JP2004012811A - 外被付き光ファイバテープ心線 - Google Patents

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小林 洋之
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Abstract

【課題】光ファイバテープ心線を保護し、端末部加工時にファイバを損傷することなく小さな力で被覆除去が容易にでき、光ファイバテープ心線のみよりも難燃特性を向上させ、さらに低温時にも光損失値が増加しない外被付き光ファイバテープ心線を提供する。
【解決手段】予め作成しておいたチューブ状被覆に光ファイバテープ心線を通すことにより、あるいは、光ファイバテープ心線の外周に押出し成形により、光ファイバテープ心線2の外周に難燃性プラスチック外被5を被せた構造であり、その外被剥ぎ取り力が100gf/200mm以上1000gf/200mm以下、外被の酸素指数が25以上、外被の厚さが0.2mm〜0.8mmである外被付き光ファイバテープ心線1。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光接続箱等に配線される光ファイバテープ心線に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年は、情報量の増大、光通信の利用の加速化に伴い、光ファイバが通信局間の長距離通信に加えて、局内、構内のシステム配線も多心化が要求されるようになってきている。そして、一般家庭へ布設される状況となり、伝送距離の短い光ファイバシステムでは、接続技術や接続作業が重要な事項となっている。
図3は、従来の光ファイバテープ心線の断面図である。図3において、3は光ファイバ素線であり、コアとクラッドからなる光ファイバに紫外線硬化樹脂等の一次被覆あるいはさらに二次被覆されたものである。光ファイバテープ心線2は、この光ファイバ素線3を一平面状に配列し、それの外周に一括して紫外線硬化樹脂等からなる共通被覆4(この被覆は内部層と外部層の二層からなる場合もある)を被せたものであり、高密度実装が可能であるため、多心のケーブルに適しており多用されている。
また、光ファイバテープ心線として、側圧特性を向上させる等のため、上記した一括被覆した後に更にその外側を紫外線硬化型樹脂等で被覆した外被付き光ファイバテープ心線も知られている。
そして、伝送距離の短い光接続箱内部や伝送装置内等の配線においても、このような外被のない光ファイバテープ心線をそのまま配線させる方法を採用しているのが一般的である。この光ファイバテープ心線をそのまま配線させる方法では、配線作業中に、接続箱内の突出部やバリ等の鋭利な部位にテープ心線を引っかけたり、光ファイバテープ心線に強度な衝撃を与えたりして、光ファイバテープ心線を損傷させてしまう場合が多々あり、配線作業に時間と熟練を要した。また、外被付きのものを配線するには、光ファイバテープ心線の端末部の外被層を剥ぎ取る作業が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
配線作業に当たって、このような外被を持つ光ファイバテープ心線の端末部での被覆の剥ぎ取りには大きな力を要し、その力は1500gf/200mm以上であり、外被と光ファイバテープ心線のグリップ力が高いためにテープ心線状態として取り出すことができにくいため、外被を被せないテープ心線をそのまま使用していた。
また、光ファイバテープ心線の被覆には、一般的に紫外線硬化型樹脂を使用しているが、紫外線硬化型樹脂は非常に燃えやすい材料であるため、万一、火災が発生して、光ファイバテープ心線に着火した場合、光ファイバテープ心線が導火線のような役割を担い、火災を拡大させてしまうといった危険性もある。
そこで、本発明は、光ファイバテープ心線を保護し、端末部加工時にファイバを損傷することなく小さな力で被覆除去が容易にでき、さらに、光ファイバテープ心線のみよりも難燃特性を向上させ、低温時にも光損失値が増加しない外被付き光ファイバテープ心線を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題に鑑み光ファイバ心線の構造について検討した結果、特定の剥ぎ取り力をもつ外被を有するものが良いとの知見を得た。そこでこれらの知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(1)予め作成しておいたチューブ状被覆に光ファイバテープ心線を通すか、もしくは光ファイバテープ心線の外周に押出し成形することにより、光ファイバテープ心線の外周に難燃性プラスチック外被が形成され、その外被剥ぎ取り力が100gf/200mm以上1000gf/200mm以下であることを特徴とする外被付き光ファイバテープ心線、
(2)前記難燃性プラスチック外被は、その酸素指数が25以上であることを特徴とする(1)に記載の外被付き光ファイバテープ心線、
(3)前記難燃性プラスチック外被の厚さは、0.2mm以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の外被付き光ファイバテープ心線、及び、
(4)前記難燃性プラスチック外被の厚さは、0.8mm以下であることを特徴とする(1)、(2)又は(3)に記載の外被付き光ファイバテープ心線、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の外被付き光ファイバテープ心線について図面を参照してさらに詳細に説明する。
図1は本発明の一実施態様である外被付き光ファイバテープ心線の構造を示す断面図であり、符号は重複を避けるため従来例と同一なものは同符号とする。
この実施態様では、12心の外被付き光ファイバテープ心線を示しているが、光ファイバ素線の数は12本に限らず、複数本であれば必要に応じ適宜設定できる。12本の光ファイバ素線3,3・・・・を一平面状に平行に配置し、それらを紫外線硬化型樹脂で二層(内部層4aと外部層4b)に被覆して光ファイバテープ心線2を形成している。勿論、紫外線硬化型樹脂の共通被覆4は、一層であってもよい。そして、さらにその外周に外被5を被せ、外被付き光ファイバテープ心線1を形成している。
【0006】
本発明のこのような外周の外被5は、従来周知の被覆手段である光ファイバテープ心線をダイス部へ通し、被覆樹脂をダイス部へ加圧押出しする方法では、下層と外被5との密着力をコントロールすることが難しいことから、外被の剥ぎ取り力を小さくすることは困難である。そこで、本発明では、パイプ押出し成形手段にて両者の密着力をコントロールすることによって所望の外被剥ぎ取り力をもつ外被5を被せることができる。
本発明のパイプ押出し法は、光ファイバテープ心線に被せる樹脂の「締め付け力」「グリップ力」をニップルやダイスの設定を変えることにより、外被5の剥ぎ取り力を100gf/200mm〜1000gf/200mmにすることができる。
【0007】
また、本発明の外被5の被覆手段としては、予め作成しておいたチューブ状被覆に光ファイバテープ心線2を挿入する方法が好ましい。この方法は、熱を加えることにより収縮するチューブを選定し、光ファイバテープ心線の外径より大きい内径のチューブに光ファイバテープ心線2を通し、その後熱を加えることによりチューブを収縮させて加工した製品である。光ファイバテープ心線の外径とチューブ内径との差、加熱速度及び加熱温度により密着力をコントロールすることができる。
例えば、テープ心線の長辺外径とチューブ内径との差を0.2〜0.4mm、熱収縮率50%程度、所定の肉厚のチューブを用いて、90〜120℃に2〜4分保持することにより、外被5の剥ぎ取り力を100gf/200mm〜1000gf/200mmにすることができる。
【0008】
このコントロールにより光ファイバテープ心線に被覆している外被の剥ぎ取り力が100gf/200mm以上1000gf/200mm以下にされる。剥ぎ取り力が100gf/200mm未満ではハンドリング時に外被のみがずれてしまい端末部にてテープ心線が露出するため100gf/200mm以上の剥ぎ取り力が必要である。また、その値が大き過ぎると、先にも述べたようにテープ心線状態で取り出すことができにくく、心線端末の作業性が極めて悪くなる。好ましくは300gf/200mm〜800gf/200mm、更に好ましくは500gf/200mm〜700gf/200mmである。
このように外被の剥ぎ取り力が従来のものに比べ低く、適度の範囲にあるので、カッターなどの一般的な工具を使用することにより、容易に難燃プラスチック外被のみを剥ぎ取ることができ、ファイバの光損失増を招くことがない。
【0009】
上記に示した外被剥ぎ取り力は、以下のようにして測定したものである。図2に示すように、350mm長の外被付きテープ心線1の両端部の外被を剃り刃等の鋭利な刃物にて一方端(左)を50mm、他方端(右)を100mmそれぞれ剥ぎ取り、その中間部に250mmの外被5を残す。その後、残った外被部を固定し、100mm剥ぎ取った心線部を引っ張り試験機6に固定し、外被部からテープ心線部を引き抜くのに要する力を測定し、その値を外被剥ぎ取り力とした。
【0010】
本発明の難燃性プラスチック外被材料は、テープ心線の共通被覆材が紫外線硬化型材料であることから、紫外線硬化型材料で被覆を施しても密着してしまうことは明らかであることから、難燃性プラスチック外被材料としては、ポリ塩化ビニル樹脂、難燃性ポリオレフィン樹脂が好ましく、これに限定されるものではなくポリアミド樹脂等も使用できる。
このような難燃性プラスチック外被材料は、上記したものに難燃性を付与させて使用することもできる。被覆を難燃化する方法としては、樹脂を合成する時に難燃性を付与することもでき、また、難燃性を付与されていない材料にも後から、例えば硬化前に難燃剤の添加を行うこともできる。
難燃剤としては、例えば、含ハロゲンリン酸エステル系、非ハロゲンリン酸エステル系、あるいは反応型ハロゲン系難燃剤等公知のものが利用できる。
外被の材料は、難燃性を考慮して、酸素指数25以上、好ましくは酸素指数27以上である難燃性プラスチック材料を使用するが、難燃剤の配合量を多くし過ぎると被覆層の物性が低下するので、酸素指数は40程度が上限となる。ここで示す酸素指数は、JIS K7201『酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法』により求められたものである。
【0011】
酸素指数25の難燃性プラスチック材料を使用した外被付き光ファイバテープ心線で、光ファイバケーブルの一般的な燃焼試験であるUL1581VW−1燃焼試験を行った実験の結果によると、外被厚さが0.2mm以上あれば、十分な難燃特性が得られることがわかった。勿論、酸素指数がより高い材料を使用すれば、外被の厚さはさらに薄くすることができることは容易に推測される。
また、この外被とする難燃性プラスチック材料は、低温時に収縮することが知られている。被覆材料の収縮量が大きいと、光ファイバテープ心線に曲げ応力を与えてしまい、光ファイバテープ心線の光損失値を増加させてしまう恐れがあるのはよく知られたことである。その収縮量は、一般に被覆の断面積に比例しているため、外被の厚さは、薄いほど良いことになる。光ファイバの心線数、プラスチック材料の線膨張係数にもよるが、厚さ0.8mm以下であれば、光ファイバテープ心線を曲げてしまうことはない。
【0012】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に具体的に示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
紫外線硬化型樹脂からなる被覆を施された径250μmの光ファイバ素線3が8本、図1に示すように平面状に平行に配列され、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂で一括被覆され、外径:0.4mm×2.1mmの8心テープ心線2が得られた。
チューブ寸法が、内径2.4mm、外径2.7mmで、酸素指数35の電子線架橋軟質難燃性ポリオレフィン製のチューブ内に前記8心テープ心線を挿入し、100℃に3分保持して、外被付き光ファイバテープ心線を得た。得られた外被付き光ファイバテープ心線の外被剥ぎ取り力は、平均値で500gf/200mmであった。
【0013】
【発明の効果】
本発明の外被付き光ファイバテープ心線を使用した場合、一般的な工具を使用して簡単に外被を剥ぎ取ることができ、光ファイバテープ心線端末にコネクター等を取り付けることができる。光配線箱等の配線に本発明の外被付き光ファイバテープ心線を使用した場合、従来の光ファイバテープ心線を配線させる作業と比較して、外傷からの保護のために光ファイバテープ心線の外周に被覆を施しているため、光ファイバの取り扱い性が容易になる。
また、外被の材料に難燃プラスチックを使用しているため、難燃特性も向上させることができると共に、低温時でも光ファイバの光損失増を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外被付き光ファイバテープ心線の一例を示す断面図である。
【図2】剥ぎ取り力の測定方法を示す簡略説明図で、(a)はテープ心線の長手方向に対し垂直な断面図、(b)は正面図である。
【図3】従来の光ファイバテープ心線の断面図である。
【符号の説明】
1 外被付き光ファイバテープ心線
2 光ファイバテープ心線
3 光ファイバ素線
4 共通被覆
5 外被
6 引っ張り試験機

Claims (4)

  1. 予め作成しておいたチューブ状被覆に光ファイバテープ心線を通すか、もしくは光ファイバテープ心線の外周に押出し成形することにより、光ファイバテープ心線の外周に難燃性プラスチック外被が形成され、その外被剥ぎ取り力が100gf/200mm以上1000gf/200mm以下であることを特徴とする外被付き光ファイバテープ心線。
  2. 前記難燃性プラスチック外被は、その酸素指数が25以上であることを特徴とする請求項1に記載の外被付き光ファイバテープ心線。
  3. 前記難燃性プラスチック外被の厚さは、0.2mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の外被付き光ファイバテープ心線。
  4. 前記難燃性プラスチック外被の厚さは、0.8mm以下であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の外被付き光ファイバテープ心線。
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