JP2004100918A - 振動減衰装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御則、デバイスを簡易なものとするとともに、全周波数域にわたり減衰性能を向上させる。
【解決手段】コントローラ7では、まず、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)であるか負の値であるかが判定される(第1則;図6(a))。この第1則で、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)であると判定された場合には、更に、ばね上絶対変位x1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積x1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積x1(v1−v2)が正の値(および0)であるか負の値であるかが判定される(第2則;図6(b))。そして、第1則の判定結果と、第2則の判定結果の組合せに応じて、絞り4の開口のオン(開)、オフ(閉)が切り換えられる。
【選択図】 図6
【解決手段】コントローラ7では、まず、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)であるか負の値であるかが判定される(第1則;図6(a))。この第1則で、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)であると判定された場合には、更に、ばね上絶対変位x1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積x1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積x1(v1−v2)が正の値(および0)であるか負の値であるかが判定される(第2則;図6(b))。そして、第1則の判定結果と、第2則の判定結果の組合せに応じて、絞り4の開口のオン(開)、オフ(閉)が切り換えられる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄道車両、除振台等の産業機械、建設機械のシートなどに用いられる空気ばね装置に関し、特に空気ばね装置に内蔵した絞り(オリフィス)を制御することにより振動を減衰させる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両、除振台等の産業機械、建設機械のシートなどには、各種サスペンションを低剛性化するために空気ばねが用いられている。
【0003】
しかし空気ばね自体は減衰が小さいため、ダンパを空気ばねと別置きに設けて減衰を付加する方法が一般的である。
【0004】
(従来技術1)
後掲する非特許文献1には、図1(a)に示す2室型空気ばね1を図2(b)に示す3要素型バネマス系でモデル化した場合に、共振ピークを最小にする最適な減衰係数が存在することが示されている。しかし定点理論により定点が存在するため共振ピークの低減にも限界が存在するとも記載されている。また2室型空気ばねを最適な減衰係数に設定した場合には、高周波における振動絶縁性能が減衰係数を最小にした場合と比較して悪化することが示されている。
【0005】
また非特許文献1には絞り4を可変絞りにする構成が記載されている。
【0006】
(従来技術2)
後掲する特許文献1には、スカイフックダンパの理論を用いて、図1(a)に示す絞り4の開口面積(オリフィスの径)を連続的に変化させる制御方法(連続制御型のスカイフック制御)が記載されている。
【0007】
すなわち上記(1)式における減衰係数cを、下記(2)式に示される減衰係数cに置き換え、ばね上絶対速度v1、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の値に応じて連続的に変化させる。
【0008】
c=v1/(v1−v2)Cv …(2)
ただしCvは、図1(c)に示されるスカイフック減衰による減衰係数である。
【0009】
上記(2)式にしたがい絞り4の開口面積を連続可変制御することにより、高周波領域における振動絶縁性能(減衰性能)が、上記従来技術2に開示される最適減衰の場合よりも向上する。
【0010】
(従来技術3)
また特許文献1には、上記(1)式における減衰係数cを、下記(3)式に示されるように、オンオフ的に切り換えるオンオフ型のスカイフック制御が記載されている。
【0011】
c=ch(v1(v1−v2)≧0),
cL(v1(v1−v2)<0) …(3)
ただしch>cL≧0である。
【0012】
この特許文献1には上記(3)式にしたがい絞り4の開口面積を大(c=cL)、小(c=ch)にオンオフ的に切り換える制御を行うと、切換え時に振動が発生する問題がある旨記載されている。
【0013】
(特許文献1)
特開平6−239230号公報
(非特許文献1)
小柳,空気ばね防振系の最適設計法,機論,49−439,p.410,1983
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術2に示される連続可変制御を実現するためには、上記(2)式にしたがい、ばね上絶対速度v1、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の値に応じて、絞り4の開口面積を連続的に変化させなければならないため、制御則が複雑になり、デバイスが複雑になる。このため空気ばねの制御装置の構成が複雑になり装置コストが上昇するおそれがある。これに対して上記従来技術3に示されるオンオフ切換制御を実現するためには、上記(3)式にしたがい、v1(v1−v2)が0以上であるか否かの判別結果に応じて、絞り4の開口面積を二値的に切り換えるだけでよいので、制御則が簡単で、デバイスが簡易なものとなる。このため空気ばねの制御装置の構成を簡易化でき装置コストを低減させることができる。
【0014】
また上記従来技術2の連続制御型のスカイフック制御にせよ、上記従来技術3のオンオフ型のスカイフック制御にせよ、絞りの応答遅れにより特に共振周波数付近での振動低減効果が損なわれることが本発明者らによって明らかになった。
【0015】
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、制御則、デバイスを簡易なものとするとともに、全周波数域にわたり減衰性能を向上させることを解決課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段および効果】
第1発明は、
2室(2、3)を有する空気ばね(1)と、
前記2室(2、3)の間に設けられた絞り(4)と、
前記空気ばね(1)のばね上の絶対変位(x1)、前記空気ばね(1)のばね上の絶対速度(v1)、前記空気ばね(1)のばね上、ばね下間の相対速度(v1−v2)をそれぞれ計測する計測手段(7、8、9、10)と、
ばね上絶対速度(v1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)との積が零以上であるか否かを判定し、ばね上絶対速度(v1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)との積が零以上である場合には、更にばね上絶対変位(x1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)あるいはばね上の絶対速度(v1)との積が零以上であるか否かを判定する判定手段(7)と、
前記判定手段(7)の判定結果に応じて、前記絞り(4)の開口面積を切り換える制御手段(7)と
を具え振動減衰装置であることを特徴とする。
【0017】
第2発明は、
2室(2、3)を有する空気ばね(1)と、
前記2室(2、3)の間に設けられた絞り(4)と、
前記空気ばね(1)のばね上の絶対変位(x1)、前記空気ばね(1)のばね上の絶対速度(v1)、前記空気ばね(1)のばね上、ばね下間の相対速度(v1−v2)をそれぞれ計測する計測手段(7、8、9、10)と、
ばね上絶対速度(v1)のばね上ばね下間相対速度(v1−v2)に対する商が零よりも大きい所定値以上であるか否かを判定し、ばね上絶対速度(v1)のばね上ばね下間相対速度(v1−v2)に対する商が前記所定値以上である場合には、更にばね上絶対変位(x1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)あるいはばね上の絶対速度(v1)との積が零以上であるか否かを判定する判定手段(7)と、
前記判定手段(7)の判定結果に応じて、前記絞り(4)の開口面積を切り換える制御手段(7)と
を具えた振動減衰装置であることを特徴とする。
【0018】
第1発明によれば、以下の「スカイフック可変剛性制御」が実行される。
【0019】
・スカイフック可変剛性制御
コントローラ7では、図6に示す制御則にしたがいスカイフック可変剛性制御を実行する。
【0020】
この制御では、まず、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかかが判定される(第1則;図6(a))。
【0021】
この第1則で、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)であると判定された場合には、更に、ばね上絶対変位x1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積x1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積x1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定される(第2則;図6(b))。
【0022】
そして、以下の制御則に示されるように第1則の判定結果と、第2則の判定結果の組合せに応じて、絞り4の開口のオン(開)、オフ(閉)が切り換えられる。
【0023】
「v1(v1−v2)≧0(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)>0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオフ(閉)にする。」
「v1(v1−v2)≧0(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)<0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオン(開)にする。」
「v1(v1−v2)<0(第1則の判定結果)」ならば第2則の判定結果いかんにかかわらず「絞り4の開口をオン(開)にする。」
この制御則にしたがい制御することで、図14、図15のLN7に示されるように、全周波数域に渡り、ばね下からばね上への振動伝達率が低減し、減衰性能が飛躍的に向上する。また上記制御則にしたがい絞り4の開口面積を二値的に切り換えるだけでよいので、制御則を簡単なものとすることができ、絞り4として安価なオンオフバルブを使用できるなどデバイスを簡易なものにすることができる。このため空気ばねの制御装置の構成を簡易化でき装置コストを低減させることができる。
【0024】
第2発明によれば、以下の「補償型スカイフック可変剛性制御」が実行される。
【0025】
・補償型スカイフック可変剛性制御
上述したスカイフック可変剛性制御を実行する代わりに図7に示す制御則にしたがい応答遅れ型スカイフック可変剛性制御を実行してもよい。
【0026】
この制御では、まず、ばね上絶対速度v1のばね上ばね下間相対速度v1−v2に対する商v1/(v1−v2)が所定値Ce/Cv以上であるか否かが判定される(第1則;図7(a))。
【0027】
この第1則で、ばね上絶対速度v1のばね上ばね下間相対速度v1−v2に対する商v1/(v1−v2)が所定値Ce/Cv以上であると判定された場合には、更に、ばね上絶対変位x1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積x1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積x1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定される(第2則;図7(b))。
【0028】
そして、以下の制御則に示されるように第1則の判定結果と、第2則の判定結果の組合せに応じて、絞り4の開口のオン(開)、オフ(閉)が切り換えられる。
【0029】
「v1/(v1−v2)≧Ce/Cv(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)>0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオフ(閉)にする。」
「v1/(v1−v2)≧Ce/Cv(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)<0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオン(開)にする。」
「v1/(v1−v2)<Ce/Cv(第1則の判定結果)」ならば第2則の判定結果いかんにかかわらず「絞り4の開口をオン(開)にする。」
この制御則にしたがい制御することで、図17、図18のLN10に示されるように、全周波数域に渡り、ばね下からばね上への振動伝達率が低減し、減衰性能が飛躍的に向上する。また第1発明と同様に、制御則が簡単なものとなり、絞り4としてオンオフバルブを使用できるなどデバイスを簡易にすることができる。更に第2発明では、絞り4の応答遅れの影響が補償されて、特に高周波での振動絶縁性能が更に向上する。
【0030】
なお上記第2則では、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の代わりにばね上絶対速度v1を用いてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して実施の形態について説明する。
【0032】
図1(a)は実施形態の振動減衰装置の構成を示す。
【0033】
車両の車体5と台車6との間には、2室型の空気ばね1が設けられている。2室型空気ばね1は、空気室2と補助空気室3との2室を有しており、これら空気室2と補助空気室3との間に絞り(オリフィス)4が設けられている。絞り4を空気が通過することによって減衰力fが発生する。絞り4の開口面積(オリフィスの径)を変化させることによって空気ばね1の剛性、減衰を連動して変化させることができる。絞り4には、オンオフバルブが用いられ、コントローラ7から出力される制御信号iに応じて開口がオン(開)、オフ(閉)される。
【0034】
ばね上である車体5には、ばね上の加速度s1を検出する加速度センサ8、ばね上の絶対変位x1を検出する変位センサ10が設けられている。ばね下である台車6には、ばね下の加速度s2を検出する加速度センサ9が設けられている。加速度センサ8、9としてはたとえば加速度ピックアップが用いられ、変位センサ10としてはたとえばレーザ変位センサが用いられる。また、ばね上加速度s1、ばね上絶対変位x1、ばね下加速度s2はオブザーバで推定することも可能である。
【0035】
加速度センサ8、9、変位センサ10の検出信号はコントローラ7に入力される。コントローラ7では、加速度センサ8の検出加速度s1が積分演算処理されてばね上の絶対速度v1が求められる。また加速度センサ9の検出加速度s2が積分演算処理されてばね下の絶対速度v2が求められる。またばね上の絶対速度v1とばね下の絶対速度v2との差つまりばね上ばね下間の相対速度v1−v2が求められる。また、ばね上絶対速度v1、ばね上ばね下間相対速度v1−v2をオブザーバにて直接推定することも可能である。
【0036】
・スカイフック可変剛性制御
コントローラ7では、後述する図6に示す制御則にしたがいスカイフック可変剛性制御を実行する。
【0037】
この制御では、まず、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定される(第1則;図6(a))。
【0038】
この第1則で、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)であると判定された場合には、更に、ばね上絶対変位x1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積x1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積x1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定される(第2則;図6(b))。
【0039】
そして、以下の制御則(後述する第6図)に示されるように第1則の判定結果と、第2則の判定結果の組合せに応じて、絞り4の開口のオン(開)、オフ(閉)が切り換えられる。
【0040】
「v1(v1−v2)≧0(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)>0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオフ(閉)にする。」
「v1(v1−v2)≧0(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)<0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオン(開)にする。」
「v1(v1−v2)<0(第1則の判定結果)」ならば第2則の判定結果いかんにかかわらず「絞り4の開口をオン(開)にする。」
なお上記第2則では、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の代わりにばね上絶対速度v1を用いてもよい。すなわち第2則では、ばね上絶対変位x1とばね上絶対速度v1との積x1v1が零以上であるか否か、つまり積x1v1が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定されることになる。
【0041】
・補償型スカイフック可変剛性制御
上述した「スカイフック可変剛性制御」を実行する代わりに図7に示す制御則にしたがい「補償型スカイフック可変剛性制御」を実行してもよい。
【0042】
この制御では、まず、ばね上絶対速度v1のばね上ばね下間相対速度v1−v2に対する商v1/(v1−v2)が図7で後述する所定値Ce/Cv以上であるか否かが判定される(第1則;図7(a))。
【0043】
この第1則で、ばね上絶対速度v1のばね上ばね下間相対速度v1−v2に対する商v1/(v1−v2)が所定値Ce/Cv以上であると判定された場合には、更に、ばね上絶対変位x1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積x1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積x1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定される(第2則;図7(b))。
【0044】
そして、以下の制御則(後述する第7図)に示すように第1則の判定結果と、第2則の判定結果の組合せに応じて、絞り4の開口のオン(開)、オフ(閉)が切り換えられる。
【0045】
「v1/(v1−v2)≧Ce/Cv(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)>0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオフ(閉)にする。」
「v1/(v1−v2)≧Ce/Cv(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)<0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオン(開)にする。」
「v1/(v1−v2)<Ce/Cv(第1則の判定結果)」ならば第2則の判定結果いかんにかかわらず「絞り4の開口をオン(開)にする。」
なお上記第2則では、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の代わりにばね上絶対速度v1を用いてもよい。すなわち第2則では、ばね上絶対変位x1とばね上絶対速度v1との積x1v1が零以上であるか否か、つまり積x1v1が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定されることになる。
【0046】
以下、上述した「スカイフック可変剛性制御」および「補償型スカイフック可変剛性制御」の原理およびこれら制御の有効性について説明する。 なお実験装置では、図1(a)に示す絞り4として、コントローラ7から出力される制御信号iに応じて開口が連続的に変化する比例制御弁を、オンオフバルブの代わりに使用した。
【0047】
図1(a)に示す空気ばね1は、図2(a)、(b)に示すようにモデル化することができる。
【0048】
すなわち空気ばね1の有効受圧面積をAe、空気ばね1の内圧をP0、大気圧をPat、、空気室2の内容積をVa、補助空気室3の内容積をVb、空気の標準状態における密度をρ0、ポリトロープ指数をn、流量定数をR、ばね上質量をmとしたとき、2室型空気ばね1の振動モデルは図2(a)に示すバネマス系と等価になる。パラメータは下記(4)式に示す通りである。
【0049】
(数式1)
2室型空気ばね1は有効受圧面積Aeの変化がほとんどないのでバネ項k2をほぼ0と置くことができ、図2(b)に示す3要素モデルとみなすことができる。
【0050】
図2(b)に示す3要素モデルでは、振動系の周波数応答曲線において、減衰の大きさに関係なく定まる特定な定点が定点理論によって成立する。ここで定点を最大値にする最適条件があれば、その最適条件で共振ピークが最小となる。減衰係数が下記(5)式に示される値Coptをとるとき最適条件となり、このCoptを最適減衰(係数)と呼ぶ。
【0051】
(数式2)
図8はパッシブ系の周波数応答の実験結果を示す。実験装置では、加振周波数を0〜7Hzの範囲で空気ばね1に振動を加えた。そして絞り4の開口面積を変化させ、周波数応答曲線を計測した。図8における横軸は周波数(Hz)で、縦軸はばね下からばね上への振動伝達率(x1/x2)である。なお後述する図9〜図18における横軸、縦軸は図8と共通するものである。
【0052】
絞り4を全閉にして減衰係数cを最も大きな値Chにした場合(以下最大減衰)には、周波数応答曲線LN1が得られた。絞り4を全開にして減衰係数cを最も小さな値Ceにした場合(以下最小減衰)には、周波数応答曲線LN2が得られた。上記(5)式に示される最適減衰係数Coptが得られるように絞り4の開口面積を調整した場合(以下最適減衰)には、周波数応答曲線LN3が得られた。ただしCe<Copt<Chなる関係が成立するものとする。
【0053】
同図8に示されるように、絞り4を全閉にした最大減衰の場合には(曲線LN1)、共振ピーク値が最も大きく高周波領域での振動絶縁性が最も悪いことがわかる。また絞り4を全開にした最小減衰の場合には(曲線LN2)、共振ピークは低周波に移行し、曲線LN1の場合よりも共振ピーク値が低くなり高周波領域での振動絶縁性が改善されているのがわかる。さらに絞り4を最適に調整して最適減衰にした場合には(曲線LN3)、共振ピーク値が最も低くなり高周波領域での振動絶縁性が最大減衰(曲線LN1)よりも改善されるものの最小減衰(曲線LN2)よりも悪化しているのがわかる。
【0054】
このように振動伝達率は定点を通ることがわかる。また減衰係数cを高くすることにより共振周波数が低周波から高周波方向に移動し、共振ピーク値の周波数が変わる。すなわち系全体のバネ剛性が変化することがわかる。共振ピーク値の高さが変わることにより減衰も同時に変化していることがわかる。
【0055】
しかしながら減衰係数cを最適減衰係数Coptに調整したとしても共振域での共振倍率を低下させることができるものの高周波領域での振動絶縁効果の改善はそれほど図れず限界があることがわかる。
【0056】
つぎにスカイフック制御について説明する。
【0057】
図1(b)に示す2室型空気ばね1は、図1(c)に示されるスカイフックダンパにモデル化することができる。スカイフックダンパは仮想的な壁にダンパが取り付けらればね上の動きに対して減衰力fが働くダンパである。
【0058】
すなわち図1(c)に示されるスカイフック減衰による減衰係数をCvとしたとき、スカイフック減衰によって発生する減衰力fは以下のように表される。
【0059】
f=−Cv・v1 …(6)
一方パッシブなダンパによって発生する減衰力fは、
f=c(v1−v2)…(1)
で表される。そこで上記(6)式と(1)式からスカイフック制御の減衰係数cがつぎのように求められる。
【0060】
c=v1/(v1−v2)Cv …(2)
図8からわかるように減衰係数cがCe(曲線LN2)から最適減衰係数Copt(曲線LN3)に変化する減衰領域では、1自由度バネマス系での可変減衰とみなすことができる。そこでこの減衰領域Ce〜Copt(以下、可変減衰領域)で上記(2)式の減衰係数cを下記(7)式に示すように変化させる。
【0061】
このように減衰係数cを、ばね上絶対速度v1、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の値に応じて連続的に変化させるスカイフック制御のことを連続制御型のスカイフック制御と呼ぶことにする。
【0062】
図9は連続制御型のスカイフック制御の周波数応答の実験結果を示す。上記(7)式にしたがい絞り4の開口面積を連続可変制御した。
【0063】
図9に曲線LN4で示すように、連続制御型のスカイフック制御を実行した場合には、振動伝達率は低周波では最適減衰(曲線LN3)並に低下し高周波では最小減衰(曲線LN2)並に低下しており、連続制御型のスカイフック制御が最適減衰や最小減衰と比較して有効であることがわかる。
【0064】
つぎにオンオフ型のスカイフック制御について説明する。
【0065】
オンオフ型のスカイフック制御とは、図3に示す制御則にしたがい減衰係数cがオンオフ的に切り換えられるスカイフック制御のことである。図3の縦軸はばね上絶対速度v1であり、横軸はばね上ばね下間相対速度v1−v2である。図3の第1象限または第3象限に存在する場合には減衰係数cが最適減衰係数Coptをとり(減衰係数は大)、図3の第2象限または第4象限に存在する場合には減衰係数cが最小減衰係数Ceをとる(減衰係数は小)ように減衰係数cが切り換えられ、それは次式で表される。
【0066】
c=Copt(v1(v1−v2)≧0の場合),Ce(v1(v1−v2)<0の場合) …(8)
図10はオンオフ型のスカイフック制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す。また図11はオンオフ型のスカイフック制御の周波数応答の実験結果を示す。上記(8)式にしたがい絞り4の開口面積をオンオフ的に切り換え制御した。
【0067】
図10、図11に曲線LN5で示すように、オンオフ型のスカイフック制御を実行した場合には、振動伝達率は低周波では最適減衰(曲線LN3)並に低下したものの高周波では図9の連続制御型のスカイフック制御(図9の曲線LN4)と比較して振動絶縁性が悪化しているのがわかる。連続制御型と比べてオンオフ型では、特に高周波で減衰が強めにかかる傾向があり、そのため振動絶縁効果が悪化したと考えられる。
【0068】
また連続制御型のスカイフック制御(図9の曲線LN4)、オンオフ型のスカイフック制御(図10、図11の曲線LN5)共に、最適減衰(曲線LN3)よりも良い応答が得られたものの、定点を大きく下回ることができないという限界があることがわかる。
【0069】
このように可変減衰領域でのスカイフック制御では連続制御型にせよオンオフ型にせよ、特に共振周波数付近での振動低減効果に限界がある。そこで可変領域を可変剛性領域まで広げて、より高い振動抑制効果を得ることを考える。
【0070】
以下、絞り4のオンオフに応じて剛性が切り換えられるという性質に着目して、可変剛性制御の適用を検討する。
【0071】
絞り4の開口を全閉したときバネ剛性Kは最大となり、これをα1とする。絞り4の開口を全開したときバネ剛性Kは最小となり、これをα2とする。各バネ剛性の値α1、α2は、図2の2室型空気ばねモデルのパラメータ((4)式)を用いて以下のように表すことができる。
【0072】
α1=k1 α2=(N/N+1)k1 …(9)
また図2の2室型空気ばねモデルで減衰を0、内圧は∞とした場合の運動方程式は、減衰項が0となり次式で表すことができる。
【0073】
ms1=−K(x1−x2) …(10)
つぎに可変剛性制御の原理を図4を用いて説明する。
【0074】
図4(a)は剛性Kが大きな値α1をとったときの位相面軌跡を示す。図4(a)の横軸はばね上絶対変位x1であり、縦軸はばね上ばね下間相対速度v1−v2である。位相面軌跡は縦のv1−v2軸に長い楕円軌道を示す。また図4(b)は図4(a)と同じ位相面上で剛性Kが小さな値α2(<α1)をとったときの位相面軌跡を示す。位相面軌跡は横のx1軸に長い楕円軌道を示す。
【0075】
可変剛性制御では、図4(c)に示すように、位相面の第1象限または第3象限に存在する場合には剛性Kが大きな値α1をとり(剛性は大)、位相面の第2象限または第4象限に存在する場合には剛性Kが小さな値α2をとる(剛性は小)ように、剛性Kが切り換えられ、それは次式で表される。
【0076】
K=α1(x1(v1−v2)≧0の場合),α2(x1(v1−v2)<0の場合) …(11)
このような可変剛性制御を行うことによって図4(c)に示すように位相面上での軌道は原点に収束し漸近安定なシステムになる。すなわち減衰項がなくても剛性の変化によってみかけ上減衰を付加することができ、振動を抑制することができる。
【0077】
図5は可変剛性制御の制御則を示す。
【0078】
図5の縦軸はばね上絶対変位x1であり、横軸はばね上ばね下間相対速度v1−v2である。図5の第1象限または第3象限に存在する場合には減衰係数cが最大減衰係数Chをとり(減衰係数は大)、図5の第2象限または第4象限に存在する場合には減衰係数cが最小減衰係数Ceをとる(減衰係数は小)ように、減衰係数cが切り換えられ、それは次式で表される。
【0079】
c=Ch(x1(v1−v2)≧0の場合),Ce(x1(v1−v2)<0の場合) …(12)
図12は可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す。また図13は可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す。上記(12)式にしたがい絞り4の開口面積をオンオフ的に切り換え制御した。
【0080】
図12、図13に曲線LN6で示すように、可変剛性制御を実行した場合には、振動伝達率は低周波では最適減衰(曲線LN3)を下回るともに図10、図11のオンオフ型のスカイフック制御(図10、図11の曲線LN5)を下回っているものの、高周波では振動絶縁性が悪化しているのがわかる。
【0081】
以上のようにオンオフ型のスカイフック制御では共振倍率を下げることができるが高周波になると振動絶縁性が悪化する(図10、図11)。これは図3における制御則において第1象限、第3象限に存在するときの減衰が効き過ぎているためであると考えられる。また可変剛性制御でも高周波における振動絶縁性が悪化する(図12、図13)。これは可変剛性制御がパッシブな減衰付加の制御則となっているためである。
【0082】
そこで図3のスカイフック制御の制御則において、第1象限、第3象限に存在するときに図5の可変剛性制御の制御則を適用することによって、高周波における振動絶縁性が良好となり全周波数に渡り減衰性能が向上すると考えられる。
【0083】
図6はスカイフック可変剛性制御の制御則を示す。
【0084】
スカイフック可変剛性制御では、まず図6(a)に示すスカイフック制御理論の判定式で第1則の判定が行われる。この結果図6(a)の第2象限または第4象限に存在する場合には、図3と同じくスカイフック制御理論にしたがい減衰係数cが最小減衰係数Ceをとるように切り換えられる。しかし図6(a)の第1象限または第3象限に存在する場合には、図6(b)に移行し可変剛性制御理論の判定式で第2則の判定が行われ、その判定結果に応じて減衰係数cが切り換えられる。スカイフック可変剛性制御の制御則は次式で表される。
【0085】
図14はスカイフック可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す。また図15はスカイフック可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す。上記(13)式にしたがい絞り4の開口面積をオンオフ的に切り換え制御した。
【0086】
図14、図15に曲線LN7で示すように、スカイフック可変剛性制御を実行した場合には、高周波における振動絶縁性が良好となり全周波数に渡り減衰性能が向上しているのがわかる。
【0087】
特に図14のシミュレーション結果では、共振域での共振倍率が1を下回り、最大減衰(曲線LN1)よりも良い減衰性能が実現できることがわかった。高周波では最小減衰(曲線LN2)には及ばないものの、最適減衰(曲線LN3)よりも振動絶縁性が向上しているのがわかる。
【0088】
しかしながら図15の実験結果では、2〜3Hz付近での振動伝達率が悪化しているのがわかる。この原因は絞り4の応答遅れの影響であると考えられる。
【0089】
図16は応答遅れを加えたシミュレーション結果を示す。図16における曲線LN8は絞り4に応答遅れを加えていない場合を示し、曲線LN9は絞り4に所定の時定数の1次遅れ要素を加えた場合を示している。応答遅れを加えた曲線LN9では、図15の実験結果と同様に2〜3Hz付近で振動伝達率が悪化しており、絞り4の応答遅れが制御系に悪影響を及ぼしているのがわかる。
【0090】
このように図6に示すスカイフック可変剛性制御では、図15における実験結果をみるかぎり高周波領域での防振性能は十分とはいえない。そこで、これを解決するために、応答遅れを補償することを考える。
【0091】
図6に示すスカイフック可変剛性制御では、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2との積が正(および0)か負であるかの判定を行うようにしている(図6(a)参照)。しかしばね上絶対速度v1が非常に小さい場合には、正負の判定式では正であるが減衰係数cはCe以下という場合がある。この状態で最小減衰(c=Ce)から最大減衰(c=Ch)に切り換えると、必要以上に減衰が大きくなるためにショック等を誘発し防振性が悪化すると考えられる。
【0092】
そこで、より妥当な切換えを行うために、図7(a)に示すよう第1則の横軸v1−v2軸に傾きをもたせる。
【0093】
図7は補償型スカイフック可変剛性制御の制御則を示す。
【0094】
補償型スカイフック可変剛性制御では、まず図7(a)に示すスカイフック制御理論の判定式で第1則の判定が行われる。ただし図6(a)と比較して、第1則の横軸v1−v2軸はCe/Cvに応じた傾きを有している。なお図7(b)における第2則は図6(b)と同じである。
【0095】
この結果図7(a)の第2象限または第4象限に存在する場合には、スカイフック制御理論にしたがい減衰係数cが最小減衰係数Ceをとるように切り換えられる。しかし図7(a)の第1象限または第3象限に存在する場合には、図7(b)に移行し図6(b)と同様に可変剛性制御理論の判定式で第2則の判定が行われ、その判定結果に応じて減衰係数cが切り換えられる。応答遅れを補償したスカイフック可変剛性制御の制御則は次式で表される。
【0096】
図17は補償型スカイフック可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す。また図18は補償型スカイフック可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す。上記(14)式にしたがい絞り4の開口面積をオンオフ的に切り換え制御した。
【0097】
図17、図18に曲線LN10で示すように、補償型スカイフック可変剛性制御を実行した場合には、図14、図15のスカイフック可変剛性制御(曲線LN7)と比較して、高周波における振動絶縁性が更に良好となり全周波数に渡り減衰性能が向上しているのがわかる。特に図14に示す実験結果(曲線LN7)と比較すると図18の実験結果(曲線LN10)の場合には、共振周波数域では共振倍率が1を少し上回るものの2〜3Hz付近での振動伝達率の悪化が大幅に改善され、高周波域で良好な振動絶縁性を示しているのがわかる。
【0098】
なお図6(b)の第2則の横軸v1−v2軸をv1軸に代えてもよい。この場合、
上記(13)式の代わりに下記(13)′式が用いて、スカイフック可変剛性制御が行われる。
【0099】
同様に図7(b)の第2則の横軸v1−v2軸をv1軸に代えてもよい。この場合、上記(14)式の代わりに下記(14)′式が用いて、補償型スカイフック可変剛性制御が行われる。
【0100】
以上のように本実施形態のスカイフック可変剛性制御によれば、全周波数域に渡り、ばね下からばね上への振動伝達率が低減し、減衰性能が飛躍的に向上する。また(13)式あるいは(13)′式あるいは(14)式あるいは(14)′式に示される制御則(第6図あるいは第7図)にしたがい絞り4の開口面積を二値的に切り換えるだけでよいので、制御則を簡単なものとすることができ、絞り4として安価なオンオフバルブを使用できるなどデバイスを簡易なものにすることができる。このため空気ばね1の制御装置の構成を簡易化でき装置コストを低減させることができる。
【0101】
特に補償型スカイフック可変剛性制御を適用した場合には、絞り4の応答遅れの影響が補償されて、特に高周波での振動絶縁性能が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は実施形態の振動減衰装置の構成例を示す図で、図1(b)、(c)は図1(a)に示す空気ばねで得られる減衰を説明する図である。
【図2】図2(a)、(b)は空気ばねをモデル化して示す図である。
【図3】図3はオンオフ型のスカイフック制御の制御則を示す図である。
【図4】図4(a)、(b)、(c)は可変剛性制御の原理を説明する図である。
【図5】図5は可変剛性制御の制御則を示す図である。
【図6】図6(a)、(b)はスカイフック可変剛性制御の制御則を示す図である。
【図7】図7(a)、(b)は応答遅れを補償したスカイフック可変剛性制御の制御則を示す図である。
【図8】図8はパッシブ系の周波数応答の実験結果を示す図である。
【図9】図9は連続制御型のスカイフック制御の周波数応答の実験結果を示す図である。
【図10】図10はオンオフ型のスカイフック制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す図である。
【図11】図11はオンオフ型のスカイフック制御の周波数応答の実験結果を示す図である。
【図12】図12は可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す図である。
【図13】図13は可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す図である。
【図14】図14はスカイフック可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す図である。
【図15】図15はスカイフック可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す図である。
【図16】図16は応答遅れを加えたシミュレーション結果を示す図である。
【図17】図17は応答遅れを補償したスカイフック可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す図である。
【図18】図18は応答遅れを補償したスカイフック可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 空気ばね
2 空気室
3 補助空気室
4 絞り(オリフィス)
5 車体(ばね上)
6 台車(ばね下)
7 コントローラ
8、9 加速度センサ
10 変位センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄道車両、除振台等の産業機械、建設機械のシートなどに用いられる空気ばね装置に関し、特に空気ばね装置に内蔵した絞り(オリフィス)を制御することにより振動を減衰させる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両、除振台等の産業機械、建設機械のシートなどには、各種サスペンションを低剛性化するために空気ばねが用いられている。
【0003】
しかし空気ばね自体は減衰が小さいため、ダンパを空気ばねと別置きに設けて減衰を付加する方法が一般的である。
【0004】
(従来技術1)
後掲する非特許文献1には、図1(a)に示す2室型空気ばね1を図2(b)に示す3要素型バネマス系でモデル化した場合に、共振ピークを最小にする最適な減衰係数が存在することが示されている。しかし定点理論により定点が存在するため共振ピークの低減にも限界が存在するとも記載されている。また2室型空気ばねを最適な減衰係数に設定した場合には、高周波における振動絶縁性能が減衰係数を最小にした場合と比較して悪化することが示されている。
【0005】
また非特許文献1には絞り4を可変絞りにする構成が記載されている。
【0006】
(従来技術2)
後掲する特許文献1には、スカイフックダンパの理論を用いて、図1(a)に示す絞り4の開口面積(オリフィスの径)を連続的に変化させる制御方法(連続制御型のスカイフック制御)が記載されている。
【0007】
すなわち上記(1)式における減衰係数cを、下記(2)式に示される減衰係数cに置き換え、ばね上絶対速度v1、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の値に応じて連続的に変化させる。
【0008】
c=v1/(v1−v2)Cv …(2)
ただしCvは、図1(c)に示されるスカイフック減衰による減衰係数である。
【0009】
上記(2)式にしたがい絞り4の開口面積を連続可変制御することにより、高周波領域における振動絶縁性能(減衰性能)が、上記従来技術2に開示される最適減衰の場合よりも向上する。
【0010】
(従来技術3)
また特許文献1には、上記(1)式における減衰係数cを、下記(3)式に示されるように、オンオフ的に切り換えるオンオフ型のスカイフック制御が記載されている。
【0011】
c=ch(v1(v1−v2)≧0),
cL(v1(v1−v2)<0) …(3)
ただしch>cL≧0である。
【0012】
この特許文献1には上記(3)式にしたがい絞り4の開口面積を大(c=cL)、小(c=ch)にオンオフ的に切り換える制御を行うと、切換え時に振動が発生する問題がある旨記載されている。
【0013】
(特許文献1)
特開平6−239230号公報
(非特許文献1)
小柳,空気ばね防振系の最適設計法,機論,49−439,p.410,1983
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術2に示される連続可変制御を実現するためには、上記(2)式にしたがい、ばね上絶対速度v1、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の値に応じて、絞り4の開口面積を連続的に変化させなければならないため、制御則が複雑になり、デバイスが複雑になる。このため空気ばねの制御装置の構成が複雑になり装置コストが上昇するおそれがある。これに対して上記従来技術3に示されるオンオフ切換制御を実現するためには、上記(3)式にしたがい、v1(v1−v2)が0以上であるか否かの判別結果に応じて、絞り4の開口面積を二値的に切り換えるだけでよいので、制御則が簡単で、デバイスが簡易なものとなる。このため空気ばねの制御装置の構成を簡易化でき装置コストを低減させることができる。
【0014】
また上記従来技術2の連続制御型のスカイフック制御にせよ、上記従来技術3のオンオフ型のスカイフック制御にせよ、絞りの応答遅れにより特に共振周波数付近での振動低減効果が損なわれることが本発明者らによって明らかになった。
【0015】
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、制御則、デバイスを簡易なものとするとともに、全周波数域にわたり減衰性能を向上させることを解決課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段および効果】
第1発明は、
2室(2、3)を有する空気ばね(1)と、
前記2室(2、3)の間に設けられた絞り(4)と、
前記空気ばね(1)のばね上の絶対変位(x1)、前記空気ばね(1)のばね上の絶対速度(v1)、前記空気ばね(1)のばね上、ばね下間の相対速度(v1−v2)をそれぞれ計測する計測手段(7、8、9、10)と、
ばね上絶対速度(v1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)との積が零以上であるか否かを判定し、ばね上絶対速度(v1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)との積が零以上である場合には、更にばね上絶対変位(x1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)あるいはばね上の絶対速度(v1)との積が零以上であるか否かを判定する判定手段(7)と、
前記判定手段(7)の判定結果に応じて、前記絞り(4)の開口面積を切り換える制御手段(7)と
を具え振動減衰装置であることを特徴とする。
【0017】
第2発明は、
2室(2、3)を有する空気ばね(1)と、
前記2室(2、3)の間に設けられた絞り(4)と、
前記空気ばね(1)のばね上の絶対変位(x1)、前記空気ばね(1)のばね上の絶対速度(v1)、前記空気ばね(1)のばね上、ばね下間の相対速度(v1−v2)をそれぞれ計測する計測手段(7、8、9、10)と、
ばね上絶対速度(v1)のばね上ばね下間相対速度(v1−v2)に対する商が零よりも大きい所定値以上であるか否かを判定し、ばね上絶対速度(v1)のばね上ばね下間相対速度(v1−v2)に対する商が前記所定値以上である場合には、更にばね上絶対変位(x1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)あるいはばね上の絶対速度(v1)との積が零以上であるか否かを判定する判定手段(7)と、
前記判定手段(7)の判定結果に応じて、前記絞り(4)の開口面積を切り換える制御手段(7)と
を具えた振動減衰装置であることを特徴とする。
【0018】
第1発明によれば、以下の「スカイフック可変剛性制御」が実行される。
【0019】
・スカイフック可変剛性制御
コントローラ7では、図6に示す制御則にしたがいスカイフック可変剛性制御を実行する。
【0020】
この制御では、まず、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかかが判定される(第1則;図6(a))。
【0021】
この第1則で、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)であると判定された場合には、更に、ばね上絶対変位x1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積x1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積x1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定される(第2則;図6(b))。
【0022】
そして、以下の制御則に示されるように第1則の判定結果と、第2則の判定結果の組合せに応じて、絞り4の開口のオン(開)、オフ(閉)が切り換えられる。
【0023】
「v1(v1−v2)≧0(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)>0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオフ(閉)にする。」
「v1(v1−v2)≧0(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)<0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオン(開)にする。」
「v1(v1−v2)<0(第1則の判定結果)」ならば第2則の判定結果いかんにかかわらず「絞り4の開口をオン(開)にする。」
この制御則にしたがい制御することで、図14、図15のLN7に示されるように、全周波数域に渡り、ばね下からばね上への振動伝達率が低減し、減衰性能が飛躍的に向上する。また上記制御則にしたがい絞り4の開口面積を二値的に切り換えるだけでよいので、制御則を簡単なものとすることができ、絞り4として安価なオンオフバルブを使用できるなどデバイスを簡易なものにすることができる。このため空気ばねの制御装置の構成を簡易化でき装置コストを低減させることができる。
【0024】
第2発明によれば、以下の「補償型スカイフック可変剛性制御」が実行される。
【0025】
・補償型スカイフック可変剛性制御
上述したスカイフック可変剛性制御を実行する代わりに図7に示す制御則にしたがい応答遅れ型スカイフック可変剛性制御を実行してもよい。
【0026】
この制御では、まず、ばね上絶対速度v1のばね上ばね下間相対速度v1−v2に対する商v1/(v1−v2)が所定値Ce/Cv以上であるか否かが判定される(第1則;図7(a))。
【0027】
この第1則で、ばね上絶対速度v1のばね上ばね下間相対速度v1−v2に対する商v1/(v1−v2)が所定値Ce/Cv以上であると判定された場合には、更に、ばね上絶対変位x1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積x1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積x1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定される(第2則;図7(b))。
【0028】
そして、以下の制御則に示されるように第1則の判定結果と、第2則の判定結果の組合せに応じて、絞り4の開口のオン(開)、オフ(閉)が切り換えられる。
【0029】
「v1/(v1−v2)≧Ce/Cv(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)>0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオフ(閉)にする。」
「v1/(v1−v2)≧Ce/Cv(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)<0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオン(開)にする。」
「v1/(v1−v2)<Ce/Cv(第1則の判定結果)」ならば第2則の判定結果いかんにかかわらず「絞り4の開口をオン(開)にする。」
この制御則にしたがい制御することで、図17、図18のLN10に示されるように、全周波数域に渡り、ばね下からばね上への振動伝達率が低減し、減衰性能が飛躍的に向上する。また第1発明と同様に、制御則が簡単なものとなり、絞り4としてオンオフバルブを使用できるなどデバイスを簡易にすることができる。更に第2発明では、絞り4の応答遅れの影響が補償されて、特に高周波での振動絶縁性能が更に向上する。
【0030】
なお上記第2則では、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の代わりにばね上絶対速度v1を用いてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して実施の形態について説明する。
【0032】
図1(a)は実施形態の振動減衰装置の構成を示す。
【0033】
車両の車体5と台車6との間には、2室型の空気ばね1が設けられている。2室型空気ばね1は、空気室2と補助空気室3との2室を有しており、これら空気室2と補助空気室3との間に絞り(オリフィス)4が設けられている。絞り4を空気が通過することによって減衰力fが発生する。絞り4の開口面積(オリフィスの径)を変化させることによって空気ばね1の剛性、減衰を連動して変化させることができる。絞り4には、オンオフバルブが用いられ、コントローラ7から出力される制御信号iに応じて開口がオン(開)、オフ(閉)される。
【0034】
ばね上である車体5には、ばね上の加速度s1を検出する加速度センサ8、ばね上の絶対変位x1を検出する変位センサ10が設けられている。ばね下である台車6には、ばね下の加速度s2を検出する加速度センサ9が設けられている。加速度センサ8、9としてはたとえば加速度ピックアップが用いられ、変位センサ10としてはたとえばレーザ変位センサが用いられる。また、ばね上加速度s1、ばね上絶対変位x1、ばね下加速度s2はオブザーバで推定することも可能である。
【0035】
加速度センサ8、9、変位センサ10の検出信号はコントローラ7に入力される。コントローラ7では、加速度センサ8の検出加速度s1が積分演算処理されてばね上の絶対速度v1が求められる。また加速度センサ9の検出加速度s2が積分演算処理されてばね下の絶対速度v2が求められる。またばね上の絶対速度v1とばね下の絶対速度v2との差つまりばね上ばね下間の相対速度v1−v2が求められる。また、ばね上絶対速度v1、ばね上ばね下間相対速度v1−v2をオブザーバにて直接推定することも可能である。
【0036】
・スカイフック可変剛性制御
コントローラ7では、後述する図6に示す制御則にしたがいスカイフック可変剛性制御を実行する。
【0037】
この制御では、まず、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定される(第1則;図6(a))。
【0038】
この第1則で、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積v1(v1−v2)が零以上つまり積v1(v1−v2)が正の値(および0)であると判定された場合には、更に、ばね上絶対変位x1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積x1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積x1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定される(第2則;図6(b))。
【0039】
そして、以下の制御則(後述する第6図)に示されるように第1則の判定結果と、第2則の判定結果の組合せに応じて、絞り4の開口のオン(開)、オフ(閉)が切り換えられる。
【0040】
「v1(v1−v2)≧0(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)>0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオフ(閉)にする。」
「v1(v1−v2)≧0(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)<0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオン(開)にする。」
「v1(v1−v2)<0(第1則の判定結果)」ならば第2則の判定結果いかんにかかわらず「絞り4の開口をオン(開)にする。」
なお上記第2則では、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の代わりにばね上絶対速度v1を用いてもよい。すなわち第2則では、ばね上絶対変位x1とばね上絶対速度v1との積x1v1が零以上であるか否か、つまり積x1v1が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定されることになる。
【0041】
・補償型スカイフック可変剛性制御
上述した「スカイフック可変剛性制御」を実行する代わりに図7に示す制御則にしたがい「補償型スカイフック可変剛性制御」を実行してもよい。
【0042】
この制御では、まず、ばね上絶対速度v1のばね上ばね下間相対速度v1−v2に対する商v1/(v1−v2)が図7で後述する所定値Ce/Cv以上であるか否かが判定される(第1則;図7(a))。
【0043】
この第1則で、ばね上絶対速度v1のばね上ばね下間相対速度v1−v2に対する商v1/(v1−v2)が所定値Ce/Cv以上であると判定された場合には、更に、ばね上絶対変位x1とばね上ばね下間相対速度v1−v2の積x1(v1−v2)が零以上であるか否か、つまり積x1(v1−v2)が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定される(第2則;図7(b))。
【0044】
そして、以下の制御則(後述する第7図)に示すように第1則の判定結果と、第2則の判定結果の組合せに応じて、絞り4の開口のオン(開)、オフ(閉)が切り換えられる。
【0045】
「v1/(v1−v2)≧Ce/Cv(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)>0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオフ(閉)にする。」
「v1/(v1−v2)≧Ce/Cv(第1則の判定結果)かつx1(v1−v2)<0(第2則の判定結果)」ならば、「絞り4の開口をオン(開)にする。」
「v1/(v1−v2)<Ce/Cv(第1則の判定結果)」ならば第2則の判定結果いかんにかかわらず「絞り4の開口をオン(開)にする。」
なお上記第2則では、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の代わりにばね上絶対速度v1を用いてもよい。すなわち第2則では、ばね上絶対変位x1とばね上絶対速度v1との積x1v1が零以上であるか否か、つまり積x1v1が正の値(および0)をとるか負の値をとるかが判定されることになる。
【0046】
以下、上述した「スカイフック可変剛性制御」および「補償型スカイフック可変剛性制御」の原理およびこれら制御の有効性について説明する。 なお実験装置では、図1(a)に示す絞り4として、コントローラ7から出力される制御信号iに応じて開口が連続的に変化する比例制御弁を、オンオフバルブの代わりに使用した。
【0047】
図1(a)に示す空気ばね1は、図2(a)、(b)に示すようにモデル化することができる。
【0048】
すなわち空気ばね1の有効受圧面積をAe、空気ばね1の内圧をP0、大気圧をPat、、空気室2の内容積をVa、補助空気室3の内容積をVb、空気の標準状態における密度をρ0、ポリトロープ指数をn、流量定数をR、ばね上質量をmとしたとき、2室型空気ばね1の振動モデルは図2(a)に示すバネマス系と等価になる。パラメータは下記(4)式に示す通りである。
【0049】
(数式1)
2室型空気ばね1は有効受圧面積Aeの変化がほとんどないのでバネ項k2をほぼ0と置くことができ、図2(b)に示す3要素モデルとみなすことができる。
【0050】
図2(b)に示す3要素モデルでは、振動系の周波数応答曲線において、減衰の大きさに関係なく定まる特定な定点が定点理論によって成立する。ここで定点を最大値にする最適条件があれば、その最適条件で共振ピークが最小となる。減衰係数が下記(5)式に示される値Coptをとるとき最適条件となり、このCoptを最適減衰(係数)と呼ぶ。
【0051】
(数式2)
図8はパッシブ系の周波数応答の実験結果を示す。実験装置では、加振周波数を0〜7Hzの範囲で空気ばね1に振動を加えた。そして絞り4の開口面積を変化させ、周波数応答曲線を計測した。図8における横軸は周波数(Hz)で、縦軸はばね下からばね上への振動伝達率(x1/x2)である。なお後述する図9〜図18における横軸、縦軸は図8と共通するものである。
【0052】
絞り4を全閉にして減衰係数cを最も大きな値Chにした場合(以下最大減衰)には、周波数応答曲線LN1が得られた。絞り4を全開にして減衰係数cを最も小さな値Ceにした場合(以下最小減衰)には、周波数応答曲線LN2が得られた。上記(5)式に示される最適減衰係数Coptが得られるように絞り4の開口面積を調整した場合(以下最適減衰)には、周波数応答曲線LN3が得られた。ただしCe<Copt<Chなる関係が成立するものとする。
【0053】
同図8に示されるように、絞り4を全閉にした最大減衰の場合には(曲線LN1)、共振ピーク値が最も大きく高周波領域での振動絶縁性が最も悪いことがわかる。また絞り4を全開にした最小減衰の場合には(曲線LN2)、共振ピークは低周波に移行し、曲線LN1の場合よりも共振ピーク値が低くなり高周波領域での振動絶縁性が改善されているのがわかる。さらに絞り4を最適に調整して最適減衰にした場合には(曲線LN3)、共振ピーク値が最も低くなり高周波領域での振動絶縁性が最大減衰(曲線LN1)よりも改善されるものの最小減衰(曲線LN2)よりも悪化しているのがわかる。
【0054】
このように振動伝達率は定点を通ることがわかる。また減衰係数cを高くすることにより共振周波数が低周波から高周波方向に移動し、共振ピーク値の周波数が変わる。すなわち系全体のバネ剛性が変化することがわかる。共振ピーク値の高さが変わることにより減衰も同時に変化していることがわかる。
【0055】
しかしながら減衰係数cを最適減衰係数Coptに調整したとしても共振域での共振倍率を低下させることができるものの高周波領域での振動絶縁効果の改善はそれほど図れず限界があることがわかる。
【0056】
つぎにスカイフック制御について説明する。
【0057】
図1(b)に示す2室型空気ばね1は、図1(c)に示されるスカイフックダンパにモデル化することができる。スカイフックダンパは仮想的な壁にダンパが取り付けらればね上の動きに対して減衰力fが働くダンパである。
【0058】
すなわち図1(c)に示されるスカイフック減衰による減衰係数をCvとしたとき、スカイフック減衰によって発生する減衰力fは以下のように表される。
【0059】
f=−Cv・v1 …(6)
一方パッシブなダンパによって発生する減衰力fは、
f=c(v1−v2)…(1)
で表される。そこで上記(6)式と(1)式からスカイフック制御の減衰係数cがつぎのように求められる。
【0060】
c=v1/(v1−v2)Cv …(2)
図8からわかるように減衰係数cがCe(曲線LN2)から最適減衰係数Copt(曲線LN3)に変化する減衰領域では、1自由度バネマス系での可変減衰とみなすことができる。そこでこの減衰領域Ce〜Copt(以下、可変減衰領域)で上記(2)式の減衰係数cを下記(7)式に示すように変化させる。
【0061】
このように減衰係数cを、ばね上絶対速度v1、ばね上ばね下間相対速度v1−v2の値に応じて連続的に変化させるスカイフック制御のことを連続制御型のスカイフック制御と呼ぶことにする。
【0062】
図9は連続制御型のスカイフック制御の周波数応答の実験結果を示す。上記(7)式にしたがい絞り4の開口面積を連続可変制御した。
【0063】
図9に曲線LN4で示すように、連続制御型のスカイフック制御を実行した場合には、振動伝達率は低周波では最適減衰(曲線LN3)並に低下し高周波では最小減衰(曲線LN2)並に低下しており、連続制御型のスカイフック制御が最適減衰や最小減衰と比較して有効であることがわかる。
【0064】
つぎにオンオフ型のスカイフック制御について説明する。
【0065】
オンオフ型のスカイフック制御とは、図3に示す制御則にしたがい減衰係数cがオンオフ的に切り換えられるスカイフック制御のことである。図3の縦軸はばね上絶対速度v1であり、横軸はばね上ばね下間相対速度v1−v2である。図3の第1象限または第3象限に存在する場合には減衰係数cが最適減衰係数Coptをとり(減衰係数は大)、図3の第2象限または第4象限に存在する場合には減衰係数cが最小減衰係数Ceをとる(減衰係数は小)ように減衰係数cが切り換えられ、それは次式で表される。
【0066】
c=Copt(v1(v1−v2)≧0の場合),Ce(v1(v1−v2)<0の場合) …(8)
図10はオンオフ型のスカイフック制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す。また図11はオンオフ型のスカイフック制御の周波数応答の実験結果を示す。上記(8)式にしたがい絞り4の開口面積をオンオフ的に切り換え制御した。
【0067】
図10、図11に曲線LN5で示すように、オンオフ型のスカイフック制御を実行した場合には、振動伝達率は低周波では最適減衰(曲線LN3)並に低下したものの高周波では図9の連続制御型のスカイフック制御(図9の曲線LN4)と比較して振動絶縁性が悪化しているのがわかる。連続制御型と比べてオンオフ型では、特に高周波で減衰が強めにかかる傾向があり、そのため振動絶縁効果が悪化したと考えられる。
【0068】
また連続制御型のスカイフック制御(図9の曲線LN4)、オンオフ型のスカイフック制御(図10、図11の曲線LN5)共に、最適減衰(曲線LN3)よりも良い応答が得られたものの、定点を大きく下回ることができないという限界があることがわかる。
【0069】
このように可変減衰領域でのスカイフック制御では連続制御型にせよオンオフ型にせよ、特に共振周波数付近での振動低減効果に限界がある。そこで可変領域を可変剛性領域まで広げて、より高い振動抑制効果を得ることを考える。
【0070】
以下、絞り4のオンオフに応じて剛性が切り換えられるという性質に着目して、可変剛性制御の適用を検討する。
【0071】
絞り4の開口を全閉したときバネ剛性Kは最大となり、これをα1とする。絞り4の開口を全開したときバネ剛性Kは最小となり、これをα2とする。各バネ剛性の値α1、α2は、図2の2室型空気ばねモデルのパラメータ((4)式)を用いて以下のように表すことができる。
【0072】
α1=k1 α2=(N/N+1)k1 …(9)
また図2の2室型空気ばねモデルで減衰を0、内圧は∞とした場合の運動方程式は、減衰項が0となり次式で表すことができる。
【0073】
ms1=−K(x1−x2) …(10)
つぎに可変剛性制御の原理を図4を用いて説明する。
【0074】
図4(a)は剛性Kが大きな値α1をとったときの位相面軌跡を示す。図4(a)の横軸はばね上絶対変位x1であり、縦軸はばね上ばね下間相対速度v1−v2である。位相面軌跡は縦のv1−v2軸に長い楕円軌道を示す。また図4(b)は図4(a)と同じ位相面上で剛性Kが小さな値α2(<α1)をとったときの位相面軌跡を示す。位相面軌跡は横のx1軸に長い楕円軌道を示す。
【0075】
可変剛性制御では、図4(c)に示すように、位相面の第1象限または第3象限に存在する場合には剛性Kが大きな値α1をとり(剛性は大)、位相面の第2象限または第4象限に存在する場合には剛性Kが小さな値α2をとる(剛性は小)ように、剛性Kが切り換えられ、それは次式で表される。
【0076】
K=α1(x1(v1−v2)≧0の場合),α2(x1(v1−v2)<0の場合) …(11)
このような可変剛性制御を行うことによって図4(c)に示すように位相面上での軌道は原点に収束し漸近安定なシステムになる。すなわち減衰項がなくても剛性の変化によってみかけ上減衰を付加することができ、振動を抑制することができる。
【0077】
図5は可変剛性制御の制御則を示す。
【0078】
図5の縦軸はばね上絶対変位x1であり、横軸はばね上ばね下間相対速度v1−v2である。図5の第1象限または第3象限に存在する場合には減衰係数cが最大減衰係数Chをとり(減衰係数は大)、図5の第2象限または第4象限に存在する場合には減衰係数cが最小減衰係数Ceをとる(減衰係数は小)ように、減衰係数cが切り換えられ、それは次式で表される。
【0079】
c=Ch(x1(v1−v2)≧0の場合),Ce(x1(v1−v2)<0の場合) …(12)
図12は可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す。また図13は可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す。上記(12)式にしたがい絞り4の開口面積をオンオフ的に切り換え制御した。
【0080】
図12、図13に曲線LN6で示すように、可変剛性制御を実行した場合には、振動伝達率は低周波では最適減衰(曲線LN3)を下回るともに図10、図11のオンオフ型のスカイフック制御(図10、図11の曲線LN5)を下回っているものの、高周波では振動絶縁性が悪化しているのがわかる。
【0081】
以上のようにオンオフ型のスカイフック制御では共振倍率を下げることができるが高周波になると振動絶縁性が悪化する(図10、図11)。これは図3における制御則において第1象限、第3象限に存在するときの減衰が効き過ぎているためであると考えられる。また可変剛性制御でも高周波における振動絶縁性が悪化する(図12、図13)。これは可変剛性制御がパッシブな減衰付加の制御則となっているためである。
【0082】
そこで図3のスカイフック制御の制御則において、第1象限、第3象限に存在するときに図5の可変剛性制御の制御則を適用することによって、高周波における振動絶縁性が良好となり全周波数に渡り減衰性能が向上すると考えられる。
【0083】
図6はスカイフック可変剛性制御の制御則を示す。
【0084】
スカイフック可変剛性制御では、まず図6(a)に示すスカイフック制御理論の判定式で第1則の判定が行われる。この結果図6(a)の第2象限または第4象限に存在する場合には、図3と同じくスカイフック制御理論にしたがい減衰係数cが最小減衰係数Ceをとるように切り換えられる。しかし図6(a)の第1象限または第3象限に存在する場合には、図6(b)に移行し可変剛性制御理論の判定式で第2則の判定が行われ、その判定結果に応じて減衰係数cが切り換えられる。スカイフック可変剛性制御の制御則は次式で表される。
【0085】
図14はスカイフック可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す。また図15はスカイフック可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す。上記(13)式にしたがい絞り4の開口面積をオンオフ的に切り換え制御した。
【0086】
図14、図15に曲線LN7で示すように、スカイフック可変剛性制御を実行した場合には、高周波における振動絶縁性が良好となり全周波数に渡り減衰性能が向上しているのがわかる。
【0087】
特に図14のシミュレーション結果では、共振域での共振倍率が1を下回り、最大減衰(曲線LN1)よりも良い減衰性能が実現できることがわかった。高周波では最小減衰(曲線LN2)には及ばないものの、最適減衰(曲線LN3)よりも振動絶縁性が向上しているのがわかる。
【0088】
しかしながら図15の実験結果では、2〜3Hz付近での振動伝達率が悪化しているのがわかる。この原因は絞り4の応答遅れの影響であると考えられる。
【0089】
図16は応答遅れを加えたシミュレーション結果を示す。図16における曲線LN8は絞り4に応答遅れを加えていない場合を示し、曲線LN9は絞り4に所定の時定数の1次遅れ要素を加えた場合を示している。応答遅れを加えた曲線LN9では、図15の実験結果と同様に2〜3Hz付近で振動伝達率が悪化しており、絞り4の応答遅れが制御系に悪影響を及ぼしているのがわかる。
【0090】
このように図6に示すスカイフック可変剛性制御では、図15における実験結果をみるかぎり高周波領域での防振性能は十分とはいえない。そこで、これを解決するために、応答遅れを補償することを考える。
【0091】
図6に示すスカイフック可変剛性制御では、ばね上絶対速度v1とばね上ばね下間相対速度v1−v2との積が正(および0)か負であるかの判定を行うようにしている(図6(a)参照)。しかしばね上絶対速度v1が非常に小さい場合には、正負の判定式では正であるが減衰係数cはCe以下という場合がある。この状態で最小減衰(c=Ce)から最大減衰(c=Ch)に切り換えると、必要以上に減衰が大きくなるためにショック等を誘発し防振性が悪化すると考えられる。
【0092】
そこで、より妥当な切換えを行うために、図7(a)に示すよう第1則の横軸v1−v2軸に傾きをもたせる。
【0093】
図7は補償型スカイフック可変剛性制御の制御則を示す。
【0094】
補償型スカイフック可変剛性制御では、まず図7(a)に示すスカイフック制御理論の判定式で第1則の判定が行われる。ただし図6(a)と比較して、第1則の横軸v1−v2軸はCe/Cvに応じた傾きを有している。なお図7(b)における第2則は図6(b)と同じである。
【0095】
この結果図7(a)の第2象限または第4象限に存在する場合には、スカイフック制御理論にしたがい減衰係数cが最小減衰係数Ceをとるように切り換えられる。しかし図7(a)の第1象限または第3象限に存在する場合には、図7(b)に移行し図6(b)と同様に可変剛性制御理論の判定式で第2則の判定が行われ、その判定結果に応じて減衰係数cが切り換えられる。応答遅れを補償したスカイフック可変剛性制御の制御則は次式で表される。
【0096】
図17は補償型スカイフック可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す。また図18は補償型スカイフック可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す。上記(14)式にしたがい絞り4の開口面積をオンオフ的に切り換え制御した。
【0097】
図17、図18に曲線LN10で示すように、補償型スカイフック可変剛性制御を実行した場合には、図14、図15のスカイフック可変剛性制御(曲線LN7)と比較して、高周波における振動絶縁性が更に良好となり全周波数に渡り減衰性能が向上しているのがわかる。特に図14に示す実験結果(曲線LN7)と比較すると図18の実験結果(曲線LN10)の場合には、共振周波数域では共振倍率が1を少し上回るものの2〜3Hz付近での振動伝達率の悪化が大幅に改善され、高周波域で良好な振動絶縁性を示しているのがわかる。
【0098】
なお図6(b)の第2則の横軸v1−v2軸をv1軸に代えてもよい。この場合、
上記(13)式の代わりに下記(13)′式が用いて、スカイフック可変剛性制御が行われる。
【0099】
同様に図7(b)の第2則の横軸v1−v2軸をv1軸に代えてもよい。この場合、上記(14)式の代わりに下記(14)′式が用いて、補償型スカイフック可変剛性制御が行われる。
【0100】
以上のように本実施形態のスカイフック可変剛性制御によれば、全周波数域に渡り、ばね下からばね上への振動伝達率が低減し、減衰性能が飛躍的に向上する。また(13)式あるいは(13)′式あるいは(14)式あるいは(14)′式に示される制御則(第6図あるいは第7図)にしたがい絞り4の開口面積を二値的に切り換えるだけでよいので、制御則を簡単なものとすることができ、絞り4として安価なオンオフバルブを使用できるなどデバイスを簡易なものにすることができる。このため空気ばね1の制御装置の構成を簡易化でき装置コストを低減させることができる。
【0101】
特に補償型スカイフック可変剛性制御を適用した場合には、絞り4の応答遅れの影響が補償されて、特に高周波での振動絶縁性能が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は実施形態の振動減衰装置の構成例を示す図で、図1(b)、(c)は図1(a)に示す空気ばねで得られる減衰を説明する図である。
【図2】図2(a)、(b)は空気ばねをモデル化して示す図である。
【図3】図3はオンオフ型のスカイフック制御の制御則を示す図である。
【図4】図4(a)、(b)、(c)は可変剛性制御の原理を説明する図である。
【図5】図5は可変剛性制御の制御則を示す図である。
【図6】図6(a)、(b)はスカイフック可変剛性制御の制御則を示す図である。
【図7】図7(a)、(b)は応答遅れを補償したスカイフック可変剛性制御の制御則を示す図である。
【図8】図8はパッシブ系の周波数応答の実験結果を示す図である。
【図9】図9は連続制御型のスカイフック制御の周波数応答の実験結果を示す図である。
【図10】図10はオンオフ型のスカイフック制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す図である。
【図11】図11はオンオフ型のスカイフック制御の周波数応答の実験結果を示す図である。
【図12】図12は可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す図である。
【図13】図13は可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す図である。
【図14】図14はスカイフック可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す図である。
【図15】図15はスカイフック可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す図である。
【図16】図16は応答遅れを加えたシミュレーション結果を示す図である。
【図17】図17は応答遅れを補償したスカイフック可変剛性制御の周波数応答のシミュレーション結果を示す図である。
【図18】図18は応答遅れを補償したスカイフック可変剛性制御の周波数応答の実験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 空気ばね
2 空気室
3 補助空気室
4 絞り(オリフィス)
5 車体(ばね上)
6 台車(ばね下)
7 コントローラ
8、9 加速度センサ
10 変位センサ
Claims (2)
- 2室(2、3)を有する空気ばね(1)と、
前記2室(2、3)の間に設けられた絞り(4)と、
前記空気ばね(1)のばね上の絶対変位(x1)、前記空気ばね(1)のばね上の絶対速度(v1)、前記空気ばね(1)のばね上、ばね下間の相対速度(v1−v2)をそれぞれ計測する計測手段(7、8、9、10)と、
ばね上絶対速度(v1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)との積が零以上であるか否かを判定し、ばね上絶対速度(v1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)との積が零以上である場合には、更にばね上絶対変位(x1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)あるいはばね上の絶対速度(v1)との積が零以上であるか否かを判定する判定手段(7)と、
前記判定手段(7)の判定結果に応じて、前記絞り(4)の開口面積を切り換える制御手段(7)と
を具えたことを特徴とする振動減衰装置。 - 2室(2、3)を有する空気ばね(1)と、
前記2室(2、3)の間に設けられた絞り(4)と、
前記空気ばね(1)のばね上の絶対変位(x1)、前記空気ばね(1)のばね上の絶対速度(v1)、前記空気ばね(1)のばね上、ばね下間の相対速度(v1−v2)をそれぞれ計測する計測手段(7、8、9、10)と、
ばね上絶対速度(v1)のばね上ばね下間相対速度(v1−v2)に対する商が零よりも大きい所定値以上であるか否かを判定し、ばね上絶対速度(v1)のばね上ばね下間相対速度(v1−v2)に対する商が前記所定値以上である場合には、更にばね上絶対変位(x1)とばね上ばね下間相対速度(v1−v2)あるいはばね上の絶対速度(v1)との積が零以上であるか否かを判定する判定手段(7)と、
前記判定手段(7)の判定結果に応じて、前記絞り(4)の開口面積を切り換える制御手段(7)と
を具えたことを特徴とする振動減衰装置。
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| JP2002267158A Withdrawn JP2004100918A (ja) | 2002-09-12 | 2002-09-12 | 振動減衰装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004100918A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009023445A (ja) * | 2007-07-18 | 2009-02-05 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 車体振動の抑制制御方法 |
| JP2009040078A (ja) * | 2007-08-06 | 2009-02-26 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 鉄道車両の車体傾斜制御システム |
| JP7668009B2 (ja) | 2021-09-10 | 2025-04-24 | 国立大学法人横浜国立大学 | 制振システム、制振方法 |
-
2002
- 2002-09-12 JP JP2002267158A patent/JP2004100918A/ja not_active Withdrawn
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009023445A (ja) * | 2007-07-18 | 2009-02-05 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 車体振動の抑制制御方法 |
| JP2009040078A (ja) * | 2007-08-06 | 2009-02-26 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 鉄道車両の車体傾斜制御システム |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |
