JP2004013479A - 通信ネットワークおよびリモートファイルアクセス方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】LANに接続された端末のアプリケーション機能が、外部ネットワークを介して接続された他のLAN内のファイルサーバ内に格納されているファイルに対するアクセスを行なう際に、アプリケーションの良好なレスポンス時間を実現するとともに端末の使用者がファイル更新内容の同期を明示的に行なう必要のない、煩雑さを解消した通信ネットワークおよびファイルアクセス方法を提供する。
【解決手段】端末上のアプリケーション機能が、ファイルサーバ内に格納されているファイルに対するアクセスを行なう場合に、端末内にローカルコピーとして保存して編集などの各種操作を行なう。同時に、端末とファイルサーバ間にセッションを確立し、端末内のアプリケーション機能に対応するアプリケーションエージェント機能がセッションを介してアプリケーション機能と送受信することによって、端末内のアプリケーション機能がファイルに対して行なった操作をファイルサーバ内のファイルに反映し、ファイル内容の同期を行なう。
【選択図】図1
【解決手段】端末上のアプリケーション機能が、ファイルサーバ内に格納されているファイルに対するアクセスを行なう場合に、端末内にローカルコピーとして保存して編集などの各種操作を行なう。同時に、端末とファイルサーバ間にセッションを確立し、端末内のアプリケーション機能に対応するアプリケーションエージェント機能がセッションを介してアプリケーション機能と送受信することによって、端末内のアプリケーション機能がファイルに対して行なった操作をファイルサーバ内のファイルに反映し、ファイル内容の同期を行なう。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の通信装置が通信ネットワークで結合された分散システムにおいて要求元通信装置から要求先通信装置のファイル(リモートファイル)に対してリモートアクセスする際のファイルアクセス方法およびこの方法を適用した通信ネットワークに関する。
【0002】
【従来の技術】
〔発明の背景〕近年、インターネット(the Internet)に代表される通信ネットワークが急速に発展している。これに伴い、我々がパーソナルコンピュータ(Personal Computer, PC)や携帯電話などの各種端末を用いて、ネットワークサービス提供者(Network Service Provider: NSP)が運用する通信ネットワークに接続し、電子メールの交換やワールドワイドウェブ(World Wide Web, WWW)の閲覧を行なうことが一般的になっている。
【0003】
また、非対称ディジタル加入者線(Asymmetric Digital Subscriber Line, ADSL)やケーブルテレビ網等の各種アクセス技術を用いた前記通信ネットワークへの常時接続サービスが提供されるようになってきている。
【0004】
常時接続サービスがさらに普及してゆくであろうことを考慮すると、例えば宅内等に構内網(Local Area Network, LAN)を構築し、ルータ等を介して前記構内網をNSP網に常時接続することが一般的になってゆくと予想される。LANには、PCやパーソナルディジタルアシスタント(Personal Digital Assistant, PDA)などの端末とともに、複数の端末から共通にアクセスされるリモートファイル(共通ファイル)等を格納するファイルサーバ等が接続されている。
【0005】
ファイルサーバ等に格納されている各種のファイルに関して、従来はファイルサーバ等と同一のLAN内に接続される端末のみからのアクセスが一般的であった。然しながら、上述したような状況の下では、外出時などにおいても端末を携行し、ホットスポット等に代表される公衆の無線LAN等、前記ファイルサーバが接続されるLANへの外部ネットワークからのファイルアクセスに対する需要が高まってゆくものと考えられる。
【0006】
NSP網によって、前記した宅内LANや無線LANなど複数のLANが相互に接続されたネットワークの構成の一例を図9のブロック図に示す。図9に例示する通信ネットワーク600は、主にネットワーク接続サービスの提供を行なうNSP網500、および前記NSP網500にルータ801を介して有線あるいは無線で接続される複数のLAN(図9中ではHome LAN:300とVisited LAN:400)、および前記NSP網500とゲートウェイ802を介して接続されている、他のNSP網や固定電話網や移動電話網などに代表される他のネットワーク700から構成されている。
【0007】
図9において、Home LAN:300とはある端末が通常接続されているLANである。例えば、ある人が自宅に宅内LANを構築しており、所有するPC等の端末を通常は宅内LANに接続して使用している場合、当該端末のHome LANは前記宅内LANである。また、Visited LAN:400は前記Home LAN以外のすべてのLANである。例えば、前記宅内LANに接続されているPCを携行して外出し、カフェや空港等でサービスが提供されている公衆無線LANに接続した場合、前記公衆無線LANはVisited LANである。
【0008】
Home LAN:300には、ファイルサーバ機能101を実装し共通ファイル等を蓄積するストレージ102を具備したファイルサーバ100が接続されている。また、HomeLAN:300には、少なくとも1つの端末200が接続されている。この端末200では、搭載したアプリケーション機能201を実行して、ファイルサーバ100のファイルサーバ機能101によりファイルサーバ100内のストレージ102に保存されている共通ファイル(リモートファイル)にアクセスして当該共通ファイルを操作することができる。
【0009】
図9に示すネットワークにおいて、端末200がHome LAN:300に接続されている場合であれば、当該端末上のアプリケーション機能がファイルサーバに格納されているファイルをアクセスする場合には、ファイルサーバ内の当該ファイルを直接アクセスし、読み込み、変更および書き込みなどを行なえばよい。一方、端末が移動した結果、Visited LAN:400に接続されていて、ファイルサーバ100内の共通ファイルをリモートファイルとしてアクセスする場合に関しては以下に示す二通りの方法が考えられる。
【0010】
第一の方法は、端末200がHome LAN:300に接続されていた場合と同様に、ファイルサーバ100内に格納されているアクセス対象のファイルを直接アクセスするものである。同方法では、端末上のアプリケーション機能201は、当該端末がHome LANに接続されている場合と同様の方法でファイルアクセスを行なうことができるという利点がある。しかしながら他方で、一般にはLANとNSP網を接続するアクセス回線は低速であるという状況の下で、NSP網500を介してファイルサーバ100に接続しなければならないために、ファイルアクセスのレスポンス時間が増大し、快適なファイル操作が妨げられる恐れがあるという問題がある。また、NSP網500上で頻繁にデータの送受信が行われるため、NSP網500のトラヒック増加に繋がり、場合によっては通信費用の増大となるという難点もある。
【0011】
第二の方法は、端末がVisited LAN:400に接続されている場合には、アプリケーション機能がファイルアクセスを行なうのに先立って、ファイルサーバ内に格納されているアクセス対象のファイルを取得して、端末内のローカルな記憶領域(ハードディスクドライブなど)にローカルコピーとして保存しておき、アプリケーション機能からは当該コピーをアクセスするものである。
【0012】
上記第二の方法では、アクセス対象のファイルがコピーとして端末内に格納されているため、第一の方法におけるレスポンス時間が増大するという問題を解決することができる。しかしながら、アプリケーション機能は端末内のコピーに対するアクセス(読み込み、編集および書き込みなど)を行なうのであるから、適宜の時点においてファイルサーバ100上のマスターファイルと端末内のコピーファイルについて、両者の内容の同期を行なう必要があり煩雑であるという問題がある。
【0013】
なお、本発明に関連する従来技術としては、本発明とは用途が異なるが特開2000−29766号公報(インターネットWWWによる情報サービス装置)には、リモートファイルアクセスについての技術が開示されている。また、特開平8−106412号公報(ファイル編集システム及び共有ファイル編集システム)には、計算機の共有ファイルシステムやデータベース・システムにおける共有ファイルの操作に関する技術について記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来技術における問題を解決し、LANに接続された端末内のアプリケーション機能が外部ネットワークを介して接続された他のLAN内のファイルサーバ内に格納されているファイルに対するアクセスを行なう際に、ローカルコピーファイルを用いることでアプリケーションの良好なレスポンス時間を実現し、かつ、端末の使用者がファイル更新内容の同期を明示的に行なう必要がなく煩雑さを解消した通信ネットワークおよびファイルアクセス方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
課題解決のため、請求項1に記載の発明では、複数の端末から共通にアクセスされるリモートファイルを格納するファイルサーバと、このファイルサーバにネットワークを介して接続されて前記リモートファイルを操作するアプリケーション機能を実装した複数の端末とを含むネットワークにおいて、前記ファイルサーバが、前記端末のアプリケーション機能と対応して前記リモートファイルを操作するためのアプリケーションエージェント機能を備え、前記端末の前記アプリケーション機能が前記ファイルサーバ内の前記リモートファイルにアクセスする際には、前記ファイルサーバからこの前記リモートファイルを取得していったん自端末内のローカルの記憶領域にローカルファイルとして保存してこのローカルファイルを前記アプリケーション機能が処理し、当該処理に対応した操作履歴内容を上りメッセージとして前記ファイルサーバのアプリケーションエージェント機能に送信し、受信した当該メッセージに対応して前記ファイルサーバのアプリケーションエージェント機能が操作履歴に基づく処理を前記リモートファイルに対して実行し、実行完了した処理過程を下りメッセージとして端末に送信するようにする。
【0016】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の通信ネットワークにおいて、前記ファイルサーバが、前記アプリケーションエージェント機能と端末間の通信を制御するセッション管理機能を更に備え、前記各端末が、前記アプリケーション機能とファイルサーバ間の通信を制御するセッション機能を更に備えるようにする。
【0017】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2のいずれかに記載の通信ネットワークにおいて、端末内のアプリケーション機能がローカルファイルの操作を行なう際に、当該ローカルファイルに対する各操作の操作履歴を記録しておき、アプリケーション機能が予め定められた特定のイベントを契機として、ファイルサーバに対して前記操作履歴に従った共通ファイルの操作要求を行なうようにする。
【0018】
請求項4に記載の発明では、請求項1または2のいずれかに記載の通信ネットワークにおいて、端末内のアプリケーション機能がローカルファイルの操作を行なう際に、当該ローカルファイルに対する各操作の操作履歴を記録しておき、アプリケーション機能が予め定められた時間間隔で、ファイルサーバに対して前記操作履歴に従ったリモートファイルの操作要求を行なうようにする。
【0019】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信ネットワークにおいて、前記端末が複数のアプリケーション機能を実装し、前記ファイルサーバが対応する複数のアプリケーションエージェント機能を実装する。
【0020】
上記各通信ネットワークでは、端末からリモートファイルにアクセスする際に、当該リモートファイルを端末内にローカルファイルとしてコピーし、このローカルファイルを操作することでアプリケーションのレスポンスを向上させるとともに、操作履歴を記憶して適宜ファイルサーバ側に送信し、ファイルサーバ側でリモートファイルに端末での操作を反映させてファイルの同期をとる。これにより、端末とファイルサーバ間のトラヒックを少なくでき、またユーザの使い勝手を向上できる。
【0021】
請求項6に記載の本発明方法は、複数の端末から共通にアクセスされるリモートファイルを格納するファイルサーバと、このファイルサーバにネットワークを介して接続されて前記リモートファイルを操作するアプリケーション機能を実装した複数の端末とを含むネットワークシステムにおけるリモートファイルのアクセス方法であって、アプリケーション実行端末の前記アプリケーション機能が前記ファイルサーバ内の前記リモートファイルにアクセスする際に、前記端末が、ファイルサーバから所定のリモートファイルを取得していったん自端末内のローカルの記憶領域にローカルファイルとして保存し、前記アプリケーション機能が行った前記ローカルファイルに対する処理の操作履歴を記憶しておき、適宜の時点で前記操作履歴内容を前記ファイルサーバに送信し、前記ファイルサーバでは、受信した前記操作履歴内容に従った処理を前記リモートファイルに対して行い、実行した処理を前記端末に送信する。請求項7に記載のように、前記操作履歴内容のファイルサーバへの送信は、アプリケーション機能が予め定められた特定のイベントを契機として、あるいは、予め定められた時間間隔で行うようにしても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明では、端末上のアプリケーション機能が、ファイルサーバ内に格納されているファイルに対するアクセスを行なう場合には、当該ファイルを取得して、アクセス元である端末内のローカルな記憶領域にローカルコピーとして保存し、当該コピーに対して編集などの各種操作を行なう。これと同時に、端末内のセッション管理機能とファイルサーバ内のセッション管理機能との間においてセッションを確立し、端末内のアプリケーション機能に対応するアプリケーションエージェント機能をファイルサーバ内において起動する。その後、端末上のアプリケーション機能が当該ファイルコピーに対して行なう各種操作に関する情報を、セッション管理機能間に確立されたセッションを介して、アプリケーション機能−アプリケーションエージェント機能間で送受信することによって、端末内のアプリケーション機能がファイルに対して行なった操作をファイルサーバ内のファイルに反映し、ファイル内容の同期を行なう。
【0023】
アプリケーション機能およびアプリケーションエージェント機能間で情報を送受信するセッションを管理するために、端末およびファイルサーバ内にはセッション管理機能が具備される。セッション管理機能は、当該セッションの発呼側利用者(主に端末内のアプリケーション機能)からの要求に従って、セッションの着呼側利用者(主にファイルサーバ内のアプリケーションエージェント機能)によって使用されるセッション管理機能との間でセッションの確立および切断を行なう。
【0024】
また、セッション管理機能は、当該セッションの発呼側利用者(主に端末内のアプリケーション機能)からの要求に従って、セッションの着呼側利用者(前記発呼側利用者に対応するアプリケーションエージェント機能)の起動および終了を行なうことができるとともに、複数の発呼側および着呼側利用者による同一セッションの使用をサポートすることができる。さらに、セッション管理機能は、発呼側利用者からの要求に従って、着呼側利用者に対して、ファイルの操作内容を含むメッセージを送信し、また、受信したメッセージから着呼側利用者に渡されるべきファイルの操作内容を取り出す処理を行なう。
【0025】
セッション管理機能に加えて、ファイルサーバ内にはアプリケーションエージェント機能が具備される。アプリケーションエージェント機能は、端末内のアプリケーション機能と対になり、セッションを通じて送信されてくるファイル操作内容に従ってファイルサーバ内に格納されている対応するファイルの操作を行なうものである。
【0026】
このアプリケーションエージェント機能は、ファイルの編集作業を行ないたい利用者から直接に使われることがないので、アプリケーション機能からファイルの操作とは無関係なユーザインタフェース等に関する処理を取り除いたものとなっている。もちろん、前記ユーザインタフェース処理等を含むアプリケーション機能そのものを、ファイルサーバ内に具備し、アプリケーションエージェント機能の役割を果たさせることも可能である。
【0027】
上記のように、本発明の特徴として、端末およびファイルサーバ上にアプリケーション機能、アプリケーションエージェント機能およびセッション管理機能を具備し、端末内のアプリケーション機能がファイルサーバ内のファイルにアクセスする際には、ファイルサーバからいったんローカルの記憶領域にコピーしたファイルをアプリケーション機能が編集し、ファイルサーバ上で起動された対応するアプリケーションエージェント機能との間でファイルに対する各種操作を示すメッセージを送受信することによって、ファイルアクセスに関する良好なレスポンス時間、および端末とファイルサーバ間でのファイル内容の同期を同時に実現することが可能となる。
【0028】
〔実施例〕以下、実施例を挙げ図面を用いて本発明を詳細について説明する。図1は、本発明を適用した通信ネットワークの一実施例の概略構成を示すブロック図である。図1に例示する通信ネットワークは、ファイルサーバおよび端末の細部構成を除き、概ね先の図9の通信ネットワーク同様の構成である。すなわち、通信ネットワーク600Aは、主にネットワーク接続サービスの提供を行なうNSP網500、および前記NSP網500にルータ801を介して有線あるいは無線で接続される複数のLAN(図1中ではHome LAN:300AとVisited LAN:400A)、および前記NSP網500とゲートウェイ802を介して接続されている他のNSP網や固定電話網や移動電話網などに代表される他の外部ネットワーク700から構成されている。
【0029】
それぞれのLAN(300A,400A,…)内には複数の端末が接続されており(図では、一つの端末200Aのみが明示されている)、同一のLANに接続された端末同士や接続されていればファイルサーバ(例えば100A)との間で通信を行なうことが可能である。また、NSP網500との接点であるルータ801を介してNSP網にアクセスすることによって、NSP網内のルータ801および他のLAN内に接続されている端末との間で通信を行なうことが可能である。
【0030】
おのおのの端末200Aの内部には、アプリケーション機能202(202a,202b,…)およびセッション管理機能203が具備されている。アプリケーション機能202は、例えばワードプロセッサ、スプレッドシートなどに代表されるものであり、おのおののアプリケーション機能が取り扱う固有のファイルの新規作成、編集および削除など各種の操作を行なうことができる。前記アプリケーション機能202が取り扱うファイルの格納場所は、端末200A内のローカルな記憶領域(図示なし)やファイルサーバ100A内のストレージ102となる。なお、単一の端末内に複数のアプリケーション機能が含まれることが可能である。
【0031】
セッション管理機能203は、アプリケーション機能202からの要求に従って、ファイルサーバ側のセッション管理機能104との間においてセッションの確立および切断を管理する。当該セッションの発呼側利用者となるのは、主に端末200A内のアプリケーション機能202であり、着呼側利用者となるのは主にファイルサーバ100A内のアプリケーションエージェント機能103もしくはアプリケーション機能である。また、セッション管理機能203はアプリケーション機能からの要求に従って、前記セッション上で、ファイル操作に関するメッセージの送受信を行なう。
【0032】
前記ファイルサーバ100A内には、ファイルサーバ機能101とストレージ102および前記アプリケーション機能に対応するアプリケーションエージェント機能103(103a,103b,…)、そして前記端末側のセッション管理機能と類似のセッション管理機能104が備わっている。セッション管理機能104は、端末側のセッション管理機能203との間にセッションを確立し、またアプリケーションエージェント機能103からの要求に従って、前記セッション上で、ファイル操作に関するメッセージの送受信を行なう。
【0033】
アプリケーションエージェント機能103は、端末内の前記アプリケーション機能202がファイルに行なった操作履歴をセッション管理機能104を介して受信し、ファイルサーバ内のストレージ102に格納されているファイル(共通ファイル)に対して前記操作履歴が示す操作(処理)を反映させる。このアプリケーションエージェント機能103は、端末側におけるアプリケーション機能202から、ファイル操作に無関係なユーザインタフェースの処理などを取り除いたものを主要部としている。
【0034】
図2は、本実施例における端末200A内のアプリケーション機能(202a,202b,…)とセッション管理機能203、およびファイルサーバ100A内のアプリケーションエージェント機能(103a,103b,…)とセッション管理機能104の関連を示すブロック図である。
【0035】
図2に示すように、端末内の各アプリケーション機能は、アプリケーション機能とセッション管理機能203の間に規定された所定インタフェースを介して、ファイルサーバ側のセッション管理機能104にアプリケーションエージェント機能の起動/終了要求やファイル内容の同期要求を渡す。このセッション管理機能203は、複数のアプリケーション機能からの要求をセッション上に多重化する機能を持つ。
【0036】
一方、ファイルサーバ内の各アプリケーションエージェント機能は、アプリケーションエージェント機能とセッション管理機能の間に規定されたインタフェース(アプリケーション機能とセッション管理機能間のインタフェースと同等)を介して、端末側からの前記アプリケーションエージェント機能の起動/終了要求やファイル内容の同期要求を受け取る。このセッション管理機能104は、多重化された要求を複数のアプリケーションエージェント機能に振り分ける機能を持つ。
【0037】
続いて、図1の通信ネットワークにおいて、Visited LANに接続された端末がHome LANに接続されているファイルサーバ内に格納されているファイルにアクセスし、当該ファイルに対して編集を行ない、その後ファイルを閉じる処理が行なわれる場合の手順の一例を図3〜図8を参照して説明する。
【0038】
図3は、実施例の通信ネットワークにおいて、Visited LAN:400Aに接続された端末200Aが、Home LAN:300Aに接続されているファイルサーバ100A内に格納されているファイルをオープンし、編集作業を行なえるようになるまでの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0039】
Visited LAN:400Aに接続された端末200A内のアプリケーション機能(例えば202a)は、Home LAN:300Aに接続されたファイルサーバ100A内のファイルサーバ機能101に対して、アクセスしたいファイルを示す識別子を含めたファイルの取得要求を送信する。このような識別子の例としては、ユニフォームリソースロケータ(Uniform Resource Locator, URL)が挙げられる。ファイルサーバ側では、上記要求を受信したファイルサーバ機能101が、要求元アプリケーション機能202aに対して要求されたファイルを送信する。
【0040】
所望のファイルを受信した端末内のアプリケーション機能202aは、先ず受信したファイルをローカルな記憶領域(例えばメモリあるいはハードディスク等)にローカルファイルとして格納し、当該ローカルファイルをオープンする。続いて、アプリケーション機能202aは、当該端末内のセッション管理機能203に対して、当該アプリケーション機能202aに対応するアプリケーションエージェント機能103aの起動要求を渡す。当該起動要求には、アプリケーションエージェント機能の名前およびファイルサーバ100A内に格納されているファイルの識別子(URL)が含まれている。
【0041】
端末内のセッション管理機能203は、同セッション管理機能とファイルサーバ内のセッション管理機能104との間でのセッションが未確立である場合のみ、ファイルサーバ内のセッション管理機能104との間のセッションを確立するため、セッション確立要求メッセージを生成して、ファイルサーバ100Aに対して送信する。ファイルサーバ内のセッション管理機能104は、前記セッション確立要求メッセージを受信、解析し、これに対する応答メッセージを生成して端末200Aに送信する。
【0042】
その後、端末内のセッション管理機能203は、上記応答メッセージを受信、解析し、これに対する確認メッセージを生成してファイルサーバ100Aに送信する。この時点で、両セッション管理機能間でのセッションが確立したことになる。ただし、これらのセッション確立のためのステップは、既に両セッション管理機能間でのセッションが確立されている場合には実行されない。
【0043】
セッション管理機能間で送受信されるメッセージの形式を規定するとともに、メッセージの送受信について規定するプロトコルの例としては、セッションイニシエーションプロトコル(Session Initiation Protocol, SIP)を挙げることができる。
【0044】
セッション管理機能間でのセッション確立が成功すると、端末内のセッション管理機能203は、受信した起動要求に含まれるアプリケーションエージェント機能名およびファイル識別子を使用して、アプリケーションエージェント機能103の起動を要求するインスタントメッセージを生成し、ファイルサーバ100A内のセッション管理機能104に対して送信する。本ステップで生成されるインスタントメッセージの例を図4(a)に示す。
【0045】
前記インスタントメッセージを受信したファイルサーバ内のセッション管理機能104は、この受信メッセージを解析して、端末が指定したアプリケーションエージェント機能ならびに当該アプリケーションエージェント機能に渡される要求に関する記述を取り出す。本インスタントメッセージには、アプリケーションエージェントの起動要求およびファイルの識別子が含まれているので、セッション管理機能104は、指定されたアプリケーションエージェント103を起動し、ファイルの識別子を渡す。
【0046】
アプリケーションエージェント機能103が起動すると、ファイルサーバ機能101に対して指定されたファイルの取得を要求する。要求したファイルが得られれば、ファイルサーバ内のアプリケーションエージェント機能103は、当該ファイルをオープンする。そしてセッション管理機能104に対してアプリケーションエージェント機能の起動および指定されたファイルのオープンが完了した旨の応答を送信する。
【0047】
前記応答を受け取ったセッション管理機能104は、先のインスタントメッセージに対する応答メッセージを生成し、端末内のセッション管理機能203に対して送信する。この応答メッセージの例を図4(b)に示す。端末内のセッション管理機能203では、前記応答メッセージを解析し、アプリケーション機能202に対して、アプリケーションエージェント機能の起動が完了した旨を通知する。この時点で、端末内のアプリケーション機能202において、ファイルを操作する準備が整ったことになる。
【0048】
図5は、本実施例通信ネットワークにおいて、Visited LAN:400Aに接続された端末がファイルの操作を行ない、その操作内容がHome LAN:300Aに接続されているファイルサーバ内のファイルに反映される過程の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0049】
端末内のアプリケーション機能202が自端末のローカルファイルの操作を行なう際には、当該ローカルファイルに対する各操作の操作履歴を記録しておく。このような状況下において、予め定められたある特定のイベント(例えば、当該ローカルファイルのセーブ処理など)を契機として、アプリケーション機能202はセッション管理機能203に対してファイル内容の同期要求を行なう。本同期要求には、アプリケーション機能202において記録しておいたファイルに対する操作履歴情報が含まれている。
【0050】
同期要求を受信したセッション管理機能203は、前記操作履歴を含むインスタントメッセージを生成し、ファイルサーバ100A上のセッション管理機能104に対して送信する。本ステップで生成されるインスタントメッセージの例を図6(a)に示す。図6(a)に例示のメッセージにおいて、アプリケーションエージェント機能202に渡される部分は、指定されたテキストファイル(ローカルファイル)のオフセット80の位置に、文字列”foo”を挿入し、オフセット90の位置からオフセット95の位置までを削除することを意味している。
【0051】
前記インスタントメッセージを受信したセッション管理機能104は、受信したインスタントメッセージから端末内のアプリケーション機能202がローカルファイルに対して行なった操作履歴を取り出し、ファイルサーバ内のアプリケーションエージェント機能103に通知する。アプリケーションエージェント機能103は、通知された操作履歴に従ってファイルサーバ上のファイルを操作・更新し、ファイルサーバに対して更新ファイルの書き戻しを行なう。その後、ファイル内容の同期要求に対する応答をセッション管理機能104に送信する。
【0052】
前記応答を受け取ったセッション管理機能104は、インスタントメッセージに対する応答メッセージを生成し、NSP網500を介して端末内のセッション管理機能203に対して送信する。本応答メッセージの例を図6(b)に示す。端末内のセッション管理機能203が、前記応答メッセージを受信した結果、ファイルサーバ内のファイルが正常に更新された旨を検知するとアプリケーション機能203に対して通知がなされ、操作履歴の既送信部分が削除されて同期処理を終了する。一方、内容同期に失敗したことを検知すると、アプリケーション機能203に対して、その旨を通知して処理を終了する。
【0053】
以上説明した手順を用いることで、アプリケーション機能によるファイル操作の最中にも、特定のイベントを契機とするファイル同期を行なうことによって、端末内アプリケーション機能が操作するファイルとファイルサーバ上のファイルとの同期を取ることができる。また、同期作業は端末アプリケーション動作のバックグラウンドで行なわれるから、ファイル内容の同期処理によってアプリケーションの良好なレスポンスが損なわれることもない。
【0054】
次に、実施例の通信ネットワーク600Aにおいて、Visited LAN:400Aに接続された端末200Aが、Home LAN:300Aに接続されているファイルサーバ100A内に格納されているリモートファイルに対応するローカルファイルをクローズする場合の処理について説明する。図7はこの場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0055】
端末200A内のアプリケーション機能202がローカルファイルをクローズすると、アプリケーション機能202は当該端末内のセッション管理機能203に対して、当該アプリケーション機能に対応するファイルサーバ側のアプリケーションエージェント機能103の終了要求を渡す。本終了要求には、アプリケーションエージェント機能の名前およびファイルサーバ内に格納されているファイルの識別子(URL)が含まれる。
【0056】
終了要求を受信したセッション管理機能203は、受信した終了要求に含まれるアプリケーションエージェント機能名およびファイル識別子を使用して、アプリケーションエージェント機能の終了を要求するインスタントメッセージを生成し、ファイルサーバ内のセッション管理機能104に対して送信する。本ステップで生成されるインスタントメッセージの例を図8(a)に示す。
【0057】
前記インスタントメッセージをNSP網500を介して受信したファイルサーバ内のセッション管理機能104は、受信メッセージを解析して、端末が指定したアプリケーションエージェント機能の記述とともに、当該アプリケーションエージェント機能に渡される要求に関する記述を取り出す。本インスタントメッセージには、アプリケーションエージェントの終了要求およびファイルの識別子が含まれているので、セッション管理機能104は、これらのデータを所定のアプリケーションエージェント機能103に渡す。
【0058】
前記データを渡されたアプリケーションエージェント機能103は、ファイル識別子で指定されたファイルをクローズした後、セッション管理機能104に対してアプリケーションエージェント機能の終了が完了した旨の応答を送信してアプリケーションエージェント機能の実行を終了する。
【0059】
前記応答を受け取ったセッション管理機能104は、先のインスタントメッセージに対する応答メッセージを生成して、端末内のセッション管理機能203に対して送信する。本応答メッセージの例を図8(b)に示す。端末内のセッション管理機能203は、前記応答メッセージを解析し、アプリケーション機能202に対して、アプリケーションエージェント機能103の終了が完了した旨を通知する。この通知を待ってアプリケーション機能202が停止する。
【0060】
上述説明のように、本実施例の通信ネットワークにおけるリモートファイルのアクセス方法では、アプリケーション実行端末の前記アプリケーション機能が前記ファイルサーバ内の前記リモートファイルにアクセスする際に、前記端末が、ファイルサーバから所定のリモートファイルを取得していったん自端末内のローカルの記憶領域にローカルファイルとして保存し、前記アプリケーション機能が行った前記ローカルファイルに対する処理の操作履歴を記憶しておき、適宜の時点で前記操作履歴内容を前記ファイルサーバに送信するようにし、前記ファイルサーバでは、受信した前記操作履歴内容に従った処理を前記リモートファイルに対して行い、実行した処理を前記端末に送信する。なお、前記操作履歴内容のファイルサーバへの送信は、アプリケーション機能が予め定められた特定のイベントを契機として、あるいは、予め定められた時間間隔で行うようにする。実施例では、上述各過程は、前記端末およびファイルサーバそれぞれが具備したセッション管理機能により制御される。
【0061】
以上に説明した本実施例の通信ネットワークによれば、端末およびファイルサーバ内にセッション管理機能を設け、セッション管理機能間においてセッションを確立し、本セッションの利用者であるアプリケーション機能およびアプリケーションエージェント機能の間において、本セッションを用いてファイルの操作履歴をインスタントメッセージとして送受信することにより、端末内のアプリケーション機能はローカルファイルを直接編集することによる良好なレスポンスが得られる。また、編集中の特定のイベントを契機としてファイルサーバ上のファイルとの内容同期を行なうことによって、別途ファイル内容の同期を明示的に行なわなくとも、端末およびファイルサーバ上ファイルの内容同期を行なうことが可能となる。また、本同期処理はアプリケーション機能のバックグラウンドで行なわれるため、レスポンスの良好性を損なうことがない。
【0062】
なお、実施例において、端末がHome LANに接続されている場合にも、上述したファイルアクセス方法を適用しても良く、Home LAN内のトラヒックを削減する等の効果が同様に得られる。
【0063】
なお、本発明は、上記実施例に限定されることなく変形して実施が可能である。例えば、端末側からのファイルの同期要求は所定時間間隔で行うようにしても良く、またこれを実施例で説明した特定イベントを契機とするファイルの同期要求と併用しても良い。
【0064】
実施例では、Home LANにファイルサーバがあり、同一の端末が一時的にVisited LANに接続されて、外部ネットワークとしてのNSP網を介してファイルサーバ内の共有ファイルを利用する場合を挙げたが、本発明はこれに限らず一般に、ファイルサーバ内の共有ファイルを、当該ファイルサーバが接続されているネットワークあるいは外部ネットワークを経由してアクセスする通信ネットワークシステム一般に広く適用できる。すなわち、ファイルサーバに既述したようなアプリケーションエージェント機能およびセッション管理機能を実装し、また端末側に既述したようなアプリケーション機能およびセッション管理機能を実装することで前述したような効果を同様に得ることができる。
【0065】
共有ファイルを複数のユーザが同時に編集するシステムにも応用することができる。このような場合には、適宜のファイル管理機能が共有ファイルのアクセスおよび更新の管理を行うものとする。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通信ネットワークを介して接続された端末およびファイルサーバ内にそれぞれセッション管理機能を設け、セッション管理機能間においてセッションを確立し、本セッションの利用者である端末側のアプリケーション機能およびファイルサーバ側のアプリケーションエージェント機能の間において、当該セッションを用いてファイルの操作履歴をインスタントメッセージとして送受信することにより、端末内のアプリケーション機能ではローカルファイルを直接編集することによる良好なレスポンスが得られる。また、編集過程中の特定のイベントを契機とする等によって、ローカルファイルとファイルサーバ上の共有ファイルとの内容同期を行なうことによって、ユーザが別途ファイル内容の同期を明示的に行なわなくとも、端末およびファイルサーバ上ファイルの内容同期を行なうことが可能となりユーザの使い勝手も良好である。なお、この同期処理はアプリケーション機能のバックグラウンドで行なわれるため、良好なレスポンスの妨げになることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通信ネットワークの一実施例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施例における端末内のアプリケーション機能とセッション管理機能、およびファイルサーバ内のアプリケーションエージェント機能とセッション管理機能の関連を示すブロック図である。
【図3】実施例の通信ネットワークにおいて、端末がファイルサーバ内に格納されているファイルをオープンし、編集作業を行なうまでの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図4】(a)は端末内のセッション管理機能が生成するインスタントメッセージの例を示す図、(b)はファイルサーバ内のセッション管理機能が生成する応答メッセージの例を示す図である。
【図5】実施例の通信ネットワークにおいて、端末がファイルの操作を行ない、その操作内容がファイルサーバ内のファイルに反映される処理の流れを示すシーケンス図である。
【図6】(a)は端末内のセッション管理機能が生成するインスタントメッセージの例を示す図、(b)はファイルサーバ内のセッション管理機能が生成する応答メッセージの例を示す図である。
【図7】実施例の通信ネットワークにおいて、端末がローカルファイルをクローズする場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図8】(a)は端末内のセッション管理機能が生成するインスタントメッセージの例を示す図、(b)はファイルサーバ内のセッション管理機能が生成する応答メッセージの例を示す図である。
【図9】複数のLANが相互に接続されたネットワークの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100A…ファイルサーバ
101…ファイルサーバ機能
102…ストレージ
103(103a,103b,…)…アプリケーションエージェント機能
104…(サーバ内)セッション管理機能
200A…端末
202(202a,202b,…)…アプリケーション機能
203…セッション管理機能
300A…Home LAN
400A…Visited LAN
500…NSP網((Network Service Provider網)
600A…通信ネットワーク
700…外部ネットワーク
801…ルータ
802…ゲートウェイ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の通信装置が通信ネットワークで結合された分散システムにおいて要求元通信装置から要求先通信装置のファイル(リモートファイル)に対してリモートアクセスする際のファイルアクセス方法およびこの方法を適用した通信ネットワークに関する。
【0002】
【従来の技術】
〔発明の背景〕近年、インターネット(the Internet)に代表される通信ネットワークが急速に発展している。これに伴い、我々がパーソナルコンピュータ(Personal Computer, PC)や携帯電話などの各種端末を用いて、ネットワークサービス提供者(Network Service Provider: NSP)が運用する通信ネットワークに接続し、電子メールの交換やワールドワイドウェブ(World Wide Web, WWW)の閲覧を行なうことが一般的になっている。
【0003】
また、非対称ディジタル加入者線(Asymmetric Digital Subscriber Line, ADSL)やケーブルテレビ網等の各種アクセス技術を用いた前記通信ネットワークへの常時接続サービスが提供されるようになってきている。
【0004】
常時接続サービスがさらに普及してゆくであろうことを考慮すると、例えば宅内等に構内網(Local Area Network, LAN)を構築し、ルータ等を介して前記構内網をNSP網に常時接続することが一般的になってゆくと予想される。LANには、PCやパーソナルディジタルアシスタント(Personal Digital Assistant, PDA)などの端末とともに、複数の端末から共通にアクセスされるリモートファイル(共通ファイル)等を格納するファイルサーバ等が接続されている。
【0005】
ファイルサーバ等に格納されている各種のファイルに関して、従来はファイルサーバ等と同一のLAN内に接続される端末のみからのアクセスが一般的であった。然しながら、上述したような状況の下では、外出時などにおいても端末を携行し、ホットスポット等に代表される公衆の無線LAN等、前記ファイルサーバが接続されるLANへの外部ネットワークからのファイルアクセスに対する需要が高まってゆくものと考えられる。
【0006】
NSP網によって、前記した宅内LANや無線LANなど複数のLANが相互に接続されたネットワークの構成の一例を図9のブロック図に示す。図9に例示する通信ネットワーク600は、主にネットワーク接続サービスの提供を行なうNSP網500、および前記NSP網500にルータ801を介して有線あるいは無線で接続される複数のLAN(図9中ではHome LAN:300とVisited LAN:400)、および前記NSP網500とゲートウェイ802を介して接続されている、他のNSP網や固定電話網や移動電話網などに代表される他のネットワーク700から構成されている。
【0007】
図9において、Home LAN:300とはある端末が通常接続されているLANである。例えば、ある人が自宅に宅内LANを構築しており、所有するPC等の端末を通常は宅内LANに接続して使用している場合、当該端末のHome LANは前記宅内LANである。また、Visited LAN:400は前記Home LAN以外のすべてのLANである。例えば、前記宅内LANに接続されているPCを携行して外出し、カフェや空港等でサービスが提供されている公衆無線LANに接続した場合、前記公衆無線LANはVisited LANである。
【0008】
Home LAN:300には、ファイルサーバ機能101を実装し共通ファイル等を蓄積するストレージ102を具備したファイルサーバ100が接続されている。また、HomeLAN:300には、少なくとも1つの端末200が接続されている。この端末200では、搭載したアプリケーション機能201を実行して、ファイルサーバ100のファイルサーバ機能101によりファイルサーバ100内のストレージ102に保存されている共通ファイル(リモートファイル)にアクセスして当該共通ファイルを操作することができる。
【0009】
図9に示すネットワークにおいて、端末200がHome LAN:300に接続されている場合であれば、当該端末上のアプリケーション機能がファイルサーバに格納されているファイルをアクセスする場合には、ファイルサーバ内の当該ファイルを直接アクセスし、読み込み、変更および書き込みなどを行なえばよい。一方、端末が移動した結果、Visited LAN:400に接続されていて、ファイルサーバ100内の共通ファイルをリモートファイルとしてアクセスする場合に関しては以下に示す二通りの方法が考えられる。
【0010】
第一の方法は、端末200がHome LAN:300に接続されていた場合と同様に、ファイルサーバ100内に格納されているアクセス対象のファイルを直接アクセスするものである。同方法では、端末上のアプリケーション機能201は、当該端末がHome LANに接続されている場合と同様の方法でファイルアクセスを行なうことができるという利点がある。しかしながら他方で、一般にはLANとNSP網を接続するアクセス回線は低速であるという状況の下で、NSP網500を介してファイルサーバ100に接続しなければならないために、ファイルアクセスのレスポンス時間が増大し、快適なファイル操作が妨げられる恐れがあるという問題がある。また、NSP網500上で頻繁にデータの送受信が行われるため、NSP網500のトラヒック増加に繋がり、場合によっては通信費用の増大となるという難点もある。
【0011】
第二の方法は、端末がVisited LAN:400に接続されている場合には、アプリケーション機能がファイルアクセスを行なうのに先立って、ファイルサーバ内に格納されているアクセス対象のファイルを取得して、端末内のローカルな記憶領域(ハードディスクドライブなど)にローカルコピーとして保存しておき、アプリケーション機能からは当該コピーをアクセスするものである。
【0012】
上記第二の方法では、アクセス対象のファイルがコピーとして端末内に格納されているため、第一の方法におけるレスポンス時間が増大するという問題を解決することができる。しかしながら、アプリケーション機能は端末内のコピーに対するアクセス(読み込み、編集および書き込みなど)を行なうのであるから、適宜の時点においてファイルサーバ100上のマスターファイルと端末内のコピーファイルについて、両者の内容の同期を行なう必要があり煩雑であるという問題がある。
【0013】
なお、本発明に関連する従来技術としては、本発明とは用途が異なるが特開2000−29766号公報(インターネットWWWによる情報サービス装置)には、リモートファイルアクセスについての技術が開示されている。また、特開平8−106412号公報(ファイル編集システム及び共有ファイル編集システム)には、計算機の共有ファイルシステムやデータベース・システムにおける共有ファイルの操作に関する技術について記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来技術における問題を解決し、LANに接続された端末内のアプリケーション機能が外部ネットワークを介して接続された他のLAN内のファイルサーバ内に格納されているファイルに対するアクセスを行なう際に、ローカルコピーファイルを用いることでアプリケーションの良好なレスポンス時間を実現し、かつ、端末の使用者がファイル更新内容の同期を明示的に行なう必要がなく煩雑さを解消した通信ネットワークおよびファイルアクセス方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
課題解決のため、請求項1に記載の発明では、複数の端末から共通にアクセスされるリモートファイルを格納するファイルサーバと、このファイルサーバにネットワークを介して接続されて前記リモートファイルを操作するアプリケーション機能を実装した複数の端末とを含むネットワークにおいて、前記ファイルサーバが、前記端末のアプリケーション機能と対応して前記リモートファイルを操作するためのアプリケーションエージェント機能を備え、前記端末の前記アプリケーション機能が前記ファイルサーバ内の前記リモートファイルにアクセスする際には、前記ファイルサーバからこの前記リモートファイルを取得していったん自端末内のローカルの記憶領域にローカルファイルとして保存してこのローカルファイルを前記アプリケーション機能が処理し、当該処理に対応した操作履歴内容を上りメッセージとして前記ファイルサーバのアプリケーションエージェント機能に送信し、受信した当該メッセージに対応して前記ファイルサーバのアプリケーションエージェント機能が操作履歴に基づく処理を前記リモートファイルに対して実行し、実行完了した処理過程を下りメッセージとして端末に送信するようにする。
【0016】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の通信ネットワークにおいて、前記ファイルサーバが、前記アプリケーションエージェント機能と端末間の通信を制御するセッション管理機能を更に備え、前記各端末が、前記アプリケーション機能とファイルサーバ間の通信を制御するセッション機能を更に備えるようにする。
【0017】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2のいずれかに記載の通信ネットワークにおいて、端末内のアプリケーション機能がローカルファイルの操作を行なう際に、当該ローカルファイルに対する各操作の操作履歴を記録しておき、アプリケーション機能が予め定められた特定のイベントを契機として、ファイルサーバに対して前記操作履歴に従った共通ファイルの操作要求を行なうようにする。
【0018】
請求項4に記載の発明では、請求項1または2のいずれかに記載の通信ネットワークにおいて、端末内のアプリケーション機能がローカルファイルの操作を行なう際に、当該ローカルファイルに対する各操作の操作履歴を記録しておき、アプリケーション機能が予め定められた時間間隔で、ファイルサーバに対して前記操作履歴に従ったリモートファイルの操作要求を行なうようにする。
【0019】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信ネットワークにおいて、前記端末が複数のアプリケーション機能を実装し、前記ファイルサーバが対応する複数のアプリケーションエージェント機能を実装する。
【0020】
上記各通信ネットワークでは、端末からリモートファイルにアクセスする際に、当該リモートファイルを端末内にローカルファイルとしてコピーし、このローカルファイルを操作することでアプリケーションのレスポンスを向上させるとともに、操作履歴を記憶して適宜ファイルサーバ側に送信し、ファイルサーバ側でリモートファイルに端末での操作を反映させてファイルの同期をとる。これにより、端末とファイルサーバ間のトラヒックを少なくでき、またユーザの使い勝手を向上できる。
【0021】
請求項6に記載の本発明方法は、複数の端末から共通にアクセスされるリモートファイルを格納するファイルサーバと、このファイルサーバにネットワークを介して接続されて前記リモートファイルを操作するアプリケーション機能を実装した複数の端末とを含むネットワークシステムにおけるリモートファイルのアクセス方法であって、アプリケーション実行端末の前記アプリケーション機能が前記ファイルサーバ内の前記リモートファイルにアクセスする際に、前記端末が、ファイルサーバから所定のリモートファイルを取得していったん自端末内のローカルの記憶領域にローカルファイルとして保存し、前記アプリケーション機能が行った前記ローカルファイルに対する処理の操作履歴を記憶しておき、適宜の時点で前記操作履歴内容を前記ファイルサーバに送信し、前記ファイルサーバでは、受信した前記操作履歴内容に従った処理を前記リモートファイルに対して行い、実行した処理を前記端末に送信する。請求項7に記載のように、前記操作履歴内容のファイルサーバへの送信は、アプリケーション機能が予め定められた特定のイベントを契機として、あるいは、予め定められた時間間隔で行うようにしても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明では、端末上のアプリケーション機能が、ファイルサーバ内に格納されているファイルに対するアクセスを行なう場合には、当該ファイルを取得して、アクセス元である端末内のローカルな記憶領域にローカルコピーとして保存し、当該コピーに対して編集などの各種操作を行なう。これと同時に、端末内のセッション管理機能とファイルサーバ内のセッション管理機能との間においてセッションを確立し、端末内のアプリケーション機能に対応するアプリケーションエージェント機能をファイルサーバ内において起動する。その後、端末上のアプリケーション機能が当該ファイルコピーに対して行なう各種操作に関する情報を、セッション管理機能間に確立されたセッションを介して、アプリケーション機能−アプリケーションエージェント機能間で送受信することによって、端末内のアプリケーション機能がファイルに対して行なった操作をファイルサーバ内のファイルに反映し、ファイル内容の同期を行なう。
【0023】
アプリケーション機能およびアプリケーションエージェント機能間で情報を送受信するセッションを管理するために、端末およびファイルサーバ内にはセッション管理機能が具備される。セッション管理機能は、当該セッションの発呼側利用者(主に端末内のアプリケーション機能)からの要求に従って、セッションの着呼側利用者(主にファイルサーバ内のアプリケーションエージェント機能)によって使用されるセッション管理機能との間でセッションの確立および切断を行なう。
【0024】
また、セッション管理機能は、当該セッションの発呼側利用者(主に端末内のアプリケーション機能)からの要求に従って、セッションの着呼側利用者(前記発呼側利用者に対応するアプリケーションエージェント機能)の起動および終了を行なうことができるとともに、複数の発呼側および着呼側利用者による同一セッションの使用をサポートすることができる。さらに、セッション管理機能は、発呼側利用者からの要求に従って、着呼側利用者に対して、ファイルの操作内容を含むメッセージを送信し、また、受信したメッセージから着呼側利用者に渡されるべきファイルの操作内容を取り出す処理を行なう。
【0025】
セッション管理機能に加えて、ファイルサーバ内にはアプリケーションエージェント機能が具備される。アプリケーションエージェント機能は、端末内のアプリケーション機能と対になり、セッションを通じて送信されてくるファイル操作内容に従ってファイルサーバ内に格納されている対応するファイルの操作を行なうものである。
【0026】
このアプリケーションエージェント機能は、ファイルの編集作業を行ないたい利用者から直接に使われることがないので、アプリケーション機能からファイルの操作とは無関係なユーザインタフェース等に関する処理を取り除いたものとなっている。もちろん、前記ユーザインタフェース処理等を含むアプリケーション機能そのものを、ファイルサーバ内に具備し、アプリケーションエージェント機能の役割を果たさせることも可能である。
【0027】
上記のように、本発明の特徴として、端末およびファイルサーバ上にアプリケーション機能、アプリケーションエージェント機能およびセッション管理機能を具備し、端末内のアプリケーション機能がファイルサーバ内のファイルにアクセスする際には、ファイルサーバからいったんローカルの記憶領域にコピーしたファイルをアプリケーション機能が編集し、ファイルサーバ上で起動された対応するアプリケーションエージェント機能との間でファイルに対する各種操作を示すメッセージを送受信することによって、ファイルアクセスに関する良好なレスポンス時間、および端末とファイルサーバ間でのファイル内容の同期を同時に実現することが可能となる。
【0028】
〔実施例〕以下、実施例を挙げ図面を用いて本発明を詳細について説明する。図1は、本発明を適用した通信ネットワークの一実施例の概略構成を示すブロック図である。図1に例示する通信ネットワークは、ファイルサーバおよび端末の細部構成を除き、概ね先の図9の通信ネットワーク同様の構成である。すなわち、通信ネットワーク600Aは、主にネットワーク接続サービスの提供を行なうNSP網500、および前記NSP網500にルータ801を介して有線あるいは無線で接続される複数のLAN(図1中ではHome LAN:300AとVisited LAN:400A)、および前記NSP網500とゲートウェイ802を介して接続されている他のNSP網や固定電話網や移動電話網などに代表される他の外部ネットワーク700から構成されている。
【0029】
それぞれのLAN(300A,400A,…)内には複数の端末が接続されており(図では、一つの端末200Aのみが明示されている)、同一のLANに接続された端末同士や接続されていればファイルサーバ(例えば100A)との間で通信を行なうことが可能である。また、NSP網500との接点であるルータ801を介してNSP網にアクセスすることによって、NSP網内のルータ801および他のLAN内に接続されている端末との間で通信を行なうことが可能である。
【0030】
おのおのの端末200Aの内部には、アプリケーション機能202(202a,202b,…)およびセッション管理機能203が具備されている。アプリケーション機能202は、例えばワードプロセッサ、スプレッドシートなどに代表されるものであり、おのおののアプリケーション機能が取り扱う固有のファイルの新規作成、編集および削除など各種の操作を行なうことができる。前記アプリケーション機能202が取り扱うファイルの格納場所は、端末200A内のローカルな記憶領域(図示なし)やファイルサーバ100A内のストレージ102となる。なお、単一の端末内に複数のアプリケーション機能が含まれることが可能である。
【0031】
セッション管理機能203は、アプリケーション機能202からの要求に従って、ファイルサーバ側のセッション管理機能104との間においてセッションの確立および切断を管理する。当該セッションの発呼側利用者となるのは、主に端末200A内のアプリケーション機能202であり、着呼側利用者となるのは主にファイルサーバ100A内のアプリケーションエージェント機能103もしくはアプリケーション機能である。また、セッション管理機能203はアプリケーション機能からの要求に従って、前記セッション上で、ファイル操作に関するメッセージの送受信を行なう。
【0032】
前記ファイルサーバ100A内には、ファイルサーバ機能101とストレージ102および前記アプリケーション機能に対応するアプリケーションエージェント機能103(103a,103b,…)、そして前記端末側のセッション管理機能と類似のセッション管理機能104が備わっている。セッション管理機能104は、端末側のセッション管理機能203との間にセッションを確立し、またアプリケーションエージェント機能103からの要求に従って、前記セッション上で、ファイル操作に関するメッセージの送受信を行なう。
【0033】
アプリケーションエージェント機能103は、端末内の前記アプリケーション機能202がファイルに行なった操作履歴をセッション管理機能104を介して受信し、ファイルサーバ内のストレージ102に格納されているファイル(共通ファイル)に対して前記操作履歴が示す操作(処理)を反映させる。このアプリケーションエージェント機能103は、端末側におけるアプリケーション機能202から、ファイル操作に無関係なユーザインタフェースの処理などを取り除いたものを主要部としている。
【0034】
図2は、本実施例における端末200A内のアプリケーション機能(202a,202b,…)とセッション管理機能203、およびファイルサーバ100A内のアプリケーションエージェント機能(103a,103b,…)とセッション管理機能104の関連を示すブロック図である。
【0035】
図2に示すように、端末内の各アプリケーション機能は、アプリケーション機能とセッション管理機能203の間に規定された所定インタフェースを介して、ファイルサーバ側のセッション管理機能104にアプリケーションエージェント機能の起動/終了要求やファイル内容の同期要求を渡す。このセッション管理機能203は、複数のアプリケーション機能からの要求をセッション上に多重化する機能を持つ。
【0036】
一方、ファイルサーバ内の各アプリケーションエージェント機能は、アプリケーションエージェント機能とセッション管理機能の間に規定されたインタフェース(アプリケーション機能とセッション管理機能間のインタフェースと同等)を介して、端末側からの前記アプリケーションエージェント機能の起動/終了要求やファイル内容の同期要求を受け取る。このセッション管理機能104は、多重化された要求を複数のアプリケーションエージェント機能に振り分ける機能を持つ。
【0037】
続いて、図1の通信ネットワークにおいて、Visited LANに接続された端末がHome LANに接続されているファイルサーバ内に格納されているファイルにアクセスし、当該ファイルに対して編集を行ない、その後ファイルを閉じる処理が行なわれる場合の手順の一例を図3〜図8を参照して説明する。
【0038】
図3は、実施例の通信ネットワークにおいて、Visited LAN:400Aに接続された端末200Aが、Home LAN:300Aに接続されているファイルサーバ100A内に格納されているファイルをオープンし、編集作業を行なえるようになるまでの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0039】
Visited LAN:400Aに接続された端末200A内のアプリケーション機能(例えば202a)は、Home LAN:300Aに接続されたファイルサーバ100A内のファイルサーバ機能101に対して、アクセスしたいファイルを示す識別子を含めたファイルの取得要求を送信する。このような識別子の例としては、ユニフォームリソースロケータ(Uniform Resource Locator, URL)が挙げられる。ファイルサーバ側では、上記要求を受信したファイルサーバ機能101が、要求元アプリケーション機能202aに対して要求されたファイルを送信する。
【0040】
所望のファイルを受信した端末内のアプリケーション機能202aは、先ず受信したファイルをローカルな記憶領域(例えばメモリあるいはハードディスク等)にローカルファイルとして格納し、当該ローカルファイルをオープンする。続いて、アプリケーション機能202aは、当該端末内のセッション管理機能203に対して、当該アプリケーション機能202aに対応するアプリケーションエージェント機能103aの起動要求を渡す。当該起動要求には、アプリケーションエージェント機能の名前およびファイルサーバ100A内に格納されているファイルの識別子(URL)が含まれている。
【0041】
端末内のセッション管理機能203は、同セッション管理機能とファイルサーバ内のセッション管理機能104との間でのセッションが未確立である場合のみ、ファイルサーバ内のセッション管理機能104との間のセッションを確立するため、セッション確立要求メッセージを生成して、ファイルサーバ100Aに対して送信する。ファイルサーバ内のセッション管理機能104は、前記セッション確立要求メッセージを受信、解析し、これに対する応答メッセージを生成して端末200Aに送信する。
【0042】
その後、端末内のセッション管理機能203は、上記応答メッセージを受信、解析し、これに対する確認メッセージを生成してファイルサーバ100Aに送信する。この時点で、両セッション管理機能間でのセッションが確立したことになる。ただし、これらのセッション確立のためのステップは、既に両セッション管理機能間でのセッションが確立されている場合には実行されない。
【0043】
セッション管理機能間で送受信されるメッセージの形式を規定するとともに、メッセージの送受信について規定するプロトコルの例としては、セッションイニシエーションプロトコル(Session Initiation Protocol, SIP)を挙げることができる。
【0044】
セッション管理機能間でのセッション確立が成功すると、端末内のセッション管理機能203は、受信した起動要求に含まれるアプリケーションエージェント機能名およびファイル識別子を使用して、アプリケーションエージェント機能103の起動を要求するインスタントメッセージを生成し、ファイルサーバ100A内のセッション管理機能104に対して送信する。本ステップで生成されるインスタントメッセージの例を図4(a)に示す。
【0045】
前記インスタントメッセージを受信したファイルサーバ内のセッション管理機能104は、この受信メッセージを解析して、端末が指定したアプリケーションエージェント機能ならびに当該アプリケーションエージェント機能に渡される要求に関する記述を取り出す。本インスタントメッセージには、アプリケーションエージェントの起動要求およびファイルの識別子が含まれているので、セッション管理機能104は、指定されたアプリケーションエージェント103を起動し、ファイルの識別子を渡す。
【0046】
アプリケーションエージェント機能103が起動すると、ファイルサーバ機能101に対して指定されたファイルの取得を要求する。要求したファイルが得られれば、ファイルサーバ内のアプリケーションエージェント機能103は、当該ファイルをオープンする。そしてセッション管理機能104に対してアプリケーションエージェント機能の起動および指定されたファイルのオープンが完了した旨の応答を送信する。
【0047】
前記応答を受け取ったセッション管理機能104は、先のインスタントメッセージに対する応答メッセージを生成し、端末内のセッション管理機能203に対して送信する。この応答メッセージの例を図4(b)に示す。端末内のセッション管理機能203では、前記応答メッセージを解析し、アプリケーション機能202に対して、アプリケーションエージェント機能の起動が完了した旨を通知する。この時点で、端末内のアプリケーション機能202において、ファイルを操作する準備が整ったことになる。
【0048】
図5は、本実施例通信ネットワークにおいて、Visited LAN:400Aに接続された端末がファイルの操作を行ない、その操作内容がHome LAN:300Aに接続されているファイルサーバ内のファイルに反映される過程の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0049】
端末内のアプリケーション機能202が自端末のローカルファイルの操作を行なう際には、当該ローカルファイルに対する各操作の操作履歴を記録しておく。このような状況下において、予め定められたある特定のイベント(例えば、当該ローカルファイルのセーブ処理など)を契機として、アプリケーション機能202はセッション管理機能203に対してファイル内容の同期要求を行なう。本同期要求には、アプリケーション機能202において記録しておいたファイルに対する操作履歴情報が含まれている。
【0050】
同期要求を受信したセッション管理機能203は、前記操作履歴を含むインスタントメッセージを生成し、ファイルサーバ100A上のセッション管理機能104に対して送信する。本ステップで生成されるインスタントメッセージの例を図6(a)に示す。図6(a)に例示のメッセージにおいて、アプリケーションエージェント機能202に渡される部分は、指定されたテキストファイル(ローカルファイル)のオフセット80の位置に、文字列”foo”を挿入し、オフセット90の位置からオフセット95の位置までを削除することを意味している。
【0051】
前記インスタントメッセージを受信したセッション管理機能104は、受信したインスタントメッセージから端末内のアプリケーション機能202がローカルファイルに対して行なった操作履歴を取り出し、ファイルサーバ内のアプリケーションエージェント機能103に通知する。アプリケーションエージェント機能103は、通知された操作履歴に従ってファイルサーバ上のファイルを操作・更新し、ファイルサーバに対して更新ファイルの書き戻しを行なう。その後、ファイル内容の同期要求に対する応答をセッション管理機能104に送信する。
【0052】
前記応答を受け取ったセッション管理機能104は、インスタントメッセージに対する応答メッセージを生成し、NSP網500を介して端末内のセッション管理機能203に対して送信する。本応答メッセージの例を図6(b)に示す。端末内のセッション管理機能203が、前記応答メッセージを受信した結果、ファイルサーバ内のファイルが正常に更新された旨を検知するとアプリケーション機能203に対して通知がなされ、操作履歴の既送信部分が削除されて同期処理を終了する。一方、内容同期に失敗したことを検知すると、アプリケーション機能203に対して、その旨を通知して処理を終了する。
【0053】
以上説明した手順を用いることで、アプリケーション機能によるファイル操作の最中にも、特定のイベントを契機とするファイル同期を行なうことによって、端末内アプリケーション機能が操作するファイルとファイルサーバ上のファイルとの同期を取ることができる。また、同期作業は端末アプリケーション動作のバックグラウンドで行なわれるから、ファイル内容の同期処理によってアプリケーションの良好なレスポンスが損なわれることもない。
【0054】
次に、実施例の通信ネットワーク600Aにおいて、Visited LAN:400Aに接続された端末200Aが、Home LAN:300Aに接続されているファイルサーバ100A内に格納されているリモートファイルに対応するローカルファイルをクローズする場合の処理について説明する。図7はこの場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0055】
端末200A内のアプリケーション機能202がローカルファイルをクローズすると、アプリケーション機能202は当該端末内のセッション管理機能203に対して、当該アプリケーション機能に対応するファイルサーバ側のアプリケーションエージェント機能103の終了要求を渡す。本終了要求には、アプリケーションエージェント機能の名前およびファイルサーバ内に格納されているファイルの識別子(URL)が含まれる。
【0056】
終了要求を受信したセッション管理機能203は、受信した終了要求に含まれるアプリケーションエージェント機能名およびファイル識別子を使用して、アプリケーションエージェント機能の終了を要求するインスタントメッセージを生成し、ファイルサーバ内のセッション管理機能104に対して送信する。本ステップで生成されるインスタントメッセージの例を図8(a)に示す。
【0057】
前記インスタントメッセージをNSP網500を介して受信したファイルサーバ内のセッション管理機能104は、受信メッセージを解析して、端末が指定したアプリケーションエージェント機能の記述とともに、当該アプリケーションエージェント機能に渡される要求に関する記述を取り出す。本インスタントメッセージには、アプリケーションエージェントの終了要求およびファイルの識別子が含まれているので、セッション管理機能104は、これらのデータを所定のアプリケーションエージェント機能103に渡す。
【0058】
前記データを渡されたアプリケーションエージェント機能103は、ファイル識別子で指定されたファイルをクローズした後、セッション管理機能104に対してアプリケーションエージェント機能の終了が完了した旨の応答を送信してアプリケーションエージェント機能の実行を終了する。
【0059】
前記応答を受け取ったセッション管理機能104は、先のインスタントメッセージに対する応答メッセージを生成して、端末内のセッション管理機能203に対して送信する。本応答メッセージの例を図8(b)に示す。端末内のセッション管理機能203は、前記応答メッセージを解析し、アプリケーション機能202に対して、アプリケーションエージェント機能103の終了が完了した旨を通知する。この通知を待ってアプリケーション機能202が停止する。
【0060】
上述説明のように、本実施例の通信ネットワークにおけるリモートファイルのアクセス方法では、アプリケーション実行端末の前記アプリケーション機能が前記ファイルサーバ内の前記リモートファイルにアクセスする際に、前記端末が、ファイルサーバから所定のリモートファイルを取得していったん自端末内のローカルの記憶領域にローカルファイルとして保存し、前記アプリケーション機能が行った前記ローカルファイルに対する処理の操作履歴を記憶しておき、適宜の時点で前記操作履歴内容を前記ファイルサーバに送信するようにし、前記ファイルサーバでは、受信した前記操作履歴内容に従った処理を前記リモートファイルに対して行い、実行した処理を前記端末に送信する。なお、前記操作履歴内容のファイルサーバへの送信は、アプリケーション機能が予め定められた特定のイベントを契機として、あるいは、予め定められた時間間隔で行うようにする。実施例では、上述各過程は、前記端末およびファイルサーバそれぞれが具備したセッション管理機能により制御される。
【0061】
以上に説明した本実施例の通信ネットワークによれば、端末およびファイルサーバ内にセッション管理機能を設け、セッション管理機能間においてセッションを確立し、本セッションの利用者であるアプリケーション機能およびアプリケーションエージェント機能の間において、本セッションを用いてファイルの操作履歴をインスタントメッセージとして送受信することにより、端末内のアプリケーション機能はローカルファイルを直接編集することによる良好なレスポンスが得られる。また、編集中の特定のイベントを契機としてファイルサーバ上のファイルとの内容同期を行なうことによって、別途ファイル内容の同期を明示的に行なわなくとも、端末およびファイルサーバ上ファイルの内容同期を行なうことが可能となる。また、本同期処理はアプリケーション機能のバックグラウンドで行なわれるため、レスポンスの良好性を損なうことがない。
【0062】
なお、実施例において、端末がHome LANに接続されている場合にも、上述したファイルアクセス方法を適用しても良く、Home LAN内のトラヒックを削減する等の効果が同様に得られる。
【0063】
なお、本発明は、上記実施例に限定されることなく変形して実施が可能である。例えば、端末側からのファイルの同期要求は所定時間間隔で行うようにしても良く、またこれを実施例で説明した特定イベントを契機とするファイルの同期要求と併用しても良い。
【0064】
実施例では、Home LANにファイルサーバがあり、同一の端末が一時的にVisited LANに接続されて、外部ネットワークとしてのNSP網を介してファイルサーバ内の共有ファイルを利用する場合を挙げたが、本発明はこれに限らず一般に、ファイルサーバ内の共有ファイルを、当該ファイルサーバが接続されているネットワークあるいは外部ネットワークを経由してアクセスする通信ネットワークシステム一般に広く適用できる。すなわち、ファイルサーバに既述したようなアプリケーションエージェント機能およびセッション管理機能を実装し、また端末側に既述したようなアプリケーション機能およびセッション管理機能を実装することで前述したような効果を同様に得ることができる。
【0065】
共有ファイルを複数のユーザが同時に編集するシステムにも応用することができる。このような場合には、適宜のファイル管理機能が共有ファイルのアクセスおよび更新の管理を行うものとする。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通信ネットワークを介して接続された端末およびファイルサーバ内にそれぞれセッション管理機能を設け、セッション管理機能間においてセッションを確立し、本セッションの利用者である端末側のアプリケーション機能およびファイルサーバ側のアプリケーションエージェント機能の間において、当該セッションを用いてファイルの操作履歴をインスタントメッセージとして送受信することにより、端末内のアプリケーション機能ではローカルファイルを直接編集することによる良好なレスポンスが得られる。また、編集過程中の特定のイベントを契機とする等によって、ローカルファイルとファイルサーバ上の共有ファイルとの内容同期を行なうことによって、ユーザが別途ファイル内容の同期を明示的に行なわなくとも、端末およびファイルサーバ上ファイルの内容同期を行なうことが可能となりユーザの使い勝手も良好である。なお、この同期処理はアプリケーション機能のバックグラウンドで行なわれるため、良好なレスポンスの妨げになることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通信ネットワークの一実施例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施例における端末内のアプリケーション機能とセッション管理機能、およびファイルサーバ内のアプリケーションエージェント機能とセッション管理機能の関連を示すブロック図である。
【図3】実施例の通信ネットワークにおいて、端末がファイルサーバ内に格納されているファイルをオープンし、編集作業を行なうまでの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図4】(a)は端末内のセッション管理機能が生成するインスタントメッセージの例を示す図、(b)はファイルサーバ内のセッション管理機能が生成する応答メッセージの例を示す図である。
【図5】実施例の通信ネットワークにおいて、端末がファイルの操作を行ない、その操作内容がファイルサーバ内のファイルに反映される処理の流れを示すシーケンス図である。
【図6】(a)は端末内のセッション管理機能が生成するインスタントメッセージの例を示す図、(b)はファイルサーバ内のセッション管理機能が生成する応答メッセージの例を示す図である。
【図7】実施例の通信ネットワークにおいて、端末がローカルファイルをクローズする場合の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図8】(a)は端末内のセッション管理機能が生成するインスタントメッセージの例を示す図、(b)はファイルサーバ内のセッション管理機能が生成する応答メッセージの例を示す図である。
【図9】複数のLANが相互に接続されたネットワークの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100A…ファイルサーバ
101…ファイルサーバ機能
102…ストレージ
103(103a,103b,…)…アプリケーションエージェント機能
104…(サーバ内)セッション管理機能
200A…端末
202(202a,202b,…)…アプリケーション機能
203…セッション管理機能
300A…Home LAN
400A…Visited LAN
500…NSP網((Network Service Provider網)
600A…通信ネットワーク
700…外部ネットワーク
801…ルータ
802…ゲートウェイ
Claims (7)
- 複数の端末から共通にアクセスされるリモートファイルを格納するファイルサーバと、このファイルサーバにネットワークを介して接続されて前記リモートファイルを操作するアプリケーション機能を実装した複数の端末とを含むネットワークにおいて、
前記ファイルサーバが、前記端末のアプリケーション機能と対応して前記リモートファイルを操作するためのアプリケーションエージェント機能を備え、
前記端末の前記アプリケーション機能が前記ファイルサーバ内の前記リモートファイルにアクセスする際には、前記ファイルサーバからこの前記リモートファイルを取得していったん自端末内のローカルの記憶領域にローカルファイルとして保存してこのローカルファイルを前記アプリケーション機能が処理し、当該処理に対応した操作履歴内容を上りメッセージとして前記ファイルサーバのアプリケーションエージェント機能に送信し、受信した当該メッセージに対応して前記ファイルサーバのアプリケーションエージェント機能が操作履歴に基づく処理を前記リモートファイルに対して実行し、実行完了した処理過程を下りメッセージとして端末に送信する、ことを特徴とする通信ネットワーク。 - 前記ファイルサーバが、前記アプリケーションエージェント機能と端末間の通信を制御するセッション管理機能を更に備え、
前記各端末が、前記アプリケーション機能とファイルサーバ間の通信を制御するセッション機能を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の通信ネットワーク。 - 端末内のアプリケーション機能がローカルファイルの操作を行なう際に、当該ローカルファイルに対する各操作の操作履歴を記録しておき、アプリケーション機能が予め定められた特定のイベントを契機として、ファイルサーバに対して前記操作履歴に従った共通ファイルの操作要求を行なうようにしたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の通信ネットワーク。
- 端末内のアプリケーション機能がローカルファイルの操作を行なう際に、当該ローカルファイルに対する各操作の操作履歴を記録しておき、アプリケーション機能が予め定められた時間間隔で、ファイルサーバに対して前記操作履歴に従ったリモートファイルの操作要求を行なうようにしたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の通信ネットワーク。
- 前記端末が複数のアプリケーション機能を実装し、前記ファイルサーバが対応する複数のアプリケーションエージェント機能を実装してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信ネットワーク。
- 複数の端末から共通にアクセスされるリモートファイルを格納するファイルサーバと、このファイルサーバにネットワークを介して接続されて前記リモートファイルを操作するアプリケーション機能を実装した複数の端末とを含むネットワークシステムにおけるリモートファイルのアクセス方法であって、
アプリケーション実行端末の前記アプリケーション機能が前記ファイルサーバ内の前記リモートファイルにアクセスする際に、
前記端末が、ファイルサーバから所定のリモートファイルを取得していったん自端末内のローカルの記憶領域にローカルファイルとして保存し、
前記アプリケーション機能が行った前記ローカルファイルに対する処理の操作履歴を記憶しておき、
適宜の時点で前記操作履歴内容を前記ファイルサーバに送信し、
前記ファイルサーバでは、受信した前記操作履歴内容に従った処理を前記リモートファイルに対して行い、
実行した処理を前記端末に送信する、
ことを特徴としたリモートファイルアクセス方法。 - 前記操作履歴内容のファイルサーバへの送信は、アプリケーション機能が予め定められた特定のイベントを契機として、あるいは、予め定められた時間間隔で行うようにしたことを特徴とする請求項6に記載のリモートファイルアクセス方法。
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