
凹部及び/または貫通孔の平均面積は以下の方法で測定される。
ウエットワイパーを1枚取り出し風乾する。貫通孔のみが存在する場合は、貫通孔がすり鉢状であるか否かを確認し、すり鉢状の場合は孔の大きい方の面を測定する。片面が凹部と貫通孔、もう一方の面が貫通孔の場合は凹部と貫通孔がある面を測定する。両面とも凹部がある場合は両面を測定する。
シャチハタ工業株式会社製『Shachihataスタンプ台<顔料系>中型HG−2黒』をサンプルの測定面に置き、スタンプ台の上に0.98N/m2 になるように荷重を置きゆっくりと移動させる。この操作を5回行い、表面に均一にスタンプ液が塗られた部分を凹部及び/または貫通孔の部分が白くなるようにコピー機により拡大コピーする。拡大コピーする際にはA4のコピー紙に少なくとも凹部及び/または貫通孔が20個以下であるようにする。
【0017】
尚、拡大コピーする際には倍率が分かるようにJIS規格の金尺も同倍率でコピーし、拡大されたコピー紙全体の面積を換算する。次にコピー紙全体の重量を測定する。凹部及び/または貫通孔で形状が確認できる白い部分を切り抜き個々の重量を測定する。
1つの凹部及び/または貫通孔の面積は次式(2) で換算し、mm2 単位にする。
凹部及び/または貫通孔の面積=(1つの白い部分の重量)/(コピー紙全体の重量)×(縮尺から求めたコピー紙全体の面積)・・・(2)
本発明における凹部及び/または貫通孔の面積は、0.05〜20mm2 が好ましく、より好ましくは1〜5mm2 である。
この操作により、100個の凹部及び/または貫通孔の面積を測定し、平均値を求めたものが凹部及び/または貫通孔の平均面積である。
【0018】
本発明のウエットワイパーに使用される不織布の少なくとも片側表面に多数存在する凹部及び/または貫通孔の形状は特に限定されない。
円状、楕円状、正方形、多角形等のどのような形状でもかまわないが、円状、楕円状がどの方向から拭き取っても、凹部及び/または貫通孔が変形しにくく、一様な掻き取り効果が得られるので好ましい。
例えば、楕円状の場合は、長径約1.5mm、短径約0.5mm、ピッチ約1mm程度である。
【0019】
本発明のウエットワイパーに使用される不織布の少なくとも片側表面に多数存在する凹部及び/または貫通孔は厚み方向ですり鉢状になっていることが好ましい。
すり鉢状とは厚み方向における凹部及び/または貫通孔の面積が違う、例えば片側の表面では面積が大きく、中央部からもう一方の面に近づくに従って面積が小さくなるようなことをいう。
すり鉢状であると、掻き取ったカビ等が凹部及び/または貫通孔の壁面と接触しやすく、壁面を構成する繊維間に入り保持されて落ちにくくなるため、拭き取った面への再汚染が少なくなる。
本発明のウエットワイパー表面にある貫通孔がすり鉢状の場合、ウエットワイパー表面の貫通孔の面積比率、孔の大きい方の平均面積と小さい方の平均面積の比、即ち(孔の大きい方の平均面積)/(孔の小さい方の平均面積)は、1.2以上、20以下、好ましくは1.5以上、10以下が好ましい。
平均面積比が1.2未満の場合は、掻き取ったカビ等が壁面を構成する繊維間に入りにくくなりカビ等が脱落し、拭き取った面への再汚染が発生することがある。
平均面積比が20を超えると拭き取り面へ貫通孔の壁面が直接接触しやすくなりカビ等の掻き取り硬貨が減少することがある。
【0020】
本発明のウエットワイパー表面の凹部または貫通孔の製造方法は特に限定されず、適宜選択すればよい。
製造工程中で高圧流体を不織布に当てて製造してもよいし、エンボスにより圧力をかけて製造してもよいし、打ち抜き等で製造してもよいし、これらの方法を複合して製造してもよい。
本発明のウエットワイパーは不織布に10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%のセルロース繊維を含有していることが望ましい。
【0021】
ここでいうセルロース繊維とは、例えば綿やパルプなどの天然セルロース繊維でも、ビスコースレーヨン、キュプラアンモニウムレーヨンなどの再生セルロース繊維でも、リヨセルやテンセルような溶剤紡糸されたセルロース繊維でもよいが再生セルロース繊維であることがより好ましい。
再生セルロース繊維は天然セルロース繊維に比べて保水性が高いため除カビ・防カビ剤である可溶性キトサン及び界面活性剤を保持しやすくなる。また、セルロース繊維が再生セルロース連続長繊維であれば清拭によって例え表面を構成する連続長繊維が切断しても繊維がつながっているので繊維の拭き取り面への繊維の脱落、転写が短繊維に比べて少ない。
また、セルロース繊維はそれ自体がカビの栄養となることがあるため脱落、転写が少ないと防カビ性を延長することも可能となる。
セルロース繊維が10重量%未満であると、拭き取り時にウエットワイパーに除カビ・防カビ剤である可溶性キトサン及び界面活性剤が除カビ・防カビ効果を得るのに十分な量を担持できないことがある。
セルロース繊維が80重量%を超えると必要以上に除カビ・防カビ剤である可溶性キトサン及び界面活性剤を吸収してしまい不経済となることがある。
【0022】
本発明のウエットワイパーを構成する布帛が不織布の場合、不織布の構造は特に限定されないが、3層以上の積層体で中央部が主にセルロース繊維で構成された不織布が好ましい。
セルロース繊維は前述したように薬液を保持しやすいため、中央部にセルロース繊維があることで薬液をウエットワイパーの表面層へ随時供給することが可能となる。
また、布帛が不織布の場合、不織布の製造方法も特に限定されない。
例えば、湿式法、抄紙法、乾式法で作られた不織布でもよく、これらが複合された不織布でもよい。
不織布を複合する方法も特に限定されないが、前述したように分割して目的とする単繊維径を得たり、表面に多数の凹部及び/または貫通孔を得たりするには高圧流体処理が工程に含まれていることが好ましい。
【0023】
本発明のウエットワイパーに使用される布帛の目付は、20〜300g/mが好ましく、より好ましくは30〜150g/m、更に好ましくは50〜120g/mである。
20g/m未満では拭き取りに対して強度を維持することが難しい。300g/mを超えると硬くなり作業性が低下する。
本発明のウエットワイパーに使用される布帛の厚みは、0.1〜2mmが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5mm、更に好ましくは0.4〜1.2mmである。厚みが0.1mm未満であると凹凸による掻き取り効果が減少する。厚みが2mmを超えると作業性が低下する。
【0024】
本発明のウエットワイパーは、布帛を含浸する水溶液量が布帛重量に対して100〜500重量%が好ましく、より好ましくは150〜350重量%である。含浸する水溶液量が100重量%未満であると保存中に水溶液が蒸発し、ウエット状態を保つことができなかったり、清拭時の液移行効果が低下することがある。また、含浸する水溶液量が500重量%を越えると清拭時に水溶液がたれて床等を汚したり、拭き取り面に多量の水溶液が残留し拭き後が残ったり、泡が発生して作業性が低下することがある。
【0025】
本発明のウエットワイパーには、その他の添加剤として通常のウエットワイパーに用いられる添加剤、例えば殺菌剤や乾燥速度の向上剤としてのエタノールやイソプロピルアルコール、保湿剤としてのグリセリン、プロピレングリコールやポリエチレングリコール、また香料やその他の防腐効果のある抗菌剤、除菌剤、色素、酸化防止剤が適量添加されていてもよい。
ウエットワイパーの形態は内部が密封可能に形成された容器に収納されて、該容器からウエットワイパー用の不織布を1枚ずつ引き出し可能な包装体の形態であれば、特に限定されない。
例えば、ロール状に巻かれたウエットワイパー用の不織布を収納した筒状のプラスチック容器や1枚ずつ折り重ねた状態で収納したピロー包装体や紙容器でもよく、これらが複合された形態でもよい。
【0026】
ウエットワイパーの製造方法も特に限定されない。
例えば、ロール状に巻かれたウエットワイパー用の不織布を一方向のみ開封している筒状のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アルミ箔等で作られた積層フィルムに収納し薬液を一定量含浸させ、前記筒状積層フィルム等で上部にヒートシールを行い、口を有する蓋を嵌め込む方法;1枚づつ折り重ねた不織布をポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アルミ箔等で作られた積層フィルム等で1方向のみ開封している製袋された容器に収納し、薬液を一定量含浸させ、開いていた口をヒートシールする方法や1枚づつ折り重ねた状態で薬液を一定量含浸させ、濡らした状態でポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アルミ箔等で作られた積層フィルム等を製袋を行いながら収納する方法;不織布ロールからシート状に引き出しながら薬液を一定量含浸させた後に、カットし1枚づつ折り重ねたり、ロール状にリワインドしたりし容器に収納する方法でもよく、これらが複合された製造方法でも良い。
また、不織布に薬液を含浸する工程は、ロール状の不織布をスリットする前でも後でも良い。更に、容器に不織布を収納する前でも後でも良い。1枚づつ折り重ねる場合においても同様で不織布に薬液を含浸する工程は折り重ねる前でも後でも良く、これらが複合された方法でも良い。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、例中の評価は下記に示す方法で行った。
(1)単繊維径0.2〜5μmの面積率測定方法
20℃×65%RH条件下で測定を行う。測定方法は前述した方法で実施する。
(2) 除カビ作業性、除カビ性評価方法
風呂場等のタイル張りの場所でタイル間の目地及びタイル上にも黒くカビが生えている場所でテストする。
ワイパーを用いて20回カビの生えたタイル間の目地及びタイル上を清拭し、作業性及びカビの除去性を等級で評価する。モニターは20名で実施し、その平均値を評価結果とした。
(i) 作業性
5級:問題がない。
3級:若干問題がある。
1級:問題があり使用に耐えない。
(ii)除カビ性
5級:カビがほぼ完全に除去された。
4級:目地部に若干カビが残っているがタイル上は完全に除去された。
3級:目地部はかなりカビが残っているがタイル上は完全に除去された。
2級:目地部はかなりカビが残っておりタイル上も若干カビが残っている。
1級:清拭前と変わらない状態であった。
(3) 防カビ効果評価方法
除カビ性評価を実施した4級および5級の部分における3ヵ月後のカビの育成状態を観察し等級で評価し、平均値を取り結果とした。
5級:除去後と変化なし。
4級:除去後より若干育成した。
3級:育成している。
2級:除去前よりは少ないがかなり育成した。
1級:除去前とほぼ同じ状態に育成した。
【0028】
【実施例1】
アクリロニトリル95.0重量%、アクリル酸メチル4.5重量%及びメタリルスルホン酸ソーダ0.5重量%からの共重合体と、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドのブロック型ポリエーテル(数平均分子量100000、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの割合は70:30)とをジメチルホルムアミドに溶解して、アクリル系重合体23%、ブロック型ポリエーテル2.3%を含有するジメチルホルムアミド紡糸原液を調整した。
この紡糸原液を6時間静置した後、紡糸口金を通して温度35℃、ジメチルホルムアミド75%の凝固浴中に押しだし、水洗後、沸騰水中で12倍延伸し、80℃の熱風中で乾燥して1.7dtexの原繊維を製造した。
長さ12mmにカットした上記原繊維90重量%と平均単繊度1.1dtex、平均繊維長5mmのポリエステル繊維10重量%を水中に分散させ均一スラリーとして、長網式抄紙機により目付30g/mの繊維抄造シートを製造した。この抄造シートを80メッシュの金網の上に置き、直径0.15mm、ピッチ0.8mmの1列ノズルから7.35kg/cmの水圧で水噴射し、20m/分の速度で移動しながら柱状流パンチングした。
次に、同様の条件でこの繊維シートの裏側から柱状流パンチングした。この操作を5回繰り返し繊維交絡シートとした後、80℃のピンテンター式熱風乾燥機で乾燥して不織布Aを得た。
得られた不織布Aの表面を電子顕微鏡で観察するとアクリル原繊維から分割された断面径が0.5μmから3μmの範囲の微細繊維及び未分割又は分割途中の太い繊維が相互に三次元的に交絡しているのが観察された。
【0029】
次に、コットンリンターを銅アンモニア溶液で溶解し、流下緊張下で連続して紡糸し、シート形成させ、平均単繊度2.1dtex、目付18.5g/m、厚み0.13mmの再生セルロース連続長繊維不織布Bを得た。
不織布A2枚の間に不織布Bをはさみ、3枚重ねて隙間のあるネット上に乗せ、高圧水流により各不織布の繊維を交絡させ、同時に下にあるネットの交絡点部に存在する繊維が水圧により移動して凹部及び貫通孔を作成し、交絡したシートを乾燥させ目付75g/m、厚み0.56mm、平均面積1.13mmの凹部及び貫通孔を有した不織布Cを得た。
得られた不織布Cは両表面が主にアクリルとポリエステルの混合不織布で中央部に主にセルロース繊維が存在する3層構造の不織布であった。
【0030】
両面界面活性剤13重量%、可溶性キトサン20重量%、イソプロピルアルコール5重量%、パラオキシ安息香酸エチル2重量%、精製水60重量%を配合した薬液を得た。尚、可溶性キトサンの固形分は1%であった。
得られた不織布C100gに配合した薬液250gを含浸し、ウエットワイパーを得た。得られたウエットワイパーの性能を表1に示す。
表1から分かるとおり、本発明のウエットワイパーはカビ除去の作業性、除カビ性、除去後のカビの育成阻害に優れた効果を持ったものであった。
【0031】
【実施例2】
実施例1と同様の方法でアクリルの原繊維を得た。長さ12mmにカットした上記原繊維65重量%と平均単繊度1.7dtex、平均繊維長8mmのビスコースレーヨン繊維35重量%を水中に分散させ均一スラリーとして、長網式抄紙機により 目付50g/mの繊維抄造シートを製造し、実施例1と同様の方法で高圧水流処理、乾燥を行い、不織布を得た。得られた不織布を再度メッシュの異なるネット上に置き高圧水流で処理することで不織布表面に凹部及び貫通孔を作成し、乾燥して目付50g/m、厚み0.32mm、平均面積1.58mmの凹部及び貫通孔を有した不織布を得た。
得られた不織布100gに実施例1と同様の配合した薬液250gを含浸し、ウエットワイパーを得た。得られたウエットワイパーの性能を表1に示す。
表1から分かるとおり、本発明のウエットワイパーはカビ除去の作業性、除カビ性、除去後のカビの育成阻害に優れた効果を持ったものであった。
【0032】
【実施例3】
実施例1と同様の方法でアクリルの原繊維を得た。長さ12mmにカットした上記原繊維90重量%と平均単繊度1.1dtex、平均繊維長5mmのポリエステル繊維10重量%を水中に分散させ均一スラリーとして、長網式抄紙機により 目付50g/mの繊維抄造シートを製造し、実施例1と同様の方法で高圧水流処理、乾燥を行い、不織布を得た。得られた不織布を再度メッシュの異なるネット上に置き高圧水流で処理することで不織布表面に凹部及び貫通孔を作成し、乾燥して目付50g/m、厚み0.36mm、平均面積0.96mmの凹部及び貫通孔を有した不織布を得た。
得られた不織布100gに実施例1と同様の配合した薬液250gを含浸し、ウエットワイパーを得た。得られたウエットワイパーの性能を表1に示す。
表1から分かるとおり、本発明のウエットワイパーはカビ除去の作業性、除カビ性、除去後のカビの育成阻害に優れた効果を持ったものであった。
【0033】
【実施例4】
実施例1と同様の方法でアクリルの原繊維を得た。長さ12mmにカットした上記原繊維90重量%と平均単繊度1.1dtex、平均繊維長5mmのポリエステル繊維10重量%を水中に分散させ均一スラリーとして、長網式抄紙機により 目付80g/mの繊維抄造シートを製造し、実施例1と同様の方法で高圧水流処理、乾燥を行い、目付80g/m、厚み0.45mmの不織布を得た。得られた不織布100gに実施例1と同様の配合した薬液250gを含浸し、ウエットワイパーを得た。得られたウエットワイパーの性能を表1に示す。
表1からわかるとおり、本発明のウエットワイパーはカビ除去の作業性、除カビ性、除去後のカビの育成阻害に優れた効果を持ったものであった。
【0034】
【実施例5】
ポリエステルとポリアミドからなる分割型複合繊維(83dtex/20filaments、16分割/filament)の長繊維に仮撚加工を行い、捲縮を付与し、32ゲージのダブルの丸編機によりスムース編地を編成した。得られた編地に分割処理剤を使用して複合繊維を分割させ、洗浄、乾燥して目付140g/m、厚み0.47mmの編物を得た。
得られた編地100gに実施例1と同様の配合した薬液250gを含浸し、ウエットワイパーを得た。得られたウエットワイパーの性能を表1に示す。
表1から分かるとおり、本発明のウエットワイパーはカビ除去の作業性、除カビ性、除去後のカビの育成阻害に優れた効果を持ったものであった。
【0035】
【比較例1】
ポリエチレンテレフタレートを熱溶融し、連続して紡糸し、シート形成させたのち、ニードルパンチ処理を行い、平均単繊度4.4dtex、目付100g/m、厚み0.86mmの不織布を得た。
得られた不織布100gに実施例1で配合した薬液250gを含浸し、ウエットワイパーを得た。得られたウエットワイパーの性能を表1に示す。
表1から分かるとおり、得られたウエットワイパーは除カビ作業性に劣り、清拭面への薬液移行性に劣るため防カビ性能が劣ったものであった。
【比較例2】
実施例1において薬液中の可溶性キトサンを配合せず、その分精製水を添加した薬液を用いた以外は実施例2と同様の方法でウエットワイパーを得た。得られたウエットワイパーの性能を表1に示す。
表1から分かるとおり、得られたウエットワイパーは除カビ性、防カビ性に劣ったものであった。
【0036】
【比較例3】
実施例1において薬液中の界面活性剤を配合せず、その分精製水を添加した薬液を用いた以外は実施例2と同様の方法でウエットワイパーを得た。得られたウエットワイパーの性能を表1に示す。
表1から分かるとおり、得られたウエットワイパーは除カビ性に劣ったものであった。
【0037】
【表1】
Figure 2004008317
Figure 2004008317
【0038】
【発明の効果】
本発明のウエットワイパーによれば、拭き取り面を特定の単繊維径の繊維を特定の割合で構成させ、かつ界面活性剤を配合することにより安全性が十分でない塩素系や酸素系の薬剤を使用しなくても除カビ性能を向上させ、更に人体への安全性の高い天然物系の防カビ剤であるキトサンを用いることで除カビ後の防カビ性を非常に向上させることができる。

Claims (4)

  1. 拭き取り面を構成する面において面積率20%以上が単繊維径0.2〜5μmの繊維である布帛に、可溶性キトサン及び界面活性剤が含浸されていることを特徴とする除カビ・防カビ用ウエットワイパー。
  2. 布帛が表面に多数の凹部及び/または貫通孔を有し、その平均面積が0.05mm〜20mmである不織布からなることを特徴とする、請求項1記載の除カビ・防カビ用ウエットワイパー。
  3. 10〜80重量%のセルロース繊維を含有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の除カビ・防カビ用ウエットワイパー。
  4. 3層以上の積層体で構成されており、中央部が主にセルロース繊維で構成されている不織布からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の除カビ・防カビ用ウエットワイパー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009001438A1 (ja) * 2007-06-26 2008-12-31 Dainihon Jochugiku Co., Ltd. 防カビ・カビ取りシート
JP2017136154A (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 ユニチカ株式会社 清掃布
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