JP2004106565A - ポッドプロペラ - Google Patents
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Abstract
【課題】プロペラの各翼から出る旋回流はポッド後端部で集中し、ポッド後方で強い渦巻き状の旋回流を形成するため、これにより大きなエネルギー損失を生じる。
【解決手段】ストラット2を介して船体9にポッド3を支持し、このポッド3の船首側にプロペラ5を配設し、このポッド3の後端部10にポッド本体4とは分離して回転する翼型断面のフィン11を設け、このフィン11を前記プロペラ5と同一回転数で同一方向に回転するように構成している。これにより、ポッド後端部10で旋回流が集中するのを防ぐとともに、ポッドプロペラ1に推進力を与えて、旋回エネルギーを回収する。
【選択図】 図1
【解決手段】ストラット2を介して船体9にポッド3を支持し、このポッド3の船首側にプロペラ5を配設し、このポッド3の後端部10にポッド本体4とは分離して回転する翼型断面のフィン11を設け、このフィン11を前記プロペラ5と同一回転数で同一方向に回転するように構成している。これにより、ポッド後端部10で旋回流が集中するのを防ぐとともに、ポッドプロペラ1に推進力を与えて、旋回エネルギーを回収する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、船舶の推進装置であるポッドプロペラに関し、詳しくは推進効率の向上を図ったポッドプロペラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、船舶は船尾にプロペラと舵とを装備し、プロペラで推進力を発生させて舵で操船する構成が一般的に用いられているが、近年、ポッドプロペラを採用する船舶が増えている。
【0003】
図4は従来の一般的なポッドプロペラを示す図面であり、(a) は船体に取付けた状態の側面図、(b) はポッドプロペラのみの側面図、(c) はポッドプロペラの正面図、(d) は(b) に示すA−A矢視図である。図示するポッドプロペラ51は、船体56の船尾に、鉛直軸周りに旋回可能なストラット52を介してポッド53が設けられ、このポッド53の船首側にプロペラ54が装着されている。また、このポッドプロペラ51は、ポッド53内にプロペラ54の駆動モータ55が設けられている。この駆動モータ55を駆動するための電力は、船体56に設けられたゼネレータから供給されている。
【0004】
このポッドプロペラ51は、プロペラ54による推進力の発生と、ストラット52を旋回させることによりポッド53とともにプロペラ54を旋回させて水流の方向を変化させる操船が可能である。
【0005】
しかし、このポッドプロペラ51の場合、プロペラ54の回転によって各翼から後方へ流出される旋回流のエネルギーは、後流中へ放棄されてエネルギー損失となっている。
【0006】
そこで、この種の先行技術では、プロペラの後流側のポッド前部にステータフィンを設け、このステータフィンによってプロペラから流出する流れにプロペラ回転方向とは逆方向の回転を与え、プロペラにより発生した後流中の回転を減らして推進力を増加させるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、他の先行技術では、プロペラの後流側に遊転翼を設け、この遊転翼でプロペラの後流の回転流成分を推力に変換しようとしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
さらに、他の先行技術では、スクリュープロペラのボスキャップに複数個のフィンを設け、このフィンでプロペラの後流を整流して推進機効率を高めようとしている(例えば、特許文献3参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−1991号公報
【特許文献2】
特開昭63−112298号公報
【特許文献3】
特公平7−121716号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図5のポッドプロペラにおける旋回流の流れを示す側面図のように、前記図4に示すポッドプロペラ51の各翼から流出されるプロペラ後流の旋回流58は、ポッド外壁に沿って後方へ流れてポッド後端部57で集中し、ポッド後端で強い渦巻き状のハブ渦59を形成して後方へと放出されている。そのため、このハブ渦59により大きなエネルギー損失を生じている。
【0011】
そのため、前記特許文献1の場合でも、ステータフィンを装着したプロペラ直後の位置で旋回流を減らして旋回エネルギーを回収することはできるが、ポッドの後端で再び旋回流が集中してハブ渦59を生じ、これによってエネルギー損失を生じる。つまり、ポッド後端部においてはエネルギー損失を生じるので、効率的な工ネルギ一回収は望めない。また、この発明は、プロペラ直後の位置にステータフィンを固定して装着するものであるため、プロペラ羽根の回転移動に伴って生じるフィン上の圧力変動を効率的にエネルギー回収するのは難しい。
【0012】
さらに、前記特許文献2の場合、プロペラと遊転翼とを近接して設けた場合に遊転翼でプロペラ後流の回転成分を推力に変換することはできても、本願発明のように、ポッドの船首側にプロペラを有するような構成の推進機におけるポッド後端部での前記課題を解決できるものではない。
【0013】
さらに、前記特許文献3の場合も、プロペラ直後の位置で後流を整流させて推進機効率を高めることはできても、本願発明のようにポッド後端部において旋回流を拡散して推進力を発生させことができず、しかも、常にフィン上の圧力を安定させてエネルギー回収できるものではない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記課題を解決するために、本願発明は、ストラットを介して船体にポッドを支持し、該ポッドの船首側にプロペラを配設し、該ポッドの後端部にポッド本体とは分離して回転する翼型断面のフィンを設け、該フィンを前記プロペラと同一回転数で同一方向に回転するように構成している。このようにポッド後端部にポッドから分離した翼型断面のフィンを設け、このフィンをプロペラと同じ回転数で同じ回転方向に回転させることにより、プロペラから出た旋回流が集中するポッド後端部において旋回流を拡散させて推進力を発生させるので、非常に効率よく旋回エネルギーの回収が行える。しかも、フィンがプロペラと同期して回転しているので、常にフィン上の圧力が安定し、エネルギーの回収効率は非常に高く、安定している。これにより省エネルギーにも貢献できる。
【0015】
前記ポッド本体内にプロペラを駆動するモータを設け、該モータで前記フィンとプロペラとを同一回転数で同一方向に回転するように構成すれば、常にプロペラとフィンとを同期させて同一回転数で同一方向に回転させることが容易にできる。
【0016】
また、前記フィンをプロペラと同一枚数とするとともに、該フィンを周方向にほぼ等間隔で配設すれば、プロペラの基部から生じる渦の条数と同じ数のフィンで旋回流から旋回エネルギーを回収するので、プロペラで生じた渦をフィンで整流して効率良く旋回エネルギーの回収を行うことができる。
【0017】
さらに、前記フィンの周方向取付位置と前記プロペラの周方向取付位置とが、前記ポッドの軸方向で相対的にほぼ一致するように配設すれば、プロペラの基部から生じる渦と同じ周方向ピッチに位置するフィンによって旋回エネルギーを回収するので、効率良く旋回エネルギーを回収することができる。
【0018】
また、前記フィンを前記プロペラのピッチ角とほぼ同じピッチ角で設け、該フィンにプロペラのキャンバーに対して逆のキャンバーを付ければ、フィンに流れ込む旋回流からより大きな揚力を発生させることができるので、より効率良く旋回エネルギーを回収することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の一実施形態を示すポッドプロペラの図面であり、(a) は側面図、(b) は(a) のフィンを示す拡大図である。図2は同ポッドプロペラにおけるプロペラとフィンとの配置関係の一例を示す配置図である。
【0020】
図1に示すように、このポッドプロペラ1は、船体9から下方にストラット2が突設され、このストラット2の下端にポッド3が連結されている。このポッド3は、ほぼ中央部のポッド本体4がストラット2と連結されている。このポッド3の前部には、この例では4枚のスクリュープロペラ5がプロペラハブ6から放射状に設けられている。このスクリュープロペラ5は、ポッド本体4の内部に設けられたモータ7の駆動軸8により駆動されている。
【0021】
前記ストラット2は、船体9にポッド3を支持し、スクリュープロペラ5の推力をこのポッド3を介して船体9に伝えるとともに、モータ7を駆動するための図示していない動力線や軸受等へ潤滑油を供給するための油配管等を内包している。このストラット2は、その水平断面が流線形で形成されている。なお、このストラット2の上部に旋回装置を設ければ旋回式ポッドプロペラとなり、舵としての機能を持たせることもできる。
【0022】
そして、ポッド後端部10には、ポッド本体4とは分離されたフィン11が設けられている。このフィン11は、ポッド後端部10に設けられたフィンボス12の周方向に設けられており、翼型断面で形成されている。このフィンボス12は、ポッド軸方向のストラット2後端よりも後部からポッド3の後端にかけて設けられている。このフィンボス12の外面は、ポッド本体4の外面に連続するような曲面で形成されており、ポッド3の全体が連続的な曲面を呈するように形成されている。この実施形態では、ポッド後端部10がフィンボス12で形成されている。
【0023】
また、この実施形態では、前記プロペラ5と同一枚数のフィン11が、フィンボス12の周方向にほぼ等間隔で配設されている。つまり、プロペラ5の周方向取付ピッチとフィン11の周方向取付ピッチとが、ほぼ一致するように配設されている。
【0024】
さらに、この実施形態では、前記ポッド本体4内に設けられたプロペラ5を駆動するモータ7の駆動軸8から後方に向けて設けられた駆動軸13にフィンボス12が直結されている。これにより、常にプロペラ5とフィン11とを同期させて同一回転数で同一方向へ回転させるように構成されている。なお、プロペラ5とフィン11とを別々の駆動機で駆動することにより、これらを同一回転数で同一方向へ同期させて回転させるようにしてもよい。
【0025】
このフィン11の大きさとしては、ポッド3の大きさに応じてポッド後端部10に設けることができる大きさで決定すればよいが、(b) に示すように、フィン11の長さL(ポッド軸方向長さ)がポッド3の全長の約1/9程度、高さHがフィン11の長さの約1/2程度が、製作上好ましい。
【0026】
さらに、このフィン11は、(a) に示す状態で、外周側先端がプロペラ5の直径のほぼ90%の円内に収る高さで形成されている。フィン11の先端をプロペラ5の直径のほぼ90%以内とすることにより、プロペラ後流が縮流によって小さくなった範囲にフィン11を設けて、旋回流から旋回エネルギーを効率良く回収することができる。
【0027】
その上、図2にも示すように、この実施形態では、前記フィン11の周方向取付位置と、プロペラ5の周方向取付位置とが、ポッド3の軸線C方向において、相対的にほぼ一致するように設けられている。つまり、フィン11の中心位置11aとプロペラ5の中心位置5aとが、ポッド軸線C方向でほぼ一致するようにフィン11とプロペラ5とが配設されている。そして、このようにポッド軸線方向にフィン11とプロペラ5とが一致した状態で、同一方向に同一回転数で回転させられるように構成されている。
【0028】
また、これらのフィン11とプロペラ5とは、ポッド軸線に対するピッチ角αがほぼ同一となるように設けられている。さらに、この実施形態のフィン11には、プロペラ5のキャンバー14に対して逆のキャンバー15が付けられている。このようにフィン11にプロペラ5と逆のキャンバー15を付けることにより、プロペラ5によって生じた旋回流に逆方向の旋回力を作用させることができるので、フィン11に沿って流れる旋回流から旋回成分をより回収して、より大きな揚力を発生させて推進効率の向上を図ることができる。
【0029】
図3は図1のポッドプロペラにおける旋回流の流れを示す側面図である。図示するように、前記したポッドプロペラ1によれば、プロペラ5から出た旋回流16の集中する位置、即ち、ポッド後端部10にプロペラ5と同期して回転するフィン11を設けているので、プロペラ5によって生じた旋回流16がポッド3の外面に沿って後方へ流れてこのフィン11に流入することにより、ポッド後端部10での旋回流16の集中を防止して拡散することができる。
【0030】
そして、この旋回流16が集中することによって大きな損失を生じていたポッド後端部10で、翼型断面のフィン11によって揚力17を発生させるので、この揚力17の前進方向成分18によって前進推力およびモータの回転を加速させるトルクがポッドプロペラ1に作用し、プロペラ5による旋回後流の旋回エネルギー損失を非常に高い効率で回収することができる。
【0031】
しかも、この実施形態では、プロペラ5の羽根の枚数と同数のフィン11を同一回転数で同一方向に回転させることにより、各プロペラ5の基部で生じた複数条の渦(図示する旋回流16)が同じ数のフィン11によってそれぞれ整流されて拡散されるので、非常に効率良く旋回流の整流と揚力の発生が行われる。
【0032】
その上、この実施形態では、翼型断面のフィン11にキャンバー15を付けて作用する揚力を大きくしているため、その揚力の前進方向成分の推力が大きくなって、より高い回収効率で旋回エネルギーを回収することができる。
【0033】
このように、船舶の推進装置であるポッドプロペラ1の推進効率を向上させて、省エネルギーを達成させることができる。
【0034】
なお、前記実施形態におけるフィン11は一例であり、ポッド3の後端部10を含む範囲に回転するフィン11が設けられていればよく、また、フィン11の枚数や形態および周方向位置は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0035】
さらに、上述した実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0037】
プロペラによって生じる旋回流がポッド後端部で集中するのを防ぐとともに、翼型断面のフィンによってポッドプロペラに推進力を与えるので、旋回エネルギーを回収して推進効率の向上を図り、省エネルギーに貢献することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態を示すポッドプロペラの図面であり、(a) は側面図、(b) は(a) のフィンを示す拡大図である。
【図2】図1に示すポッドプロペラにおけるプロペラとフィンとの配置関係の一例を示す配置図である。
【図3】図1のポッドプロペラにおける旋回流の流れを示す側面図である。
【図4】従来のポッドプロペラを示す図面であり、(a) は船体に取付けた状態の側面図、(b) はポッドプロペラのみの側面図、(c) はポッドプロペラの正面図、(d) は(b) に示すA−A矢視図である。
【図5】図4のポッドプロペラにおける旋回流の流れを示す側面図である。
【符号の説明】
1…ポッドプロペラ
2…ストラット
3…ポッド
4…ポッド本体
5…プロペラ
6…プロペラハブ
7…モータ
8…駆動軸
9…船体
10…ポッド後端部
11…フィン
12…フィンボス
13…駆動軸
14…キャンバー
15…キャンバー
16…旋回流
17…揚力
C…ポッド軸線
α…ピッチ角
【発明の属する技術分野】
本願発明は、船舶の推進装置であるポッドプロペラに関し、詳しくは推進効率の向上を図ったポッドプロペラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、船舶は船尾にプロペラと舵とを装備し、プロペラで推進力を発生させて舵で操船する構成が一般的に用いられているが、近年、ポッドプロペラを採用する船舶が増えている。
【0003】
図4は従来の一般的なポッドプロペラを示す図面であり、(a) は船体に取付けた状態の側面図、(b) はポッドプロペラのみの側面図、(c) はポッドプロペラの正面図、(d) は(b) に示すA−A矢視図である。図示するポッドプロペラ51は、船体56の船尾に、鉛直軸周りに旋回可能なストラット52を介してポッド53が設けられ、このポッド53の船首側にプロペラ54が装着されている。また、このポッドプロペラ51は、ポッド53内にプロペラ54の駆動モータ55が設けられている。この駆動モータ55を駆動するための電力は、船体56に設けられたゼネレータから供給されている。
【0004】
このポッドプロペラ51は、プロペラ54による推進力の発生と、ストラット52を旋回させることによりポッド53とともにプロペラ54を旋回させて水流の方向を変化させる操船が可能である。
【0005】
しかし、このポッドプロペラ51の場合、プロペラ54の回転によって各翼から後方へ流出される旋回流のエネルギーは、後流中へ放棄されてエネルギー損失となっている。
【0006】
そこで、この種の先行技術では、プロペラの後流側のポッド前部にステータフィンを設け、このステータフィンによってプロペラから流出する流れにプロペラ回転方向とは逆方向の回転を与え、プロペラにより発生した後流中の回転を減らして推進力を増加させるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、他の先行技術では、プロペラの後流側に遊転翼を設け、この遊転翼でプロペラの後流の回転流成分を推力に変換しようとしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
さらに、他の先行技術では、スクリュープロペラのボスキャップに複数個のフィンを設け、このフィンでプロペラの後流を整流して推進機効率を高めようとしている(例えば、特許文献3参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−1991号公報
【特許文献2】
特開昭63−112298号公報
【特許文献3】
特公平7−121716号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図5のポッドプロペラにおける旋回流の流れを示す側面図のように、前記図4に示すポッドプロペラ51の各翼から流出されるプロペラ後流の旋回流58は、ポッド外壁に沿って後方へ流れてポッド後端部57で集中し、ポッド後端で強い渦巻き状のハブ渦59を形成して後方へと放出されている。そのため、このハブ渦59により大きなエネルギー損失を生じている。
【0011】
そのため、前記特許文献1の場合でも、ステータフィンを装着したプロペラ直後の位置で旋回流を減らして旋回エネルギーを回収することはできるが、ポッドの後端で再び旋回流が集中してハブ渦59を生じ、これによってエネルギー損失を生じる。つまり、ポッド後端部においてはエネルギー損失を生じるので、効率的な工ネルギ一回収は望めない。また、この発明は、プロペラ直後の位置にステータフィンを固定して装着するものであるため、プロペラ羽根の回転移動に伴って生じるフィン上の圧力変動を効率的にエネルギー回収するのは難しい。
【0012】
さらに、前記特許文献2の場合、プロペラと遊転翼とを近接して設けた場合に遊転翼でプロペラ後流の回転成分を推力に変換することはできても、本願発明のように、ポッドの船首側にプロペラを有するような構成の推進機におけるポッド後端部での前記課題を解決できるものではない。
【0013】
さらに、前記特許文献3の場合も、プロペラ直後の位置で後流を整流させて推進機効率を高めることはできても、本願発明のようにポッド後端部において旋回流を拡散して推進力を発生させことができず、しかも、常にフィン上の圧力を安定させてエネルギー回収できるものではない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記課題を解決するために、本願発明は、ストラットを介して船体にポッドを支持し、該ポッドの船首側にプロペラを配設し、該ポッドの後端部にポッド本体とは分離して回転する翼型断面のフィンを設け、該フィンを前記プロペラと同一回転数で同一方向に回転するように構成している。このようにポッド後端部にポッドから分離した翼型断面のフィンを設け、このフィンをプロペラと同じ回転数で同じ回転方向に回転させることにより、プロペラから出た旋回流が集中するポッド後端部において旋回流を拡散させて推進力を発生させるので、非常に効率よく旋回エネルギーの回収が行える。しかも、フィンがプロペラと同期して回転しているので、常にフィン上の圧力が安定し、エネルギーの回収効率は非常に高く、安定している。これにより省エネルギーにも貢献できる。
【0015】
前記ポッド本体内にプロペラを駆動するモータを設け、該モータで前記フィンとプロペラとを同一回転数で同一方向に回転するように構成すれば、常にプロペラとフィンとを同期させて同一回転数で同一方向に回転させることが容易にできる。
【0016】
また、前記フィンをプロペラと同一枚数とするとともに、該フィンを周方向にほぼ等間隔で配設すれば、プロペラの基部から生じる渦の条数と同じ数のフィンで旋回流から旋回エネルギーを回収するので、プロペラで生じた渦をフィンで整流して効率良く旋回エネルギーの回収を行うことができる。
【0017】
さらに、前記フィンの周方向取付位置と前記プロペラの周方向取付位置とが、前記ポッドの軸方向で相対的にほぼ一致するように配設すれば、プロペラの基部から生じる渦と同じ周方向ピッチに位置するフィンによって旋回エネルギーを回収するので、効率良く旋回エネルギーを回収することができる。
【0018】
また、前記フィンを前記プロペラのピッチ角とほぼ同じピッチ角で設け、該フィンにプロペラのキャンバーに対して逆のキャンバーを付ければ、フィンに流れ込む旋回流からより大きな揚力を発生させることができるので、より効率良く旋回エネルギーを回収することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の一実施形態を示すポッドプロペラの図面であり、(a) は側面図、(b) は(a) のフィンを示す拡大図である。図2は同ポッドプロペラにおけるプロペラとフィンとの配置関係の一例を示す配置図である。
【0020】
図1に示すように、このポッドプロペラ1は、船体9から下方にストラット2が突設され、このストラット2の下端にポッド3が連結されている。このポッド3は、ほぼ中央部のポッド本体4がストラット2と連結されている。このポッド3の前部には、この例では4枚のスクリュープロペラ5がプロペラハブ6から放射状に設けられている。このスクリュープロペラ5は、ポッド本体4の内部に設けられたモータ7の駆動軸8により駆動されている。
【0021】
前記ストラット2は、船体9にポッド3を支持し、スクリュープロペラ5の推力をこのポッド3を介して船体9に伝えるとともに、モータ7を駆動するための図示していない動力線や軸受等へ潤滑油を供給するための油配管等を内包している。このストラット2は、その水平断面が流線形で形成されている。なお、このストラット2の上部に旋回装置を設ければ旋回式ポッドプロペラとなり、舵としての機能を持たせることもできる。
【0022】
そして、ポッド後端部10には、ポッド本体4とは分離されたフィン11が設けられている。このフィン11は、ポッド後端部10に設けられたフィンボス12の周方向に設けられており、翼型断面で形成されている。このフィンボス12は、ポッド軸方向のストラット2後端よりも後部からポッド3の後端にかけて設けられている。このフィンボス12の外面は、ポッド本体4の外面に連続するような曲面で形成されており、ポッド3の全体が連続的な曲面を呈するように形成されている。この実施形態では、ポッド後端部10がフィンボス12で形成されている。
【0023】
また、この実施形態では、前記プロペラ5と同一枚数のフィン11が、フィンボス12の周方向にほぼ等間隔で配設されている。つまり、プロペラ5の周方向取付ピッチとフィン11の周方向取付ピッチとが、ほぼ一致するように配設されている。
【0024】
さらに、この実施形態では、前記ポッド本体4内に設けられたプロペラ5を駆動するモータ7の駆動軸8から後方に向けて設けられた駆動軸13にフィンボス12が直結されている。これにより、常にプロペラ5とフィン11とを同期させて同一回転数で同一方向へ回転させるように構成されている。なお、プロペラ5とフィン11とを別々の駆動機で駆動することにより、これらを同一回転数で同一方向へ同期させて回転させるようにしてもよい。
【0025】
このフィン11の大きさとしては、ポッド3の大きさに応じてポッド後端部10に設けることができる大きさで決定すればよいが、(b) に示すように、フィン11の長さL(ポッド軸方向長さ)がポッド3の全長の約1/9程度、高さHがフィン11の長さの約1/2程度が、製作上好ましい。
【0026】
さらに、このフィン11は、(a) に示す状態で、外周側先端がプロペラ5の直径のほぼ90%の円内に収る高さで形成されている。フィン11の先端をプロペラ5の直径のほぼ90%以内とすることにより、プロペラ後流が縮流によって小さくなった範囲にフィン11を設けて、旋回流から旋回エネルギーを効率良く回収することができる。
【0027】
その上、図2にも示すように、この実施形態では、前記フィン11の周方向取付位置と、プロペラ5の周方向取付位置とが、ポッド3の軸線C方向において、相対的にほぼ一致するように設けられている。つまり、フィン11の中心位置11aとプロペラ5の中心位置5aとが、ポッド軸線C方向でほぼ一致するようにフィン11とプロペラ5とが配設されている。そして、このようにポッド軸線方向にフィン11とプロペラ5とが一致した状態で、同一方向に同一回転数で回転させられるように構成されている。
【0028】
また、これらのフィン11とプロペラ5とは、ポッド軸線に対するピッチ角αがほぼ同一となるように設けられている。さらに、この実施形態のフィン11には、プロペラ5のキャンバー14に対して逆のキャンバー15が付けられている。このようにフィン11にプロペラ5と逆のキャンバー15を付けることにより、プロペラ5によって生じた旋回流に逆方向の旋回力を作用させることができるので、フィン11に沿って流れる旋回流から旋回成分をより回収して、より大きな揚力を発生させて推進効率の向上を図ることができる。
【0029】
図3は図1のポッドプロペラにおける旋回流の流れを示す側面図である。図示するように、前記したポッドプロペラ1によれば、プロペラ5から出た旋回流16の集中する位置、即ち、ポッド後端部10にプロペラ5と同期して回転するフィン11を設けているので、プロペラ5によって生じた旋回流16がポッド3の外面に沿って後方へ流れてこのフィン11に流入することにより、ポッド後端部10での旋回流16の集中を防止して拡散することができる。
【0030】
そして、この旋回流16が集中することによって大きな損失を生じていたポッド後端部10で、翼型断面のフィン11によって揚力17を発生させるので、この揚力17の前進方向成分18によって前進推力およびモータの回転を加速させるトルクがポッドプロペラ1に作用し、プロペラ5による旋回後流の旋回エネルギー損失を非常に高い効率で回収することができる。
【0031】
しかも、この実施形態では、プロペラ5の羽根の枚数と同数のフィン11を同一回転数で同一方向に回転させることにより、各プロペラ5の基部で生じた複数条の渦(図示する旋回流16)が同じ数のフィン11によってそれぞれ整流されて拡散されるので、非常に効率良く旋回流の整流と揚力の発生が行われる。
【0032】
その上、この実施形態では、翼型断面のフィン11にキャンバー15を付けて作用する揚力を大きくしているため、その揚力の前進方向成分の推力が大きくなって、より高い回収効率で旋回エネルギーを回収することができる。
【0033】
このように、船舶の推進装置であるポッドプロペラ1の推進効率を向上させて、省エネルギーを達成させることができる。
【0034】
なお、前記実施形態におけるフィン11は一例であり、ポッド3の後端部10を含む範囲に回転するフィン11が設けられていればよく、また、フィン11の枚数や形態および周方向位置は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0035】
さらに、上述した実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0036】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0037】
プロペラによって生じる旋回流がポッド後端部で集中するのを防ぐとともに、翼型断面のフィンによってポッドプロペラに推進力を与えるので、旋回エネルギーを回収して推進効率の向上を図り、省エネルギーに貢献することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態を示すポッドプロペラの図面であり、(a) は側面図、(b) は(a) のフィンを示す拡大図である。
【図2】図1に示すポッドプロペラにおけるプロペラとフィンとの配置関係の一例を示す配置図である。
【図3】図1のポッドプロペラにおける旋回流の流れを示す側面図である。
【図4】従来のポッドプロペラを示す図面であり、(a) は船体に取付けた状態の側面図、(b) はポッドプロペラのみの側面図、(c) はポッドプロペラの正面図、(d) は(b) に示すA−A矢視図である。
【図5】図4のポッドプロペラにおける旋回流の流れを示す側面図である。
【符号の説明】
1…ポッドプロペラ
2…ストラット
3…ポッド
4…ポッド本体
5…プロペラ
6…プロペラハブ
7…モータ
8…駆動軸
9…船体
10…ポッド後端部
11…フィン
12…フィンボス
13…駆動軸
14…キャンバー
15…キャンバー
16…旋回流
17…揚力
C…ポッド軸線
α…ピッチ角
Claims (5)
- ストラットを介して船体にポッドを支持し、該ポッドの船首側にプロペラを配設し、該ポッドの後端部にポッド本体とは分離して回転する翼型断面のフィンを設け、該フィンを前記プロペラと同一回転数で同一方向に回転するように構成したポッドプロペラ。
- 前記ポッド本体内にプロペラを駆動するモータを設け、該モータで前記フィンとプロペラとを同一回転数で同一方向に回転するように構成したことを特徴とする請求項1記載のポッドプロペラ。
- 前記フィンをプロペラと同一枚数とするとともに、該フィンを周方向にほぼ等間隔で配設したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポッドプロペラ。
- 前記フィンの周方向取付位置と前記プロペラの周方向取付位置とが、前記ポッドの軸方向で相対的にほぼ一致するように配設したことを特徴とする請求項3記載のポッドプロペラ。
- 前記フィンを前記プロペラのピッチ角とほぼ同じピッチ角で設け、該フィンにプロペラのキャンバーに対して逆のキャンバーを付けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポッドプロペラ。
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| JP2002267829A JP2004106565A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | ポッドプロペラ |
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- 2002-09-13 JP JP2002267829A patent/JP2004106565A/ja not_active Withdrawn
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