JP2004018652A - 半導電水密組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撚り合わせ導体1の上に半導電水密組成物を押出被覆し、導体1素線間の空隙に充填して水密層2を形成すると同時に導体1外周面にも被覆し半導電層3を形成する。半導電水密組成物に、架橋性ポリエチレンを含むベースポリマー100重量部と、吸水性ポリマー1〜20重量部と、カーボンブラックとしてのアセチレンブラックまたはファーネスブラック40〜80重量部もしくはカーボンブラックとしてのケッチェンブラック5〜50重量部を必須成分として含む樹脂組成物を用いる。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導電性と水密性を有する半導電水密組成物およびこれを用いた絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、導体素線間の空隙に水密性樹脂組成物を充填して、導体素線間に水が侵入し、水が導体内を移動することを防止するようにした水密絶縁電線が知られている。また、ある種の絶縁電線においては、導体と絶縁体との間に半導電性樹脂組成物からなる半導電層を設け、これらの間での電界傾度を緩和するようにしたものがある。
【0003】
上記水密絶縁電線において、水密性樹脂組成物を導体素線間に充填するには、導体となる素線の撚り合わせの際に水密性樹脂組成物からなるテープ、紐を同時に撚り合わせることで行われており、作業が面倒である欠点がある。
このため、撚り合わせ後の導体に対してその素線間に水密性樹脂組成物を押出被覆法などにより充填できれば、作業性が大きく改善されることになる。
【0004】
また、導体に対して押出被覆法などにより水密性樹脂組成物を充填できれば、この水密性樹脂組成物に半導電性を付与しておけば、同時に半導電層あるいは内部半導電層も形成できることになり、絶縁電線製造の作業性はさらに改善されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、撚り合わせ後の導体に対して、押出被覆法などにより導体素線間に水密性樹脂組成物を十分量充填でき、この充填と同時に半導電層あるいは内部半導電層を形成できるような半導電水密組成物を得ることにある。
また、この半導電水密組成物が導体素線間に充填され、かつ導体上に被覆された絶縁電線を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、架橋性ポリエチレンを含むベースポリマー100重量部と、吸水性ポリマー1〜20重量部と、アセチレンブラックまたはファーネスブラック40〜80重量部を含む半導電水密組成物である。
請求項2にかかる発明は、架橋性ポリエチレンを含むベースポリマー100重量部と、吸水性ポリマー1〜20重量部と、ケッチェンブラック5〜50重量部を含む半導電水密組成物である。
【0007】
請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の半導電水密組成物が導体素線間に充填され、かつ導体上に被覆されてなる絶縁電線である。
請求項4にかかる発明は、請求項1または2に記載の半導電水密組成物を導体上に押出被覆して導体素線間に充填し、かつ導体上に被覆する絶縁電線の製法である。
【0008】
請求項5にかかる発明は、ポリエチレン絶縁電線である請求項3記載の絶縁電線である。
請求項6にかかる発明は、架橋ポリエチレン絶縁電線である請求項3記載の絶縁電線である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の絶縁電線の一例を示すもので、図中符号1は、導体を示す。この導体1は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などからなる素線を複数本撚り合わせたものである。なお、図面では、理解のために導体1の素線間の空隙を実際のものに比べて拡大して描いてある。
この導体1の各素線間の空隙には、本発明の半導電水密組成物が充填されて水密層2が形成され、かつ導体1の表面にも同じ半導電水密組成物が被覆されて厚さ0.01〜2mm程度の半導電層3が形成されている。
【0010】
水密層2および半導電層3をなす半導電水密組成物は、ベースポリマー100重量部と、吸水性ポリマー1〜20重量部と、カーボンブラックとしてのアセ
チレンブラックまたはファーネスブラック40〜80重量部もしくはカーボンブラックとしてのケッチェンブラック5〜50重量部を必須成分として含む樹脂組成物からなるものである。
【0011】
ここでのベースポリマーには、架橋性ポリエチレンを必須成分として含むものが用いられる。
本発明での架橋性ポリエチレンとは、本発明の半導電水密組成物を上述のように導体1に対して充填または被覆した後に、種々の架橋手段で架橋することが可能な性質を有するポリエチレンもしくはポリエチレン組成物を指し、ここでの架橋手段としては、有機過酸化物を用いた化学架橋、シランカップリング剤を用いたシラン架橋などが挙げられる。
【0012】
また、上記ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどの各種ポリエチレンの1種または2種以上の混合物が用いられる。このポリエチレンのメルトフローレイトは、5〜150、好ましくは10〜100、特に好ましくは15〜70とされ、密度、メルトフローレイトの異なるポリエチレンを2種以上混合してもよい。
【0013】
このポリエチレンの1種または2種以上の混合物のメルトフローレイトが5未満では導体1の素線間の空隙にこの組成物を充填することができず、150を超えると機械的強度が低く、絶縁電線の延線時の外力で水密層2、半導電層3が破壊する恐れがある。
【0014】
このようなポリエチレンに架橋性を与えるために、化学架橋による場合には、これにジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどの有機過酸化物からなる架橋剤が0.2〜5wt%、トリアリルイソシアヌレート、アリルシアヌレート、アクリル酸亜鉛などの架橋助剤が0〜5wt%程度添加されて架橋性ポリエチレンとされる。
【0015】
また、シラン架橋による場合には、上記ポリエチレンにビニルシランを予めグラフト重合したシラングラフトマーを架橋性ポリエチレンとして用いる方式や、あるいは上記ポリエチレンにビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物、有機スズ化合物を添加しておき、後工程の混練時にビニルシランをポリエチレンにグラフト重合させて架橋性ポリエチレンとする方式が採用できる。
【0016】
また、この架橋性ポリエチレンを架橋した時の架橋度は、ゲル分率で1〜80%となるように架橋剤、ビニルシラン等の配合が決められる。架橋度が1%未満では充填または被覆後の半導電水密組成物の高温時での滴下が防止できず、80%を超えると可撓性が不足する。
【0017】
本発明でのベースポリマーは、上記架橋性ポリエチレンを主体とするものであるが、これ以外に他のポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などのオレフィン系ポリマーを必要に応じてベースポリマー全量の5〜50wt%程度配合することもできる。
このようなベースポリマーは、溶融粘度が低く、溶融時の流れがよく、押出被覆の際の10〜30MPaの圧力で、半導電水密組成物が素線間の空隙に充填されることになる。
【0018】
また、本発明で使用される吸水性ポリマーとしては、水分を吸収してその体積が100%以上に膨張するポリマーが用いられ、具体的にはグラフト重合デンプン系、カルボキシメチル化重合デンプン系、グラフト重合セルロース系、カルボキシメチル化重合セルロース系、橋かけポリアクリル酸塩系、イソブチレン/マレイン酸系、デンプン/ポリアクリル酸塩系、PVA/ポリアクリル酸塩系、アクリル繊維の加水分解物系、橋かけPVA系、デンプン/ポリアクリロポバール系、アクリルアミド系、ポリオキシエチレン系等が用いられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0019】
この吸水性ポリマーは、半導電水密組成物に高い水密性能を与えるもので、絶縁電線の導体近傍に水分が侵入した際に、その水分を速やかに吸収し、その体積が大きく増大し、素線間の隙間を完全に埋め、素線間に新たな水分が浸入、素線間を移動することを防止する作用を発揮し、これによって高い水密性能が得られる。
【0020】
この吸水性ポリマーの配合量は、ベースポリマー100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部、さらに好ましくは5〜10重量部とされる。この配合量が1重量部未満では十分な水密性能が得られず、20重量部を越えるともはや水密性能の向上が得られず、またコストが嵩むことになる。
【0021】
半導電性を与えるカーボンブラックには、第1の群としてアセチレンブラック、ファーネスブラックが挙げられる。アセチレンブラックとしては、例えば、粒径35μm、表面積(BET)68m2/g、DBP吸油量175ml/100gのものが用いられる。ファーネスブラックとしては、粒径25〜55μm、表面積(BET)33〜225m2/g、DBP吸油量135〜170ml/100gのものが用いられる。
【0022】
アセチレンブラックの具体的なものとしては、例えば「デンカブラック」(商品名、電気化学工業(株)製)などがある。ファーネスブラックの具体的なものとしては、「BP3500」(商品名、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製)などがある。
【0023】
カーボンブラックの第2の群として、ケッチェンブラックが挙げられる。このケッチェンブラックとしては、粒径1〜50μm、表面積(BET)700〜1300m2/g、DBP吸油量350〜500ml/100gのものが用いられる。ケッチェンブラックの具体的なものとしては、「ケッチェンEC」、「ケッチ
ェンEC−600JD」(商品名 ケッチェンブラック・インターナショナル社製)などがある。
【0024】
カーボンブラックの配合量は、アセチレンブラックおよびファーネスブラックでは、ベースポリマー100重量部に対して40〜80重量部、好ましくは50〜70重量部とされ、40重量未満では必要な導電性が得られず、80重量部を超えると組成物の溶融粘度が高くなり、充填が困難になる。
【0025】
ケッチェンブラックでは、少量の添加で高い導電性が得られるので、ベースポリマー100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部、さらに好ましくは15〜35重量部とされ、5重量未満では必要な導電性が得られず、50重量部を超えると組成物の溶融粘度が高くなり、充填が困難になる。
【0026】
この半導電水密組成物では、そのほかテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールなどの銅害防止剤などの添加剤を適宜添加することができる。
【0027】
このような配合組成の半導電水密組成物では、組成物としてのMFRが1以上、好ましくは10以上であることが好ましく、MFRをこの範囲とすることで、押出被覆により導体1の素線の空隙にこれを押し込み、充填することができるようになる。
また、この半導電水密組成物の導電性は、体積抵抗率で、101〜106Ω・cmとされる。この範囲の導電性は、カーボンブラックの配合量の調整により簡単に得ることができる。
【0028】
上記半導電層3の上には、絶縁体4が被覆されて、この例の絶縁電線となっている。この絶縁体4は、ポリエチレンまたは架橋ポリエチレンからなるもので、その厚さは1〜30mm程度となっている。
【0029】
絶縁体4が架橋ポリエチレンからなるものでは、化学架橋、シラン架橋、電子線架橋のいずれかで架橋されたポリエチレンが用いられる。化学架橋では、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物を添加した低密度ポリエチレンが用いられる。シラン架橋では、低密度ポリエチレンにビニルシラン、有機過酸化物、有機スズ化合物などの縮合触媒を添加した組成物やシラングラフトマーに縮合触媒を添加した組成物が用いられる。
【0030】
絶縁体4をなす架橋ポリエチレンの架橋度は、ゲル分率で40〜90%とされ、40%未満では耐熱性が不十分であり、90%を超えると長時間の押出作業が困難になる。
また、絶縁体4をなすポリエチレン、架橋ポリエチレンのいずれにおいても、「バルカン9A−32」(商品名、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズインク製)などのカーボンブラックを0.5〜1wt%添加することで、絶縁体4の耐候性が向上して好ましい。
【0031】
このような絶縁電線の製造は、以下のようにして行われる。
まず、上記配合組成の半導電水密組成物を二軸押出機、ニーダ、バンバリーミキサなどにより溶融混練りし、さらにこれを造粒機によりペレットとする。
ついで、このペレットを押出機により導体1上に押出被覆する。この押出被覆は、通常のクロスヘッドダイを装着した押出機で行われる。
【0032】
この時、半導電水密組成物は、溶融状態でかつ10〜30MPaの高圧で導体1上に押し出され、しかも組成物の溶融粘度が上述のように低いので、導体1の素線間のわずかな空隙に侵入し、これを埋めて水密層2となる。これと同時に、導体1の外表面にも半導電水密組成物が被覆され、半導電層3が形成される。
【0033】
ついで、この半導電層3の上に絶縁体4となるポリエチレン組成物を押出被覆する。この半導電水密組成物とポリエチレン組成物との押出被覆は、二層同時押出により、一挙に行うことができる。
ついで、水密層2、半導電層3および絶縁体4が架橋ポリエチレンからなるものでは絶縁体4を架橋する。
【0034】
化学架橋によるものでは、過熱水蒸気、加熱ガスなどを用いた加熱により行われる。シラン架橋によるものでは、押出被覆後のケーブルを冷却水中に漬けるなどの他、大気中の水分、蒸気、温水などの水分との接触により行われる。
また、絶縁電線のシュリンクバック特性を良好とするため、押出被覆後に空気中または温水中で徐冷してもよい。
【0035】
このような絶縁電線においては、上述の半導電水密組成物の溶融粘度が低いので導体1素線間に完全に侵入してその空隙を完璧に埋め、良好な水密層2が形成される。また、半導電水密組成物は、水分と接触するとその水分を直ちに吸収してその体積が100%以上に増大しようとする。このため、素線1の隙間は完全に塞がれ、それ以上の水の侵入が防止されることなる。よって、この絶縁電線は高い水密性を発揮する。
また、水密層2と半導電層3との形成が同時に1度の押出被覆作業で行われるので、作業性が高いものとなる。
【0036】
図2は、この発明の絶縁電線の他の例を示すもので、この例のものはいわゆるCVケーブルの例である。図2において、図1に示したものと同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】
この例のケーブルは、導体1の素線間の空隙に上述の半導電水密組成物が充填されて水密層2が形成され、この導体1上に半導電水密組成物が被覆されて内部半導電層3が設けられている。この内部半導電層3は、先の例の半導電層3と同一のものである。
【0038】
この内部半導電層3の上には、架橋ポリエチレンからなる絶縁体4が設けられ、この絶縁体4の上には半導電性樹脂組成物からなる外部半導電層5が設けられている。さらに、この外部半導電層5の上には銅テープなどからなる遮蔽層6が設けられ、この遮蔽層6の上にはポリ塩化ビニル、ポリエチレンなどからなるシース7が設けられて、この例のCVケーブルとなっている。
【0039】
絶縁体4をなす架橋ポリエチレンは、化学架橋、シラン架橋によって架橋された低密度ポリエチレンが用いられ、具体的な架橋方法は先の例で説明した通りである。また、外部半導電層5をなす半導電性樹脂組成物は、ポリエチレン、EVA、EEAなどのポリマーにカーボンブラックを適量添加したものが用いられ、内部半導電層3をなす半導電水密組成物を用いてもよい。
【0040】
この例のケーブルの製造は、導体1に水密層2および内部半導電層3となる半導電水密組成物を先の例と同様に押出被覆し、ついで絶縁体4となる未架橋のポリエチレン組成物を押出被覆し、さらにこの上に外部半導電層5となる半導電性樹脂組成物を押出被覆して、ケーブルコアとする。この3回の押出被覆作業を、3層同時押出法で1回の押出作業で行うこともできる。
【0041】
ついで、このケーブルコアを加熱あるいは水分と接触させて、絶縁体4等を架橋したのち、この上に銅テープ等を巻回して遮蔽層6を形成し、さらにシース7となるポリ塩化ビニル組成物、ポリエチレン組成物等を押出被覆する方法で行われる。
【0042】
この例のCVケーブルでは、水密層2をなす半導電性樹脂組成物と、内部半導電層3をなす半導電水密組成物とを、必ずしも同一とする必要はなく、この場合には、異なる半導電水密組成物を用いた2度の押出被覆を行うことになる。勿論これを多層同時押出被覆で行うことができる。
【0043】
このようなCVケーブルにおいては、上述の半導電水密組成物の溶融粘度が低いので導体1素線間に完全に侵入してその空隙を完璧に埋め、良好な水密層2が形成される。また、半導電水密組成物は、水分を吸収してその体積が増大し、新たな水の侵入が阻止されることなる。このため、このCVケーブルは高い水密性を発揮する。
また、水密層2と半導電層3との形成が同時に1度の押出被覆作業で行われるので、作業性が高いものとなる。
【0044】
以下、具体例を示す。
表1ないし表3に示した試験番号1〜21の配合組成の半導電水密組成物を用意した。銅素線19本を撚り合わせた外径14.5mm、断面積120mm2の円
形の導体上に、この半導電水密組成物を温度190〜210℃、圧力10〜15MPaで押出被覆して、水密層と厚さ0.1mmの半導電層を形成した。この上に、シラン架橋による架橋ポリエチレンからなる厚さ3.7mmの絶縁体を設けて絶縁電線を作製した。
【0045】
これらの絶縁電線について、体積抵抗率、水密特性、密着度、口出し性を評価した。
体積抵抗率は、日本ゴム協会標準規格(SRIS2301 導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗率試験方法)に準じて、ホイートストンブリッジ法によって実施した。
【0046】
水密特性は、長さ2mの絶縁電線の一端の切断開口部に、0.05MPaの
水圧を24時間加え、電線の他端から水が漏れないものを合格とし、漏れたものを不合格とした。
【0047】
密着性は、専用試験治具(カムラー)を使用して、700kg×10分間保持して、絶縁体が破壊しなければ合格とし、破壊すれば不合格とした。
口出し性は、専用試験治具で導体と絶縁体との間の半導電層が剥ぎ取れれば良とし、剥ぎ取れなければ不良とした。
これらの結果を表1ないし表3に示す。
なお、体積抵抗率の値において、例えば「3E+4」は3×104を表す。
【0048】
表1ないし表3において、
「LDPE1」は、密度0.916g/cm3、MFR15の低密度ポリエチレンを、
「MDPE2」は、密度0.932g/cm3、MFR20の中密度ポリエチレンを示す。
【0049】
「HDPE3」は、密度0.955g/cm3、MFR20の高密度ポリエチレンを示す。
「LDPE4」は、密度0.916g/cm3、MFR0.15の低密度ポリエチレンを、
「LDPE5」は、密度0.916g/cm3、MFR250の低密度ポリエチレンを示す。
【0050】
「アセチレンカーボン」は、電気化学(株)製「デンカブラック」(商品名)を、
「ファーネスカーボン」は、キャボット・スペシャリティ・ケミカルズ社製「BP3500」(商品名)を
「ケッチェンカーボン」は、ケッチェンブラックインターナショナル社製「ケッチェンEC」(商品名)を示す。
【0051】
「吸水性ポリマーA」は、イソブチレン/マレイン酸系のものを、
「吸水性ポリマーB」は、橋かけポリアクリル酸塩系のものを、
「吸水性ポリマーC」は、PVA/ポリアクリル酸塩系のものを示す。
【0052】
「老化防止剤」は、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを示し、
「DCP」は、ジクミルパーオキサイドであり、
「シランカップリング剤」は、ビニルトリメトキシシランである。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導電水密組成物にあっては、その溶融粘度が低いので導体上に押出被覆した際に、素線間の空隙に完全に侵入してその空隙を完璧に埋め、良好な水密性を有する水密層が形成される。また、この半導電水密組成物は、水分を吸収してその体積が著しく大きくなるので、新たな水の侵入が抑えられ、これによっても高い水密性を発揮する。
また、水密層と半導電層との形成が同時に一度の押出被覆作業で行われるので、作業性が高いものとなる。
【0057】
また、この発明の絶縁電線にあっては、したがって高度の水密特性を有するものとなり、その水密層と半導電層との形成が一度に行え、製造作業性が高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁電線の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の絶縁電線の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・導体、2・・・水密層、3・・・半導電層。
Claims (6)
- 架橋性ポリエチレンを含むベースポリマー100重量部と、吸水性ポリマー1〜20重量部と、アセチレンブラックまたはファーネスブラック40〜80重量部を含む半導電水密組成物。
- 架橋性ポリエチレンを含むベースポリマー100重量部と、吸水性ポリマー1〜20重量部と、ケッチェンブラック5〜50重量部を含む半導電水密組成物。
- 請求項1または2に記載の半導電水密組成物が導体素線間に充填され、かつ導体上に被覆されてなる絶縁電線。
- 請求項1または2に記載の半導電水密組成物を導体上に押出被覆して導体素線間に充填し、かつ導体上に被覆する絶縁電線の製法。
- ポリエチレン絶縁電線である請求項3記載の絶縁電線。
- 架橋ポリエチレン絶縁電線である請求項3記載の絶縁電線。
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