JP2004010765A - W/o型エマルジョン燃料 - Google Patents
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Abstract
【目的】安価で安定性のよいW/O型エマルジョン燃料を提供する。
【構成】10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油のいずれか、またはこれらの混合物に、HLB値が8.9〜8.3の範囲であり1%水溶液のPH値が2.8〜2.2となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から0.5%(体積比)混合してW/O型エマルジョン燃料を得る。
【選択図】 図5
【構成】10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油のいずれか、またはこれらの混合物に、HLB値が8.9〜8.3の範囲であり1%水溶液のPH値が2.8〜2.2となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から0.5%(体積比)混合してW/O型エマルジョン燃料を得る。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガスタービン、ボイラおよびデーゼルエンジン等の燃料に関わり、特に、安価に製造でき、環境保全に有効なW/O型エマルジョン燃料に関する。
【0002】
【従来の技術】
水と燃料(重油、軽油、灯油、植物油等)を混合して製造するエマルジョン燃料は、燃焼時にNOxやすすの発生が非常に少ないため、大気汚染防止に有効な燃料であることが知られている。
【0003】
エマルジョン燃料には2つのタイプが存在する。すなわち、O/W(Oil in Water)型とW/O(Water in Oil)型である。O/W型は図5(a)に示すように水1中に油滴2が分散しているタイプであり、W/O型は図5(b)に示すように油3中に水滴4が分散しているタイプである。
【0004】
エマルジョン燃料の製造には、水と油の分離を防ぐために界面活性剤を使用する必要がある。O/W型のエマルジョン燃料の製造には、一般的に洗剤として利用される活性剤が使用され、非イオン系活性剤の場合、そのHLB値(Hydrophile Lipophile Balance Value)は10〜17程度の値である。
【0005】
また、W/O型エマルジョン燃料の製造には、一般的に消泡剤として利用される薬剤が使用され、そのHLB値は3〜7程度の値である。このHLBは親水性・親油性の程度を示す数値であり、0〜20の範囲の値であるが、界面活性剤の親水性が強い程大きな数値となり、親油性が強い程小さな数値となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
エマルジョン燃料をエンジンやバーナ等の燃焼装置で燃やすとき、O/W型エマルジョン燃料は油滴の外側に水が存在するため着火しにくいという問題点がある。また、燃焼装置の金属部分が直接水と接触するため錆等が発生しやすいという問題もある。
【0007】
一方、W/O型エマルジョン燃料は水滴の外部に油が存在するため着火性能は良好で、錆等の発生が起こりにくい。しかしながら、一般にW/O型エマルジョン燃料は、分離の起こらない安定した品質を確保しようとすると、大量の活性剤が必要となり製造コストが高くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、安価で安定性のよいW/O型エマルジョン燃料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
安価で安定性のよいW/O型エマルジョン燃料を製造するためには、使用する燃料の種類に最も適した界面活性剤を選択する必要があり、そのためには最適なHLB値を持つ活性剤を使用することが重要である。
【0010】
本願の第1の発明に係わるエマルジョン燃料は、10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油のいずれか、またはこれらの混合物に、HLB値が8.9〜8.3の範囲であり1%水溶液のPH値が2.8〜2.2となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料である。
【0011】
本願の第2の発明に係わるエマルジョン燃料は、10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)のB重油、C重油のいずれか、またはこれらの混合物に、HLB値が4.7〜5.3の範囲であり1%水溶液のPH値が6.1〜6.7となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料である。
【0012】
本願の第3の発明に係わるエマルジョン燃料は、水溶性切削剤、非イオン界面活性剤(エーテル型、エステル型、アミノエーテル型、エーテルエステル型またはアルカノールアミド型)のいずれかまたはこれらの混合物を前記第1の発明または第2の発明のエマルジョン燃料の界面活性剤に対して0.05から1%(体積比)の量だけ混合して得られる界面活性剤を前記第1の発明または第2の発明のエマルジョン燃料の水と油の混合物に0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料である。
【0013】
このように、水溶性切削剤または非イオン界面活性剤(エーテル型、エステル型、アミノエーテル型、エーテルエステル型またはアルカノールアミド型)を加えることによりさらに安定したW/O型エマルジョン燃料が得られる。
【0014】
本願の第4の発明に係わるエマルジョン燃料は、10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油、C重油のいずれか、またはこれらの混合物に、比重が0.90であり1%水溶液のPH値が8.6〜9.2となるポリオキシエチレンアルキルエーテル系を主成分とする非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料である。
【0015】
本願の第5の発明に係わるエマルジョン燃料は、10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油、B重油、C重油、またはこれらの混合物に、(CHCH2O)OH(ハイドロオキシエトキシラジカルΙ)、(CH2CH2O)OH(ハイドロオキシエトキシラジカルΠ)、(HCH3)OH(ハイドロオキシメタンラジカルまたはメタノールラジカル)の混合物の重合体である多価アルコールブロック重合体活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料である。このような多価アルコールブロック重合体活性剤により安定したW/O型エマルジョン燃料を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を説明する。第1の実施例の燃料は軽油80%(体積比)、水20%(体積比)を成分とする混合体に、HLB値が8.6であり、1%水溶液のPH値が2.5となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を混合体総量の0.5%(体積比)だけ加えて撹拌機で十分に混合して製造した。その結果、極めて安定性の良好なW/O型エマルジョン燃料が得られた。
【0017】
この燃料をディーゼルエンジンで燃焼して、定格出力80kWでの排気ガス中のNOxとパティキュレート(粒子)濃度を測定した。その結果軽油のみを燃焼した場合に比べてNOx濃度で45%、パティキュレート濃度で70%低減した。なお、ディーゼルエンジンに使用した場合のエネルギー利用効率は32%であり、軽油のみを燃焼した場合の35%に比べて僅かしか低下しない。水の気化に使用されたエネルギーは水蒸気の発生により機械的エネルギーとして利用されるため、全体のエネルギー損失は小さくなるものである。
【0018】
第2の実施例の燃料はB重油80%(体積比)、水20%(体積比)を成分とする混合体に、HLB値が5.0であり、1%水溶液のPH値が6.4となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を混合体総量の0.5%(体積比)だけ加えて撹拌機で十分に混合して製造した。その結果、極めて安定性の良好なW/O型エマルジョン燃料が得られた。
【0019】
この燃料をディーゼルエンジンで燃焼し、定格出力80kWでの排気ガス中のNOxとパティキュレート(粒子)濃度を測定した。その結果B重油のみを燃焼した場合に比べてNOx濃度で38%、パティキュレート濃度で52%低減した。
【0020】
第3の実施例の燃料は軽油80%(体積比)、水20%(体積比)を成分とする混合体に、(CHCH2O)OH、(CH2CH2O)OH、(HCH3)OHの重合物(60°、10気圧で重合したもの)である多価アルコールブロック重合体活性剤を混合体総量の0.5%(体積比)だけ加えて撹拌機で十分に混合して製造した。その結果、極めて安定性の良好なW/O型エマルジョン燃料が得られた。
【0021】
第4の実施例の燃料は軽油またはA重油80〜75%(体積比)と水20〜25%の混合物に、比重が0.90であり1%水溶液のPH値が8.9となるポリオキシエチレンアルキルエーテル系を主成分とする非イオン性界面活性剤を0.5%(体積比)混合して撹拌機で十分に混合して製造した。その結果、極めて安定性の良好なW/O型エマルジョン燃料が得られた。
【0022】
第4の実施例のエマルジョン燃料と軽油またはA重油とをジーゼルエンジンまたはガスタービンの燃料として用いた結果を以下の表により説明する。図1に示す表1は第4の実施例としての軽油80%エマルジョン燃料を160kwのジーゼルエンジンの燃料に用いたときの運転データであり、図2に示す表2は軽油燃料を同ジーゼルエンジンの燃料に用いたときの運転データである。
【0023】
表1および2において、軸トルクは実測値の3倍の値が示されている。また、HCは炭化水素、AFRは空燃比、PMは粒子状物質(particle matter)である。表1と表2を比較して見ると、本発明の実施例のエマルジョン燃料によると、排気ガス中のNOx、HC、PMの量が著しく低減されることが分かる。
【0024】
図3に示す表3は第4の実施例としてのA重油75%エマルジョン燃料とA重油とを160kwのジーゼルエンジンの燃料に用いたときの運転データを比較して示している。表3にエマルジョン燃料ではA重油と比較してA重油燃費率が42.3g/kWhだけ改善され、改善率は16.7%に達することが示されている。このように燃費率が改善されるのは、水が水蒸気となることで体積が増えることによるエネルギーが有効に利用されるためと考えられる。
【0025】
図4に示す表4は第4の実施例としてのA重油80%エマルジョン燃料とA重油とを30kwのマイクロガスタービンの燃料に用いたときの運転データを比較して示している。表4にエマルジョン燃料ではA重油と比較してA重油燃費率が31.0g/kWhだけ改善され、改善率は9.9%に達することが示されている。このようにガスタービンに使用しても燃費率が改善された。また、ガスタービの場合にも排気ガス中のNOx、SOxの量が低減されることが分かる。
【0026】
【発明の効果】
本発明はW/O型エマルジョン燃料を製造するための界面活性剤の種類、組成に関するもので、本発明によれば、少ない(0.1〜1%)活性剤の使用量で安定した品質のW/O型エマルジョン燃料の製造を可能にし、製造コストを従来のW/O型エマルジョン燃料に比べ大幅に削減することができる。これにより、低公害燃焼が可能なエマルジョン燃料が低コストで得られ、各種燃焼装置用燃料として広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエマルジョン燃料のエンジン運転データを示す表1である。
【図2】軽油でのエンジン運転データを示す表2である。
【図3】本発明のエマルジョン燃料とA重油のエンジン運転データを比較して示す表3である。
【図4】本発明のエマルジョン燃料とA重油のガスタービン運転データを比較して示す表4である。
【図5】O/W型エマルジョンとW/O型エマルジョンの構造を示す図である。
【符号の説明】
1 水
2 油滴
3 油
4 水滴
【発明の属する技術分野】
本発明はガスタービン、ボイラおよびデーゼルエンジン等の燃料に関わり、特に、安価に製造でき、環境保全に有効なW/O型エマルジョン燃料に関する。
【0002】
【従来の技術】
水と燃料(重油、軽油、灯油、植物油等)を混合して製造するエマルジョン燃料は、燃焼時にNOxやすすの発生が非常に少ないため、大気汚染防止に有効な燃料であることが知られている。
【0003】
エマルジョン燃料には2つのタイプが存在する。すなわち、O/W(Oil in Water)型とW/O(Water in Oil)型である。O/W型は図5(a)に示すように水1中に油滴2が分散しているタイプであり、W/O型は図5(b)に示すように油3中に水滴4が分散しているタイプである。
【0004】
エマルジョン燃料の製造には、水と油の分離を防ぐために界面活性剤を使用する必要がある。O/W型のエマルジョン燃料の製造には、一般的に洗剤として利用される活性剤が使用され、非イオン系活性剤の場合、そのHLB値(Hydrophile Lipophile Balance Value)は10〜17程度の値である。
【0005】
また、W/O型エマルジョン燃料の製造には、一般的に消泡剤として利用される薬剤が使用され、そのHLB値は3〜7程度の値である。このHLBは親水性・親油性の程度を示す数値であり、0〜20の範囲の値であるが、界面活性剤の親水性が強い程大きな数値となり、親油性が強い程小さな数値となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
エマルジョン燃料をエンジンやバーナ等の燃焼装置で燃やすとき、O/W型エマルジョン燃料は油滴の外側に水が存在するため着火しにくいという問題点がある。また、燃焼装置の金属部分が直接水と接触するため錆等が発生しやすいという問題もある。
【0007】
一方、W/O型エマルジョン燃料は水滴の外部に油が存在するため着火性能は良好で、錆等の発生が起こりにくい。しかしながら、一般にW/O型エマルジョン燃料は、分離の起こらない安定した品質を確保しようとすると、大量の活性剤が必要となり製造コストが高くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、安価で安定性のよいW/O型エマルジョン燃料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
安価で安定性のよいW/O型エマルジョン燃料を製造するためには、使用する燃料の種類に最も適した界面活性剤を選択する必要があり、そのためには最適なHLB値を持つ活性剤を使用することが重要である。
【0010】
本願の第1の発明に係わるエマルジョン燃料は、10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油のいずれか、またはこれらの混合物に、HLB値が8.9〜8.3の範囲であり1%水溶液のPH値が2.8〜2.2となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料である。
【0011】
本願の第2の発明に係わるエマルジョン燃料は、10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)のB重油、C重油のいずれか、またはこれらの混合物に、HLB値が4.7〜5.3の範囲であり1%水溶液のPH値が6.1〜6.7となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料である。
【0012】
本願の第3の発明に係わるエマルジョン燃料は、水溶性切削剤、非イオン界面活性剤(エーテル型、エステル型、アミノエーテル型、エーテルエステル型またはアルカノールアミド型)のいずれかまたはこれらの混合物を前記第1の発明または第2の発明のエマルジョン燃料の界面活性剤に対して0.05から1%(体積比)の量だけ混合して得られる界面活性剤を前記第1の発明または第2の発明のエマルジョン燃料の水と油の混合物に0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料である。
【0013】
このように、水溶性切削剤または非イオン界面活性剤(エーテル型、エステル型、アミノエーテル型、エーテルエステル型またはアルカノールアミド型)を加えることによりさらに安定したW/O型エマルジョン燃料が得られる。
【0014】
本願の第4の発明に係わるエマルジョン燃料は、10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油、C重油のいずれか、またはこれらの混合物に、比重が0.90であり1%水溶液のPH値が8.6〜9.2となるポリオキシエチレンアルキルエーテル系を主成分とする非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料である。
【0015】
本願の第5の発明に係わるエマルジョン燃料は、10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油、B重油、C重油、またはこれらの混合物に、(CHCH2O)OH(ハイドロオキシエトキシラジカルΙ)、(CH2CH2O)OH(ハイドロオキシエトキシラジカルΠ)、(HCH3)OH(ハイドロオキシメタンラジカルまたはメタノールラジカル)の混合物の重合体である多価アルコールブロック重合体活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料である。このような多価アルコールブロック重合体活性剤により安定したW/O型エマルジョン燃料を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を説明する。第1の実施例の燃料は軽油80%(体積比)、水20%(体積比)を成分とする混合体に、HLB値が8.6であり、1%水溶液のPH値が2.5となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を混合体総量の0.5%(体積比)だけ加えて撹拌機で十分に混合して製造した。その結果、極めて安定性の良好なW/O型エマルジョン燃料が得られた。
【0017】
この燃料をディーゼルエンジンで燃焼して、定格出力80kWでの排気ガス中のNOxとパティキュレート(粒子)濃度を測定した。その結果軽油のみを燃焼した場合に比べてNOx濃度で45%、パティキュレート濃度で70%低減した。なお、ディーゼルエンジンに使用した場合のエネルギー利用効率は32%であり、軽油のみを燃焼した場合の35%に比べて僅かしか低下しない。水の気化に使用されたエネルギーは水蒸気の発生により機械的エネルギーとして利用されるため、全体のエネルギー損失は小さくなるものである。
【0018】
第2の実施例の燃料はB重油80%(体積比)、水20%(体積比)を成分とする混合体に、HLB値が5.0であり、1%水溶液のPH値が6.4となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を混合体総量の0.5%(体積比)だけ加えて撹拌機で十分に混合して製造した。その結果、極めて安定性の良好なW/O型エマルジョン燃料が得られた。
【0019】
この燃料をディーゼルエンジンで燃焼し、定格出力80kWでの排気ガス中のNOxとパティキュレート(粒子)濃度を測定した。その結果B重油のみを燃焼した場合に比べてNOx濃度で38%、パティキュレート濃度で52%低減した。
【0020】
第3の実施例の燃料は軽油80%(体積比)、水20%(体積比)を成分とする混合体に、(CHCH2O)OH、(CH2CH2O)OH、(HCH3)OHの重合物(60°、10気圧で重合したもの)である多価アルコールブロック重合体活性剤を混合体総量の0.5%(体積比)だけ加えて撹拌機で十分に混合して製造した。その結果、極めて安定性の良好なW/O型エマルジョン燃料が得られた。
【0021】
第4の実施例の燃料は軽油またはA重油80〜75%(体積比)と水20〜25%の混合物に、比重が0.90であり1%水溶液のPH値が8.9となるポリオキシエチレンアルキルエーテル系を主成分とする非イオン性界面活性剤を0.5%(体積比)混合して撹拌機で十分に混合して製造した。その結果、極めて安定性の良好なW/O型エマルジョン燃料が得られた。
【0022】
第4の実施例のエマルジョン燃料と軽油またはA重油とをジーゼルエンジンまたはガスタービンの燃料として用いた結果を以下の表により説明する。図1に示す表1は第4の実施例としての軽油80%エマルジョン燃料を160kwのジーゼルエンジンの燃料に用いたときの運転データであり、図2に示す表2は軽油燃料を同ジーゼルエンジンの燃料に用いたときの運転データである。
【0023】
表1および2において、軸トルクは実測値の3倍の値が示されている。また、HCは炭化水素、AFRは空燃比、PMは粒子状物質(particle matter)である。表1と表2を比較して見ると、本発明の実施例のエマルジョン燃料によると、排気ガス中のNOx、HC、PMの量が著しく低減されることが分かる。
【0024】
図3に示す表3は第4の実施例としてのA重油75%エマルジョン燃料とA重油とを160kwのジーゼルエンジンの燃料に用いたときの運転データを比較して示している。表3にエマルジョン燃料ではA重油と比較してA重油燃費率が42.3g/kWhだけ改善され、改善率は16.7%に達することが示されている。このように燃費率が改善されるのは、水が水蒸気となることで体積が増えることによるエネルギーが有効に利用されるためと考えられる。
【0025】
図4に示す表4は第4の実施例としてのA重油80%エマルジョン燃料とA重油とを30kwのマイクロガスタービンの燃料に用いたときの運転データを比較して示している。表4にエマルジョン燃料ではA重油と比較してA重油燃費率が31.0g/kWhだけ改善され、改善率は9.9%に達することが示されている。このようにガスタービンに使用しても燃費率が改善された。また、ガスタービの場合にも排気ガス中のNOx、SOxの量が低減されることが分かる。
【0026】
【発明の効果】
本発明はW/O型エマルジョン燃料を製造するための界面活性剤の種類、組成に関するもので、本発明によれば、少ない(0.1〜1%)活性剤の使用量で安定した品質のW/O型エマルジョン燃料の製造を可能にし、製造コストを従来のW/O型エマルジョン燃料に比べ大幅に削減することができる。これにより、低公害燃焼が可能なエマルジョン燃料が低コストで得られ、各種燃焼装置用燃料として広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエマルジョン燃料のエンジン運転データを示す表1である。
【図2】軽油でのエンジン運転データを示す表2である。
【図3】本発明のエマルジョン燃料とA重油のエンジン運転データを比較して示す表3である。
【図4】本発明のエマルジョン燃料とA重油のガスタービン運転データを比較して示す表4である。
【図5】O/W型エマルジョンとW/O型エマルジョンの構造を示す図である。
【符号の説明】
1 水
2 油滴
3 油
4 水滴
Claims (5)
- 10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油のいずれか、またはこれらの混合物に、HLB値が8.9〜8.3の範囲であり1%水溶液のPH値が2.8〜2.2となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料。
- 10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)のB重油、C重油のいずれか、またはこれらの混合物に、HLB値が4.7〜5.3の範囲であり1%水溶液のPH値が6.1〜6.7となる脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料。
- 水溶性切削剤、非イオン界面活性剤(エーテル型、エステル型、アミノエーテル型、エーテルエステル型またはアルカノールアミド型)のいずれかまたはこれらの混合物を請求項1または2のエマルジョン燃料の界面活性剤に対して0.05から1%(体積比)の量だけ混合して得られる界面活性剤を請求項1または2の水と油の混合物に混合して得られるW/O型エマルジョン燃料。
- 10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油、C重油のいずれか、またはこれらの混合物に、比重が0.90であり1%水溶液のPH値が8.6〜9.2となるポリオキシエチレンアルキルエーテル系を主成分とする非イオン性界面活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料。
- 10%(体積比)から35%(体積比)の水と、90%(体積比)から65%(体積比)の灯油、軽油、A重油、B重油、C重油、またはこれらの混合物に、(CHCH2O)OH、(CH2CH2O)OH、(HCH3)OHの混合物の重合体である多価アルコールブロック重合体活性剤を0.1%(体積比)から1%(体積比)混合して得られるW/O型エマルジョン燃料。
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Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008072391A1 (ja) | 2006-12-14 | 2008-06-19 | Ait Corporation | エマルジョン燃料とその製造方法及び製造装置 |
| JP2010095683A (ja) * | 2008-10-20 | 2010-04-30 | Kazuyuki Umemura | 加水燃料及び添加剤調整燃料油及び添加剤とそれらの製造方法 |
| JP2011006497A (ja) * | 2009-05-27 | 2011-01-13 | Ryoichi Otsubo | エマルション燃料 |
| JP2011063633A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Yasuhiro Hosokawa | 油水燃料の乳化添加剤 |
-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002166577A patent/JP2004010765A/ja active Pending
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