JP2004128471A - 不揮発メモリ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスや樹脂のような基板上に集積回路を形成し、所望のセルを選択することができるような不揮発メモリ装置を提供する。
【解決手段】マトリックス配線とスイッチング素子と、記憶素子を有し、記憶素子はインピーダンスが変化する記憶素子で、スイッチング素子及び記憶素子とも有機物半導体あるいは有機物電気伝導体の少なくとも何れか一方を有する不揮発メモリ装置を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】マトリックス配線とスイッチング素子と、記憶素子を有し、記憶素子はインピーダンスが変化する記憶素子で、スイッチング素子及び記憶素子とも有機物半導体あるいは有機物電気伝導体の少なくとも何れか一方を有する不揮発メモリ装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマトリックス配線とスイッチング素子と、記憶素子を有する不揮発メモリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機物半導体材料を用いた、電子デバイスの開発が広く行なわれており、発行素子である有機EL(Electro−Luminescence)、有機TFT(Thin Film Transistor)、有機半導体レーザー等の開発が報告されている。中でも、有機トランジスタの一種である、有機TFTは、ローコストでガラスや樹脂のような安価な基板上に集積回路を形成する技術として有望視されている。
【0003】
有機トランジスタの構造に関し、ソース、ドレイン電極とゲート絶縁膜、ゲート電極を有する素子が提案されている(特許文献1乃至3)。
【0004】
一方、有機トランジスタとともに、ガラスや樹脂のような安価な基板上に不揮発メモリ素子を構成できることが望まれるが、現状では、シリコン基板上に作製されるようなFlashメモリ、EEPROM(Electrical Erasable Programmable Read Only Memory)に匹敵する機能を有するメモリ構造は得られていない。特開2001−189431号公報に、有機物のインピーダンスを電圧により変動させることにより、1個のセルに多値記憶できる構成を開示しているが、ガラスや樹脂基板上に集積回路を形成し、所望のセルを選択することが出来るような構成は示されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平08−228034号公報
【特許文献2】
特開平09−232589号公報
【特許文献3】
特開平10−270712号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術による構成が、ガラスや樹脂のような安価な基板上に所望のセルを選択できるような不揮発メモリ装置を形成することが困難であるという課題を解決しようとするものである。したがって、本発明の目的は、有機物を用いた素子構成することにより、ガラスや樹脂のような安価な基板上に集積回路を形成でき、所望のセルを選択することができるような不揮発メモリ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
よって本発明は、マトリックス配線とスイッチング素子と、記憶素子を有する不揮発メモリ装置であって、
前記記憶素子はインピーダンスが変化する記憶素子であり、前記スイッチング素子及び前記記憶素子とも有機物半導体あるいは有機物電気伝導体の少なくとも何れか一方を有することを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の不揮発メモリ装置は、記憶素子はインピーダンスが変化する記憶素子であり、スイッチング素子及び記憶素子が有機物の半導体あるいは有機物の電気伝導体の少なくとも何れか一方を有する。ここでは、メモリ素子における有機物電気伝導体が、読み出し動作電圧より大きな書き込み電圧を印加されることにより、読み出し動作電圧における前記有機物導電体のインピーダンスが変化する動作が基本となる。
【0009】
特に、メモリ素子における有機物電気伝導体が、読み出し動作電流より大きな書き込み電圧を印加されることにより、読み出し動作電流における前記有機物導電体のインピーダンスが不可逆的に増大することがより好ましい。このことにより、一旦書き込まれた情報は、書き換え不可能となり、セキュリティー上好都合となるばかりでなく、EEPROMなどに比べ簡単な駆動方法を選択することが出来る。
【0010】
スイッチング素子が、有機物半導体または有機物電気伝導体を含むトランジスタであることがより好ましい。このことにより、所望のメモリセルを選択することが出来る。トランジスタには、電界効果型、薄膜型、接合型などがあるが、いずれでも使用可能である。有機半導体とは、その有機物が持つバンドギャップの間にフェルミレベルがあるような物質で、半導体特性を持つ。有機物電気伝導体とは、その有機物が持つ導電帯付近にフェルミレベルがあるような物質で、主に金属的な電気伝導特性を持つ。
【0011】
スイッチング素子が、有機物半導体または有機物電気伝導体を含むダイオードであっても良い。この場合、比較的単純なマトリックス構造を持ったメモリ装置を構成することが出来る。
【0012】
ビット線、ワード線のほかに、接地線を設け、トランジスタの1端子がビット線の1つに接続され、トランジスタのさらに別の1端子がワード線の1つに接続され、トランジスタのさらに別の1端子がメモリ素子を介して接地線の1つに接続されることがより好ましい。
【0013】
メモリ素子が、基板面内方向に離れた2つの電極の隙間をまたぐ構造を持っても良い。このことにより、メモリ素子を印刷等の手段で形成させることが出来る。
【0014】
不揮発メモリ装置が、樹脂基板上に形成されることがより好ましい。このことにより、前記不揮発メモリ装置は、ICカードまたはICタグに利用することが可能である。このようなICカードまたはICタグは、定期券、身分証あるいは荷物配送にかかわる不揮発メモリ装置として、用いてもよいし、あるいはレーザービームプリンタや複写機といった電子写真方式の画像形成装置におけるカートリッジ(すなわち感光体ドラムあるいはトナーなどを収容するための手段)に取り付けられていてもよく、あるいはピエゾ方式あるいはバブルジェット(R)方式といったインクジェットプリンタのインクを収容するカートリッジに取り付けられていてもよい。その場合、さまざまな情報、あるいは大量の情報を製品出荷前乃至製品使用時に記憶することができるので好ましい。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1に示す本実施形態の不揮発メモリ装置の構成について説明する。
【0017】
ビット線BL1〜BL4とこれに交差するワード線WL1〜WL4と、マトリックス状に配置された、有機物半導体を含むスイッチング素子として有機TFT(薄膜トランジスタ)T11〜T44、記憶素子であるメモリ素子R11〜R44各1個からなる単位セルC11〜C44からなる16ビットメモリ装置の構成を示す。各有機TFT T11〜T44のゲート電極はワード線に、ドレイン電極はビット線に、ソース電極はメモリ素子R11〜R44の一方の端子に接続され、メモリ素子R11〜R44の他方の端子は接地される。
【0018】
メモリ素子として注目すべき構造は、有機物電気伝導体からなる材料が、ギャップがある電極間に配置された構造である。配置には一例として液状の材料を電極間に塗布し乾燥させることを行うことができる。一例として、メモリ素子の特性を図2に示す。電極間に印加する電圧を0Vから5Vまで挿引するが、1回目と2回目で特性が大きく異なる。1回目の挿引では、印加電圧4V付近で電流量が大きく減少し高抵抗状態になり、2回目の挿引でもこの高抵抗状態が維持する。この抵抗の変化は不可逆的であり、一旦高抵抗状態になると、低抵抗状態に戻ることはない。読み出し動作電圧を3V程度とすると、メモリ素子の抵抗値は、高抵抗状態と低抵抗状態とで2桁程度異なることになる。つまりインピーダンスが不可逆的に増大する。
【0019】
前記有機物電気伝導体の具体例としては、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体などが挙げられる。
【0020】
次に、本メモリ装置の駆動方法について一例をあげて説明する。
【0021】
まず、読み出し動作について説明する。各TFTは、pチャネル動作するとする。参照電圧として(図1における「Ref.」)、−2V(電源電圧3Vの2/3に相当)をセンスアンプに印加する。次に、C23のセルの情報を読み出す動作を行なう。ワード線WL3に−3Vを印加し、選択トランジスタT23をON状態にする。次にビット線BL2に、−3Vを限度に、数μAの定電流を流す。このとき、C23が選択され、R23が低抵抗状態のときは、電流がBL2→T23→接地と流れ、BL2の電位は、接地電圧に近くなる。よって、ビット線BL2の電位は、参照電圧より大きくなり、センスアンプSA2は、「1」を出力する。一方、R23が高抵抗のときは、BL2→T23→接地と流れる電流はほとんどなくなり、BL2は電源電圧に近くなる。よって、ビット線BL2の電位は、参照電圧より小さくなり、センスアンプSA2は、「0」を出力する。
【0022】
次に書き込み動作について説明する。R23は初期状態として、低抵抗状態にあるとする。ワード線WL3に−3Vを印加し、選択トランジスタT23をON状態にする。次にビット線BL2に、−6Vを限度に、10μA程度の定電流を流す。このとき、C23が選択され、R23に5V以上の電圧が印加され、10μAの電流が流れる。このとき、R23は高抵抗状態に不可逆的に変移する。この動作によって、C23に情報が書き込まれたことになる。
【0023】
(第1の実施形態)
次に、本実施形態の一例として、メモリ装置の試作工程について説明する。
【0024】
図3乃至6は本実施形態に係るメモリ素子の作成工程を説明するための模式図である。
【0025】
符号1は基板、2はコンタクト、3はメモリ素子電極、4は接地線、5はゲート電極、6はゲート絶縁膜、7はドレイン電極、8はソース電極、9は有機半導体層、10は保護膜、11はメモリ素子、12は保護膜である。
【0026】
まず、図3に示すように、エポキシ樹脂からなる基板1の両面(表裏面)に銅箔をエッチング加工したメモリ素子電極3および接地線4およびゲート電極5を形成し、スルーホールを銅めっきにて埋め込んだコンタクト2を形成した、基板部分を用意する。ここで、ゲート電極5は、ワード線に接続される。基板1の一方の面にメモリ素子電極3と接地線4が、他方の面にゲート電極5が設けられている。
【0027】
次に、図4に示すように、ゲート絶縁膜6として、スパッタリング法により酸化アルミニウム薄膜を形成する。ゲート絶縁膜は、金属のマスクを通して、ゲート電極5を覆うように選択的に形成される。さらに、ドレイン電極7とソース電極8として、真空蒸着法により金薄膜を形成する。ゲート絶縁膜6と同様に、金属マスクにより選択的に形成される。このとき、ドレイン電極7はビット線に接続される。また、ソース電極8は、コンタクトホールと接続されることになる。
【0028】
次に、図5に示すように、有機半導体層9として、ペンタセンを真空蒸着した。ゲート絶縁膜6と同様に、有機半導体層9は金属マスクにより、ソース電極8、ドレイン電極7にはさまれた領域と各電極の一部を含めて、即ち電極間を覆うように、選択的に形成される。次に、保護膜として10として、ノボラック樹脂を塗布、硬化させた。
【0029】
次に、図6に示すように、メモリ素子電極3と接地線4の空隙をまたぐように、具体的にはメモリ素子電極3と接地線の間とそれぞれの一部とに、有機物電気伝導体PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)を塗布乾燥し、メモリ素子11を形成した。
【0030】
また、図示していないが、前記ビット線は、センスアンプの1端子に接続され、他方の端子の参照電圧と比較し、前記ビット線電位が参照電圧より高い場合は、「1」(高電位:電源電圧に近い電圧)を出力し、前記ビット線電位が参照電圧より低い場合は、「0」(低電位:接地電圧に近い電圧)を出力する。
【0031】
このようにして試作したメモリ装置について、読み出し動作−3V、書き込み動作−6Vを前提に駆動させる場合について説明する。
【0032】
まず、読み出し動作について説明する。参照電圧として(図1における「Ref.」)、−2V(電源電圧2Vの2/3に相当)をセンスアンプに印加する。次に、C23のセルの情報を読み出す動作を行なう。ワード線WL3に−3Vを印加し、選択トランジスタT23をON状態にする。次にビット線BL2に、−3Vを限度に、5μAの定電流を流す。このとき、C23が選択され、R23が低抵抗状態のときは、電流がBL2→T23→接地と流れ、BL2の電位は、接地電圧に近くなる。よって、ビット線BL2の電位は、参照電圧より大きくなり、センスアンプSA2は、「1」を出力する。一方、R23が高抵抗のときは、BL2→T23→接地と流れる電流はほとんどなくなり、BL2は電源電圧に近くなる。よって、ビット線BL2の電位は、参照電圧より小さくなり、センスアンプSA2は、「0」を出力する。
【0033】
次に書き込み動作について説明する。R23は初期状態として、低抵抗状態にあるとする。ワード線WL3に−3Vを印加し、選択トランジスタT23をON状態にする。次にビット線BL2に、−6Vを限度に、10μAの定電流を流す。このとき、C23が選択され、R23に5V以上の電圧が印加され、10μAの電流が流れる。このとき、R23は高抵抗状態に不可逆的に変移する。この動作によって、C23に情報が書き込まれたことになる。
【0034】
本実施形態に係る不揮発メモリ装置はスイッチング素子として、ダイオードを用いることができる。また本実施形態に係る不揮発メモリ装置はスイッチング素子として、接合型トランジスタを用いることができる。
【0035】
(第2の実施の形態)
本実施形態に係る不揮発メモリ装置はスイッチング素子として、ダイオードを用いることができる形態である。図7に本実施形態に係る構成の一例を示す。
【0036】
本実施形態では第1の実施の形態と同様に、1つのセルがスイッチング素子とメモリ素子とを有している。第1の実施の形態においてセルはスイッチング素子としてトランジスタ素子を有しているのに対して、第2の実施の形態ではダイオード素子を有している。
【0037】
図7に示すように本実施形態に係る不揮発メモリ装置はそのようなセルを行方向および列方向に複数有している(C11乃至C44)。ひとつのセルを例にあげれば、セルC11はダイオードD11とメモリ素子M11とを有している。それぞれのメモリ素子は一方がそれぞれのセルのダイオードに接続されており、他方が共通して1つのワードラインWLに接続されている。ワードラインWLは複数ありそれぞれが複数のメモリ素子と列単位で接続されている。またダイオードの一端で、メモリ素子と接続していない側の一端は、共通して1つのラインBLに接続されている。ラインBLは複数あり、それぞれが複数のダイオードの一端と行単位に接続されている。
【0038】
読み出し動作について説明する。例えばセルC22を選択するとき、BL2に定電圧Vccを印加し、抵抗R2を経て接地されたBL2に電流が流れるようにする。この際、他のワードラインWLには、Vcc以上の電圧を印加し、選択した以外のセルには電流が流れないようにする。このときのBL2の電位を、参照電圧Ref.と比較することで、情報を読み出すことができる。
【0039】
書き込み動作について説明する。例えばセルC22を選択するとき、BL2に定電圧2Vccを印加し、R2を経てBL2に電流が流れるようにする。この際、他のワードラインWLには、2Vcc以上の電圧を印加し、選択した以外のセルには電流が流れないようにする。このようにすると、選択されたC22の記憶素子D22には大きな電圧が印加され、インピーダンスが変化することになる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラスや樹脂基板上に形成可能で、所望のセルを選択できる機構を持つ、不揮発メモリ装置を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回路構成を示す回路図である。
【図2】メモリ素子の電気特性を示すグラフである。
【図3】第1の実施形態のトランジスタ素子を示す要部断面図である。
【図4】第1の実施形態のトランジスタ素子を示す要部断面図である。
【図5】第1の実施形態のトランジスタ素子を示す要部断面図である。
【図6】第1の実施形態のトランジスタ素子を示す要部断面図である。
【図7】第2の実施の形態の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 基板
2 コンタクト
3 メモリ素子電極
4 接地線
5 ゲート電極
6 ゲート絶縁膜
7 ドレイン電極
8 ソース電極
9 有機半導体層
10 保護膜
11 メモリ素子
12 保護膜
【発明の属する技術分野】
本発明はマトリックス配線とスイッチング素子と、記憶素子を有する不揮発メモリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機物半導体材料を用いた、電子デバイスの開発が広く行なわれており、発行素子である有機EL(Electro−Luminescence)、有機TFT(Thin Film Transistor)、有機半導体レーザー等の開発が報告されている。中でも、有機トランジスタの一種である、有機TFTは、ローコストでガラスや樹脂のような安価な基板上に集積回路を形成する技術として有望視されている。
【0003】
有機トランジスタの構造に関し、ソース、ドレイン電極とゲート絶縁膜、ゲート電極を有する素子が提案されている(特許文献1乃至3)。
【0004】
一方、有機トランジスタとともに、ガラスや樹脂のような安価な基板上に不揮発メモリ素子を構成できることが望まれるが、現状では、シリコン基板上に作製されるようなFlashメモリ、EEPROM(Electrical Erasable Programmable Read Only Memory)に匹敵する機能を有するメモリ構造は得られていない。特開2001−189431号公報に、有機物のインピーダンスを電圧により変動させることにより、1個のセルに多値記憶できる構成を開示しているが、ガラスや樹脂基板上に集積回路を形成し、所望のセルを選択することが出来るような構成は示されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平08−228034号公報
【特許文献2】
特開平09−232589号公報
【特許文献3】
特開平10−270712号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術による構成が、ガラスや樹脂のような安価な基板上に所望のセルを選択できるような不揮発メモリ装置を形成することが困難であるという課題を解決しようとするものである。したがって、本発明の目的は、有機物を用いた素子構成することにより、ガラスや樹脂のような安価な基板上に集積回路を形成でき、所望のセルを選択することができるような不揮発メモリ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
よって本発明は、マトリックス配線とスイッチング素子と、記憶素子を有する不揮発メモリ装置であって、
前記記憶素子はインピーダンスが変化する記憶素子であり、前記スイッチング素子及び前記記憶素子とも有機物半導体あるいは有機物電気伝導体の少なくとも何れか一方を有することを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の不揮発メモリ装置は、記憶素子はインピーダンスが変化する記憶素子であり、スイッチング素子及び記憶素子が有機物の半導体あるいは有機物の電気伝導体の少なくとも何れか一方を有する。ここでは、メモリ素子における有機物電気伝導体が、読み出し動作電圧より大きな書き込み電圧を印加されることにより、読み出し動作電圧における前記有機物導電体のインピーダンスが変化する動作が基本となる。
【0009】
特に、メモリ素子における有機物電気伝導体が、読み出し動作電流より大きな書き込み電圧を印加されることにより、読み出し動作電流における前記有機物導電体のインピーダンスが不可逆的に増大することがより好ましい。このことにより、一旦書き込まれた情報は、書き換え不可能となり、セキュリティー上好都合となるばかりでなく、EEPROMなどに比べ簡単な駆動方法を選択することが出来る。
【0010】
スイッチング素子が、有機物半導体または有機物電気伝導体を含むトランジスタであることがより好ましい。このことにより、所望のメモリセルを選択することが出来る。トランジスタには、電界効果型、薄膜型、接合型などがあるが、いずれでも使用可能である。有機半導体とは、その有機物が持つバンドギャップの間にフェルミレベルがあるような物質で、半導体特性を持つ。有機物電気伝導体とは、その有機物が持つ導電帯付近にフェルミレベルがあるような物質で、主に金属的な電気伝導特性を持つ。
【0011】
スイッチング素子が、有機物半導体または有機物電気伝導体を含むダイオードであっても良い。この場合、比較的単純なマトリックス構造を持ったメモリ装置を構成することが出来る。
【0012】
ビット線、ワード線のほかに、接地線を設け、トランジスタの1端子がビット線の1つに接続され、トランジスタのさらに別の1端子がワード線の1つに接続され、トランジスタのさらに別の1端子がメモリ素子を介して接地線の1つに接続されることがより好ましい。
【0013】
メモリ素子が、基板面内方向に離れた2つの電極の隙間をまたぐ構造を持っても良い。このことにより、メモリ素子を印刷等の手段で形成させることが出来る。
【0014】
不揮発メモリ装置が、樹脂基板上に形成されることがより好ましい。このことにより、前記不揮発メモリ装置は、ICカードまたはICタグに利用することが可能である。このようなICカードまたはICタグは、定期券、身分証あるいは荷物配送にかかわる不揮発メモリ装置として、用いてもよいし、あるいはレーザービームプリンタや複写機といった電子写真方式の画像形成装置におけるカートリッジ(すなわち感光体ドラムあるいはトナーなどを収容するための手段)に取り付けられていてもよく、あるいはピエゾ方式あるいはバブルジェット(R)方式といったインクジェットプリンタのインクを収容するカートリッジに取り付けられていてもよい。その場合、さまざまな情報、あるいは大量の情報を製品出荷前乃至製品使用時に記憶することができるので好ましい。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1に示す本実施形態の不揮発メモリ装置の構成について説明する。
【0017】
ビット線BL1〜BL4とこれに交差するワード線WL1〜WL4と、マトリックス状に配置された、有機物半導体を含むスイッチング素子として有機TFT(薄膜トランジスタ)T11〜T44、記憶素子であるメモリ素子R11〜R44各1個からなる単位セルC11〜C44からなる16ビットメモリ装置の構成を示す。各有機TFT T11〜T44のゲート電極はワード線に、ドレイン電極はビット線に、ソース電極はメモリ素子R11〜R44の一方の端子に接続され、メモリ素子R11〜R44の他方の端子は接地される。
【0018】
メモリ素子として注目すべき構造は、有機物電気伝導体からなる材料が、ギャップがある電極間に配置された構造である。配置には一例として液状の材料を電極間に塗布し乾燥させることを行うことができる。一例として、メモリ素子の特性を図2に示す。電極間に印加する電圧を0Vから5Vまで挿引するが、1回目と2回目で特性が大きく異なる。1回目の挿引では、印加電圧4V付近で電流量が大きく減少し高抵抗状態になり、2回目の挿引でもこの高抵抗状態が維持する。この抵抗の変化は不可逆的であり、一旦高抵抗状態になると、低抵抗状態に戻ることはない。読み出し動作電圧を3V程度とすると、メモリ素子の抵抗値は、高抵抗状態と低抵抗状態とで2桁程度異なることになる。つまりインピーダンスが不可逆的に増大する。
【0019】
前記有機物電気伝導体の具体例としては、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体などが挙げられる。
【0020】
次に、本メモリ装置の駆動方法について一例をあげて説明する。
【0021】
まず、読み出し動作について説明する。各TFTは、pチャネル動作するとする。参照電圧として(図1における「Ref.」)、−2V(電源電圧3Vの2/3に相当)をセンスアンプに印加する。次に、C23のセルの情報を読み出す動作を行なう。ワード線WL3に−3Vを印加し、選択トランジスタT23をON状態にする。次にビット線BL2に、−3Vを限度に、数μAの定電流を流す。このとき、C23が選択され、R23が低抵抗状態のときは、電流がBL2→T23→接地と流れ、BL2の電位は、接地電圧に近くなる。よって、ビット線BL2の電位は、参照電圧より大きくなり、センスアンプSA2は、「1」を出力する。一方、R23が高抵抗のときは、BL2→T23→接地と流れる電流はほとんどなくなり、BL2は電源電圧に近くなる。よって、ビット線BL2の電位は、参照電圧より小さくなり、センスアンプSA2は、「0」を出力する。
【0022】
次に書き込み動作について説明する。R23は初期状態として、低抵抗状態にあるとする。ワード線WL3に−3Vを印加し、選択トランジスタT23をON状態にする。次にビット線BL2に、−6Vを限度に、10μA程度の定電流を流す。このとき、C23が選択され、R23に5V以上の電圧が印加され、10μAの電流が流れる。このとき、R23は高抵抗状態に不可逆的に変移する。この動作によって、C23に情報が書き込まれたことになる。
【0023】
(第1の実施形態)
次に、本実施形態の一例として、メモリ装置の試作工程について説明する。
【0024】
図3乃至6は本実施形態に係るメモリ素子の作成工程を説明するための模式図である。
【0025】
符号1は基板、2はコンタクト、3はメモリ素子電極、4は接地線、5はゲート電極、6はゲート絶縁膜、7はドレイン電極、8はソース電極、9は有機半導体層、10は保護膜、11はメモリ素子、12は保護膜である。
【0026】
まず、図3に示すように、エポキシ樹脂からなる基板1の両面(表裏面)に銅箔をエッチング加工したメモリ素子電極3および接地線4およびゲート電極5を形成し、スルーホールを銅めっきにて埋め込んだコンタクト2を形成した、基板部分を用意する。ここで、ゲート電極5は、ワード線に接続される。基板1の一方の面にメモリ素子電極3と接地線4が、他方の面にゲート電極5が設けられている。
【0027】
次に、図4に示すように、ゲート絶縁膜6として、スパッタリング法により酸化アルミニウム薄膜を形成する。ゲート絶縁膜は、金属のマスクを通して、ゲート電極5を覆うように選択的に形成される。さらに、ドレイン電極7とソース電極8として、真空蒸着法により金薄膜を形成する。ゲート絶縁膜6と同様に、金属マスクにより選択的に形成される。このとき、ドレイン電極7はビット線に接続される。また、ソース電極8は、コンタクトホールと接続されることになる。
【0028】
次に、図5に示すように、有機半導体層9として、ペンタセンを真空蒸着した。ゲート絶縁膜6と同様に、有機半導体層9は金属マスクにより、ソース電極8、ドレイン電極7にはさまれた領域と各電極の一部を含めて、即ち電極間を覆うように、選択的に形成される。次に、保護膜として10として、ノボラック樹脂を塗布、硬化させた。
【0029】
次に、図6に示すように、メモリ素子電極3と接地線4の空隙をまたぐように、具体的にはメモリ素子電極3と接地線の間とそれぞれの一部とに、有機物電気伝導体PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)を塗布乾燥し、メモリ素子11を形成した。
【0030】
また、図示していないが、前記ビット線は、センスアンプの1端子に接続され、他方の端子の参照電圧と比較し、前記ビット線電位が参照電圧より高い場合は、「1」(高電位:電源電圧に近い電圧)を出力し、前記ビット線電位が参照電圧より低い場合は、「0」(低電位:接地電圧に近い電圧)を出力する。
【0031】
このようにして試作したメモリ装置について、読み出し動作−3V、書き込み動作−6Vを前提に駆動させる場合について説明する。
【0032】
まず、読み出し動作について説明する。参照電圧として(図1における「Ref.」)、−2V(電源電圧2Vの2/3に相当)をセンスアンプに印加する。次に、C23のセルの情報を読み出す動作を行なう。ワード線WL3に−3Vを印加し、選択トランジスタT23をON状態にする。次にビット線BL2に、−3Vを限度に、5μAの定電流を流す。このとき、C23が選択され、R23が低抵抗状態のときは、電流がBL2→T23→接地と流れ、BL2の電位は、接地電圧に近くなる。よって、ビット線BL2の電位は、参照電圧より大きくなり、センスアンプSA2は、「1」を出力する。一方、R23が高抵抗のときは、BL2→T23→接地と流れる電流はほとんどなくなり、BL2は電源電圧に近くなる。よって、ビット線BL2の電位は、参照電圧より小さくなり、センスアンプSA2は、「0」を出力する。
【0033】
次に書き込み動作について説明する。R23は初期状態として、低抵抗状態にあるとする。ワード線WL3に−3Vを印加し、選択トランジスタT23をON状態にする。次にビット線BL2に、−6Vを限度に、10μAの定電流を流す。このとき、C23が選択され、R23に5V以上の電圧が印加され、10μAの電流が流れる。このとき、R23は高抵抗状態に不可逆的に変移する。この動作によって、C23に情報が書き込まれたことになる。
【0034】
本実施形態に係る不揮発メモリ装置はスイッチング素子として、ダイオードを用いることができる。また本実施形態に係る不揮発メモリ装置はスイッチング素子として、接合型トランジスタを用いることができる。
【0035】
(第2の実施の形態)
本実施形態に係る不揮発メモリ装置はスイッチング素子として、ダイオードを用いることができる形態である。図7に本実施形態に係る構成の一例を示す。
【0036】
本実施形態では第1の実施の形態と同様に、1つのセルがスイッチング素子とメモリ素子とを有している。第1の実施の形態においてセルはスイッチング素子としてトランジスタ素子を有しているのに対して、第2の実施の形態ではダイオード素子を有している。
【0037】
図7に示すように本実施形態に係る不揮発メモリ装置はそのようなセルを行方向および列方向に複数有している(C11乃至C44)。ひとつのセルを例にあげれば、セルC11はダイオードD11とメモリ素子M11とを有している。それぞれのメモリ素子は一方がそれぞれのセルのダイオードに接続されており、他方が共通して1つのワードラインWLに接続されている。ワードラインWLは複数ありそれぞれが複数のメモリ素子と列単位で接続されている。またダイオードの一端で、メモリ素子と接続していない側の一端は、共通して1つのラインBLに接続されている。ラインBLは複数あり、それぞれが複数のダイオードの一端と行単位に接続されている。
【0038】
読み出し動作について説明する。例えばセルC22を選択するとき、BL2に定電圧Vccを印加し、抵抗R2を経て接地されたBL2に電流が流れるようにする。この際、他のワードラインWLには、Vcc以上の電圧を印加し、選択した以外のセルには電流が流れないようにする。このときのBL2の電位を、参照電圧Ref.と比較することで、情報を読み出すことができる。
【0039】
書き込み動作について説明する。例えばセルC22を選択するとき、BL2に定電圧2Vccを印加し、R2を経てBL2に電流が流れるようにする。この際、他のワードラインWLには、2Vcc以上の電圧を印加し、選択した以外のセルには電流が流れないようにする。このようにすると、選択されたC22の記憶素子D22には大きな電圧が印加され、インピーダンスが変化することになる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラスや樹脂基板上に形成可能で、所望のセルを選択できる機構を持つ、不揮発メモリ装置を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回路構成を示す回路図である。
【図2】メモリ素子の電気特性を示すグラフである。
【図3】第1の実施形態のトランジスタ素子を示す要部断面図である。
【図4】第1の実施形態のトランジスタ素子を示す要部断面図である。
【図5】第1の実施形態のトランジスタ素子を示す要部断面図である。
【図6】第1の実施形態のトランジスタ素子を示す要部断面図である。
【図7】第2の実施の形態の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 基板
2 コンタクト
3 メモリ素子電極
4 接地線
5 ゲート電極
6 ゲート絶縁膜
7 ドレイン電極
8 ソース電極
9 有機半導体層
10 保護膜
11 メモリ素子
12 保護膜
Claims (12)
- マトリックス配線とスイッチング素子と、記憶素子を有する不揮発メモリ装置であって、
前記記憶素子はインピーダンスが変化する記憶素子であり、前記スイッチング素子及び前記記憶素子とも有機物半導体あるいは有機物電気伝導体の少なくとも何れか一方を有することを特徴とする不揮発メモリ装置。 - 前記記憶素子が有する前記有機物電気伝導体のインピーダンスが、読み出し動作電圧より大きな書き込み電圧を印加されることにより変化することを特徴とする請求項1に記載の不揮発メモリ装置。
- 前記記憶素子が有する前記有機物電気伝導体のインピーダンスが、読み出し動作電流より大きな書き込み電圧を印加されることにより不可逆的に増大することを特徴とする請求項1に記載の不揮発メモリ装置。
- 前記スイッチング素子はトランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の不揮発メモリ装置。
- 前記スイッチング素子はダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の不揮発メモリ装置。
- 前記トランジスタの1端子がビット線の1つに接続され、前記トランジスタの別の1端子がワード線の1つに接続され、前記トランジスタのさらに別の1端子が前記記憶素子を介して接地線の1つに接続されることを特徴とする請求項4に記載の不揮発メモリ装置。
- 前記記憶素子が、基板面内方向に離れた2つの電極をつなぐ構造を持つことを特徴とする請求項1に記載の不揮発メモリ装置。
- 樹脂またはガラスからなる基板上に前記マトリックス配線と前記スイッチング素子と、前記記憶素子が形成されることを特徴とする請求項1に記載の不揮発メモリ装置。
- 請求項1に記載の前記不揮発メモリ装置有するICカードまたはICタグ。
- 請求項1に記載の前記不揮発メモリ装置有するICタグ。
- 請求項9に記載のICカードまたはICタグのいずれかを有する電子写真方式の画像形成装置用のカートリッジ。
- 請求項9に記載のICカードまたはICタグのいずれかを有するインクジェットプリンタ用のカートリッジ。
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