JP2004137501A - 還元型マルト−オリゴサッカライドの調製方法 - Google Patents

還元型マルト−オリゴサッカライドの調製方法 Download PDF

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Abstract

 【課題】 オリゴサッカライドの触媒還元方法を提供し、かつ、それにより調製される還元されたオリゴサッカライドを提供すること。
 【解決手段】 水素化触媒を含む触媒床を与える工程;複数のマルト−オリゴサッカライド種を含むマルト−オリゴサッカライド混合物を与える工程(該複数のマルト−オリゴサッカライド種は少なくともDP値において異なっており、これにより該混合物のDPプロフィールを定める);及びマルト−オリゴサッカライド混合物および水素を、該混合物を触媒水素化するに十分な水素化条件下に該触媒床に連続して導入してそのDEを実質的に減少させる工程(該条件は、該混合物のDPプロフィールを実質的に維持するのに適し、該触媒水素化は、少なくとも約1500psiの圧力で実施される)を含むマルト−オリゴサッカライド混合物を還元する方法。
【選択図】 なし

Description

発明の詳細な説明
 関連出願
 本出願は、1999年8月2日に出願された先の米国特許出願第09/366,065号に対して優先権を主張する。該米国特許出願は、1999年1月19日に出願された国際出願PCT/US99/01098号の継続である。該国際出願は、1998年1月20日に出願された先の米国仮出願第60/071,905号に対して優先権を主張した。それぞれの先の出願の全容を、本明細書に取り込む。
 発明の技術分野
 本発明は、一般に還元されたマルト−オリゴサッカライド種およびその調製方法に関する。
 発明の背景
 オリゴサッカライドは、普通、澱粉の制御された加水開裂により調製される。そのようなオリゴサッカライドの製造において、澱粉分子のグリコシド結合は、部分的に加水分解されて少なくとも1つのオリゴサッカライド種、より典型的にはオリゴサッカライド種の混合物を生じる。混合物中の各オリゴサッカライド種は、その重合度(DP)により特徴づけられるが、それは分子中のサッカライドモノマー単位の数を示す。各オリゴサッカライド種は、またそのデキストロース当量(DE)により特徴づけられるが、それは、一般に分子中のアルデヒド、ヘミアセタールもしくはケトン末端基の割合を示し、全乾燥物質のパーセンテージとして現される、オリゴサッカライドの還元糖(reducing sugars)含有量の尺度である。与えられたオリゴサッカライド混合物のDE値およびDPプロフィールは、例えば、混合物を得るために使用される澱粉前駆体の型およびベース澱粉の加水分解に用いられる条件により、実質的に変化し得る。
 澱粉の加水開裂により調製されるオリゴサッカライド混合物は、典型的に少なくとも1つのマルト−オリゴサッカライド種を含む。マルト−オリゴサッカライドは、主として1〜4のグリコシド結合を含むサッカライド主鎖を有することを特徴とする。20未満のDEを有するマルト−オリゴサッカライドは、マルトデキストリンとして既知であり、一方20以上のDEを有するマルト−オリゴサッカライドは、シロップ固体として既知である。
 マルト−オリゴサッカライドもしくは澱粉加水分解物分子中の末端基を還元することにより、マルト−オリゴサッカライドおよび他の澱粉加水分解物を還元することは、当業界では既知である。そのような還元されたマルト−オリゴサッカライドおよび他の澱粉加水分解物は、例えば、動物もしくは人間による摂取を意図される製品における甘味剤および組織剤を含む、種々の用途に有用である。そのような製品の例には、菓子、チューインガム、シロップ、食品添加物、薬剤などが含まれる。典型的には、澱粉加水分解物は、酵素による方法、触媒による方法、もしくは化学的な方法を介して還元されてきた。例えば、米国特許第2,280,975号は、モノ−およびジ−サッカライドの接触還元(catalytic reduction)を介して多価アルコールを製造する方法を記載している。より最近の特許、米国特許第4,322,569号は、触媒床においてニッケル触媒存在下、モノサッカライドを水素と接触させることによるモノサッカライドの還元を開示している。
 澱粉加水分解物の既知の還元方法には、いくつかの欠点がある。例えば、マルト−オリゴサッカライドをゼロもしくは本質的にゼロのDEに還元することがしばしば望まれる。典型的には、そのようなことは、所望のDE値が得られるまでマルト−オリゴサッカライドを実質的に完全に触媒水素化することによって、達成されるだろう。しかし、例えば、前記米国特許第2,280,975号にそこに開示される還元反応に関連して報告されるように、マルト−オリゴサッカライドがそのような方法により還元されると、混合物中の個々の種のポリサッカライド主鎖は、開裂する可能性がある。ポリサッカライド主鎖のそのような開裂は、マルト−オリゴサッカライドの開裂種のDPを低下させ、マルト−オリゴサッカライド混合物の総合DPプロフィールに変更をもたらす。DPプロフィールのそのような変更は、粘度など混合物のいくつかの物性を変化させ、かくて混合物の使用が意図される方法に変更を要するかもしれない。
 当業界における別の問題は、マルト−オリゴサッカライドの色耐久性に関係する。マルト−オリゴサッカライドは、典型的に非ゼロDE値を有することを特徴とする。既知のマルト−オリゴサッカライドに関する1つの問題は、その溶液が、ある条件下で、例えば、熱、アルカリ性pHもしくは窒素含有化合物の痕跡の条件下で、黄色になる傾向があり、かくてマルト−オリゴサッカライドが取り込まれる生成物の目に見える品質低下もしくは他の望ましくない効果をもたらすということである。色形成へのこの傾向は、特に窒素化合物に対して、前記条件下にマルト−オリゴサッカライドの化学反応性を示す。
 当業界におけるこれらの欠点を鑑みて、マルト−オリゴサッカライドのDPを実質的に変えることなくマルト−オリゴサッカライドを本質的にゼロのDEに還元する方法に対して、特にマルト−オリゴサッカライドの混合物のDPプロフィールを実質的に変えることなくマルト−オリゴサッカライドの混合物を本質的にゼロのDEに還元する方法に対して、需要がある。当業界におけるさらなる需要は、向上した耐色形成性を有するマルト−オリゴサッカライド生成物に対して存在する。本発明の一般的な目的は、先行技術の前記欠点を克服する方法および生成物を提供することである。
 本発明
 前記一般的な目的は、本発明により達成されたが、本発明は、オリゴサッカライドの触媒還元方法を提供し、かつ本発明は、それにより調製される還元オリゴサッカライドを提供する。本発明によれば、複数のオリゴサッカライド種の混合物を実質的に還元する方法が提供される。オリゴサッカライド種は、少なくともDP値において異なり得、かくて混合物のDPプロフィールを定める。本発明の好ましい実施態様において、方法は、オリゴサッカライド混合物を与え、そして混合物を、混合物のDPプロフィールを実質的に維持するのに適する水素化条件下に触媒水素化する工程を含む。驚くべきことに、約50℃〜約150℃の範囲の温度および少なくとも約1500psiの圧力で、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムもしくはニッケルなどの金属触媒の存在下マルトデキストリンなどのオリゴサッカライドの触媒水素化は、混合物のDPプロフィールを実質的に変えることなく混合物のDEをゼロもしくは本質的にゼロに実質的に減少させることにおいて有効であることがわかった。本発明の別の実施態様において、方法は、オリゴサッカライドもしくはオリゴサッカライドの混合物を約3.5〜約8.5の範囲のpHで触媒還元することを含む。いずれの実施態様においても、本発明は、より一般にはポリサッカライドの触媒還元と関連して有用であることが企図される。
 本発明の好ましい実施態様によれば、還元されたマルト−オリゴサッカライド種の混合物は、触媒還元される。これら種は少なくともDP値において異なり、これにより混合物のDPプロフィールを定める。驚くべきことに、出発マルト−オリゴサッカライド混合物が本発明により触媒水素化されるときは、このようにして形成された還元されたマルト−オリゴサッカライド混合物は、出発マルト−オリゴサッカライド混合物のDPプロフィールと比較して実質的に変更されていないDPプロフィールを有することがわかった。さらに驚くべきことに、還元されたマルト−オリゴサッカライドの耐色形成性は、その光吸光度により測定すると、未還元のマルト−オリゴサッカライドの出発混合物に比べて向上していることがわかった。還元されたマルト−オリゴサッカライドの液体混合物は安定しており、未還元のマルト−オリゴサッカライドの液体混合物に比べてさらに安定していると思われる。
 本発明のさらなる特徴および目的は、下記説明および特許請求の範囲から明らかとなろう。
 好ましい実施態様の説明
 本発明の方法は、オリゴサッカライド種もしくは複数のオリゴサッカライド種の混合物に適用でき、より一般的にはポリサッカライド種およびその混合物に適用できる。「ポリサッカライド」および「オリゴサッカライド」により、1〜4結合、1〜6結合もしくは他の結合であれ、複数のサッカライド単位からなるいかなる種も企図される。例えば、本発明は、マルト−オリゴサッカライドおよびその混合物の還元に、他のオリゴサッカライドの還元同様適用できる。「マルト−オリゴサッカライド」により、マルトデキストリンおよびシロップ固体を含み、主に1〜4結合を介して結合される2つ以上のサッカライド単位を含むいかなる種も企図される。好ましい実施態様において、本発明の還元されたマルト−オリゴサッカライドにおいては、マルト−オリゴサッカライドにおけるサッカライド単位の少なくとも50%が、1〜4結合を介して結合されている。より好ましくは、サッカライド単位の少なくとも約60%が、1〜4結合を介して結合されている;さらに好ましくは、サッカライド単位の少なくとも約80%が、そのように結合されている。マルト−オリゴサッカライドは、奇数DP値を有するサッカライド種を含み得、そのプロフィールは、1のDP値を有するサッカライド種、例えば、デキストローズもしくはソルビトール、により部分的に定めることができる。混合物は、さらに他のサッカライド種もしくは他の成分を含み得る。
 本発明はマルト−オリゴサッカライド混合物に関して応用性を見出しているが、本発明は、特に混合物中のマルト−オリゴサッカライドの少なくとも一部が5よりも大きいDP値を有するマルト−オリゴサッカライド種に応用できる。好ましくは、混合物中のマルト−オリゴサッカライド種の少なくとも1つが、8以上のDP値を有する。さらに好ましくは、少なくとも1つの種が、少なくとも10のDP値を有する。例えば、本発明の好ましい実施態様において、混合物中のマルト−オリゴサッカライド種の少なくとも80%が、5よりも大きいDPを有し、少なくとも60%が、8よりも大きいDPを有してもよい。別の実施態様において、マルト−オリゴサッカライド種の少なくとも80%が、10よりも大きいDPを有する。本発明のいくつかの実施態様において、出発混合物のDPプロフィールは、混合物中のマルト−オリゴサッカライド種の少なくとも75%が5よりも大きいDPを有し、混合物中の種の少なくとも40%が10よりも大きいDPを有するようなものである。そのような出発材料は、例えば、澱粉の部分加水分解など、従来方法で得られる。
 適切なマルト−オリゴサッカライドは、アイオワ州マスカチンのGrain Processing CorporationよりMALTRIN(登録商標)の商標名のマルトデキストリンとして市販されている。MALTRIN(登録商標)マルトデキストリンは、マルト−オリゴサッカライド製品であり、それぞれの製品が既知の典型的なDPプロフィールを有する。本発明により還元できる適切なMALTRIN(登録商標)マルトデキストリンには、例えば、MALTRIN(登録商標)M040、MALTRIN(登録商標)M050、MALTRIN(登録商標)M100、MALTRIN(登録商標)M150およびMALTRIN(登録商標)M180が含まれる。当MALTRIN(登録商標)マルトデキストリンの典型的な近似DPプロフィールは、下記表に記載される(DPプロフィールは、表に示されるように概算である)。
Figure 2004137501
 本発明は、どのようにして作られたものであれ、前記近似DPプロフィールを実質的に有する還元されたマルトデキストリンを包含する。他の適切なマルト−オリゴサッカライドには、MALTRIN(登録商標)M440、MALTRIN(登録商標)4510、MALTRIN(登録商標)M550;MALTRIN(登録商標)M580、MALTRIN(登録商標)M700などの他のマルトデキストリンが、MALTRIN(登録商標)M200およびMALTRIN(登録商標)M250(これらはDE>25を有する)などのトウモロコシシロップ固体同様含まれる。本発明は、マルト−オリゴサッカライド種に限定されず、実際、いかなる適宜のポリサッカライドも、本発明に関連して出発材料として用いられる。
 本発明によれば、ポリサッカライドもしくはポリサッカライドの混合物を含む出発材料は、出発材料のDPプロフィールを実質的に維持するのに適する条件下に、ある場合には本質的にゼロのDEに、実質的に還元される。「実質的に還元される」とは、還元ポリサッカライドのDEが、ポリサッカライド出発材料の初期のDEに比べて、少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約90%還元されることを、意味する。DE値に関連して本明細書において使用される「本質的にゼロ」という語は、約1未満のDEを有する水素化生成物をいう。DPプロフィールに関連して本明細書において使用される「実質的に維持する」により、還元生成物において、与えられたDP値を有するポリサッカライド種の少なくとも大半のオリゴサッカライドパーセンテージが、還元に先立つ出発材料においてポリサッカライド種100%に基づいて、かつ類似のDP値の対応する種と比較して、約7%よりも多く異ならないこと、好ましくは約4%以下、より好ましくは約2%以下、もっとも好ましくは約0.75%以下しか異ならないことを意味する。
 ポリサッカライドの水素化は、適宜の方法により達成できる。例えば、本発明の1つの実施態様において、水素化は、水素化硼素ナトリウムもしくは別のヒドリド供与体を用いて化学的に達成される。しかし、好ましくは、水素の存在下にポリサッカライドの水素化を触媒するのに適する金属触媒の存在下、触媒的に達成される。適切な水素化触媒の例には、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウムおよびニッケルが含まれる。金属触媒は、中性金属の形でもよいし、あるいは適宜の金属合金、酸化物、塩もしくは有機金属種の形でもよい。好ましくは、触媒は、ニッケルもしくは活性化ニッケル種(モリブデン促進ニッケル種など)である。適切な市販されている触媒の例には、A−7063(Activated Metals and Chemicals,Inc.);H−07(Engelhard);Raney(登録商標)3110、3111および3201(Davison Chemical);およびBK113W(Degussa)が含まれ、もっとも好ましい触媒は、Raney(登録商標)3110である。触媒は、ポリサッカライド種の水素化を触媒するのに有効な量で用いることができ、好ましくは反応混合物中約0.5〜約10%(w/wポリサッカライド)の範囲の量で存在する。
 マルト−オリゴサッカライドもしくは他のポリサッカライドの水素化は、そのDPプロフィールを維持するのに適する圧力および温度の下で達成される。いくつかの実施態様において、反応圧力は、好ましくは約1500psi以下の範囲である。より好ましくは、圧力は約200psi〜約1200psiの範囲であり;さらにもっと好ましくは、圧力は約400psi〜約700psiの範囲である。本発明の他の実施態様において、圧力は約3000psi以下の範囲である。例えば、圧力は約1500psi〜約3000psiの範囲;約1500psi〜約2500psiの範囲;もしくは約1500psi〜約2000psiの範囲であり得る。反応温度は、好ましくは約50℃〜約150℃であり;より好ましくは、反応温度は約100℃〜約130℃の範囲であり;さらにもっと好ましくは、温度は約110℃〜約120℃の範囲である。約1500psi以上の圧力が用いられるときは、反応温度は、もっとも好ましくは約120℃である。任意に、水素を、ポリサッカライドを還元するのに有効な速度で、反応器に導入することができる。好ましくは、水素を器に充填し、追加の水素を、2.0リットルの反応器に約2.5リットル/分以下のパージ速度で添加する。
 反応は、サッカライド混合物の水素化を実施するのに適する媒体中で起こり得る。好ましくは、反応は、実施する水素化反応に適するpH条件下に、水性媒体中で起こる。媒体のpHは、好ましくは約3.5〜約8.5、より好ましくは約4.5〜約6.5、さらにもっと好ましくは約5〜約6の範囲である。本発明は、一般にポリサッカライド混合物を水溶液中特定のpH範囲で触媒還元する工程を含むことが、いくつかの実施態様において企図される。例えば、本発明は、オリゴサッカライドもしくはマルト−オリゴサッカライド混合物などのオリゴサッカライド混合物を与え、混合物を約3.5〜約8.5の範囲のpHの水溶液中で触媒水素化する工程を含む方法を包含する。
 これらの温度および圧力の下で適切な水素化を確実にするために、反応混合物を激しく攪拌するべきである。水素化は、ポリサッカライド混合物のDE値が本質的にゼロに還元するのに十分な時間実施すべきである。本発明の好ましい実施態様において、反応時間は、約0.5時間〜約72時間、より好ましくは約1時間〜約8時間、さらにもっと好ましくは約2時間〜約4時間の範囲である。
 反応は、金属触媒を含む触媒床内で実施され得る。本発明のこの実施態様によれば、ポリサッカライドおよび水素は、DPプロフィールを維持しながら、ポリサッカライドのDEを本質的にゼロの値に減少させるのに十分な条件下に反応床に連続的に導入される。触媒床内の温度および圧力条件は、実質的に上述されたようなものであり得る。
 驚くべきことに、本発明により調製された還元されたマルト−オリゴサッカライドが低吸光度を有することがわかった。例えば、本発明の好ましい実施態様において、還元されたマルト−オリゴサッカライドの吸光度は、マルト−オリゴサッカライド溶液を75℃、pH10で2時間保持した後で、約0.25未満であり;より好ましくは、吸光度は約0.15未満である。本明細書において用いられるときは、吸光度は、1cmのセル内で測定して、マルト−オリゴサッカライド10%溶液の450nmでの吸光度を言う。これに対し、約10のDEを有する製品であるMALTRIN(登録商標)M100の紫外線吸光度は、同条件下で処理された後約0.73である。前記反応条件下に置かれた後の、本発明の還元されたマルト−オリゴサッカライドの驚くべく低い吸光度は、強化された耐色形成性を示す。
 本発明の方法により調製された還元されたマルト−オリゴサッカライドおよび他のポリサッカライドは、非還元(non-reduced)ポリサッカライドが以前は使用されていた、ほとんどもしくはすべての用途に使用できる。少なくともマルト−オリゴサッカライドに関しては、そのような用途の例には、フィルム形成剤;増量剤(bulking agents)、乾燥製品もしくはカプセルのためのキャリング剤;クリームおよびローションなどの製品のための充填剤;ローラー圧縮/粒状化用途のための結合剤;医薬および栄養剤;石鹸およびクレンザー;噴霧乾燥剤;錠剤化剤;結晶化防止剤;甘味調節剤;低温保護剤などが含まれる。本発明の還元されたマルト−オリゴサッカライドは、プロテイン様種に対して実質的に未反応性であると思われ、かくて関連用途において強化された特性を導く可能性がある。もちろん、本発明は、前記特定の用途への応用性に限定されず、本発明の方法および生成物は、他の用途にも実用性を見出すことができる。
 例えば、還元されたマルト−オリゴサッカライドは、生物学的試料を凍結させる方法において使用でき、生物学的試料は、細胞、組織、プロテイン、DNAもしくは他の試料である。試料の水溶液を形成することによりそのような試料を凍結乾燥(lyophilize)し、ついで溶液から水を除去することが、当業界では既知である。マルトデキストリンは、一般に凍結乾燥の間に氷結晶化により生じる損傷に対して試料を保護するために低温保護剤として使用される。従来のマルトデキストリンを低温保護剤として使用することに関する1つの問題は、マルト−オリゴサッカライドの反応性がプロテインのグリコシル化もしくは架橋など望ましくない反応を起こすことである。本発明の還元されたマルト−オリゴサッカライドは、生物学的試料を水溶液中に与え、試料に還元されたマルト−オリゴサッカライドを添加して組合せを形成し、組合せを凍結乾燥する工程を含む方法に使用できる。還元されたマルト−オリゴサッカライドは、好ましくは前記技術により調製されるマルト−オリゴサッカライドの混合物である。本発明により調製される還元されたマルト−オリゴサッカライドの混合物が、低温保護剤としてよく機能し、低減された反応性(reduced reactivity)が、プロテインおよび他の窒素含有種との反応に対して保護することが、驚くべきことにわかった。
 下記実施例は、本発明の好ましい実施態様を示すが、発明の範囲における限定と解釈すべきではない。
 実施例1
 マルトデキストリンの還元
 650mlの脱イオン水に、567gのMALTRIN(登録商標)M100マルトデキストリン(5.6%水分)を溶解した。水素化硼素ナトリウム28.5ml(12%溶液、14M NaOH)を、周囲温度で攪拌混合物に徐々に添加した。溶液の初期pHを測定すると、pH11.8とわかった。
 混合物を一晩中(17.5時間)攪拌し、pHを7%HCl溶液で7.3のpHに調整することにより、クエンチした。ついで、試料を凍結させ、凍結乾燥させて573gの生成物を生じたが、生成物には2%の水分および5.37%の灰分が含まれていた。
 393gの生成物試料を、生成物を水素の形のDOWEX(登録商標)MONO88強陽イオン交換樹脂および遊離塩基の形のDOWEX(登録商標)MONO66弱陰イオン交換樹脂の2シリーズの交互するカラム(two series of alternating columns)を通すことにより生成物を精製して、調製した。ついで、DPプロフィールを測定した。次の結果が得られた。
Figure 2004137501
 MALTRIN(登録商標)M100出発材料のDE値は、11.8だった。これに対し、還元されたマルトデキストリン混合物のDE値は、0.8だった。
 かくて、マルトデキストリン混合物のDEが本質的にゼロのDEに低減され、一方DPプロフィールは実質的に維持されたことがわかる。
 実施例2
 触媒マルトデキストリン還元
 450mlの水に、265gのMALTRIN(登録商標)M100マルトデキストリン(5.5%水分)を添加した。混合物を室温で30分間攪拌して、透明溶液を得た。この溶液に、水中活性化ニッケル(Acros)の50%スラリーを22.4g添加した(9%w/w触媒/マルトデキストリン)。この溶液をさらに10分間攪拌し、pHをpH8.5と測定した。
 混合物を2.0リットルのParr4522M反応器に移した。反応器を密封し、攪拌を550rpmで開始した。ついで、反応器を水素ガスで1150psiに加圧し、115℃に加熱してマルトデキストリンの水素化を開始した。5時間後、反応を冷却により停止し、ついで容器を減圧した。
 反応内容物を、Whatman No.1フィルターペーパーでろ過して、6.85のpHおよび33%の固形分を有する透明な粘性溶液を与えた。約0.16%の灰分を有する材料を約250g回収した。試料を反復水素化操業からの生成物と組み合わせ、実施例1におけるようにイオン交換し、凍結乾燥させた。
 この実験を、選択された圧力、温度および攪拌範囲で10回繰り返し、下記結果を得た。
Figure 2004137501
 この反応器における最良の結果は、水素化圧力が1000〜1300psiであり、温度が100℃〜130℃であり、羽根車速度が>500rpmのときに得られた。さらに、水素パージ速度および攪拌が増すと、それにより低い反応温度および圧力が実現できることが企図される。他の反応器において、高圧力が最適となり得る。
 上で示されるように、出発材料のDPプロフィールは、それぞれの場合に還元で実質的に維持され、一方DEは、本質的にゼロの値に低減された。
 実施例3
 触媒マルトデキストリン還元
 881mlの水に、519g(5.5%水分)のMALTRIN(登録商標)M180マルトデキストリンを添加し、およそ30分間攪拌して透明な溶液を得た。18.4g(3.7%乾燥固形分基準 触媒/マルトデキストリン w/w)のRaney(登録商標)ニッケルGD3110(Grace Davison)を添加し、混合物を室温でさらに10分間攪拌した。ついで、混合物全体(約35%固形分)を2.0リットルのParr4522M反応器に移した。ユニットを密封し、攪拌を600rpmで続けた。Parr反応器を水素ガスで500psiに加圧し、120℃に加熱した。120℃で4時間後、反応を冷却ついで減圧により停止した。反応内容物をWhatman No.1フィルターペーパーを通してろ過し、透明な粘性溶液を与えた。ついで、試料を実施例1に記載されるようにイオン交換した。イオン交換後に検出できるような灰はなかった。試料をイオン交換後凍結乾燥させ、0.46のDE、0%の灰分および下記DPプロフィールを有するマルトデキストリン混合物を生じた。
Figure 2004137501
 実施例4
 吸光度評価
 MALTRIN(登録商標)M100マルトデキストリン、イオン交換されたMALTRIN(登録商標)M100マルトデキストリンおよび還元されたMALTRIN(登録商標)M100マルトデキストリン(実施例1から)の試料を、約10のpHで溶液中に75℃で2時間保持した。それにより、各試料の10%溶液の吸光度を1cmセルを用いて得た。
     試料                吸光度(10%/1cm)
 MALTRIN(登録商標)M100        0.74
 還元MALTRIN(登録商標)M100      0.07
 上に示されるように、還元MALTRIN(登録商標)M100マルトデキストリンの450nm吸光度は、非還元MALTRIN(登録商標)マルトデキストリンと比較して有意に低く、かくて低反応性を示す。吸光度における低下は、本発明によるマルトデキストリンの還元に大きく起因すると思われる。
 実施例5
 触媒の評価
 本実施例は、いくつかの活性化ニッケル触媒を比較評価する。
 900mlの水に、600gのMALTRIN(登録商標)M180マルトデキストリン(5%水分)を添加した。混合物を室温で30分間攪拌して溶解を確実にし、ついで2.0リットルのParr4522M反応器に注入した。活性化スポンジニッケルを反応器に添加し(3.7%w/w触媒/マルトデキストリン)、その後反応器を密封して、600rpmで攪拌した。
 反応器を1000psiに加圧し、110℃に加熱した。水素を、約0.5リットル/分の速度で反応に導入した。反応混合物の試料を2時間後に取り出し、反応を4時間後に停止し、最終試料を取り出した。実験を数回繰り返した。
 試料を前述のようにろ過し、イオン交換し、凍結乾燥させ、ついでDEおよびDPプロフィールについて評価した。DEを、各試料につき数回の操業に対して評価した。
Figure 2004137501
 上記表に示されるように、表に載せた触媒のほとんどが満足のいくものだった。コンコミタント(concomitant)温度を約130℃まで、パージ速度の増加を約2リットル/分までとするとともに、圧力を約600psiの低さに低下できることがわかった。
 DPプロフィールを、種々の条件下に4時間の反応時間後評価した(羽根車速度は、それぞれの場合600rpmだった)。下記結果は、数回の操業の間に観察された。
Figure 2004137501
Figure 2004137501
 上に示されるように、出発マルト−オリゴサッカライド混合物のDPプロフィールは、実質的に維持され、一方DEは、それぞれの場合に本質的にゼロに低減、もしくは実質的に低減された。
 実施例6
 MALTRIN(登録商標)M040マルトデキストリンを、実施例3と同じ方法で触媒水素化した。それにより、還元されたマルト−オリゴサッカライドの試料を2回の別々の操業(Run1、Run2)で得た。各操業につきDPプロフィールおよびDE値を評価し、下記結果を得た。
Figure 2004137501
 これらの結果は、各操業につきDPプロフィールは実質的に維持され、一方DE値は実質的にゼロの値に低減されたことを示す。
 実施例7
 温度安定性
 本実施例は、本発明の還元されたマルト−オリゴサッカライドの改善された温度安定性を示す。
 MALTRIN(登録商標)M180、M100およびM040の試料を、TLA 2050 Thermogravimetric Analyzer(TA Instruments Inc.、ニューキャッスル、デラウェア州)を用いてM180、M100およびM040の水素化試料に対して比較評価した。分析機の皿に、5.000〜8.000mgの試料(別々のテスト操業において)を添加した。各試料を、酸素中10℃/分で25℃から600℃に加熱した(100cm3/分のパージ速度)。試料の重量変化の始まりを、熱分解の始まりとした。下記結果を得た。
Figure 2004137501
 これらの結果は、本発明の還元されたマルト−オリゴサッカライドが、その非還元対応物と比較して改善された熱安定性を有することを示す。
 実施例8
 水素化を2500psiの圧力で圧力器で実施することを除いて、実施例3を繰り返す。
 本発明の特別な実施態様を示したが、改変は当業者により、特に前記技術を鑑みて、なされ得るので、本発明はそれらに限定されないことは理解されよう。したがって、前記特許請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲内のこれらの改善の本質的な特徴を構成する特徴を取り込むような改変を包含することが企図される。本明細書に引用された全引例は、その内容すべてが本明細書に取り込まれる。

Claims (14)

  1. 下記工程を含む、マルト−オリゴサッカライド混合物を還元する方法:
     水素化触媒を含む触媒床を与える工程;
     複数のマルト−オリゴサッカライド種を含むマルト−オリゴサッカライド混合物を与える工程(該複数のマルト−オリゴサッカライド種は少なくともDP値において異なっており、これにより該混合物のDPプロフィールを定める);及び
     マルト−オリゴサッカライド混合物および水素を、該混合物を触媒水素化するに十分な水素化条件下に該触媒床に連続して導入してそのDEを実質的に減少させる工程(該条件は、該混合物のDPプロフィールを実質的に維持するのに適し、該触媒水素化は、少なくとも約1500psiの圧力で実施される)。
  2. 該触媒が、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムおよび活性化ニッケルからなる群より選ばれる金属触媒である、請求項1に記載の方法。
  3. 該金属触媒が、活性化ニッケルである、請求項2に記載の方法。
  4. 該触媒水素化が、約1500psi〜約3000psiの範囲の圧力で実施される、請求項1に記載の方法。
  5. 該圧力が、約1500psi〜約2500psiの範囲である、請求項1に記載の方法。
  6. 該圧力が、約1500psi〜約2000psiの範囲である、請求項1に記載の方法。
  7. 下記工程を含む、還元されたマルト−オリゴサッカライドを調製する方法:
     澱粉を与える工程;
     該澱粉を加水分解してマルト−オリゴサッカライド種の混合物を与える工程(該複数のマルト−オリゴサッカライド種は少なくともDP値において異なっており、これにより該混合物のDPプロフィールを定める);及び
     該マルト−オリゴサッカライド種を、該混合物のDPプロフィールを実質的に維持し、かつ該混合物のDEを実質的に減少させるのに適する水素化条件下に触媒水素化する工程(該触媒水素化は、少なくとも約1500psiの圧力で実施される)。
  8. 該圧力が、約1500psi〜約3000psiの範囲である、請求項7に記載の方法。
  9. 該圧力が、約1500psi〜約2500psiの範囲である、請求項7に記載の方法。
  10. 該圧力が、約1500psi〜約2000psiの範囲である、請求項7に記載の方法。
  11. 下記工程を含む、複数のオリゴサッカライド種の混合物を本質的にゼロのDEに還元する方法であって、該複数のオリゴサッカライド種は少なくともDP値において異なっており、これにより該混合物のDPプロフィールを定める前記方法:
     該オリゴサッカライド混合物を与える工程;及び
     該オリゴサッカライド種の混合物を、該混合物のDPプロフィールを実質的に維持するのに適する水素化条件下に触媒水素化する工程(該触媒水素化は、少なくとも約1500psiの圧力で実施される)。
  12. 該圧力が、約1500psi〜約3000psiの範囲である、請求項11に記載の方法。
  13. 該圧力が、約1500psi〜約2500psiの範囲である、請求項11に記載の方法。
  14. 該圧力が、約1500psi〜約2000psiの範囲である、請求項11に記載の方法。
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