JP2004010669A - 易接着ポリエステルフィルムロール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】未延伸または一軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水分散性または水溶性の共重合ポリエステル樹脂を含む塗布液を塗工し、さらに乾燥後少なくとも一方向に延伸して得られる、厚さが38〜300μm、幅が400〜1500mm、巻き長が400〜10000mである易接着ポリエステルフィルムロールであって、前記フィルムロールは下記式(1)
塗膜厚さのバラツキ(%)=(塗膜厚さ(nm)の最大値と最小値との差)
/平均塗膜厚さ(nm)×100 …(1)で定義される長さ方向の塗膜厚さのバラツキが80%以下であることを特徴とする易接着ポリエステルフィルムロール。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム幅が400〜1500mm、巻き長が400〜10000mである工業的規模で製造される易接着ポリエステルフィルムロールに関する。さらに詳しくは、印刷用フィルムラベル、製図用グラフィックフィルムに用いる第二原図基材、写真製版材料用貼り込みベースフィルム、建材用化粧合板用表面基材、反射板用基材などの一般工業用途に幅広く用いることができる、長さ方向の塗膜厚さのバラツキが小さい、インラインコート法で得た易接着ポリエステルフィルムロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、未延伸または一軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗膜を形成後、二軸延伸される、いわゆるインラインコート法により塗布層を設けたポリエステルフィルムは、例えば、特公昭61−2528号公報、特公昭63−115748号公報、特公平2−50835号公報に開示されている。また、フィルムへの塗工方法としては、例えば、特開平6−55135号公報に開示されている。
【0003】
近年、塗布フィルムに印刷層を設けるなどの後加工工程における生産性向上のために、加工速度の高速化や印刷層の薄膜化の要求が高まってきている。それにともない、工業的規模で易接着フィルムロールを製造する場合、従来は問題視されていなかった長さ方向における塗膜厚さのバラツキによる、塗膜と後加工工程で塗膜上に設けられる印刷インキなどの機能付与層との密着性が変動し、長さ方向で密着性の良い部分と悪い部分があり、後加工時の生産性が低下するという問題が顕在化してきた。
【0004】
厚さが38〜75μmの中薄物の易接着フィルムは印刷用ラベルなどに用いられ、厚さが100〜188μmの厚物の易接着フィルムは製図用グラフィクフィルムや写真製版材料用貼り込みベースフィルムなどに用いられている。特に、厚さが100〜188μmの厚物の易接着フィルムでは、近年、製図および製版図面の精密化と第二原図としての保存耐久性などの品質安定性のために、基材フィルムと機能付与層との密着性が一層要求されている。したがって、厚さが100〜188μmの厚物の易接着フィルムは、厚さが38〜75μmの中薄物の易接着フィルムと比べ、長さ方向の塗膜厚さのバラツキをさらに小さくすることが望まれている。
【0005】
また、工業的にフィルムを製造する場合、広幅のジャンボロールで一旦巻き取り、それを顧客が必要とする幅にスリットしてフィルムロールを製造している。そのため、幅方向に塗膜厚さの変動があると、例えばジャンボロールの端部と中央部など幅方向の異なる位置のスリットロールごとに条件設定をし直さなければならない場合がある。
【0006】
特に、印刷等の後加工工程で生産性を向上するために加工速度を高速化する際に、加工平面性を維持するために、フィルムのテンションを高くしたり、乾燥効率を高めるために乾燥温度を高くするなどの条件変更が必要となる。その場合、幅方向のスリットロールの位置によりロールの両端のテンション調整が必要となり、後加工工程での生産性を逆に低下させる原因の1つになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、上記従来の問題を解決し、易接着層と後加工時に積層される他の機能付与層との長さ方向の密着性の変動を小さく、かつ塗布外観が良好な易接着ポリエステルフィルムロールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、未延伸または一軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水分散性または水溶性の共重合ポリエステル樹脂を含む塗布液を塗工し、さらに乾燥後、少なくとも一方向に延伸して得られる、厚さが38〜300μm、幅が400〜1500mm、巻き長が400〜10000mである易接着ポリエステルフィルムロールであって、下記式(1)
で定義される長さ方向の塗膜厚さのバラツキが80%以下であることを特徴とする易接着ポリエステルフィルムロールを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の易接着ポリエステルフィルムロールは、未延伸または一軸延伸ポリエステルフィルム(以下、基材フィルムという)の少なくとも片面に、水分散性または水溶性の共重合ポリエステル樹脂を含む塗布液を塗工し、塗膜(以下、易接着層という)を乾燥後、少なくとも一方向に延伸して得られる。
【0010】
基材フィルムの原料として用いるポリエステル樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステル樹脂である。これらのポリエステル樹脂は、(1)芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化反応させ、次いで重縮合反応を行う方法のほか、(2)芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させ、次いで重縮合反応を行う方法、あるいは(3)芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる方法などの公知の方法によって製造することができる。
【0011】
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが挙げられる。ポリエステル樹脂は、ホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したものであってもよい。いずれにしても、本発明においては、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上であるポリエステルが好ましい。
【0012】
基材フィルムに用いられるポリエステル樹脂は、固有粘度が0.5〜0.8dl/gであることが好ましく、特に好ましくは0.6〜0.7dl/gである。また、ポリエステル樹脂の重縮合触媒としてアンチモン化合物を用いる場合、ポリエステル樹脂中に含有されるアンチモン化合物をアンチモン原子換算で100〜250ppmとすることが、製膜性およびアンチモン原子に起因する析出異物による粗大突起の低減の点から好ましい。
【0013】
ポリエステル樹脂中には、フィルムのハンドリング性を改善するために、平均粒子径が0.01〜2μmの不活性粒子を0.01〜20重量%含有させることができる。不活性粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ−シリカ複合酸化物、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト粒子、ゼオライトなどの無機粒子;架橋ポリスチレン、架橋アクリル、ポリメチルメタクリレート、シリコン樹脂などの耐熱性有機粒子が挙げられる。なかでも、易滑透明性の点からは、ポリエステル樹脂と屈折率の近いガラスフィラー、凝集体シリカ粒子、シリカ−アルミナ複合酸化物粒子などが好ましく、平均粒子径が0.8〜2.0μmの比較的大きな粒子を0.01〜0.1重量%の少量で基材フィルム中に含有させることが好ましい。さらに、高透明性が必要な場合には、基材フィルム中には粒子を含有させず、易接着層にのみ粒子を含有させることが好ましい。
【0014】
また、ポリエステル樹脂には、粒子以外にも各種の改質用添加剤を必要に応じて含有させてもよい。添加剤としては、例えば、帯電防止剤、UV吸収剤、安定剤等が挙げられる。また、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物とリン酸またはその塩とを併用して静電密着性を改良することも好ましい。
【0015】
基材フィルムは単層または積層のいずれの構成であってもよい。積層構成の基材フィルムの場合、中心層のフィルム製造時に屑となったフィルム片を回収し、フィルム原料として再利用することができる。このような屑フィルムの再利用は工業的に生産する上でコスト削減の点から極めて有意義である。
【0016】
本発明の易接着ポリエステルフィルムロールは、基材フィルムの少なくとも片面に易接着層が形成されている。易接着層は、水分散性または水溶性の共重合ポリエステル樹脂を含む塗布液を塗工し、乾燥させることにより形成される。易接着層を構成する共重合ポリエステル樹脂は、2種以上のジカルボン酸成分と1種のグリコール成分、1種のジカルボン酸成分と2種以上のグリコール成分、または2種以上のジカルボン酸成分と2種以上のグリコール成分から構成される。
【0017】
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸およびイソフタル酸が最も好ましい。少量であれば、他のジカルボン酸、特にジフェニルカルボン酸および2,6−ナルタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を加えて共重合させてもよい。ジカルボン酸成分のほかに、水分散性を付与させるために、スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を1〜10モル%の範囲で用いることが好ましい。スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸としては、例えば、スルホナトテレフタル酸、5−スルホナトイソフタル酸、4−スルホナトナフタレンイソフタル酸−2,7−ジカルボン酸、5−(4−スルホナトフェノキシ)イソフタル酸およびその塩類が挙げられ、なかでも5−スルホナトイソフタル酸が特に好適である。
【0018】
グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、グリセリンが挙げられる。なかでも、分岐したグリコール成分を少なくとも1種以上用いることが好ましい。
【0019】
分岐したグリコール成分としては、例えば、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオールが挙げられる。
【0020】
上記の分岐したグリコール成分は、全グリコール成分の中に、好ましくは10モル%以上の割合で、より好ましくは20モル%以上の割合で含有される。上記以外のグリコール成分としては、エチレングリコールが最も好ましい。少量であれば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを用いてもよい。
【0021】
共重合ポリエステル樹脂を含む塗布液には、易接着層に耐ブロッキング性および滑り性を付与する目的で、滑剤として不活性粒子および/またはワックス類を含有させてもよい。共重合ポリエステル樹脂に対する滑剤の配合割合は、通常、1.0〜15重量%の範囲である。好ましくは、フィルムの透明性を85%以上にするために、共重合ポリエステル樹脂に対して3.0〜7.0重量%の割合で滑剤を配合する。
【0022】
不活性粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ−シリカ複合酸化物、酸化チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シリカ、カオリナイト、タルク、マイカ、ゼオライトなどの無機粒子;ベンゾグアナミン樹脂架橋体、スチレン樹脂などの有機粒子が挙げられる。
【0023】
ワックス類としては、高級脂肪酸エステル類、カルナバワックス、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンなどの水分散性または水溶性のワックス類が挙げられる。
【0024】
易接着層の形成は、上記の成分を含有する塗布液を基材フィルムの少なくとも片面に塗工し、乾燥させることにより行われる。例えば、水分散性共重合ポリエステル樹脂、好ましくは水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を含む塗布液の場合、固形分濃度は2〜10重量%、粘度は2〜40cps(B型粘度計により25℃で測定)である。
【0025】
この場合、塗膜厚さバラツキの小さい易接着ポリエステルフィルムロールを得るには、塗工および乾燥の条件を調整する必要がある。以下、その条件について詳しく説明する。
【0026】
塗布液を塗工するには、「最新コーティング技術の進歩」(原崎勇次著、(株)総合技術センター発行)に記載されているごく一般的な装置を用いることができる。ロールの直径はアプリケーターロールおよびメタリングロールともに10cm〜50cmであり、アプリケーターロール/メタリングロールの直径比は0.5〜2.0の範囲である。アプリケーターロールおよびメタリングロールの配置は、水平または垂直など種々な配置が考えられる。塗布液の供給方法は数多くの方法があるが、重要な点はアプリケーターロールとメタリングロールとの間隙間が十分な塗布液で満たされるだけの供給量が最低限必要である。
【0027】
基材フィルムの少なくとも片面に塗布液を塗工するには、アプリケーターロールに基材フィルムを水平または垂直など種々な配置により接触させて、塗布液が形成するメニスカスにより、アプリケーターロール上の塗布液が基材フィルムに転写される方法が取られる。
【0028】
工業的規模の製造においては、塗布液の塗工速度は基材フィルムの製膜速度に依存する。基材フィルムの製膜速度はポリエステル樹脂を溶融押出する設備能力により決定される。例えば、溶融押出機の最大能力で二軸延伸フィルムを製膜する場合、溶融押出機の能力は厚さ100〜300μmのフィルムより厚さ38〜75μmのフィルムの方が一定であるので、製膜速度は厚さ100〜300μmのフィルムより厚さ38〜75μmのフィルムの方が早くなる。この製膜速度に合わせて目標塗膜厚さに保持するように、塗工時のアプリケーターロールの回転速度も製膜速度に比例して早くする必要がある。
【0029】
この際、アプリケーターロールの回転速度が早ければ、上記のような低粘度の塗布液では、ロール上でウネ状筋が発生する。このウネ状筋を除去しようとしてメタリングロールの回転速度を上げると、ウネ状筋の除去に効果を示すが、その結果、メタリングロールによる塗布液の液切れが悪くなる(塗布液のスヌケ現象の発生)。そこで、ロール間隙を狭くして、塗布液の液切れを防止する。
【0030】
逆に、溶融押出機の最大能力で二軸延伸フィルムを製膜する場合、製膜速度は厚さ38〜75μmのフィルムより厚さ100〜300μmのフィルムの方が遅くなる。塗膜厚さを等しく保持するためには、当然塗工速度も遅くなり、アプリケーターロールの回転速度も製膜速度に比例して遅くなる。アプリケーターロールの回転速度が遅いと、ロール上で塗布液のウネ状筋が発生せず、メタリングロールの回転速度も遅くなり、アプリケーターロール上の塗布液切れは十分である。それゆえ、目標塗膜厚さを保持するために、ロール間隙をより広くして塗膜の厚さを確保することになる。
【0031】
従来より上記のようなアプリケーターロールとメタリングロールとの回転速度およびロール間隙の関係は知られていた。従来、易接着ポリエステルフィルムロールの塗膜厚さのバラツキを小さくするために、アプリケーターロールの精度(真円度と円筒度)を向上することは考慮されていなかったが、本発明では、現在入手できるアプリケーターロールの精度(真円度と円筒度)を向上させることで、フィルムロールの長さ方向の塗膜厚さのバラツキを80%以下にすることに成功した。
【0032】
すなわち、JIS B 0621で示されているように、ロール精度に関する真円度は、記録式真円度測定器を用いて決定された最小領域法による二つの同心円の各半径の差で表され、その単位はmmである。また、円筒度は、ロールを定盤上に置いた測微器付きスタンドを軸線方向に移動して、円筒上面に測定子を当てた状態で、全長にわたって種々の測定平面中で測定を実施し、そのときの読みの最大差の1/2で表され、その単位はmmである。
【0033】
従って、易接着フィルムロールに関して、厚さ38〜300μmの場合、ロール間隙をδ(μm)、ロール精度(真円度と円筒度)をγ/1000(mm)とすると、±γ÷δ×100(%)が長さ方向の塗膜厚さのバラツキを示す最小幅であり、この最小幅に塗工時の諸条件と塗膜厚さの測定誤差を含ませることで、塗膜厚さのバラツキを80%以下にすることが可能であることを見出した。
【0034】
すなわち、現在入手できる技術でロール精度(真円度と円筒度)を向上させることにより、長さ方向の塗膜厚さのバラツキを最小幅にできることから、具体的には、ロール精度(真円度と円筒度)を5/1000mm未満にすることで、本発明の易接着ポリエステルフィルムロールは、印刷時のインキなどの密着性に関するトラブルを防止できる。
【0035】
塗膜厚さのバラツキが80%以下の範囲で最小値に近い値では、今後、アプリケーターロールの精度(真円度と円筒度)の向上と塗工時の諸条件と塗膜厚さの測定精度による誤差を含む塗膜厚さのバラツキが10%より小さくなっても、塗膜厚さのバラツキによる印刷時のインキなどの密着性の安定効果がこれ以上期待できないので、塗膜厚さバラツキが10%〜80%である易接着ポリエステルフィルムロールが目的とする課題を解決できる範囲となる。
【0036】
さらに、厚さ100〜188μmのフィルムは、主に製図用グラフィクフィルムおよび写真製版材料の貼り込みベースフィルムに用いられ、塗膜厚さのバラツキを小さくすることが要求される。現在入手できる優れたロール精度(真円度と円筒度)γ/1000(mm)を有する塗工設備により塗工する場合、厚さ100〜188μmのフィルムは、厚さ38〜75μmのフィルムに比べて、ロール間隙δ(μm)が小さくなることから、±γ÷δ×100(%)がさらに小さくなる。それゆえ、本発明の易接着ポリエステルフィルムロールは、近年の製図および製版図面の精密化に寄与し、第二原図としての保存耐久性に優れ、密着性のトラブル防止を目的とする課題を工業的規模で解決できる。
【0037】
また、塗布液の塗工に際し、リバースコーターの各ロールの表面仕上げを0.3S以下にし、かつ、アプリケーターロールおよびメタリングロールの精度(真円度と円筒度)を5/1000未満にすることにより、ウェット塗工量の変動を押さえ、かつ、塗膜のバラツキも押さえることができる。ロールの精度(真円度と円筒度)が5/1000以上では、ロールの回転によるロール間隙のバラツキが大きく、フィルムに対して付与されるウェット塗工量の変動が大きくなり、上記(1)式を満足できない。好ましくは、精度(真円度と円筒度)が3/1000である塗工ロールを用いるのがよい。
【0038】
さらに、アプリケーターロールとメタリングロールとの間隙は、フィルムの厚さにより異なるが、目標とする塗膜厚さを保持するには、厚さ38〜100μmのフィルムの場合、20μmであり、厚さ100〜300μmのフィルムの場合、30〜50μmに調整すればよい。
【0039】
また、塗工時のフィルムテンションを4000〜10000N/原反幅(原反幅は1〜2m)にすることにより、工業的規模でフィルムの平面性が保持され(テンションはフィルムの厚さにより異なり、比較的薄いフィルムはより低いテンションを掛けることで平面性が保持される)、塗布液の転写量がフィルムの長さ方向で均一となる。10000N/原反幅を超えると、フィルム原反が変形するか、破断することがある。4000N/原反幅未満では、塗工時のフィルムの平面性が不十分となり、特にフィルムの蛇行も発生することがあり、塗布液の転写量がフィルムの長さ方向で不均一となり、フィルムのウェット塗工量が大きく変動することにより、塗膜厚さのバラツキもより大きくなる。
【0040】
次に、リバースロールで塗工直後、フィルムの両端面のみを把持するピンチロールを付与する。このピンチロールにフィルム両端部を把持させることにより、工業的規模では、フィルムの幅方向の平面性を向上させて、フィルム幅方向のウェット塗工量の安定化に寄与させ、それにより、フィルムロールの幅方向の塗膜厚さのバラツキと長さ方向の塗膜のバラツキとを小さくする。ピンチロールにフィルム両端部を把持させない場合は、フィルムの幅方向および長さ方向のウェット塗工量が大きく変動し、塗膜厚さのバラツキもより大きくなる。
【0041】
また、塗工時のロールとフィルムのキス長さをフィルムの幅方向で3〜10mmとすることにより、フィルムロールの幅方向および長さ方向の塗膜厚さのバラツキを小さくすることができる。ロールとフィルムのキス長さが10mmを超えると、ロールへのフィルム接触が強すぎて、フィルムに微小なキズが多数入り、フィルム外観不良となる。ロールとフィルムのキス長さが3mm未満であると、幅方向にエアー混入も発生して均一な塗工を達成することが困難になる。
【0042】
さらに、塗工直後の塗布液の乾燥温度は70〜140℃とする必要がある。乾燥温度が140℃を超えると、塗膜の過剰乾燥により塗膜が異常に収縮して、ヒビワレなどの塗膜亀裂が発生して、フィルム外観不良となることがある。乾燥温度が70℃未満であると、塗膜の乾燥が不十分になり、一軸方向への延伸前のガイドロールと接触する際に塗膜剥がれによる塗膜抜けが起きることにより、フィルム外観不良となる。
【0043】
以下、本発明の易接着ポリエステルフィルムロールの工業的規模での製造方法の一例について説明する。
【0044】
まず、不活性粒子を含有しないポリエステル樹脂をその融点を越える温度で押出機から溶融押出し、ガラス転移温度以下に冷却して、未延伸シートを得る。この未延伸シートを長さ方向に3〜5倍に、好ましくは3.5〜4.5倍に一軸延伸する。
【0045】
この一軸延伸フィルムに、真円度と円筒度が3/1000であるリバース塗工ロールを用いたロールキス塗工方式により、不活性粒子を含有する共重合ポリエステル樹脂の水分散性塗布液を塗工する。ウェット塗工量は、2g/m2以上14g/m2未満で、好ましくは4g/m2以上10g/m2未満である。
【0046】
塗布液を塗工した後、塗布液の溶媒を乾燥により除去するために、水および有機溶媒を蒸発させるのに適当な温度(例えば、100〜130℃)で熱風乾燥を行う。この塗工フィルムを幅方向に3〜5倍に、好ましくは3.5〜4.5倍に延伸し、熱固定処理及び必要に応じて緩和処理を行った後、ワインダーでフィルムを巻き上げる。
【0047】
あるいは、ポリエステル樹脂の融点を越える温度で押出機から溶融押出し、ガラス転移温度以下に冷却して未延伸シートを得て、この未延伸シートに真円度と円筒度が3/1000であるリバース塗工ロールを用いて不活性粒子を含有する共重合ポリエステル樹脂の水分散性塗布液を塗工し、塗布液溶媒を乾燥により除去した後、同時二軸方向の延伸を行う方法がある。長さ方向および幅方向の延伸倍率は、通常、それぞれ3〜5倍、好ましくは3.5〜4.5倍である。
【0048】
ワインダーで巻き上げた塗工フィルムをスリッターで切断することにより、厚さが38〜300μm、幅が400〜1500mm、巻き長が400〜10000mの易接着ポリエステルフィルムロールを得る。
【0049】
このようにして工業的規模で得られる本発明の易接着ポリエステルフィルムロールは、例えば、印刷用フィルムラベル、製図用グラフィックフィルムに用いる第二原図基材、写真製版材料用貼り込みベースフィルム、建材用化粧合板用表面基材、反射板用表面基材、表面保護フィルムに用いられる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0051】
実施例および比較例で用いられた物性測定方法と塗工条件に関わる方法は以下の通りである。
【0052】
(1)二軸延伸フィルムの厚さ
二軸延伸フィルムの厚さは、JIS C 2151に準じて、フィルムロールの長さ方向にマイクロメーター(ONO S0KKI社製 ST−022 GAUGESTAND)で測定する。
【0053】
(2)ロールの精度(真円度と円筒度)
基材フィルムに塗布液を塗工するロールの真円度および円筒度は、JIS B0621に準じて測定する。真円度はロールを旋盤にチャックで固定してダイアルゲージを当てることにより測定し、円筒度も同様にダイアルゲージでX、Y方向を5点測定して評価する。
【0054】
(3)塗工キス長さ
塗工フィルムがリバースコートロールと接触することにより、接触フィルム面に塗布液溜まりができるが、この塗布液溜まりを塗工キス部と呼び、このキス長さは金尺で測定して幅(mm)で示す。
【0055】
(4)フィルムロールの塗膜厚さのバラツキ
塗膜厚さのバラツキは、フィルムロールの中央位置で長さ方向に捲き始め10mと捲き終わり10mを除き、長さ方向にロールを4等分した位置において、20cmのピッチおきに10cm×10cmのサンプルを4点取り、このサンプルを下記方法によりTEMで測定した塗膜厚さ(nm)により求める。
【0056】
上記TEMの測定方法は、サンプルを可視光硬化型樹脂(例えば、エボキシ樹脂)により室温で放置硬化後、ダイヤモンドナイフを装着したウルトラミクロトームを用いて、超薄切片を作製して四酸化ルテニウムにより染色後、日本電子(株)社製のTEM2010を用いて、フィルムの断面写真(倍率は加速電圧200kvでDirect Mas×30000、Final Mag×76200)を得て、この写真より塗膜厚さの幅方向に5点測定した平均値を塗膜厚さとして算出する。ただし、全サンプルのTEMによる測定値の最も高い方の値から3点の測定値と最も低い方の値から3点の測定値を除外した値を用いて、塗膜厚さのバラツキを求める。
【0057】
なお、水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を易接着層に用いる場合は、蛍光X線分析により、S−Kα線を用いて蛍光X線の強度を測定して、その測定値と予めTEMにより求めた塗膜厚さとの関係による検量線を作成後、比較的迅速で簡便に測定できる蛍光X線測定値より塗膜厚さが求められるようにしておいてもよい。
【0058】
蛍光X線分析法では、TEMでの測定と同様なサンプルを採取して、理学電機工業(株)社製の蛍光X線分析装置SYSTEM 3270により、測定条件として、ターゲットRhの管電流50mAで、S−Kα線を用いて蛍光X線を6分56秒間測定後、この測定値を最も高い方の値から3点の測定値と最も低い方の値から3点の測定値を除外した値を用いて、上記TEMにより求めた測定値の検量線を作製して、この検量線より塗膜厚さのバラツキを求める。
【0059】
(5)塗膜のキズ
塗膜厚さのバラツキ評価用のサンプルについて、フィルムの塗膜上に存在するキズ(幅10μm以上、長さは100μm以上のほぼ長さ方向の存在が明確に確認できるもの)を室内蛍光灯の反射光により、裸眼で確認した箇所に印を付け、この箇所をさらに微分干渉顕微鏡による微分干渉法(対物×10倍、対眼×10倍の合計拡大率100倍)による目視チェックを実施し、以下の基準で3段階のランクを付ける。
○:すべてのサンプルの微分干渉顕微鏡(対物×10倍、対眼×10倍の合計拡大率100倍)目視でキズを確認できず
△:すべてのサンプルの裸眼目視でキズを確認できないが、微分干渉顕微鏡(対物×10倍、対眼×10倍の100倍)目視でキズを確認できる
×:すべてのサンプルの裸眼目視でキズを確認できる
【0060】
(6)塗膜抜け
塗膜厚さのバラツキ評価用のサンプルを一枚づつ取り上げ、フィルムの塗膜上に存在する塗膜抜け(目視で確認できる大きさの塗膜抜け、すなわち約100μmφ以上の円形または楕円形の塗膜抜けを示すのもの)を室内蛍光灯の反射光により、裸眼で目視チェックを実施し、以下の基準で2段階のランクを付ける。
○:すべてのサンプルの裸眼目視で亀裂を確認できず
×:すべてのサンプルの裸眼目視で亀裂を確認できる
【0061】
(7)印刷インキ密着性
塗膜厚さのバラツキ評価用のサンプルについて、フィルムの塗膜面に溶剤型印刷インキのレイキュア190墨(JUJO CHEMICAL Co.LTD.社製)を、印刷機としてRIテスター(明製作所(株)社製の機械型番RI−J)を用いて、インキ付着厚さが1μmとなるように印刷後、一晩風乾して印刷フィルムを得る。
この印刷フィルムの印刷インキ面に、エヌティー(株)社製のNTカッターL−500Rで、測定サンプルごとに絶えず未使用の新しい刃を用いて、2mm角の碁盤目傷を100マス入れ、その上をニチバン(株)社製の24mm幅セロテープ(登録商標)を気泡が入らないように貼付し、その上を5回ほど体重を掛けてこすり、充分に密着させた後、上記印刷インキ面のセロテープ(登録商標)が密着されていない前後の両端部を手で押さえ、セロテープ(登録商標)の上の方向(角度90度方向)に急速に剥離し、剥離後の印刷インキ面を目視で観察し、インキ層残留率(インキがマス目全体または一部がセロテープ(登録商標)に持って行かれた場合は、このマス目についてはインキ残留無しとして、マス目にインキ残留が認められたマス目数を全体のマス目数の比で表す)をもって、以下の基準で4段階のランクを付ける。
◎:すべての測定で碁盤目剥離テストでフィルム面側のインキ層の残留率が96/100以上
○:すべての測定のうち、碁盤目剥離テストでフィルム面側のインキ層の残留率が90/100〜95/100が10%以下、残りは96/100以上
△:すべての測定のうち、碁盤目剥離テストでフィルム面側のインキ層の残留率が90/100〜95/100が10%を超え50%以下、残りは96/100以上
×:すべての測定で碁盤目剥離テストでフィルム面側のインキ層の残留率が90/100〜95/100が50%を超える
【0062】
実施例1
まず、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)ジメチルテレフタレート49モル%および5−スルホナトイソフタル酸2モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%を用いて、常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。
【0063】
次いで、水51.4重量部、イソプロピルアルコール38重量部、n−ブチルセルソルブ5重量部、および界面活性剤である大日本インキ化学工業(株)社製のメガファックF−142D 0.06重量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5重量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0重量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。
【0064】
さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3重量部を水50重量部にホモジナイザーにより1000rpmで1時間分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46重量部にサイリシア310の水分散液0.54重量部を加えて、撹拌しながら水20重量部を加えて、塗布液を得た。
【0065】
一方、溶融押出し後、25℃のキャスティングロールにより冷却して得られた厚さ608μmのポリエステル樹脂シートを長さ方向に4倍延伸して、一軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの片面に、上記塗布液を、ウルトラハードクロムメッキ仕上げによる表面が0.2S以下に製作された真円度と円筒度が3/1000である塗工ロールを用いて、ロール間隙20μm、フィルムテンション4500N/原反幅、ウェットコート量6.5g/m2となるように塗工し、温度120℃で乾燥させた後、幅方向に4倍に延伸し、次いで220℃で熱固定処理を行い、厚さ38μmの易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0066】
次いで、延伸されたフィルムの幅方向において、フィルム全幅を4等分した内側の二等分位置より1200mm幅でスリットすることで、易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0067】
実施例2
ポリエステル樹脂シートの厚さが1600μm、塗工ロールのフィルムテンションが8500N/原反幅、ロール間隙が30μm、塗工キス長さが5mm、塗工後の乾燥温度が100℃、二軸延伸後のフィルム厚さが100μmであること以外は、実施例1と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0068】
実施例3
ポリエステル樹脂シートの厚さが4000μm、塗工ロールのフィルムテンションが9000N/原反幅、および、ロール間隙が50μm、塗工キス長さが4mm、塗工後の乾燥温度が80℃、二軸延伸後のフィルム厚さが250μmであること以外は、実施例1と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0069】
実施例4
実施例1と同様にして、厚さ38μmの易接着ポリエステルフィルムロールを得たが、延伸されたフィルムの幅方向において、フィルム全幅を4等分した外側の端部位置より1200mm幅でスリットすることで、易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0070】
実施例5
まず、ジメチルテレフタレート34.5重量部、1,4ブタンジオール21.1重量部、エチレングリコール27重量部およびテトラ−n−ブチルチタネート0.05重量部を仕込み、160〜220℃で、常法によりエステル交換反応を行い、次いでフマル酸1.4部およびセバシン酸16重量部を加え、200〜220℃でエステル化反応を行って、共重合ポリエステル樹脂を得た。
【0071】
上記共重合ポリエステル樹脂75重量部をメチルエチルケトン56重量部およびイソプロピルアルコール19重量部に加え、65℃で混合撹拌して樹脂を溶解させた。無水マレイン酸15重量部を加えた後、スチレン10重量部、アゾビスジメチルニトリル1.5重量部をメチルエチルケトン12重量部に溶解した溶液を0.1ml/分で上記樹脂溶液に滴下し、2時間撹拌し続けた。メタノールを5重量部加え、反応溶液に水300重量部およびトリエチルアミン15重量部を加え、1時間撹拌した後、反応容器温度を100℃に上げて、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールおよび過剰トリエチルアミンを留去し、水分散性共重合ポリエステル樹脂を得た。
【0072】
次いで、水51.4重量部、イソプロピルアルコール38重量部、n−ブチルセルソルブ5重量部、および界面活性剤である大日本インキ化学工業(株)社製のメガファックF−142D 0.06重量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂5重量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0重量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。
【0073】
さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3重量部を水50重量部にホモジナイザーにより1000rpmで1時間分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46重量部にサイリシア310の水分散液0.54重量部を加えて、撹拌しながら水20重量部を加えて、塗布液を得た。
【0074】
この塗布液を用い、塗工ロールのフィルムテンションが8300N/原反幅、塗工キス長さが4mm、塗工後の乾燥温度が90℃であること以外は、実施例2と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0075】
実施例6
実施例3と同様にして、厚さ250μmの易接着ポリエステルフィルムロールを得たが、延伸されたフィルムの幅方向において、フィルム全幅を4等分した外側の端部位置より1200mm幅でスリットすることで、易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0076】
実施例7
塗工ロールのフィルムテンションが12000N/原反幅であり、塗工時にピンチロールを用いず、この条件で幅方向の均一塗工のために塗工キス長さを12mmに上げ、塗工後の乾燥温度が140℃であること以外は、実施例3と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0077】
比較例1
塗工ロールの真円度と円筒度が6/1000であること以外は、実施例1と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0078】
比較例2
塗工ロールの真円度と円筒度が6/1000、塗工ロールのフィルムテンションが12000N/原反幅であり、塗工時にピンチロールを用いないこと以外は、実施例2と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0079】
比較例3
塗工ロールの真円度と円筒度が6/1000、塗工ロールのフィルムテンションが12000N/原反幅であり、塗工時にピンチロールを用いないこと以外は、実施例4と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得た。
【0080】
比較例4
塗工ロールのフィルムテンションが3000N/原反幅であり、塗工時にピンチロールを用いず、この条件で幅方向の均一塗工のために塗工キス長さを15mmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得ようとしたが、塗工キス部でフィルムにキズが入っているのが塗工時に目視で観察された。
【0081】
比較例5
塗工ロールの真円度と円筒度が6/1000、塗工ロールのフィルムテンションが3000N/原反幅、この条件で幅方向の均一塗工のために塗工キス長さを12mmにしたこと以外は、実施例2と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得ようとしたが、塗工キス部でフィルムにキズが入っているのが塗工時に目視で観察された。
【0082】
比較例6
塗工ロールの真円度と円筒度が6/1000、塗工ロールのフィルムテンションが3100N/原反幅、塗工後の乾燥温度を65℃に下げ、比較例4および5で塗工キス部でフィルムにキズが入っているのが塗工時に目視で観察されたので、塗工キス長さを2mmにしたこと以外は、実施例3と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得ようとしたが、塗工キス部で塗膜抜けが塗工時に目視で観察された。
【0083】
比較例7
塗工ロールのフィルムテンションが3200N/原反幅、塗工後の乾燥温度が65℃であり、比較例4および5で塗工キス部でフィルムにキズが入っているのが塗工時に目視で観察されたので、塗工キス長さを2mmにしたこと以外は、実施例4と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得ようとしたが、塗工キス部で塗膜抜けが塗工時に目視で観察された。
【0084】
比較例8
塗工ロールのフィルムテンションが15000N/原反幅、塗工後の乾燥温度が65℃であり、比較例4および5で塗工キス部でフィルムにキズが入っているのが塗工時に目視で観察されたので、塗工キス長さを2mmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得ようとしたが、フィルムの長さ方向で部分的にフィルムが伸びて変形したので、塗工を中止した。
【0085】
比較例9
塗工ロールのフィルムテンションが15000N/原反幅、塗工後の乾燥温度が150℃であり、比較例4および5で塗工キス部でフィルムにキズが入っているのが塗工時に目視で観察されたので、塗工キス長さを2mmにしたこと以外は、実施例2と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得ようとしたが、フィルムの長さ方向で部分的にフィルムが伸びて変形したので、塗工を中止した。
【0086】
比較例10
塗工ロールの真円度と円筒度が6/1000であり、塗工時にピンチロールを用いず、塗工ロールのフィルムテンションが12000N/原反幅、塗工後の乾燥温度が150℃であり、比較例4および5で塗工キス部でフィルムにキズが入っているのが塗工時に目視で観察されたので、塗工キス長さを2mmにしたこと以外は、実施例3と同様にして、易接着ポリエステルフィルムロールを得ようとしたが、塗工キス部で塗膜抜けが塗工時に目視で観察されるとともに、得られた易接着ポリエステルフィルムロールの塗膜に亀裂が目視で確認された。
【0087】
上記の実施例および比較例におけるフィルムロールの製造条件を表1に示し、この条件で得られたフィルムロールの評価結果を表2に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、易接着層と後加工時に積層される他の機能付与層との長さ方向の密着性の変動を小さく、かつ塗布外観が良好な易接着ポリエステルフィルムロールが提供される。かかる易接着ポリエステルフィルムロールは、印刷用フィルムラベル、製図用グラフィックフィルムに用いる第二原図基材、写真製版材料用貼り込みベースフィルム、建材用化粧合板用表面基材、反射板用表面基材、表面保護フィルムをはじめとして、一般工業用途に有用である。
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