JP2004014982A - 半導体回路および画像表示装置 - Google Patents

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星野 徳子
Mitsuhiro Fukuda
福田 光弘
Hiroshi Kita
北 弘志
Katsura Hirai
平井 桂
Taketoshi Yamada
山田 岳俊
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Abstract

【課題】トランジスタや半導体回路が不透明であることによる表示素子の開口率の低下や外観を損ねることを回避するために、透明なトランジスタおよび半導体回路を提供することが目的であり、第2に該半導体回路を選択駆動回路として用いた有機EL素子或いは液晶表示素子等のアクティブマトリクス型表示装置を提供することにある。
【解決手段】実質透明なトランジスタと、該トランジスタと電気的接点を有する実質透明な導電性材料によって構成した半導体回路。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、実質透明な半導体回路に関するものであり、これを液晶素子や有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示素子を駆動するための選択駆動回路として用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来半導体層については、ケイ素系半導体を用いた半導体回路では少なくとも半導体層を透明にすることは難しく、また典型的なケイ素系半導体回路も不透明であり、これらが液晶素子や有機EL表示素子等を用いたディスプレイの開口率を下げる原因であった。また、ICカードやICタグ用途の半導体回路に用いる場合でも非常に外観を損ねるものであった。
【0003】
近年非接触ICカードおよびICタグが実用化されつつあり、代表的なものにJRが採用したSuicaがあるが、そのほかにも日経エレクトロニクス2002.2.25のp109からp137に記載の通り、個人認証に用いるものや、物品にとりつけ、レジでの精算が一括でできるもの、荷物の配送を追跡するものなど様々な用途が提案されている。
【0004】
しかしそれらについてもシリコントランジスタを集積したICを用いており、見た目は金属であることが明白である。将来的には食品、アパレル、雑貨、音楽関連商品、書籍、家電、乗り物その他あらゆる物品にICタグをつけることが予想されるが、明らかにデザインを損なうものばかりである。現状最も小さいICはアメリカのAlien Technologyの0.1から0.2ミリメートル角のチップであるが、データ送受信用のアンテナが3×10センチメートルであり、結局目障りである。アメリカのBall Semiconductor Inc.が開発した直系1ミリメートルの球状のICチップは表面にアンテナを形成するため大きさとしては直系1ミリメートルの球のままである。しかしシリコントランジスタを使用しているため、非常に高価になってしまい、日に3000個もの手荷物を処理する飛行場での使用や、郵便、宅配、その他配送物の追跡などに使い捨て状に使用するのは現実的ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、トランジスタや半導体回路が不透明であることによる表示素子の開口率の低下や外観を損ねることを回避するために、透明なトランジスタおよび半導体回路を提供することが目的であり、第2に該半導体回路を選択駆動回路として用いた有機EL素子或いは液晶表示素子等のアクティブマトリクス型表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の手段により達成される。
【0007】
1.実質透明なトランジスタと、該トランジスタと電気的接点を有する実質透明な導電性材料によって構成したことを特徴とする半導体回路。
【0008】
2.透明な基板上にソース、ドレインおよびゲートの各電極と、有機半導体層および絶縁層を、実質透明な材料により所望の構造にて配設した薄膜トランジスタおよび該トランジスタと電気的接点を有する実質透明な導電性材料によって構成した配線を有することを特徴とする半導体回路。
【0009】
3.薄膜トランジスタのソース、ドレイン、およびゲートの各電極および該トランジスタと電気的接点を有する導電性材料がともにITOからなることを特徴とする前記2に記載の半導体回路。
【0010】
4.透明な基板上に、複数の走査線と複数の信号線とが互いに直交する方向に配設され、上記両配線の各交差部に画素部と選択駆動回路が形成されたアクティブマトリクス型の画像表示装置において、前記選択駆動回路を、実質透明な薄膜トランジスタおよび該トランジスタと電気的接点を有する実質透明な導電性材料によって構成したことを特徴とする画像表示装置。
【0011】
5.薄膜トランジスタが、透明な基板上にソース、ドレインおよびゲートの各電極と、有機半導体層および絶縁層を、実質透明な材料により所望の構造にて配設したものであることを特徴とする前記4に記載の画像表示装置。
【0012】
6.選択駆動回路を構成する薄膜トランジスタのソース、ドレイン、およびゲートの各電極および該電極と電気的接点を有する導電性材料がともにITOで構成されたことを特徴とする前記4または5に記載の画像表示装置。
【0013】
7.画素部が液晶表示素子であることを特徴とする前記4〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【0014】
8.画素部が有機エレクトロルミネッセンス表示素子であることを特徴とする前記4〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【0015】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に係る半導体回路は、実質透明なトランジスタと、該トランジスタと電気的接点を有する実質透明な導電性材料によって構成することができる。
【0016】
ここで実質透明なトランジスタはソース、ドレイン、およびゲートの各電極と、半導体層および絶縁層を、透明な基板上に所望の構造にて配設したものである。実質的に透明とは可視光である波長400nm〜700nmの範囲において70%以上の透過率を有するものをさす。
【0017】
本発明の薄膜トランジスタ(TFTともいう)と該トランジスタと電気的接点を有する実質透明な導電性材料によって構成する半導体回路に用いられる透明な基板としては、ガラスやフレキシブルな樹脂製シートが挙げられ、例えばプラスチックフィルムをシートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可撓性を有するため衝撃に対する耐性を向上できる。
【0018】
実質透明な薄膜トランジスタ(TFT)を形成するためには、例えば有機半導体材料を用いて薄膜トランジスタを構成することが可能である。このような有機薄膜トランジスタの半導体層に用いることができる有機半導体の例としてはペンタセンやテトラセンなどのアセン類、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTCDA)やナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(NTCDI)、あるいは「アドバンスド・マテリアル」368〜371ページ(2002年)に記載のNTCDI類縁構造をもつ高分子や、当該分の技術者にはα−6Tとして知られるチオフェンが2位および5位で互いに結合した6量体やその誘導体もしくは類縁体、ポリチオフェンやポリアニリン、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリチエニレンビニレンといった共役高分子を挙げることができる。
【0019】
これらの有機半導体材料を用いた半導体薄膜は蒸着によって形成することもできるし、溶媒に可溶もしくは分散可能な物質であれば塗布あるいはインクジェット法を含む印刷プロセスによって形成することが可能である。蒸着して金属光沢をもつ不透明な薄膜になる場合は膜厚を制御し、光が透ける膜厚に設定する。
【0020】
実質的に透明な電極材料または配線材料に用いることのできる導電性材料としては例えば有機導電材料やITO、ZnOなどの金属酸化物膜、Au、Ag、Cu、Cr、Al、Mg、Liなどの金属の薄膜にITOを積層したものなどを用いることが出来る。有機導電材料としては例えばポリ(ビスエチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)やポリアニリンなどにドーピングを施した導電性ポリマーや導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。
【0021】
薄膜トランジスタの電極または配線等の形成方法としては、金属酸化物膜や金属の薄膜をもちいる場合、これらの材料を原料として蒸着やスパッタリング等の方法により形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いてパターニングする方法やこれらの導電性薄膜上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングする方法等がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液等を直接インクジェット法によりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成してもよい。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペーストなどを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
【0022】
実質的に透明な絶縁層としては例えば有機絶縁層などを用いることが出来る。有機絶縁材料としては例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等のポリアクリレート、PVA(ポリビニルアルコール)、PS(ポリスチレン)、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等が挙げられる。有機絶縁材料皮膜の形成方法としては、ディッピング、スピンコート、ナイフコート、バーコート、ブレードコート、スクイズコート、リバースロールコート、グラビアロールコート、カーテンコート、スプレイコート、ダイコートなどの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニング方法など、ウェットプロセスが好ましい。
【0023】
この様な材料により透明基板上にソース、ドレインおよびゲートの各電極と、有機半導体層および絶縁層を、実質透明な材料により所望の構造にて配置した薄膜トランジスタを形成し、該トランジスタと電気的接点を有する実質透明な導電性材料によって配線を構成して実質的に透明な半導体回路を形成できる。
【0024】
この様な半導体回路は、例えば、アクティブマトリクス型の液晶表示装置や、有機EL表示装置の、それぞれ画素となる液晶表示素子や有機EL表示素子を駆動する、選択駆動回路として好ましく用いられる。
【0025】
これらの選択駆動回路は、基板上に、複数の走査線と複数の信号線とが互いに直交する方向に配設され、上記両配線の各交差部に画素部と該選択駆動回路が形成されており、液晶表示素子においては、ゲートに接続した走査線(ゲートバスライン)の制御で、ソースに接続する信号線(ソースバスライン)からの信号を表示電極に送る、スイッチング素子として薄膜トランジスタが最低1つ、また、有機EL表示装置においては、走査線(ゲートバスライン)に接続し信号線からの信号のon/offを選択する選択トランジスタおよび信号線からの信号により電流を制御して有機EL発光素子を発光させる駆動トランジスタの少なくとも2つの薄膜トランジスタが用いられている。従って、これらの薄膜トランジスタを前記実質透明なトランジスタとし、また該トランジスタとの電気的接点を含め配線を実質透明な導電性材料によって構成することで、アクティブマトリクス型の選択駆動回路を実質透明とすることができ、シリコン等で形成した半導体回路により駆動回路を構成したアクティブマトリクス型液晶表示装置、或いは、有機EL表示装置において、各画素毎に配置された選択駆動回路が開口率を低下させている原因をとり除くことができる。
【0026】
液晶表示装置については、その構成等、例えば、特開2002−116744、同2002−108310、2002−122844等に詳しく記載されており参考にできる。また、EL表示素子に用いられる各種の材料およびその構成等についても特開2002−56976、同2002−141170、同2002−75642、同2002−100480等に詳しく記載されており、参考にできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図1〜4を用いて具体的に説明する。
【0028】
図1は前記液晶表示素子の表示電極、信号線、走査線、および、有機薄膜トランジスタ(TFT)からなる選択駆動回路の一例を等価回路で示したものである。
【0029】
行方向に延びる複数のゲートバスライン(走査線)14および、これに交差するように列方向に複数のソースバスライン(信号線)13が配置されている。ゲートバスライン(走査線)14とソースバスライン(信号線)13とのそれぞれの交点にはTFT10が接続されている。TFT10のゲートはゲートバスライン(走査線)14に接続され、TFT10のソースがソースバスライン(信号線)13に接続されている。TFT10のドレインは蓄積コンデンサ12と表示素子17の透明な表示電極に接続されている。表示素子17のもう一方の電極および蓄積コンデンサ12の対極は接地されている。
【0030】
ゲートバスライン(走査線)14はゲート線ドライバ16に接続され、ゲートバスライン(走査線)14には、ゲート線ドライバによって順次ゲート信号が印加される。ゲート信号はオンもしくはオフの2値の信号で、例えば、オンの時は正の所定電圧、オフの時は0Vとなる。ゲート線ドライバ16は、複数接続されるゲートバスライン(走査線)14のうち、選択された所定のゲートバスライン(走査線)のゲート信号をオンとする。ゲート信号がオンとなると、そのゲートバスライン(走査線)14に接続された全てのTFT10がオンとなり、TFT10を介してソースバスライン(信号線)13と表示素子17の表示電極11とが接続される。ソースバスライン(信号線)13には信号線ドライバ15から信号が出力されており、信号は表示電極に入力されるとともに、蓄積コンデンサ12に充電される。この結果、信号に応じ表示電極および接地した対向電極間で液晶分子が配向する。蓄積コンデンサ12は、接地した対向電極との間で静電容量を形成しており、一定時間表示信号を蓄積することができる。信号は、ゲート線ドライバ16が他のゲートバスライン(走査線)14を選択し、そのゲートバスライン(走査線)14が非選択となってTFT10がオフした後も、蓄積コンデンサ12によって1垂直走査期間の間保持され表示素子17中の液晶はその配向を維持できる。
【0031】
以上が、アクティブマトリクス型液晶表示装置の動作原理であるが、本明細書において、上述したTFT10等を有し、ゲート信号のような表示素子の1つもしくは複数を同時に選択する信号と、表示する映像によって決定される信号とによって、所定の表示素子に信号に応じた電流を供給する回路を総称して選択駆動回路と称する。選択駆動回路は、上述した以外にも様々なパターンが考えられ、また、既に提案されており、本発明の適用は上記の例に限限定されない。
【0032】
図2は基板上に薄膜トランジスタ、これと電気的な接点を有する配線および表示電極等を形成し構成した、選択駆動回路の構成の一例を示す概略図である。
【0033】
ポリカーボネートフィルムからなる基板7上に、例えば、ITO膜を蒸着により形成した後(110nm)、フォトリソグラフィー法によって、レジストからなるマスクを形成し、エッチングによりパターニングを行い、ドレイン電極2、ソース電極3およびこれと接続したソースバスライン13をITO膜で形成する。次いで、マスクを重ねた後、蒸着によりペンタセン結晶からなる有機半導体チャネル4をパターニング形成する(厚み50nm)。更に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)からなるゲート絶縁膜5をスピンコートにより全面に形成し(200nm)、ITO膜形成(厚み100nm)、パターニングによりゲート電極を兼ねゲートバスライン14を形成した後、更に平坦化絶縁膜6をフェノール樹脂をスピンコートにより塗布することで形成する(100nm)。次いで平坦化絶縁膜6を貫通してドレイン電極に達するコンタクトホール用孔をエキシマレーザー等の短波長レーザーにより形成して、更に最表面およびコンタクトホール用孔の内壁にITO膜を蒸着或いはスパッタにより形成して、次いでマスク形成した後、ITO膜をエッチングによりパターニングして、最表面に100nmの膜厚の表示電極11と、該表示電極11およびドレイン電極2を電気的に連結するコンタクトホール8を形成する。
【0034】
図2(a)に 形成された薄膜トランジスタを含む選択駆動回路および表示電極の構成を示す断面図(A−A断面図)およびこれを上面からみたところ(図2(b))を示す。
【0035】
この表示電極11に対向してやはり透明な対向電極を設け、対向電極を接地し、2つの電極間に液晶層、偏光膜等を配設させ液晶表示素子が構成される。
【0036】
この様な表示電極および駆動回路を用いた液晶表示装置は、表示電極のみでなく、ソース、ドレインおよびゲート電極等の電極材料また、ソースバスラインやゲートバスラインも実質透明な材料で構成しているので、対向電極としてやはりITO等の透明導電性材料を用い表示素子を構成すると、表示素子駆動のための薄膜トランジスタをおよびゲートバスライン等の配線部分からなる選択駆動回路が全て実質的に透明な材料で構成されているため表示素子としての開口率が大きくとれ、明るい液晶表示装置を構成することができる。
【0037】
選択駆動回路を構成する薄膜トランジスタを例えば、ケイ素系の半導体をもちいて形成しソースバスライン、ゲートバスライン等を含む他の配線部分を金属等の導電性材料で形成した場合には、該薄膜トランジスタを構成部分およびゲートバスライン等が、光を透過しない材料であるため該駆動回路部分の大きさだけ開口率が小さくなる。
【0038】
次いで図3に、有機EL表示装置の選択駆動回路の一例を等価回路で示す。行方向に延びる複数のゲート線101が配置され、これに交差するように列方向に複数のデータ線102および駆動線103が配置されている。駆動線103は、電源PVに接続されている。電源PVは正の定電圧を出力する電源であり、その電圧は、例えば接地電圧を基準として10Vの正電圧である。ゲート線101とデータ線102とのそれぞれの交点には選択TFT104が接続されている。選択TFT104のゲートはゲート線101に接続され、選択TFT104のドレインがデータ線102に接続されている。選択TFT104のソースは保持コンデンサ105と駆動TFT106のゲートに接続されている。駆動TFT106のドレインは、駆動線103に接続され、ソースは有機EL表示素子107の陽極に接続されている。有機EL表示素子107の陰極は接地されている。保持コンデンサ105の対極には、列方向に延在する容量線109が接続されている。
【0039】
ゲート線101は図示しないゲート線ドライバに接続され、ゲート線101には、ゲート線ドライバによって順次ゲート信号が印加される。ゲート信号はオンもしくはオフの2値の信号で、例えば、オンの時は正の所定電圧、オフの時は0Vとなる。ゲート線ドライバは、複数接続されるゲート線101のうち、選択された所定のゲート線のゲート信号をオンとする。ゲート信号がオンとなると、そのゲート線101に接続された全ての選択TFT104がオンとなり、選択TFT104を介してデータ線102と駆動TFT106のゲートが接続される。データ線102にはデータ線ドライバ108から表示する映像に応じて決定されるデータ信号が出力されており、データ信号は駆動TFT106のゲートに入力されるとともに、保持コンデンサ105に充電される。駆動TFT106は、データ信号の大きさに応じた導電率で駆動線103と有機EL表示素子107とを接続する。この結果、データ信号に応じた電流が駆動TFT106を介して駆動線103から有機EL表示素子107に供給され、データ信号に応じた輝度で有機EL表示素子107が発光する。保持コンデンサ105は、専用の容量線109もしくは駆動線10など他の電極との間で静電容量を形成しており、一定時間データ信号を蓄積することができる。データ信号は、ゲート線ドライバが他のゲート線101を選択し、そのゲート線101が非選択となって選択TFT104がオフした後も、保持コンデンサ105によって1垂直走査期間の間保持され、その間、駆動TFT106は前記導電率を保持し、有機EL表示素子107はその輝度で発光を続けることができる。
【0040】
以上が、アクティブマトリクス型有機EL表示装置の動作原理であるが、本明細書において、上述した選択TFT104、駆動TFT106等を有し、ゲート信号のような表示素子の1つもしくは複数を同時に選択する信号と、表示する映像によって決定されるデータ信号とによって、所定の表示素子にデータ信号に応じた電流を供給する回路を総称して選択駆動回路と称する。選択駆動回路は、上述した以外にも様々なパターンが考えられ、また、既に提案されている。例えば、発光輝度の画素毎のバラツキを抑えるために、4TFT構成とした駆動回路等もあり、上記の構成は一例にすぎず、本発明はこれに限られるものではない。
【0041】
図4に上記のアクティブマトリクス型有機EL表示装置の構成の一例を断面図で示す。
【0042】
但し上記のうち、選択TFT104およびこれとデータ線102、駆動TFT106との接続等については省略されている。
【0043】
ガラス基板111上に駆動TFT106を複数配置する。即ち、ガラス基板上に、先ず駆動TFT106のゲート電極106Gを100nmの膜厚でITO膜をパターニングして形成する。次いで、PMMAからなる層間絶縁膜112をスピンコートにより形成する(厚み150nm)。次いで、やはり層間絶縁膜上にITO膜を形成(厚み100nm)しパターニングしてソース電極106S、ドレイン電極106Dを形成する。次いでマスクを重ねた後、ソース、ドレイン電極間に蒸着によってペンタセン膜からなる有機半導体チャネル106Cを形成する(厚み50nm)。駆動TFT106上に層間絶縁膜113をやはりPMMAをスピンコートして形成し(厚み100nm)、その上にデータ線102および駆動線103をやはり全面にITO膜を蒸着形成(厚み100nm)した後、パターニングして配置する。こうして形成した駆動線103は、駆動TFT106のドレイン電極106Dにコンタクトホールを介して接続させる。それらの上に、更に、厚み100nmでPMMAによる平坦化絶縁膜114をスピンコートする。平坦化絶縁膜114の上には以下のようにして、ITO(indium tin oxide)透明電極よりなる陽極115を蒸着、パターニングして形成し(厚み110nm)、画素毎に有機EL表示素子107を配置する。即ち、即ち、PMMAによる平坦化絶縁膜114をスピンコートした後、平坦化絶縁膜114および層間絶縁膜113を貫通して駆動TFT106のソース電極106Sに達するコンタクトホール用の孔をエキシマレーザを用いて穿ち、平坦化絶縁膜114の表面およびコンタクトホール用の孔の内壁に同時にITO膜を形成させ、その後表面のパターニングを行って、陽極115を形成すると共に、各陽極115と各駆動TFT106のソース電極106SとをITO膜によって電気的に接続する。
【0044】
次いで、こうして形成したITO膜からなる陽極上にホール輸送層116としてα―NPD(4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル)を40nmの厚さに蒸着し、さらに、CBP(4,4′−(N,N′−ビスカルバゾリル)ビフェニル)とトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体の蒸着速度が100:7になるように調節し、20nmの厚さに蒸着した発光層117を設ける。
【0045】
次いで、厚さ10nmのBC(バソキュプロイン)からなるホールブロック層を設け(図では省略)、更に、Alq3(トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III))からなる膜厚40nmの電子輸送層118を蒸着同様に蒸着により設ける。さらに、陰極バッファー層として酸化リチウム(LiO)を0.5nm蒸着する(同じく図では省略)。以上の層上に、更にアルミニウムを真空蒸着によって、110nm積層し、前記陽極115に対向して陰極119を形成する。
【0046】
この様にして形成された有機EL表示装置は、陽極115からホール輸送層116に注入されたホールと、陰極119から電子輸送層118に注入された電子とが発光層117の内部で再結合することにより光が放たれ、この光が図中矢印で示したように、透明な陽極115側からガラス基板111を透過して外部に放射される。陽極115は各画素毎に独立して形成され、ホール輸送層116、発光層117、電子輸送層118、陰極119は、ここにおいては各画素共通に形成される。
【0047】
この有機EL表示素子はTFTおよびこれと電気的接点を有する導電性材料からなる配線を含む駆動回路が実質的に透明な材料で形成されているために、通常は陽極側から観察するため(陰極としては、有機EL材料への電子注入しやすい金属でなければならないので、仕事関数の小さいものを使用しなければならないため、透明な電極が得られにくく、通常は陽極のITO電極の側から観察するのが普通である)、画素の一部に駆動回路を構成するためのスペースが必要であり、画素全体を発光させる構成をとりにくいため、駆動回路を透明として、発光面積を大きくでき、明るい表示が可能である。一方、シリコン系の薄膜トランジスタを用いた場合には、駆動回路が電界発光の観察側になるために、駆動回路分の大きさだけ光取り出しの開口率が小さくなってしまう。
【0048】
以上のように、液晶表示素子や有機EL表示素子における駆動回路として本発明によれば実質的に透明な回路を構成できるが、上記は一例であり、その他の構成を有する半導体回路においても、薄膜トランジスタおよび実質透明な電気配線により形成される半導体回路であれば、いかなるものにも応用でき、また、不透明な素子が部分的に含まれている場合でも、その部分が実質的に大きな部分を占めない限り、透明化による効果は大きい。
【0049】
【発明の効果】
実質透明な薄膜トランジスタおよび導電性材料により実質透明な半導体回路が得られるために、液晶表示素子や有機EL表示素子等のディスプレイの開口率がアップする他、半導体回路を透明化でき、これを有する半導体装置の外観やデザインを損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示素子の選択駆動回路の一例を等価回路で示した図である。
【図2】選択駆動回路の構成の一例を示す概略図である。
【図3】有機EL表示装置の選択駆動回路の一例を等価回路で示した図である。
【図4】有機EL表示装置の構成の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2,106D ドレイン電極
3,106S ソース電極
4,106C 有機半導体チャネル
5 ゲート絶縁膜
6,114 平坦化絶縁膜
7 基板
8 コンタクトホール
10 TFT
11 表示電極
12 蓄積コンデンサ
13 ソースバスライン
14 ゲートバスライン
15 信号線ドライバ
16 ゲート線ドライバ
17 表示素子
101 ゲート線
102 データ線
103 駆動線
PV 電源
104 選択TFT
105 保持コンデンサ
106 駆動TFT
106G ゲート電極
107 有機EL表示素子
108 データ線ドライバ
109 容量線
111 ガラス基板
112,113 層間絶縁膜
115 陽極
116 ホール輸送層
117 発光層
118 電子輸送層
119 陰極

Claims (8)

  1. 実質透明なトランジスタと、該トランジスタと電気的接点を有する実質透明な導電性材料によって構成したことを特徴とする半導体回路。
  2. 透明な基板上にソース、ドレインおよびゲートの各電極と、有機半導体層および絶縁層を、実質透明な材料により所望の構造にて配設した薄膜トランジスタおよび該トランジスタと電気的接点を有する実質透明な導電性材料によって構成した配線を有することを特徴とする半導体回路。
  3. 薄膜トランジスタのソース、ドレイン、およびゲートの各電極および該トランジスタと電気的接点を有する導電性材料がともにITOからなることを特徴とする請求項2に記載の半導体回路。
  4. 透明な基板上に、複数の走査線と複数の信号線とが互いに直交する方向に配設され、上記両配線の各交差部に画素部と選択駆動回路が形成されたアクティブマトリクス型の画像表示装置において、前記選択駆動回路を、実質透明な薄膜トランジスタおよび該トランジスタと電気的接点を有する実質透明な導電性材料によって構成したことを特徴とする画像表示装置。
  5. 薄膜トランジスタが、透明な基板上にソース、ドレインおよびゲートの各電極と、有機半導体層および絶縁層を、実質透明な材料により所望の構造にて配設したものであることを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
  6. 選択駆動回路を構成する薄膜トランジスタのソース、ドレイン、およびゲートの各電極および該電極と電気的接点を有する導電性材料がともにITOで構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載の画像表示装置。
  7. 画素部が液晶表示素子であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  8. 画素部が有機エレクトロルミネッセンス表示素子であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
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