JP2004136761A - インナミラー - Google Patents

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稲垣  文治
Hiromitsu Mizuno
水野  博光
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Abstract

【課題】適切な反射率により防眩効果が得られ、しかも、外乱による影響が小さい安定した画像を得ることができ、コントラストが顕著に現れる撮像装置を内蔵したインナミラーを提供する。
【解決手段】インナミラー10では、フィルター26に入射する可視光領域Yの波長の光は、減光されて反射される。一方で、赤外線カメラ20のレンズ22の前面部においては、フィルター30が設けられている。このため、フィルター26を再び透過した赤外光領域Zの波長の光がフィルター30に入射すると、赤外線カメラ20に対応する範囲X内の波長の赤外光だけが透過する。これにより、赤外線カメラ20のレンズ22には、赤外線カメラ20に対応する範囲X内の波長の赤外光だけが入射するので、外乱による影響が小さくコントラストが顕著で安定した画像を得ることができる。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に適用されるインナミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両運転者を撮影し、得られた画像を処理して運転者の居眠り状態や脇見状態などを検出する監視装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、車室内の助手席左上の角に発光素子及びCCD撮像素子を設け、車両運転者を撮影して得られた画像から運転者の3次元位置を検出する技術が開示されている。
【0003】
しかしながら、車室内の助手席左上の角などに監視装置が設けられた場合には、車両運転者の体格やシートポジションに関係なく常に車両運転者を撮影するためにカメラ位置をその都度運転者に合わせて調整するか、撮像系レンズの画角を広くする必要がある。カメラ位置をその都度調節するのは煩雑であり、正確に運転者を撮影できない恐れがある。また、撮像系レンズの画角を広くすると、相対的に運転者の目部分の画像領域が小さくなり、運転者の視線方向の判定や開眼しているか閉眼しているかの判定が困難になるといった問題があった。
【0004】
このため、車両のインナミラーにCCDカメラや赤外LED等が併設されたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
特許文献2のインナミラーによれば、インナミラー内部にCCDカメラを設けると共に、インナーミラー外部に赤外LEDを突出して設けることで、運転者がシートに座りインナミラーを調節すると自動的にCCDカメラの光軸が調整される。これにより、運転者の体格やシートポジションによらず、運転者を確実に撮影することができるので、後段の画像処理が容易となり、運転者の状態を高精度に検出することが可能となる。さらに、可視光以外の光、例えば赤外光を照射することで、夜間やトンネル内などでも運転者を撮影することができる。
【0006】
ところで、赤外LED等の発光部が、CCDカメラと共にインナミラーの内部に設置されれば、赤外LED等がインナミラー外部に突出して設けられている場合に比べて、運転者の視界が良好になるが、赤外LEDから照射された赤外光がフィルターを透過する必要があるため、赤外光を高透過するフィルターが好ましい。
【0007】
しかしながら、運転中の運転者の顔面には、様々な光(太陽光、対向車のライトの光などの外乱)が刻々と変化しながら照射され、その変化する光に対応して運転者の顔面にできる例えば影の部分のコントラストも変化することになる。このため、CCDカメラの画像を安定させることが困難となり、鮮明な画像が得られないという問題がある。
【0008】
そこで、赤外光の投光が必要であり、CCDカメラや赤外LEDを内蔵するインナミラーにおいては、CCDカメラに対応する所定の範囲内の波長の赤外光のみを高透過するフィルターを用いることが好ましい。
【0009】
しかしながら、CCDカメラに対応する所定の範囲内の波長の赤外光のみが高透過されるフィルターは、可視光領域の波長の光の反射率が高くなるために、インナミラー用のフィルターとして用いられると、後方光を受けた場合には、反射光が運転者とって眩しい光になるといった問題がある。
【0010】
また、前記所定の範囲内の波長の赤外光のみが高透過されるフィルターを得るには、フィルターの全体に多層の蒸着膜を形成する必要があるが、インナーミラー程度の大きさがあると、フィルターの全体に渡って均一な膜を多層に蒸着することは難しく、膜の厚さにバラツキが生じるなど不良品が発生しやすい。このため、生産の歩留まりが悪くなり、不良品を廃却する必要も生ずるため、全体としてフィルターのコストが高くなるといった問題もある。
【0011】
一方で、従来からインナミラー用のフィルターとしては、防眩効果の有るものが用いられている。例えば、可視光領域での反射率が50%程度(透過率が50%程度)の分光特性を有するフィルターが用いられている。すなわち、可視光領域においては、フィルターに照射された可視光が50%程度透過されて、残りの50%程度が反射されるので、後方光を受けた場合でも運転者は眩しくない。しかし、赤外光領域においては、CCDカメラに適さない波長の赤外光も透過されてしまう。
【0012】
以上述べたように、インナーミラー内部にCCDカメラ等の撮像装置と赤外LED等の発光部とを併設する場合には、フィルターの分光特性において、可視光の反射率が50%程度に抑えられ、一方で、撮像装置に対応する所定の範囲内の波長の赤外光の透過率が高くされることが好ましいが、その両立が難しいという問題が有る。
【0013】
【特許文献1】
特開昭60−168004号公報
【特許文献2】
特開平11−331653号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、適切な反射率により防眩効果が得られ、しかも、外乱による影響が小さい安定した画像を得ることができ、コントラストが顕著に現れる撮像装置を内蔵したインナミラーを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明に係るインナミラーは、ハウジングの開口側の全面に渡って設けられ、可視光領域の波長の光の透過率と反射率とが同程度で、赤外光領域の波長の光の透過率が高い第1のフィルターと、前記第1のフィルターの裏面側の前記ハウジング内部に設けられ、前記第1のフィルターの前面側に向いたレンズを有する撮像装置と、前記第1のフィルターの裏面側の前記ハウジング内部に設けられ、前記赤外光領域の波長の光を前記第1のフィルターの前面側へ向けて照射する発光部と、前記第1のフィルターと前記撮像装置のレンズとの間に設けられ、少なくとも前面側から入射する前記赤外光領域の波長の光のうち前記撮像装置に対応する所定の範囲内のものを透過する第2のフィルターと、を備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項1記載のインナミラーでは、第1のフィルターにおいて、可視光領域の波長の光の透過率と反射率とが同程度とされているので、第1のフィルターの前面側から可視光領域の波長の光が入射すると、この可視光領域の波長の光のうち、およそ半分が第1のフィルターを透過して、残りの半分が反射される。すなわち、第1のフィルターに入射する可視光領域の波長の光は、減光されて反射される。したがって、例えば、第1のフィルターの前面側が車両運転者の方向に向けられていれば、第1のフィルターにより減光されて反射された可視光領域の波長の光によって、車両運転者が後方を確認できる。車両運転者が、車両後方から強い光を受けた場合でも、第1のフィルターにより反射光が減光されるので、車両運転者にとっては眩しくない光となる。
【0017】
一方で、第1のフィルターは赤外光領域の波長の光の透過率が高いので、発光部から第1のフィルターの前面側へ向けて照射された赤外光領域の波長の光は、第1のフィルターの裏面側から前面側へ透過して、車両運転者を照射する。 そして、車両運転者で反射された赤外光領域の波長の光は、第1のフィルターの前面側から裏面側へ再び透過する。
【0018】
ここで、第1のフィルターと撮像装置のレンズとの間には、第2のフィルターが設けられている。このため、撮像装置のレンズの前面部においては、第1のフィルターの前面側から裏面側へ再び透過した前記赤外光領域の波長の光が、第2のフィルターの前面側に入射すると、撮像装置に対応する所定の範囲内のものだけが透過する。すなわち、撮像装置に対応しない波長の赤外光は反射され、撮像装置に対応する所定の範囲内の波長の赤外光が透過されて、撮像装置のレンズに入射する。これにより、外乱による影響が少ない安定した画像を得ることができ、コントラストが顕著に現れる。
【0019】
また、第2のフィルターは、撮像装置のレンズの前面を被覆する程度の小型とすることができる。そのため、第2のフィルターに多層の蒸着膜を均一に施すことが容易となり、生産性が向上する。
【0020】
このように、請求項1記載のインナミラーでは、適切な反射率により防眩効果が得られ、しかも、内蔵した撮像装置により、外乱による影響が少ない安定した画像を得ることができ、コントラストが顕著に現れる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態に係るインナミラー10が分解斜視図により示されている。図2には、インナミラー10の主要部が断面図により示されている。なお、各図において矢印Aは基本的に略同一方向を示す。
【0022】
図1に示すように、インナミラー10は、ハウジング12を備えている。ハウジング12は底壁と周壁とを有する略矩形皿形状とされ、前面側(図1の矢印A側)が開口されている。
【0023】
ハウジング12の裏面側(図1の矢印Aと反対側)の底壁の長手方向中央部には、ステー14が設けられている。ステー14によってハウジング12が、車室内の天井等に固定されるようになっている。
【0024】
ハウジング12の開口部分には、略矩形平板状の基板16が設けられている。基板16はハウジング12の開口部分に嵌め込まれ、ハウジング内部に突設された支持部材により支持される。基板16の裏面側は、ハウジング12に被覆されている。
【0025】
基板16の長手方向一側(図1において右側)には、貫通孔部18が設けられている。貫通孔部18は、基板16が厚さ方向に貫通した円形状の孔である。
【0026】
基盤16の裏面側には、撮像装置となる赤外線カメラ20が設けられている。赤外線カメラ20は、ハウジング12と基板16により被覆されてハウジング12の内部にある。
【0027】
赤外線カメラ20はレンズ22を有しており、レンズ22は貫通孔部18と同心状にある。レンズ22が貫通孔部18から前面側に露出するようになっている。
【0028】
基板16の前面側には、基板16の長手方向において、貫通孔部18の両隣に、赤外LED24が設けられている。赤外LED24は、発光部であり、赤外光を前面側に向けて照射する。赤外LED24により、夜間やトンネル内においても撮影が可能となる。
【0029】
基盤16の前面側には、第1のフィルターとされる略矩形平板状のフィルター26が設けられている。フィルター26により、基板16の前面側及び赤外LED24が被覆されており、赤外LED24はフィルター26の裏面側のハウジング12内部にある。
【0030】
図3には、本実施の形態に係るインナミラー10を構成するフィルター26の、照射光の波長を変化させた場合の反射率Rと透過率Tとの変化が線図により示されており、実線が透過率Tを示し、一点鎖線が反射率Rを示す。
【0031】
図3に示すように、フィルター26の分光特性は、可視光領域Yの波長の光の透過率Tと反射率Rとが共に50%と同程度で、赤外光領域Zの波長の光の透過率Tが高い(反射率Rが低い)。すなわち、フィルター26に入射する光は、可視光領域の波長の光が減光されて反射され、赤外光領域の波長の光が高透過される。
【0032】
フィルター26の前面側には、カバー28が設けられている。カバー28は底壁と周壁とを有する略矩形形状とされ、底壁の中央部が部分的に開口された枠状であり、ハウジング12の開口縁部に固定される。カバー28により、フィルター26の外縁部が保持され、カバー28の開口部分からフィルター26の前面側が露出するようになっている。
【0033】
図2に示すように、基板16とフィルター26との間には、第2のフィルターとされるフィルター30が設けられている。フィルター30は、貫通孔部18の孔径より僅かに大きな円周を有する円板状であり、貫通孔部18と同心状にあって、フィルター26に貼り付けられている。フィルター30によって、赤外線カメラ20のレンズ22の前面側が被覆されている。
【0034】
図4には、本実施の形態に係るインナミラー10を構成するフィルター30の、照射光の波長を変化させた場合の反射率Rと透過率Tとの変化が線図により示されており、実線が透過率Tを示し、一点鎖線が反射率Rを示す。
【0035】
図4に示すように、フィルター30の分光特性は、可視光領域Yの波長の光の透過率Tが低い(反射率Rが高い)。そして、赤外光領域Zにおいては、赤外線カメラ20に対応した範囲X内の波長の赤外光(具体的には波長が850nm〜950nmの範囲内の光)の透過率Tが高く(反射率Rが低く)、範囲X外の波長の赤外光の透過率Tが低い(反射率Rが高い)。すなわち、赤外線カメラ20に対応する範囲X内の波長の赤外光だけがフィルター30を透過する。
【0036】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0037】
上記構成のインナミラー10では、フィルター26において、可視光領域Yの波長の光の透過率Tと反射率Rとが共に50%と同程度とされているので、フィルター26の前面側から可視光領域Yの波長の光が入射すると、この可視光領域Yの波長の光のうち、およそ半分がフィルター26を透過して、残りの半分が反射される。すなわち、フィルター26に入射する可視光領域Yの波長の光は、減光されて反射される。したがって、例えば、フィルター26の前面側が車両運転者の方向に向けられていれば、フィルター26により減光されて反射された可視光領域Yの波長の光によって、車両運転者が後方を確認できる。車両運転者が、車両後方から強い光を受けた場合でも、フィルター26により反射光が減光されるので、車両運転者にとっては眩しくない光となる。
【0038】
一方で、フィルター26は赤外光領域Zの波長の光の透過率Tが高いので、赤外LED24からフィルター26の前面側へ向けて照射された赤外光領域Zの波長の光は、フィルター26の裏面側から前面側へ透過して、車両運転者を照射する。そして、車両運転者で反射された赤外光領域Zの波長の光は、フィルター26の前面側から裏面側へ再び透過する。
【0039】
ここで、赤外線カメラ20のレンズ22の前面部においては、フィルター26にフィルター30が貼り付けられて設けられている。このため、フィルター26を再び透過した赤外光領域Zの波長の光がフィルター30に入射すると、赤外線カメラ20に対応する範囲X内の波長の赤外光だけが透過する。すなわち、レンズ22の前面部においては、フィルター26の分光特性とフィルター30の分光特性とを、合成した分光特性を有するフィルターが設けられていることになる。すなわち、図5に示すように、可視光領域Yの波長の光の透過率Tと反射率Rとが共に50%と同程度で、赤外光領域Zにおいては、赤外線カメラ20に対応する範囲X内の波長の赤外光の透過率Tが高く(反射率Rが低く)、範囲X外の波長の赤外光の透過率Tが低い(反射率Rが高い)フィルターである。
【0040】
これにより、赤外線カメラ20のレンズ22には、赤外線カメラ20に対応する範囲X内の波長の赤外光だけが入射するので、外乱による影響が少ない安定した画像を得ることができ、コントラストが顕著に現れる。
【0041】
また、フィルター30は、赤外線カメラ20のレンズ22の前面部を被覆する程度の小型とすることができる。そのため、フィルター30に多層の蒸着膜を均一に施すことが容易となり、生産性が向上する。
【0042】
このように、上記構成のインナミラー10では、適切な反射率により防眩効果が得られ、しかも、内蔵した赤外線カメラ20により、外乱による影響が少ない安定した画像を得ることができ、コントラストが顕著に現れる。
【0043】
なお、本発明は上記の実施の形態に限られるものではなく、種々の形態が可能である。例えば上記実施の形態においては、フィルター30が円板状とされているが、本発明はこれに限定されず、第2のフィルターは撮像装置のレンズを被覆できるものであればよく、形状は問わない。
【0044】
また、フィルター30は貫通孔部18と同心状にフィルター26に貼り付けられて設けられているが、本発明はこれに限定されず、第2のフィルターは基板の貫通孔部に嵌合して設けられてもよいし、レンズの前面部に撮像装置と一体に設けられてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインナミラーによれば、適切な反射率により防眩効果が得られ、しかも、内蔵した撮像装置により、外乱による影響が少ない安定した画像を得ることができ、コントラストが顕著に現れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るインナミラーを示す分解斜視図である。
【図2】本実施の形態に係るインナミラーの主要部を示す断面図である。
【図3】本実施の形態に係るインナミラーを構成する第1のフィルターの、反射率と透過率の変化特性を示す線図である。
【図4】本実施の形態に係るインナミラーを構成する第2のフィルターの、反射率と透過率の変化特性を示す線図である。
【図5】本実施の形態に係るインナミラーを構成する第1のフィルターの分光特性と第2のフィルターの分光特性を合成した場合の、反射率と透過率の変化特性を示す線図である。
【符号の説明】
10 インナミラー
12  ハウジング
20  赤外線カメラ(撮像装置)
24  赤外LED(発光部)
26  フィルター(第1のフィルター)
30  フィルター(第2のフィルター)

Claims (1)

  1. ハウジングの開口側の全面に渡って設けられ、可視光領域の波長の光の透過率と反射率とが同程度で、赤外光領域の波長の光の透過率が高い第1のフィルターと、
    前記第1のフィルターの裏面側の前記ハウジング内部に設けられ、前記第1のフィルターの前面側に向いたレンズを有する撮像装置と、
    前記第1のフィルターの裏面側の前記ハウジング内部に設けられ、前記赤外光領域の波長の光を前記第1のフィルターの前面側へ向けて照射する発光部と、
    前記第1のフィルターと前記撮像装置のレンズとの間に設けられ、少なくとも前面側から入射する前記赤外光領域の波長の光のうち前記撮像装置に対応する所定の範囲内のものを透過する第2のフィルターと、
    を備えたことを特徴とするインナミラー。
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