JP2004108352A - 密閉型圧縮機のケース - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機本体から発生する振動を遮断し、外部に伝達される振動を低減できる密閉型圧縮機ケースを提供する。
【解決手段】冷凍サイクルの蒸発器側から低温、低圧の冷媒ガスを吸入した後圧縮して前記冷凍サイクルの凝縮機側に吐出す冷媒圧縮手段を外部と離隔する密閉型圧縮機ケースにおいて、冷媒圧縮手段を支持し冷媒ガスを吸入/排出する通路が形成された内側下部シェルと、内側下部シェルの外面を一定の厚さで包む下部防振層と、下部防振層の外面に沿って包む外側下部シェルを含む下部ケース、及び冷媒圧縮手段の上側を包み下部ケースに組み立てられる上部ケースを含み、冷媒圧縮手段から発生された振動を下部防振層で減衰させる。
【選択図】 図2
【解決手段】冷凍サイクルの蒸発器側から低温、低圧の冷媒ガスを吸入した後圧縮して前記冷凍サイクルの凝縮機側に吐出す冷媒圧縮手段を外部と離隔する密閉型圧縮機ケースにおいて、冷媒圧縮手段を支持し冷媒ガスを吸入/排出する通路が形成された内側下部シェルと、内側下部シェルの外面を一定の厚さで包む下部防振層と、下部防振層の外面に沿って包む外側下部シェルを含む下部ケース、及び冷媒圧縮手段の上側を包み下部ケースに組み立てられる上部ケースを含み、冷媒圧縮手段から発生された振動を下部防振層で減衰させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍サイクルに用いられる密閉型圧縮機に関し、より詳細には、密閉型圧縮機から発生する振動及び騒音を低減できる密閉型圧縮機のケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、密閉型圧縮機は冷蔵庫やクーラーなどの冷凍サイクルで低温、低圧の冷媒蒸気を蒸発器側で吸入し、それを圧縮して高圧、高温蒸気にさせた後凝縮機側に送り出す装置である。
【0003】
このような一般の密閉型圧縮機の構造を図1に示す。密閉型圧縮機はモーター、シリンダ、吸気/排気管を含み、冷媒を吸入して圧縮する手段である圧縮機本体10と、圧縮機本体10を外部と離隔させるケース50、及びケース50について圧縮機本体10を支持する支持部材30を含む。
【0004】
モーターは支持部材30に固定される固定子12と、固定子12の内部で回転する回転子14とを備える。回転子14の中心には回転軸16が組立てられ、回転軸16の下端には偏心部18が形成されている。
【0005】
シリンダは冷媒が吸入/圧縮される空間を形成するシリンダ本体22と、シリンダ本体22の上端に設けられて冷媒の吸入/吐出を制御するバルブ26とを備える。シリンダ本体22には冷媒を圧縮するピストン24が往復動できるよう組立てられ、ピストン24には回転軸16の回転運動を直線往復動に切換えする連接棒20が結合されている。
【0006】
吸気/排気管28はシリンダのバルブ26と冷凍サイクルを連結し、冷媒のシリンダへの吸入及び排出する通路をなす。
【0007】
支持部材30は下部シェル54の内面に設けられ、モーターの固定子12とシリンダ本体22を支持して圧縮機本体10をケース50と離隔させる。支持部材30は偏心部18の回転とピストン24の往復動によって発生する振動を吸収するためにバネで形成される。
【0008】
ケース50は圧縮機本体10が外部に露出されないように密閉するものであり、組立しやすくするように上部シェル52と下部シェル54とから成っている。下部シェル54には支持部材30が設けられ、支持部材30には圧縮機本体10が設けられている。また、下部シェル54には吸気/排気管28が通過できる貫通孔が形成されている。ケース50の上部シェル52と下部シェル54は成形の便宜と強度を考慮し、金属板を用いて成形を行う。上部シェル52と下部シェル54は溶接によって結合させることが一般的である。
【0009】
前述したような構成を有する密閉型圧縮機は、電源が供給されれば回転子14が回転する。回転子14が回転すれば一体に組立てられた回転軸16が回転する。回転軸16が回転すれば回転軸16の先端の偏心部18と連接棒20によってピストン24がシリンダ本体22内で往復動する。ピストン24がシリンダ本体22内で往復動すれば、バルブ26が動作して吸気/排気管28を通して冷媒を吸入し圧縮した後、再び冷凍サイクルに吐出させる動作を連続的に行なう。すなわち、ピストン24が下死点に移動すれば吸込バルブ29が開きつつ、蒸発器から低圧、低温のガスが吸込管(図示せず)を介してシリンダ本体22内に吸入される。次いで、ピストン24が上死点に移動し始まると、吸込バルブ29が閉って吸入された冷媒が圧縮し始まる。冷媒の圧縮が終了されれば吐出バルブ27が開きつつ、圧縮された冷媒が排気管28を通して凝縮機側へ吐出される。回転軸16が回転し続けると、ピストン24が再び下死点に移動して冷媒を吸入する。このような動作が繰り返し行われる。
【0010】
このように圧縮機本体10が冷媒を吸入、圧縮して吐出す動作を行なう間に回転子14が回転し、偏心部18と連接棒20によって回転子14の回転運動がピストン24の往復動に切換えされるため振動と騒音が発生する。従って、支持部材30が圧縮機本体10から発生する振動と騒音を吸収して減衰させる。しかし、支持部材30によって減衰されない振動/騒音はケース50を通して外部にそのまま伝達されるが、その振動/騒音も相当高いという問題点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述した問題点を解決するために案出されたもので、その目的はケースを振動/騒音が遮断できる防振層を有する多層構造に成形することによって、圧縮機本体で生成された振動/騒音を低減できる密閉型圧縮機ケースを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した目的は、冷凍サイクルの蒸発器側から低温、低圧の冷媒ガスを吸入した後、圧縮して前記冷凍サイクルの凝縮機側に吐出す冷媒圧縮手段を外部と離隔する密閉型圧縮機のケースにおいて、ケースは冷媒圧縮手段を包み、冷媒ガスを吸入/排出する通路が形成された内側シェルと、内側シェルの外面を一定の厚さで包む防振層と、防振層の外面に沿って包む外側シェルとを含み、冷媒圧縮手段から発生した振動を防振層で減衰させる本発明に係る密閉型圧縮機のケースを提供することによって達成される。
【0013】
ここで、内側シェル、防振層、及び外側シェルは一体になった多層板で形成され、内側シェルと外側シェルは金属であり、防振層は粘弾性重合体であることが望ましい。
【0014】
また、前述したような目的は、冷凍サイクルの蒸発器側から低温、低圧の冷媒ガスを吸入した後、圧縮して前記冷凍サイクルの凝縮機側に吐出す冷媒圧縮手段を外部と離隔する密閉型圧縮機ケースにおいて、冷媒圧縮手段を支持し冷媒ガスを吸入/排出する通路が形成された内側下部シェルと、内側下部シェルの外面を一定の厚さで包む下部防振層と、下部防振層の外面に沿って包む外側下部シェルとを備える下部ケースと、冷媒圧縮手段の上側を包み下部ケースに組み立てられる上部ケースとを含み、冷媒圧縮手段から発生した振動を下部防振層で減衰させる本発明に係る密閉型圧縮機ケースを提供することによって達成できる。
【0015】
ここで、上部ケースは金属からなる内側上部シェルと、内側上部シェルを一定の厚さで包む上部防振層と、上部防振層の外面に沿って包む外側上部シェルとを含むことが望ましい。
【0016】
また、下部ケースと上部ケースは金属層、防振層、金属層を有する多層板で成形されることが望ましく、防振層は粘弾性重合体であることが望ましい。
【0017】
そして、上部ケースと下部ケースは上部防振層と内側下部シェルが接触するように組み立てられたり、上部防振層と下部防振層が接触するように組み立てられることが望ましい。
【0018】
前述した通り、本発明に係る密閉型圧縮機ケースによれば、圧縮機本体から発生する振動/騒音がケースの防振層によって減衰されるため、圧縮機ケースの外部に伝達される振動/騒音を低減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づき本発明に係る密閉型圧縮機ケースの望ましい実施例をさらに詳述する。但し、従来の技術と同一部分は同一符号を付して説明する。
【0020】
図2を参照すれば、密閉型圧縮機はモーター、シリンダ、吸気/排気管を含み、冷媒を吸入して圧縮する手段である圧縮機本体10と圧縮機本体10を外部と隔離させるケース100、及びケース100について圧縮機本体10を支持する支持部材30を備える。
【0021】
モーターは支持部材30に固定される固定子12と、固定子12の内部で回転する回転子14とを備える。回転子14の中心には回転軸16が組立てられ、回転軸16の下端には偏心部18が形成されている。
【0022】
シリンダは冷媒が吸入/圧縮される空間を形成するシリンダ本体22と、シリンダ本体22の上端に設けられ冷媒の吸入/吐出を制御するバルブ26とを備える。シリンダ本体22には冷媒を圧縮するピストン24が往復動を行なえるように組立てられ、ピストン24には回転軸16の回転運動を直線往復動に切換えする連接棒20が結合されている。
【0023】
吸気/排気管28はシリンダのバルブ26と冷凍サイクルとを連結し、冷媒のシリンダへの吸入及び排出する通路をなす。
【0024】
支持部材30は下部ケース120の内側下部シェル122(図3A)に設けられ、モーターの固定子12とシリンダ本体22を支持して圧縮機本体10をケース100と離隔させる。支持部材30は偏心部18の回転とピストン24の往復動によって発生する振動を吸収するためにバネで形成される。
【0025】
ケース100は圧縮機本体10が外部に露出されないように密閉するものであり、組立ての便宜上下部ケース120と上部ケース110とからなっている。但し、振動/騒音の遮断を効率よくするためにケース100を一体に成形することが望ましい。
【0026】
下部ケース120は内側下部シェル122と、下部防振層124、及び外側下部シェル126を備える。内側下部シェル122には支持部材30が設けられ、支持部材30には圧縮機本体10が設けられている。また、内側下部シェル122には吸気/排気管28が通過できる貫通孔が形成されている。下部ケース120は内側下部シェル122と外側下部シェル126を金属板を用いて成形を行い、防振層124は振動を遮断できる材質で成形した後順に組立てて作ることができる。しかし、望ましくは下部ケース120を成形する材料を図4に示したように、金属層132、防振層134、金属層136が順に一体になった多層板(これを“二重接合鉄板”と称する)130を使用する。このとき、防振層124、134は粘弾性重合体(Viscoelastic Polymer)で形成されることが望ましい。
【0027】
上部ケース110は、従来と同様、単層の金属板を成形して作ることができる。しかし、望ましくは下部ケース120のように多層に成形する。すなわち、上部ケース110は内側上部シェル112、上部防振層114、外側上部シェル116で構成され、内側上部シェル112及び外側上部シェル116は金属であり、上部防振層114は振動遮断材質で作られる。また、上部ケース110も下部ケース120と同様に二重接合鉄板130を用いて成形することが望ましい。
【0028】
上部ケース110と下部ケース120の組立ては、図3A〜図3Cに示した通り上部ケース110を下部ケース120の中に嵌合した後に溶接(A部)で結合する。このとき、上部ケース110と下部ケース120の結合構造は図3Aに示したように、上部ケースの外側上部シェル116と下部ケースの内側下部シェル122が接触する構造と、図3Bに示したように、上部ケースの上部防振層114と下部ケースの内側下部シェル122が接触する構造、及び図3Cに示したように、上部ケースの上部防振層114と下部ケースの下部防振層124が接触する構造にすることができる。
【0029】
以下、前述したような構造を有する密閉型圧縮機において本発明に係るケースによって圧縮機本体から発生する振動が遮断される作用を添付した図面に基づき説明する。
【0030】
圧縮機に電源が供給されれば、回転子14が回転する。回転子14が回転すれば一体に組立てられた回転軸16が回転する。回転軸16が回転すれば回転軸16の先端の偏心部18と連接棒20によってピストン24がシリンダ本体22内で往復動する。ピストン24がシリンダ本体22内で往復動すれば、バルブ26が動作して吸気/排気管28を通して冷媒を吸入し圧縮した後、再び冷凍サイクへ吐出させる動作を連続的に行う。すなわち、ピストン24が下死点に移動すれば吸込バルブ29が開きつつ、蒸発器から低圧、低温の冷媒ガスが吸込管(図示せず)を通してシリンダ本体22内に吸入される。次いで、ピストン24が上死点に移動し始まれば、吸込バルブ29が閉り吸入された冷媒が圧縮し始まる。冷媒の圧縮が終了すれば吐出バルブ27が開きながら圧縮された冷媒が排気管28を通して凝縮機側へ吐出される。回転軸16が回転し続ければ、ピストン24が再び下死点に移動して冷媒を吸入する。このような動作が繰り返し行われる。
【0031】
このように圧縮機本体10が冷媒を吸入し、圧縮して吐出す動作を行なう間回転子14が回転し、偏心部18と連接棒20によって回転子14の回転運動がピストン24の往復動に切換えされるため振動と騒音が発生する。従って、支持部材30が圧縮機本体10から発生する振動と騒音を吸収して減衰させる。支持部材30によって吸収されない振動/騒音は内側下部シェル122に伝達される。内側下部シェル122に伝えられた振動/騒音は防振層124によって再び減衰される。防振層124に伝えられた振動エネルギーは防振層124を構成する粘弾性重合体を剪断変形させるのに使われる。従って、圧縮機本体10から発生された振動/騒音は防振層124によって遮断され外側下部シェル126に伝達されない。また、圧縮機本体10から上部ケースの内側上部シェル112に伝えられた振動エネルギーも上部防振層114を剪断変形させるのに使われて振動が低減される。
【0032】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明に係る密閉型圧縮機ケースを使用すれば、圧縮機の外部に伝達される圧縮機本体の振動/騒音が低減される。図5及び図6を参照すれば密閉型圧縮機の振動/騒音が低減されたことが確実に分かる。図5及び図6はそれぞれ防振層に粘弾性材を使用した二重接合鉄板で成形したケースを使用した場合の密閉型圧縮機と従来のケースを使用した密閉型圧縮機の振幅と振動の大きさを比較したグラフである。図5及び図6において▲1▼は本発明に係るケースを使用した場合のグラフであり、▲2▼は従来のケースを使用した場合のグラフである。
【0033】
本発明は前述した特定の望ましい実施例に限らず、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱せず当該発明の属する技術分野において通常の知識を持つ者ならば誰でも多様な変形実施が可能なことは勿論、そのような変更は記載された請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術に係るケースを有する密閉型圧縮機を示す断面図である。
【図2】本発明に係るケースを有する密閉型圧縮機を示す断面図である。
【図3A】図2の上部ケースと下部ケースの組立部を詳細に示す組立構造図である。
【図3B】図2の上部ケースと下部ケースの組立部を詳細に示す組立構造図である。
【図3C】図2の上部ケースと下部ケースの組立部を詳細に示す組立構造図である。
【図4】図2のケースを成形するのに使用される多層板の構造を示す図である。
【図5】図2のケースを使用した密閉型圧縮機の振幅と従来のケースを使用した密閉型圧縮機の振幅を比較したグラフである。
【図6】図2のケースを使用した密閉型圧縮機の振幅と従来のケースを使用した密閉型圧縮機の振動の強さを比較したグラフである。
【符号の説明】
10 圧縮機本体
12 固定子
14 回転子
16 回転軸
18 偏心部
20 連接棒
22 シリンダ本体
24 ピストン
26 バルブ
27 吐出バルブ
28 吸気/排気管
29 吸込バルブ
30 支持部材
100 ケース
110 上部ケース
112 内側上部シェル
114 上部防振層
116 外側上部シェル
120 下部ケース
122 内側下部シェル
124 下部防振層
126 外側下部シェル
130 多層板(二重接合鉄板)
132、136 金属層
134 防振層
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍サイクルに用いられる密閉型圧縮機に関し、より詳細には、密閉型圧縮機から発生する振動及び騒音を低減できる密閉型圧縮機のケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、密閉型圧縮機は冷蔵庫やクーラーなどの冷凍サイクルで低温、低圧の冷媒蒸気を蒸発器側で吸入し、それを圧縮して高圧、高温蒸気にさせた後凝縮機側に送り出す装置である。
【0003】
このような一般の密閉型圧縮機の構造を図1に示す。密閉型圧縮機はモーター、シリンダ、吸気/排気管を含み、冷媒を吸入して圧縮する手段である圧縮機本体10と、圧縮機本体10を外部と離隔させるケース50、及びケース50について圧縮機本体10を支持する支持部材30を含む。
【0004】
モーターは支持部材30に固定される固定子12と、固定子12の内部で回転する回転子14とを備える。回転子14の中心には回転軸16が組立てられ、回転軸16の下端には偏心部18が形成されている。
【0005】
シリンダは冷媒が吸入/圧縮される空間を形成するシリンダ本体22と、シリンダ本体22の上端に設けられて冷媒の吸入/吐出を制御するバルブ26とを備える。シリンダ本体22には冷媒を圧縮するピストン24が往復動できるよう組立てられ、ピストン24には回転軸16の回転運動を直線往復動に切換えする連接棒20が結合されている。
【0006】
吸気/排気管28はシリンダのバルブ26と冷凍サイクルを連結し、冷媒のシリンダへの吸入及び排出する通路をなす。
【0007】
支持部材30は下部シェル54の内面に設けられ、モーターの固定子12とシリンダ本体22を支持して圧縮機本体10をケース50と離隔させる。支持部材30は偏心部18の回転とピストン24の往復動によって発生する振動を吸収するためにバネで形成される。
【0008】
ケース50は圧縮機本体10が外部に露出されないように密閉するものであり、組立しやすくするように上部シェル52と下部シェル54とから成っている。下部シェル54には支持部材30が設けられ、支持部材30には圧縮機本体10が設けられている。また、下部シェル54には吸気/排気管28が通過できる貫通孔が形成されている。ケース50の上部シェル52と下部シェル54は成形の便宜と強度を考慮し、金属板を用いて成形を行う。上部シェル52と下部シェル54は溶接によって結合させることが一般的である。
【0009】
前述したような構成を有する密閉型圧縮機は、電源が供給されれば回転子14が回転する。回転子14が回転すれば一体に組立てられた回転軸16が回転する。回転軸16が回転すれば回転軸16の先端の偏心部18と連接棒20によってピストン24がシリンダ本体22内で往復動する。ピストン24がシリンダ本体22内で往復動すれば、バルブ26が動作して吸気/排気管28を通して冷媒を吸入し圧縮した後、再び冷凍サイクルに吐出させる動作を連続的に行なう。すなわち、ピストン24が下死点に移動すれば吸込バルブ29が開きつつ、蒸発器から低圧、低温のガスが吸込管(図示せず)を介してシリンダ本体22内に吸入される。次いで、ピストン24が上死点に移動し始まると、吸込バルブ29が閉って吸入された冷媒が圧縮し始まる。冷媒の圧縮が終了されれば吐出バルブ27が開きつつ、圧縮された冷媒が排気管28を通して凝縮機側へ吐出される。回転軸16が回転し続けると、ピストン24が再び下死点に移動して冷媒を吸入する。このような動作が繰り返し行われる。
【0010】
このように圧縮機本体10が冷媒を吸入、圧縮して吐出す動作を行なう間に回転子14が回転し、偏心部18と連接棒20によって回転子14の回転運動がピストン24の往復動に切換えされるため振動と騒音が発生する。従って、支持部材30が圧縮機本体10から発生する振動と騒音を吸収して減衰させる。しかし、支持部材30によって減衰されない振動/騒音はケース50を通して外部にそのまま伝達されるが、その振動/騒音も相当高いという問題点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述した問題点を解決するために案出されたもので、その目的はケースを振動/騒音が遮断できる防振層を有する多層構造に成形することによって、圧縮機本体で生成された振動/騒音を低減できる密閉型圧縮機ケースを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した目的は、冷凍サイクルの蒸発器側から低温、低圧の冷媒ガスを吸入した後、圧縮して前記冷凍サイクルの凝縮機側に吐出す冷媒圧縮手段を外部と離隔する密閉型圧縮機のケースにおいて、ケースは冷媒圧縮手段を包み、冷媒ガスを吸入/排出する通路が形成された内側シェルと、内側シェルの外面を一定の厚さで包む防振層と、防振層の外面に沿って包む外側シェルとを含み、冷媒圧縮手段から発生した振動を防振層で減衰させる本発明に係る密閉型圧縮機のケースを提供することによって達成される。
【0013】
ここで、内側シェル、防振層、及び外側シェルは一体になった多層板で形成され、内側シェルと外側シェルは金属であり、防振層は粘弾性重合体であることが望ましい。
【0014】
また、前述したような目的は、冷凍サイクルの蒸発器側から低温、低圧の冷媒ガスを吸入した後、圧縮して前記冷凍サイクルの凝縮機側に吐出す冷媒圧縮手段を外部と離隔する密閉型圧縮機ケースにおいて、冷媒圧縮手段を支持し冷媒ガスを吸入/排出する通路が形成された内側下部シェルと、内側下部シェルの外面を一定の厚さで包む下部防振層と、下部防振層の外面に沿って包む外側下部シェルとを備える下部ケースと、冷媒圧縮手段の上側を包み下部ケースに組み立てられる上部ケースとを含み、冷媒圧縮手段から発生した振動を下部防振層で減衰させる本発明に係る密閉型圧縮機ケースを提供することによって達成できる。
【0015】
ここで、上部ケースは金属からなる内側上部シェルと、内側上部シェルを一定の厚さで包む上部防振層と、上部防振層の外面に沿って包む外側上部シェルとを含むことが望ましい。
【0016】
また、下部ケースと上部ケースは金属層、防振層、金属層を有する多層板で成形されることが望ましく、防振層は粘弾性重合体であることが望ましい。
【0017】
そして、上部ケースと下部ケースは上部防振層と内側下部シェルが接触するように組み立てられたり、上部防振層と下部防振層が接触するように組み立てられることが望ましい。
【0018】
前述した通り、本発明に係る密閉型圧縮機ケースによれば、圧縮機本体から発生する振動/騒音がケースの防振層によって減衰されるため、圧縮機ケースの外部に伝達される振動/騒音を低減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づき本発明に係る密閉型圧縮機ケースの望ましい実施例をさらに詳述する。但し、従来の技術と同一部分は同一符号を付して説明する。
【0020】
図2を参照すれば、密閉型圧縮機はモーター、シリンダ、吸気/排気管を含み、冷媒を吸入して圧縮する手段である圧縮機本体10と圧縮機本体10を外部と隔離させるケース100、及びケース100について圧縮機本体10を支持する支持部材30を備える。
【0021】
モーターは支持部材30に固定される固定子12と、固定子12の内部で回転する回転子14とを備える。回転子14の中心には回転軸16が組立てられ、回転軸16の下端には偏心部18が形成されている。
【0022】
シリンダは冷媒が吸入/圧縮される空間を形成するシリンダ本体22と、シリンダ本体22の上端に設けられ冷媒の吸入/吐出を制御するバルブ26とを備える。シリンダ本体22には冷媒を圧縮するピストン24が往復動を行なえるように組立てられ、ピストン24には回転軸16の回転運動を直線往復動に切換えする連接棒20が結合されている。
【0023】
吸気/排気管28はシリンダのバルブ26と冷凍サイクルとを連結し、冷媒のシリンダへの吸入及び排出する通路をなす。
【0024】
支持部材30は下部ケース120の内側下部シェル122(図3A)に設けられ、モーターの固定子12とシリンダ本体22を支持して圧縮機本体10をケース100と離隔させる。支持部材30は偏心部18の回転とピストン24の往復動によって発生する振動を吸収するためにバネで形成される。
【0025】
ケース100は圧縮機本体10が外部に露出されないように密閉するものであり、組立ての便宜上下部ケース120と上部ケース110とからなっている。但し、振動/騒音の遮断を効率よくするためにケース100を一体に成形することが望ましい。
【0026】
下部ケース120は内側下部シェル122と、下部防振層124、及び外側下部シェル126を備える。内側下部シェル122には支持部材30が設けられ、支持部材30には圧縮機本体10が設けられている。また、内側下部シェル122には吸気/排気管28が通過できる貫通孔が形成されている。下部ケース120は内側下部シェル122と外側下部シェル126を金属板を用いて成形を行い、防振層124は振動を遮断できる材質で成形した後順に組立てて作ることができる。しかし、望ましくは下部ケース120を成形する材料を図4に示したように、金属層132、防振層134、金属層136が順に一体になった多層板(これを“二重接合鉄板”と称する)130を使用する。このとき、防振層124、134は粘弾性重合体(Viscoelastic Polymer)で形成されることが望ましい。
【0027】
上部ケース110は、従来と同様、単層の金属板を成形して作ることができる。しかし、望ましくは下部ケース120のように多層に成形する。すなわち、上部ケース110は内側上部シェル112、上部防振層114、外側上部シェル116で構成され、内側上部シェル112及び外側上部シェル116は金属であり、上部防振層114は振動遮断材質で作られる。また、上部ケース110も下部ケース120と同様に二重接合鉄板130を用いて成形することが望ましい。
【0028】
上部ケース110と下部ケース120の組立ては、図3A〜図3Cに示した通り上部ケース110を下部ケース120の中に嵌合した後に溶接(A部)で結合する。このとき、上部ケース110と下部ケース120の結合構造は図3Aに示したように、上部ケースの外側上部シェル116と下部ケースの内側下部シェル122が接触する構造と、図3Bに示したように、上部ケースの上部防振層114と下部ケースの内側下部シェル122が接触する構造、及び図3Cに示したように、上部ケースの上部防振層114と下部ケースの下部防振層124が接触する構造にすることができる。
【0029】
以下、前述したような構造を有する密閉型圧縮機において本発明に係るケースによって圧縮機本体から発生する振動が遮断される作用を添付した図面に基づき説明する。
【0030】
圧縮機に電源が供給されれば、回転子14が回転する。回転子14が回転すれば一体に組立てられた回転軸16が回転する。回転軸16が回転すれば回転軸16の先端の偏心部18と連接棒20によってピストン24がシリンダ本体22内で往復動する。ピストン24がシリンダ本体22内で往復動すれば、バルブ26が動作して吸気/排気管28を通して冷媒を吸入し圧縮した後、再び冷凍サイクへ吐出させる動作を連続的に行う。すなわち、ピストン24が下死点に移動すれば吸込バルブ29が開きつつ、蒸発器から低圧、低温の冷媒ガスが吸込管(図示せず)を通してシリンダ本体22内に吸入される。次いで、ピストン24が上死点に移動し始まれば、吸込バルブ29が閉り吸入された冷媒が圧縮し始まる。冷媒の圧縮が終了すれば吐出バルブ27が開きながら圧縮された冷媒が排気管28を通して凝縮機側へ吐出される。回転軸16が回転し続ければ、ピストン24が再び下死点に移動して冷媒を吸入する。このような動作が繰り返し行われる。
【0031】
このように圧縮機本体10が冷媒を吸入し、圧縮して吐出す動作を行なう間回転子14が回転し、偏心部18と連接棒20によって回転子14の回転運動がピストン24の往復動に切換えされるため振動と騒音が発生する。従って、支持部材30が圧縮機本体10から発生する振動と騒音を吸収して減衰させる。支持部材30によって吸収されない振動/騒音は内側下部シェル122に伝達される。内側下部シェル122に伝えられた振動/騒音は防振層124によって再び減衰される。防振層124に伝えられた振動エネルギーは防振層124を構成する粘弾性重合体を剪断変形させるのに使われる。従って、圧縮機本体10から発生された振動/騒音は防振層124によって遮断され外側下部シェル126に伝達されない。また、圧縮機本体10から上部ケースの内側上部シェル112に伝えられた振動エネルギーも上部防振層114を剪断変形させるのに使われて振動が低減される。
【0032】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明に係る密閉型圧縮機ケースを使用すれば、圧縮機の外部に伝達される圧縮機本体の振動/騒音が低減される。図5及び図6を参照すれば密閉型圧縮機の振動/騒音が低減されたことが確実に分かる。図5及び図6はそれぞれ防振層に粘弾性材を使用した二重接合鉄板で成形したケースを使用した場合の密閉型圧縮機と従来のケースを使用した密閉型圧縮機の振幅と振動の大きさを比較したグラフである。図5及び図6において▲1▼は本発明に係るケースを使用した場合のグラフであり、▲2▼は従来のケースを使用した場合のグラフである。
【0033】
本発明は前述した特定の望ましい実施例に限らず、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱せず当該発明の属する技術分野において通常の知識を持つ者ならば誰でも多様な変形実施が可能なことは勿論、そのような変更は記載された請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術に係るケースを有する密閉型圧縮機を示す断面図である。
【図2】本発明に係るケースを有する密閉型圧縮機を示す断面図である。
【図3A】図2の上部ケースと下部ケースの組立部を詳細に示す組立構造図である。
【図3B】図2の上部ケースと下部ケースの組立部を詳細に示す組立構造図である。
【図3C】図2の上部ケースと下部ケースの組立部を詳細に示す組立構造図である。
【図4】図2のケースを成形するのに使用される多層板の構造を示す図である。
【図5】図2のケースを使用した密閉型圧縮機の振幅と従来のケースを使用した密閉型圧縮機の振幅を比較したグラフである。
【図6】図2のケースを使用した密閉型圧縮機の振幅と従来のケースを使用した密閉型圧縮機の振動の強さを比較したグラフである。
【符号の説明】
10 圧縮機本体
12 固定子
14 回転子
16 回転軸
18 偏心部
20 連接棒
22 シリンダ本体
24 ピストン
26 バルブ
27 吐出バルブ
28 吸気/排気管
29 吸込バルブ
30 支持部材
100 ケース
110 上部ケース
112 内側上部シェル
114 上部防振層
116 外側上部シェル
120 下部ケース
122 内側下部シェル
124 下部防振層
126 外側下部シェル
130 多層板(二重接合鉄板)
132、136 金属層
134 防振層
Claims (9)
- 冷凍サイクルの蒸発器側から低温、低圧の冷媒ガスを吸入した後、圧縮して前記冷凍サイクルの凝縮機側に吐出す冷媒圧縮手段を外部と離隔する密閉型圧縮機ケースであって、
前記ケースは前記冷媒圧縮手段を包み、前記冷媒ガスを吸入/排出する通路が形成された内側シェルと、
前記内側シェルの外面を一定の厚さで包む防振層と、
前記防振層の外面に沿って包む外側シェルとを備え、
前記冷媒圧縮手段から発生した振動を前記防振層で減衰させることを特徴とする密閉型圧縮機ケース。 - 前記内側シェル、防振層、及び外側シェルは一体になった多層板で形成されることを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機ケース。
- 前記内側シェルと外側シェルは金属であり、前記防振層は粘弾性重合体であることを特徴とする請求項2に記載の密閉型圧縮機ケース。
- 冷凍サイクルの蒸発器側から低温、低圧の冷媒ガスを吸入した後、圧縮して前記冷凍サイクルの凝縮機側に吐出す冷媒圧縮手段を外部と離隔する密閉型圧縮機ケースであって、
前記冷媒圧縮手段を支持し前記冷媒ガスを吸入/排出する通路が形成された内側下部シェルと、前記内側下部シェルの外面を一定の厚さで包む下部防振層と、前記下部防振層の外面に沿って包む外側下部シェルとを備える下部ケースと、
前記冷媒圧縮手段の上側を包み、前記下部ケースに組み立てられる上部ケースとを含み、
前記冷媒圧縮手段から発生した振動を前記下部防振層で減衰させることを特徴とする密閉型圧縮機ケース。 - 前記上部ケースは金属からなる内側上部シェルと、
前記内側上部シェルを一定の厚さで包む上部防振層と、
前記上部防振層の外面に沿って包む外側上部シェルと
を備えることを特徴とする請求項4に記載の密閉型圧縮機ケース。 - 前記下部ケースと上部ケースは金属層、防振層、金属層を有する多層板で成形されていることを特徴とする請求項5に記載の密閉型圧縮機ケース。
- 前記防振層は粘弾性重合体であることを特徴とする請求項6に記載の密閉型圧縮機ケース。
- 前記上部ケースと下部ケースは前記上部防振層と前記内側下部シェルが接触するように組み立てられることを特徴とする請求項6に記載の密閉型圧縮機ケース。
- 前記上部ケースと下部ケースは前記上部防振層と前記下部防振層が接触するように組み立てられることを特徴とする請求項6に記載の密閉型圧縮機ケース。
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