JP2004018761A - 加熱剥離性粘着シート - Google Patents
加熱剥離性粘着シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004018761A JP2004018761A JP2002178249A JP2002178249A JP2004018761A JP 2004018761 A JP2004018761 A JP 2004018761A JP 2002178249 A JP2002178249 A JP 2002178249A JP 2002178249 A JP2002178249 A JP 2002178249A JP 2004018761 A JP2004018761 A JP 2004018761A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- sensitive adhesive
- pressure
- radiation
- adhesive sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
【課題】比較的低温で加熱することによっても剥離容易性を有する加熱剥離性粘着シートとその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の加熱剥離性粘着シートは、基材の少なくとも片側に、放射線重合型アクリル系粘着剤及び熱膨張性微小球を含む放射線重合型熱膨張性粘着層を設けることを特徴とする。前記放射線重合型アクリル系粘着剤が、ベースモノマー成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はその予備重合物と、架橋性モノマー成分としての多官能アクリル系モノマーとを重合して得られるポリマーで構成されていてもよい。このとき、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量が、全ベースモノマー成分に対して70重量%以上であるのが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の加熱剥離性粘着シートは、基材の少なくとも片側に、放射線重合型アクリル系粘着剤及び熱膨張性微小球を含む放射線重合型熱膨張性粘着層を設けることを特徴とする。前記放射線重合型アクリル系粘着剤が、ベースモノマー成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はその予備重合物と、架橋性モノマー成分としての多官能アクリル系モノマーとを重合して得られるポリマーで構成されていてもよい。このとき、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量が、全ベースモノマー成分に対して70重量%以上であるのが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温加熱により剥離しうる加熱剥離性粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基材上に熱膨張性微小球などの発泡剤又は膨張剤を含む感圧粘着剤層を設けた加熱剥離性粘着シートが知られている(特開昭56−61468号公報、特開昭56−61469号公報、特開昭60−252681号公報など)。該加熱剥離性粘着シートは、接着性と使用後の剥離性とを両立させた粘着シートであり、加熱により発泡剤などを発泡又は膨張させることで接着力が低下し、剥離できるという特徴を有する。しかしながら、これらの加熱剥離性粘着シートは、加熱剥離性粘着層の形成に際して、溶剤により希釈した粘着剤を基材上へ塗布し、乾燥する工程を含んでいるため、熱膨張温度の高い熱膨張性微小球を用いる必要があった。従って、低温(50〜80℃程度)で剥離することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、接着時は被着体を強固に固定し、加熱により容易に剥離することができるととともに、広い温度範囲から目的に応じた最適な加熱温度を選択可能な加熱剥離性粘着シートとその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、比較的低温で加熱することによっても剥離容易性を有する加熱剥離性粘着シートとその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、溶剤や乳化剤を使用することなく形成しうる放射線重合型熱膨張性粘着層を設けることにより、溶剤の加熱乾燥工程を省略でき、熱膨張温度の低い熱膨張性微小球を使用できるため、比較的低温であっても短時間の加熱処理により被着体から剥離可能な加熱剥離性粘着シートが得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、基材の少なくとも片側に、放射線重合型アクリル系粘着剤及び熱膨張性微小球を含む放射線重合型熱膨張性粘着層を設けた加熱剥離性粘着シートを提供する。前記放射線重合型アクリル系粘着剤は、ベースモノマー成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はその予備重合物と、架橋性モノマー成分としての多官能アクリル系モノマーとを放射線重合して得られるポリマーで構成されていてもよく、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量が、全ベースモノマー成分に対して70重量%以上であってもよい。このとき、加熱剥離温度が100℃未満であってもよい。
【0006】
また、本発明は、基材の少なくとも片側に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はその予備重合物と多官能アクリル系モノマーと熱膨張性微小球を含む混合物を塗布した後、放射線照射により重合させて放射線重合型熱膨張性粘着層を形成する加熱剥離性粘着シートの製造方法を提供する。前記放射線照射時に、重合により生じる重合熱を冷却により除熱してもよい。放射線の光源としてはブラックライトを用いるのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の加熱剥離性粘着シートの一例を示す概略断面図であり、基材1の一方の面に、ゴム状有機弾性層2を介して、放射線重合型熱膨張性粘着層3が設けられ、さらにその上にセパレータ4が積層されている。なお、基材1の片面にゴム状有機弾性層2と放射線重合型熱膨張性粘着層3を有し、他面に普通の接着剤層を有する粘着シートであってもよい。また、ゴム状有機弾性層2及びセパレータ4は必ずしも設ける必要はない。
【0008】
基材1は、加熱剥離性粘着シートの支持母体となるもので、一般にはプラスチックのフィルムやシートが用いられるが、例えば紙、布、不織布、金属箔、あるいはそれらのプラスチックラミネート体、プラスチック同士の積層体などの適宜な薄葉体を用いうる。基材1の厚さは、一般には500μm以下、好ましくは1〜300μm、さらに好ましくは5〜250μm程度であるが、これらに限定されない。
【0009】
基材1の表面は、隣接する層との密着性、保持性などを高めるため、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的処理等が施されていてもよい。
【0010】
ゴム状有機弾性層2は、加熱剥離性粘着シートを被着体に接着する際にその表面が被着体の表面形状に良好に追従して大きい接着面積を提供する働きと、加熱剥離性粘着シートを被着体から剥離するために放射線重合型熱膨張性粘着層3を加熱して発泡及び/または膨張させる際に加熱剥離性粘着シートの面方向における発泡及び/または膨張の拘束を少なくして、放射線重合型熱膨張性粘着層3が三次元的構造変化することによるうねり構造形成を助長する働きをするものである。
【0011】
ゴム状有機弾性層2は、ASTM D−2240に基づくD型シュアーD型硬度が50以下、好ましくは40以下の天然ゴムや合成ゴム、又はゴム弾性を有する合成樹脂により形成することができる。
【0012】
前記の合成ゴム又は合成樹脂としては、例えば、ニトリル系、ジエン系、アクリル系などの合成ゴム;ポリオレフィン系、ポリエステル系などの熱可塑性エラストマー;エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリブタジエン、軟質ポリ塩化ビニルなどの、ゴム弾性を有する合成樹脂などが挙げられる。なお、ポリ塩化ビニルなどのように本質的には硬質系ポリマーであっても、可塑剤や柔軟剤等の配合剤との組み合わせで、ゴム弾性をもたせたものも本発明では用いうる。
【0013】
また、ゴム系や樹脂などの一般的に知られる感圧接着剤により形成することもできる。感圧接着剤としては、ゴム系感圧接着剤、アクリル系感圧接着剤、スチレン−共役ジエンブロック共重合体系感圧接着剤などの適宜なものを用いることができる。また、融点が約200℃以下等の熱溶融性樹脂を配合してクリープ特性を改良した感圧接着剤を用いることもできる。なお、感圧接着剤は、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
【0014】
感圧接着剤としては、より具体的に例えば、天然ゴムや合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系感圧接着剤;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、などの炭素数が20以下のアルキル基を有するアクリル酸ないしメタクリル酸等のアクリル酸系アルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、イコタン酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、スチレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエーテルなどを主成分とするアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系感圧接着剤などが挙げられる。
【0015】
ゴム状有機弾性層2の厚さは、例えば5〜300μm、好ましくは20〜150μmを用いる。ゴム状有機弾性層2の厚みが薄いと、加熱発泡後の3次元的構造変化をとることができず、剥離性が悪化する。
【0016】
放射線重合型熱膨張性粘着層3は、少なくとも、粘着性を付与するための放射線重合型アクリル系粘着剤と、熱膨張性を付与するための熱膨張性微小球(マイクロカプセル)とを含んでいる。
【0017】
前記放射線重合型アクリル系粘着剤は、ベースモノマー成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、架橋性モノマー成分としての多官能アクリル系モノマーとを重合して得られるポリマーで構成されている。
【0018】
ベースモノマー成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルには、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが含まれる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、濡れ性や柔軟性等の基本的な粘着特性を付与する。
【0019】
炭素数1〜20のアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、へプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ラウリル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、ステアリル基が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独でまたは2種以上混合して使用できる。
【0020】
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを2種以上混合して使用する場合には、これらのエステル部分のアルキル基の炭素数が、平均して20以下となるように組み合わせるのが好ましい。
【0021】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、全ベースモノマー成分に対して、例えば70重量%以上、好ましくは75重量%以上であり、特に、85〜95重量%である場合が多い。
【0022】
ベースモノマー成分としては、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他に、官能基や極性基の導入による接着性の改良、ポリマーのガラス転移点の制御による凝集力及び耐熱性の改良などを目的として、改質用モノエチレン性モノマーを含んでいてもよい。
【0023】
このような改質用モノエチレン性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー又はその無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマーなどが挙げられる。
【0024】
上記の他に、例えば、(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のN−置換アミド基含有モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロリル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル系モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル系モノマー;メチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の改質用モノエチレン性モノマーが用いられる。これらの改質用モノエチレン性モノマーは単独でまたは2種以上混合して使用できる。
【0025】
改質用モノエチレン性モノマーの使用量は、全ベースモノマー成分に対して、例えば30重量%以下、好ましくは25重量%以下、特に、5〜15重量%である場合が多い。
【0026】
多官能アクリル系モノマーは、架橋性モノマー成分として用いられ、交叉結合剤(架橋剤)としての機能による粘着剤の剪断強さの向上を目的とする。
【0027】
このような多官能アクリル系モノマーには、分子内に光反応性不飽和結合を2個以上含むアクリル系モノマーが含まれる。具体的には、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、1,4−ブチルジアクリレート、1,6−ヘキシルジアクリレート等が挙げられる。これらの多官能アクリル系モノマーは、単独でまたは2種以上混合して使用できる。
【0028】
多官能アクリル系モノマーの使用量は、架橋効果による粘着剤の強度や接着力の保持性に応じ、全ベースモノマー成分100重量部に対して、例えば0.02〜10重量部、好ましくは0.05〜8重量部、特に、0.1〜5重量部である場合が多い。光反応性不飽和結合の数が多いほど、使用量を少なくできる。
【0029】
重合反応は、重合反応の引金となり得る、適当な波長の放射線を照射することにより開裂しラジカルを生成する光重合開始剤の助けによって行うことができる。具体的には、例えば、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系化合物;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどのα−ケトール系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種以上混合して使用できる。
【0030】
光重合開始剤の使用量は、未反応モノマー成分の残存防止性、生成ポリマーの低分子量化による凝集力低下の防止性などの観点から、例えば、全ベースモノマー成分100重量部に対して、0.01〜5重量部程度、好ましくは0.03〜4重量部、より好ましくは0.05〜3重量部程度である。なお、光重合開始剤は、必要に応じて複数回に分けて添加することもできる。
【0031】
本発明においては、上記成分以外に、例えば、ロジン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂などの粘着付与剤、充填剤、顔料、着色剤、老化防止剤などの各種添加剤が粘着層に配合されることもある。
【0032】
熱膨張性微小球としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの、加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球であればよい。前記殻は、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質で形成される場合が多い。前記殻を形成する物質として、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法などにより製造できる。なお、熱膨張性微小球には、例えば、マツモトマイクロスフェア[商品名、松本油脂製薬(株)製]などの市販品もある。
【0033】
加熱処理により放射線重合型熱膨張性粘着層3の接着力を効率よく低下させるため、体積膨張率が5倍以上、または7倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有する熱膨張性微小球が好ましい。また、熱膨張性微小球の発泡又は膨張に必要な加熱温度としては、微小球の殻の材質等によって異なるが、例えば40〜250℃、好ましくは45〜200℃、より好ましくは50〜170℃程度である。
【0034】
熱膨張性微小球の配合量は、放射線重合型熱膨張性粘着層3の膨張倍率や接着力の低下性などに応じて適宜設定しうるが、一般には熱膨張性粘着層3を形成するベースポリマー100重量部に対して、例えば1〜150重量部、好ましくは10〜130重量部、さらに好ましくは25〜100重量部である。
【0035】
なお、本発明では、良好な接着性を発現できると共に加熱による剥離性を高めるため、加熱前の放射線重合型熱膨張性粘着層3表面の中心線平均粗さが0.4μmより大きいことが好ましく、例えば0.4〜2μm、より好ましくは0.45〜1μm程度である。0.4μm以下の場合には、放射線重合型熱膨張性粘着層3の表面粗さが小さくなるため、加熱後の被着体との剥離性が低下してしまう。前記中心線平均粗さは、放射線重合型熱膨張性粘着層3の厚さと該粘着層に添加する熱膨張性微小球の粒径を適宜選択することにより調整することができる。
【0036】
なお、基材1と放射線重合型熱膨張性粘着層3との間にゴム状有機弾性層2を設ける場合には、ゴム状有機弾性層2への吸収効果があることから、熱膨張性微小球の粒径の大きさや、放射線重合型熱膨張性粘着層3の厚みを超える粒径の熱膨張性微小球の割合などは上記の範囲に限られない。熱膨張性微小球の粒径調整は、熱膨張性微小球の生成過程で行ってもよく、又、生成後の分級などの手段で行ってもよい。
【0037】
放射線重合型熱膨張性粘着層3の厚さは、例えば300μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下を用いる。厚みが過大であると、放射線重合型熱膨張性粘着層3の発泡後に凝集破壊が起こり、被着体に糊残りが発生し汚染しやすくなる。一方、厚みが過小であると、加熱前接着力が低下する他、加熱後の放射線重合型熱膨張性粘着層3の変形度が小さいため接着力の低下率が小さく、また、熱膨張性微小球による表面の凹凸を調節するために微小球の粒径を過度に小さくする必要が生じる。そのため、前記放射線重合型熱膨張性粘着層3の厚さは、例えば5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上を用いる。
【0038】
本発明において、放射線重合型熱膨張性粘着層3の保護材としてセパレータ4を積層させてもよい。セパレータ4は、粘着シートを被着体に貼着する際に剥がされる。セパレータ4には、例えば、慣用のプラスチックのフィルムやシートが用いられ、より具体的には紙、布、不織布、金属箔、あるいはそれらのプラスチックラミネート体、プラスチック同士の積層体などの適宜な薄葉体を用いることができる。
【0039】
剥離性を高めるために、セパレータ4の片面又は両面にシリコーン系やフッ素系、長鎖アルキル系などの離型剤による離型処理を施したものも用いられる。セパレータ4の厚さは、5〜250μmが一般的であるが、これに限定されない。
【0040】
本発明の加熱剥離性粘着シートは、通常の粘着シートの製造方法により製造できる。具体的には、例えば、全モノマー成分、熱膨張性微小球、重合開始剤、及び必要に応じて添加剤を含むコーティング液を基材1上に塗布し、放射線照射により重合させて放射線重合型熱膨張性粘着層3を形成する方法により製造できる。また、放射線重合型熱膨張性粘着層3をセパレータ4に形成した後、基材1上又はゴム状有機弾性層2上に転写する方法なども採用できる。
【0041】
加熱剥離性粘着シートを製造する他の方法としては、予めベースモノマー成分及び重合開始剤の混合液を放射線照射により部分重合(予備重合)させた前処理液に、架橋性モノマー成分、及び必要に応じて重合開始剤、添加剤を加えたコーティング液を基材1上に塗工し、放射線照射により重合させて放射線重合型熱膨張性粘着層3を形成する方法が挙げられる。この方法は、重合反応を2段階で進める方法であって、1段目の重合反応によりベースモノマー成分を高分子化させ、2段目の重合反応により架橋性モノマー成分を介して内部架橋させる方法である。
【0042】
前記コーティング液には、熱膨張性微小球の膨潤や塗工性の点で、シロップ状(粘稠状)に調製したシロップ状コーティング液を用いるのが好ましい。シロップ状コーティング液は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするベースモノマー成分と光重合開始剤とを混合した後、放射線照射により予備的に重合させて、重量平均分子量1万以上の重合体を含む粘度500〜5000センチポイズ程度のシロップ状混合液を得、これに多官能アクリル系モノマー、熱膨張性微小球、重合開始剤、及び添加剤等を配合することにより調製することができる。なお、コーティング液の粘度は、ヒュームドシリカなどのチキソトロープ剤などを添加して調整することも可能である。得られたコーティング液は、シロップ状であるため容易に塗工することができる。
【0043】
放射線としては、例えば、紫外線、レーザー光線、α線、β線、γ線、X線、電子線などを使用できる。なかでも、紫外線が好ましく、重合処理の効率の点で、例えば波長が180〜460nmのものが用いられるが、これに限定されない。照射光の波長は、好ましくは200〜420nm、さらに好ましくは250〜380nm程度、特に300〜360nmの範囲のものが使用される。放射線の発生源には、例えば水銀アーク、炭素アーク、(低、中、高圧)水銀ランプ、メタルハライドランプ、ブラックライトなどの照射装置が適宜用いられる。特に、ブラックライトは、重合熱の発生量を抑えることができる点で好ましく用いられる。照射量は、重合状況などに応じて適宜決定しうるが、通常400〜3000mJ/cm2程度である。照射強度は、処理速度や照射時間などに応じて、例えば0.1〜7mW/cm2程度の弱い光の照射が好ましい。
【0044】
放射線の照射は、適宜な方法で行うことができる。ただし、本発明においては、放射線の照射熱により熱膨張性微小球が膨張を開始することを防ぐことが重要である。膨張を防止する方法として、放射線照射時に重合により生じる重合熱を冷却すること、放射線照射を短時間とすることなどの方法が挙げられる。ここでは、前者、すなわち、重合熱を冷却する方法が好ましく用いられ、例えば、塗工部周辺を冷却するなどして熱膨張性微小球が膨張を開始しない温度に保つことができる。具体的には、液体窒素等の冷却溶媒中で放射線照射を行うことにより重合時に生じた重合熱を冷却する方法や、ミラー等で一度放射線を反射させて重合熱の発生を抑制する方法などの方法を採用できる。
【0045】
上記の方法により得られた加熱剥離性粘着シートは、接着時には、予め設定した接着力で被着体に貼着でき、剥離時は、加熱処理により容易に剥離乃至分離することができる。従って、本発明の加熱剥離性粘着シートは、適宜な物品を被着体として永久的に接着する用途に用いることも可能であるが、より好ましくは、被着体に貼り付けて固定し、目的達成後、加熱により熱膨張性粘着層の熱膨張性微小球を膨張させて粘着力を低下又は消失させ、被着体から剥離する用途に用いられる。特に、剥離困難となりやすい金属系材料部(メッキ部)を有する基板の加工時、または、大きな貼り付け面積を必要とする部品加工工程などに用いる場合には、加工時は強固に固定でき、加工後は容易に剥離することができるため好適である。
【0046】
被着体より容易に剥離するための加熱処理条件は、被着体の表面状態や熱膨張性微小球の種類等による接着面積の減少性、基材や被着体の耐熱性や加熱方法等の条件により適宜設定できる。本発明の加熱剥離性粘着シートは、溶剤や乳化剤を使用することなく粘着層を設けるため、溶剤の加熱乾燥工程を省略でき、比較的低温による短時間の加熱によっても剥離することができる。従って、加熱処理条件は、加熱温度としては、例えば50〜250℃程度の広範囲から適宜選択され、加熱時間としては、例えば、10〜300秒間(ホットプレート等)または1〜30分間(熱風乾燥器等)の範囲から適宜選択されるが、比較的低温で短時間の加熱、例えば100℃未満の温度で100秒未満(ホットプレート等)の加熱処理条件であっても剥離することができる。上記加熱条件で、通例、粘着層の熱膨張性微小球が膨張及び/又は発泡して粘着層が膨張変形し、接着力が低下ないし喪失する。なお、加熱処理は使用目的に応じて適宜な段階で行うことができる。また、加熱源としては、赤外線ランプや加熱水を用いることができる場合もある。
【0047】
【発明の効果】
本発明の加熱剥離性粘着シートによれば、溶剤や乳化剤を使用することなく形成しうる放射線重合型熱膨張性粘着層を設けることにより、溶剤の加熱乾燥工程を省略でき、熱膨張温度の低い熱膨張性微小球を使用できるため、比較的低温で短時間の加熱によっても剥離することができる。また、熱膨張性微小球の熱膨張開始温度を選択することにより、広い温度範囲から目的に応じた最適な加熱温度を選ぶことができる。
【0048】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、t℃熱膨張性微小球とは、加熱による膨張開始温度がt℃である熱膨張性微小球であることを示す。
実施例1
アクリル酸2−エチルヘキシル30重量部、アクリル酸エチル70重量部、アクリル酸5重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバガイギー社製)0.05重量部からなる混合物を、窒素ガス雰囲気下で紫外線照射により部分重合させ、ポリマー(重量平均分子量10000)を含むシロップを得た。得られたシロップ100重量部に対し、100℃熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェア F−50D」、松本油脂製薬(株)製;平均粒径13.5μm)30重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(架橋剤)0.2重量部、及び光重合開始剤0.05重量部を配合した粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を、厚さ100μmのポリエステルフィルム(基材)に塗工し、液体窒素充填装置内で、光源として高圧水銀ランプ(光強度5mW/cm2)を用いて紫外線を照射量700mJ/cm2(波長352nm)で照射して光重合することにより、厚さ45μmの粘着層を形成し、加熱剥離性粘着シートを得た。
【0049】
実施例2
実施例1において、100℃熱膨張性微小球(F−50D)の代わりに、135℃熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェア F−80D」、松本油脂製薬(株)製;平均粒径13.5μm)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により加熱剥離性粘着シートを得た。
【0050】
実施例3
実施例1において、100℃熱膨張性微小球(F−50D)の代わりに、70℃熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェア F−20」、松本油脂製薬(株)製;平均粒径13.5μm)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により加熱剥離性粘着シートを得た。
【0051】
比較例1
アクリル系ポリマー(アクリル酸2−エチルヘキシル:アクリル酸エチル:メタクリル酸メチル=30:70:5(重量比)、重量平均分子量40〜50万)100重量部に対し、ポリウレタン系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製)2重量部、及び70℃熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェア F−20」、松本油脂製薬(株)製;平均粒径13.5μm)30重量部を含むトルエン溶液を、乾燥後の厚みが35μmとなるように厚さ100μmのポリエステルフィルム(基材)に塗布し、乾燥して(乾燥時の温度約75℃)粘着層を形成し、加熱剥離性粘着シートを得た。
【0052】
評価試験
実施例及び比較例で得られた加熱剥離性粘着シート(幅20mm)の粘着層にポリエステルフィルム(商品名「ルミラー S−10」、東レ(株)製;厚さ25μm)を圧着し、加熱前及び加熱後の180℃ピール粘着力(N/20mm;剥離速度300mm/min)を測定した。加熱処理は、ホットプレートを用いて以下の条件により行った。結果を表1の加熱前、加熱後の欄に示した。
(加熱条件)
・実施例1の粘着シートに対しては、130℃×1分
・実施例2の粘着シートに対しては、170℃×1分
・実施例3及び比較例1の粘着シートに対しては、80℃×1分
【0053】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱剥離性粘着シートの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 ゴム状有機弾性層
3 放射線重合型熱膨張性粘着層
4 セパレータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温加熱により剥離しうる加熱剥離性粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基材上に熱膨張性微小球などの発泡剤又は膨張剤を含む感圧粘着剤層を設けた加熱剥離性粘着シートが知られている(特開昭56−61468号公報、特開昭56−61469号公報、特開昭60−252681号公報など)。該加熱剥離性粘着シートは、接着性と使用後の剥離性とを両立させた粘着シートであり、加熱により発泡剤などを発泡又は膨張させることで接着力が低下し、剥離できるという特徴を有する。しかしながら、これらの加熱剥離性粘着シートは、加熱剥離性粘着層の形成に際して、溶剤により希釈した粘着剤を基材上へ塗布し、乾燥する工程を含んでいるため、熱膨張温度の高い熱膨張性微小球を用いる必要があった。従って、低温(50〜80℃程度)で剥離することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、接着時は被着体を強固に固定し、加熱により容易に剥離することができるととともに、広い温度範囲から目的に応じた最適な加熱温度を選択可能な加熱剥離性粘着シートとその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、比較的低温で加熱することによっても剥離容易性を有する加熱剥離性粘着シートとその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、溶剤や乳化剤を使用することなく形成しうる放射線重合型熱膨張性粘着層を設けることにより、溶剤の加熱乾燥工程を省略でき、熱膨張温度の低い熱膨張性微小球を使用できるため、比較的低温であっても短時間の加熱処理により被着体から剥離可能な加熱剥離性粘着シートが得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、基材の少なくとも片側に、放射線重合型アクリル系粘着剤及び熱膨張性微小球を含む放射線重合型熱膨張性粘着層を設けた加熱剥離性粘着シートを提供する。前記放射線重合型アクリル系粘着剤は、ベースモノマー成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はその予備重合物と、架橋性モノマー成分としての多官能アクリル系モノマーとを放射線重合して得られるポリマーで構成されていてもよく、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量が、全ベースモノマー成分に対して70重量%以上であってもよい。このとき、加熱剥離温度が100℃未満であってもよい。
【0006】
また、本発明は、基材の少なくとも片側に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はその予備重合物と多官能アクリル系モノマーと熱膨張性微小球を含む混合物を塗布した後、放射線照射により重合させて放射線重合型熱膨張性粘着層を形成する加熱剥離性粘着シートの製造方法を提供する。前記放射線照射時に、重合により生じる重合熱を冷却により除熱してもよい。放射線の光源としてはブラックライトを用いるのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の加熱剥離性粘着シートの一例を示す概略断面図であり、基材1の一方の面に、ゴム状有機弾性層2を介して、放射線重合型熱膨張性粘着層3が設けられ、さらにその上にセパレータ4が積層されている。なお、基材1の片面にゴム状有機弾性層2と放射線重合型熱膨張性粘着層3を有し、他面に普通の接着剤層を有する粘着シートであってもよい。また、ゴム状有機弾性層2及びセパレータ4は必ずしも設ける必要はない。
【0008】
基材1は、加熱剥離性粘着シートの支持母体となるもので、一般にはプラスチックのフィルムやシートが用いられるが、例えば紙、布、不織布、金属箔、あるいはそれらのプラスチックラミネート体、プラスチック同士の積層体などの適宜な薄葉体を用いうる。基材1の厚さは、一般には500μm以下、好ましくは1〜300μm、さらに好ましくは5〜250μm程度であるが、これらに限定されない。
【0009】
基材1の表面は、隣接する層との密着性、保持性などを高めるため、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的処理等が施されていてもよい。
【0010】
ゴム状有機弾性層2は、加熱剥離性粘着シートを被着体に接着する際にその表面が被着体の表面形状に良好に追従して大きい接着面積を提供する働きと、加熱剥離性粘着シートを被着体から剥離するために放射線重合型熱膨張性粘着層3を加熱して発泡及び/または膨張させる際に加熱剥離性粘着シートの面方向における発泡及び/または膨張の拘束を少なくして、放射線重合型熱膨張性粘着層3が三次元的構造変化することによるうねり構造形成を助長する働きをするものである。
【0011】
ゴム状有機弾性層2は、ASTM D−2240に基づくD型シュアーD型硬度が50以下、好ましくは40以下の天然ゴムや合成ゴム、又はゴム弾性を有する合成樹脂により形成することができる。
【0012】
前記の合成ゴム又は合成樹脂としては、例えば、ニトリル系、ジエン系、アクリル系などの合成ゴム;ポリオレフィン系、ポリエステル系などの熱可塑性エラストマー;エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリブタジエン、軟質ポリ塩化ビニルなどの、ゴム弾性を有する合成樹脂などが挙げられる。なお、ポリ塩化ビニルなどのように本質的には硬質系ポリマーであっても、可塑剤や柔軟剤等の配合剤との組み合わせで、ゴム弾性をもたせたものも本発明では用いうる。
【0013】
また、ゴム系や樹脂などの一般的に知られる感圧接着剤により形成することもできる。感圧接着剤としては、ゴム系感圧接着剤、アクリル系感圧接着剤、スチレン−共役ジエンブロック共重合体系感圧接着剤などの適宜なものを用いることができる。また、融点が約200℃以下等の熱溶融性樹脂を配合してクリープ特性を改良した感圧接着剤を用いることもできる。なお、感圧接着剤は、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
【0014】
感圧接着剤としては、より具体的に例えば、天然ゴムや合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系感圧接着剤;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、などの炭素数が20以下のアルキル基を有するアクリル酸ないしメタクリル酸等のアクリル酸系アルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、イコタン酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、スチレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエーテルなどを主成分とするアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系感圧接着剤などが挙げられる。
【0015】
ゴム状有機弾性層2の厚さは、例えば5〜300μm、好ましくは20〜150μmを用いる。ゴム状有機弾性層2の厚みが薄いと、加熱発泡後の3次元的構造変化をとることができず、剥離性が悪化する。
【0016】
放射線重合型熱膨張性粘着層3は、少なくとも、粘着性を付与するための放射線重合型アクリル系粘着剤と、熱膨張性を付与するための熱膨張性微小球(マイクロカプセル)とを含んでいる。
【0017】
前記放射線重合型アクリル系粘着剤は、ベースモノマー成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、架橋性モノマー成分としての多官能アクリル系モノマーとを重合して得られるポリマーで構成されている。
【0018】
ベースモノマー成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルには、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが含まれる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、濡れ性や柔軟性等の基本的な粘着特性を付与する。
【0019】
炭素数1〜20のアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、へプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ラウリル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、ステアリル基が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独でまたは2種以上混合して使用できる。
【0020】
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを2種以上混合して使用する場合には、これらのエステル部分のアルキル基の炭素数が、平均して20以下となるように組み合わせるのが好ましい。
【0021】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、全ベースモノマー成分に対して、例えば70重量%以上、好ましくは75重量%以上であり、特に、85〜95重量%である場合が多い。
【0022】
ベースモノマー成分としては、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他に、官能基や極性基の導入による接着性の改良、ポリマーのガラス転移点の制御による凝集力及び耐熱性の改良などを目的として、改質用モノエチレン性モノマーを含んでいてもよい。
【0023】
このような改質用モノエチレン性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー又はその無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマーなどが挙げられる。
【0024】
上記の他に、例えば、(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のN−置換アミド基含有モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロリル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル系モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル系モノマー;メチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の改質用モノエチレン性モノマーが用いられる。これらの改質用モノエチレン性モノマーは単独でまたは2種以上混合して使用できる。
【0025】
改質用モノエチレン性モノマーの使用量は、全ベースモノマー成分に対して、例えば30重量%以下、好ましくは25重量%以下、特に、5〜15重量%である場合が多い。
【0026】
多官能アクリル系モノマーは、架橋性モノマー成分として用いられ、交叉結合剤(架橋剤)としての機能による粘着剤の剪断強さの向上を目的とする。
【0027】
このような多官能アクリル系モノマーには、分子内に光反応性不飽和結合を2個以上含むアクリル系モノマーが含まれる。具体的には、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、1,4−ブチルジアクリレート、1,6−ヘキシルジアクリレート等が挙げられる。これらの多官能アクリル系モノマーは、単独でまたは2種以上混合して使用できる。
【0028】
多官能アクリル系モノマーの使用量は、架橋効果による粘着剤の強度や接着力の保持性に応じ、全ベースモノマー成分100重量部に対して、例えば0.02〜10重量部、好ましくは0.05〜8重量部、特に、0.1〜5重量部である場合が多い。光反応性不飽和結合の数が多いほど、使用量を少なくできる。
【0029】
重合反応は、重合反応の引金となり得る、適当な波長の放射線を照射することにより開裂しラジカルを生成する光重合開始剤の助けによって行うことができる。具体的には、例えば、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系化合物;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどのα−ケトール系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種以上混合して使用できる。
【0030】
光重合開始剤の使用量は、未反応モノマー成分の残存防止性、生成ポリマーの低分子量化による凝集力低下の防止性などの観点から、例えば、全ベースモノマー成分100重量部に対して、0.01〜5重量部程度、好ましくは0.03〜4重量部、より好ましくは0.05〜3重量部程度である。なお、光重合開始剤は、必要に応じて複数回に分けて添加することもできる。
【0031】
本発明においては、上記成分以外に、例えば、ロジン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂などの粘着付与剤、充填剤、顔料、着色剤、老化防止剤などの各種添加剤が粘着層に配合されることもある。
【0032】
熱膨張性微小球としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの、加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球であればよい。前記殻は、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質で形成される場合が多い。前記殻を形成する物質として、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法などにより製造できる。なお、熱膨張性微小球には、例えば、マツモトマイクロスフェア[商品名、松本油脂製薬(株)製]などの市販品もある。
【0033】
加熱処理により放射線重合型熱膨張性粘着層3の接着力を効率よく低下させるため、体積膨張率が5倍以上、または7倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有する熱膨張性微小球が好ましい。また、熱膨張性微小球の発泡又は膨張に必要な加熱温度としては、微小球の殻の材質等によって異なるが、例えば40〜250℃、好ましくは45〜200℃、より好ましくは50〜170℃程度である。
【0034】
熱膨張性微小球の配合量は、放射線重合型熱膨張性粘着層3の膨張倍率や接着力の低下性などに応じて適宜設定しうるが、一般には熱膨張性粘着層3を形成するベースポリマー100重量部に対して、例えば1〜150重量部、好ましくは10〜130重量部、さらに好ましくは25〜100重量部である。
【0035】
なお、本発明では、良好な接着性を発現できると共に加熱による剥離性を高めるため、加熱前の放射線重合型熱膨張性粘着層3表面の中心線平均粗さが0.4μmより大きいことが好ましく、例えば0.4〜2μm、より好ましくは0.45〜1μm程度である。0.4μm以下の場合には、放射線重合型熱膨張性粘着層3の表面粗さが小さくなるため、加熱後の被着体との剥離性が低下してしまう。前記中心線平均粗さは、放射線重合型熱膨張性粘着層3の厚さと該粘着層に添加する熱膨張性微小球の粒径を適宜選択することにより調整することができる。
【0036】
なお、基材1と放射線重合型熱膨張性粘着層3との間にゴム状有機弾性層2を設ける場合には、ゴム状有機弾性層2への吸収効果があることから、熱膨張性微小球の粒径の大きさや、放射線重合型熱膨張性粘着層3の厚みを超える粒径の熱膨張性微小球の割合などは上記の範囲に限られない。熱膨張性微小球の粒径調整は、熱膨張性微小球の生成過程で行ってもよく、又、生成後の分級などの手段で行ってもよい。
【0037】
放射線重合型熱膨張性粘着層3の厚さは、例えば300μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下を用いる。厚みが過大であると、放射線重合型熱膨張性粘着層3の発泡後に凝集破壊が起こり、被着体に糊残りが発生し汚染しやすくなる。一方、厚みが過小であると、加熱前接着力が低下する他、加熱後の放射線重合型熱膨張性粘着層3の変形度が小さいため接着力の低下率が小さく、また、熱膨張性微小球による表面の凹凸を調節するために微小球の粒径を過度に小さくする必要が生じる。そのため、前記放射線重合型熱膨張性粘着層3の厚さは、例えば5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上を用いる。
【0038】
本発明において、放射線重合型熱膨張性粘着層3の保護材としてセパレータ4を積層させてもよい。セパレータ4は、粘着シートを被着体に貼着する際に剥がされる。セパレータ4には、例えば、慣用のプラスチックのフィルムやシートが用いられ、より具体的には紙、布、不織布、金属箔、あるいはそれらのプラスチックラミネート体、プラスチック同士の積層体などの適宜な薄葉体を用いることができる。
【0039】
剥離性を高めるために、セパレータ4の片面又は両面にシリコーン系やフッ素系、長鎖アルキル系などの離型剤による離型処理を施したものも用いられる。セパレータ4の厚さは、5〜250μmが一般的であるが、これに限定されない。
【0040】
本発明の加熱剥離性粘着シートは、通常の粘着シートの製造方法により製造できる。具体的には、例えば、全モノマー成分、熱膨張性微小球、重合開始剤、及び必要に応じて添加剤を含むコーティング液を基材1上に塗布し、放射線照射により重合させて放射線重合型熱膨張性粘着層3を形成する方法により製造できる。また、放射線重合型熱膨張性粘着層3をセパレータ4に形成した後、基材1上又はゴム状有機弾性層2上に転写する方法なども採用できる。
【0041】
加熱剥離性粘着シートを製造する他の方法としては、予めベースモノマー成分及び重合開始剤の混合液を放射線照射により部分重合(予備重合)させた前処理液に、架橋性モノマー成分、及び必要に応じて重合開始剤、添加剤を加えたコーティング液を基材1上に塗工し、放射線照射により重合させて放射線重合型熱膨張性粘着層3を形成する方法が挙げられる。この方法は、重合反応を2段階で進める方法であって、1段目の重合反応によりベースモノマー成分を高分子化させ、2段目の重合反応により架橋性モノマー成分を介して内部架橋させる方法である。
【0042】
前記コーティング液には、熱膨張性微小球の膨潤や塗工性の点で、シロップ状(粘稠状)に調製したシロップ状コーティング液を用いるのが好ましい。シロップ状コーティング液は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするベースモノマー成分と光重合開始剤とを混合した後、放射線照射により予備的に重合させて、重量平均分子量1万以上の重合体を含む粘度500〜5000センチポイズ程度のシロップ状混合液を得、これに多官能アクリル系モノマー、熱膨張性微小球、重合開始剤、及び添加剤等を配合することにより調製することができる。なお、コーティング液の粘度は、ヒュームドシリカなどのチキソトロープ剤などを添加して調整することも可能である。得られたコーティング液は、シロップ状であるため容易に塗工することができる。
【0043】
放射線としては、例えば、紫外線、レーザー光線、α線、β線、γ線、X線、電子線などを使用できる。なかでも、紫外線が好ましく、重合処理の効率の点で、例えば波長が180〜460nmのものが用いられるが、これに限定されない。照射光の波長は、好ましくは200〜420nm、さらに好ましくは250〜380nm程度、特に300〜360nmの範囲のものが使用される。放射線の発生源には、例えば水銀アーク、炭素アーク、(低、中、高圧)水銀ランプ、メタルハライドランプ、ブラックライトなどの照射装置が適宜用いられる。特に、ブラックライトは、重合熱の発生量を抑えることができる点で好ましく用いられる。照射量は、重合状況などに応じて適宜決定しうるが、通常400〜3000mJ/cm2程度である。照射強度は、処理速度や照射時間などに応じて、例えば0.1〜7mW/cm2程度の弱い光の照射が好ましい。
【0044】
放射線の照射は、適宜な方法で行うことができる。ただし、本発明においては、放射線の照射熱により熱膨張性微小球が膨張を開始することを防ぐことが重要である。膨張を防止する方法として、放射線照射時に重合により生じる重合熱を冷却すること、放射線照射を短時間とすることなどの方法が挙げられる。ここでは、前者、すなわち、重合熱を冷却する方法が好ましく用いられ、例えば、塗工部周辺を冷却するなどして熱膨張性微小球が膨張を開始しない温度に保つことができる。具体的には、液体窒素等の冷却溶媒中で放射線照射を行うことにより重合時に生じた重合熱を冷却する方法や、ミラー等で一度放射線を反射させて重合熱の発生を抑制する方法などの方法を採用できる。
【0045】
上記の方法により得られた加熱剥離性粘着シートは、接着時には、予め設定した接着力で被着体に貼着でき、剥離時は、加熱処理により容易に剥離乃至分離することができる。従って、本発明の加熱剥離性粘着シートは、適宜な物品を被着体として永久的に接着する用途に用いることも可能であるが、より好ましくは、被着体に貼り付けて固定し、目的達成後、加熱により熱膨張性粘着層の熱膨張性微小球を膨張させて粘着力を低下又は消失させ、被着体から剥離する用途に用いられる。特に、剥離困難となりやすい金属系材料部(メッキ部)を有する基板の加工時、または、大きな貼り付け面積を必要とする部品加工工程などに用いる場合には、加工時は強固に固定でき、加工後は容易に剥離することができるため好適である。
【0046】
被着体より容易に剥離するための加熱処理条件は、被着体の表面状態や熱膨張性微小球の種類等による接着面積の減少性、基材や被着体の耐熱性や加熱方法等の条件により適宜設定できる。本発明の加熱剥離性粘着シートは、溶剤や乳化剤を使用することなく粘着層を設けるため、溶剤の加熱乾燥工程を省略でき、比較的低温による短時間の加熱によっても剥離することができる。従って、加熱処理条件は、加熱温度としては、例えば50〜250℃程度の広範囲から適宜選択され、加熱時間としては、例えば、10〜300秒間(ホットプレート等)または1〜30分間(熱風乾燥器等)の範囲から適宜選択されるが、比較的低温で短時間の加熱、例えば100℃未満の温度で100秒未満(ホットプレート等)の加熱処理条件であっても剥離することができる。上記加熱条件で、通例、粘着層の熱膨張性微小球が膨張及び/又は発泡して粘着層が膨張変形し、接着力が低下ないし喪失する。なお、加熱処理は使用目的に応じて適宜な段階で行うことができる。また、加熱源としては、赤外線ランプや加熱水を用いることができる場合もある。
【0047】
【発明の効果】
本発明の加熱剥離性粘着シートによれば、溶剤や乳化剤を使用することなく形成しうる放射線重合型熱膨張性粘着層を設けることにより、溶剤の加熱乾燥工程を省略でき、熱膨張温度の低い熱膨張性微小球を使用できるため、比較的低温で短時間の加熱によっても剥離することができる。また、熱膨張性微小球の熱膨張開始温度を選択することにより、広い温度範囲から目的に応じた最適な加熱温度を選ぶことができる。
【0048】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、t℃熱膨張性微小球とは、加熱による膨張開始温度がt℃である熱膨張性微小球であることを示す。
実施例1
アクリル酸2−エチルヘキシル30重量部、アクリル酸エチル70重量部、アクリル酸5重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバガイギー社製)0.05重量部からなる混合物を、窒素ガス雰囲気下で紫外線照射により部分重合させ、ポリマー(重量平均分子量10000)を含むシロップを得た。得られたシロップ100重量部に対し、100℃熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェア F−50D」、松本油脂製薬(株)製;平均粒径13.5μm)30重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(架橋剤)0.2重量部、及び光重合開始剤0.05重量部を配合した粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を、厚さ100μmのポリエステルフィルム(基材)に塗工し、液体窒素充填装置内で、光源として高圧水銀ランプ(光強度5mW/cm2)を用いて紫外線を照射量700mJ/cm2(波長352nm)で照射して光重合することにより、厚さ45μmの粘着層を形成し、加熱剥離性粘着シートを得た。
【0049】
実施例2
実施例1において、100℃熱膨張性微小球(F−50D)の代わりに、135℃熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェア F−80D」、松本油脂製薬(株)製;平均粒径13.5μm)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により加熱剥離性粘着シートを得た。
【0050】
実施例3
実施例1において、100℃熱膨張性微小球(F−50D)の代わりに、70℃熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェア F−20」、松本油脂製薬(株)製;平均粒径13.5μm)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により加熱剥離性粘着シートを得た。
【0051】
比較例1
アクリル系ポリマー(アクリル酸2−エチルヘキシル:アクリル酸エチル:メタクリル酸メチル=30:70:5(重量比)、重量平均分子量40〜50万)100重量部に対し、ポリウレタン系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製)2重量部、及び70℃熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェア F−20」、松本油脂製薬(株)製;平均粒径13.5μm)30重量部を含むトルエン溶液を、乾燥後の厚みが35μmとなるように厚さ100μmのポリエステルフィルム(基材)に塗布し、乾燥して(乾燥時の温度約75℃)粘着層を形成し、加熱剥離性粘着シートを得た。
【0052】
評価試験
実施例及び比較例で得られた加熱剥離性粘着シート(幅20mm)の粘着層にポリエステルフィルム(商品名「ルミラー S−10」、東レ(株)製;厚さ25μm)を圧着し、加熱前及び加熱後の180℃ピール粘着力(N/20mm;剥離速度300mm/min)を測定した。加熱処理は、ホットプレートを用いて以下の条件により行った。結果を表1の加熱前、加熱後の欄に示した。
(加熱条件)
・実施例1の粘着シートに対しては、130℃×1分
・実施例2の粘着シートに対しては、170℃×1分
・実施例3及び比較例1の粘着シートに対しては、80℃×1分
【0053】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱剥離性粘着シートの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 ゴム状有機弾性層
3 放射線重合型熱膨張性粘着層
4 セパレータ
Claims (7)
- 基材の少なくとも片側に、放射線重合型アクリル系粘着剤及び熱膨張性微小球を含む放射線重合型熱膨張性粘着層を設けた加熱剥離性粘着シート。
- 放射線重合型アクリル系粘着剤が、ベースモノマー成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はその予備重合物と、架橋性モノマー成分としての多官能アクリル系モノマーとを放射線重合して得られるポリマーで構成されている請求項1記載の加熱剥離性粘着シート。
- (メタ)アクリル酸アルキルエステルの量が、全ベースモノマー成分に対して70重量%以上である請求項2記載の加熱剥離性粘着シート。
- 加熱剥離温度が100℃未満である請求項1〜3の何れかの項に記載の加熱剥離性粘着シート。
- 基材の少なくとも片側に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はその予備重合物と多官能アクリル系モノマーと熱膨張性微小球を含む混合物を塗布した後、放射線照射により重合させて放射線重合型熱膨張性粘着層を形成する加熱剥離性粘着シートの製造方法。
- 放射線照射時に、重合により生じる重合熱を冷却により除熱する請求項5記載の加熱剥離性粘着シートの製造方法。
- 放射線の光源としてブラックライトを用いる請求項5又は6記載の加熱剥離性粘着シートの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002178249A JP2004018761A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 加熱剥離性粘着シート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002178249A JP2004018761A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 加熱剥離性粘着シート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004018761A true JP2004018761A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31176032
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002178249A Pending JP2004018761A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 加熱剥離性粘着シート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004018761A (ja) |
Cited By (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008056788A1 (en) | 2006-11-10 | 2008-05-15 | Nitto Denko Corporation | Thermally foamable repeelable acrylic pressure-sensitive adhesive tape or sheet |
| WO2009054108A1 (ja) | 2007-10-22 | 2009-04-30 | Nitto Denko Corporation | 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート、及び剥離方法 |
| WO2009054106A1 (ja) | 2007-10-22 | 2009-04-30 | Nitto Denko Corporation | 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート |
| WO2010122943A1 (ja) | 2009-04-21 | 2010-10-28 | 日東電工株式会社 | 加熱膨張型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート |
| EP2385089A1 (en) | 2010-04-13 | 2011-11-09 | Nitto Denko Corporation | Acrylic pressure-sensitive adhesive composition and acrylic pressure-sensitive adhesive tape |
| EP2395063A2 (en) | 2010-04-09 | 2011-12-14 | Nitto Denko Corporation | Pressure-sensitive adhesive composition and acrylic pressure-sensitive adhesive tape |
| JP2012077310A (ja) * | 2011-12-02 | 2012-04-19 | Nitto Denko Corp | 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシートの製造方法 |
| JP2012082433A (ja) * | 2011-12-02 | 2012-04-26 | Nitto Denko Corp | 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート |
| JP2012093728A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-05-17 | Toray Ind Inc | 直描型水なし平版印刷版原版 |
| EP1608717B2 (en) † | 2003-04-01 | 2013-05-15 | De-Bonding Limited | Method and apparatus for bonding and debonding adhesive interface surfaces |
| CN104371610A (zh) * | 2014-12-03 | 2015-02-25 | 新丰杰力电工材料有限公司 | 热剥离丙烯酸酯压敏胶粘剂的制备方法及其应用 |
| JPWO2020196757A1 (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | ||
| JP2021504549A (ja) * | 2017-12-01 | 2021-02-15 | アーケマ・インコーポレイテッド | 発泡性アクリル組成物 |
| CN113646168A (zh) * | 2019-03-28 | 2021-11-12 | 琳得科株式会社 | 粘合片的制造方法、半导体装置的制造方法及粘合片 |
| KR20210148102A (ko) * | 2019-03-28 | 2021-12-07 | 린텍 가부시키가이샤 | 점착 시트, 점착 시트의 제조 방법 및 반도체 장치의 제조 방법 |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178249A patent/JP2004018761A/ja active Pending
Cited By (25)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1608717B2 (en) † | 2003-04-01 | 2013-05-15 | De-Bonding Limited | Method and apparatus for bonding and debonding adhesive interface surfaces |
| JP2008120903A (ja) * | 2006-11-10 | 2008-05-29 | Nitto Denko Corp | 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート |
| WO2008056788A1 (en) | 2006-11-10 | 2008-05-15 | Nitto Denko Corporation | Thermally foamable repeelable acrylic pressure-sensitive adhesive tape or sheet |
| WO2009054108A1 (ja) | 2007-10-22 | 2009-04-30 | Nitto Denko Corporation | 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート、及び剥離方法 |
| WO2009054106A1 (ja) | 2007-10-22 | 2009-04-30 | Nitto Denko Corporation | 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート |
| WO2010122943A1 (ja) | 2009-04-21 | 2010-10-28 | 日東電工株式会社 | 加熱膨張型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート |
| WO2010122942A1 (ja) | 2009-04-21 | 2010-10-28 | 日東電工株式会社 | 加熱膨張型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート |
| EP2395063A2 (en) | 2010-04-09 | 2011-12-14 | Nitto Denko Corporation | Pressure-sensitive adhesive composition and acrylic pressure-sensitive adhesive tape |
| EP2385089A1 (en) | 2010-04-13 | 2011-11-09 | Nitto Denko Corporation | Acrylic pressure-sensitive adhesive composition and acrylic pressure-sensitive adhesive tape |
| US8299182B2 (en) | 2010-04-13 | 2012-10-30 | Nitto Denko Corporation | Acrylic pressure-sensitive adhesive composition and acrylic pressure-sensitive adhesive tape |
| JP2012093728A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-05-17 | Toray Ind Inc | 直描型水なし平版印刷版原版 |
| JP2012082433A (ja) * | 2011-12-02 | 2012-04-26 | Nitto Denko Corp | 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート |
| JP2012077310A (ja) * | 2011-12-02 | 2012-04-19 | Nitto Denko Corp | 加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシートの製造方法 |
| CN104371610A (zh) * | 2014-12-03 | 2015-02-25 | 新丰杰力电工材料有限公司 | 热剥离丙烯酸酯压敏胶粘剂的制备方法及其应用 |
| JP7419232B2 (ja) | 2017-12-01 | 2024-01-22 | アルケマ フランス | 発泡性アクリル組成物 |
| JP2021504549A (ja) * | 2017-12-01 | 2021-02-15 | アーケマ・インコーポレイテッド | 発泡性アクリル組成物 |
| KR20210148117A (ko) * | 2019-03-28 | 2021-12-07 | 린텍 가부시키가이샤 | 점착 시트의 제조 방법, 반도체 장치의 제조 방법 및 점착 시트 |
| CN113646168A (zh) * | 2019-03-28 | 2021-11-12 | 琳得科株式会社 | 粘合片的制造方法、半导体装置的制造方法及粘合片 |
| KR20210148102A (ko) * | 2019-03-28 | 2021-12-07 | 린텍 가부시키가이샤 | 점착 시트, 점착 시트의 제조 방법 및 반도체 장치의 제조 방법 |
| CN113825635A (zh) * | 2019-03-28 | 2021-12-21 | 琳得科株式会社 | 粘合片、粘合片的制造方法及半导体装置的制造方法 |
| JPWO2020196757A1 (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | ||
| TWI846851B (zh) * | 2019-03-28 | 2024-07-01 | 日商琳得科股份有限公司 | 黏著薄片之製造方法、半導體裝置之製造方法及黏著薄片 |
| TWI868118B (zh) * | 2019-03-28 | 2025-01-01 | 日商琳得科股份有限公司 | 黏著薄片、黏著薄片之製造方法及半導體裝置之製造方法 |
| KR102881193B1 (ko) * | 2019-03-28 | 2025-11-06 | 린텍 가부시키가이샤 | 점착 시트, 점착 시트의 제조 방법 및 반도체 장치의 제조 방법 |
| KR102881207B1 (ko) * | 2019-03-28 | 2025-11-06 | 린텍 가부시키가이샤 | 점착 시트의 제조 방법, 반도체 장치의 제조 방법 및 점착 시트 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3853247B2 (ja) | 電子部品用加熱剥離型粘着シートおよび電子部品の加工方法並びに電子部品 | |
| US7163597B2 (en) | Heat-peelable pressure-sensitive adhesive sheet | |
| JP4588021B2 (ja) | 加熱剥離型粘着シートおよび該加熱剥離型粘着シートを用いた被着体の加工方法 | |
| JP6000595B2 (ja) | 電子部品切断用加熱剥離型粘着シート及び電子部品加工方法 | |
| JP4588022B2 (ja) | 加熱剥離型粘着シートおよび該加熱剥離型粘着シートを用いた被着体の加工方法 | |
| JP4651799B2 (ja) | エネルギー線硬化型熱剥離性粘着シート、及びこれを用いた切断片の製造方法 | |
| CN100519683C (zh) | 热可剥离的压敏粘合片 | |
| JP4877689B2 (ja) | エネルギー線硬化型熱剥離性粘着シート、及びこれを用いた切断片の製造方法 | |
| JP4651805B2 (ja) | 加熱剥離型粘着シート | |
| JP3810911B2 (ja) | 加熱剥離型粘着シート | |
| JP6000958B2 (ja) | 電子部品切断用加熱剥離型粘着シート及び電子部品切断方法 | |
| EP1033393A2 (en) | Heat-peelable pressure-sensitive adhesive sheet | |
| JP2004018761A (ja) | 加熱剥離性粘着シート | |
| JP2004300231A (ja) | 熱剥離性両面粘着シート、被着体の加工方法および電子部品 | |
| JPH11302614A (ja) | 加熱剥離型粘着シート | |
| JP3797628B2 (ja) | 感圧接着剤及びその接着シート | |
| JP2005101628A (ja) | 電子部品用加熱剥離型粘着シートおよび電子部品の加工方法並びに電子部品 | |
| JP3847904B2 (ja) | 接着シート及び切断片の製造方法 | |
| JPH11302610A (ja) | 加熱剥離型粘着シート | |
| JP2006160872A (ja) | 熱剥離型粘着シート及び電子部品、回路基板 | |
| JP5036270B2 (ja) | 加熱剥離型粘着シートおよびこの加熱剥離型粘着シートを用いた半導体チップの製造方法 | |
| JP2006152308A (ja) | 電子部品の切断方法 | |
| JP3804805B2 (ja) | 加熱剥離型粘着シート | |
| JP7736443B2 (ja) | 粘着シート | |
| JP5227495B2 (ja) | 粘着シート |
