JP2004124540A - 基礎杭の施工方法 - Google Patents

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Tetsuhiro Mimura
三村 哲弘
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Abstract

【課題】中掘り工法による根固め杭について周面摩擦力が期待でき、かつ杭内に無駄な硬化性材料が充填されない経済性にも優れた基礎杭の施工方法を提供する。
【解決手段】駆動装置1に接続した掘削ロッド2先端の掘削ヘッド3で地盤を掘削しながら、既成杭11およびその外側に配したケーシング21を建て込んで行く。これらを所定深度まで建て込んだ後、掘削ヘッド3を拡径し、先端根固め部31aを造成する。掘削ヘッド3を縮径し、掘削ロッド2および既成杭11の外側のケーシング21を引き上げながら、ケーシング21先端から硬化性充填材42を注入する。既成杭11内部については所要高さで硬化性充填材41の注入を停止する。掘削ロッド2およびケーシング21の引き上げ完了により、地盤中には先端根固め部31aを有し、杭周にはソイルセメントの硬化層42aを有する基礎杭が形成される。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、中掘り工法による基礎杭の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既成杭を各種埋込み杭工法で施工する場合、杭周に硬化性充填材(通常、セメントミルク)を充填する工法と、充填しない工法がある。
【0003】
杭周(先端部を除く)に硬化性充填材を充填しない工法としては、中掘り工法において、先端に掘削ヘッドを有する掘削ロッドを中空の既成杭の内部に通し、掘削ヘッドで既成杭の下方の地盤を掘削しながら既成杭を建て込んで行き、所定深度まで掘削、杭の沈設を行った後、掘削ヘッドを拡大させ、掘削と硬化性充填材の注入・攪拌混合により先端根固め部を形成し、掘削ヘッドを縮径させ引き上げながら、必要に応じ既成杭内部にセメントミルク等の硬化性充填材を注入して行く方法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、杭周に硬化性充填材を充填する工法としては、先に地盤の掘削および硬化性充填材の注入・攪拌混合によりソイルセメント柱を形成し、ソイルセメントの硬化前に既成杭を建て込む先掘り工法(例えば、特許文献2参照)や、掘削ヘッドよりセメントミルク等の硬化性充填材を掘削地盤に注入し、攪拌混合しながら中掘り工法のように掘削と既成杭の建て込みを同時に行い、所定深度まで杭の沈設を行った後、掘削ヘッドを縮径させて引き上げ、既成杭とその内外のソイルセメントとを一体化した合成杭工法(例えば、特許文献3参照)がある。
【0005】
その他、特許文献4には、合成杭工法の改良工法として、セメントミルク等の硬化性充填材を掘削ヘッドの攪拌翼の先端から上向きに吐出させ、硬化性充填材の充填範囲を杭外周に限定する工法が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−62452号公報
【特許文献2】
特開昭63−97712号公報
【特許文献3】
特開2001−182059号公報
【特許文献4】
特開2000−154540号公報
【特許文献5】
特開2001−26928号公報
【特許文献5】
特開2002−61178号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
杭周にセメントミルク等の硬化性充填材を充填しないタイプの中掘り工法の場合、基礎杭としての周面摩擦力があまり期待できず、先端支持力に依存する割合が高い。すなわち、根固め部による先端支持力は大きいが、周面摩擦力が小さい。
【0008】
短い杭の場合はもともと周面摩擦力が期待できないため、先端支持力重視でも特に問題はないが、ある程度、杭長が長くなると、杭周にセメントミルク等を充填した合成杭工法による基礎杭に比べ、周面摩擦力が小さくなるという欠点がある。
【0009】
一方、合成杭工法による鋼管ソイルセメント杭等においては、ソイルセメント柱の中にリブ付鋼管等を挿入することで周面摩擦力は期待できるが、鋼管杭その他の中空既成杭の特徴として、実断面積が小さい、すなわち杭中空断面が大きいために、杭内に多量のソイルセメントが充填されることになり、ソイルセメントの無駄によりコストがかかるといった欠点がある。
【0010】
本願発明は、上述のような従来技術の課題の解決を図ったものであり、中掘り工法による根固め杭について周面摩擦力が期待でき、かつ杭内に無駄な硬化性材料が充填されない経済性にも優れた基礎杭の施工方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、先端に掘削ヘッドを有する掘削ロッドを中空の既成杭の内部に通し、掘削ヘッドで既成杭の下方の地盤を掘削しながら該既成杭を建て込んで行く中掘り工法による基礎杭の施工方法において、既成杭の外周にケーシングを配置し、既成杭とともに前記ケーシングを建て込んで行き、既成杭を所定深さまで建て込んだ後、該既成杭外周と前記ケーシングとの間に硬化性充填材を充填しながら前記ケーシングを引き上げることで前記既成杭の外周に前記硬化性充填材による硬化層を形成させることを特徴とするものである。
【0012】
既成杭としては、鋼管杭に限らず、コンクリート杭、鋼コンクリート複合杭等、中空の既成杭であれば特に限定されない。
【0013】
ケーシングは、通常、鋼管が用いられるが、既成杭の外周に配置して、地盤中に建て込むことができる強度を有するものであれば、材質は特に限定されない。
【0014】
ケーシングの内径は、当然、既成杭の外径より大きく、既成杭との間に硬化性充填材が充填できる程度にする必要がある。また、必要に応じ、内面に硬化性充填材の注入のための管を取り付けたり、既成杭との間隔を保つためのスペーサなどを設ける。
【0015】
硬化性充填材としては、埋込み杭工法で多用されているセメントミルクが一般的であり、その場合、既成杭を建て込む地盤の掘削土砂と攪拌混合されることで、既成杭の外周にソイルセメントの硬化層が形成される。
【0016】
なお、通常は、他の中掘り工法等と同様、ケーシングの引き上げの前に基礎杭の根固め部(球根部)が形成されるが、杭周の硬化性充填材は根固め部のものに比べ、貧配合とするのが一般的である。
【0017】
また、既成杭の中空部については、無駄な硬化性充填材を使用しないことで、コストの低減が図れるが、水平抵抗など杭にかかる応力を考慮して、必要な箇所についてはコンクリート、あるいはセメントミルク等を充填して、杭の強度を高めることができる。
【0018】
請求項2は、請求項1に係る基礎杭の施工方法において、前記硬化性充填材の充填を、前記ケーシングの内面側に設けた注入管により行うことを特徴とするものである。
【0019】
注入管をあらかじめケーシングの軸方向にその内面に沿わせて取り付けておけば、ケーシングを引き抜く際に、ケーシングの引抜きに合わせて硬化性充填材を注入することができる。また、注入管をケーシングの内面に固定しておけば、注入位置のずれの心配も少ない。
【0020】
請求項3は、請求項1または2に係る基礎杭の施工方法において、既成杭を所定深さまで建て込んだ後、前記ケーシングを回転させながら引き上げることを特徴とするものである。
【0021】
建て込む場合と同様、ケーシングを回転させることで地盤からの抵抗が小さくなり、引抜きが容易になるとともに、ケーシングの回転を利用して硬化性充填材と杭周の土砂の攪拌混合を行うことができる。
【0022】
なお、ケーシングの内面あるいは杭の外周面に凹凸あるいは突起等を設けておけば、より効率よく攪拌混合を行うことができる。
【0023】
請求項4は、請求項1、2または3に係る基礎杭の施工方法において、前記既成杭およびケーシングの建て込みの際、該既成杭およびケーシングを、またはケーシングのみを回転させながら建て込むことを特徴とするものである。
【0024】
埋込み杭工法においては、既成杭の建て込みを容易にするために、杭を回転させながら圧入するといったことがよく行われるが、本願発明では既成杭の外周にケーシングがあるため、ケーシングが地盤から受ける抵抗が大きく、ケーンシグを回転させながら、必要に応じ圧入力を加えて建て込みを行うことが望ましい。
【0025】
この場合、ケーシングのみを回転させる場合と、既成杭とケーシングの両者が回転させる場合が考えられる。
【0026】
請求項5は、請求項4に係る基礎杭の施工方法において、前記既成杭およびケーシングまたはケーシングのみを、前記掘削ヘッドと係合部材を介して係合させ、掘削ヘッドとともに回転させることを特徴とするものである。
【0027】
ケーシングや既成杭の回転は、これらの上端で行うこともできるが、回転圧入の場合、従来から掘削ヘッドの掘削翼等と既成杭を、例えばL型の係合部材等を介して係合させ、掘削ヘッド、すなわち掘削ロッドの回転を利用して既成杭を同時に回転させることが行われている。本願発明では、ケーシングについても、同様の回転機構を利用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1(a) 〜(f) は、本願発明の基礎杭の施工方法の一実施形態における施工手順を示したもので、以下の手順で施工を行う。なお、図示した例は既成杭11として鋼管杭を用いた場合である。
【0029】
(1) オーガー駆動装置1と掘削ロッド2(この例では、スパイラルオーガー)を接続し、掘削ロッド2先端の掘削ヘッド3で掘削しながら既成杭11およびその外側に配したケーシング21を建て込んで行く(図1(a) 参照)。
(2) 杭長に応じ、既成杭11およびケーシング21を接続しなら所定深度まで掘削、建込みを行う(図1(b) 参照)。
【0030】
(3) 掘削ヘッド3を逆回転して拡翼させ、硬化性充填材31(セメントミルク等)を注入しながら、掘削・反復攪拌混合を行う(図1(c) 参照)。
(4) 掘削ヘッド3を正回転して閉翼し、掘削ロッド2および既成杭11の外側のケーシング21を引き上げながら、既成杭11内には掘削ヘッド3部分から、杭周にはケーシング21先端から硬化性充填材41,42を注入する(図1(d) 参照)。
【0031】
(5) 既成杭11内部については所要高さで硬化性充填材41の注入を停止し、杭周については引き続きケーシング21の先端から硬化性充填材42を注入する(図1(e) 参照)。
(6) 掘削ロッド2およびケーシング21の引き上げ完了により、地盤中には先端根固め部31aを有し、杭周にはソイルセメントの硬化層42aを有する基礎杭が形成される(図1(f) 参照)。
【0032】
図2(a) は、既成杭11としての鋼管杭とケーシング21の関係を示したもので、既成杭11の外側に既成杭11の外径より大きい内径を有するケーシング21を配置している。
【0033】
図示した実施例では、既成杭11、ケーシング21の何れも下端をL字状の係合金具12により掘削ヘッド3の攪拌翼5に係合させることで、掘削ロッド2の回転により掘削ヘッド3とともに軸回りに回転するようになっている。この機構は、基本的には従来の中掘り工法において既成杭11を掘削ヘッド3とともに回転させながら建て込む場合に用いられている機構と同様のものである。
【0034】
なお、ケーシング21のみを係合金具12により掘削ヘッド3に係合させ、ケーシング21のみを回転させながら建て込む場合もある。その場合、既成杭11は地盤が軟らかい場合は掘削液の使用などによりある程度自重でも沈設できるが、必要に応じ圧入力を加える。
【0035】
図2(b) は、施工完了の状態を示したもので、既成杭11の先端部に硬化性充填材による根固め部31aが形成され、既成杭11の内部は所要高さまで硬化性充填材の注入によるソイルセメントの先端閉塞部41aが形成され、杭周には周面摩擦力を得るためのソイルセメントの硬化層32aが形成される。既成杭11内の先端閉塞部41aより上方は掘削土砂が充填されている。
【0036】
なお、既成杭11本体外周には、必要に応じて鉄筋などの突起物を取り付け、硬化層32aと既成杭11本体との一体化を確実にすることができる。
【0037】
図3は、掘削ヘッド3部分の詳細を示したもので、掘削ヘッド3部分の先端に掘削ビット4が取り付けられ、その上方に複数の掘削攪拌翼5が取り付けられ、既成杭11およびケーシング21は、係合金具12により上部の攪拌翼5に係合されている。
【0038】
図示したものは、正逆の回転の際、地盤からの抵抗により攪拌翼5が拡径、縮径する形式であるが、その他、先端根固め部の施工の際に掘削ヘッド部分を拡径、縮径させる構造については、種々の形式のものが実用化されており、本願発明においても掘削ヘッド3の拡径、縮径の構造については特に限定されない。
【0039】
図4は、ケーシング21への配管用鋼管22の取付け状態を示したもので、この例では、ケーシング21の内面軸方向に沿って、注入管としての配管用鋼管22が取り付けられ、その先端からからセメントミルク等の硬化性充填材31が吐出される。
【0040】
図4(a) において、符号23はケーシング21を上下に接続するためのソケット部分であり、ロックピン24等により接続部分が固定される。また、図4(b) において、符号6は硬化性充填材についての注入経路に関する掘削ロッド2部分から配管用鋼管22への分岐部である。
【0041】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、実施形態では鋼管杭で説明したが、コンクリート杭等、他の素材で形成される杭にあっても当然、適用可能である。
【0042】
【発明の効果】
本願発明によれば、中掘り工法による先端根固め杭に対し、さらに杭周に硬化性充填材による硬化層が形成されることで、高い周面摩擦力が得られ、基礎杭全体としての支持力が大幅にアップする。
【0043】
また、既成杭がソイルセメント柱内に埋め込まれる合成杭工法の場合に比べ、既成杭内部に余分な硬化性材料が充填されないため、コストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の基礎杭の施工方法の一実施形態における施工手順を示す鉛直断面図である。
【図2】(a) は本願発明の一実施形態における既成杭としての鋼管杭とケーシングの関係を示す鉛直断面図、(b) は施工完了の状態を示す鉛直断面図である。
【図3】図2における掘削ヘッド部分の詳細を示したもので、(a) は鉛直断面図、(b) は底面図である。
【図4】本願発明の一実施形態における硬化性充填材の注入用配管のケーシングへの取付け状態を示したもので、(a) はケーシング一般部における鉛直断面図、(b) はオーガー駆動装置への取付け部分における鉛直断面図である。
【符号の説明】
1…オーガー駆動装置、2…掘削ロッド、3…掘削ヘッド、4…ビット、5…攪拌翼、6…分岐部、11…既成杭、12…係合金具、21…ケーシング、22…配管用鋼管、31…硬化性充填材、31a…根固め部、41…硬化性充填材、41a…閉塞部、42…硬化性充填材、42a…硬化層

Claims (5)

  1. 先端に掘削ヘッドを有する掘削ロッドを中空の既成杭の内部に通し、掘削ヘッドで既成杭の下方の地盤を掘削しながら該既成杭を建て込んで行く中掘り工法による基礎杭の施工方法において、既成杭の外周にケーシングを配置し、既成杭とともに前記ケーシングを建て込んで行き、既成杭を所定深さまで建て込んだ後、該既成杭外周と前記ケーシングとの間に硬化性充填材を充填しながら前記ケーシングを引き上げることで前記既成杭の外周に前記硬化性充填材による硬化層を形成させることを特徴とする基礎杭の施工方法。
  2. 前記硬化性充填材の充填を、前記ケーシングの内面側に設けた注入管により行うことを特徴とする請求項1記載の基礎杭の施工方法。
  3. 既成杭を所定深さまで建て込んだ後、前記ケーシングを回転させながら引き上げることを特徴とする請求項1または2記載の基礎杭の施工方法。
  4. 前記既成杭およびケーシングの建て込みの際、該既成杭およびケーシングを、またはケーシングのみを回転させながら建て込むことを特徴とする請求項1、2または3記載の基礎杭の施工方法。
  5. 前記既成杭およびケーシングまたはケーシングのみを、前記掘削ヘッドと係合部材を介して係合させ、掘削ヘッドとともに回転させることを特徴とする請求項4記載の基礎杭の施工方法。
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JP2012112163A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Takenaka Komuten Co Ltd 汚染土壌における杭施工方法
CN110528511A (zh) * 2019-09-09 2019-12-03 中铁八局集团第六工程有限公司 一种冲击钻钻孔桩施工方法
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