JP2004104865A - 静止型無効電力補償装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電機が一般配電系統に直接接続されている場合に、発電機に付設された自動電圧調整装置の電圧制御と相互干渉することなく、一般配電系統の電圧変動を高精度に抑制することができる静止型無効電力補償装置の制御方法を提供する。
【解決手段】電力系統に接続される発電機と、その近隣で起動時に電圧低下を発生させる回転機負荷と、その電圧低下を補償する静止型無効電力補償装置を有する回路構成において、回転機負荷の電流信号を、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号と共に、静止型無効電力補償装置への制御信号として用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】電力系統に接続される発電機と、その近隣で起動時に電圧低下を発生させる回転機負荷と、その電圧低下を補償する静止型無効電力補償装置を有する回路構成において、回転機負荷の電流信号を、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号と共に、静止型無効電力補償装置への制御信号として用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の電圧変動を抑制するために設けられる静止型無効電力補償装置(以下、SVCと記す)の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のSVCの制御方法を示したものである。すなわち、電力系統に送配電線路5を介して母線4が接続され、この母線4に回転機負荷3、発電機2及びSVC1が接続されている。上記発電機2は、電圧検出装置7から電圧信号を得て、自動電圧調整装置(以下、AVRと記す)6によって端子電圧の制御を行っている。また、SVC1は、母線4の電圧信号を電圧検出装置8から得て、さらにこの信号を電圧信号検出回路14を介して制御信号作成回路10に入力し、この制御信号作成回路10から出力された制御信号によって、母線4の電圧変動分を抑制するように構成されている。
【0003】
通常、SVC1は、発電機2が設置されている送電端には設けられず、負荷側の受電端に設けられていたため、電圧制御が可能な発電機2に付設されたAVR6の電圧制御と、SVC1の電圧制御による相互干渉の影響を考慮する必要はなかった。また、発電所に付属する大容量回転機負荷3は専用線によって運用されていたため、一般配電系統負荷への電圧変動による影響は及ばなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発電所の運用形態において専用線が廃止され、直接発電機が一般配電系統に接続されるようになったため、発電機に付設されたAVRでの電圧制御による電力品質が、一般配電系統の負荷に多大な影響を及ぼすようになった。
また、発電機の出力制御は、有効電力出力と無効電力出力の割合を一定とする力率一定制御(APFR)で運転されるため、有効電力の出力が増加すると無効電力も増加し、反対に有効電力の出力が減少すると無効電力も減少する。すなわち、無効電力出力の増減により発電機の端子電圧が変化する。そのために一般配電系統への電圧変動による電力品質が懸念されるという欠点があった。
【0005】
また、発電所に付属する大容量回転機負荷である誘導電動機の起動時には、遅れの無効電力を電力系統から供給するため、電圧の低下による電圧変動が発生する。そのために、近隣に設置される発電機の端子電圧が変化して、無効電力出力が変化すると共に一般配電系統の電圧が変動し、他の負荷へ悪影響を及ぼすという欠点があった。
【0006】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解消するために提案されたものであって、その目的は、発電機が一般配電系統に直接接続されている場合に、発電機に付設された自動電圧調整装置の電圧制御と相互干渉することなく、一般配電系統の電圧変動を高精度に抑制することができる静止型無効電力補償装置の制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、電力系統に接続される発電機と、その近隣で起動時に電圧低下を発生させる回転機負荷と、その電圧低下を補償する静止型無効電力補償装置を有する回路構成における前記静止型無効電力補償装置の制御方法において、前記回転機負荷の電流信号を、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号と共に、前記静止型無効電力補償装置への制御信号として用いることを特徴とする。
【0008】
上記のような構成を有する請求項1の発明においては、大容量回転機の負荷電流が、直接制御信号として静止型無効電力補償装置へ入力されるために、電流値の大きさやその変化分により補償する無効電力を細かく制御することができる。また、電力系統への外乱による電圧変動抑制制御を、電圧信号からの制御信号で同時に制御することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、前記発電機に付設された自動電圧調整装置と前記静止型無効電力補償装置の制御による電圧変動抑制制御が相互に干渉しないように、制御信号の応答速度を調整する回路を設けたことを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項2の発明においては、発電機に付設された自動電圧調整装置による電圧制御の制御信号応答速度と、静止型無効電力補償装置への制御信号応答速度による電圧変動抑制制御が相互に干渉しないので、隣接する発電機と静止型無効電力補償装置が安定に運用継続でき、電圧変動を抑制することができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、前記回転機負荷の起動時の電流信号を検出し、得られた信号に基づいて前記静止型無効電力補償装置を制御することを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項3の発明においては、回転機負荷の起動電流は、ほとんど電圧と90度位相遅れの無効電流分であるため、直接制御信号として用いることで回転機負荷の無効電流分を静止型無効電力補償装置で補償し、一般配電系統へ流出する無効電流分を抑制して電圧変動を抑制する作用がある。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、前記回転機負荷の電流信号の変化分信号を用いて、電力系統へ流出する無効電力を一定とするように制御することを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項4の発明においては、検出した電流信号の変化が一定であり、電流値が定格値より小さい信号であれば、近隣の回転機負荷が起動完了し、通常運転状態であり、無効電流分は起動時に比べて少ないと判断できる。そのため、起動時と運転状態を区別した信号で静止型無効電力補償装置を制御することで、適切に電圧変動を抑制する作用がある。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、前記発電機の無効電力出力信号を検出し、その変化分信号を用いて、電力系統へ流出する無効電力を一定とするように制御することを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項5の発明においては、発電機とその近隣に設置された大容量回転機の起動時や電力系統の故障時に発生する電圧変動に起因する発電機の無効電力出力の変化を検出し、この無効電力出力の変化を抑制するように静止型無効電力補償装置を制御し、電力系統への無効電力の変化分を補償することで、電圧変動を抑制することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、検出された電流信号の変化分信号を用いた制御信号と、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号から得られた制御信号を比較判断し、選択された信号に基づいて静止型無効電力補償装置を制御することを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項6の発明においては、対象とする母線の電圧変動信号が負荷電流変動信号より大きいか小さいかを判断し、いずれかの信号を選択して静止型無効電力補償装置を制御することで、定常時の電圧制御と大容量回転機負荷の起動に伴う過渡的な電圧制御を区別して制御し、電圧変動を抑制できる作用がある。
【0014】
請求項7の発明は、請求項4に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、検出された電流信号の変化分信号を用いた制御信号と、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号から得られた制御信号を加算した信号に基づいて静止型無効電力補償装置を制御することを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項7の発明においては、電圧信号と電流変化分信号を加算した信号で静止型無効電力補償装置を制御するため、電圧変動を抑制する無効電力と、電圧と位相が90度遅れた無効電流分の補償を同時に制御し、電圧変動を抑制する作用がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る静止型無効電力補償装置(SVC)の制御方法の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、図6に示した従来型と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0016】
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、本実施形態におけるSVCの制御信号作成方法を示す機能ブロック図である。すなわち、1は制御信号作成回路10からの出力信号によって制御されて無効電力を出力するSVC、2は発電機、3は発電機2の近隣に設置されている大容量回転機負荷、4は母線、5は母線4と電力系統を接続する送配電線路、6は発電機の端子電圧を調整するAVR、7はAVR6への入力信号を検出する電圧検出装置、8は母線4の電圧を検出する電圧検出装置、9は発電機3の負荷電流を検出する電流検出装置、10はSVC1への入力信号を作成する制御信号作成回路である。
【0017】
(1−2)作用・効果
次に、本実施形態によるSVCの制御信号作成方法について説明する。
すなわち、本実施形態においては、発電機2の近隣に設置されている大容量回転機の負荷電流を電流検出装置9で検出すると共に、電圧制御される母線4の電圧を電圧検出装置8で検出する。これら電圧検出装置8及び電流検出装置9で検出された信号を、制御信号作成回路10に入力する。そして、制御信号作成回路10で作成された制御信号をSVC1に入力し、SVC1より出力される無効電力を電力系統へ供給する。
【0018】
このように、本実施形態においては、発電機とその近隣に大容量回転機が設置されている場合に、電圧信号と共に電流信号をも加味して制御信号を作成する。すなわち、大容量回転機の負荷電流を検出し、その電流信号をSVC1への制御信号として採用する。したがって、大容量回転機の負荷電流を直接補償することができる。
【0019】
このように、本実施形態によれば、大容量回転機の負荷電流が、直接制御信号としてSVC1へ入力されるために、電流値の大きさやその変化分により補償する無効電力を細かく制御できるという効果がある。また、電力系統への外乱による電圧変動抑制制御を、電圧信号からの制御信号で同時に制御できるという効果がある。
【0020】
(2)第2実施形態
本実施形態は、上記第1実施形態の変形例であって、SVCの制御応答速度を、発電機に付設されたAVRの制御応答速度と異なるように調整したものである。
【0021】
(2−1)構成
図2は、本実施形態におけるSVCの制御信号作成方法を示す機能ブロック図である。すなわち、1は無効電力を出力し電圧変動を抑制するSVC、3は発電機の近隣に設置されている大容量回転機負荷、4は母線、5は送配電線路、8は母線4の電圧を検出する電圧検出装置、9は大容量回転機負荷3の負荷電流を検出する電流検出装置、10はSVC1への入力信号を作成する制御信号作成回路、11は電流検出装置9からの負荷電流信号検出回路、12は前記負荷電流信号検出回路11から得られる信号の変化分を演算する第1の変化分演算回路、16は第1の変化分演算回路12で得られた信号の応答速度を調整する第1の応答速度調整回路である。
【0022】
また、14は電圧検出装置8の信号を検出する電圧信号検出回路、15は電圧信号検出回路14で得られた信号の応答速度を調整する第2の応答速度調整回路である。13はSVC1が出力する無効電力出力値である。なお、前記第1の応答速度調整回路16及び第2の応答速度調整回路15は、SVCの制御応答速度を、発電機に付設されたAVRの制御応答速度と異なるように調整するものである。
【0023】
(2−2)作用・効果
次に、本実施形態によるSVCの制御信号作成方法について説明する。
すなわち、本実施形態においては、発電機2の近隣に設置されている大容量回転機の負荷電流を電流検出装置9で検出し、負荷電流信号検出回路11へ入力する。この負荷電流信号検出回路11からの出力信号を、信号の変化分を演算する第1の変化分演算回路12に入力し、その出力信号を、第1の応答速度調整回路16を介して制御信号作成回路10に入力する。
【0024】
一方、電圧制御される母線4の電圧を電圧検出装置8で検出し、電圧信号検出回路14へ入力する。この電圧信号検出回路14からの出力信号を、第2の応答速度調整回路15を介して制御信号作成回路10に入力する。すなわち、負荷電流信号及び電圧信号を制御信号作成回路10に入力する際に、応答速度を調整し、その出力信号でSVC1を制御し、SVC1より無効電力出力値13を出力する。
【0025】
このように、本実施形態によれば、SVCの制御応答速度を、発電機に付設されたAVRの制御応答速度と異なるように調整する応答速度調整回路15、16を設け、これらの回路を介してSVCの制御信号を作成し運用することで、AVRの電圧制御とSVCの電圧制御が相互に干渉することなく、安定に運転でき、電圧変動を抑制することができる。
【0026】
(3)第3実施形態
本実施形態は上記第2実施形態の変形例であって、図2に示した負荷電流信号検出回路11によって、回転機負荷3の起動電流信号を検出し、その信号を用いてSVC1を制御するものである。すなわち、回転機負荷の起動電流は、電圧に対して位相が90度遅れた無効電流である。そのため、この電流信号を直接制御信号として用いることで、回転機負荷の起動時の無効電流分をSVC1で補償し、一般配電系統へ流出する無効電流分を抑制して、電圧変動を抑制することができる。
【0027】
このように、本実施形態によれば、回転機負荷の起動時の無効電流分をSVCで補償しているため、電力系統へ流出する無効電流分が一定となり、電圧変動を抑制することができる。
【0028】
(4)第4実施形態
本実施形態は、上記第2実施形態の変形例であって、図2に示した負荷電流信号検出回路11によって回転機負荷3の負荷電流信号を検出し、その変化分に基づいてSVC1を制御するものである。すなわち、大容量回転機の負荷電流を電流検出装置9で検出し、負荷電流信号検出回路11へ入力する。この負荷電流信号検出回路11からの出力信号を、信号の変化分を演算する第1の変化分演算回路12に入力し、その出力信号を、第1の応答速度調整回路16を介して制御信号作成回路10に入力し、その出力信号でSVC1を制御する。
【0029】
このように、本実施形態においては、第1の変化分演算回路12によって、検出された負荷電流の変化分信号を求め、その信号に基づいてSVC1を制御するように構成されている。すなわち、検出した電流信号の変化が一定であり、電流値が定格値より小さい信号であれば、近隣の回転機負荷が起動完了し、通常運転状態であり、無効電流分は起動時に比べて少ない。そのため、起動時と運転状態を区別した信号でSVC1を制御することにより、電圧変動の大きい起動時と小さい定常運転時を分けて補償する無効電力を出力することができるので、適切に電圧変動を抑制することができる。
【0030】
(5)第5実施形態
(5−1)構成
図3は、本実施形態におけるSVCの制御信号作成方法を示す機能ブロック図である。すなわち、1は無効電力を出力し電圧変動を抑制するSVC、2は発電機、3は発電機の近隣に設置されている大容量回転機負荷、4は母線、5は送配電線路、6は発電機2に付く自動電圧調整装置、7は電圧検出装置、8は母線4の電圧を検出する電圧検出装置、10はSVC1への入力信号を作成する制御信号作成回路、17は発電機2の電流を検出する電流検出装置、18は電圧検出装置7からの信号と電流検出装置17からの信号を入力して発電機2の無効電力を検出する無効電力信号検出回路、19は無効電力信号検出回路18から得られる信号の変化分を演算する第2の変化分演算回路である。
【0031】
(5−2)作用・効果
次に、本実施形態によるSVCの制御信号作成方法について説明する。
すなわち、本実施形態においては、電圧検出装置7及び電流検出装置17からの信号を発電機2の無効電力信号検出回路18に入力する。その出力信号を第2の変化分演算回路19を介して制御信号作成回路10へ入力し、制御信号作成回路10からの出力信号によってSVC1を制御し、SVC1から出力された無効電力を電力系統に供給する。
【0032】
本実施形態においては、発電機とその近隣に設置された大容量回転機の起動時や電力系統の故障時に発生する電圧変動に起因する発電機の無効電力出力の変化を検出し、この無効電力出力の変化を抑制するようにSVC1を制御し、電力系統への無効電力の変化分を補償することで、電圧変動を抑制することができる。
【0033】
(6)第6実施形態
(6−1)構成
図4は、本実施形態におけるSVCの制御信号作成方法を示す機能ブロック図である。すなわち、1は無効電力を出力し電圧変動を抑制するSVC、3は発電機の近隣に設置されている大容量回転機負荷、4は母線、5は送配電線路、8は母線4の電圧を検出する電圧検出装置、9は発電機3の負荷電流を検出する電流検出装置、10はSVC1への入力信号を作成する制御信号作成回路、11は電流検出装置9からの負荷電流を検出する負荷電流検出回路、12は前記負荷電流検出回路11から得られる信号の変化分を演算する第1の変化分演算回路、16は第1の変化分演算回路12で得られた信号の応答速度を調整する第1の応答速度調整回路である。
【0034】
また、14は電圧検出装置8の電圧信号を検出する電圧信号検出回路、15は電圧信号検出回路14で得られた信号の応答速度を調整する第2の応答速度調整回路である。そして、20は、第2の応答速度調整回路15からの出力信号と第1の応答速度調整回路16からの出力信号を入力し、両者を比較して制御信号を選択する制御信号選択回路である。13はSVC1が出力する無効電力出力値である。
なお、前記第1の応答速度調整回路16及び第2の応答速度調整回路15は、上記第2実施形態と同様に、SVCの制御応答速度を、発電機に付設されたAVRの制御応答速度と異なるように調整するものである。
【0035】
(6−2)作用・効果
次に、本実施形態によるSVCの制御信号作成方法について説明する。
すなわち、本実施形態においては、3の大容量回転機の負荷電流を負荷電流検出装置9で検出し、負荷電流検出回路11へ入力する。負荷電流検出回路11からの出力信号を、信号変化分を演算する第1の変化分演算回路12を介して、信号の応答速度を調整する第1の応答速度調整回路16へ入力する。その出力信号を制御信号選択回路20へ入力する。
【0036】
一方、電圧検出装置8で検出された電圧を、電圧信号検出回路14を介して第2の応答速度調整回路15へ入力し、その出力信号を制御信号選択回路20へ入力する。この制御信号選択回路20で、電圧信号が電流信号より大きいか否かを判断する。すなわち、起動時か通常運転時かを判断する。得られた信号を制御信号作成回路10に入力し、SVC1を制御し無効電力出力値13を出力する。
【0037】
このように本実施形態においては、発電機とその近隣に大容量回転機が設置されている場合に、検出された負荷電流信号の変化分信号を用いた制御信号と、電圧制御される母線の電圧検出信号から得られた信号とを比較判定し、選択された信号に基づいてSVC1を制御するように構成されている。
【0038】
すなわち、対象とする母線の電圧変動信号が負荷電流変動信号より大きいか否かを判断し(電圧変動の大きい起動時と電圧変動の小さい通常運転時を、電流信号を用いて判断する)、いずれかの信号を選択し、その信号に基づいてSVCを制御することにより、定常時の電圧制御と大容量回転機負荷の起動に伴う過渡的な電圧制御を区別して制御することができるので、電圧変動を適切に抑制することができる。
【0039】
このように、本実施形態によれば、回転機の電流信号の大きさを電圧信号と比較判断して得られた信号でSVCを制御することで、電圧変動の大きい起動時の制御と通常運転時を区分けして無効電力を補償することができる。
【0040】
(7)第7実施形態
(7−1)構成
図5は、本実施形態におけるSVCの制御信号作成方法を示す機能ブロック図である。すなわち、1は無効電力を出力して電圧変動を抑制するSVC、3は発電機の近隣に設置されている大容量回転機負荷、4は母線、5は送配電線路、8は母線4の電圧を検出する電圧検出装置、9は発電機3の負荷電流を検出する電流検出装置、10はSVC1への入力信号を作成する制御信号作成回路、11は電流検出装置9からの負荷電流を検出する負荷電流検出回路、12は負荷電流検出回路11から得られる信号の変化分を演算する第1の変化分演算回路、16は第1の変化分演算回路12で得られた信号の応答速度を調整する第1の応答速度調整回路である。
【0041】
また、14は電圧検出装置8の電圧信号を検出する電圧信号検出回路、15は電圧信号検出回路14で得られた信号の応答速度を調整する第2の応答速度調整回路である。そして、21は、第2の応答速度調整回路15からの出力信号と第1の応答速度調整回路16からの出力信号を入力し、両者を加算して制御信号とする加算回路である。13はSVC1が出力する無効電力出力値である。
【0042】
(7−2)作用・効果
次に、本実施形態によるSVCの制御信号作成方法について説明する。
すなわち、本実施形態においては、3の大容量回転機の負荷電流を負荷電流検出装置9で検出し、負荷電流検出回路11へ入力する。負荷電流検出回路11からの出力信号を、信号変化分を演算する回路12を介して信号の応答速度を調整する回路16へ入力する。その出力信号を加算回路21へ入力する。
【0043】
一方、電圧検出装置8で検出された電圧を、電圧信号検出回路14を介して第2の応答速度調整回路15へ入力し、その出力信号を加算回路21へ入力する。そして、この加算回路21で、第2の応答速度調整回路15からの電圧信号と第1の応答速度調整回路16からの電流信号を加算する。すなわち、本実施形態においては、起動時から運転時を通した電流信号と電圧信号を加算した信号を制御信号作成回路10に入力し、SVC1を制御し補償される無効電力値13を出力する。
【0044】
このように、本実施形態においては、発電機とその近隣に大容量回転機が設置されている場合に、この回転機の起動時から定常運転時の電流の変化分を検出した制御信号と、電圧信号からの制御信号を加算した制御信号でSVCを制御することにより、回転機の起動から通常運転までを通して、電圧変動を抑制する無効電力と、電圧と位相が90度遅れた無効電流分の補償を同時に制御し、電圧変動を抑制することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、電力系統の電圧信号からの制御信号と電流信号からの制御信号の両方に基づいてSVCを制御することで、系統電圧の大きな変動と小さな変動を細かく抑制することができ、また、近隣の電圧制御装置と相互干渉することがない、高精度のSVCの制御方法を提供することができるので、良質の電力供給に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静止型無効電力補償装置の制御方法の第1実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明に係る静止型無効電力補償装置の制御方法の第2〜第4実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図3】本発明に係る静止型無効電力補償装置の制御方法の第5実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図4】本発明に係る静止型無効電力補償装置の制御方法の第6実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図5】本発明に係る静止型無効電力補償装置の制御方法の第7実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図6】従来の静止型無効電力補償装置の制御方法の構成を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
1…静止型無効電力補償装置(SVC)
2…発電機
3…大容量回転機負荷
4…母線
5…送配電線路
6…自動電圧調整装置(AVR)
7…電圧検出装置
8…電圧検出装置
9…電流検出装置
10…SVCの制御信号作成回路
11…負荷電流検出回路
12…第1の変化分演算回路
13…無効電力出力値
14…電圧信号検出回路
15…第2の応答速度調整回路
16…第1の応答速度調整回路
17…電流検出装置
18…無効電力信号検出回路
19…第2の変化分演算回路
20…制御信号選択回路
21…加算回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の電圧変動を抑制するために設けられる静止型無効電力補償装置(以下、SVCと記す)の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のSVCの制御方法を示したものである。すなわち、電力系統に送配電線路5を介して母線4が接続され、この母線4に回転機負荷3、発電機2及びSVC1が接続されている。上記発電機2は、電圧検出装置7から電圧信号を得て、自動電圧調整装置(以下、AVRと記す)6によって端子電圧の制御を行っている。また、SVC1は、母線4の電圧信号を電圧検出装置8から得て、さらにこの信号を電圧信号検出回路14を介して制御信号作成回路10に入力し、この制御信号作成回路10から出力された制御信号によって、母線4の電圧変動分を抑制するように構成されている。
【0003】
通常、SVC1は、発電機2が設置されている送電端には設けられず、負荷側の受電端に設けられていたため、電圧制御が可能な発電機2に付設されたAVR6の電圧制御と、SVC1の電圧制御による相互干渉の影響を考慮する必要はなかった。また、発電所に付属する大容量回転機負荷3は専用線によって運用されていたため、一般配電系統負荷への電圧変動による影響は及ばなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発電所の運用形態において専用線が廃止され、直接発電機が一般配電系統に接続されるようになったため、発電機に付設されたAVRでの電圧制御による電力品質が、一般配電系統の負荷に多大な影響を及ぼすようになった。
また、発電機の出力制御は、有効電力出力と無効電力出力の割合を一定とする力率一定制御(APFR)で運転されるため、有効電力の出力が増加すると無効電力も増加し、反対に有効電力の出力が減少すると無効電力も減少する。すなわち、無効電力出力の増減により発電機の端子電圧が変化する。そのために一般配電系統への電圧変動による電力品質が懸念されるという欠点があった。
【0005】
また、発電所に付属する大容量回転機負荷である誘導電動機の起動時には、遅れの無効電力を電力系統から供給するため、電圧の低下による電圧変動が発生する。そのために、近隣に設置される発電機の端子電圧が変化して、無効電力出力が変化すると共に一般配電系統の電圧が変動し、他の負荷へ悪影響を及ぼすという欠点があった。
【0006】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解消するために提案されたものであって、その目的は、発電機が一般配電系統に直接接続されている場合に、発電機に付設された自動電圧調整装置の電圧制御と相互干渉することなく、一般配電系統の電圧変動を高精度に抑制することができる静止型無効電力補償装置の制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、電力系統に接続される発電機と、その近隣で起動時に電圧低下を発生させる回転機負荷と、その電圧低下を補償する静止型無効電力補償装置を有する回路構成における前記静止型無効電力補償装置の制御方法において、前記回転機負荷の電流信号を、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号と共に、前記静止型無効電力補償装置への制御信号として用いることを特徴とする。
【0008】
上記のような構成を有する請求項1の発明においては、大容量回転機の負荷電流が、直接制御信号として静止型無効電力補償装置へ入力されるために、電流値の大きさやその変化分により補償する無効電力を細かく制御することができる。また、電力系統への外乱による電圧変動抑制制御を、電圧信号からの制御信号で同時に制御することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、前記発電機に付設された自動電圧調整装置と前記静止型無効電力補償装置の制御による電圧変動抑制制御が相互に干渉しないように、制御信号の応答速度を調整する回路を設けたことを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項2の発明においては、発電機に付設された自動電圧調整装置による電圧制御の制御信号応答速度と、静止型無効電力補償装置への制御信号応答速度による電圧変動抑制制御が相互に干渉しないので、隣接する発電機と静止型無効電力補償装置が安定に運用継続でき、電圧変動を抑制することができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、前記回転機負荷の起動時の電流信号を検出し、得られた信号に基づいて前記静止型無効電力補償装置を制御することを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項3の発明においては、回転機負荷の起動電流は、ほとんど電圧と90度位相遅れの無効電流分であるため、直接制御信号として用いることで回転機負荷の無効電流分を静止型無効電力補償装置で補償し、一般配電系統へ流出する無効電流分を抑制して電圧変動を抑制する作用がある。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、前記回転機負荷の電流信号の変化分信号を用いて、電力系統へ流出する無効電力を一定とするように制御することを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項4の発明においては、検出した電流信号の変化が一定であり、電流値が定格値より小さい信号であれば、近隣の回転機負荷が起動完了し、通常運転状態であり、無効電流分は起動時に比べて少ないと判断できる。そのため、起動時と運転状態を区別した信号で静止型無効電力補償装置を制御することで、適切に電圧変動を抑制する作用がある。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、前記発電機の無効電力出力信号を検出し、その変化分信号を用いて、電力系統へ流出する無効電力を一定とするように制御することを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項5の発明においては、発電機とその近隣に設置された大容量回転機の起動時や電力系統の故障時に発生する電圧変動に起因する発電機の無効電力出力の変化を検出し、この無効電力出力の変化を抑制するように静止型無効電力補償装置を制御し、電力系統への無効電力の変化分を補償することで、電圧変動を抑制することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、検出された電流信号の変化分信号を用いた制御信号と、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号から得られた制御信号を比較判断し、選択された信号に基づいて静止型無効電力補償装置を制御することを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項6の発明においては、対象とする母線の電圧変動信号が負荷電流変動信号より大きいか小さいかを判断し、いずれかの信号を選択して静止型無効電力補償装置を制御することで、定常時の電圧制御と大容量回転機負荷の起動に伴う過渡的な電圧制御を区別して制御し、電圧変動を抑制できる作用がある。
【0014】
請求項7の発明は、請求項4に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法において、検出された電流信号の変化分信号を用いた制御信号と、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号から得られた制御信号を加算した信号に基づいて静止型無効電力補償装置を制御することを特徴とする。
上記のような構成を有する請求項7の発明においては、電圧信号と電流変化分信号を加算した信号で静止型無効電力補償装置を制御するため、電圧変動を抑制する無効電力と、電圧と位相が90度遅れた無効電流分の補償を同時に制御し、電圧変動を抑制する作用がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る静止型無効電力補償装置(SVC)の制御方法の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、図6に示した従来型と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0016】
(1)第1実施形態
(1−1)構成
図1は、本実施形態におけるSVCの制御信号作成方法を示す機能ブロック図である。すなわち、1は制御信号作成回路10からの出力信号によって制御されて無効電力を出力するSVC、2は発電機、3は発電機2の近隣に設置されている大容量回転機負荷、4は母線、5は母線4と電力系統を接続する送配電線路、6は発電機の端子電圧を調整するAVR、7はAVR6への入力信号を検出する電圧検出装置、8は母線4の電圧を検出する電圧検出装置、9は発電機3の負荷電流を検出する電流検出装置、10はSVC1への入力信号を作成する制御信号作成回路である。
【0017】
(1−2)作用・効果
次に、本実施形態によるSVCの制御信号作成方法について説明する。
すなわち、本実施形態においては、発電機2の近隣に設置されている大容量回転機の負荷電流を電流検出装置9で検出すると共に、電圧制御される母線4の電圧を電圧検出装置8で検出する。これら電圧検出装置8及び電流検出装置9で検出された信号を、制御信号作成回路10に入力する。そして、制御信号作成回路10で作成された制御信号をSVC1に入力し、SVC1より出力される無効電力を電力系統へ供給する。
【0018】
このように、本実施形態においては、発電機とその近隣に大容量回転機が設置されている場合に、電圧信号と共に電流信号をも加味して制御信号を作成する。すなわち、大容量回転機の負荷電流を検出し、その電流信号をSVC1への制御信号として採用する。したがって、大容量回転機の負荷電流を直接補償することができる。
【0019】
このように、本実施形態によれば、大容量回転機の負荷電流が、直接制御信号としてSVC1へ入力されるために、電流値の大きさやその変化分により補償する無効電力を細かく制御できるという効果がある。また、電力系統への外乱による電圧変動抑制制御を、電圧信号からの制御信号で同時に制御できるという効果がある。
【0020】
(2)第2実施形態
本実施形態は、上記第1実施形態の変形例であって、SVCの制御応答速度を、発電機に付設されたAVRの制御応答速度と異なるように調整したものである。
【0021】
(2−1)構成
図2は、本実施形態におけるSVCの制御信号作成方法を示す機能ブロック図である。すなわち、1は無効電力を出力し電圧変動を抑制するSVC、3は発電機の近隣に設置されている大容量回転機負荷、4は母線、5は送配電線路、8は母線4の電圧を検出する電圧検出装置、9は大容量回転機負荷3の負荷電流を検出する電流検出装置、10はSVC1への入力信号を作成する制御信号作成回路、11は電流検出装置9からの負荷電流信号検出回路、12は前記負荷電流信号検出回路11から得られる信号の変化分を演算する第1の変化分演算回路、16は第1の変化分演算回路12で得られた信号の応答速度を調整する第1の応答速度調整回路である。
【0022】
また、14は電圧検出装置8の信号を検出する電圧信号検出回路、15は電圧信号検出回路14で得られた信号の応答速度を調整する第2の応答速度調整回路である。13はSVC1が出力する無効電力出力値である。なお、前記第1の応答速度調整回路16及び第2の応答速度調整回路15は、SVCの制御応答速度を、発電機に付設されたAVRの制御応答速度と異なるように調整するものである。
【0023】
(2−2)作用・効果
次に、本実施形態によるSVCの制御信号作成方法について説明する。
すなわち、本実施形態においては、発電機2の近隣に設置されている大容量回転機の負荷電流を電流検出装置9で検出し、負荷電流信号検出回路11へ入力する。この負荷電流信号検出回路11からの出力信号を、信号の変化分を演算する第1の変化分演算回路12に入力し、その出力信号を、第1の応答速度調整回路16を介して制御信号作成回路10に入力する。
【0024】
一方、電圧制御される母線4の電圧を電圧検出装置8で検出し、電圧信号検出回路14へ入力する。この電圧信号検出回路14からの出力信号を、第2の応答速度調整回路15を介して制御信号作成回路10に入力する。すなわち、負荷電流信号及び電圧信号を制御信号作成回路10に入力する際に、応答速度を調整し、その出力信号でSVC1を制御し、SVC1より無効電力出力値13を出力する。
【0025】
このように、本実施形態によれば、SVCの制御応答速度を、発電機に付設されたAVRの制御応答速度と異なるように調整する応答速度調整回路15、16を設け、これらの回路を介してSVCの制御信号を作成し運用することで、AVRの電圧制御とSVCの電圧制御が相互に干渉することなく、安定に運転でき、電圧変動を抑制することができる。
【0026】
(3)第3実施形態
本実施形態は上記第2実施形態の変形例であって、図2に示した負荷電流信号検出回路11によって、回転機負荷3の起動電流信号を検出し、その信号を用いてSVC1を制御するものである。すなわち、回転機負荷の起動電流は、電圧に対して位相が90度遅れた無効電流である。そのため、この電流信号を直接制御信号として用いることで、回転機負荷の起動時の無効電流分をSVC1で補償し、一般配電系統へ流出する無効電流分を抑制して、電圧変動を抑制することができる。
【0027】
このように、本実施形態によれば、回転機負荷の起動時の無効電流分をSVCで補償しているため、電力系統へ流出する無効電流分が一定となり、電圧変動を抑制することができる。
【0028】
(4)第4実施形態
本実施形態は、上記第2実施形態の変形例であって、図2に示した負荷電流信号検出回路11によって回転機負荷3の負荷電流信号を検出し、その変化分に基づいてSVC1を制御するものである。すなわち、大容量回転機の負荷電流を電流検出装置9で検出し、負荷電流信号検出回路11へ入力する。この負荷電流信号検出回路11からの出力信号を、信号の変化分を演算する第1の変化分演算回路12に入力し、その出力信号を、第1の応答速度調整回路16を介して制御信号作成回路10に入力し、その出力信号でSVC1を制御する。
【0029】
このように、本実施形態においては、第1の変化分演算回路12によって、検出された負荷電流の変化分信号を求め、その信号に基づいてSVC1を制御するように構成されている。すなわち、検出した電流信号の変化が一定であり、電流値が定格値より小さい信号であれば、近隣の回転機負荷が起動完了し、通常運転状態であり、無効電流分は起動時に比べて少ない。そのため、起動時と運転状態を区別した信号でSVC1を制御することにより、電圧変動の大きい起動時と小さい定常運転時を分けて補償する無効電力を出力することができるので、適切に電圧変動を抑制することができる。
【0030】
(5)第5実施形態
(5−1)構成
図3は、本実施形態におけるSVCの制御信号作成方法を示す機能ブロック図である。すなわち、1は無効電力を出力し電圧変動を抑制するSVC、2は発電機、3は発電機の近隣に設置されている大容量回転機負荷、4は母線、5は送配電線路、6は発電機2に付く自動電圧調整装置、7は電圧検出装置、8は母線4の電圧を検出する電圧検出装置、10はSVC1への入力信号を作成する制御信号作成回路、17は発電機2の電流を検出する電流検出装置、18は電圧検出装置7からの信号と電流検出装置17からの信号を入力して発電機2の無効電力を検出する無効電力信号検出回路、19は無効電力信号検出回路18から得られる信号の変化分を演算する第2の変化分演算回路である。
【0031】
(5−2)作用・効果
次に、本実施形態によるSVCの制御信号作成方法について説明する。
すなわち、本実施形態においては、電圧検出装置7及び電流検出装置17からの信号を発電機2の無効電力信号検出回路18に入力する。その出力信号を第2の変化分演算回路19を介して制御信号作成回路10へ入力し、制御信号作成回路10からの出力信号によってSVC1を制御し、SVC1から出力された無効電力を電力系統に供給する。
【0032】
本実施形態においては、発電機とその近隣に設置された大容量回転機の起動時や電力系統の故障時に発生する電圧変動に起因する発電機の無効電力出力の変化を検出し、この無効電力出力の変化を抑制するようにSVC1を制御し、電力系統への無効電力の変化分を補償することで、電圧変動を抑制することができる。
【0033】
(6)第6実施形態
(6−1)構成
図4は、本実施形態におけるSVCの制御信号作成方法を示す機能ブロック図である。すなわち、1は無効電力を出力し電圧変動を抑制するSVC、3は発電機の近隣に設置されている大容量回転機負荷、4は母線、5は送配電線路、8は母線4の電圧を検出する電圧検出装置、9は発電機3の負荷電流を検出する電流検出装置、10はSVC1への入力信号を作成する制御信号作成回路、11は電流検出装置9からの負荷電流を検出する負荷電流検出回路、12は前記負荷電流検出回路11から得られる信号の変化分を演算する第1の変化分演算回路、16は第1の変化分演算回路12で得られた信号の応答速度を調整する第1の応答速度調整回路である。
【0034】
また、14は電圧検出装置8の電圧信号を検出する電圧信号検出回路、15は電圧信号検出回路14で得られた信号の応答速度を調整する第2の応答速度調整回路である。そして、20は、第2の応答速度調整回路15からの出力信号と第1の応答速度調整回路16からの出力信号を入力し、両者を比較して制御信号を選択する制御信号選択回路である。13はSVC1が出力する無効電力出力値である。
なお、前記第1の応答速度調整回路16及び第2の応答速度調整回路15は、上記第2実施形態と同様に、SVCの制御応答速度を、発電機に付設されたAVRの制御応答速度と異なるように調整するものである。
【0035】
(6−2)作用・効果
次に、本実施形態によるSVCの制御信号作成方法について説明する。
すなわち、本実施形態においては、3の大容量回転機の負荷電流を負荷電流検出装置9で検出し、負荷電流検出回路11へ入力する。負荷電流検出回路11からの出力信号を、信号変化分を演算する第1の変化分演算回路12を介して、信号の応答速度を調整する第1の応答速度調整回路16へ入力する。その出力信号を制御信号選択回路20へ入力する。
【0036】
一方、電圧検出装置8で検出された電圧を、電圧信号検出回路14を介して第2の応答速度調整回路15へ入力し、その出力信号を制御信号選択回路20へ入力する。この制御信号選択回路20で、電圧信号が電流信号より大きいか否かを判断する。すなわち、起動時か通常運転時かを判断する。得られた信号を制御信号作成回路10に入力し、SVC1を制御し無効電力出力値13を出力する。
【0037】
このように本実施形態においては、発電機とその近隣に大容量回転機が設置されている場合に、検出された負荷電流信号の変化分信号を用いた制御信号と、電圧制御される母線の電圧検出信号から得られた信号とを比較判定し、選択された信号に基づいてSVC1を制御するように構成されている。
【0038】
すなわち、対象とする母線の電圧変動信号が負荷電流変動信号より大きいか否かを判断し(電圧変動の大きい起動時と電圧変動の小さい通常運転時を、電流信号を用いて判断する)、いずれかの信号を選択し、その信号に基づいてSVCを制御することにより、定常時の電圧制御と大容量回転機負荷の起動に伴う過渡的な電圧制御を区別して制御することができるので、電圧変動を適切に抑制することができる。
【0039】
このように、本実施形態によれば、回転機の電流信号の大きさを電圧信号と比較判断して得られた信号でSVCを制御することで、電圧変動の大きい起動時の制御と通常運転時を区分けして無効電力を補償することができる。
【0040】
(7)第7実施形態
(7−1)構成
図5は、本実施形態におけるSVCの制御信号作成方法を示す機能ブロック図である。すなわち、1は無効電力を出力して電圧変動を抑制するSVC、3は発電機の近隣に設置されている大容量回転機負荷、4は母線、5は送配電線路、8は母線4の電圧を検出する電圧検出装置、9は発電機3の負荷電流を検出する電流検出装置、10はSVC1への入力信号を作成する制御信号作成回路、11は電流検出装置9からの負荷電流を検出する負荷電流検出回路、12は負荷電流検出回路11から得られる信号の変化分を演算する第1の変化分演算回路、16は第1の変化分演算回路12で得られた信号の応答速度を調整する第1の応答速度調整回路である。
【0041】
また、14は電圧検出装置8の電圧信号を検出する電圧信号検出回路、15は電圧信号検出回路14で得られた信号の応答速度を調整する第2の応答速度調整回路である。そして、21は、第2の応答速度調整回路15からの出力信号と第1の応答速度調整回路16からの出力信号を入力し、両者を加算して制御信号とする加算回路である。13はSVC1が出力する無効電力出力値である。
【0042】
(7−2)作用・効果
次に、本実施形態によるSVCの制御信号作成方法について説明する。
すなわち、本実施形態においては、3の大容量回転機の負荷電流を負荷電流検出装置9で検出し、負荷電流検出回路11へ入力する。負荷電流検出回路11からの出力信号を、信号変化分を演算する回路12を介して信号の応答速度を調整する回路16へ入力する。その出力信号を加算回路21へ入力する。
【0043】
一方、電圧検出装置8で検出された電圧を、電圧信号検出回路14を介して第2の応答速度調整回路15へ入力し、その出力信号を加算回路21へ入力する。そして、この加算回路21で、第2の応答速度調整回路15からの電圧信号と第1の応答速度調整回路16からの電流信号を加算する。すなわち、本実施形態においては、起動時から運転時を通した電流信号と電圧信号を加算した信号を制御信号作成回路10に入力し、SVC1を制御し補償される無効電力値13を出力する。
【0044】
このように、本実施形態においては、発電機とその近隣に大容量回転機が設置されている場合に、この回転機の起動時から定常運転時の電流の変化分を検出した制御信号と、電圧信号からの制御信号を加算した制御信号でSVCを制御することにより、回転機の起動から通常運転までを通して、電圧変動を抑制する無効電力と、電圧と位相が90度遅れた無効電流分の補償を同時に制御し、電圧変動を抑制することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、電力系統の電圧信号からの制御信号と電流信号からの制御信号の両方に基づいてSVCを制御することで、系統電圧の大きな変動と小さな変動を細かく抑制することができ、また、近隣の電圧制御装置と相互干渉することがない、高精度のSVCの制御方法を提供することができるので、良質の電力供給に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静止型無効電力補償装置の制御方法の第1実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明に係る静止型無効電力補償装置の制御方法の第2〜第4実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図3】本発明に係る静止型無効電力補償装置の制御方法の第5実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図4】本発明に係る静止型無効電力補償装置の制御方法の第6実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図5】本発明に係る静止型無効電力補償装置の制御方法の第7実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図6】従来の静止型無効電力補償装置の制御方法の構成を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
1…静止型無効電力補償装置(SVC)
2…発電機
3…大容量回転機負荷
4…母線
5…送配電線路
6…自動電圧調整装置(AVR)
7…電圧検出装置
8…電圧検出装置
9…電流検出装置
10…SVCの制御信号作成回路
11…負荷電流検出回路
12…第1の変化分演算回路
13…無効電力出力値
14…電圧信号検出回路
15…第2の応答速度調整回路
16…第1の応答速度調整回路
17…電流検出装置
18…無効電力信号検出回路
19…第2の変化分演算回路
20…制御信号選択回路
21…加算回路
Claims (7)
- 電力系統に接続される発電機と、その近隣で起動時に電圧低下を発生させる回転機負荷と、その電圧低下を補償する静止型無効電力補償装置を有する回路構成における前記静止型無効電力補償装置の制御方法において、
前記回転機負荷の電流信号を、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号と共に、前記静止型無効電力補償装置への制御信号として用いることを特徴とする静止型無効電力補償装置の制御方法。 - 前記発電機に付設された自動電圧調整装置と前記静止型無効電力補償装置の制御による電圧変動抑制制御が相互に干渉しないように、制御信号の応答速度を調整する回路を設けたことを特徴とする請求項1に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法。
- 前記回転機負荷の起動時の電流信号を検出し、得られた信号に基づいて前記静止型無効電力補償装置を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法。
- 前記回転機負荷の電流信号の変化分信号を用いて、電力系統へ流出する無効電力を一定とするように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法。
- 前記発電機の無効電力出力信号を検出し、その変化分信号を用いて、電力系統へ流出する無効電力を一定とするように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法。
- 検出された電流信号の変化分信号を用いた制御信号と、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号から得られた制御信号を比較判断し、選択された信号に基づいて静止型無効電力補償装置を制御することを特徴とする請求項4に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法。
- 検出された電流信号の変化分信号を用いた制御信号と、電圧変動抑制の対象母線から検出された電圧信号から得られた制御信号を加算した信号に基づいて静止型無効電力補償装置を制御することを特徴とする請求項4に記載の静止型無効電力補償装置の制御方法。
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| JP2016213985A (ja) * | 2015-05-11 | 2016-12-15 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 発電プラントの所内電源システム |
| JP2017103967A (ja) * | 2015-12-04 | 2017-06-08 | 中国電力株式会社 | 電力系統運用システムおよび電力系統運用方法 |
-
2002
- 2002-09-05 JP JP2002260448A patent/JP2004104865A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| CN102386627A (zh) * | 2011-11-15 | 2012-03-21 | 中国海洋石油总公司 | 一种动态无功补偿器的控制系统及其控制方法 |
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