JP2004123836A - シリコーン発泡体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリコーン原料を所要の成形型に対して、意図的に制御した量だけ注入し発泡させることで、所望の密度とすると共に、均質な3次元網状骨格を有するシリコーン発泡体と、これを製造する方法とを提供する。
【解決手段】意図的に制御された量のシリコーン原料Mを所要の密閉発泡容器22内に注入し、体積制限下で発泡させることで、該密閉発泡容器22のキャビティ形状に合致した外部輪郭形状を有し、かつ均質なシリコーン樹脂の3次元網状骨格を有するシリコーン発泡体を得る。
【選択図】 図2
【解決手段】意図的に制御された量のシリコーン原料Mを所要の密閉発泡容器22内に注入し、体積制限下で発泡させることで、該密閉発泡容器22のキャビティ形状に合致した外部輪郭形状を有し、かつ均質なシリコーン樹脂の3次元網状骨格を有するシリコーン発泡体を得る。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シリコーン発泡体およびその製造方法に関し、更に詳細には、シリコーン原料を密閉発泡容器内に注入し、減圧下で化学的に発泡させることで、割れ等の形状的な欠損を生じることなく、高発泡倍率、すなわち低い密度および高い通気性を達成し得るシリコーン発泡体と、該シリコーン発泡体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばクッション材、断熱材、防音・吸音材または衝撃吸収材の材質として、各種高分子発泡体が使用されている。前記高分子発泡体の基となる高分子としては、オレフィン系樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が知られており、この中でも該ウレタン樹脂はその発泡時における取り扱い性並びに密度および気泡径等の物性設定をなす発泡倍率の設定が容易である、といった長所を有するため、一般に多用されている。しかし、その一方で前記ウレタン樹脂は、熱に弱く、その使用限度が180℃であり、130〜220℃前後から熱分解を始めてしまう。このため前述の断熱材や、高温下で使用される防音・吸音材または衝撃吸収材としては、好適に使用し得ない。
【0003】
これに対して前記シリコーン樹脂は、シロキサン結合(−Si−O−)から形成されているため、この分子構造に起因して耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性および耐老化性が高いことが知られている。このため、高温等の劣悪な環境下で好適に使用されている。そして前記シリコーン樹脂を原料として発泡体を製造する方法として、一般に以下の2つが挙げられる。
▲1▼骨格を形成するシリコーン樹脂原料を硬化させる際に、該硬化により発生するガスまたは発泡剤から発生するガスを利用することで発泡体とする、所謂化学的発泡法。
▲2▼骨格を形成するシリコーン樹脂原料としての付加反応型シリコーンゴム(未反応状態)に対して、気泡形成材としての塩化ナトリウム、ショ糖または尿素等の溶解性粉体を混錬・分散させ、加熱硬化後のシリコーン樹脂中から該熔解性粉体を所要の溶媒にて抽出して乾燥させる、所謂抽出法。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
しかし、前記シリコーン樹脂を原料として、前述の▲1▼の化学発泡法により発泡体を製造した場合には、最終的に得られる発泡体を形成する骨格強度が低下して形状が維持できなくなるために発泡倍率が余り大きく取れず、おおよそ15倍程度が限界となっている。これは、発泡倍率を決定する泡化反応と、骨格強度を決定する樹脂化反応とのバランスが崩れてしまうためであり、基本的に該泡化反応を優先させる組成の場合、該骨格強度が低下する。
【0005】
また一般的に発泡倍率の高い原料は、発泡中に発生する熱量が大きいため、前記樹脂化反応が促進されて反応早期から骨格強度が充分となる一方、発泡後にシリコーン発泡体を構成する前述のシロキサン結合(−Si−O−)がSiO2(シリカ)に熱分解されてしまう畏れも大きい。このため、得られたシリコーン発泡体が部分的に脆化してしまい、その形状を維持できなくなり、その結果、クッション性や伸び率等の物性が悪化してしまうことも理由となっている。これらの理由により、前記ウレタン樹脂を原料とした発泡体と較べて前記シリコーン発泡体は、密度が大きい、すなわち重くなってしまう問題が指摘される。また、▲2▼の抽出法により発泡体を形成した場合には、製造工程の増加等により時間およびコストが掛かってしまう問題が指摘される。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来技術に係るシリコーン発泡体およびその製造方法が内在していた欠点に鑑み、これを好適に解決すべく提案されたものであって、減圧下で発泡をさせることにより、従来の方法で製造されるシリコーン発泡体でなし得なかった発泡倍率を発現し、これにより低い密度を獲得し得るシリコーン発泡体と、これを製造する方法とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の発明に係るシリコーン発泡体は、所要の発泡倍率となるように調整されたシリコーン原料を密閉発泡容器内で減圧状態下に発泡させたシリコーン発泡体であって、最終的に得られる発泡倍率が少なくとも15倍以上になっていることを特徴とする。
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の更に別の発明に係るシリコーン発泡体の製造方法は、所要の発泡倍率となるよう調整したシリコーン原料を所要の密閉発泡容器に注入し、
前記密閉発泡容器を減圧状態の下で前記シリコーン原料を発泡させ、
これにより前記シリコーン原料を少なくとも15倍以上の倍率で発泡させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るシリコーン発泡体およびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、かつ製造方法を併記しながら以下に説明する。本願の発明者は、シリコーン樹脂の原料を発泡剤等を使用することで、所謂化学的に発泡させるに際して、通常の常圧下発泡(以下、フリー発泡と云う)において所定の発泡倍率にしかならない原料を使用し、これを所要の成形型等の密閉発泡容器の内部で減圧下に発泡させることで、フリー発泡では困難であった15倍以上の発泡倍率を達成し、これにより低い密度としたシリコーン発泡体を容易に製造し得ることを知見したものである。
【0010】
本発明の好適な実施例に係るシリコーン発泡体は、シリコーン樹脂が硬化する際に発生する水素ガスを利用して、該樹脂をフォーム化させる脱水素反応型等の、所謂化学発泡法により得られるものである。前記シリコーン発泡体10は、図1に示す如く、内部に連通したセルを形成するシリコーン樹脂の骨格から構成される。そして、本発明に係る前記シリコーン発泡体10は、その発泡倍率が、少なくとも15倍以上に設定されるものである。前記発泡倍率を、少なくとも15倍以上とすることで、これまでのフリー発泡では得られなかった、低い密度、すなわち軽量なシリコーン発泡体10を得ることが可能となった。
【0011】
前述の15倍以上の発泡倍率を達成するためには、フリー発泡による発泡倍率と、減圧による発泡の発泡倍率とを乗じた総発泡倍率(以下、総発泡倍率=フリー発泡による発泡倍率×減圧発泡による発泡倍率、と定義する)が15倍以上となればよい。前記減圧発泡の倍率は、基本的にシリコーン原料Mに施される減圧の度合い、すなわち減圧度と、発泡前後に該シリコーン原料Mが発現する粘度とによって決定される。なお、本発明における「発泡」とは、後述する2液性のシリコーン原料Mを混合することで、該原料Mが体積的にライズ(膨張)する状態を指し、「発泡の開始」とは該シリコーン原料Mを構成する2成分が混合されて反応が開始される時点を、「発泡の終了」とはライズの略終了した時点を夫々指す。従って、ライズの終了後であって、前記シリコーン原料Mの反応が完了せず未だに発熱が続いている状態は、本発明で云う「発泡」状態に当たらない。また、本発明の「ライズの略終了時の粘度」とは、減圧によって得られるシリコーン発泡体10のライズが略停止した時点の粘度を指し、「ライズ前の粘度」とは、該シリコーン原料Mのライズが略開始された時点の粘度を指す。
【0012】
(粘度について)
前記粘度については、そのライズ前の粘度およびライズの略終了時の粘度が、夫々5Pa・S(5000cps)以下および100Pa・S(100000cps)以下である必要がある。ここで示される各粘度の数値は、前記シリコーン原料Mの組成に密接な関係があり、基本的にフリー発泡の倍率が高い原料Mほど小さなものとなる。すなわち前記粘度の数値は、得るべきシリコーン発泡体10のフリー発泡の発泡倍率、言い換えれば該発泡体10のシリコーン原料Mの組成によって決定される。
【0013】
前記シリコーン発泡体10を製造する際に使用されるシリコーン原料Mに係る化学構造反応式は、以下の式1の如く表される。シラノール基や、水、アルコール等の水酸基含有物およびビニル基やSi−H基が夫々反応することで、発泡ガスである水素が発生すると共に、樹脂化(重合・硬化)が進行するものである。従って、低い発泡倍率のシリコーン発泡体10を製造する場合には、前記水素ガスの発生量を抑制する必要があり、具体的には出発原料となる末端にシラノール基を有する物質や、ビニル基およびSi−H基の数の制御により達成される。これは出発原料の初期分子量が大きければ、得られるシリコーン発泡体10が所定の分子量に至るまでの必要とされる反応の回数が減少し、発生している水素量も減少するためである。
【0014】
【式1】
【0015】
(ライズ前の粘度)
前記シリコーン原料Mとして分子量が大きな物質が選択され、前述した[式1]における(a)および(b)に係る反応が余り起こらない場合、該反応により反応中の該原料Mに対して供給される熱量も少ないものとなる(前記(a)および(b)に係る反応は発熱反応)。このように反応時に供給される熱量が少なくなると、水素の発生に係る泡化反応に比較して、シリコーン原料Mの樹脂化反応はその進行が緩慢となり(阻害されるとすべきか?)、短時間内での充分な樹脂化、すなわち充分な骨格強度の達成が困難となる。
【0016】
一般のフリー発泡の場合、樹脂化反応の進行による前記骨格強度の増加は、泡化反応により発生する水素ガスを充分にシリコーン原料M内に保持し得るに足るものである。しかし減圧発泡の実施に当たっては、前記骨格強度の増加が水素ガスの発生量および減圧による体積膨張に対して充分なものとならず、該ガスをシリコーン原料M内に保持し得なくなってしまう。すなわち発泡をなす水素ガスが減圧処理により、前記シリコーン原料Mの系外に排出されてしまい、その結果、減圧による発泡が充分に生かせないことになる。
【0017】
これらのことを纏めると減圧発泡の可否の判断については、シリコーン原料Mの重合反応時における骨格強度の増加、すなわち樹脂化反応の進行度合いによる区別が有効と考えられる。そしてこの樹脂化反応の進行度合いは、重合反応における発熱量と密接な関係があり、ここから本発明においては、出発物質であるシリコーン原料Mの分子量が一定以下の場合、すなわち該原料Mが示す粘度が一定以下、具体的には5Pa・S(5000cps)以下であることが要求される。このような条件下においては、発生する水素ガスの系内での保持が困難となる現象は起こり得ない。これは、前述の[式1]における(a)および(b)に係る化学式が充分に起こる低分子量のシリコーン原料M、すなわち高発泡倍率を達成するシリコーン原料Mにおいて、該(a)および(b)に係る化学式に伴なう発熱が充分となるためである。具体的には、フリー発泡の発泡倍率8倍程度以上のシリコーン発泡体10を製造し得るシリコーン原料Mにおいて前記水素ガスの保持は達成される。
【0018】
なお、高分子のシリコーン原料Mの樹脂化反応の進行度合いが、水素ガスの発生に係る泡化反応に対して緩慢であり、減圧によって該水素ガスの系内保持が困難になる問題については、反応中の発熱量が少ないことが原因であるため、該樹脂化反応を促進させるに足る熱量を系外から供給すれば回避し得る。具体的には、前記反応を所定温度の恒温槽中で実施する等の方法が考えられる。この際に加えられる熱が高過ぎると、樹脂化反応によって形成されるシロキサン結合が熱分解してシリカとなり、前述([0005])の如く骨格が脆化してしまうため、該加熱の度合いは加熱されるシリコーン原料Mの内部温度が200℃以上とならないよう留意する必要がある。
【0019】
(ライズの略終了時の粘度および温度)
また、前記出発原料であるシリコーン原料Mの分子量が大きいものとなると、前述の如く、樹脂化に際して副生する水素が減少して、フリー発泡の発泡倍率が低くなる一方で該原料Mの粘度は高いものとなる。この粘度が高くなる場合、以下の点にも留意する必要がある、すなわち本発明における発泡は減圧発泡であるので、その発泡は基本的に減圧可能な密閉発泡容器22(後述)内で実施される。この際、前記粘度が高過ぎると、前記密閉発泡容器22と発泡(ライズ)中のシリコーン原料Mとの接触部位における摩擦抵抗が増大し、発泡における体積膨張による得るべきシリコーン発泡体10の良好なライズが阻害され、掛けられる減圧度に応じた発泡倍率とならなくなってしまう。この傾向は、フリー発泡の発泡倍率が低いシリコーン原料M、すなわち発泡時に水素ガスの発生量が少ない高分子のシリコーン原料Mほど顕著である。例えば、粘度1600Pa・Sのシリコーン原料Mを使用した場合には、減圧による発泡倍率の向上が2倍以下となることが確認されており、この場合、フリー発泡の発泡倍率が4であれば、トータルで得られる総発泡倍率は4倍×2倍=8倍となり、本発明が求める15以上の総発泡倍率を達成し得ない。
【0020】
従って、総発泡倍率が15倍以上となるシリコーン発泡体10は、その粘度が100Pa・S(100000cps)以下であるシリコーン原料Mを使用することで製造が可能となる。ここで先に述べた「ライズ前の粘度」と「ライズの略終了時の粘度」とを考えると、何れの条件もフリー発泡の発泡倍率が約8倍程度以上のシリコーン原料Mを使用することで、同様に良好な総発泡倍率15倍以上のシリコーン発泡体10を製造し得る。
【0021】
またライズの略終了時の温度については、得られるシリコーン発泡体10の所定部位で75℃以下とされる必要がある。殊にシリコーン原料Mが低分子であり、フリー発泡の発泡倍率が高くなる場合においては、反応に係る発熱量が高いため前述した樹脂化反応の問題([0015]参照)は皆無となるが、その一方で、得られた該発泡体10の部位によっては該発熱が蓄積して異常な高温状態となってしまうことが確認されている。そしてその高温により、得られたシリコーン発泡体10をなすシロキサン結合が熱分解してしまい、その結果、骨格が脆化して該発泡体10がその形状を維持できなくなってしまう。これは得られた前記シリコーン発泡体10が局部的に200℃以上の高温状態となっているために発生するものであるが、無作為に選択した部位(発泡体表面近傍・内部を問わず)において測定される温度が75℃以下であれば、前述の局部的な高温状態は回避し得るものである。
【0022】
(製造工程の一例について)
本発明の好適な実施例に係るシリコーン発泡体10は、上部等に充分な容積を有する密閉発泡容器22に対して、所要量のシリコーン原料Mを注入し、該容器22を密閉すると共に、所定の減圧状態とすることで発泡させて得られるものである。前記密閉発泡容器22としては、得るべきシリコーン発泡体10の外部輪郭形状に合致するキャビティ形状を有する成形型が好適に使用される。そして前記シリコーン原料Mの成形型への注入量は、前記シリコーン発泡体10の発泡後の体積を前記密閉発泡容器22のキャビティ容積と合致させるように設定することで、該容器22のキャビティ形状に合致した外郭形状を有するシリコーン発泡体10を容易に製造できる。本実施例においては、前記発泡容器22として、成形型を使用した場合を以下説明する。
【0023】
前記シリコーン原料Mは、その組成により所期のフリー発泡の発泡倍率となるよう任意に調整することが可能であり、前述の従来技術にある通り、その発泡倍率が15倍迄となる原料が調整または調達可能である。そして、所期のフリー発泡の発泡倍率を達成するシリコーン原料Mに対して、発泡時に15倍以上の所定の発泡倍率となるように減圧を行なえば、本発明に係るシリコーン発泡体10が得られる。
【0024】
本発明の好適な実施例に係るシリコーン発泡体10の説明については、製造工程との関わりが高いため、以下に製造方法の一例を挙げつつ説明する。また製造方法の理解に資するため、前記シリコーン発泡体10の製造装置の一例について予め説明する。前記シリコーン発泡体10は、図2に示すような製造装置30によって製造される。前記製造装置30は、主原料たるシリコーン樹脂原料に対して、必要とされる発泡剤、発泡助剤および触媒等の必要とされる各添加物を所要量混合・混練して、シリコーン原料Mを得る原料調整・混練部32と、混練された前記シリコーン原料Mを計量しつつ所望のキャビティ形状を有する成形型である密閉発泡容器22に注入し、自己反応(ここでは重合・架橋による樹脂化反応および発泡用の水素ガスの発生による泡化反応)により発泡させて該密閉発泡容器22のキャビティ形状に合致した外部輪郭形状を有するシリコーン発泡体10を得る注入・発泡部40とから基本的に構成される。
【0025】
前記原料調整・混練部32は、シリコーン発泡体10を製造するのに必要とされる全ての原料を混合し、更に均一に混練してシリコーン原料Mを得る部分である。具体的には、1軸式若しくは2軸式押出機、ニーダ、加圧式ニーダ、コニーダ、バンバリーミキサ、ヘンシェル型ミキサ、ロータ型ミキサ、ピンミキサまたはホモジナイザその他の混練機34等が好適に使用される。この混練には特殊な装置は必要なく、また混練速度等も限定されない。混練時の温度および時間は、前述の各混合対象物の物性により左右されるが、該対象物が充分に混合・混練されればよい。なお一般的にシリコーン発泡体を得るためのシリコーン原料Mは、前述の如く2液混合型原料となっているため、前記原料調整・混合部32は、通常はこの2液を分離して貯留する2つの貯留槽36を備えており、必要に応じて設定された混合比率で前記混練機34に送られて混合される。
【0026】
前記注入・発泡部40は、前記原料調整・混練部32で得られたシリコーン原料Mから、成形型である前記密閉発泡容器22のキャビティ形状に合致する外部輪郭形状を有する発泡成形体たるシリコーン発泡体10を得る部分である。前記密閉発泡容器22の所要位置には、所要の脱気孔22bおよび開放バルブ22c(後述)が備えられ、接続管23を介して該密閉発泡容器22内部の減圧を行なう真空ポンプ等の脱気手段24に接続されている。そして、前記密閉発泡容器22から脱気手段24の間には、減圧系内の圧力等を表示する表示部26が備えられ、また該密閉発泡容器22、脱気手段24および表示部26間には、任意に開閉可能なバルブ28が夫々備えられている。なお前記開放バルブ22cの代えて、前記接続管23の所要の位置に開放バルブを設けてもよい。
【0027】
前記密閉発泡容器22は、開閉可能で、かつ閉成時にその内部に得るべきシリコーン発泡体10の外部輪郭形状に合致するキャビティ形状を画成する上下2つの半体22a,22aからなり、その上部等の所要位置にはシリコーン原料Mの発泡時に制御下に減圧を行なう脱気孔22bおよび減圧がなされた該密閉発泡容器22内に制御下に空気を導いて、常圧化するための開放バルブ22cが設けられている。なお、前記脱気孔22bのキャビティ側には、必要に応じて、通気性を確保しつつ物理的に覆い、かつ得られるシリコーン発泡体10からの剥離が容易な多孔性剥離紙やセラミックフィルタ等が配置される。これらの配置により、前記脱気孔22bからの脱気・減圧による発泡中のシリコーン原料Mの密閉発泡容器22外への流出を抑えている。
【0028】
また、前述のような製造装置30を使用する場合、図1に示したような単純な直方体だけでなく、前記密閉発泡容器22として複数個の割型等の従来公知の方法を使用すれば、複雑な3次元形状を有するシリコーン発泡体10を容易に製造し得る。なお、前述の如き密閉発泡容器22を使用せず、大きな容器中に前記シリコーン原料Mを注入し、該容器全体を減圧することで、スラブ発泡により大きな発泡体を得て、これに切断・スライス等の加工を施すことで所要形状のシリコーン発泡体10としてもよい。このような製造装置の場合、シート状物の如きシリコーン発泡体10を得る際の量産性を高める効果が期待できる。
【0029】
次に、前記製造装置30を使用して、前記シリコーン原料Mからシリコーン発泡体10を得る製造方法を、図3および図4を参考にして説明する。基本的に本シリコーン発泡体10の製造方法は、図3に示す如く、前記原料調整・混練部32で製造すべき該シリコーン発泡体10の基となる2液原料を混合・混練して準備する原料準備工程S1と、前記注入・発泡部40で密閉発泡容器22内に意図的に制御された量のシリコーン原料Mを注入し減圧下に発泡・硬化させることで、該密閉発泡容器22のキャビティ形状に合致した外部輪郭形状を有するシリコーン発泡体10を得る注入・減圧発泡工程S2と、得られたシリコーン発泡体10に対して所定形状への研磨等の後加工並びに所定の検査が施される最終工程S3とからなる。
【0030】
前記原料準備工程S1は、得るべきシリコーン発泡体10の原料を製造する工程である。具体的には主原料であるシリコーン樹脂に対して、必要に応じて発泡剤、発泡助剤、乳化剤、界面活性剤および触媒等の添加剤とを混合してシリコーン原料Mを得る工程である。前述の如く、本実施例においては、2液混合型のシリコーン原料Mを使用するため、混合されて該原料Mとなる2種類の物質を夫々の貯留槽36,36に用意・貯留するだけでよい。前記触媒としては、従来公知の塩化白金酸および白金錯体等の白金化合物や、アミノキシ化合物等が好適に使用される。
【0031】
前記注入・減圧発泡工程S2は、前述の如く、前記原料準備工程S1で得られたシリコーン原料Mを所要の密閉発泡容器22内に意図的に制御された量だけ注入し、該密閉発泡容器22を型閉めし、制御された減圧状態下に発泡成形させる工程である。本工程S2は、図4に示す如く、先ず前記シリコーン原料Mを開放状態にある密閉発泡容器22内に注入する原料注入段階S21(図4(a)参照)と、該シリコーン原料Mの意図的に制御された量の注入が終了した密閉発泡容器22を型閉めする型閉め段階S22(図4(b)参照)と、注入後の該シリコーン原料Mが自己発泡を開始した後から、該発泡における(シリコーン原料Mの)重合・(フォーム骨格の)樹脂化反応が終了する迄の間に所定の減圧処理を実施する発泡段階S23(図4(c)参照)と、該シリコーン原料Mの完全な反応(硬化)終了後に、前記製造装置30の脱気手段26を停止すると共に、前記開放バルブ22cを開放することで該密閉発泡容器22内の気圧を常圧とし、得られたシリコーン発泡体10を脱型する常圧化・脱型段階S24(図4(d)参照)とからなる。
【0032】
前記原料注入段階S21におけるシリコーン原料Mの密閉発泡容器22への注入量は、最終的に得るべき総発泡倍率と、該原料Mが注入される密閉発泡容器22のキャビティ容積とによって決定される。例えば、キャビティ容積60mlの密閉発泡容器22を使用し、総発泡倍率を30倍とするシリコーン発泡体10を製造する場合には、該密閉発泡容器22にシリコーン原料Mを2ml注入すればよい。
【0033】
前記発泡段階S23は、前述の如く、前記密閉発泡容器22に注入されたシリコーン原料Mが自己発泡を開始した後から、該発泡における重合・樹脂化反応が終了する迄の間、型閉めがなされた該密閉発泡容器22内を、脱気孔22bに脱気手段26を接続することで実施される。本実施例の場合、前記脱気手段26として、ロータリー式の真空ポンプが好適に使用されている。
【0034】
本発明における減圧下の前記発泡段階S23の理解に資するため、通常のシリコーン発泡体の発泡過程を以下説明する。2液に分離したシリコーン原料Mは混合された瞬間から樹脂化反応を起こすと共に、泡化反応も開始される。この両反応が進行することによって通常の発泡が開始され、前記シリコーン原料Mの組成(泡化反応の度合い)により決定される所期の発泡倍率にまで発泡がなされたシリコーン発泡体が得られる。その段階を詳細に見ると、
▲1▼シリコーン原料Mは、樹脂化の初期の段階では粘性が低く、水素ガスの発生も少なく、微細な多数の気泡がシリコーン原料M中に存在した状態となる(ポリウレタン樹脂発泡における、所謂クリーム状態)。
▲2▼その後、時間の経過と共に、充分に樹脂化の進行したシリコーン原料Mは、水素ガスの発生に伴ない微細気泡の大型化による本格的な泡化、すなわちライズを開始することになる。そして時間が経過し、前記樹脂化反応が終了に近づくに伴ってライズが進行し、粘度が増加する。
▲3▼最後に形成された骨格が充分に硬化して、強度を有するシリコーン発泡体10を形成するに至る(後述の図5(a)参照)。
【0035】
前述したフリー発泡の際の発泡過程を踏まえ、本発明に係るシリコーン発泡体10を得る際に、減圧処理が該シリコーン発泡体10の形成に与える影響を、図5〜図8を参照して以下説明する。なお、図5〜図8については、前記密閉発泡容器22内に注入されたシリコーン原料Mの体積膨張等から判断可能な反応度を反応線として表し、該容器22内の圧力変化の様子を圧力線として、夫々概略的に直線として表している。なお、前記図5〜図8における各グラフ図においては、横軸を時間(ライズ(減圧)開始−ライズ(減圧)終了)とし、縦軸を減圧度および反応度(ライズ度)とすることで、反応の経時的変化を概略的に示す反応度指示線と減圧度の経時的な変化を概略的に示す減圧変動線との双方が横軸を一致させて記載されている。
【0036】
(減圧処理の完了時点について)
前述したように、シリコーン原料Mからシリコーン発泡体10を得るに際しては、大きく▲1▼〜▲3▼([0034] 参照)の3つの段階がある。そして本発明に係る減圧処理は、図5に示す如く、▲2▼の状態下にある発泡途上のシリコーン原料Mに対してだけ有効に作用するものである(完了時点好適:図5(a)参照)。この他に、減圧処理の終了時点により、▲2▼の状態の途中で減圧状態が解放されてしまう減圧パターン(完了時点速い:図5(b)参照)と、▲3▼の状態に移行してから減圧状態が解放される減圧パターン(完了時点遅い:図5(c)参照)とがある。
【0037】
前者の完了時点が速いパターンの場合、シリコーン発泡体10の発泡途上で、減圧状態が解放されてしまうため、所定の発泡倍率を得ることができず体積的に縮んで(所謂ダウン状態)しまう。後者の完了時点が遅いパターンの場合、本来達するべき減圧度で得られる発泡倍率の発泡体とならず、▲3▼の状態に移行した時点での減圧度により発泡倍率が決定されてしまう。更に、完了時点が遅いパターンの一例として、図6に示す如く、減圧処理の開始が遅く、▲3▼のように発泡終了が近い状態下で該減圧処理が開始される場合が考えられる、この場合は、前記シリコーン発泡体10を形成する骨格は、すでに樹脂化が完了して充分に硬化しており、該減圧処理による効果、すなわち、総発泡倍率の向上や、セル膜の減圧による破壊による通気性の向上は全く望めない。
【0038】
なお、前記シリコーン原料Mの反応が完了した直後については、すぐに減圧状態を開放して常圧とするより、図7に示す如く、該反応の終了後、所要時間が経過するまで減圧状態を保持した方が、得られるシリコーン発泡体10の状態をより好適なものとし得る。これは、得られるシリコーン発泡体10のライズ(体積膨張)が完了した後もキュアが進行するためである。このキュアが不完全な場合には、得られたシリコーン発泡体10を構成する骨格間に、非常に薄いセル膜が残留する、所謂シュリンク状態(減圧中は所定の発泡倍率となっているが、得られるシリコーン発泡体10を形成する骨格間のセル膜等の破壊が少なく、常圧に戻すことで縮んでしまう状態)となってしまう畏れがあるからである。このシュリンク状態は、後述([0044])の破泡処理によって容易に所定の発泡倍率を有するシリコーン発泡体10とし得る。
【0039】
(減圧速度について)
前述の▲2▼の状態は、通常10秒〜10分程度維持されるので、好適には、該▲2▼の状態の開始後すぐに減圧処理を開始し、この時間内に所定の減圧度に達するように減圧速度を調整することが望まれる。この(ライズ終了時と減圧終了時を合わせた場合の)減圧速度については、図8に示す如く、前記シリコーン原料Mが、▲2▼の状態となっている時間内に発泡度合いに伴って減圧処理を実施するパターン(減圧速度好適:図8(a)参照)と、▲1▼のような状況下から減圧を開始するパターン(減圧速度遅い:図8(b)参照)と、該▲2▼の状態の完了前に減圧処理を開始するパターン(減圧速度速い:図8(c)参照)とがある。
【0040】
前記減圧速度が遅い場合、具体的には、▲1▼のような状況下から減圧を開始することになるが、この場合、泡化反応により発生した水素ガスが、まだ充分な樹脂化を起こしていない前記シリコーン原料M内に保持し得ず、該ガスが系外に強制的に排出されてしまい充分な発泡がなされないことになる。その結果、現象的には得られる発泡体が体積的に縮んで(所謂ダウン状態)しまい、所定の発泡倍率を有する発泡体が得られなくなってしまう場合がある。殊にこの現象は、前述した如く、少ない発熱量により樹脂化の度合いが泡化に比較して緩慢となる高分子のシリコーン原料M、すなわちフリー発泡の発泡倍率が低い原料Mで起こり易い。
【0041】
一方、前記減圧速度が速い場合、その速度が速い程、すなわち図8(c)における減圧度グラフの傾きが急である程、前記ガスの発生量と減圧度との調和がとれなくなる。このように、前記ガスの発生量と減圧度との調和が崩れた場合、得られるシリコーン発泡体10の部位による密度差が大きくなったり、形成されるセル形状が、前記密閉発泡容器22における脱気孔22bの配置による脱気方向に引き延ばされてしまい、球状とならないといった問題が生じる。
【0042】
このように減圧処理の速度および完了時点等の要素は、使用したシリコーン原料Mの重合・樹脂化およびガスの発生の双方を考慮した上で決定する必要がある。また、前述[0039]したシリコーン原料Mが完全硬化するまでの時間(▲2▼の状態が維持される時間:通常10秒〜10分程度)を、例えば遅延剤の添加或いは原料または/および発泡雰囲気温度を下げることで遅らせるような調整も可能である。
【0043】
最終的に施される最終工程S3は、得られたシリコーン発泡体10を前記密閉発泡容器22内から脱型し、そして所定形状への研磨等の後加工や所定の検査等を施す工程であり、この工程S3を経ることで最終製品たるシリコーン発泡体10が完成する。
【0044】
本最終工程S3の1つとして、前述したシュリンク状態を解消するための破泡処理があるが、この破泡処理としては前記減圧処理によりセル膜は通常に較べて薄い状態となっているので物理的かつ簡易な破泡だけ充分であり、得られるシリコーン発泡体10の大きさによっては、既知の破泡処理機等を使用せずとも作業者等が物理的な圧縮変形を加えるだけでもよい。
【0045】
【実験例】
以下に実施例に係る密閉発泡容器を使用して所定の減圧下に発泡させたシリコーン発泡体についての実験例を示す。なお本発明に係るシリコーン発泡体およびその製造方法は、この実験例に限定されるものではない。
【0046】
(実験1) シリコーン原料の発泡時粘度と、発泡倍率との関係
以下の表1に記す発泡時粘度が異なる4種類のシリコーン原料を使用し、減圧度を−0.08MPaに設定して、夫々実験1−1〜1−4に係るシリコーン発泡体を得た。そして各原料から得られたシリコーン発泡体の総発泡倍率、減圧発泡の発泡倍率および密度を算出・測定した。なお、減圧開始および減圧完了時点については、前記原料をフリー発泡させた場合の反応度の挙動に一致させた。また、使用したシリコーン原料は、以下の通りであり、密度については、得られたシリコーン発泡体の重量および体積から、総発泡倍率については、シリコーン原料の密度を算出された該シリコーン発泡体の密度で除して算出し、減圧発泡の発泡倍率は該総発泡倍率をフリー発泡の発泡倍率で除して算出した。
【0047】
(使用原料)
・実験1−1:ライズの略終了時の粘度1600Pa・S以上(商品名 トスフォーム5310;GE東芝シリコーン製(フリー発泡の発泡倍率4倍))
・実験1−2:ライズの略終了時の粘度2000Pa・S以上(商品名 トスフォーム5700;GE東芝シリコーン製(フリー発泡の発泡倍率7倍))
・実験1−3:ライズの略終了時の粘度10Pa・S以上(商品名 SEF10;東レダウコーニング・シリコーン製(フリー発泡の発泡倍率10倍))
・実験1−4:ライズの略終了時の粘度80Pa・S以上(商品名 XE18−A9923;GE東芝シリコーン製(フリー発泡の発泡倍率15倍))
【0048】
【表1】
【0049】
(実験1の結果)
得られた結果を表1に併記する。この結果から、粘度が小さいシリコーン原料ほど、減圧発泡の発泡倍率が大きいことが確認された。また、実験1−4(ライズの略終了時の粘度が80Pa・S程度のシリコーン原料)における減圧発泡の発泡倍率が2.5倍程度と、2倍を上回っていることが確認された。これらの結果から、意図する総発泡倍率を得るためには、100Pa・S程度以下の粘度が好適であると推定される。
【0050】
(実験2) 減圧度と、発泡倍率との関係
前記実験1において、最も減圧発泡の発泡倍率が大きかったフリー発泡の発泡倍率10倍のシリコーン原料(商品名 SEF10;東レダウコーニング・シリコーン製)を使用し、以下の表2に記す各減圧度により、夫々減圧発泡を実施して、夫々実験2−1〜2−5に係るシリコーン発泡体を得た。そして各原料から得られたシリコーン発泡体の各減圧度における総発泡倍率および密度を測定した。なお、減圧開始および減圧完了時点については、前記原料をフリー発泡させた場合の反応度の挙動に一致させた。また、総発泡倍率および密度の測定方法は実験1に準じた。
【0051】
【表2】
【0052】
(実験2の結果)
得られた結果を表2に併記する。この結果から、シリコーン原料に掛けられる減圧度に伴って、得られるシリコーン発泡体の総発泡倍率も増加することが確認された。最も大きな減圧度(−0.08MPa)において、その総発泡倍率は37.1倍、密度は27.0kg/m3であった。
【0053】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るシリコーン発泡体およびその製造方法によれば、該シリコーン発泡体の原料であるシリコーン原料を減圧下で発泡をさせることにより、従来の方法で製造されるシリコーン発泡体でなし得なかった15倍を越える高い発泡倍率を発現し、これにより低い密度を獲得し得るシリコーン発泡体が製造可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るシリコーン発泡体を示す斜視図である。
【図2】実施例に係るシリコーン発泡体を密閉発泡容器を使用して製造する製造装置の一例を示す概略図である。
【図3】実施例に係るシリコーン発泡体の製造方法を示すフローチャート図である。
【図4】実施例に係るシリコーン発泡体の製造方法に係る注入・減圧発泡工程S2を示す工程図である。
【図5】シリコーン発泡体のライズ(発泡)時における減圧処理の完了時点の違いを説明するグラフ図である。
【図6】シリコーン発泡体のライズ(発泡)時における減圧処理の完了時点の違いを説明するグラフ図である。
【図7】シリコーン発泡体のライズ(発泡)時における減圧処理の完了時点が反応終了後まで維持された場合を説明するグラフ図である。
【図8】シリコーン発泡体のライズ(発泡)時における減圧時間の違いを説明するグラフ図である。
【符号の説明】
10 シリコーン発泡体
22 密閉発泡容器
M シリコーン原料
【発明の属する技術分野】
この発明は、シリコーン発泡体およびその製造方法に関し、更に詳細には、シリコーン原料を密閉発泡容器内に注入し、減圧下で化学的に発泡させることで、割れ等の形状的な欠損を生じることなく、高発泡倍率、すなわち低い密度および高い通気性を達成し得るシリコーン発泡体と、該シリコーン発泡体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばクッション材、断熱材、防音・吸音材または衝撃吸収材の材質として、各種高分子発泡体が使用されている。前記高分子発泡体の基となる高分子としては、オレフィン系樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が知られており、この中でも該ウレタン樹脂はその発泡時における取り扱い性並びに密度および気泡径等の物性設定をなす発泡倍率の設定が容易である、といった長所を有するため、一般に多用されている。しかし、その一方で前記ウレタン樹脂は、熱に弱く、その使用限度が180℃であり、130〜220℃前後から熱分解を始めてしまう。このため前述の断熱材や、高温下で使用される防音・吸音材または衝撃吸収材としては、好適に使用し得ない。
【0003】
これに対して前記シリコーン樹脂は、シロキサン結合(−Si−O−)から形成されているため、この分子構造に起因して耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性および耐老化性が高いことが知られている。このため、高温等の劣悪な環境下で好適に使用されている。そして前記シリコーン樹脂を原料として発泡体を製造する方法として、一般に以下の2つが挙げられる。
▲1▼骨格を形成するシリコーン樹脂原料を硬化させる際に、該硬化により発生するガスまたは発泡剤から発生するガスを利用することで発泡体とする、所謂化学的発泡法。
▲2▼骨格を形成するシリコーン樹脂原料としての付加反応型シリコーンゴム(未反応状態)に対して、気泡形成材としての塩化ナトリウム、ショ糖または尿素等の溶解性粉体を混錬・分散させ、加熱硬化後のシリコーン樹脂中から該熔解性粉体を所要の溶媒にて抽出して乾燥させる、所謂抽出法。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
しかし、前記シリコーン樹脂を原料として、前述の▲1▼の化学発泡法により発泡体を製造した場合には、最終的に得られる発泡体を形成する骨格強度が低下して形状が維持できなくなるために発泡倍率が余り大きく取れず、おおよそ15倍程度が限界となっている。これは、発泡倍率を決定する泡化反応と、骨格強度を決定する樹脂化反応とのバランスが崩れてしまうためであり、基本的に該泡化反応を優先させる組成の場合、該骨格強度が低下する。
【0005】
また一般的に発泡倍率の高い原料は、発泡中に発生する熱量が大きいため、前記樹脂化反応が促進されて反応早期から骨格強度が充分となる一方、発泡後にシリコーン発泡体を構成する前述のシロキサン結合(−Si−O−)がSiO2(シリカ)に熱分解されてしまう畏れも大きい。このため、得られたシリコーン発泡体が部分的に脆化してしまい、その形状を維持できなくなり、その結果、クッション性や伸び率等の物性が悪化してしまうことも理由となっている。これらの理由により、前記ウレタン樹脂を原料とした発泡体と較べて前記シリコーン発泡体は、密度が大きい、すなわち重くなってしまう問題が指摘される。また、▲2▼の抽出法により発泡体を形成した場合には、製造工程の増加等により時間およびコストが掛かってしまう問題が指摘される。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来技術に係るシリコーン発泡体およびその製造方法が内在していた欠点に鑑み、これを好適に解決すべく提案されたものであって、減圧下で発泡をさせることにより、従来の方法で製造されるシリコーン発泡体でなし得なかった発泡倍率を発現し、これにより低い密度を獲得し得るシリコーン発泡体と、これを製造する方法とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の発明に係るシリコーン発泡体は、所要の発泡倍率となるように調整されたシリコーン原料を密閉発泡容器内で減圧状態下に発泡させたシリコーン発泡体であって、最終的に得られる発泡倍率が少なくとも15倍以上になっていることを特徴とする。
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の更に別の発明に係るシリコーン発泡体の製造方法は、所要の発泡倍率となるよう調整したシリコーン原料を所要の密閉発泡容器に注入し、
前記密閉発泡容器を減圧状態の下で前記シリコーン原料を発泡させ、
これにより前記シリコーン原料を少なくとも15倍以上の倍率で発泡させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るシリコーン発泡体およびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、かつ製造方法を併記しながら以下に説明する。本願の発明者は、シリコーン樹脂の原料を発泡剤等を使用することで、所謂化学的に発泡させるに際して、通常の常圧下発泡(以下、フリー発泡と云う)において所定の発泡倍率にしかならない原料を使用し、これを所要の成形型等の密閉発泡容器の内部で減圧下に発泡させることで、フリー発泡では困難であった15倍以上の発泡倍率を達成し、これにより低い密度としたシリコーン発泡体を容易に製造し得ることを知見したものである。
【0010】
本発明の好適な実施例に係るシリコーン発泡体は、シリコーン樹脂が硬化する際に発生する水素ガスを利用して、該樹脂をフォーム化させる脱水素反応型等の、所謂化学発泡法により得られるものである。前記シリコーン発泡体10は、図1に示す如く、内部に連通したセルを形成するシリコーン樹脂の骨格から構成される。そして、本発明に係る前記シリコーン発泡体10は、その発泡倍率が、少なくとも15倍以上に設定されるものである。前記発泡倍率を、少なくとも15倍以上とすることで、これまでのフリー発泡では得られなかった、低い密度、すなわち軽量なシリコーン発泡体10を得ることが可能となった。
【0011】
前述の15倍以上の発泡倍率を達成するためには、フリー発泡による発泡倍率と、減圧による発泡の発泡倍率とを乗じた総発泡倍率(以下、総発泡倍率=フリー発泡による発泡倍率×減圧発泡による発泡倍率、と定義する)が15倍以上となればよい。前記減圧発泡の倍率は、基本的にシリコーン原料Mに施される減圧の度合い、すなわち減圧度と、発泡前後に該シリコーン原料Mが発現する粘度とによって決定される。なお、本発明における「発泡」とは、後述する2液性のシリコーン原料Mを混合することで、該原料Mが体積的にライズ(膨張)する状態を指し、「発泡の開始」とは該シリコーン原料Mを構成する2成分が混合されて反応が開始される時点を、「発泡の終了」とはライズの略終了した時点を夫々指す。従って、ライズの終了後であって、前記シリコーン原料Mの反応が完了せず未だに発熱が続いている状態は、本発明で云う「発泡」状態に当たらない。また、本発明の「ライズの略終了時の粘度」とは、減圧によって得られるシリコーン発泡体10のライズが略停止した時点の粘度を指し、「ライズ前の粘度」とは、該シリコーン原料Mのライズが略開始された時点の粘度を指す。
【0012】
(粘度について)
前記粘度については、そのライズ前の粘度およびライズの略終了時の粘度が、夫々5Pa・S(5000cps)以下および100Pa・S(100000cps)以下である必要がある。ここで示される各粘度の数値は、前記シリコーン原料Mの組成に密接な関係があり、基本的にフリー発泡の倍率が高い原料Mほど小さなものとなる。すなわち前記粘度の数値は、得るべきシリコーン発泡体10のフリー発泡の発泡倍率、言い換えれば該発泡体10のシリコーン原料Mの組成によって決定される。
【0013】
前記シリコーン発泡体10を製造する際に使用されるシリコーン原料Mに係る化学構造反応式は、以下の式1の如く表される。シラノール基や、水、アルコール等の水酸基含有物およびビニル基やSi−H基が夫々反応することで、発泡ガスである水素が発生すると共に、樹脂化(重合・硬化)が進行するものである。従って、低い発泡倍率のシリコーン発泡体10を製造する場合には、前記水素ガスの発生量を抑制する必要があり、具体的には出発原料となる末端にシラノール基を有する物質や、ビニル基およびSi−H基の数の制御により達成される。これは出発原料の初期分子量が大きければ、得られるシリコーン発泡体10が所定の分子量に至るまでの必要とされる反応の回数が減少し、発生している水素量も減少するためである。
【0014】
【式1】
【0015】
(ライズ前の粘度)
前記シリコーン原料Mとして分子量が大きな物質が選択され、前述した[式1]における(a)および(b)に係る反応が余り起こらない場合、該反応により反応中の該原料Mに対して供給される熱量も少ないものとなる(前記(a)および(b)に係る反応は発熱反応)。このように反応時に供給される熱量が少なくなると、水素の発生に係る泡化反応に比較して、シリコーン原料Mの樹脂化反応はその進行が緩慢となり(阻害されるとすべきか?)、短時間内での充分な樹脂化、すなわち充分な骨格強度の達成が困難となる。
【0016】
一般のフリー発泡の場合、樹脂化反応の進行による前記骨格強度の増加は、泡化反応により発生する水素ガスを充分にシリコーン原料M内に保持し得るに足るものである。しかし減圧発泡の実施に当たっては、前記骨格強度の増加が水素ガスの発生量および減圧による体積膨張に対して充分なものとならず、該ガスをシリコーン原料M内に保持し得なくなってしまう。すなわち発泡をなす水素ガスが減圧処理により、前記シリコーン原料Mの系外に排出されてしまい、その結果、減圧による発泡が充分に生かせないことになる。
【0017】
これらのことを纏めると減圧発泡の可否の判断については、シリコーン原料Mの重合反応時における骨格強度の増加、すなわち樹脂化反応の進行度合いによる区別が有効と考えられる。そしてこの樹脂化反応の進行度合いは、重合反応における発熱量と密接な関係があり、ここから本発明においては、出発物質であるシリコーン原料Mの分子量が一定以下の場合、すなわち該原料Mが示す粘度が一定以下、具体的には5Pa・S(5000cps)以下であることが要求される。このような条件下においては、発生する水素ガスの系内での保持が困難となる現象は起こり得ない。これは、前述の[式1]における(a)および(b)に係る化学式が充分に起こる低分子量のシリコーン原料M、すなわち高発泡倍率を達成するシリコーン原料Mにおいて、該(a)および(b)に係る化学式に伴なう発熱が充分となるためである。具体的には、フリー発泡の発泡倍率8倍程度以上のシリコーン発泡体10を製造し得るシリコーン原料Mにおいて前記水素ガスの保持は達成される。
【0018】
なお、高分子のシリコーン原料Mの樹脂化反応の進行度合いが、水素ガスの発生に係る泡化反応に対して緩慢であり、減圧によって該水素ガスの系内保持が困難になる問題については、反応中の発熱量が少ないことが原因であるため、該樹脂化反応を促進させるに足る熱量を系外から供給すれば回避し得る。具体的には、前記反応を所定温度の恒温槽中で実施する等の方法が考えられる。この際に加えられる熱が高過ぎると、樹脂化反応によって形成されるシロキサン結合が熱分解してシリカとなり、前述([0005])の如く骨格が脆化してしまうため、該加熱の度合いは加熱されるシリコーン原料Mの内部温度が200℃以上とならないよう留意する必要がある。
【0019】
(ライズの略終了時の粘度および温度)
また、前記出発原料であるシリコーン原料Mの分子量が大きいものとなると、前述の如く、樹脂化に際して副生する水素が減少して、フリー発泡の発泡倍率が低くなる一方で該原料Mの粘度は高いものとなる。この粘度が高くなる場合、以下の点にも留意する必要がある、すなわち本発明における発泡は減圧発泡であるので、その発泡は基本的に減圧可能な密閉発泡容器22(後述)内で実施される。この際、前記粘度が高過ぎると、前記密閉発泡容器22と発泡(ライズ)中のシリコーン原料Mとの接触部位における摩擦抵抗が増大し、発泡における体積膨張による得るべきシリコーン発泡体10の良好なライズが阻害され、掛けられる減圧度に応じた発泡倍率とならなくなってしまう。この傾向は、フリー発泡の発泡倍率が低いシリコーン原料M、すなわち発泡時に水素ガスの発生量が少ない高分子のシリコーン原料Mほど顕著である。例えば、粘度1600Pa・Sのシリコーン原料Mを使用した場合には、減圧による発泡倍率の向上が2倍以下となることが確認されており、この場合、フリー発泡の発泡倍率が4であれば、トータルで得られる総発泡倍率は4倍×2倍=8倍となり、本発明が求める15以上の総発泡倍率を達成し得ない。
【0020】
従って、総発泡倍率が15倍以上となるシリコーン発泡体10は、その粘度が100Pa・S(100000cps)以下であるシリコーン原料Mを使用することで製造が可能となる。ここで先に述べた「ライズ前の粘度」と「ライズの略終了時の粘度」とを考えると、何れの条件もフリー発泡の発泡倍率が約8倍程度以上のシリコーン原料Mを使用することで、同様に良好な総発泡倍率15倍以上のシリコーン発泡体10を製造し得る。
【0021】
またライズの略終了時の温度については、得られるシリコーン発泡体10の所定部位で75℃以下とされる必要がある。殊にシリコーン原料Mが低分子であり、フリー発泡の発泡倍率が高くなる場合においては、反応に係る発熱量が高いため前述した樹脂化反応の問題([0015]参照)は皆無となるが、その一方で、得られた該発泡体10の部位によっては該発熱が蓄積して異常な高温状態となってしまうことが確認されている。そしてその高温により、得られたシリコーン発泡体10をなすシロキサン結合が熱分解してしまい、その結果、骨格が脆化して該発泡体10がその形状を維持できなくなってしまう。これは得られた前記シリコーン発泡体10が局部的に200℃以上の高温状態となっているために発生するものであるが、無作為に選択した部位(発泡体表面近傍・内部を問わず)において測定される温度が75℃以下であれば、前述の局部的な高温状態は回避し得るものである。
【0022】
(製造工程の一例について)
本発明の好適な実施例に係るシリコーン発泡体10は、上部等に充分な容積を有する密閉発泡容器22に対して、所要量のシリコーン原料Mを注入し、該容器22を密閉すると共に、所定の減圧状態とすることで発泡させて得られるものである。前記密閉発泡容器22としては、得るべきシリコーン発泡体10の外部輪郭形状に合致するキャビティ形状を有する成形型が好適に使用される。そして前記シリコーン原料Mの成形型への注入量は、前記シリコーン発泡体10の発泡後の体積を前記密閉発泡容器22のキャビティ容積と合致させるように設定することで、該容器22のキャビティ形状に合致した外郭形状を有するシリコーン発泡体10を容易に製造できる。本実施例においては、前記発泡容器22として、成形型を使用した場合を以下説明する。
【0023】
前記シリコーン原料Mは、その組成により所期のフリー発泡の発泡倍率となるよう任意に調整することが可能であり、前述の従来技術にある通り、その発泡倍率が15倍迄となる原料が調整または調達可能である。そして、所期のフリー発泡の発泡倍率を達成するシリコーン原料Mに対して、発泡時に15倍以上の所定の発泡倍率となるように減圧を行なえば、本発明に係るシリコーン発泡体10が得られる。
【0024】
本発明の好適な実施例に係るシリコーン発泡体10の説明については、製造工程との関わりが高いため、以下に製造方法の一例を挙げつつ説明する。また製造方法の理解に資するため、前記シリコーン発泡体10の製造装置の一例について予め説明する。前記シリコーン発泡体10は、図2に示すような製造装置30によって製造される。前記製造装置30は、主原料たるシリコーン樹脂原料に対して、必要とされる発泡剤、発泡助剤および触媒等の必要とされる各添加物を所要量混合・混練して、シリコーン原料Mを得る原料調整・混練部32と、混練された前記シリコーン原料Mを計量しつつ所望のキャビティ形状を有する成形型である密閉発泡容器22に注入し、自己反応(ここでは重合・架橋による樹脂化反応および発泡用の水素ガスの発生による泡化反応)により発泡させて該密閉発泡容器22のキャビティ形状に合致した外部輪郭形状を有するシリコーン発泡体10を得る注入・発泡部40とから基本的に構成される。
【0025】
前記原料調整・混練部32は、シリコーン発泡体10を製造するのに必要とされる全ての原料を混合し、更に均一に混練してシリコーン原料Mを得る部分である。具体的には、1軸式若しくは2軸式押出機、ニーダ、加圧式ニーダ、コニーダ、バンバリーミキサ、ヘンシェル型ミキサ、ロータ型ミキサ、ピンミキサまたはホモジナイザその他の混練機34等が好適に使用される。この混練には特殊な装置は必要なく、また混練速度等も限定されない。混練時の温度および時間は、前述の各混合対象物の物性により左右されるが、該対象物が充分に混合・混練されればよい。なお一般的にシリコーン発泡体を得るためのシリコーン原料Mは、前述の如く2液混合型原料となっているため、前記原料調整・混合部32は、通常はこの2液を分離して貯留する2つの貯留槽36を備えており、必要に応じて設定された混合比率で前記混練機34に送られて混合される。
【0026】
前記注入・発泡部40は、前記原料調整・混練部32で得られたシリコーン原料Mから、成形型である前記密閉発泡容器22のキャビティ形状に合致する外部輪郭形状を有する発泡成形体たるシリコーン発泡体10を得る部分である。前記密閉発泡容器22の所要位置には、所要の脱気孔22bおよび開放バルブ22c(後述)が備えられ、接続管23を介して該密閉発泡容器22内部の減圧を行なう真空ポンプ等の脱気手段24に接続されている。そして、前記密閉発泡容器22から脱気手段24の間には、減圧系内の圧力等を表示する表示部26が備えられ、また該密閉発泡容器22、脱気手段24および表示部26間には、任意に開閉可能なバルブ28が夫々備えられている。なお前記開放バルブ22cの代えて、前記接続管23の所要の位置に開放バルブを設けてもよい。
【0027】
前記密閉発泡容器22は、開閉可能で、かつ閉成時にその内部に得るべきシリコーン発泡体10の外部輪郭形状に合致するキャビティ形状を画成する上下2つの半体22a,22aからなり、その上部等の所要位置にはシリコーン原料Mの発泡時に制御下に減圧を行なう脱気孔22bおよび減圧がなされた該密閉発泡容器22内に制御下に空気を導いて、常圧化するための開放バルブ22cが設けられている。なお、前記脱気孔22bのキャビティ側には、必要に応じて、通気性を確保しつつ物理的に覆い、かつ得られるシリコーン発泡体10からの剥離が容易な多孔性剥離紙やセラミックフィルタ等が配置される。これらの配置により、前記脱気孔22bからの脱気・減圧による発泡中のシリコーン原料Mの密閉発泡容器22外への流出を抑えている。
【0028】
また、前述のような製造装置30を使用する場合、図1に示したような単純な直方体だけでなく、前記密閉発泡容器22として複数個の割型等の従来公知の方法を使用すれば、複雑な3次元形状を有するシリコーン発泡体10を容易に製造し得る。なお、前述の如き密閉発泡容器22を使用せず、大きな容器中に前記シリコーン原料Mを注入し、該容器全体を減圧することで、スラブ発泡により大きな発泡体を得て、これに切断・スライス等の加工を施すことで所要形状のシリコーン発泡体10としてもよい。このような製造装置の場合、シート状物の如きシリコーン発泡体10を得る際の量産性を高める効果が期待できる。
【0029】
次に、前記製造装置30を使用して、前記シリコーン原料Mからシリコーン発泡体10を得る製造方法を、図3および図4を参考にして説明する。基本的に本シリコーン発泡体10の製造方法は、図3に示す如く、前記原料調整・混練部32で製造すべき該シリコーン発泡体10の基となる2液原料を混合・混練して準備する原料準備工程S1と、前記注入・発泡部40で密閉発泡容器22内に意図的に制御された量のシリコーン原料Mを注入し減圧下に発泡・硬化させることで、該密閉発泡容器22のキャビティ形状に合致した外部輪郭形状を有するシリコーン発泡体10を得る注入・減圧発泡工程S2と、得られたシリコーン発泡体10に対して所定形状への研磨等の後加工並びに所定の検査が施される最終工程S3とからなる。
【0030】
前記原料準備工程S1は、得るべきシリコーン発泡体10の原料を製造する工程である。具体的には主原料であるシリコーン樹脂に対して、必要に応じて発泡剤、発泡助剤、乳化剤、界面活性剤および触媒等の添加剤とを混合してシリコーン原料Mを得る工程である。前述の如く、本実施例においては、2液混合型のシリコーン原料Mを使用するため、混合されて該原料Mとなる2種類の物質を夫々の貯留槽36,36に用意・貯留するだけでよい。前記触媒としては、従来公知の塩化白金酸および白金錯体等の白金化合物や、アミノキシ化合物等が好適に使用される。
【0031】
前記注入・減圧発泡工程S2は、前述の如く、前記原料準備工程S1で得られたシリコーン原料Mを所要の密閉発泡容器22内に意図的に制御された量だけ注入し、該密閉発泡容器22を型閉めし、制御された減圧状態下に発泡成形させる工程である。本工程S2は、図4に示す如く、先ず前記シリコーン原料Mを開放状態にある密閉発泡容器22内に注入する原料注入段階S21(図4(a)参照)と、該シリコーン原料Mの意図的に制御された量の注入が終了した密閉発泡容器22を型閉めする型閉め段階S22(図4(b)参照)と、注入後の該シリコーン原料Mが自己発泡を開始した後から、該発泡における(シリコーン原料Mの)重合・(フォーム骨格の)樹脂化反応が終了する迄の間に所定の減圧処理を実施する発泡段階S23(図4(c)参照)と、該シリコーン原料Mの完全な反応(硬化)終了後に、前記製造装置30の脱気手段26を停止すると共に、前記開放バルブ22cを開放することで該密閉発泡容器22内の気圧を常圧とし、得られたシリコーン発泡体10を脱型する常圧化・脱型段階S24(図4(d)参照)とからなる。
【0032】
前記原料注入段階S21におけるシリコーン原料Mの密閉発泡容器22への注入量は、最終的に得るべき総発泡倍率と、該原料Mが注入される密閉発泡容器22のキャビティ容積とによって決定される。例えば、キャビティ容積60mlの密閉発泡容器22を使用し、総発泡倍率を30倍とするシリコーン発泡体10を製造する場合には、該密閉発泡容器22にシリコーン原料Mを2ml注入すればよい。
【0033】
前記発泡段階S23は、前述の如く、前記密閉発泡容器22に注入されたシリコーン原料Mが自己発泡を開始した後から、該発泡における重合・樹脂化反応が終了する迄の間、型閉めがなされた該密閉発泡容器22内を、脱気孔22bに脱気手段26を接続することで実施される。本実施例の場合、前記脱気手段26として、ロータリー式の真空ポンプが好適に使用されている。
【0034】
本発明における減圧下の前記発泡段階S23の理解に資するため、通常のシリコーン発泡体の発泡過程を以下説明する。2液に分離したシリコーン原料Mは混合された瞬間から樹脂化反応を起こすと共に、泡化反応も開始される。この両反応が進行することによって通常の発泡が開始され、前記シリコーン原料Mの組成(泡化反応の度合い)により決定される所期の発泡倍率にまで発泡がなされたシリコーン発泡体が得られる。その段階を詳細に見ると、
▲1▼シリコーン原料Mは、樹脂化の初期の段階では粘性が低く、水素ガスの発生も少なく、微細な多数の気泡がシリコーン原料M中に存在した状態となる(ポリウレタン樹脂発泡における、所謂クリーム状態)。
▲2▼その後、時間の経過と共に、充分に樹脂化の進行したシリコーン原料Mは、水素ガスの発生に伴ない微細気泡の大型化による本格的な泡化、すなわちライズを開始することになる。そして時間が経過し、前記樹脂化反応が終了に近づくに伴ってライズが進行し、粘度が増加する。
▲3▼最後に形成された骨格が充分に硬化して、強度を有するシリコーン発泡体10を形成するに至る(後述の図5(a)参照)。
【0035】
前述したフリー発泡の際の発泡過程を踏まえ、本発明に係るシリコーン発泡体10を得る際に、減圧処理が該シリコーン発泡体10の形成に与える影響を、図5〜図8を参照して以下説明する。なお、図5〜図8については、前記密閉発泡容器22内に注入されたシリコーン原料Mの体積膨張等から判断可能な反応度を反応線として表し、該容器22内の圧力変化の様子を圧力線として、夫々概略的に直線として表している。なお、前記図5〜図8における各グラフ図においては、横軸を時間(ライズ(減圧)開始−ライズ(減圧)終了)とし、縦軸を減圧度および反応度(ライズ度)とすることで、反応の経時的変化を概略的に示す反応度指示線と減圧度の経時的な変化を概略的に示す減圧変動線との双方が横軸を一致させて記載されている。
【0036】
(減圧処理の完了時点について)
前述したように、シリコーン原料Mからシリコーン発泡体10を得るに際しては、大きく▲1▼〜▲3▼([0034] 参照)の3つの段階がある。そして本発明に係る減圧処理は、図5に示す如く、▲2▼の状態下にある発泡途上のシリコーン原料Mに対してだけ有効に作用するものである(完了時点好適:図5(a)参照)。この他に、減圧処理の終了時点により、▲2▼の状態の途中で減圧状態が解放されてしまう減圧パターン(完了時点速い:図5(b)参照)と、▲3▼の状態に移行してから減圧状態が解放される減圧パターン(完了時点遅い:図5(c)参照)とがある。
【0037】
前者の完了時点が速いパターンの場合、シリコーン発泡体10の発泡途上で、減圧状態が解放されてしまうため、所定の発泡倍率を得ることができず体積的に縮んで(所謂ダウン状態)しまう。後者の完了時点が遅いパターンの場合、本来達するべき減圧度で得られる発泡倍率の発泡体とならず、▲3▼の状態に移行した時点での減圧度により発泡倍率が決定されてしまう。更に、完了時点が遅いパターンの一例として、図6に示す如く、減圧処理の開始が遅く、▲3▼のように発泡終了が近い状態下で該減圧処理が開始される場合が考えられる、この場合は、前記シリコーン発泡体10を形成する骨格は、すでに樹脂化が完了して充分に硬化しており、該減圧処理による効果、すなわち、総発泡倍率の向上や、セル膜の減圧による破壊による通気性の向上は全く望めない。
【0038】
なお、前記シリコーン原料Mの反応が完了した直後については、すぐに減圧状態を開放して常圧とするより、図7に示す如く、該反応の終了後、所要時間が経過するまで減圧状態を保持した方が、得られるシリコーン発泡体10の状態をより好適なものとし得る。これは、得られるシリコーン発泡体10のライズ(体積膨張)が完了した後もキュアが進行するためである。このキュアが不完全な場合には、得られたシリコーン発泡体10を構成する骨格間に、非常に薄いセル膜が残留する、所謂シュリンク状態(減圧中は所定の発泡倍率となっているが、得られるシリコーン発泡体10を形成する骨格間のセル膜等の破壊が少なく、常圧に戻すことで縮んでしまう状態)となってしまう畏れがあるからである。このシュリンク状態は、後述([0044])の破泡処理によって容易に所定の発泡倍率を有するシリコーン発泡体10とし得る。
【0039】
(減圧速度について)
前述の▲2▼の状態は、通常10秒〜10分程度維持されるので、好適には、該▲2▼の状態の開始後すぐに減圧処理を開始し、この時間内に所定の減圧度に達するように減圧速度を調整することが望まれる。この(ライズ終了時と減圧終了時を合わせた場合の)減圧速度については、図8に示す如く、前記シリコーン原料Mが、▲2▼の状態となっている時間内に発泡度合いに伴って減圧処理を実施するパターン(減圧速度好適:図8(a)参照)と、▲1▼のような状況下から減圧を開始するパターン(減圧速度遅い:図8(b)参照)と、該▲2▼の状態の完了前に減圧処理を開始するパターン(減圧速度速い:図8(c)参照)とがある。
【0040】
前記減圧速度が遅い場合、具体的には、▲1▼のような状況下から減圧を開始することになるが、この場合、泡化反応により発生した水素ガスが、まだ充分な樹脂化を起こしていない前記シリコーン原料M内に保持し得ず、該ガスが系外に強制的に排出されてしまい充分な発泡がなされないことになる。その結果、現象的には得られる発泡体が体積的に縮んで(所謂ダウン状態)しまい、所定の発泡倍率を有する発泡体が得られなくなってしまう場合がある。殊にこの現象は、前述した如く、少ない発熱量により樹脂化の度合いが泡化に比較して緩慢となる高分子のシリコーン原料M、すなわちフリー発泡の発泡倍率が低い原料Mで起こり易い。
【0041】
一方、前記減圧速度が速い場合、その速度が速い程、すなわち図8(c)における減圧度グラフの傾きが急である程、前記ガスの発生量と減圧度との調和がとれなくなる。このように、前記ガスの発生量と減圧度との調和が崩れた場合、得られるシリコーン発泡体10の部位による密度差が大きくなったり、形成されるセル形状が、前記密閉発泡容器22における脱気孔22bの配置による脱気方向に引き延ばされてしまい、球状とならないといった問題が生じる。
【0042】
このように減圧処理の速度および完了時点等の要素は、使用したシリコーン原料Mの重合・樹脂化およびガスの発生の双方を考慮した上で決定する必要がある。また、前述[0039]したシリコーン原料Mが完全硬化するまでの時間(▲2▼の状態が維持される時間:通常10秒〜10分程度)を、例えば遅延剤の添加或いは原料または/および発泡雰囲気温度を下げることで遅らせるような調整も可能である。
【0043】
最終的に施される最終工程S3は、得られたシリコーン発泡体10を前記密閉発泡容器22内から脱型し、そして所定形状への研磨等の後加工や所定の検査等を施す工程であり、この工程S3を経ることで最終製品たるシリコーン発泡体10が完成する。
【0044】
本最終工程S3の1つとして、前述したシュリンク状態を解消するための破泡処理があるが、この破泡処理としては前記減圧処理によりセル膜は通常に較べて薄い状態となっているので物理的かつ簡易な破泡だけ充分であり、得られるシリコーン発泡体10の大きさによっては、既知の破泡処理機等を使用せずとも作業者等が物理的な圧縮変形を加えるだけでもよい。
【0045】
【実験例】
以下に実施例に係る密閉発泡容器を使用して所定の減圧下に発泡させたシリコーン発泡体についての実験例を示す。なお本発明に係るシリコーン発泡体およびその製造方法は、この実験例に限定されるものではない。
【0046】
(実験1) シリコーン原料の発泡時粘度と、発泡倍率との関係
以下の表1に記す発泡時粘度が異なる4種類のシリコーン原料を使用し、減圧度を−0.08MPaに設定して、夫々実験1−1〜1−4に係るシリコーン発泡体を得た。そして各原料から得られたシリコーン発泡体の総発泡倍率、減圧発泡の発泡倍率および密度を算出・測定した。なお、減圧開始および減圧完了時点については、前記原料をフリー発泡させた場合の反応度の挙動に一致させた。また、使用したシリコーン原料は、以下の通りであり、密度については、得られたシリコーン発泡体の重量および体積から、総発泡倍率については、シリコーン原料の密度を算出された該シリコーン発泡体の密度で除して算出し、減圧発泡の発泡倍率は該総発泡倍率をフリー発泡の発泡倍率で除して算出した。
【0047】
(使用原料)
・実験1−1:ライズの略終了時の粘度1600Pa・S以上(商品名 トスフォーム5310;GE東芝シリコーン製(フリー発泡の発泡倍率4倍))
・実験1−2:ライズの略終了時の粘度2000Pa・S以上(商品名 トスフォーム5700;GE東芝シリコーン製(フリー発泡の発泡倍率7倍))
・実験1−3:ライズの略終了時の粘度10Pa・S以上(商品名 SEF10;東レダウコーニング・シリコーン製(フリー発泡の発泡倍率10倍))
・実験1−4:ライズの略終了時の粘度80Pa・S以上(商品名 XE18−A9923;GE東芝シリコーン製(フリー発泡の発泡倍率15倍))
【0048】
【表1】
【0049】
(実験1の結果)
得られた結果を表1に併記する。この結果から、粘度が小さいシリコーン原料ほど、減圧発泡の発泡倍率が大きいことが確認された。また、実験1−4(ライズの略終了時の粘度が80Pa・S程度のシリコーン原料)における減圧発泡の発泡倍率が2.5倍程度と、2倍を上回っていることが確認された。これらの結果から、意図する総発泡倍率を得るためには、100Pa・S程度以下の粘度が好適であると推定される。
【0050】
(実験2) 減圧度と、発泡倍率との関係
前記実験1において、最も減圧発泡の発泡倍率が大きかったフリー発泡の発泡倍率10倍のシリコーン原料(商品名 SEF10;東レダウコーニング・シリコーン製)を使用し、以下の表2に記す各減圧度により、夫々減圧発泡を実施して、夫々実験2−1〜2−5に係るシリコーン発泡体を得た。そして各原料から得られたシリコーン発泡体の各減圧度における総発泡倍率および密度を測定した。なお、減圧開始および減圧完了時点については、前記原料をフリー発泡させた場合の反応度の挙動に一致させた。また、総発泡倍率および密度の測定方法は実験1に準じた。
【0051】
【表2】
【0052】
(実験2の結果)
得られた結果を表2に併記する。この結果から、シリコーン原料に掛けられる減圧度に伴って、得られるシリコーン発泡体の総発泡倍率も増加することが確認された。最も大きな減圧度(−0.08MPa)において、その総発泡倍率は37.1倍、密度は27.0kg/m3であった。
【0053】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るシリコーン発泡体およびその製造方法によれば、該シリコーン発泡体の原料であるシリコーン原料を減圧下で発泡をさせることにより、従来の方法で製造されるシリコーン発泡体でなし得なかった15倍を越える高い発泡倍率を発現し、これにより低い密度を獲得し得るシリコーン発泡体が製造可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るシリコーン発泡体を示す斜視図である。
【図2】実施例に係るシリコーン発泡体を密閉発泡容器を使用して製造する製造装置の一例を示す概略図である。
【図3】実施例に係るシリコーン発泡体の製造方法を示すフローチャート図である。
【図4】実施例に係るシリコーン発泡体の製造方法に係る注入・減圧発泡工程S2を示す工程図である。
【図5】シリコーン発泡体のライズ(発泡)時における減圧処理の完了時点の違いを説明するグラフ図である。
【図6】シリコーン発泡体のライズ(発泡)時における減圧処理の完了時点の違いを説明するグラフ図である。
【図7】シリコーン発泡体のライズ(発泡)時における減圧処理の完了時点が反応終了後まで維持された場合を説明するグラフ図である。
【図8】シリコーン発泡体のライズ(発泡)時における減圧時間の違いを説明するグラフ図である。
【符号の説明】
10 シリコーン発泡体
22 密閉発泡容器
M シリコーン原料
Claims (13)
- 所要の発泡倍率となるように調整されたシリコーン原料(M)を密閉発泡容器(22)内で減圧状態下に発泡させたシリコーン発泡体であって、最終的に得られる発泡倍率が少なくとも15倍以上になっている
ことを特徴とするシリコーン発泡体。 - 前記減圧状態は、前記シリコーン原料(M)の発泡開始から終了までの間に所期の発泡倍率のシリコーン発泡体が得られるよう制御される請求項1記載のシリコーン発泡体。
- 前記シリコーン発泡体は、前記シリコーン原料(M)を前記密閉発泡容器(22)へ注入する量を制御して、該密閉発泡容器(22)の体積制限下に発泡させることで、該密閉発泡容器(22)のキャビティ形状に合致した外部輪郭形状とされる請求項1または2記載のシリコーン発泡体。
- 前記シリコーン原料(M)は、ライズの略終了時の粘度が100Pa・S(100000cps)以下である請求項1〜3の何れかに記載のシリコーン発泡体。
- 前記シリコーン原料(M)は、ライズ前の粘度が5Pa・S(5000cps)以下である請求項1〜3の何れかに記載のシリコーン発泡体。
- 前記シリコーン原料(M)は、得られるシリコーン発泡体におけるライズの略終了時の温度が75℃以下である請求項1〜5の何れかに記載のシリコーン発泡体。
- 所要の発泡倍率となるよう調整したシリコーン原料(M)を所要の密閉発泡容器(22)に注入し、
前記密閉発泡容器(22)を減圧状態の下で前記シリコーン原料(M)を発泡させ、
これにより前記シリコーン原料(M)を少なくとも15倍以上の倍率で発泡させるようにした
ことを特徴とするシリコーン発泡体の製造方法。 - 前記減圧は、前記シリコーン原料(M)の発泡開始から終了までの間で実施される請求項7記載のシリコーン発泡体の製造方法。
- 減圧下にシリコーン発泡体を得る際に、前記密閉発泡容器(22)としての成形型(14)内に注入されるシリコーン原料(M)の量を意図的に制御することで、前記シリコーン原料(M)が注入される該成形型(14)のキャビティ形状に合致した外部輪郭形状を有するシリコーン発泡体を得るようにした請求項7または8記載のシリコーン発泡体の製造方法。
- 得られたシリコーン発泡体に対して、物理的な破泡処理が実施される請求項7〜9の何れかに記載のシリコーン発泡体の製造方法。
- 前記シリコーン原料(M)は、ライズの略終了時の粘度が100Pa・S(100000cps)以下である請求項7〜10の何れかに記載のシリコーン発泡体の製造方法。
- 前記シリコーン原料(M)は、発泡前における粘度が5Pa・S(5000cps)以下である請求項7〜11の何れかに記載のシリコーン発泡体の製造方法。
- 前記シリコーン原料(M)として、得られるシリコーン発泡体におけるライズの略終了時の温度が75℃以下である物質が使用される請求項7〜12の何れかに記載のシリコーン発泡体の製造方法。
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