JP2004123799A - スチレン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造方法は、スチレン系樹脂100重量部、ジメチルエーテルを30重量%以上含有する物理発泡剤6.0〜15.0重量部、及び、アルキルジエタノールアミン及び/又はグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステル0.2〜2.0重量部を押出機に供給し溶融混練して押出発泡することを特徴とするので、静電気に起因したスチレン系樹脂発泡体の発火を効果的に抑制することができる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジメチルエーテルを含む物理発泡剤を用いて発火の虞れなくスチレン系樹脂発泡体を製造することができるスチレン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から種々の分野においてスチレン系樹脂発泡体が用いられている。このスチレン系樹脂発泡体の製造に用いられる物理発泡剤として塩化メチルや塩化エチルが汎用されている。
【0003】
ところが、塩化メチルや塩化エチルは、人体に対してあまり良い物質とはいえず使用を控える必要があり、その代替として、ジメチルエーテルが用いられている。
【0004】
このようなジメチルエーテルを用いたスチレン系樹脂発泡体の製造方法としては、特許文献1には、40〜85重量%のジメチルエーテル、メチルエチルエーテル及びジエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種以上のエーテルと、15〜60重量%の炭素数が3〜5の飽和炭化水素よりなる群から選ばれた1種以上の飽和炭化水素とからなる発泡剤を用いたスチレン系樹脂発泡体の製造方法が記載されている。
【0005】
しかしながら、上記エーテルは、着火エネルギーが低くて非常に可燃性の高いガスであり、しかも、エーテルは、スチレン系樹脂に対して透過性が高く、押出機より押出された直後から外気中に放散されることから、エーテルが発泡体内から抜けるまでの間に静電気が発生すると、エーテルが発火する虞れがあるといった問題点があった。
【0006】
【特許文献1】
WO99/54390(特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ジメチルエーテルを含む物理発泡剤を用いて汎用の発泡設備でもってジメチルエーテルを発火させる虞れなくスチレン系樹脂発泡体を製造することができるスチレン系樹脂発泡体の製造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決する手段】
本発明のスチレン系樹脂発泡体は、スチレン系樹脂100重量部、ジメチルエーテルを30重量%以上含有する物理発泡剤6.0〜15.0重量部、及び、アルキルジエタノールアミン及び/又はグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステル0.2〜2.0重量部を押出機に供給し溶融混練して押出発泡することを特徴とする。
【0009】
上記スチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられ、ブロック、ランダム又はグラフト共重合体の何れであってもよい。
【0010】
又、上記スチレン系樹脂としては、上記スチレン系単量体を主成分とする、上記スチレン系単量体とこのスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体との共重合体であってもよく、このようなビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、ブタジエン、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジエチルフマレート、ジビニルベンゼン等が挙げられ、ブロック、ランダム又はグラフトの何れであってもよい。
【0011】
そして、発泡剤としては、ジメチルエーテルを30重量%以上含有する物理発泡剤が用いられる。これは、ジメチルエーテルの発泡剤中における含有量が30重量%未満であると、発泡剤として塩化メチルや塩化エチル等の塩化アルキルを用いた時と同様の発泡倍率を有するスチレン系樹脂発泡体を得ることができないからである。
【0012】
又、上記ジメチルエーテルを30重量%以上含有する物理発泡剤の押出機への供給量は、少ないと、所望の発泡倍率を有するスチレン系樹脂発泡体を得ることができず、又、多いと、独立気泡率の高いスチレン系樹脂発泡体を得ることができないので、スチレン系樹脂100重量部に対して6.0〜15.0重量部に限定される。
【0013】
更に、上記物理発泡剤にジメチルエーテル以外に含有される物理発泡剤としては、押出機から押出された溶融状態のスチレン系樹脂を発泡させることができれば、特に限定されず、例えば、i−ブタン、n−ブタン、二酸化炭素、水、窒素、塩化メチル、塩化エチル、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン等が挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0014】
そして、本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造方法では、アルキルジエタノールアミン〔R−N(CH2 CH2 OH)2 但し、Rはアルキル基〕及び/又はグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルが帯電防止剤として押出機に供給される。
【0015】
上記アルキルジエタノールアミン及びグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルは、スチレン系樹脂との相溶性が低いことから、押出機より押出された直後から直ちにスチレン系樹脂発泡体の表面に円滑にブリードアウトし、少量の添加量でもってスチレン系樹脂発泡体の帯電を確実に防止する。
【0016】
即ち、上記アルキルジエタノールアミン及びグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルは、スチレン系樹脂への少量の添加量でもってスチレン系樹脂発泡体の帯電防止効果を効果的に発揮し、スチレン系樹脂発泡体の押出し直後からスチレン系樹脂発泡体中のジメチルエーテルが抜けるまでの間にスチレン系樹脂発泡体表面に静電気が発生するのを確実に防止し、この静電気に起因したスチレン系樹脂発泡体の製造工程中におけるジメチルエーテルの発火を確実に防止することができる。
【0017】
そして、上記アルキルジエタノールアミン及びグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルは、スチレン系樹脂への少量の添加量で足りることから、得られるスチレン系樹脂発泡体は、その曲げ強度等の機械的強度の低下を生じることはなく、機械的物性に優れている。
【0018】
しかも、上記アルキルジエタノールアミン及びグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルは、金属成分を含有しておらず、スチレン系樹脂発泡体に難燃性を付与するために通常、添加される後述する難燃剤、特に臭素系難燃剤の難燃効果を阻害することがないといった優れた効果も発揮する。
【0019】
上記アルキルジエタノールアミンのアルキル基Rは、炭素数が少ないと、スチレン系樹脂発泡体の帯電防止効果が低下することがあり、又、炭素数が多いと、アルキルジエタノールアミンの帯電防止性能が低下することがあるので、炭素数が11〜21のアルキル基が好ましく、炭素数が11〜18のアルキル基がより好ましく、炭素数が18のアルキル基が特に好ましい。
【0020】
そして、上記アルキルジエタノールアミンとしては、例えば、デシルジエタノールアミン、ウンデシルジエタノールアミン、ドデシルジエタノールアミン、トリデシルジエタノールアミン、テトラデシルジエタノールアミン、ペンタデシルジエタノールアミン、ヘキサデシルジエタノールアミン、ヘプタデシルジエタノールアミン、オクタデシルジエタノールアミン、ノナデシルジエタノールアミン、エイコシルジエタノールアミン等が挙げられる。
【0021】
又、グリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルは、モノグリセリドが好ましく、このようなモノグリセリドとしては、例えば、ラウリン酸モノグリセリド(ラウリン酸:炭素数12)、ミリスチン酸モノグリセリド(ミリスチン酸の炭素数:14)、パルミチン酸モノグリセリド(パルミチン酸の炭素数:16)等が挙げられ、ラウリン酸モノグリセリドが好ましい。
【0022】
なお、高級脂肪酸の炭素数は、少ないと、スチレン系樹脂との混練性が低下してスチレン系樹脂発泡体の帯電防止効果が低減し、又、多いと、グリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルの帯電防止性能が低下するので、11〜16に限定される。
【0023】
そして、上記アルキルジエタノールアミン及び/又はグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルの押出機への供給量は、少ないと、スチレン系樹脂発泡体の帯電防止効果が発揮されず、又、多いと、スチレン系樹脂の可塑化効果が大きくなってスチレン系樹脂発泡体の機械的強度が低下することがあるので、スチレン系樹脂100重量部に対して0.2〜2.0重量部に限定され、0.4〜1.5重量部が好ましい。なお、アルキルジエタノールアミン及びグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルは、単独で用いられても併用されてもよい。なお、上記アルキルジエタノールアミンとグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルとを併用する場合は、両者の総量が上述の供給量となるように調整する。
【0024】
更に、上記スチレン系樹脂には、スチレン系樹脂発泡体に難燃性を付与するために難燃剤が添加されてもよく、このような難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、ペンタブロモモノクロロシクロヘキサン、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤;トリフェニルフォスファイト等のリン系難燃剤等挙げられ、臭素系難燃剤が好ましく、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタンがより好ましく、ヘキサブロモシクロドデカンが特に好ましい。なお、上記難燃剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0025】
そして、上記難燃剤の押出機への供給量は、少ないと、スチレン系樹脂発泡体の難燃性が低下することがあり、又、多いと、スチレン系樹脂発泡体の機械的強度が低下したり或いは発泡倍率が低下することがあるので、スチレン系樹脂100重量部に対して2〜4重量部が好ましい。
【0026】
又、スチレン系樹脂発泡体を製造するには、所定量のスチレン系樹脂、ジメチルエーテルを30重量%以上含有する物理発泡剤、及び、アルキルジエタノールアミン及び/又はグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルを押出機に供給して通常の条件下にて溶融、混練して押出発泡すればよい。
【0027】
【実施例】
(実施例1〜4、比較例1〜3)
口径が50mmの第一押出機の先端に口径が65mmの第二押出機を接続してなるタンデム型押出機の第一押出機に、ポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−18」)100重量部、帯電防止剤として表1に示した量のオクタデシルジエタノールアミン(丸菱油化社製 商品名「デノン2035」)、ラウリン酸モノグリセリド(丸菱油化社製 商品名「デノン2659」、ラウリン酸の炭素数:12)、アルキルベンゼンスルフォネート(丸菱油化社製 商品名「ケミスタット3033N」)又はステアリン酸モノグリセリド(ステアリン酸の炭素数:18)、ヘキサブロモシクロドデカン3.0重量部及び発泡核剤としてタルク粉末0.5重量部を供給して溶融混練すると共に、第一押出機内に、表1に示した量のジメチルエーテル(DME)、i−ブタン及び二酸化炭素からなる物理発泡剤を圧入して、溶融状態のポリスチレンと物理発泡剤とを混合混練した上で、このポリスチレンを第二押出機に連続的に供給して溶融混練しつつ発泡に適した温度に冷却した後、第二押出機の先端に取付けた幅70mm、厚み1.2mmの口金を有するダイから35kg/時間の押出量(吐出量)で押出発泡して、断面が横長長方形状のスチレン系樹脂発泡体を連続的に製造した。
【0028】
上記スチレン系樹脂発泡体の断面寸法(縦幅及び横幅)、密度、燃焼性及び減衰率を下記に示した方法で測定し、その結果を表2に示した。
【0029】
(密度)
スチレン系樹脂発泡体の密度をJIS K7222に準拠して測定した。
【0030】
(燃焼性)
第二押出機より押出発泡させてから一週間経過した後のスチレン系樹脂発泡体から、この発泡体の任意部分の厚み方向の中央を中心にして厚み方向(VD)の相反する方向に5mmづつ、発泡体の押出方向(MD)の相反する方向に100mmづつ、発泡体の表面に沿って且つ押出し方向に直交する方向(TD方向)の相反する方向に12.5mmづつの大きさでもって切り出して、縦200mm×横25mm×高さ10mmの直方体形状の試験片を作製した。
【0031】
そして、上記試験片の表面に着火限指示線及び燃焼限界指示線をMD方向に
20mmの間隔を存して描いた上で、試験片の表面にろうそくの炎の先端を付けた状態でろうそくを着火限指示線から燃焼限界指示線まで移動させた後、直ちにろうそくの炎を試験片の表面から離し、ろうそくの炎を試験片の表面から離した瞬間から試験片表面の炎が消えるまでの時間を測定した。
【0032】
試験片を5つ用意し、各試験片について上記の要領で時間を測定し、その平均時間を燃焼性とした。
【0033】
(減衰率)
スチレン系樹脂発泡体の減衰率をJIS L1094に準拠して測定した。具体的には、第二押出機より押出発泡させてから一週間経過した後のスチレン系樹脂発泡体の表面部分から、縦40mm×横40mm×厚さ2mmの板状の試験片を切り出した。
【0034】
そして、上記試験片を22℃、湿度50%の雰囲気下に24時間放置した後、この試験片にスタティックオネストメーター(シンド静電気社製 商品名「TYPE S−5109」)を用いて電圧10kVを印加し、試験片の帯電量が一定となったところで初期帯電量を測定した。
【0035】
しかる後、試験片への電圧の印加を停止してから60秒後の試験片の帯電量(60秒後帯電量)を測定した。そして、下記式から減衰率を算出した。なお、減衰率は、値が大きいほど帯電防止性に優れている。
減衰率(%)=100×〔初期帯電量(kV)−60秒後帯電量(kV)〕/初期帯電量(kV)
【0036】
試験片を5つ用意し、各試験片について上記の要領で減衰率を測定し、その平均値を減衰率とした。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】
本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造方法は、スチレン系樹脂100重量部、ジメチルエーテルを30重量%以上含有する物理発泡剤6.0〜15.0重量部、及び、アルキルジエタノールアミン及び/又はグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステル0.2〜2.0重量部を押出機に供給し溶融混練して押出発泡することを特徴とするので、押出発泡直後からスチレン系樹脂発泡体の表面にはアルキルジエタノールアミン及び/又はグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルが適当量だけブリードアウトしており、よって、スチレン系樹脂発泡体の押出発泡直後からスチレン系樹脂発泡体中からジメチルエーテルが抜け出るまでの間にスチレン系樹脂発泡体の表面に静電気が発生するのを確実に防止し、静電気に起因したスチレン系樹脂発泡体の発火を効果的に抑制することができる。
【0040】
従って、本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造方法によれば、別途、ジメチルエーテル濃度を減少させる設備やスチレン系樹脂発泡体の帯電を防止する設備のような特別な設備を要することなく、汎用の押出発泡設備を用いて簡易に且つ確実にスチレン系樹脂発泡体を製造することができる。
【0041】
又、スチレン系樹脂発泡体には難燃剤を添加して難燃性を付与することが行われているが、このようにスチレン系樹脂発泡体に難燃剤を添加した場合にあっても、アルキルジエタノールアミン及びグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステルは金属成分を含有しないことから、難燃剤、特に臭素系難燃剤の難燃効果を阻害することはなく、よって、本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造方法によれば、優れた難燃性を有するスチレン系樹脂発泡体を簡易に且つ確実に製造することができる。
Claims (1)
- スチレン系樹脂100重量部、ジメチルエーテルを30重量%以上含有する物理発泡剤6.0〜15.0重量部、及び、アルキルジエタノールアミン及び/又はグリセリンの炭素数が11〜16の高級脂肪酸エステル0.2〜2.0重量部を押出機に供給し溶融混練して押出発泡することを特徴とするスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
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| JP2002286073A JP3913655B2 (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | スチレン系樹脂発泡体の製造方法 |
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| CN111995824A (zh) * | 2020-08-31 | 2020-11-27 | 东莞市星偌包装材料有限公司 | 一种抗静电发泡片材及其制备方法 |
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2002
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