JP2004123712A - 医薬組成物 - Google Patents

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Tetsuo Furuno
古野 哲生
Kyoko Otsuki
大槻 恭子
Seiji Azuma
東 清次
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Abstract

【課題】アセトアミノフェンに代表されるパラアミノフェノール誘導体の解熱作用を向上する方法を提供し、また、優れた解熱効果を有する医薬組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】解熱作用向上効果を有し安全性の高いグリシンをパラアミノフェノール誘導体と併用することによって、グリシンがパラアミノフェノール誘導体の解熱作用を向上させ、優れた解熱効果を有しながらも胃腸障害などの副効果のない安全な医薬組成物を提供できる。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な解熱作用向上剤に関する。また本発明は、パラアミノフェノール誘導体の解熱作用を向上する方法及び優れた解熱効果を有する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より代表的パラアミノフェノール誘導体であるアセトアミノフェンを含有する多くの解熱剤又は解熱鎮痛剤が市販されている。しかし、いまだ解熱効果は十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アセトアミノフェンに代表されるパラアミノフェノール誘導体の解熱作用を向上する方法を提供し、また、優れた解熱効果を有する医薬組成物を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討の結果、グリシンがパラアミノフェノール誘導体に対して解熱作用向上効果を有すること、また、グリシンとパラアミノフェノール誘導体を併用することによって、解熱効果が向上された医薬組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は下記(1)〜(8)に掲げる解熱作用向上剤または医薬組成物または方法である、
(1) グリシンを含有してなる解熱作用向上剤、
(2) (1)に記載の解熱作用向上剤及びパラアミノフェノール誘導体を含有する医薬組成物、
(3) パラアミノフェノール誘導体とともにグリシンを併用することを特徴とする医薬組成物の解熱効果向上方法、
(4) パラアミノフェノール誘導体1重量部に対してグリシン0.1重量部以上100重量部以下の割合で併用することを特徴とする(3)に記載の解熱効果向上方法、
(5) パラアミノフェノール誘導体とグリシンを含有し、(3)または(4)に記載の方法によって、解熱効果が向上された医薬組成物、
(6) パラアミノフェノール誘導体とともにグリシンを併用することを特徴とするパラアミノフェノール誘導体の解熱作用向上方法、
(7) パラアミノフェノール誘導体1重量部に対してグリシン0.1重量部以上100重量部以下の割合で併用することを特徴とする(6)に記載の解熱作用向上方法、
(8) パラアミノフェノール誘導体とグリシンを含有し、(6)または(7)のいずれかに記載の方法によって、解熱効果が向上された医薬組成物。
【0006】
なお、本明細書中、特に言及しない限り、%はw/v%を意味するものとする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いることのできるパラアミノフェノール誘導体は、解熱作用を有する代表的な化合物であり、アセトアミノフェン(N−アセチル−p−アミノフェノール)、ラクチルフェネチジン等が挙げられる。特にグリシンによる解熱作用向上効果の面からアセトアミノフェンが好ましい。パラアミノフェノール誘導体の使用量は、本発明の効果が得られる量であれば特に制限はないが、成人1日あたり50mg〜4000mg、好ましくは50mg〜2000mg、更に好ましくは100〜1500mgとなるように医薬組成物中の配合量や医薬組成物の使用方法を適宜選択して用いることができ、さらに患者の年齢、体重、症状などにより適宜増減することができる。例えば、パラアミノフェノール誘導体の医薬組成物中の配合量は、医薬組成物全体に対して通常0.01%〜1%、好ましくは0.06〜6%、0.06%〜3%となるように含有してもよく、医薬組成物を1日あたり、1回ないし数回にわけて投与することができる。なお、パラアミノフェノール誘導体は、水付加物(水和物)を用いてもよく、光学活性体、ラセミ体(dl体、l体、d体)などいずれを用いてもよい。
【0008】
本発明に用いることのできるグリシンは別名アミノ酢酸ともいい、医薬品添加物として安定化剤、緩衝剤、甘味剤、矯味剤、懸濁化剤、賦形剤、溶解補助剤として用いられ、更には制酸剤として胃腸薬に配合して用いられている成分であり、胃腸障害のおそれがなく安全性が高い。本発明の医薬組成物に配合するグリシンの配合量は、医薬組成物全体に対して通常、0.001%〜25%、好ましくは0.01%〜15%、更に好ましくは0.01%〜10%、特に好ましくは0.1%〜5%である。また、グリシンのパラアミノフェノール誘導体に対する配合割合としては、通常、パラアミノフェノール誘導体1重量部に対して、グリシンが0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部、更に好ましくは0.1〜25重量部、特に好ましくは0.5〜25重量部である。なお、グリシンは、水付加物(水和物)を用いてもよく、光学活性体、ラセミ体(dl体、l体、d体)などいずれを用いてもよい。
【0009】
本発明の医薬組成物の使用形態としては、医薬品、医薬部外品などをあげることができる。また、本発明の医薬組成物の用途は、パラフェノール誘導体の発現する解熱作用を利用する用途であれば特に制限されないが、例えば発熱を伴う炎症や感冒時の治療用医薬品などが挙げられる。具体的には、炎症時の解熱鎮痛用として悪寒・発熱時の解熱、慢性関節リウマチ・リウマチ熱・変形性関節症・強直性脊椎炎・関節周囲炎・結合織炎(内服)・術後疼痛・歯痛・神経痛・関節痛・腰痛・筋肉痛・捻挫痛・打撲痛・痛風による痛み・頭痛・月経痛(生理痛)・肩こり痛・咽喉痛・抜歯後の疼痛・耳痛・骨折痛・外傷痛の治療用医薬品など、感冒時の解熱剤としては風邪の諸症状(のどの痛み、発熱、悪寒、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛みなど)の治療用医薬品などに用いることができる。
【0010】
本発明の医薬組成物は、本発明の効果を妨げない限り、グリシンおよびパラアミノフェノール誘導体のほかにも、必要に応じて種々の成分を組み合わせることができる。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、解熱鎮痛薬成分、鎮静催眠薬成分、抗炎症薬成分、抗ヒスタミン薬成分、抗アレルギー薬成分、鎮咳薬成分、気管支拡張薬成分または交感神経興奮薬成分、去痰薬成分、生薬成分、制酸成分及びビタミン類から選択される少なくとも1種の成分が挙げられる。本発明において好適な成分としては例えば、次のような成分が例示できる。
【0011】
解熱鎮痛薬成分:例えば、アスピリン、エテンザミド、サリチル酸ナトリウム、アスピリンアルミニウムなど。
鎮静催眠薬成分:例えば、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素など。
抗炎症薬成分:例えば、ケトプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、プラノプロフェン、ピロキシカム、イプシロン−アミノカプロン酸、ベルベリン、グリチルリチン酸、リゾチーム、アラントイン、アズレンおよび薬理学的に許容される塩(例えば、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、ジクロフェナクナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、塩化リゾチームなど)など。
抗ヒスタミン薬成分:例えば、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、イプロヘプチン、イソチペンジル、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、プロメタジン、メブヒドロリン、フェネタジン、ケトチフェン、エメダスチン、アゼラスチン、オキサトミド、メキタジン、テルフェナジン、エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、セチリジン、レボカバスチン、オロパタジンおよびそれらの薬理学的に許容される塩(例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸レボカバスチンなど)など。
抗アレルギー薬成分:例えば、クロモグリク酸、トラニラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、ペミロラスト、タザノラストおよびそれらの薬理学的に許容される塩(例えば、クロモグリク酸ナトリウムなど)など。
鎮咳薬成分:アクロラミド、クロペラスチン、ペントキシベリン(カルベタペンタン)、チペピジン、ジブナート、コデイン、ジヒドロコデイン、ノスカピンおよびそれらの薬理学的に許容される塩(例えば、塩酸クロペラスチン、ヒベンズ酸チペピジン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸ノスカピンなど)など。
気管支拡張薬成分または交感神経興奮薬成分:エフェドリン、メチルエフェドリン、シュードエフェドリン、およびそれらの薬理学的に許容される塩(例えば、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸シュードエフェドリンなど)など。
去痰薬成分:カンゾウ、グアヤコールスルホン酸ナトリウム、グアイフェネシンなど。
生薬成分:キキョウ、ウイキョウ、カミツレ、ケイヒ、葛根湯など。
制酸成分:乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ヒドロタルサイト、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物などのマグネシウム系制酸剤、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウムおよび水酸化カルシウムなどのカルシウム系制酸剤、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等のナトリウム系制酸剤、ポリアミノメチレン樹脂等の陰イオン交換樹脂、ファモチジン、ラニチジン及びシメチジン等のH2受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、ロートエキスなど。
ビタミン類:ビタミンA類としては、例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピン及びその薬理学的に許容される塩(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど)など、ビタミンB類としては、例えば、チアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ピリドキシン、ピリドキサール、ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、デオキシアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジヒドロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニックアルコール、パントテン酸、パンテノール、ビオチン、コリン、イノシトールまたはその薬理学的に許容されるこれらの塩(例えば、塩酸チアミン、硝酸チアミン、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチアミン、酪酸リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、リン酸ピリドキサールカルシウム、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウムなど)など、ビタミンC類としては、例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、その誘導体またはその薬理学的に許容される塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウムなど)など、ビタミンD類としては、例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール及びその薬理学的に許容される塩など)など、ビタミンE類としては、例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体及びその薬理学的に許容される塩(酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウムなど)など、その他のビタミン類としては、例えば、ヘスペリジン、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリオシトリン及びその薬理学的に許容される塩(塩化カルニチンなど)などが例示でき、好ましくはビタミンB類、ビタミンC類、ヘスペリジンおよびそれらの誘導体並びにそれらの塩類である。
【0012】
本発明の医薬組成物では、発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて様々な添加物を任意に選択して用いることができる。例えば、固形製剤では、結合剤(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなど)、賦形剤(ショ糖、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸など)、滑沢剤(ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウムなど)、崩壊剤(メチルセルロース、ポリソルベート80、クロスカルメロースナトリウムなど)、発泡剤(炭酸水素ナトリウムなど)などを使用できる。液剤では、基剤としての溶剤または水、油性基剤、溶解補助剤、懸濁化剤または乳化剤、等張化剤、緩衝剤などが使用できる。また、これらの組成物には、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、甘味剤、酸味剤、着色剤、香料、呈味剤などを添加してもよい。
【0013】
本発明において製剤の剤型あるいは使用形態は、特に限定されず、製剤の用途あるいは種類に応じて、種々の剤型あるいは使用形態をとることができる。
剤型としては、通常、固形剤、半固形剤あるいは液剤、好ましくは固形剤又は液剤の剤型をあげることができる。具体的には、錠剤(口腔内速崩解錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤などを含む)、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、液剤、ゲル剤、リポソーム剤、エキス剤、チンキ剤、レモネード剤、シロップ剤、ゼリー剤、懸濁剤等を例示でき、特に好ましくは錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤または軟カプセル剤、液剤である。これらの組成物は常法により調製して得られ、その際、上述の成分に加えてその製剤に応じた慣用の添加剤を使用することができる。
【0014】
本発明の医薬組成物は、グリシンを併用することによってパラアミノフェノール誘導体の解熱作用が向上しているので液剤においても十分な解熱効果を発現することができる。かかる液剤の粘度の範囲は通常1〜150mPa・S、 好ましくは1〜100mPa・Sの範囲である。粘度は、第14改正日本薬局方粘度測定法のうち円錐−平板形回転粘度計(コーンプレート型粘度計)を用いた測定法に従って測定することができる。また、本発明の医薬組成物が液剤である場合にはpHを調整することが好ましく、液剤のpH範囲は3.0〜6.5、 好ましくは3.0〜5.0であり、さらに好ましくは3.5〜4.5である。
【0015】
本発明は、パラアミノフェノール誘導体とともにグリシンを併用することを特徴とするパラアミノフェノール誘導体の解熱作用向上方法をも提供する。さらに、本発明は、パラアミノフェノール誘導体とともにグリシンを併用することを特徴とする医薬組成物の解熱効果向上方法をも包含する。かかる解熱作用向上方法において、パラアミノフェノール誘導体及びグリシンの配合量、配合割合などは前述の医薬組成物の記載と同様とすることによって達成することができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明において、グリシンはパラアミノフェノール誘導体の解熱作用を向上する優れた効果を有し、グリシンを含有してなる解熱作用向上剤を提供できる。また本発明は、グリシンとパラアミノフェノール誘導体を併用することによってパラアミノフェノール誘導体の解熱作用を向上する方法をも提供する。さらに、本発明の医薬組成物は、グリシンを含有してなる解熱作用向上剤とともにパラアミノフェノール誘導体を含有し、解熱効果が向上された組成物である。
本発明の方法又は医薬組成物によれば、パラアミノフェノール誘導体の解熱作用が向上されることによってパラアミノフェノール誘導体の使用量を減じることができるうえ、併用するグリシンは制酸作用があるため胃腸障害を生じさせない極めて安全性の組成物を提供できる。
【0017】
【実施例】
以下に、試験例及び実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0018】
試験例
本発明の医薬組成物の解熱作用を試験した。試験動物として、SD系雄性ラット(体重200〜300g)を用い、各試験動物の直腸内体温を測定後、発熱物質である乾燥酵母(和光純薬製・商品名「乾燥酵母」)の20%溶液(0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液に懸濁)を10ml/kgで皮下投与した。そして、発熱物質投与の16時間後、直腸内体温を測定した。発熱物質投与前の直腸内体温から2.0度以上発熱したラットを選択し、1群5匹となるよう6群に群分けした。各群のラットに0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液に、アセトアミノフェン及び/又はグリシンを溶解した実施例1〜4、比較例1〜2と、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液のみの比較例3を10ml/kgで経口投与し、投与1時間後の直腸内体温を測定した。発熱時(発熱物質投与16時間後)と、実施例又は比較例を投与後の直腸体温の差を求め解熱作用を比較した。結果を図1に示す。
直腸内体温の差の算出式: 直腸内体温の差(度)= 発熱物質投与16時間後の直腸内体温−試験製剤投与1時間後の直腸内体温
実施例1 アセトアミノフェン1%(w/v)、グリシン0.50%(w/v)
実施例2 アセトアミノフェン1%(w/v)、グリシン0.83%(w/v)
実施例3 アセトアミノフェン1%(w/v)、グリシン2.50%(w/v)
実施例4 アセトアミノフェン1%(w/v)、グリシン8.30%(w/v)
比較例1 アセトアミノフェン1%(w/v)
比較例2 グリシン8.30%(w/v)
比較例3 0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液
【0019】
図1に示す試験の結果から明らかなように、グリシンには解熱作用がないにもかかわらず(比較例2)、アセトアミノフェンの解熱作用を向上する効果があることがわかった(実施例1〜4)。また、アセトアミノフェン1重量部に対してグリシンが0.5〜8.3重量部の割合で併用された実施例1〜4を比較すると、グリシンによる解熱作用の向上効果はグリシンの配合割合の増加とともにより高くなることがわかった。
【0020】
実施例5 シロップ剤
アセトアミノフェン 300mg
臭化水素酸デキストロメトルファン  16 mg
d−マレイン酸クロルフェニラミン  1.16 mg
グリシン     250 mg
精製白糖     5000 mg
果糖ブドウ糖液糖    4000 mg
グリセリン     2000 mg
エリスリトール       250 mg
無水クエン酸    48 mg
クエン酸3ナトリウム2水和物  45 mg
酒石酸     24 mg
DL−リンゴ酸    8 mg
塩化ナトリウム    15 mg
カラメル     25 mg
パラオキシ安息香酸メチル   2.82 mg
パラオキシ安息香酸プロピル   0.56 mg
香料     微量
精製水     適量
合 計           30 mL
第14改正日本薬局方製剤総則「シロップ剤」の製法により、上記処方の内容量30ml/瓶のシロップ剤を製した。 このシロップ剤のpHは、4.2(20℃)であり、粘度は、3.2 mPa・S であった。
【0021】
実施例6  チュアブル錠
アセトアミノフェン    900 mg
グリシン     500 mg
アスコルビン酸    200 mg
マンニット     適量
結晶セルロース    120 mg
アスパルテーム    10 mg
ヒドロキシプロピルセルロース   72 mg
ステアリン酸マグネシウム   28 mg
香料     微量
合 計         3600 mg
第14改正日本薬局方製剤総則「錠剤」の製法により、1日量3錠中の処方が上記の通りである1錠1.2gのチュアブル錠を製した。
【0022】
実施例7     ドライシロップ剤
アセトアミノフェン    900 mg
グリシン     900 mg
アスコルビン酸    500 mg
臭化水素酸デキストロメトルファン  48 mg
dl−マレイン酸クロルフェニラミン  7.5 mg
グアイフェネシン    250 mg
無水クエン酸    1200 mg
クエン酸3ナトリウム2水和物  220 mg
カルメロースナトリウム   1100 mg
香料     微量
精製白糖     適量
合 計           36000 mg
第14改正日本薬局方製剤総則「散剤」の製法により、1日量3包中の処方が上記のとおりである1包12gのドライシロップ剤を製した。
【0023】
実施例8     カプセル剤
アセトアミノフェン    900 mg
グリシン     500 mg
アスコルビン酸    500 mg
臭化水素酸デキストロメトルファン  48 mg
dl−マレイン酸クロルフェニラミン  7.5 mg
dl−塩酸メチルエフェドリン   60 mg
無水カフェイン    75 mg
結晶セルロース    適量
ステアリン酸マグネシウム   10 mg
合 計            2220 mg
第14改正日本薬局方製剤総則「カプセル剤」の製法により、1日量6カプセル中の処方が上記の通りである、1カプセルが370mg(内容量)のカプセル剤を製した。
【0024】
実施例9     顆粒剤
アセトアミノフェン    450 mg
エテンザミド    750 mg
グリシン     900 mg
アスコルビン酸    100 mg
臭化水素酸デキストロメトルファン  48 mg
dl−マレイン酸クロルフェニラミン  7.5 mg
dl−塩酸メチルエフェドリン   60 mg
無水カフェイン    75 mg
リン酸リボフラビン    5 mg
ヘスペリジン    18 mg
マンニット     適量
結晶セルロース    400 mg
ヒドロキシプロピルセルロース   60 mg
軽質無水ケイ酸    微量
香料     微量
合 計          3600 mg
第14改正日本薬局方製剤総則「顆粒剤」の製法により、1日量3包中の処方が上記の通りである、1包1.2gの顆粒剤を製した。
【0025】
実施例10  錠剤
アセトアミノフェン    450 mg
エテンザミド    750 mg
グリシン     350 mg
ブロムワレリル尿素    600 mg
無水カフェイン    75 mg
乳糖     適量
結晶セルロース    300 mg
ヒドロキシプロピルセルロース   50 mg
香料     微量
合 計        2700 mg
第14改正日本薬局方製剤総則「錠剤」の製法により、1日量9錠中の処方が上記の通りである、1錠300mgの錠剤を製した。
【0026】
実施例11  散剤
アセトアミノフェン    300 mg
エテンザミド    960 mg
グリシン     900 mg
アリルイソプロピル尿素   120 mg
カフェイン     240 mg
アスコルビン酸    400 mg
硝酸チアミン    1 mg
リン酸リボフラビン    12 mg
ヘスペリシン    18 mg
合成ヒドロタルサイト   200 mg
アスパルテーム    10 mg
コーンスターチ    適量
香料     微量
ステアリン酸マグネシウム   微量
合 計           3600 mg
第14改正日本薬局方製剤総則「散剤」の製法により、1日量3包中の処方が上記の通りである1包1.2gの散剤を製した。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例において、アセトアミノフェンの解熱作用と、アセトアミノフェンとともにグリシンを含有した組成物における解熱効果とを比較した結果を示した図である。

Claims (5)

  1. グリシンを含有してなる解熱作用向上剤。
  2. 請求項1に記載の解熱作用向上剤およびパラアミノフェノール誘導体を含有する医薬組成物。
  3. パラアミノフェノール誘導体とともにグリシンを併用することを特徴とするパラアミノフェノール誘導体の解熱作用向上方法。
  4. パラアミノフェノール誘導体1重量部に対してグリシン0.1重量部以上100重量部以下の割合で併用することを特徴とする請求項3に記載の解熱作用向上方法。
  5. パラアミノフェノール誘導体とグリシンを含有し、請求項3乃至4のいずれかに記載の解熱作用向上方法によって、解熱効果が向上された医薬組成物。
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