JP2019063349A - ウエットシート - Google Patents

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【課題】第4級アンモニウム塩を含む水溶液を用いて除菌性能を高めてかつその効果が持続させることができるとともに、非セルロース繊維を用いた場合であっても、長時間水溶液を保水することができるウエットシートを提供する。【解決手段】非セルロース繊維で構成される不織布に、第4級アンモニウム塩を含む水溶液を含浸させてなるウエットシート。【選択図】図1

Description

本発明は、除菌や洗浄等に用いられるウエットシートに関する。
医療用や家庭用として用いられる除菌・洗浄用のウエットシートは、除菌効果を備える水溶液を不織布に含浸させて構成される。
ここで、除菌効果を備える水溶液としては、例えばアルコール類、ポリリジン、次亜塩素酸、第4級アンモニウム塩を含む水溶液等を挙げることができる。
また、不織布としては例えば特許文献1に記載されているように、セルロース等の天然繊維を含む不織布が用いられている。これは、セルロースが親水性を有するカルボキシル基を備えるため、水溶液を繊維の中に長期間留めておくことができるからである。
特開平11−113779号公報
ところで、上述した除菌効果を備える水溶液のうち、アルコール類は除菌効果が低く、濃度を高くしても揮発性が高くて効果が持続しないという問題がある。また、ポリリジンも除菌効果が低く、濃度を高くしなければ所定の除菌効果を達成することができない。さらに、次亜塩素酸は除菌効果はあるものの、その効果が数日しか持続しないため、長期間保管されることが想定されるウエットシートに用いることはできない。
また、第4級アンモニウム塩を含む水溶液は、除菌効果が高いことに加えて、長期間除菌効果が続くものではあるが、セルロースを含む不織布に使用することはできない。
なぜなら、セルロースのカルボキシル基がアニオン性を有するため、第4級アンモニウム塩のカチオン性官能基と結合する。そのため、不織布にセルロースを用いたウエットシートでは、第4級アンモニウム塩が不織布内に留まって、除菌性能を有効に発揮することができないからである。また、第4級アンモニウム塩が不織布内に留まることにより、第4級アンモニウム塩を含まない水溶液がウエットシートの外部に排出され、長時間保管するとカビが発生するといった問題もある。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、第4級アンモニウム塩を含む水溶液を用いて、その除菌性能を有効に発揮することができるウエットシートを提供することをその主たる目的とするものである。
本発明のウエットシートは、非セルロース繊維で構成される不織布に、第4級アンモニウム塩を含む水溶液を含浸させてなることを特徴とする。
これにより、不織布を非セルロース繊維で構成することによって、第4級アンモニウム塩を含む水溶液を用いたとしても、第4級アンモニウム塩が不織布内に留まることを防止できる。そのため、第4級アンモニウム塩を有する水溶液を用いてウエットシートの除菌効果を高めるとともに、その効果を持続させることができる。
上述した本発明のウエットシートの一実施形態としては、前記非セルロース繊維の少なくとも一部が、繊維径が20マイクロメートル以下のマイクロファイバーで構成されるものを挙げることができる。
不織布を例えば化学繊維等の非セルロース繊維で構成した場合、化学繊維には、セルロースのカルボキシル基のような親水性を備える性質が存在しないため、水溶液を不織布内に長期間留めておくことが難しい。加えて、ウエットシート使用時に保水している水溶液を継続的に排出することができないので、拭き取り面で水溶液が泡立ったり、ムラが生じたりして均一に拭くことができないことがある。
しかしながら、上述のように不織布を構成する非セルロース繊維の少なくとも一部を繊維径20マイクロメートル以下のマイクロファイバーで構成することによって、繊維同士が絡まってできる空間に水溶液を保水することができる。そのため、非セルロース繊維を用いた不織布であっても、水溶液を長期間保水しておくことが可能となる。さらに、水溶液を保水しておくことができるので、継続的に水溶液を排出することが可能となり、均一に拭くことが可能となる。
また、上述した本発明のウエットシートの一実施形態としては、前記非セルロース繊維が、前記マイクロファイバーのみで構成されるものを挙げることができる。
これにより、マイクロファイバー同士が絡まって出来る空間がより増加するため、より多くの水溶液を保水することができ、長期間その効果を持続させることが可能となる。
さらに、上述した本発明のウエットシートの一実施形態としては、前記非セルロース繊維の少なくとも一部が、中空繊維であるものを挙げることができる。
これにより、中空繊維の中空部分においても水溶液を保持することが可能になるため、さらに効果的に水溶液を長期間保持することが可能となる。
本発明のウエットシートによれば、第4級アンモニウム塩を含む水溶液を用いて除菌性能を高めてかつその効果が持続させることができるとともに、非セルロース繊維を用いた場合であっても、長時間水溶液を保水することができる。
本実施形態における不織布のSEM写真。 本実施形態における不織布の断面SEM写真。
以下、本発明のウエットシートの一実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態のウエットシートは、例えば医療現場や家庭、ペット用等に用いられる除菌・洗浄のためのウエットシートであって、非セルロース繊維で構成される不織布に、第4級アンモニウム塩を含む水溶液を含浸させたものである。
このウエットシートは、例えば複数枚に切り離せるように一定間隔でミシン目等を設けてロール形状に巻いたものや、複数枚に切断して折り畳んだものを、密閉空間が設けられた収容体に収容して使用される。そのため、一度に使い切るものではなく、長期間保管しながら使用されることを想定したものである。
第4級アンモニウム塩を含む水溶液としては、例えばベンザルコニウム塩化物液やバイオトロール(登録商標)等を用いることが出来る。特にバイオトロールを使用した場合には、人体やペットに対しても無害であり、かつウエットシートで拭き取った箇所が乾いた後も、除菌効果を持続させることができる。
不織布は、非セルロース繊維で構成され、図1のSEM写真に示すように、少なくともその一部は繊維径20マイクロメートル以下のマイクロファイバーで構成される。本実施形態では、非セルロース繊維がマイクロファイバーのみで構成されている。
この不織布は、例えばスパンレース法やスパンボンド法等を用いて製造される。ここで、スパンレース法を用いた場合には不織布の風合いが柔らかく構成することができるので、日本人の嗜好に合った不織布を構成することができる。
また、不織布を構成する非セルロース繊維としては、例えば合成繊維や化学繊維等を用いることができ、本実施形態では、ナイロン等のポリアミド系合成繊維及びPET等のポリエステル系合成繊維を混合したものを用いている。
さらに、この非セルロース繊維は、図2の断面SEM写真に示すように中空繊維で構成されている。なお、本実施形態では全ての非セルロース繊維を中空繊維で構成しているが、非セルロース繊維の一部が中空繊維で構成されたものであってもよい。
上述のように構成した本実施形態のウエットシートは以下のような格別の効果を奏する。
つまり、本実施形態のウエットシートは、非セルロース繊維で構成されるので、従来の不織布を構成するセルロースのカルボキシル基のようにアニオン性を有する分子が存在しない。そのため、第4級アンモニウム塩が不織布内に留まることを防止でき、第4級アンモニウム塩の備える長期間継続する高い除菌効果を用いたウエットシートを構成することができる。
また、非セルロース繊維の少なくとも一部を繊維径20マイクロメートル以下のマイクロファイバーで構成することによって、セルロースを用いない化学繊維であっても、絡み合うファイバーの間隙で水溶液を長期間保水することが可能となる。そのため、長期間保管することが想定されるウエットシートに、本実施形態の不織布をより好適に使用することができる。また、上述のように水溶液を保水することができるので、継続的に水溶液を排出することが可能となり、ウエットシートの拭き取り面で水溶液が泡立ったり、拭きムラが生じたりすることを防止して、ウエットシートを使用した面に均一に水溶液を塗布して除菌効果を得ることができる。
さらに、非セルロース繊維をマイクロファイバーのみで構成すれば、さらに水溶液を保水できる間隙を増やして、より多くの水溶液を保水することが可能となる。
加えて、非セルロース繊維を中空繊維で構成することによって、中空部分においても水溶液を保水することが可能となるため、より多くの水溶液を保水してウエットシートの性能を高めることができる。
以上、本発明に係るウエットシートを実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態で実施されても構わない。
例えば、非セルロース繊維は上述の構成に限られず、ポリアミド系合成繊維やポリエステル系合成繊維以外の合成繊維や化学繊維を用いたものであってもよい、また、非セルロース繊維を1つの化学繊維のみで構成したものや2以上の複数の化学繊維を混合したものであってもよく、混合の配分等も使用目的によって適宜変更することができる。
また、非セルロース繊維は、中空繊維でなくても構わない。
本発明は、その趣旨に反しない範囲で様々な変形が可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
上述した効果を示すため、本実施形態のウエットシートについて含水率を試験した。
<試験準備>
まず、試験に用いる本実施形態のウエットシートを構成する不織布として、ナイロン及びポリエチレンテレフタレートの混合繊維であって、100%マイクロファイバーからなるものを用いた。
<試験方法>
上述した不織布を10cm×10cmに切断した試験片を6枚作成し、この6枚の乾燥重量Wdを測定した。
次に、それぞれのサンプルを純水に60±1秒間含浸させた後、それぞれのサンプルを120±3秒間垂直に懸吊して、それぞれのサンプルの湿潤重量Wwを測定して、湿潤重量Wwの平均値を求めた。
上述した試験終了後に、以下の計算式に基づいて本実施形態におけるウエットシートを構成する不織布の含水率を算出した。
含水率=(湿潤重量Wwの平均値―乾燥重量Wd)÷乾燥重量Wd
<試験結果>
上述した試験方法に基づいて算出された含水率は、420%となった。ここで、セルロース繊維を用いた一般的な不織布の含水率は400%以上であることから、本実施形態におけるウエットシートを構成する不織布の含水率は、セルロース繊維を用いた一般的な不織布と同程度であることが分かる。
したがって、本実施形態の不織布は、非セルロース繊維で構成されるが、セルロース繊維を用いた不織布と同等の含水率を備えるので、第4級アンモニウム塩を含む水溶液を保水することができ、その除菌性能を有効に発揮することができる。

Claims (4)

  1. 非セルロース繊維で構成される不織布に、第4級アンモニウム塩を含む水溶液を含浸させてなるウエットシート。
  2. 前記非セルロース繊維の少なくとも一部が、繊維径が20マイクロメートル以下のマイクロファイバーで構成されるものである請求項1記載のウエットシート。
  3. 前記非セルロース繊維が、前記マイクロファイバーのみで構成されるものである請求項1又は2記載のウエットシート。
  4. 前記非セルロース繊維の少なくとも一部が、中空繊維である請求項1、2又は3記載のウエットシート。

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