JP2004018448A - 2’−デオキシグアノシン塩誘導体及びその製造法 - Google Patents

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石橋  大樹
Katsutoshi Tsuchiya
土屋 克敏
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Abstract

【課題】従来の医薬品等の製造で問題であった結晶水を含む2’−デオキシグアノシンに代わる2’−デオキシグアノシン塩誘導体およびその製造法を提供する。
【解決手段】2’−デオキシグアノシン誘導体をピリジン誘導体との塩とする事により、結晶水の無い安定的な2’−デオキシグアノシン塩誘導体を製造する。
【効果】本発明の2’−デオキシグアノシン塩誘導体は結晶水を含まず、かつ安定的であるので、該誘導体を用いた医薬中間体の製造は製造コストの低減、品質の向上、産廃物の低減などをはかる事が出来る。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は2’−デオキシグアノシンとピリジン誘導体との塩化合物およびその製造法に関する。
【0002】
2’−デオキシグアノシン誘導体は、近年開発されつつあるアンチセンスDNAなどの原料として有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】
近年、ゲノム創薬の進展に伴い、アンチセンスDNA医薬などが急速に開発されている。それに伴い、原料となるDNAオリゴマー、さらにオリゴマーの原料となる保護化デオキシヌクレオシド類の需要が増大している。更に、医薬品の用途には、不純物を生成するような物質の混入を極力抑制した高純度の原料、中間体などが要求されている。一方で、近年の環境問題等からも、製造コストの増加、産廃物増加を起こすような反応を極力抑制する必要がある。
【0004】
これまで、2’−デオキシグアノシンは1水和物として安定的に存在する為、一般的にはこの形で市場に出回っている。しかしながら、医薬品等の中間体である保護化ヌクレオシドを製造する為には、N位のアシル化、5’水酸基の保護化を必要とする。これらのアシル化或いは保護化反応は無水条件で行われる[例えば、ジャーナル.オブ.ザ.アメリカン.ケミカル.ソサイエティー、85巻、3821頁(1963年)(J.Am.Chem.Soc.,85,3821,(1963)など]ため、一水和物である2’−デオキシグアノシンを原料とする場合、反応のために高価な試薬が一当量過剰に必要となり、製造コストの上昇を招く。また、添加した試薬の加水分解による不純物の生成が起こる為不都合があり、原料として結晶水を含まない安定的な2’−デオキシグアノシンが求められていた。
【0005】
2’−デオキシグアノシン誘導体と他の化合物とのコンプレックスは、バイオケミストリー、9巻(3号)、577頁(1970年)[Biochemistry,9(3),577(1970)]でキノキサリン、アデノシン、7−クロロキノリン誘導体等とのコンプレックスが示されているが、どのコンプレックスとも単離などはされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決課題は、従来の医薬品等の製造で問題であった結晶水を含まず、かつ安定的に存在する2’−デオキシグアノシン塩誘導体およびその製造法を提供する事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、2’−デオキシグアノシン誘導体をピリジン誘導体を含有する溶液で結晶化すると、結晶水を含まない安定的な2’−デオキシグアノシン塩誘導体を得る事が可能であることを見出した。
【0008】
ピリジン誘導体とのコンプレックスは結晶として安定的に存在し、結晶水を含まない結晶として得られるという事は今まで知られていなかった。
【0009】
即ち、本発明は以下のとおりである。
【0010】
[1]一般式(1)[化4]
【0011】
【化4】
Figure 2004018448
【0012】
(式中、mとnは各々独立して1から4の整数を示し、Rは水素原子またはハロゲン原子を示し、XとYは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換されても良いアルキル基、置換されても良いアルコキシル基、置換されても良いアミノ基を示し、またXとYは結合して環化してもよい)で示される2’−デオキシグアノシン塩誘導体、
[2] mとnが共に1である請求項1に記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体、
[3] Rが水素原子である請求項1または2記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体、
[4] XとYが共に水素原子である請求項1から3のいずれかに一項に記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体、
[5]  一般式(2)[化5]
【0013】
【化5】
Figure 2004018448
【0014】
(式中、Rは水素原子またはハロゲン原子を示す)で示される2’−デオキシグアノシン誘導体を含む結晶または該誘導体を含有する混合物を、一般式(3)[化6]
【0015】
【化6】
Figure 2004018448
【0016】
(式中、XとYは前記と同義である)で示されるピリジン誘導体を含有する溶液に添加し、該溶液中で該2’−デオキシグアノシン誘導体を結晶化する事により、一般式(1)で示される2’−デオキシグアノシン塩誘導体を製造する事を特徴とする、2’−デオキシグアノシン塩誘導体の製造方法、
[6] 一般式(2)で示されるピリジン誘導体を含有する溶液が、水体を含有する事を特徴とする、請求項5記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体の製造方法、
[7] mとnが共に1である請求項5または6に記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体の製造方法、
[8] Rが水素原子である請求項5から7いずれか一項に記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体の製造方法、
[9] X、Yが共に水素原子である請求項5から8のいずれか一項に記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体の製造方法である。
【0017】
【発明実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(1)及び(2)で示されるRで表されるハロゲン原子とは、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子を表す
一般式(1)及び(3)で示されるX、Yで表されるハロゲン原子とは、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子を表す。
【0018】
一般式(1)及び(3)で示されるX、Yで表される置換されても良いアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、i−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基、2−メトキシベンジルオキシ基、3−メトキシベンジルオキシ基、4−メトキシベンジルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、3−メチルベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、メトキシエチルオキシ基、エトキシエチルオキシ基、ベンジルオキシメトキシ基、ベンジルオキシエトキシ基、プロパルギルオキシ基、アリルオキシ基、フェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−フェニルフェニルオキシ基などが挙げられる。
【0019】
一般式(1)及び(3)で示されるX、Yで表される置換されても良いアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ベンジル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基等が挙げられる。
【0020】
一般式(1)及び(3)で示されるX、Yで表される置換されても良いアミノ基としては、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、アジリジル基、モルホリル基、メトキシエチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、クロロエチルアミノ基などが挙げられる。
【0021】
一般式(3)で表されるピリジン誘導体を含有する溶液とは、ピリジン誘導体を1重量%〜100重量%含有する溶液であり、好ましくは5重量%〜100重量%である。
【0022】
一般式(1)及び(3)においてX、Yで表される置換基が環化して得られる化合物とは、例えば、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリンなどが挙げられる。
【0023】
一般式(3)で表されるピリジン誘導体を含有する溶液にはピリジン誘導体以外の物質が含まれてよいがそのような物質としては、本溶液に混和するものであれば特に限定はなく、例えば、水やメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセルソルブ等のアルコール類や、エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類や、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどの二トリル類や、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノンなどのアミド類や、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類や、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン類や、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類や、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素類が挙げられ、これらを必要に応じて1種ないしは数種混合して用いる事が出来る。但しこの場合、溶液に水が含まれる場合、水の含有量は一般式(1)で示される2’−デオキシグアノシン塩誘導体の生成を妨げない量でなければならず、また、1水和物の生成しない量でなければならない。
【0024】
一般式(1)で表される2’−デオキシグアノシン誘導体を含有する結晶または混合物とは、2’−デオキシグアノシン誘導体を1〜100重量%含有する結晶または、溶液、懸濁液を示す。
【0025】
上記の2’−デオキシグアノシン誘導体を含有する溶液、懸濁液として用いられる溶媒は特に限定はないが、例えば、水やメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセルソルブ等のアルコール類や、エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類や、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどの二トリル類や、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノンなどのアミド類や、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類や、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン類や、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類や、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素類が挙げられ、これらを必要に応じて1種ないしは数種混合した溶液を用いる事が出来る。但しこの場合、溶液に水が含まれる場合、水の含有量は一般式(1)で示される2’−デオキシグアノシン塩誘導体の生成を妨げない量でなければならず、また、1水和物の生成しない量でなければならない。
【0026】
また、2’−デオキシグアノシン誘導体を含有する溶液、懸濁液としては、合成反応、酵素反応などを用いて合成した2’−デオキシグアノシン誘導体の溶液、懸濁液を用いる事も可能である。
【0027】
一般式(2)で表される2’−デオキシグアノシン誘導体と一般式(3)で示されるピリジン誘導体との処理の際用いられるピリジン誘導体の量は塩を作るのに必要なモル数を用いれば特に限定は無いが、通常、2’−デオキシグアノシン誘導体に対し、0.25〜200当量、好ましくは1〜100当量である。
【0028】
一般式(2)で表される2’−デオキシグアノシン誘導体と一般式(3)で示されるピリジン誘導体との処理温度は、溶液の融点から沸点の範囲であれば特に限定はないが、通常、−5℃から溶媒の沸点の範囲で行われる。
【0029】
この様な結晶化により得られた2’−デオキシグアノシン塩誘導体は、冷却などによる晶析操作、溶媒留去などの濃縮操作、溶解度の小さい溶媒と混和する事により、析出させて粉末として取り出す事も出来るが、特に限定はされない。
【0030】
以上、本発明により、結晶水を含まず、かつ安定的に存在する2’−デオキシグアノシン塩誘導体を得る事が可能となった。
【0031】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1  2’−デオキシグアノシン ピリジン塩の製造
2’−デオキシグアノシン一水和物10gをピリジン30gに懸濁し、50℃で2時間攪拌した。得られた処理マスを5℃まで冷却し、そのまま2時間攪拌後、沈殿物を濾取し、60℃で減圧乾燥する事により、2’−デオキシグアノシン
ピリジン塩11.5g(95%)を得た。
NMR:δ(DMSO) 2.2(m,1H)、3.5(m,2H),3.8(d,1H),4.3(s ,1H),5.0(s,1H),5.3(d,1H)、6.1(t,1H)、6.5(s,2H),7.4(m,2H)、7.8(t,1H)、7.9(s,1H)、8.6(d,2H)、10.6(s,1H).
【0032】
実施例2  2’−デオキシグアノシン ピリジン塩の製造
2’−デオキシグアノシン 一水和物10gを水20gに懸濁し、ピリジン30gを加え1時間攪拌した。処理マスを0℃まで冷却し、そのまま2時間かけて晶析後、沈殿物を濾取し、60℃で減圧乾燥する事により、2’−デオキシグアノシン ピリジン塩10.9g(90%)を得た。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、結晶水を含まず、かつ安定的に存在する2’−デオキシグアノシン塩誘導体を見出した事により、医薬中間体などの製造に有用な結晶水を含まない2’−デオキシグアノシン塩誘導体を提供する事が可能になった。

Claims (9)

  1. 一般式(1)[化1]
    Figure 2004018448
    (式中、mとnは各々独立して1から4の整数を示し、Rは水素原子又はハロゲン原子を示し、XとYは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換されても良いアルキル基、置換されても良いアルコキシル基又は置換されても良いアミノ基を示し、またXとYは結合して環化してもしてもよい)で示される2’−デオキシグアノシン塩誘導体。
  2. mとnが共に1である請求項1に記載の2’−デオキシグアシン塩誘導体。
  3. Rが水素原子である請求項1または2記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体。
  4. XとYが共に水素原子である請求項1から3のいずれか1項に記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体。
  5. 一般式(2)[化2]
    Figure 2004018448
    (式中、Rは水素原子又はハロゲン原子を示す)で示される2’−デオキシグアノシン誘導体を含む結晶または該誘導体を含有する混合物を、一般式(3)[化3]
    Figure 2004018448
    (式中、XとYは前記と同義である)で示されるピリジン誘導体を含有する溶液に添加し、該溶液中で該2’−デオキシグアノシン誘導体を結晶化する事により、一般式(1)で示される2’−デオキシグアノシン塩誘導体を製造する事を特徴とする、2’−デオキシグアノシン塩誘導体の製造方法。
  6. 一般式(2)で示されるピリジン誘導体を含有する溶液が、水を含有する事を特徴とする、請求項5記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体の製造方法。
  7. mとnが共に1である請求項5または6に記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体の製造方法。
  8. Rが共に水素原子である請求項5から7いずれか一項に記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体の製造方法。
  9. XとYが共に水素原子である請求項5から8のいずれか一項に記載の2’−デオキシグアノシン塩誘導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7622486B2 (en) 2004-09-23 2009-11-24 Reddy Us Therapeutics, Inc. Pyridine compounds, process for their preparation and compositions containing them

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