JP2004109221A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接触帯電部材が転写残トナーによって汚染されるのを防止して、長期にわたって良好な画像形成を行うことができるようにする。
【解決手段】感光ドラム1の最外層である保護層1aのテーバー磨耗(mg/1000回転)を0.1以上1.0以下としたことにより、長期にわたって接触帯電部材の転写残トナーによる汚れに起因する帯電不良を防止して、良好な画像を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】感光ドラム1の最外層である保護層1aのテーバー磨耗(mg/1000回転)を0.1以上1.0以下としたことにより、長期にわたって接触帯電部材の転写残トナーによる汚れに起因する帯電不良を防止して、良好な画像を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式などによって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に転写工程後に像担持体上に残留する現像剤(トナー)を現像装置によって「現像同時クリーニング」で像担持体上から除去・回収し、再利用するようにしてクリーニング装置を廃したクリーナレス方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体である感光体、その感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置(帯電工程)、帯電処理された感光体に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置(露光工程)、感光体上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより顕像化する現像装置(現像工程)、上記トナー画像を感光体面から紙などの転写材に転写する転写装置(転写工程)、転写工程後の感光体上に多少ながら残余するトナーを除去して感光体面を清掃するクリーニング装置(クリーニング工程)、転写材上のトナー画像を定着させる定着装置(定着工程)などから構成されており、感光体は繰り返して電子写真プロセス(帯電・露光・現像・転写・クリーニング)が適用されて作像に供される。
【0003】
上記画像形成装置において、転写工程後の感光体上に残余するトナーはクリーニング装置により感光体面から除去されてクリーニング装置内に溜まって廃トナーとなるが、環境保全や資源の有効利用等の点からそのような廃トナーは出ないことが望ましい。
【0004】
そこで、近年、クリーニング装置を無くし、感光体上の転写残トナーを現像装置によって「現像同時クリーニング」で感光体から除去し、現像装置に回収し再利用する装置構成にした「クリーナレス方式」の画像形成装置の実用化がなされてきている。
【0005】
現像同時クリーニングは、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、該静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって、トナーで現像されるべきでない感光体面部分上(非画像部)に存在する転写残トナーを現像装置に回収する方法である。この方式によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、またメンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることで画像形成装置の小型化にも有利である。
【0006】
ところで、現像同時クリーニング方式のクリーナレス画像形成装置においては、感光体表面を帯電する帯電装置が感光体に当接して感光体面を帯電処理する接触帯電装置である場合、感光体上の転写残トナーが感光体と接触帯電装置の接触ニップ部である帯電部を通過する際に、転写残トナー中の特に帯電極性が正規極性とは逆極性に反転しているトナーが接触帯電装置の接触帯電部材(帯電ローラなど)に付着して、接触帯電部材を許容以上にトナー汚染させて帯電不良の原因となってしまう。
【0007】
転写残トナーは、転写バイアスや剥離放電等に影響されて帯電極性が反転するものや除電されて帯電量が少なくなるものがある。従って、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性の反転トナー、帯電量が少ないものが混在しており、その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが、感光体と接触帯電部材の接触ニップ部である帯電部を通過する際に接触帯電部材に付着しやすい。
【0008】
このため、接触帯電部材へのトナーの付着防止するため、感光体の回転方向に対して接触帯電部材の上流側にブラシなどの導電部材を複数設ける方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0009】
この公報における画像形成装置では、転写直後に感光体に接触した導電ブラシ(導電部材)に逆極性バイアスを印加して転写残トナーを一度逆極性に帯電した後に、再度正規極性のバイアスを感光体に接触させた導電ブラシに印加して転写残トナーを正規極性でかつ適度な大きさに帯電する。これにより、帯電ローラ(接触帯電部材)に到達する転写残トナーは、帯電ローラに印加する直流バイアスと同じ極性に揃えられるため、帯電ローラのトナー汚染が軽減される。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−215798号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したように感光体の回転方向に対して帯電ローラ(接触帯電部材)の上流側に導電ブラシ(導電部材)を設けた画像形成装置において、長期にわたって画像形成を行うことにより、感光体表面が導電ブラシの接触により削れて膜厚が減少すると、感光体の静電容量が増加する。
【0012】
そのため、転写バイアス印加による感光体電位の変化が小さくなるため、導電ブラシに印加している電圧と転写後の感光体電位との電位差が大きくなり、導電ブラシからの放電電流量が増加する。その結果、導電ブラシを通過した後の転写残トナーの帯電量が逆極性側に大きくなってしまう。逆極性に帯電した転写残トナーは導電ブラシを通過する際に正規極性に帯電するが、上述のように帯電量が増加すると正規極性に再帯電しきれず、逆極性のまま通過してしまう。
【0013】
よって、帯電ローラ(接触帯電部材)に到達した逆極性の転写残トナーは、帯電ローラに電気的な力で吸着されやすく、表面が汚染されることによって帯電不良の原因となってしまう。
【0014】
そこで本発明は、接触帯電部材が転写残トナーによって汚染されるのを防止して、長期にわたって良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、移動自在な第1の像担持体と、帯電バイアスの印加により前記第1の像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された前記第1の像担持体表面を露光して画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像に現像剤を供給して現像剤像として可視像化する現像手段と、前記現像剤像を第2の像担持体もしくは被転写材に転写する転写手段と、を備え、前記現像手段が、前記転写手段により現像剤像を前記第2の像担持体もしくは被転写材に転写した後に前記第1の像担持体上に残留した残留現像剤を静電的に回収するクリーニング手段を兼ねる画像形成装置において、前記第1の像担持体の最外層のテーバー磨耗(mg/1000回転)が0.1以上1.0以下であることを特徴としている。
【0016】
また、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記現像剤の正規帯電極性と同極性の直流電圧が印加される第1の導電性部材と、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記第1の導電性部材の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記現像剤の正規帯電極性と逆極性の直流電圧が印加される第2の導電性部材と、を有することを特徴としている。
【0017】
また、前記第1の像担持体は、感光層上に少なくとも硬化性樹脂を含有する最外層としての保護層を有し、前記硬化性樹脂の硬化を電子線照射で行うことを特徴としている。
【0018】
また、前記帯電手段は、接触帯電部材を前記第1の像担持体に接触させて帯電を行う接触帯電手段であることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図である。本実施の形態の画像形成装置は、接触帯電方式で現像同時クリーニングによるクリーナレス方式のレーザビームプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置である。
【0021】
この画像形成装置は、第1の像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)1を備え、感光ドラム1の回転方向(反時計方向)に沿ってその周囲に接触帯電部材としての帯電ローラ(ローラ帯電器)2、現像装置4、接触転写部材としての転写ローラ5、転写残トナー除電部材8、転写残トナー帯電量制御部材7が配置されており、帯電ローラ2と現像装置4間の上方には露光装置3が設置されている。また、感光ドラム1と転写ローラ5間に形成される転写部dの転写材搬送方向の下流側には、定着装置6が設置されている。
【0022】
感光ドラム1は、本実施の形態では外径50mmの負帯電性の有機感光体(OPC)であり、駆動装置(不図示)の駆動によって100mm/secのプロセススピード(周速度)で矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。感光ドラム1は、図2に示すように、導電性支持体(ドラム基体)1e上に、光の干渉を抑え上層の接着性を向上させる下引き層1dと、感光層(電荷発生層1cと電荷輸送層1b)と、保護層1aを下から順に塗布して構成されている(本発明の特徴である感光ドラム1の層構成の詳細については後述する)。
【0023】
帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ軸受け部材(不図示)により回転自在に保持されると共に、押し圧ばね2eによって感光ドラム1の中心方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接されており、感光ドラム1の回転駆動に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aである。
【0024】
帯電ローラ2の芯金2aには電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施の形態では、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧(−500)と交流電圧(周波数1kHz、ピーク間電圧1.4kVの正弦波)とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
【0025】
また、帯電ローラ2の長手方向長さは320mmであり、図2に示すように、芯金(支持部材)2a上に、下層2bと、中間層2cと、表層2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは、感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0026】
より具体的には、本実施の形態における帯電ローラ2の仕様は下記の通りである。
【0027】
芯金2a;直径6mmのステンレス丸棒
下層2b;カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ωcm、層厚3.0mm
中間層2c;カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ωcm、層厚700μm
表層2d;フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化錫とカーボンを分散、体積抵抗値107〜1010Ωcm、表面粗さ(JIS規格10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm
【0028】
また、帯電ローラ2表面には、帯電ローラ2表面をクリーニングする可撓性を有するフィルム状の帯電ローラクリーニング部材2fが当接するようにして設けられている。帯電ローラクリーニング部材2fは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され、かつ同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。
【0029】
そして、支持部材2gは、不図示の駆動装置によりギア列を介して帯電ローラ2の長手方向に対し一定量の往復運動駆動するように構成されており、この往復運動駆動によって帯電ローラ2表面が帯電ローラクリーニング部材2fで摺擦される。これにより、帯電ローラ2表面に付着した転写残トナーに再度適量の正規極性の電荷を供給し、感光ドラム1上に戻すことが可能となる。
【0030】
露光装置3は、本実施の形態では半導体レーザを用いたレーザビームスキャナであり、不図示の画像読み取り装置等のホスト処理から入力される画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して、感光ドラム1の一様帯電処理面を露光位置bにおいて走査露光(イメージ露光)Lする。この走査露光Lにより感光ドラム1面のレーザ光で照射されたところの電位が低下することで、感光ドラム1面には走査露光Lした画像情報に対応した静電潜像が順次に形成される。
【0031】
現像装置4は、本実施の形態では二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置であり、感光ドラム1表面の露光部分(明部)にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。この現像装置4は、現像容器4aの開口部に固定マグネットローラ4cを内包した回転自在な非磁性の現像スリーブ4bが設けられており、現像容器4a内の現像剤(トナー)4eを、規制ブレード4dで薄層に現像スリーブ4b上にコーティングし、感光ドラム1と対向する現像部cへ搬送する。現像容器4a内の現像剤4eはトナーと磁性キャリアの混合物であり、2つの現像剤攪拌部材4fの回転によって均一に攪拌されながら現像スリーブ4b側に搬送される。
【0032】
本実施の形態における磁性キャリアの抵抗は約1013Ωcm、粒径は40μmであり、トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。また、現像容器4a内のトナー濃度は、濃度センサ(不図示)によって検知され、この検知情報に基づいてトナーホッパー4gから適正量のトナーを現像容器4aに補給して、トナー濃度を一定に調整する。
【0033】
現像スリーブ4bは、現像部cにおいて感光ドラム1との最近接距離を350μmに保持して感光ドラム1に近接対向配設されており、現像スリーブ4bは現像部cにおいて感光ドラム1の回転方向(反時計方向)とは逆方向に回転駆動される。
【0034】
現像スリーブ4bには、電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施の形態において、現像スリーブ4bへ印加する現像バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧(−350V)と交流電圧(ピーク間電圧1.6kV)とを重畳した振動電圧である。
【0035】
転写ローラ5は、感光ドラム1に所定の押圧力をもって当接して転写部dを形成し、電源S3から転写バイアス(トナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の定電流転写バイアス(本実施の形態では+10μA))が印加されることによって、この転写部dにて第2の像担持体としての用紙などの転写材Pに感光ドラム1表面のトナー像を転写する。
【0036】
定着装置6は、回転自在な定着ローラ6aと加圧ローラ6bを有しており、定着ローラ6aと加圧ローラ6b間の定着ニップ部にて転写材Pを挟持搬送しながら、転写材Pの表面に転写されたトナー像を加熱加圧して熱定着する。
【0037】
次に、上記画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0038】
画像形成時には、感光ドラム1は駆動装置(不図示)により矢印方向(反時計方向)に所定の周速で回転駆動され、上記の帯電バイアスが印加された帯電ローラ2により表面が一様に帯電される。
【0039】
そして、帯電された感光ドラム1上に露光装置3により走査露光Lが与えられて、入力される画像情報に応じた静電潜像が形成される。そして、感光ドラム1上に形成された静電潜像に、現像部cにて感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4の現像スリーブ4bにより感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性に帯電されたトナーを付着させて、トナー像として顕像化(反転現像)する。
【0040】
そして、感光ドラム1上のトナー像が感光ドラム1と転写ローラ5間の転写部dに到達すると、このタイミングに合わせて用紙などの転写材Pがレジストローラ(不図示)によって転写部dに搬送される。
【0041】
そして、前記トナーと逆極性(正極性)の転写バイアスが印加された転写ローラ5により、転写部dに搬送された転写材Pに感光ドラム1と転写ローラ5間に発生する静電力によって、感光ドラム1上のトナー像が転写される。そして、トナー像が転写された転写材Pは定着装置6に搬送され、定着ローラ6aと加圧ローラ6b間の定着部にてトナー像を転写材Pに加熱加圧して熱定着した後に外部に排出され、一連の画像形成動作を終了する。
【0042】
また、トナー像転写後の感光ドラム1表面に残留している転写残トナーは、感光ドラム1の回転にともない帯電部a、露光部bを経由して現像部cに至り、現像装置4の現像スリーブ4bで次工程以後の現像時に、かぶり取りバイアス(現像スリーブ4bに印加する直流電圧と感光ドラム1の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する(現像同時クリーニング)。回収された転写残トナー(残留現像剤)は、次工程以後に用いられることにより、廃トナーをなくすことができる。
【0043】
次に、本実施の形態における感光ドラム1の詳細について説明する。
【0044】
感光ドラム1の保護層1aは、少なくとも硬化性樹脂を含有しており、更に、感光ドラム1表面の滑り性を向上させるために、フッ素原子含有樹脂粒子を分散させることもできる。樹脂粒子の分子量や粒子の粒径は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
【0045】
本発明の実施の形態における感光ドラム1の保護層1a用の結着剤樹脂としては、保護層1aの表面硬度、耐摩耗性、耐傷性の観点から硬化性樹脂を用い、電子線照射により硬化する。この硬化性樹脂は、電子線のエネルギーで重合反応を起こす、官能基を有するモノマーまたはオリゴマーを指し、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子がオリゴマー、それ以下のものがモノマーとして定義される。
【0046】
該重合反応を起こす官能基としては、炭素−炭素二重結合を有する基、開環重合を起こすもの、2種類以上の分子が反応して重合を起こすものなどが挙げられる。特に、本発明の実施の形態においては、硬化性樹脂として炭素−炭素二重結合を有するアクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を含んだ樹脂を用いることが好ましい。
【0047】
上述したように、感光ドラム1の保護層1aとしての硬化性樹脂は電子線照射によって硬化される。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型、ラミナー型などいずれの形式も使用することができる。
【0048】
電子線を照射する場合に、本発明の実施の形態における感光ドラム1においては、良好な電気特性及び耐久性能を得るために照射条件が非常に重要である。よって、本発明の実施の形態における加速電圧は250kV以下が好ましく、より好ましくは150kV以下である。また、線量に関しては、好ましくは1Mrad〜100Mradの範囲であり、より好ましくは3Mrad〜50Mradの範囲である。なお、加速電圧が上記以上であると、感光ドラム1の特性に対する電子線照射のダメージが顕著になる。また、線量が上記範囲よりも少ない場合には硬化が不十分となり、線量が多すぎる場合には感光ドラム1の特性の劣化が起こる。
【0049】
上述したように硬化性樹脂で形成される感光ドラム1の保護層1aを電子線照射によって硬化した場合において、良好な耐削れ性、耐傷性を示すかに関しては、明確な理由は判明していない。ただ、熱または紫外線と比較して、電子線が持つメリットから以下のように考察される。
【0050】
即ち、熱硬化の場合は、保護層1aを完全に硬化するための熱量はかなり大きなものとなり、その熱が保護層1a下に存在する感光層(電荷発生層1cと電荷輸送層1b)自体を劣化させてしまうため、従来は十分な熱量を与えられないまま、保護層1aを形成してしまうため、保護層1aの硬度が不十分なままであった。
【0051】
また、紫外線を用いた場合には、硬化をするためには樹脂に対して、重合開始剤を併用する必要があるものの、一方で重合開始剤の添加量の増加に伴い、その表面硬度が低下してしまうことも分かっており、重合開始剤の量の最適化を図ったとしても高硬度のものを得ることはできず、上記方法で作製された感光ドラム1は、耐削れ性、耐傷性が悪くなってしまうと考えられる。
【0052】
これに対し、本発明の実施の形態のように電子線照射により硬化する保護層1aは、重合開始剤を添加する必要がないため有利である。また、照射エネルギーも紫外線に比べて非常に大きく、電子線の試料に対する透過深さも非常に深いため、保護層1a表面の高硬度化を達成でき、作製された保護層1aは耐削れ性、耐傷性が良好なものになると考えている。
【0053】
上記のように作製された保護層1aを有する本発明の実施の形態の感光ドラム1において、その表面(保護層1a)のテーバー磨耗(mg/1000回転)を測定した結果、0.4〜0.5であった。
【0054】
本発明の実施の形態における感光ドラム1の下引き層1dは、感光層(電荷発生層1c、電荷輸送層1b)の接着性改良、塗工性改良、導電性支持体1eの保護、導電性支持体1e上の欠陥の被覆、導電性支持体1eからの電荷注入性改良、感光層(電荷発生層1c、電荷輸送層1b)の電気的破壊に対する保護などのために形成される。下引き層1dは、それぞれに適した溶剤に溶解されて導電性支持体1e上に塗布される。その際の膜厚としては、0.1〜2μm程度が好ましい。
【0055】
本発明の実施の形態における感光ドラム1の電荷発生層1cに用いる電荷発生物質としては、例えばセレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属及び結晶系、あるいは特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコンなどが挙げられる。電荷発生層1cは、上記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着剤樹脂と共に溶剤に分散し、分散液を塗布、乾燥して形成されるか、又は上記電荷発生物質の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。また、電荷発生層1cの膜厚は、5μm以下、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
【0056】
電荷発生層1c上に形成する電荷輸送層1bは、上記した電荷輸送物質と適当な樹脂を溶剤に溶解することによって得られた溶解液を塗布し、乾燥し形成することが好ましい。上記樹脂としては広範囲なバインダー樹脂から選択でき、市販の樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂等を用いることが可能であるが、これらに限定されるものではない。これらは単独または共重合体ポリマーとして、1種または2種以上混合して用いてもよい。
【0057】
また、上記した本実施の形態のように、感光層(電荷発生層1c、電荷輸送層1b)が有機光導電材料でなく、無機光導電材料でもよく、例えば、Se、As2Se3、a−Si、CdS及びZnO2等を用いることも可能である。ただし、電子写真感光体としての特性である残留電位などの特性を鑑みると、有機光導電材料の電荷発生層と電荷輸送層を積層した構成の機能分離型の感光体構成が特に好ましい。
【0058】
また、感光ドラム1を製造する場合、導電性支持体1eとしてはアルミニウム、ステンレスなどの金属や合金、紙、プラスチックなどが用いられるが、その形状は円筒状シリンダーまたはフィルムなど適用される電子写真装置に応じて任意のものとすることができる。また、非導電性支持体上に導電層を蒸着法やその他の方法で、別に設けることにより導電性支持体として用いてもよい。
【0059】
また、本実施の形態における画像形成装置は、現像装置4の現像スリーブ4bは前述したように現像部cにおいて、感光ドラム1面の進行方向とは逆方向に回転させており、これは感光ドラム1上の転写残トナーの回収に有利である。また、感光ドラム1面上の転写残トナーは、露光部bを通るので露光工程はその転写残トナー上からなされるが、転写残トナーの量は少ないため、大きな影響は現れない。
【0060】
ところで、上述したように転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在しており、そのうちの反転トナーや帯電量が少ないトナーが帯電部aを通過する際に帯電ローラ2に付着することで、帯電ローラ2が許容以上にトナー汚染して帯電不良を生じることになる。
【0061】
また、感光ドラム1面上の転写残トナーの、現像装置4による現像同時クリーニングを効果的に行わせるためには、現像部cに持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置4によって感光ドラム1上の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。なお、反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては、感光ドラム1上から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0062】
更に、近年ユーザニーズの多様化に伴い、写真画像などといった高画像比率な画像などの連続画像形成動作などにより、一度に大量の転写残トナーが発生すると、上記と同様に感光ドラム1上から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0063】
そこで、本実施の形態においては、感光ドラム1の回転方向に対して転写ローラ5と感光ドラム1が当接する転写部dの下流側で、かつ帯電ローラ2と感光ドラム1が当接する帯電部aの上流側に、感光ドラム1上の転写残トナーの分布を均一化かつ除電するための転写残トナー除電部材8を設け、更に、感光ドラム1の回転方向に対して転写残トナー除電部材8の下流側でかつ帯電部aの上流側に、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えると共に帯電量を制御する転写残トナー帯電量制御部材7を設けている。
【0064】
転写残トナー除電部材8を設けることにより、転写部dから転写残トナー帯電量制御部材7へ持ち運ばれる感光ドラム1上のパターン状の転写残トナーはトナー量が多くても、そのトナーが感光ドラム1面に分散分布され、非パターン化されるので、転写残トナー帯電量制御部材7の一部にトナーが集中することがなくなる。これにより、転写残トナー帯電量制御部材7による転写残トナーの全体的な正規極性帯電化処理が常に十分になされて、転写残トナーの帯電ローラ2への付着防止が効果的になされる。また、転写残トナー像パターンのゴースト像の発生も防止される。
【0065】
本実施の形態では、転写残トナー除電部材8と転写残トナー帯電量制御部材7は、適度の導電性を持ったブラシ状部材で形成されており、それぞれのブラシ部が感光ドラム1面に接触するようにして配置されている。転写残トナー除電部材8は接触部fで感光ドラム1面と接触しており、転写残トナー帯電量制御部材7は接触部eで感光ドラム1面と接触している。
【0066】
転写残トナー帯電量制御部材7には電源S4より正規極性(負極性)の電圧(本実施の形態では−400V)が印加されており、転写残トナー除電部材8には電源S5より正規極性と逆極性(正極性)の電圧(本実施の形態では400V)が印加されている。
【0067】
画像形成枚数(通紙耐久)の増加に伴う感光ドラム表面(保護層)の膜厚変化が10〜40%である従来の感光ドラムを用いて、転写残トナー除電部材8と転写残トナー帯電量制御部材7との前後での感光ドラム電位と転写残トナー帯電量の、感光ドラム表面(保護層)の膜厚に対する変化を調べた。図3(a)、(b)にその結果を示す。なお、図3(a)は、画像形成枚数(通紙耐久)が少数で感光ドラム表面(保護層)の膜厚がほとんど減っていない45μmの感光ドラムの場合であり、図3(b)は、画像形成枚数(通紙耐久)が50000枚で感光ドラム表面(保護層)の膜厚が減って30μmの感光ドラムの場合である。
【0068】
また、図3(a)、(b)において、Aは、図1に示した画像形成装置の現像部cと転写部d間、Bは、図1に示した画像形成装置の転写部dと転写残トナー除電部材8との接触部f間、Cは、図1に示した画像形成装置の転写残トナー除電部材8との接触部fと転写残トナー帯電量制御部材7との接触部e間、Dは、図1に示した画像形成装置の転写残トナー帯電量制御部材7との接触部eと帯電部a間における、それぞれの感光ドラム表面の位置であり、それらの位置(A、B、C、D)における感光ドラム電位とトナーの帯電分布を示している。
【0069】
この結果から明らかなように、画像形成枚数(通紙耐久)が少数で感光ドラム表面(保護層)の膜厚が45μmの感光ドラムでは、転写帯電前後の電位変動が大きく(図3(a)のA、B参照)。画像形成枚数(通紙耐久)が50000枚で感光ドラム表面(保護層)の膜厚が30μmに減少した感光ドラムでは、転写帯電前後の電位変動が小さくなっている(図3(b)のA、B参照)。
【0070】
これは、転写ローラ5と感光ドラム1の間に流れる電流が10μAと一定でも、感光ドラム1表面(保護層1a)の膜厚が薄くなると静電容量が大きいため、電位変動が小さくなるためと考えられる。そのため、転写残トナー除電部材8に印加される電圧(+400V)との電位差が、感光ドラム1表面(保護層1a)の膜厚が薄いほど大きくなるため、転写残トナー除電部材8と感光ドラム1間に流れる電流が大きくなる。その結果、転写残トナー除電部材8を通過した転写残トナーの逆極性成分が増加してしまう。
【0071】
また、転写残トナー帯電量制御部材7には正規極性のバイアスが印加されているため、転写残トナー除電部材8通過後の逆極性トナーの大半は転写残トナー帯電量制御部材7に捕捉される。しかしながら、感光ドラム1表面(保護層1a)の膜厚が薄い場合は、上述したように転写残トナー帯電量制御部材7に到達する逆極性トナーが多いため、逆極性のまま転写残トナー帯電量制御部材7を通過しやすくなる。
【0072】
以上の理由より、感光ドラム1表面(保護層1a)が削れて膜厚が減少するに従い、帯電ローラ2に到達する逆極性トナー量が増加し、帯電ローラ2表面がトナー汚染しやすくなる。
【0073】
また、感光ドラム1表面(保護層1a)の削れにともなう、転写残トナー除電部材8から感光ドラム1に流れる電流量の変化をなくす手段として、転写残トナー除電部材8に印加するバイアスを定電圧でなく定電流とする方法が挙げられるが、転写残トナー除電部材8の汚れがその長手方向で不均一であると(長手方向の画像の偏りに起因する)、電位抵抗の低い領域に電流が集中するため電気抵抗の高い領域の除電能力が低下し、帯電量の大きい正規極性トナーが感光ドラム1から離れないで次の画像に影響を及ぼしてしまう。
【0074】
また、感光ドラム表面(保護層)の膜厚を初期時から薄く設定することで膜厚の変化量は小さくできるが、正常な帯電(電位の保持など)を維持できる膜厚までの画像形成枚数(通紙耐久)が著しく減少してしまい、頻繁に感光ドラムを交換する必要が生じ、コスト、環境面において不利となる。
【0075】
そこで、上述した表面(保護層1a)のテーバー磨耗(mg/1000回転)が0.4〜0.5の本発明の実施の形態における感光ドラム1を用いて、画像形成枚数(通紙耐久)が50000枚後の感光ドラム電位とトナーの帯電分布を調べた結果、上記した図3(b)の場合と略同様であった。
【0076】
このように、表面(保護層1a)のテーバー磨耗(mg/1000回転)が0.4〜0.5の本発明の実施の形態における感光ドラム1は、従来の保護層を有する感光ドラムに比べて耐摩耗性が大幅に向上することにより、50000枚後の画像形成枚数(通紙耐久)後においても、転写帯電前後の電位変動が小さく、帯電ローラ2表面のトナー汚染を長期にわたって防止することができた。
【0077】
また、上記した本実施の形態では、感光ドラム1の表面(保護層1a)のテーバー磨耗(mg/1000回転)が0.4〜0.5としたが、表面(保護層1a)のテーバー磨耗(mg/1000回転)を0.1〜1.0とした場合でも、上記と同様に50000枚後の画像形成枚数(通紙耐久)後においても転写帯電前後の電位変動が小さく、帯電ローラ2表面のトナー汚染を長期にわたって防止することができた。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1の像担持体の最外層のテーバー磨耗(mg/1000回転)を0.1以上1.0以下としたことにより、長期にわたって接触帯電部材の転写残トナーによる汚れに起因する帯電不良を防止して、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の感光ドラムと帯電ローラの層構成を示す概略断面図。
【図3】(a)は、感光ドラム表面(保護層)の膜厚減少がない場合の感光ドラム上の任意の位置における感光ドラム電位と転写残トナー帯電量の関係を示す図、(b)は、感光ドラム表面(保護層)の膜厚減少が大きい場合の感光ドラム上任意の位置における感光ドラム電位と転写残トナー帯電量の関係を示す図。
【符号の説明】
1 感光ドラム(第1の像担持体)
1a 保護層
2 帯電ローラ(接触帯電部材)
3 露光装置
4 現像装置(現像手段)
4b 現像スリーブ
5 転写ローラ(転写手段)
6 定着装置
6a 定着ローラ
6b 加圧ローラ
7 転写残トナー帯電量制御部材(第1の導電性部材)
8 転写残トナー除電部材(第2の導電性部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式などによって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に転写工程後に像担持体上に残留する現像剤(トナー)を現像装置によって「現像同時クリーニング」で像担持体上から除去・回収し、再利用するようにしてクリーニング装置を廃したクリーナレス方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体である感光体、その感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置(帯電工程)、帯電処理された感光体に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置(露光工程)、感光体上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより顕像化する現像装置(現像工程)、上記トナー画像を感光体面から紙などの転写材に転写する転写装置(転写工程)、転写工程後の感光体上に多少ながら残余するトナーを除去して感光体面を清掃するクリーニング装置(クリーニング工程)、転写材上のトナー画像を定着させる定着装置(定着工程)などから構成されており、感光体は繰り返して電子写真プロセス(帯電・露光・現像・転写・クリーニング)が適用されて作像に供される。
【0003】
上記画像形成装置において、転写工程後の感光体上に残余するトナーはクリーニング装置により感光体面から除去されてクリーニング装置内に溜まって廃トナーとなるが、環境保全や資源の有効利用等の点からそのような廃トナーは出ないことが望ましい。
【0004】
そこで、近年、クリーニング装置を無くし、感光体上の転写残トナーを現像装置によって「現像同時クリーニング」で感光体から除去し、現像装置に回収し再利用する装置構成にした「クリーナレス方式」の画像形成装置の実用化がなされてきている。
【0005】
現像同時クリーニングは、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、該静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって、トナーで現像されるべきでない感光体面部分上(非画像部)に存在する転写残トナーを現像装置に回収する方法である。この方式によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、またメンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることで画像形成装置の小型化にも有利である。
【0006】
ところで、現像同時クリーニング方式のクリーナレス画像形成装置においては、感光体表面を帯電する帯電装置が感光体に当接して感光体面を帯電処理する接触帯電装置である場合、感光体上の転写残トナーが感光体と接触帯電装置の接触ニップ部である帯電部を通過する際に、転写残トナー中の特に帯電極性が正規極性とは逆極性に反転しているトナーが接触帯電装置の接触帯電部材(帯電ローラなど)に付着して、接触帯電部材を許容以上にトナー汚染させて帯電不良の原因となってしまう。
【0007】
転写残トナーは、転写バイアスや剥離放電等に影響されて帯電極性が反転するものや除電されて帯電量が少なくなるものがある。従って、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性の反転トナー、帯電量が少ないものが混在しており、その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが、感光体と接触帯電部材の接触ニップ部である帯電部を通過する際に接触帯電部材に付着しやすい。
【0008】
このため、接触帯電部材へのトナーの付着防止するため、感光体の回転方向に対して接触帯電部材の上流側にブラシなどの導電部材を複数設ける方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0009】
この公報における画像形成装置では、転写直後に感光体に接触した導電ブラシ(導電部材)に逆極性バイアスを印加して転写残トナーを一度逆極性に帯電した後に、再度正規極性のバイアスを感光体に接触させた導電ブラシに印加して転写残トナーを正規極性でかつ適度な大きさに帯電する。これにより、帯電ローラ(接触帯電部材)に到達する転写残トナーは、帯電ローラに印加する直流バイアスと同じ極性に揃えられるため、帯電ローラのトナー汚染が軽減される。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−215798号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したように感光体の回転方向に対して帯電ローラ(接触帯電部材)の上流側に導電ブラシ(導電部材)を設けた画像形成装置において、長期にわたって画像形成を行うことにより、感光体表面が導電ブラシの接触により削れて膜厚が減少すると、感光体の静電容量が増加する。
【0012】
そのため、転写バイアス印加による感光体電位の変化が小さくなるため、導電ブラシに印加している電圧と転写後の感光体電位との電位差が大きくなり、導電ブラシからの放電電流量が増加する。その結果、導電ブラシを通過した後の転写残トナーの帯電量が逆極性側に大きくなってしまう。逆極性に帯電した転写残トナーは導電ブラシを通過する際に正規極性に帯電するが、上述のように帯電量が増加すると正規極性に再帯電しきれず、逆極性のまま通過してしまう。
【0013】
よって、帯電ローラ(接触帯電部材)に到達した逆極性の転写残トナーは、帯電ローラに電気的な力で吸着されやすく、表面が汚染されることによって帯電不良の原因となってしまう。
【0014】
そこで本発明は、接触帯電部材が転写残トナーによって汚染されるのを防止して、長期にわたって良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、移動自在な第1の像担持体と、帯電バイアスの印加により前記第1の像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された前記第1の像担持体表面を露光して画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像に現像剤を供給して現像剤像として可視像化する現像手段と、前記現像剤像を第2の像担持体もしくは被転写材に転写する転写手段と、を備え、前記現像手段が、前記転写手段により現像剤像を前記第2の像担持体もしくは被転写材に転写した後に前記第1の像担持体上に残留した残留現像剤を静電的に回収するクリーニング手段を兼ねる画像形成装置において、前記第1の像担持体の最外層のテーバー磨耗(mg/1000回転)が0.1以上1.0以下であることを特徴としている。
【0016】
また、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記現像剤の正規帯電極性と同極性の直流電圧が印加される第1の導電性部材と、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記第1の導電性部材の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記現像剤の正規帯電極性と逆極性の直流電圧が印加される第2の導電性部材と、を有することを特徴としている。
【0017】
また、前記第1の像担持体は、感光層上に少なくとも硬化性樹脂を含有する最外層としての保護層を有し、前記硬化性樹脂の硬化を電子線照射で行うことを特徴としている。
【0018】
また、前記帯電手段は、接触帯電部材を前記第1の像担持体に接触させて帯電を行う接触帯電手段であることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の要部を示す概略構成図である。本実施の形態の画像形成装置は、接触帯電方式で現像同時クリーニングによるクリーナレス方式のレーザビームプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置である。
【0021】
この画像形成装置は、第1の像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)1を備え、感光ドラム1の回転方向(反時計方向)に沿ってその周囲に接触帯電部材としての帯電ローラ(ローラ帯電器)2、現像装置4、接触転写部材としての転写ローラ5、転写残トナー除電部材8、転写残トナー帯電量制御部材7が配置されており、帯電ローラ2と現像装置4間の上方には露光装置3が設置されている。また、感光ドラム1と転写ローラ5間に形成される転写部dの転写材搬送方向の下流側には、定着装置6が設置されている。
【0022】
感光ドラム1は、本実施の形態では外径50mmの負帯電性の有機感光体(OPC)であり、駆動装置(不図示)の駆動によって100mm/secのプロセススピード(周速度)で矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。感光ドラム1は、図2に示すように、導電性支持体(ドラム基体)1e上に、光の干渉を抑え上層の接着性を向上させる下引き層1dと、感光層(電荷発生層1cと電荷輸送層1b)と、保護層1aを下から順に塗布して構成されている(本発明の特徴である感光ドラム1の層構成の詳細については後述する)。
【0023】
帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ軸受け部材(不図示)により回転自在に保持されると共に、押し圧ばね2eによって感光ドラム1の中心方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接されており、感光ドラム1の回転駆動に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aである。
【0024】
帯電ローラ2の芯金2aには電源S1より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施の形態では、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧(−500)と交流電圧(周波数1kHz、ピーク間電圧1.4kVの正弦波)とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
【0025】
また、帯電ローラ2の長手方向長さは320mmであり、図2に示すように、芯金(支持部材)2a上に、下層2bと、中間層2cと、表層2dを下から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは、感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0026】
より具体的には、本実施の形態における帯電ローラ2の仕様は下記の通りである。
【0027】
芯金2a;直径6mmのステンレス丸棒
下層2b;カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ωcm、層厚3.0mm
中間層2c;カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ωcm、層厚700μm
表層2d;フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化錫とカーボンを分散、体積抵抗値107〜1010Ωcm、表面粗さ(JIS規格10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm
【0028】
また、帯電ローラ2表面には、帯電ローラ2表面をクリーニングする可撓性を有するフィルム状の帯電ローラクリーニング部材2fが当接するようにして設けられている。帯電ローラクリーニング部材2fは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され、かつ同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。
【0029】
そして、支持部材2gは、不図示の駆動装置によりギア列を介して帯電ローラ2の長手方向に対し一定量の往復運動駆動するように構成されており、この往復運動駆動によって帯電ローラ2表面が帯電ローラクリーニング部材2fで摺擦される。これにより、帯電ローラ2表面に付着した転写残トナーに再度適量の正規極性の電荷を供給し、感光ドラム1上に戻すことが可能となる。
【0030】
露光装置3は、本実施の形態では半導体レーザを用いたレーザビームスキャナであり、不図示の画像読み取り装置等のホスト処理から入力される画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して、感光ドラム1の一様帯電処理面を露光位置bにおいて走査露光(イメージ露光)Lする。この走査露光Lにより感光ドラム1面のレーザ光で照射されたところの電位が低下することで、感光ドラム1面には走査露光Lした画像情報に対応した静電潜像が順次に形成される。
【0031】
現像装置4は、本実施の形態では二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置であり、感光ドラム1表面の露光部分(明部)にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。この現像装置4は、現像容器4aの開口部に固定マグネットローラ4cを内包した回転自在な非磁性の現像スリーブ4bが設けられており、現像容器4a内の現像剤(トナー)4eを、規制ブレード4dで薄層に現像スリーブ4b上にコーティングし、感光ドラム1と対向する現像部cへ搬送する。現像容器4a内の現像剤4eはトナーと磁性キャリアの混合物であり、2つの現像剤攪拌部材4fの回転によって均一に攪拌されながら現像スリーブ4b側に搬送される。
【0032】
本実施の形態における磁性キャリアの抵抗は約1013Ωcm、粒径は40μmであり、トナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。また、現像容器4a内のトナー濃度は、濃度センサ(不図示)によって検知され、この検知情報に基づいてトナーホッパー4gから適正量のトナーを現像容器4aに補給して、トナー濃度を一定に調整する。
【0033】
現像スリーブ4bは、現像部cにおいて感光ドラム1との最近接距離を350μmに保持して感光ドラム1に近接対向配設されており、現像スリーブ4bは現像部cにおいて感光ドラム1の回転方向(反時計方向)とは逆方向に回転駆動される。
【0034】
現像スリーブ4bには、電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施の形態において、現像スリーブ4bへ印加する現像バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、直流電圧(−350V)と交流電圧(ピーク間電圧1.6kV)とを重畳した振動電圧である。
【0035】
転写ローラ5は、感光ドラム1に所定の押圧力をもって当接して転写部dを形成し、電源S3から転写バイアス(トナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の定電流転写バイアス(本実施の形態では+10μA))が印加されることによって、この転写部dにて第2の像担持体としての用紙などの転写材Pに感光ドラム1表面のトナー像を転写する。
【0036】
定着装置6は、回転自在な定着ローラ6aと加圧ローラ6bを有しており、定着ローラ6aと加圧ローラ6b間の定着ニップ部にて転写材Pを挟持搬送しながら、転写材Pの表面に転写されたトナー像を加熱加圧して熱定着する。
【0037】
次に、上記画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0038】
画像形成時には、感光ドラム1は駆動装置(不図示)により矢印方向(反時計方向)に所定の周速で回転駆動され、上記の帯電バイアスが印加された帯電ローラ2により表面が一様に帯電される。
【0039】
そして、帯電された感光ドラム1上に露光装置3により走査露光Lが与えられて、入力される画像情報に応じた静電潜像が形成される。そして、感光ドラム1上に形成された静電潜像に、現像部cにて感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4の現像スリーブ4bにより感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性に帯電されたトナーを付着させて、トナー像として顕像化(反転現像)する。
【0040】
そして、感光ドラム1上のトナー像が感光ドラム1と転写ローラ5間の転写部dに到達すると、このタイミングに合わせて用紙などの転写材Pがレジストローラ(不図示)によって転写部dに搬送される。
【0041】
そして、前記トナーと逆極性(正極性)の転写バイアスが印加された転写ローラ5により、転写部dに搬送された転写材Pに感光ドラム1と転写ローラ5間に発生する静電力によって、感光ドラム1上のトナー像が転写される。そして、トナー像が転写された転写材Pは定着装置6に搬送され、定着ローラ6aと加圧ローラ6b間の定着部にてトナー像を転写材Pに加熱加圧して熱定着した後に外部に排出され、一連の画像形成動作を終了する。
【0042】
また、トナー像転写後の感光ドラム1表面に残留している転写残トナーは、感光ドラム1の回転にともない帯電部a、露光部bを経由して現像部cに至り、現像装置4の現像スリーブ4bで次工程以後の現像時に、かぶり取りバイアス(現像スリーブ4bに印加する直流電圧と感光ドラム1の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する(現像同時クリーニング)。回収された転写残トナー(残留現像剤)は、次工程以後に用いられることにより、廃トナーをなくすことができる。
【0043】
次に、本実施の形態における感光ドラム1の詳細について説明する。
【0044】
感光ドラム1の保護層1aは、少なくとも硬化性樹脂を含有しており、更に、感光ドラム1表面の滑り性を向上させるために、フッ素原子含有樹脂粒子を分散させることもできる。樹脂粒子の分子量や粒子の粒径は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
【0045】
本発明の実施の形態における感光ドラム1の保護層1a用の結着剤樹脂としては、保護層1aの表面硬度、耐摩耗性、耐傷性の観点から硬化性樹脂を用い、電子線照射により硬化する。この硬化性樹脂は、電子線のエネルギーで重合反応を起こす、官能基を有するモノマーまたはオリゴマーを指し、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子がオリゴマー、それ以下のものがモノマーとして定義される。
【0046】
該重合反応を起こす官能基としては、炭素−炭素二重結合を有する基、開環重合を起こすもの、2種類以上の分子が反応して重合を起こすものなどが挙げられる。特に、本発明の実施の形態においては、硬化性樹脂として炭素−炭素二重結合を有するアクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を含んだ樹脂を用いることが好ましい。
【0047】
上述したように、感光ドラム1の保護層1aとしての硬化性樹脂は電子線照射によって硬化される。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型、ラミナー型などいずれの形式も使用することができる。
【0048】
電子線を照射する場合に、本発明の実施の形態における感光ドラム1においては、良好な電気特性及び耐久性能を得るために照射条件が非常に重要である。よって、本発明の実施の形態における加速電圧は250kV以下が好ましく、より好ましくは150kV以下である。また、線量に関しては、好ましくは1Mrad〜100Mradの範囲であり、より好ましくは3Mrad〜50Mradの範囲である。なお、加速電圧が上記以上であると、感光ドラム1の特性に対する電子線照射のダメージが顕著になる。また、線量が上記範囲よりも少ない場合には硬化が不十分となり、線量が多すぎる場合には感光ドラム1の特性の劣化が起こる。
【0049】
上述したように硬化性樹脂で形成される感光ドラム1の保護層1aを電子線照射によって硬化した場合において、良好な耐削れ性、耐傷性を示すかに関しては、明確な理由は判明していない。ただ、熱または紫外線と比較して、電子線が持つメリットから以下のように考察される。
【0050】
即ち、熱硬化の場合は、保護層1aを完全に硬化するための熱量はかなり大きなものとなり、その熱が保護層1a下に存在する感光層(電荷発生層1cと電荷輸送層1b)自体を劣化させてしまうため、従来は十分な熱量を与えられないまま、保護層1aを形成してしまうため、保護層1aの硬度が不十分なままであった。
【0051】
また、紫外線を用いた場合には、硬化をするためには樹脂に対して、重合開始剤を併用する必要があるものの、一方で重合開始剤の添加量の増加に伴い、その表面硬度が低下してしまうことも分かっており、重合開始剤の量の最適化を図ったとしても高硬度のものを得ることはできず、上記方法で作製された感光ドラム1は、耐削れ性、耐傷性が悪くなってしまうと考えられる。
【0052】
これに対し、本発明の実施の形態のように電子線照射により硬化する保護層1aは、重合開始剤を添加する必要がないため有利である。また、照射エネルギーも紫外線に比べて非常に大きく、電子線の試料に対する透過深さも非常に深いため、保護層1a表面の高硬度化を達成でき、作製された保護層1aは耐削れ性、耐傷性が良好なものになると考えている。
【0053】
上記のように作製された保護層1aを有する本発明の実施の形態の感光ドラム1において、その表面(保護層1a)のテーバー磨耗(mg/1000回転)を測定した結果、0.4〜0.5であった。
【0054】
本発明の実施の形態における感光ドラム1の下引き層1dは、感光層(電荷発生層1c、電荷輸送層1b)の接着性改良、塗工性改良、導電性支持体1eの保護、導電性支持体1e上の欠陥の被覆、導電性支持体1eからの電荷注入性改良、感光層(電荷発生層1c、電荷輸送層1b)の電気的破壊に対する保護などのために形成される。下引き層1dは、それぞれに適した溶剤に溶解されて導電性支持体1e上に塗布される。その際の膜厚としては、0.1〜2μm程度が好ましい。
【0055】
本発明の実施の形態における感光ドラム1の電荷発生層1cに用いる電荷発生物質としては、例えばセレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属及び結晶系、あるいは特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコンなどが挙げられる。電荷発生層1cは、上記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着剤樹脂と共に溶剤に分散し、分散液を塗布、乾燥して形成されるか、又は上記電荷発生物質の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。また、電荷発生層1cの膜厚は、5μm以下、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
【0056】
電荷発生層1c上に形成する電荷輸送層1bは、上記した電荷輸送物質と適当な樹脂を溶剤に溶解することによって得られた溶解液を塗布し、乾燥し形成することが好ましい。上記樹脂としては広範囲なバインダー樹脂から選択でき、市販の樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂等を用いることが可能であるが、これらに限定されるものではない。これらは単独または共重合体ポリマーとして、1種または2種以上混合して用いてもよい。
【0057】
また、上記した本実施の形態のように、感光層(電荷発生層1c、電荷輸送層1b)が有機光導電材料でなく、無機光導電材料でもよく、例えば、Se、As2Se3、a−Si、CdS及びZnO2等を用いることも可能である。ただし、電子写真感光体としての特性である残留電位などの特性を鑑みると、有機光導電材料の電荷発生層と電荷輸送層を積層した構成の機能分離型の感光体構成が特に好ましい。
【0058】
また、感光ドラム1を製造する場合、導電性支持体1eとしてはアルミニウム、ステンレスなどの金属や合金、紙、プラスチックなどが用いられるが、その形状は円筒状シリンダーまたはフィルムなど適用される電子写真装置に応じて任意のものとすることができる。また、非導電性支持体上に導電層を蒸着法やその他の方法で、別に設けることにより導電性支持体として用いてもよい。
【0059】
また、本実施の形態における画像形成装置は、現像装置4の現像スリーブ4bは前述したように現像部cにおいて、感光ドラム1面の進行方向とは逆方向に回転させており、これは感光ドラム1上の転写残トナーの回収に有利である。また、感光ドラム1面上の転写残トナーは、露光部bを通るので露光工程はその転写残トナー上からなされるが、転写残トナーの量は少ないため、大きな影響は現れない。
【0060】
ところで、上述したように転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在しており、そのうちの反転トナーや帯電量が少ないトナーが帯電部aを通過する際に帯電ローラ2に付着することで、帯電ローラ2が許容以上にトナー汚染して帯電不良を生じることになる。
【0061】
また、感光ドラム1面上の転写残トナーの、現像装置4による現像同時クリーニングを効果的に行わせるためには、現像部cに持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置4によって感光ドラム1上の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。なお、反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては、感光ドラム1上から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0062】
更に、近年ユーザニーズの多様化に伴い、写真画像などといった高画像比率な画像などの連続画像形成動作などにより、一度に大量の転写残トナーが発生すると、上記と同様に感光ドラム1上から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0063】
そこで、本実施の形態においては、感光ドラム1の回転方向に対して転写ローラ5と感光ドラム1が当接する転写部dの下流側で、かつ帯電ローラ2と感光ドラム1が当接する帯電部aの上流側に、感光ドラム1上の転写残トナーの分布を均一化かつ除電するための転写残トナー除電部材8を設け、更に、感光ドラム1の回転方向に対して転写残トナー除電部材8の下流側でかつ帯電部aの上流側に、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えると共に帯電量を制御する転写残トナー帯電量制御部材7を設けている。
【0064】
転写残トナー除電部材8を設けることにより、転写部dから転写残トナー帯電量制御部材7へ持ち運ばれる感光ドラム1上のパターン状の転写残トナーはトナー量が多くても、そのトナーが感光ドラム1面に分散分布され、非パターン化されるので、転写残トナー帯電量制御部材7の一部にトナーが集中することがなくなる。これにより、転写残トナー帯電量制御部材7による転写残トナーの全体的な正規極性帯電化処理が常に十分になされて、転写残トナーの帯電ローラ2への付着防止が効果的になされる。また、転写残トナー像パターンのゴースト像の発生も防止される。
【0065】
本実施の形態では、転写残トナー除電部材8と転写残トナー帯電量制御部材7は、適度の導電性を持ったブラシ状部材で形成されており、それぞれのブラシ部が感光ドラム1面に接触するようにして配置されている。転写残トナー除電部材8は接触部fで感光ドラム1面と接触しており、転写残トナー帯電量制御部材7は接触部eで感光ドラム1面と接触している。
【0066】
転写残トナー帯電量制御部材7には電源S4より正規極性(負極性)の電圧(本実施の形態では−400V)が印加されており、転写残トナー除電部材8には電源S5より正規極性と逆極性(正極性)の電圧(本実施の形態では400V)が印加されている。
【0067】
画像形成枚数(通紙耐久)の増加に伴う感光ドラム表面(保護層)の膜厚変化が10〜40%である従来の感光ドラムを用いて、転写残トナー除電部材8と転写残トナー帯電量制御部材7との前後での感光ドラム電位と転写残トナー帯電量の、感光ドラム表面(保護層)の膜厚に対する変化を調べた。図3(a)、(b)にその結果を示す。なお、図3(a)は、画像形成枚数(通紙耐久)が少数で感光ドラム表面(保護層)の膜厚がほとんど減っていない45μmの感光ドラムの場合であり、図3(b)は、画像形成枚数(通紙耐久)が50000枚で感光ドラム表面(保護層)の膜厚が減って30μmの感光ドラムの場合である。
【0068】
また、図3(a)、(b)において、Aは、図1に示した画像形成装置の現像部cと転写部d間、Bは、図1に示した画像形成装置の転写部dと転写残トナー除電部材8との接触部f間、Cは、図1に示した画像形成装置の転写残トナー除電部材8との接触部fと転写残トナー帯電量制御部材7との接触部e間、Dは、図1に示した画像形成装置の転写残トナー帯電量制御部材7との接触部eと帯電部a間における、それぞれの感光ドラム表面の位置であり、それらの位置(A、B、C、D)における感光ドラム電位とトナーの帯電分布を示している。
【0069】
この結果から明らかなように、画像形成枚数(通紙耐久)が少数で感光ドラム表面(保護層)の膜厚が45μmの感光ドラムでは、転写帯電前後の電位変動が大きく(図3(a)のA、B参照)。画像形成枚数(通紙耐久)が50000枚で感光ドラム表面(保護層)の膜厚が30μmに減少した感光ドラムでは、転写帯電前後の電位変動が小さくなっている(図3(b)のA、B参照)。
【0070】
これは、転写ローラ5と感光ドラム1の間に流れる電流が10μAと一定でも、感光ドラム1表面(保護層1a)の膜厚が薄くなると静電容量が大きいため、電位変動が小さくなるためと考えられる。そのため、転写残トナー除電部材8に印加される電圧(+400V)との電位差が、感光ドラム1表面(保護層1a)の膜厚が薄いほど大きくなるため、転写残トナー除電部材8と感光ドラム1間に流れる電流が大きくなる。その結果、転写残トナー除電部材8を通過した転写残トナーの逆極性成分が増加してしまう。
【0071】
また、転写残トナー帯電量制御部材7には正規極性のバイアスが印加されているため、転写残トナー除電部材8通過後の逆極性トナーの大半は転写残トナー帯電量制御部材7に捕捉される。しかしながら、感光ドラム1表面(保護層1a)の膜厚が薄い場合は、上述したように転写残トナー帯電量制御部材7に到達する逆極性トナーが多いため、逆極性のまま転写残トナー帯電量制御部材7を通過しやすくなる。
【0072】
以上の理由より、感光ドラム1表面(保護層1a)が削れて膜厚が減少するに従い、帯電ローラ2に到達する逆極性トナー量が増加し、帯電ローラ2表面がトナー汚染しやすくなる。
【0073】
また、感光ドラム1表面(保護層1a)の削れにともなう、転写残トナー除電部材8から感光ドラム1に流れる電流量の変化をなくす手段として、転写残トナー除電部材8に印加するバイアスを定電圧でなく定電流とする方法が挙げられるが、転写残トナー除電部材8の汚れがその長手方向で不均一であると(長手方向の画像の偏りに起因する)、電位抵抗の低い領域に電流が集中するため電気抵抗の高い領域の除電能力が低下し、帯電量の大きい正規極性トナーが感光ドラム1から離れないで次の画像に影響を及ぼしてしまう。
【0074】
また、感光ドラム表面(保護層)の膜厚を初期時から薄く設定することで膜厚の変化量は小さくできるが、正常な帯電(電位の保持など)を維持できる膜厚までの画像形成枚数(通紙耐久)が著しく減少してしまい、頻繁に感光ドラムを交換する必要が生じ、コスト、環境面において不利となる。
【0075】
そこで、上述した表面(保護層1a)のテーバー磨耗(mg/1000回転)が0.4〜0.5の本発明の実施の形態における感光ドラム1を用いて、画像形成枚数(通紙耐久)が50000枚後の感光ドラム電位とトナーの帯電分布を調べた結果、上記した図3(b)の場合と略同様であった。
【0076】
このように、表面(保護層1a)のテーバー磨耗(mg/1000回転)が0.4〜0.5の本発明の実施の形態における感光ドラム1は、従来の保護層を有する感光ドラムに比べて耐摩耗性が大幅に向上することにより、50000枚後の画像形成枚数(通紙耐久)後においても、転写帯電前後の電位変動が小さく、帯電ローラ2表面のトナー汚染を長期にわたって防止することができた。
【0077】
また、上記した本実施の形態では、感光ドラム1の表面(保護層1a)のテーバー磨耗(mg/1000回転)が0.4〜0.5としたが、表面(保護層1a)のテーバー磨耗(mg/1000回転)を0.1〜1.0とした場合でも、上記と同様に50000枚後の画像形成枚数(通紙耐久)後においても転写帯電前後の電位変動が小さく、帯電ローラ2表面のトナー汚染を長期にわたって防止することができた。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1の像担持体の最外層のテーバー磨耗(mg/1000回転)を0.1以上1.0以下としたことにより、長期にわたって接触帯電部材の転写残トナーによる汚れに起因する帯電不良を防止して、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の感光ドラムと帯電ローラの層構成を示す概略断面図。
【図3】(a)は、感光ドラム表面(保護層)の膜厚減少がない場合の感光ドラム上の任意の位置における感光ドラム電位と転写残トナー帯電量の関係を示す図、(b)は、感光ドラム表面(保護層)の膜厚減少が大きい場合の感光ドラム上任意の位置における感光ドラム電位と転写残トナー帯電量の関係を示す図。
【符号の説明】
1 感光ドラム(第1の像担持体)
1a 保護層
2 帯電ローラ(接触帯電部材)
3 露光装置
4 現像装置(現像手段)
4b 現像スリーブ
5 転写ローラ(転写手段)
6 定着装置
6a 定着ローラ
6b 加圧ローラ
7 転写残トナー帯電量制御部材(第1の導電性部材)
8 転写残トナー除電部材(第2の導電性部材)
Claims (4)
- 移動自在な第1の像担持体と、帯電バイアスの印加により前記第1の像担持体を帯電する帯電手段と、帯電された前記第1の像担持体表面を露光して画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像に現像剤を供給して現像剤像として可視像化する現像手段と、前記現像剤像を第2の像担持体もしくは被転写材に転写する転写手段と、を備え、前記現像手段が、前記転写手段により現像剤像を前記第2の像担持体もしくは被転写材に転写した後に前記第1の像担持体上に残留した残留現像剤を静電的に回収するクリーニング手段を兼ねる画像形成装置において、
前記第1の像担持体の最外層のテーバー磨耗(mg/1000回転)が0.1以上1.0以下である、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記帯電手段の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記現像剤の正規帯電極性と同極性の直流電圧が印加される第1の導電性部材と、前記第1の像担持体の移動方向に沿って前記第1の導電性部材の上流側でかつ前記転写手段の下流側に前記第1の像担持体表面に当接するようにして配置した、前記現像剤の正規帯電極性と逆極性の直流電圧が印加される第2の導電性部材と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記第1の像担持体は、感光層上に少なくとも硬化性樹脂を含有する最外層としての保護層を有し、前記硬化性樹脂の硬化を電子線照射で行う、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記帯電手段は、接触帯電部材を前記第1の像担持体に接触させて帯電を行う接触帯電手段である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
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| JP2008158095A (ja) * | 2006-12-21 | 2008-07-10 | Canon Inc | 画像形成装置 |
| JP2020201323A (ja) * | 2019-06-06 | 2020-12-17 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002268723A patent/JP2004109221A/ja active Pending
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