JP2004017610A - 離型フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】離型フィルムの表面に形成された離型層を基材フィルムから容易に分離除去するとともに、分離除去の状態を目視で確認することができる再生可能な離型フィルムを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に水溶性ポリマーからなる層を介して離型層が形成されてなり、該水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方が着色されていることを特徴とする離型フィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に水溶性ポリマーからなる層を介して離型層が形成されてなり、該水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方が着色されていることを特徴とする離型フィルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貼付薬保護シート、粘着ラベルや粘着テープ等の台紙、あるいは成形樹脂表面保護シート、液晶ディスプレイに用いられる偏光板や位相差板等の液晶表示板保護シート、セラミック離型用等に用いられる離型フィルムに関するものであり、さらに詳しくは、積層セラミックコンデンサー等のセラミック電子部品あるいは高密度実装の回路基板などに使用されるセラミックグリーンシート製造用キャリアシートとして好適な離型フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂フィルムを基材とし、基材表面に硬化型シリコーン樹脂などの離型層を形成した離型フィルムは、貼付薬保護シート、粘着ラベルや粘着テープ等の台紙、あるいは成形樹脂表面保護シート、液晶ディスプレイに用いられる偏光板や位相差板等の液晶表示板保護シート、セラミック離型用など各種用途に使用されている。
【0003】
特に近年、携帯電話や携帯用パソコンに代表される移動体通信機器、携帯情報端末機器などの大量普及に伴い、これらの電子機器に使用される多層セラミック基板、積層セラミックコンデンサーなども大量に生産されており、相応してセラミックコンデンサーの製造工程に用いられるグリーンシート用の離型フィルムが大量に消費されている。
【0004】
セラミックグリーンシートのキャリアシートとして使用される離型フィルムは、セラミックを剥離した後は回収されることなくそのまま廃棄されているのが現状である。
【0005】
しかしながら、昨今、地球資源、地球環境保護の観点から、PETボトルの回収再生が一般化しつつあるように、上記の離型フィルムの分野においても回収リサイクルが大きな課題となっているが、いまだ実現していないのが現状である。
【0006】
上記の離型フィルムが回収再生できない最大の理由は、離型フィルム上に形成された硬化型シリコーン等の離型層を基材のフィルム面から完全に分離除去することができないためである。つまり、離型層を形成する硬化性シリコーン樹脂等の成分が基材の熱可塑性樹脂フィルムに混入すると、ポリマーの溶融粘度が低下して機械物性の低下や製膜安定性の低下を招いたり、また表面粗大突起や粗大欠点が発生したり、押出時の異臭や得られたフィルムが変色するなどの欠点が発生するため、実用的なフィルムとして再生することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、離型フィルムの表面に形成された離型層を基材フィルムから分離除去するとともに、分離除去の状態を目視で確認することができる離型フィルムを提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明の離型フィルムは、主として次の構成を有する。すなわち、
熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に水溶性ポリマーからなる層を介して離型層が形成されてなり、該水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方が着色されていることを特徴とする離型フィルムである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまりフィルム面に形成された離型層を容易に分離除去することができるとともに、分離除去の状態を目視で確認できる離型フィルムについて、鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂フィルムと離型層との間に水溶性ポリマーからなる層を介在させて、かつ水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方を着色したものとすることによって、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0010】
本発明の離型フィルムにおける熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、セロハンなどを使用することができる。中でも、耐熱性、強度の点で、ポリエステルフィルムが好ましく用いられる。
【0011】
ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルが好ましく使用される。ここでいうジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸を用いることができ、芳香族ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸等を用いることができる。また、脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらにはヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
【0012】
また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2′−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができる。中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールが好ましく用いられる。これらのグリコール成分は、1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、フィルムの成形性、取扱い性の向上を目的として、上記ポリエステルに、トリメリト酸、トリメシン酸、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多官能化合物や、p−オキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸等を共重合してもよい。
【0013】
本発明の離型フィルムの基材とするポリエステルとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとの共重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレートとエチレンテレフタレートとの共重合体、ブチレンテレフタレートとヘキサメチレンテレフタレートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートと1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体、エチレンテレフタレートとエチレン−2,6−ナフタレートとの共重合体およびこれらのブレンド物等を用いることができる。
【0014】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、強度、寸法安定性の点から10〜200μmの範囲のものが好ましく使用される。
【0015】
本発明において、水溶性ポリマーとしては水溶性であれば特に限定されるものではないが、その分子鎖中に例えば、高分子大辞典(丸善(株))p.488、図2に挙げられた親水性の置換基を含むものであり、中でも水酸基、エーテル基、アミド基、カルボキシル基、リン酸エステル基、スルホン酸基、アミノ基、イミノ基、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、アンモニウム塩基を含むものが好ましく、特に水酸基、カルボキシル基、スルホン酸塩基、カルボン酸塩基を含むものが好ましい。
【0016】
具体的な本発明の水溶性ポリマーとして、かんしょ澱粉、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、こんにゃく、ふのり、寒天、アルギン酸ナトリウム、トロロアオイ、トラガントゴム、アラビアゴム、デキストラン、レバン、にかわ、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ビスコース、メチル・セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、カルボキシメチル澱粉、ジアルデヒド澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドンなどの水溶性ポリマーが好ましく用いられる。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、透明性、耐熱性、耐有機溶剤性等の点で、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンがより好ましく用いられる。
【0017】
ポリビニルアルコールとしては、鹸化度70〜99モル%、粘度平均重合度300〜10000が好ましく、鹸化度75〜90モル%、粘度平均重合度300〜2500がより好ましい。具体的には、(株)クラレ製“ポバール”PVA−102、PVA−103、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−CSA、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217E、PVA−217EE、PVA−220E、PVA−403、PVA−405、PVA−420、PVA−420H、L−8、L−9、L−10、PVA−505、PVA−617、PVA−613、PVA−706等、日本合成化学工業(株)製“ゴーセノール”NH−26、NH−20、NH−18、N−300、NM−14、NM−11、NL−05、AH−26、AH−22、AH−17、A−300、C−500、P−610、AL−06、GH−23、GH−20、GH−17、GM−14、GM−14L、GL−05、GL−03、KH−20、KH−17、KM−11、KL−05、KL−03、KP−08、KP−06、NK−05、“ゴーセラン”F−78、L−0301、L−0302、L−3266等が好ましく使用される。
【0018】
また、ポリビニルアルコールは共重合体であってもよく、その場合、ビニルアルコール単位が60モル%以上である共重合ポリビニルアルコールが好ましく使用される。
【0019】
ポリビニルピロリドンとしては、分子量10万〜500万のものが好ましく、分子量30万〜100万のものがより好ましい。具体的には、(株)日本触媒製PX−K30P、PX−K90P等が好ましく用いられる。
【0020】
本発明の水溶性ポリマーは、離型フィルムとして使用後の温水に対する溶解性を高めたり、基材フィルムへの塗工性を向上したり、耐溶剤性を付与するために、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを混合して用いるのがより好ましい。ポリビニルアルコール(A)とポリビニルピロリドン(B)の重量混合比(A/B)は、目的に応じて任意に選定できるが、A/B=99/1〜1/99が好ましく、A/B=95/5〜5/95がより好ましく、A/B=90/10〜10/90が特に好ましい。
【0021】
本発明における水溶性ポリマーとしてさらに、水溶性化を容易にするため、スルホン酸塩基を含む化合物あるいはカルボン酸塩基を含む化合物の少なくとも1種を共重合成分とするポリエステル樹脂が好ましく用いられ、より好ましくはスルホン酸塩基を含む化合物あるいはカルボン酸塩基を含む化合物を1〜50モル%共重合されてなるポリエステル樹脂が好ましく用いられる。かかるポリエステル樹脂は、他の水溶性ポリマーと混合して用いることもできる。
【0022】
スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などを用いることができるが、これに限定されるものではない。 カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2′,3,3′−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0023】
本発明の水溶性ポリマーからなる層には、必要に応じて、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、帯電防止剤等を含有してもよい。また、易滑性や耐ブロッキング性を付与する目的で粒子等を添加してもよい。用いる粒子としては特に限定されないが、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができる。
【0024】
かかる水溶性ポリマー層の厚さは、回収安定性の点から、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜5μmであるのがよい。
【0025】
本発明において離型層を形成する材料は、離型性を有するものであれば特に限定されるものではないが、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするもの、あるいはウレタン樹脂、エポキシ樹脂等とのグラフト重合等による変性シリコーン樹脂等を好ましく使用することができる。中でも、離型性の点で、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするものが、より好ましく用いられる。
【0026】
かかる硬化型シリコーン樹脂としては、溶剤付加型、溶剤縮合型、溶剤紫外線硬化型、無溶剤付加型、無溶剤縮合型、無溶剤紫外線硬化型、無溶剤電子線硬化型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。具体的には、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のLTC750A、LTC300B、SD7223、SD7226、SD7229、SRX−210等、東芝シリコーン(株)製のYSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721等、信越化学工業(株)製のKS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、KNS−305、KNS−3000、X−62−1256等が好ましく用いられる。
【0027】
離型層の塗工量は、塗工安定性および離型性の点から、乾燥後の塗布量として好ましくは0.01〜10g/m2、より好ましくは0.05〜5g/m2の範囲であるものが使用される。
【0028】
本発明において、離型層表面のブロッキング防止、滑り性改良を目的として、離型層に粒子を添加してもよい。かかる粒子の種類としては、有機系粒子、無機系粒子のいずれでもよい。かかる離型層には、さらに必要に応じて、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
【0029】
本発明の水溶性ポリマーからなる層あるいは離型層を着色する着色材としては公知の染料および顔料を用いることができる。
【0030】
染料としては、有機合成化学協会編「新版染料便覧」(丸善(株)、1970)II編 1.染料表に記載の直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、反応染料、食品用色素から適宜選択して使用できる。中でも、直接染料、酸性染料、反応染料、塩基性染料、食品用色素を好ましく用いることができる。
【0031】
また、顔料としては、日本顔料技術協会編「改訂新版顔料便覧」((株)誠文堂新光社、1989)第6章に記載の顔料および上記「新版染料便覧」II編 3.有機顔料表に記載の顔料等から適宜選択して用いることができる。
【0032】
本発明の離型フィルムは、上記の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、水溶性ポリマーからなる層を介して離型層が形成されていることが肝要である。水溶性ポリマーからなる層を介することなく、直接フィルム面に離型層を形成したものは、フィルム面から離型層を分離除去することができず、クリーンな基材フィルムのみを単独で回収できない。本発明のフィルム面と離型層との間に水溶性ポリマーからなる層を介在させた構成とすることによって、使用後の離型フィルムを温水または熱水中で洗浄することにより、水溶性ポリマー層が溶解して容易に基材フィルム面から離型層を分離除去することができるので、クリーンな基材フィルムのみを回収することができ、回収したフィルムの再利用が可能となるのである。
【0033】
本発明の離型フィルムは、水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方が着色されていることが肝要である。
【0034】
水溶性ポリマー層または離型層を着色することなく離型フィルムが無色透明である場合には、水溶性ポリマー層が温水中に溶けだして離型層が分離除去されても肉眼では確認できないので、離型層の分離除去状態は、離型層形成面にマジックインキ等で描画してインキのハジキ度合いを調べたり、粘着テープを貼り付けてその接着度合いを調べて確かめる必要があり、大層手間がかかるだけでなく、確実性にも劣る。さらに、離型フィルムが無色透明の場合には、部分的に離型層が分離不十分の箇所があっても検出するのが困難である。水溶性ポリマー層または離型層のいずれか一方を着色したものとすることにより、分離不十分の箇所を目視で容易に確実に検出でき、再製膜工程で欠点発生の原因となる離型層が完全に除去された純度の高い基材フィルムのみを回収することができる。
【0035】
以下、本発明の離型フィルムの製造方法について、熱可塑性樹脂フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた例について説明する。
【0036】
ポリエステルは、次の方法で製造することができる。すなわち、前記のジカルボン酸成分とグリコール成分とを直接エステル化反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して、余剰のグリコール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造する方法や、酸成分としてジアルキルエステルを用い、これとグリコール成分とでエステル交換反応させた後、上記と同様に重縮合させることによって製造する方法等がある。この際、必要に応じて、反応触媒としてアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物を用いることもできる。
【0037】
上記のポリエステルには、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、顔料、可塑剤、末端封鎖剤、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合することができる。さらには、目的に応じて易滑性を付与することもできる。
【0038】
かかる易滑性の付与方法としては、特に制限はないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、アルミナ、ジルコニア、スピネル、湿式あるいは乾式シリカなどの無機粒子、アクリル酸系ポリマ類、ポリスチレン等を構成成分とする有機粒子等を配合する方法、界面活性剤を塗布する方法等を採用することができる。配合する粒子量としては、ポリマー100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量部である。また配合する粒子の平均径としては、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜2μmである。このような粒子は、種類、平均径の異なる複数のものを併用してもよい。
【0039】
本発明のポリエステルフィルムは、次の方法で製造することができる。すなわち、上述したポリエステルポリマーを十分に乾燥させた後、押出し機を用いて溶融押出しし、Tダイキャスト法によりポリマーをキャストドラム上に押出すことによって未延伸フィルムを得、次いで、この未延伸フィルムを同時あるいは逐次に二軸延伸することによって、フィルムを製造することができる。逐次二軸延伸の場合、その延伸順序はフィルムを長手方向、幅方向の順、あるいはこの逆の順としても良い。
【0040】
フィルムの延伸温度としては70℃〜110℃の範囲の温度が好ましい。フィルムの長手方向および幅方向の延伸倍率は、好ましくは1.5〜10倍の範囲であれば、任意に行うことができる。長手方向、幅方向の延伸倍率は、どちらを大きくしてもよく、同一倍率であってもよい。
【0041】
更に、フィルムを二軸延伸した後に熱処理を行ってもよい。この熱処理は、オーブン中、加熱されたロール上等、任意の方法で行うことができる。熱処理温度は、100℃以上融点以下の範囲の温度が好ましい。また、熱処理時間は、1〜60秒間の範囲で行うのが好ましい。
【0042】
本発明の離型フィルムは、上記の方法で作製した基材フィルムの少なくとも片面に、先ず、水溶性ポリマーからなる層を形成する。水溶性ポリマーからなる層を形成する方法としてはいかなる方法であってもよく、基材フィルムとの熱ラミネート、基材フィルム上への押出しラミネート、基材フィルムとの積層共押出し、基材フィルム上へのコーティングなどの方法を採用することができる。
【0043】
これらの中でも、水溶性ポリマーからなる層の厚み均一性の点で、コーティング方式が好ましく採用される。コーティング方式としては、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、バーコーター、ダイコーター、ナイフコーター等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
【0044】
コーティング後のフィルム面は、加熱、乾燥して、ポリマー中の水分を除去し、ポリマー層だけがフィルム面に残るようにする。コーティング方式の場合、二軸延伸後のフィルムに、オフラインでコーティングしてもよいし、製膜工程中に、いわゆるインラインでコーティングすることもできる。インラインコーティングの場合、たとえば、縦延伸後のフィルム面に、テンター入り口でコーティングしつつ、その後横延伸を行うなどの方法が採用することができる。
【0045】
また、水溶性ポリマーからなる層を形成する前に、必要に応じて、基材フィルムの表面に、空気中、その他種々の雰囲気中で、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
【0046】
本発明の離型フィルムは、さらに、水溶性ポリマーからなる層の上に、上述の硬化型シリコーン樹脂をコーティングして離型層を形成する。離型層のコーティングは、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、バーコーター、ダイコーター、ナイフコーター等、従来公知の塗工方式を用いて塗布することができる。
【0047】
水溶性ポリマーからなる層または離型層を着色する方法は、いかなる方法であってもよいが、上記の染料または顔料で塗剤を着色し、該着色塗剤をコーティングすることにより達成される。
<評価方法>
(1)離型層の分離性
作製した離型フィルムを3cm角に裁断し、80℃の熱水中で撹拌洗浄し、離型フィルムの色の消滅状態を目視観察し、次の基準で判定した。
【0048】
○:色が消滅し、無色透明になったもの
×:色が消滅しなかったもの
なお、色が消滅しなかったものは離型層が分離除去されていない。
(2)回収性
上記洗浄フィルムを後乾燥し、離型層形成面側にポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼りつけ、その接着度合いを次の基準で判定した。
【0049】
○:テープが強くくっつき、剥がれにくいもの
×:テープのくっつきが弱く、剥がれ易いもの
なお、テープのくっつきが弱いものは、離型層が残存しており、回収に適さない。
(3)再製膜性
上記洗浄回収したフィルムをチップ化し、2軸延伸製膜機で通常の製膜条件で再製膜し、次の基準で判定した。
【0050】
○:正常に製膜でき、透明なフィルムが再生できたもの
×:製膜中に破れが発生したり、フィルムが白濁、着色したもの
なお、×は再生不良のため、実用に適さない。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
実施例1
(離型フィルムの作製)
基材フィルムとして、ポリエステルフィルム(東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)R75、厚さ38μm)を準備した。該フィルムの片面に、グラビアコーターで、水溶性ポリマーとしてポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)“ゴーセノール”(登録商標)GL−03)とポリビニルピロリドン((株)日本触媒、PX−K90P)の混合水溶液(重量混合比=90/10、濃度5%)を乾燥後塗布量で0.3g/m2になるようにコーティングし、一旦巻き取った。該混合水溶液は、酸性染料C.I.Acid Red18を添加して赤く着色したものを用いた。
【0052】
次いで、上記水溶性ポリマー層の上から、硬化型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)LTC−750A、硬化剤SRX−212、0.8重量部添加)の2重量%トルエン溶液を乾燥後塗布量で0.15g/m2となるようグラビアコーターでコーティングし、本発明の赤色に着色された離型フィルムを作製した。
【0053】
該フィルムの離型層面側に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、全くくっつかず、離型層が正常に形成されていることが確認された。
(離型層の分離)
上記の離型フィルムを3cm角に裁断し、80℃の熱水中で撹拌洗浄したところ、赤色が消滅して無色透明になった。
(回収)
該フィルムを取り出し、熱風オーブン中で120℃×3分間乾燥して離型層面側にポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、強くくっつき、容易に剥がれなかった。すなわち、離型層が分離された基材フィルムが回収できた。
(再製膜)
上記の離型層を分離した基材フィルムをチップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したところ、無色透明のポリエステルフィルムを再生することができた。
【0054】
結果を表1に示した。実施例1の離型フィルムは、熱水中で撹拌洗浄することにより、離型層が容易に分離除去できるとともに、色が消えることで分離状態が目視確認できる。回収した基材フィルムは離型層が除去されているので、再生可能である。
【0055】
【表1】
実施例2
(離型フィルムの作製)
実施例1において、水溶性ポリマー層は着色していないものを用い、硬化型シリコーン樹脂/トルエン溶液の方を赤く着色したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして赤く着色した離型フィルムを作製した。
(離型層の分離)
上記の離型フィルムを3cm角に裁断し、80℃の熱水中で撹拌洗浄したところ、赤色が消滅して無色透明になった。
(回収)
該フィルムを取り出し、熱風オーブン中で120℃×3分間乾燥して離型層面側にポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、強くくっつき、容易に剥がれなかった。すなわち、離型層が分離除去された基材フィルムが回収できた。(再製膜)
上記の離型層を分離除去した基材フィルムをチップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したところ、無色透明のポリエステルフィルムを再生することができた。
【0056】
結果を表1に併せて示した。実施例2の離型フィルムは、熱水中で撹拌洗浄することにより、離型層が容易に分離除去できるとともに、色が消えることで分離状態が目視確認できる。回収した基材フィルムは離型層が除去されているので、再生可能であった。
比較例1
(離型フィルムの作製)
実施例1において、水溶性ポリマーをコーティングせず、硬化型シリコーン樹脂/トルエン溶液のみをコーティングして無色透明の離型フィルムを作製した。
【0057】
該離型フィルムの離型層面側に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、全くくっつかず、離型層が正常に形成されていることが確認された。
(離型層の分離)
上記の離型フィルムを、80℃の熱水中で1時間撹拌洗浄した後、フィルムを取り出し、乾燥したが、目視観察では離型層が分離できたかどうか不明であった。
(回収)
該離型フィルムの離型層面側に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、全くくっつかず、離型層が除去されていないことが確認された。すなわち、回収に不適なものであった。
(再製膜)
上記のフィルムをチップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したところ、溶融ポリマーが黄色に変色し、得られたフィルムも不透明で、白濁していた。また、製膜途中で、たびたび気泡が発生してフィルム破れが頻発し、正常な製膜ができなかった。
【0058】
結果を表1に併せて示した。比較例1のものは、離型層が全く分離除去されず、また目視による分離状態の確認も不可能であった。また、該フィルムは再生不可能であった。
比較例2
実施例2において、水溶性ポリマーをコーティングせず、赤く着色した硬化型シリコーン樹脂/トルエン溶液のみをコーティングして、赤く着色された離型フィルムを作製した。
(離型層の分離)
上記の離型フィルムを、80℃の熱水中で1時間撹拌洗浄したが、赤色が消えることはなかった。
(回収)
該離型フィルムの離型層面側に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、全くくっつかず、離型層が除去されていないことが確認された。すなわち、回収に不適なものであった。
(再製膜)
上記のフィルムをチップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したところ、溶融ポリマーが黄色に変色し、得られたフィルムも不透明で、白濁していた。また、製膜途中で、たびたび気泡が発生してフィルム破れが頻発し、正常な製膜ができなかった。
【0059】
結果を表1に併せて示した。比較例2のものは、離型層が全く分離除去されず、また目視による分離状態の確認も不可能であった。また、該フィルムは再生不可能であった。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、フィルム面に形成された離型層が容易に分離除去できるので、たとえばセラミックコンデンサー製造用のキャリアシートなどの工程フィルムとして使用した後、該フィルムを廃棄することなく、基材フィルムを回収再利用できる、つまり使用後の離型フィルムを廃棄することなく、回収再利用できる利点がある。
【0061】
本発明の離型フィルムは、水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方が着色されているので、使用後の離型フィルムを温水あるいは熱水で洗浄したときに、水溶性ポリマー層が温水中に溶解すると同時に離型層が基材フィルム表面から分離除去され、それまで着色されていた離型フィルム全体の色が消えて、透明になる。つまり、離型層が分離除去されることが目視で容易に確認できるという効果がある。
【0062】
さらに、離型フィルムが無色透明の場合には、部分的に離型層が分離不十分の箇所があっても検出するのが困難であったが、水溶性ポリマー層または離型層のいずれか一方を着色したものとすることにより、分離不十分の部分は着色された状態のまま残るので、目視で容易に確実に検出できる。
【0063】
したがって、再製膜工程で欠点発生の原因となる離型層が完全に除去された純度の高い基材フィルムのみを回収することができる。
【0064】
本発明の離型フィルムは、上記の効果を奏するので、セラミック離型用としてだけでなく、貼付薬保護シート、粘着ラベルや粘着テープ等の台紙、あるいは成形樹脂表面保護シート、液晶ディスプレイに用いられる偏光板や位相差板等の液晶表示板保護シート等、多くの用途に応用することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、貼付薬保護シート、粘着ラベルや粘着テープ等の台紙、あるいは成形樹脂表面保護シート、液晶ディスプレイに用いられる偏光板や位相差板等の液晶表示板保護シート、セラミック離型用等に用いられる離型フィルムに関するものであり、さらに詳しくは、積層セラミックコンデンサー等のセラミック電子部品あるいは高密度実装の回路基板などに使用されるセラミックグリーンシート製造用キャリアシートとして好適な離型フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂フィルムを基材とし、基材表面に硬化型シリコーン樹脂などの離型層を形成した離型フィルムは、貼付薬保護シート、粘着ラベルや粘着テープ等の台紙、あるいは成形樹脂表面保護シート、液晶ディスプレイに用いられる偏光板や位相差板等の液晶表示板保護シート、セラミック離型用など各種用途に使用されている。
【0003】
特に近年、携帯電話や携帯用パソコンに代表される移動体通信機器、携帯情報端末機器などの大量普及に伴い、これらの電子機器に使用される多層セラミック基板、積層セラミックコンデンサーなども大量に生産されており、相応してセラミックコンデンサーの製造工程に用いられるグリーンシート用の離型フィルムが大量に消費されている。
【0004】
セラミックグリーンシートのキャリアシートとして使用される離型フィルムは、セラミックを剥離した後は回収されることなくそのまま廃棄されているのが現状である。
【0005】
しかしながら、昨今、地球資源、地球環境保護の観点から、PETボトルの回収再生が一般化しつつあるように、上記の離型フィルムの分野においても回収リサイクルが大きな課題となっているが、いまだ実現していないのが現状である。
【0006】
上記の離型フィルムが回収再生できない最大の理由は、離型フィルム上に形成された硬化型シリコーン等の離型層を基材のフィルム面から完全に分離除去することができないためである。つまり、離型層を形成する硬化性シリコーン樹脂等の成分が基材の熱可塑性樹脂フィルムに混入すると、ポリマーの溶融粘度が低下して機械物性の低下や製膜安定性の低下を招いたり、また表面粗大突起や粗大欠点が発生したり、押出時の異臭や得られたフィルムが変色するなどの欠点が発生するため、実用的なフィルムとして再生することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、離型フィルムの表面に形成された離型層を基材フィルムから分離除去するとともに、分離除去の状態を目視で確認することができる離型フィルムを提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明の離型フィルムは、主として次の構成を有する。すなわち、
熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に水溶性ポリマーからなる層を介して離型層が形成されてなり、該水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方が着色されていることを特徴とする離型フィルムである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記課題、つまりフィルム面に形成された離型層を容易に分離除去することができるとともに、分離除去の状態を目視で確認できる離型フィルムについて、鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂フィルムと離型層との間に水溶性ポリマーからなる層を介在させて、かつ水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方を着色したものとすることによって、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0010】
本発明の離型フィルムにおける熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、セロハンなどを使用することができる。中でも、耐熱性、強度の点で、ポリエステルフィルムが好ましく用いられる。
【0011】
ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルが好ましく使用される。ここでいうジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸を用いることができ、芳香族ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸等を用いることができる。また、脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらにはヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
【0012】
また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2′−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができる。中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールが好ましく用いられる。これらのグリコール成分は、1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、フィルムの成形性、取扱い性の向上を目的として、上記ポリエステルに、トリメリト酸、トリメシン酸、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多官能化合物や、p−オキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸等を共重合してもよい。
【0013】
本発明の離型フィルムの基材とするポリエステルとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとの共重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレートとエチレンテレフタレートとの共重合体、ブチレンテレフタレートとヘキサメチレンテレフタレートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートと1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体、エチレンテレフタレートとエチレン−2,6−ナフタレートとの共重合体およびこれらのブレンド物等を用いることができる。
【0014】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、強度、寸法安定性の点から10〜200μmの範囲のものが好ましく使用される。
【0015】
本発明において、水溶性ポリマーとしては水溶性であれば特に限定されるものではないが、その分子鎖中に例えば、高分子大辞典(丸善(株))p.488、図2に挙げられた親水性の置換基を含むものであり、中でも水酸基、エーテル基、アミド基、カルボキシル基、リン酸エステル基、スルホン酸基、アミノ基、イミノ基、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、アンモニウム塩基を含むものが好ましく、特に水酸基、カルボキシル基、スルホン酸塩基、カルボン酸塩基を含むものが好ましい。
【0016】
具体的な本発明の水溶性ポリマーとして、かんしょ澱粉、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、こんにゃく、ふのり、寒天、アルギン酸ナトリウム、トロロアオイ、トラガントゴム、アラビアゴム、デキストラン、レバン、にかわ、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ビスコース、メチル・セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、カルボキシメチル澱粉、ジアルデヒド澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドンなどの水溶性ポリマーが好ましく用いられる。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、透明性、耐熱性、耐有機溶剤性等の点で、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンがより好ましく用いられる。
【0017】
ポリビニルアルコールとしては、鹸化度70〜99モル%、粘度平均重合度300〜10000が好ましく、鹸化度75〜90モル%、粘度平均重合度300〜2500がより好ましい。具体的には、(株)クラレ製“ポバール”PVA−102、PVA−103、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−CSA、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217E、PVA−217EE、PVA−220E、PVA−403、PVA−405、PVA−420、PVA−420H、L−8、L−9、L−10、PVA−505、PVA−617、PVA−613、PVA−706等、日本合成化学工業(株)製“ゴーセノール”NH−26、NH−20、NH−18、N−300、NM−14、NM−11、NL−05、AH−26、AH−22、AH−17、A−300、C−500、P−610、AL−06、GH−23、GH−20、GH−17、GM−14、GM−14L、GL−05、GL−03、KH−20、KH−17、KM−11、KL−05、KL−03、KP−08、KP−06、NK−05、“ゴーセラン”F−78、L−0301、L−0302、L−3266等が好ましく使用される。
【0018】
また、ポリビニルアルコールは共重合体であってもよく、その場合、ビニルアルコール単位が60モル%以上である共重合ポリビニルアルコールが好ましく使用される。
【0019】
ポリビニルピロリドンとしては、分子量10万〜500万のものが好ましく、分子量30万〜100万のものがより好ましい。具体的には、(株)日本触媒製PX−K30P、PX−K90P等が好ましく用いられる。
【0020】
本発明の水溶性ポリマーは、離型フィルムとして使用後の温水に対する溶解性を高めたり、基材フィルムへの塗工性を向上したり、耐溶剤性を付与するために、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを混合して用いるのがより好ましい。ポリビニルアルコール(A)とポリビニルピロリドン(B)の重量混合比(A/B)は、目的に応じて任意に選定できるが、A/B=99/1〜1/99が好ましく、A/B=95/5〜5/95がより好ましく、A/B=90/10〜10/90が特に好ましい。
【0021】
本発明における水溶性ポリマーとしてさらに、水溶性化を容易にするため、スルホン酸塩基を含む化合物あるいはカルボン酸塩基を含む化合物の少なくとも1種を共重合成分とするポリエステル樹脂が好ましく用いられ、より好ましくはスルホン酸塩基を含む化合物あるいはカルボン酸塩基を含む化合物を1〜50モル%共重合されてなるポリエステル樹脂が好ましく用いられる。かかるポリエステル樹脂は、他の水溶性ポリマーと混合して用いることもできる。
【0022】
スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシレングリコール、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などを用いることができるが、これに限定されるものではない。 カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、2,2′,3,3′−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0023】
本発明の水溶性ポリマーからなる層には、必要に応じて、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、帯電防止剤等を含有してもよい。また、易滑性や耐ブロッキング性を付与する目的で粒子等を添加してもよい。用いる粒子としては特に限定されないが、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができる。
【0024】
かかる水溶性ポリマー層の厚さは、回収安定性の点から、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜5μmであるのがよい。
【0025】
本発明において離型層を形成する材料は、離型性を有するものであれば特に限定されるものではないが、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするもの、あるいはウレタン樹脂、エポキシ樹脂等とのグラフト重合等による変性シリコーン樹脂等を好ましく使用することができる。中でも、離型性の点で、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするものが、より好ましく用いられる。
【0026】
かかる硬化型シリコーン樹脂としては、溶剤付加型、溶剤縮合型、溶剤紫外線硬化型、無溶剤付加型、無溶剤縮合型、無溶剤紫外線硬化型、無溶剤電子線硬化型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。具体的には、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のLTC750A、LTC300B、SD7223、SD7226、SD7229、SRX−210等、東芝シリコーン(株)製のYSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721等、信越化学工業(株)製のKS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、KNS−305、KNS−3000、X−62−1256等が好ましく用いられる。
【0027】
離型層の塗工量は、塗工安定性および離型性の点から、乾燥後の塗布量として好ましくは0.01〜10g/m2、より好ましくは0.05〜5g/m2の範囲であるものが使用される。
【0028】
本発明において、離型層表面のブロッキング防止、滑り性改良を目的として、離型層に粒子を添加してもよい。かかる粒子の種類としては、有機系粒子、無機系粒子のいずれでもよい。かかる離型層には、さらに必要に応じて、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、帯電防止剤等を含有してもよい。
【0029】
本発明の水溶性ポリマーからなる層あるいは離型層を着色する着色材としては公知の染料および顔料を用いることができる。
【0030】
染料としては、有機合成化学協会編「新版染料便覧」(丸善(株)、1970)II編 1.染料表に記載の直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、反応染料、食品用色素から適宜選択して使用できる。中でも、直接染料、酸性染料、反応染料、塩基性染料、食品用色素を好ましく用いることができる。
【0031】
また、顔料としては、日本顔料技術協会編「改訂新版顔料便覧」((株)誠文堂新光社、1989)第6章に記載の顔料および上記「新版染料便覧」II編 3.有機顔料表に記載の顔料等から適宜選択して用いることができる。
【0032】
本発明の離型フィルムは、上記の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、水溶性ポリマーからなる層を介して離型層が形成されていることが肝要である。水溶性ポリマーからなる層を介することなく、直接フィルム面に離型層を形成したものは、フィルム面から離型層を分離除去することができず、クリーンな基材フィルムのみを単独で回収できない。本発明のフィルム面と離型層との間に水溶性ポリマーからなる層を介在させた構成とすることによって、使用後の離型フィルムを温水または熱水中で洗浄することにより、水溶性ポリマー層が溶解して容易に基材フィルム面から離型層を分離除去することができるので、クリーンな基材フィルムのみを回収することができ、回収したフィルムの再利用が可能となるのである。
【0033】
本発明の離型フィルムは、水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方が着色されていることが肝要である。
【0034】
水溶性ポリマー層または離型層を着色することなく離型フィルムが無色透明である場合には、水溶性ポリマー層が温水中に溶けだして離型層が分離除去されても肉眼では確認できないので、離型層の分離除去状態は、離型層形成面にマジックインキ等で描画してインキのハジキ度合いを調べたり、粘着テープを貼り付けてその接着度合いを調べて確かめる必要があり、大層手間がかかるだけでなく、確実性にも劣る。さらに、離型フィルムが無色透明の場合には、部分的に離型層が分離不十分の箇所があっても検出するのが困難である。水溶性ポリマー層または離型層のいずれか一方を着色したものとすることにより、分離不十分の箇所を目視で容易に確実に検出でき、再製膜工程で欠点発生の原因となる離型層が完全に除去された純度の高い基材フィルムのみを回収することができる。
【0035】
以下、本発明の離型フィルムの製造方法について、熱可塑性樹脂フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた例について説明する。
【0036】
ポリエステルは、次の方法で製造することができる。すなわち、前記のジカルボン酸成分とグリコール成分とを直接エステル化反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して、余剰のグリコール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造する方法や、酸成分としてジアルキルエステルを用い、これとグリコール成分とでエステル交換反応させた後、上記と同様に重縮合させることによって製造する方法等がある。この際、必要に応じて、反応触媒としてアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物を用いることもできる。
【0037】
上記のポリエステルには、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、顔料、可塑剤、末端封鎖剤、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合することができる。さらには、目的に応じて易滑性を付与することもできる。
【0038】
かかる易滑性の付与方法としては、特に制限はないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、アルミナ、ジルコニア、スピネル、湿式あるいは乾式シリカなどの無機粒子、アクリル酸系ポリマ類、ポリスチレン等を構成成分とする有機粒子等を配合する方法、界面活性剤を塗布する方法等を採用することができる。配合する粒子量としては、ポリマー100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量部である。また配合する粒子の平均径としては、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜2μmである。このような粒子は、種類、平均径の異なる複数のものを併用してもよい。
【0039】
本発明のポリエステルフィルムは、次の方法で製造することができる。すなわち、上述したポリエステルポリマーを十分に乾燥させた後、押出し機を用いて溶融押出しし、Tダイキャスト法によりポリマーをキャストドラム上に押出すことによって未延伸フィルムを得、次いで、この未延伸フィルムを同時あるいは逐次に二軸延伸することによって、フィルムを製造することができる。逐次二軸延伸の場合、その延伸順序はフィルムを長手方向、幅方向の順、あるいはこの逆の順としても良い。
【0040】
フィルムの延伸温度としては70℃〜110℃の範囲の温度が好ましい。フィルムの長手方向および幅方向の延伸倍率は、好ましくは1.5〜10倍の範囲であれば、任意に行うことができる。長手方向、幅方向の延伸倍率は、どちらを大きくしてもよく、同一倍率であってもよい。
【0041】
更に、フィルムを二軸延伸した後に熱処理を行ってもよい。この熱処理は、オーブン中、加熱されたロール上等、任意の方法で行うことができる。熱処理温度は、100℃以上融点以下の範囲の温度が好ましい。また、熱処理時間は、1〜60秒間の範囲で行うのが好ましい。
【0042】
本発明の離型フィルムは、上記の方法で作製した基材フィルムの少なくとも片面に、先ず、水溶性ポリマーからなる層を形成する。水溶性ポリマーからなる層を形成する方法としてはいかなる方法であってもよく、基材フィルムとの熱ラミネート、基材フィルム上への押出しラミネート、基材フィルムとの積層共押出し、基材フィルム上へのコーティングなどの方法を採用することができる。
【0043】
これらの中でも、水溶性ポリマーからなる層の厚み均一性の点で、コーティング方式が好ましく採用される。コーティング方式としては、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、バーコーター、ダイコーター、ナイフコーター等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
【0044】
コーティング後のフィルム面は、加熱、乾燥して、ポリマー中の水分を除去し、ポリマー層だけがフィルム面に残るようにする。コーティング方式の場合、二軸延伸後のフィルムに、オフラインでコーティングしてもよいし、製膜工程中に、いわゆるインラインでコーティングすることもできる。インラインコーティングの場合、たとえば、縦延伸後のフィルム面に、テンター入り口でコーティングしつつ、その後横延伸を行うなどの方法が採用することができる。
【0045】
また、水溶性ポリマーからなる層を形成する前に、必要に応じて、基材フィルムの表面に、空気中、その他種々の雰囲気中で、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
【0046】
本発明の離型フィルムは、さらに、水溶性ポリマーからなる層の上に、上述の硬化型シリコーン樹脂をコーティングして離型層を形成する。離型層のコーティングは、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、バーコーター、ダイコーター、ナイフコーター等、従来公知の塗工方式を用いて塗布することができる。
【0047】
水溶性ポリマーからなる層または離型層を着色する方法は、いかなる方法であってもよいが、上記の染料または顔料で塗剤を着色し、該着色塗剤をコーティングすることにより達成される。
<評価方法>
(1)離型層の分離性
作製した離型フィルムを3cm角に裁断し、80℃の熱水中で撹拌洗浄し、離型フィルムの色の消滅状態を目視観察し、次の基準で判定した。
【0048】
○:色が消滅し、無色透明になったもの
×:色が消滅しなかったもの
なお、色が消滅しなかったものは離型層が分離除去されていない。
(2)回収性
上記洗浄フィルムを後乾燥し、離型層形成面側にポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼りつけ、その接着度合いを次の基準で判定した。
【0049】
○:テープが強くくっつき、剥がれにくいもの
×:テープのくっつきが弱く、剥がれ易いもの
なお、テープのくっつきが弱いものは、離型層が残存しており、回収に適さない。
(3)再製膜性
上記洗浄回収したフィルムをチップ化し、2軸延伸製膜機で通常の製膜条件で再製膜し、次の基準で判定した。
【0050】
○:正常に製膜でき、透明なフィルムが再生できたもの
×:製膜中に破れが発生したり、フィルムが白濁、着色したもの
なお、×は再生不良のため、実用に適さない。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
実施例1
(離型フィルムの作製)
基材フィルムとして、ポリエステルフィルム(東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)R75、厚さ38μm)を準備した。該フィルムの片面に、グラビアコーターで、水溶性ポリマーとしてポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)“ゴーセノール”(登録商標)GL−03)とポリビニルピロリドン((株)日本触媒、PX−K90P)の混合水溶液(重量混合比=90/10、濃度5%)を乾燥後塗布量で0.3g/m2になるようにコーティングし、一旦巻き取った。該混合水溶液は、酸性染料C.I.Acid Red18を添加して赤く着色したものを用いた。
【0052】
次いで、上記水溶性ポリマー層の上から、硬化型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)LTC−750A、硬化剤SRX−212、0.8重量部添加)の2重量%トルエン溶液を乾燥後塗布量で0.15g/m2となるようグラビアコーターでコーティングし、本発明の赤色に着色された離型フィルムを作製した。
【0053】
該フィルムの離型層面側に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、全くくっつかず、離型層が正常に形成されていることが確認された。
(離型層の分離)
上記の離型フィルムを3cm角に裁断し、80℃の熱水中で撹拌洗浄したところ、赤色が消滅して無色透明になった。
(回収)
該フィルムを取り出し、熱風オーブン中で120℃×3分間乾燥して離型層面側にポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、強くくっつき、容易に剥がれなかった。すなわち、離型層が分離された基材フィルムが回収できた。
(再製膜)
上記の離型層を分離した基材フィルムをチップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したところ、無色透明のポリエステルフィルムを再生することができた。
【0054】
結果を表1に示した。実施例1の離型フィルムは、熱水中で撹拌洗浄することにより、離型層が容易に分離除去できるとともに、色が消えることで分離状態が目視確認できる。回収した基材フィルムは離型層が除去されているので、再生可能である。
【0055】
【表1】
実施例2
(離型フィルムの作製)
実施例1において、水溶性ポリマー層は着色していないものを用い、硬化型シリコーン樹脂/トルエン溶液の方を赤く着色したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして赤く着色した離型フィルムを作製した。
(離型層の分離)
上記の離型フィルムを3cm角に裁断し、80℃の熱水中で撹拌洗浄したところ、赤色が消滅して無色透明になった。
(回収)
該フィルムを取り出し、熱風オーブン中で120℃×3分間乾燥して離型層面側にポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、強くくっつき、容易に剥がれなかった。すなわち、離型層が分離除去された基材フィルムが回収できた。(再製膜)
上記の離型層を分離除去した基材フィルムをチップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したところ、無色透明のポリエステルフィルムを再生することができた。
【0056】
結果を表1に併せて示した。実施例2の離型フィルムは、熱水中で撹拌洗浄することにより、離型層が容易に分離除去できるとともに、色が消えることで分離状態が目視確認できる。回収した基材フィルムは離型層が除去されているので、再生可能であった。
比較例1
(離型フィルムの作製)
実施例1において、水溶性ポリマーをコーティングせず、硬化型シリコーン樹脂/トルエン溶液のみをコーティングして無色透明の離型フィルムを作製した。
【0057】
該離型フィルムの離型層面側に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、全くくっつかず、離型層が正常に形成されていることが確認された。
(離型層の分離)
上記の離型フィルムを、80℃の熱水中で1時間撹拌洗浄した後、フィルムを取り出し、乾燥したが、目視観察では離型層が分離できたかどうか不明であった。
(回収)
該離型フィルムの離型層面側に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、全くくっつかず、離型層が除去されていないことが確認された。すなわち、回収に不適なものであった。
(再製膜)
上記のフィルムをチップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したところ、溶融ポリマーが黄色に変色し、得られたフィルムも不透明で、白濁していた。また、製膜途中で、たびたび気泡が発生してフィルム破れが頻発し、正常な製膜ができなかった。
【0058】
結果を表1に併せて示した。比較例1のものは、離型層が全く分離除去されず、また目視による分離状態の確認も不可能であった。また、該フィルムは再生不可能であった。
比較例2
実施例2において、水溶性ポリマーをコーティングせず、赤く着色した硬化型シリコーン樹脂/トルエン溶液のみをコーティングして、赤く着色された離型フィルムを作製した。
(離型層の分離)
上記の離型フィルムを、80℃の熱水中で1時間撹拌洗浄したが、赤色が消えることはなかった。
(回収)
該離型フィルムの離型層面側に、ポリエステル粘着テープ(日東電工(株)No.31B)を貼り付けたところ、全くくっつかず、離型層が除去されていないことが確認された。すなわち、回収に不適なものであった。
(再製膜)
上記のフィルムをチップ化し、二軸延伸製膜機で製膜したところ、溶融ポリマーが黄色に変色し、得られたフィルムも不透明で、白濁していた。また、製膜途中で、たびたび気泡が発生してフィルム破れが頻発し、正常な製膜ができなかった。
【0059】
結果を表1に併せて示した。比較例2のものは、離型層が全く分離除去されず、また目視による分離状態の確認も不可能であった。また、該フィルムは再生不可能であった。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、フィルム面に形成された離型層が容易に分離除去できるので、たとえばセラミックコンデンサー製造用のキャリアシートなどの工程フィルムとして使用した後、該フィルムを廃棄することなく、基材フィルムを回収再利用できる、つまり使用後の離型フィルムを廃棄することなく、回収再利用できる利点がある。
【0061】
本発明の離型フィルムは、水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方が着色されているので、使用後の離型フィルムを温水あるいは熱水で洗浄したときに、水溶性ポリマー層が温水中に溶解すると同時に離型層が基材フィルム表面から分離除去され、それまで着色されていた離型フィルム全体の色が消えて、透明になる。つまり、離型層が分離除去されることが目視で容易に確認できるという効果がある。
【0062】
さらに、離型フィルムが無色透明の場合には、部分的に離型層が分離不十分の箇所があっても検出するのが困難であったが、水溶性ポリマー層または離型層のいずれか一方を着色したものとすることにより、分離不十分の部分は着色された状態のまま残るので、目視で容易に確実に検出できる。
【0063】
したがって、再製膜工程で欠点発生の原因となる離型層が完全に除去された純度の高い基材フィルムのみを回収することができる。
【0064】
本発明の離型フィルムは、上記の効果を奏するので、セラミック離型用としてだけでなく、貼付薬保護シート、粘着ラベルや粘着テープ等の台紙、あるいは成形樹脂表面保護シート、液晶ディスプレイに用いられる偏光板や位相差板等の液晶表示板保護シート等、多くの用途に応用することができる。
Claims (12)
- 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に水溶性ポリマーからなる層を介して離型層が形成されてなり、該水溶性ポリマーからなる層または離型層のいずれか一方が着色されていることを特徴とする離型フィルム。
- 前記水溶性ポリマーが、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸塩基およびカルボン酸塩基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基を分子鎖中に含むことを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
- 前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
- 前記水溶性ポリマーが、ポリビニルピロリドンであることを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
- 前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
- 前記ポリビニルアルコール(A)とポリビニルピロリドン(B)の混合比A/B(固形分重量比)が、99/1〜1/99であることを特徴とする請求項5に記載の離型フィルム。
- 前記水溶性ポリマーが、スルホン酸塩基を含む化合物またはカルボン酸塩基を含む化合物の少なくとも1種を共重合成分とするポリエステル共重合体樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
- 前記ポリエステル共重合体樹脂が、スルホン酸塩基を含む化合物またはカルボン酸塩基を含む化合物の少なくとも1種を1〜50モル%共重合されてなることを特徴とする請求項7に記載の離型フィルム。
- 前記水溶性ポリマーが、前記ポリエステル樹脂と他の水溶性ポリマーとの混合物であることを特徴とする請求項7または8に記載の離型フィルム。
- 前記水溶性ポリマーからなる層の厚さが0.01〜10μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の離型フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の離型フィルム。
- 前記離型層が、硬化型シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の離型フィルム。
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