JP2004140399A - 薄膜トランジスタの作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
 良好な結晶質珪素膜及びそれを用いた薄膜トランジスタの活性層を提供する。
【解決手段】
 基板上に非晶質珪素膜を形成し、非晶質珪素膜を線状レーザー光を移動させながら照射することにより、非晶質珪素膜を結晶化して結晶質珪素膜を形成し、結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジスタの活性層を形成し、非晶質珪素膜の結晶化は線状レーザー光を移動させていくことにより線状レーザー光の移動方向に結晶成長が順次進行していくことによって行われ、結晶成長はエピタキシャル成長またはエピタキシャル成長とみなせる状態で進行することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法を提供する。
【選択図】   図8

Description

 本明細書で開示する発明は、レーザー光の照射によって半導体に対して各種アニールを施す技術に関する。
 従来より、半導体に対してレーザー光を照射することによって、各種アニールを施す技術が知られている。例えば、プラズマCVD法によってガラス基板上に成膜された非晶質珪素膜(a−Si膜)に対してレーザー光を照射することによって結晶性珪素膜に変成する技術や、不純物イオン注入後のアニール技術等が知られている。このようなレーザー光を用いた各種アニール技術、およびレーザー光を照射する装置としては、本出願人による特許文献1に記載されている技術がある。
特開平6─51238号公報
 レーザー光による各種アニール処理は、下地の基板に対して熱的なダメージを与えないので、例えば基板としてガラス基板等の熱に弱い材料を用いた場合等に有用な技術となる。しかしながら、そのアニール効果を常に一定なものとすることが困難であるという問題がある。またレーザー光の照射による非晶質珪素膜の結晶化を行った場合、必要とする良好な結晶性を常に得ることが困難であり、安定してより結晶性の良好な結晶性珪素膜を得る技術が求められていた。
 本明細書で開示する発明は、下記に示す事項の少なくとも一つ以上を解決することを課題とする。
(1)レーザー光の照射による半導体へのアニール技術において常に一定の効果が得られるようにする。
(2)非晶質珪素膜へのレーザー光の照射によって得られる結晶性珪素膜の結晶性をより高くする。
 本明細書で開示する発明の一つは、
 加熱処理を施し前記非晶質珪素膜を結晶化させる工程と、
 該工程において結晶化された珪素膜に対してレーザー光を照射する工程と、
 を有し、
 前記レーザー光の照射時において、試料は前記加熱処理時の温度の±100℃以内に保たれていることを特徴とする。
 上記構成において、加熱処理時の温度としては、450℃〜750℃の温度を選択することができる。
 この温度の上限は基板の耐熱温度によって制限され、基板としてガラス基板を用いた場合には、600℃程度が上限とされる。また生産性を考慮するならばこの温度が550℃以上であることが望ましい。従って、ガラス基板を用いた場合には、550〜600℃程度の温度で加熱処理を行うことが望ましいことになる。
 レーザー光の照射時における加熱温度も、550℃〜600℃程度することが好ましいが、450℃程度の温度からの加熱で実用になる。従って、550℃±100℃の温度範囲での加熱が好ましい。
 また本明細書で開示する他の発明は、
 600℃以下の温度で加熱処理を施し前記非晶質珪素膜を結晶化させる工程と、
 該工程において結晶化された珪素膜に対してレーザー光を照射する工程と、
 を有し、
 前記レーザー光の照射時において、試料は前記加熱処理時の温度の±100℃以内に保たれていることを特徴とする。
 また本明細書で開示する他の発明は、
 加熱処理を施し前記非晶質珪素膜を結晶化させる工程と、
 該工程で結晶化された珪素膜の少なくとも一部に不純物イオンの注入を行う工程と、
 前記不純物イオンが注入された領域にレーザー光を照射する工程と、
 を有し、
 前記レーザー光の照射時において、試料は前記加熱処理時の温度の±100℃以内に保たれていることを特徴とする。
 また他の発明の構成は、
 加熱処理を施し前記非晶質珪素膜を結晶化させる工程と、
 該工程で結晶化された珪素膜の少なくとも一部に不純物イオンの注入を行う工程と、
 前記不純物イオンが注入された領域にレーザー光を照射する工程と、
 を有し、
 前記レーザー光の照射時において、試料は前記加熱処理時の温度の±100℃以内に保たれていることを特徴とする。
 また他の発明の構成において、
 非晶質珪素膜に対して、線状のビーム形状を有するレーザー光を前記非晶質珪素膜の一方から他方に向かって順次移動させて照射し、レーザー光が照射された領域を順次結晶化させる方法であって、前記レーザー光の照射は、非照射面の温度を450℃以上の温度に加熱して行われることを特徴とする。
 上記構成において、線上のビームを順次移動させて照射することで、必要とする領域に対して効果的にレーザー光を照射することができる。また非照射面の温度(加熱温度)の条件は普通600℃程度に制限される。しかしこの温度は、基板の材質によって限定されるものであり、さらに高い温度としてもよい。
 結晶化を助長する金属元素の導入と加熱処理によって結晶化された結晶性珪素膜に対して、先の加熱処理時の温度の±100℃以内の温度に試料を加熱した状態で、レーザー光の照射によるアニールを施すことにより、結晶性をさらに高め、良好な結晶性を有する珪素膜を得ることができる。
 また、結晶化を助長する金属元素の導入と加熱処理によって結晶化された結晶性珪素膜に対して、不純物イオンの注入を行い、さらに先の加熱処理時の温度の±100℃以内の温度に試料を加熱した状態で、レーザー光の照射によるアニールを施すことにより、不純物領域の形成を効果的に行うこができる。
 また、450℃以上の温度に加熱した状態で非晶質珪素膜の一方から他方に向かって線状のレーザー光を照射することによって、レーザー光の照射に従って、順次結晶成長を行わすことができ、単結晶または単結晶と見なせる領域を形成することができる。
 特に結晶化を助長する金属元素を非晶質珪素膜に導入した状態でレーザー光の照射を行うことで、結晶性がより高い領域(ほとんど単結晶と見なせる領域)を容易に形成することができる。またこの時、線状のレーザー光を移動させながら照射することで、結晶成長した終点に金属元素を偏析させることができ、結晶化した領域内における金属元素濃度を極力小さくすることができる。
[実施の形態1]
 本実施の形態では、本明細書で開示する発明を実施する際に利用されるレーザー処理装置を示す。図1にレーザー処理装置の上面図を示す。図2に図1のA−A’で切った断面図を示す。図3に図1のB−B’で切った断面図を示す。またこのレーザー処理装置のブロック図を図4に示す。
 図1〜図3において、101で示されるのは、基板(試料)を搬入搬出するための搬送搬入室であり、レーザー光を照射する対象の珪素膜や作製工程途中の状態の薄膜トランジスタが形成された基板100が多数枚カセット105に収納された状態で収められている。基板の搬入搬出室101に基板を外部から出し入れする際には、基板100を収納したカセット105毎移動が行われる。
 102で示されるのは、基板を装置内において搬送するための搬送室であり、基板を一枚づつ搬送するためのロボットアーム106を備えている。このロボットアーム106は加熱手段を内蔵しており、基板を搬送中においても基板の温度(試料の温度)を一定に保つ工夫がなされている。
 また125は基板の位置合わせ用のアライメント手段であり、ロボットアームと基板との位置合わせを正確に行うための機能を有する。
 103で示される室は、レーザー光を基板に対して照射するための室である。この室では、レーザー照射装置107から照射されたレーザー光108を合成石英の窓150を介して、基板が置かれるステージ109上に配置された基板上に照射することができる。ステージ109は、基板を加熱する手段を備えており、矢印で示されるように、1次元方向に移動する機能を有している。 
 レーザー照射装置107は、例えばKrFエキシマレーザーを発振する機能を有し、図5に示すような光学系を内蔵している。この図5に示す光学系を通ることにより、レーザー光は、幅数ミリ〜数センチ、長さ数十センチの線状ビームに成形される。
 104で示される室は、基板(試料)を加熱するための加熱室であり、基板100が多数枚収納される。多数枚収納された基板100は加熱手段(抵抗加熱手段)110によって所定の温度に加熱される。基板100はリフト111上に収納されており、必要なときにリフト111を上下させ、搬送室102内のロボットアーム106によって、基板100を搬送させることができる。
 各室は密閉された構造を有し、排気系115〜118によって減圧状態、あるいは高真空状態とすることができる。各排気系には、独立して真空ポンプ119〜122が備えられている。また各室には、必要とする気体(例えば不活性気体)を供給するためのガス供給系112〜114、121を備えている。また各室は、ゲイトバルブ122〜124を備えており、各室の気密性を独立して高める構成となっている。
[実施の形態2]
 本実施の形態においては、本明細書で開示するレーザー処理方法を用いて薄膜トランジスタを作製する例を示す。図6に結晶性珪素膜を得るまでの工程を示す。まず(A)に示すようにガラス基板601を用意し、その表面に下地膜として酸化珪素膜602を300nmの厚さにスパッタ法を用いて成膜する。ガラス基板としては、例えばコーニング7059ガラス基板を用いることができる。
 次に非晶質珪素膜(a−Si膜)603をプラズマCVD法または減圧熱CVD法によって50nmの厚さに成膜する。(図6(A))
 次に加熱処理を施し、非晶質珪素膜603を結晶化させ、結晶性珪素膜607を得る。このときの加熱温度は、450℃〜750℃程度の温度で行えばよい。しかし、ガラス基板の耐熱性の問題を考慮した場合、600℃以下の温度で行うことが必要である。また500℃以下の温度であると、結晶化に要する時間が数十時間以上となるので、生産性の観点から不利となる。ここでは、ガラス基板の耐熱性の問題、さらに加熱処理時間の問題に鑑み、550℃で4時間の加熱処理を行う。こうして結晶性珪素膜607が得られる。(図6(B))
 加熱処理により結晶性珪素膜607を得たら、図1〜図3に示すレーザー処理装置を用いてレーザー光を照射し、結晶性珪素膜607の結晶化をさらに助長させる。以下にこのレーザー処理工程の概要を示す。
 まず図6(C)の状態を有する基板(試料)が多数枚収納されたカセット105を基板の搬入搬出室101に収納する。そして各室を高真空状態とする。またゲイトバルブは全て閉鎖されている状態とする。そして、ゲイトバルブ122を開け、ロボットアーム106によって、1枚の基板100をカセット105から取り出し、搬送室102に移送する。そしてゲイトバルブ124を開けロボットアーム106に保持された基板を加熱室104に移送する。この際、加熱室104は所定の温度に基板を加熱するように予め加熱された状態とする。
 加熱室104に基板を搬入後、再びロボットアーム106によって、次の基板をカセット105から取り出し、加熱室104に移送する。以上の動作を所定の回数繰り返すことにより、カセット105に収納された基板の全てを加熱室104に収納する。カセット105に収納された基板の全てを加熱室104に収納した後、ゲイトバルブ122と124とを閉鎖する。
 そして、所定の時間が経過した後、ゲイトバルブ124を開け、所定の温度(ここでは500℃)になった基板をロボットアームによって搬送室102に引き出す。この際、ロボットアーム内に内蔵された加熱手段によって、移送中も基板は500℃に保たれる。そしてゲイトバルブ124閉める。さらにゲイトバルブ123を開け、この加熱された基板をレーザー光を照射するための室103に移送する。そしてゲイトバルブ123を閉める。
 レーザー光は線状を有するものを用い、その線状のレーザー光の幅方向に基板ステージ109を動かすことにより、所定の面積に対してレーザー光を照射する。ここでは、図6(C)の状態において、図面の基板右端から左端へと、レーザー光がスイープされるように基板ステージ109を移動させレーザー光を照射する。ここでの基板ステージ109の移動速度は10cm/分とする。本実施の形態においては、基板ステージ109の温度を500℃に保った状態でレーザー光の照射を行う。
 レーザー光の照射終了後、ゲイトバルブ123を開け、基板ホルダーに保持された基板をロボットアーム106によって搬送室102に移送する。そしてゲイトバルブ123を閉める。そしてゲイトバルブ122を開け、基板を搬入搬出室101内のカセット105に収納する。この後ゲイトバルブ122は閉鎖する。
 上記の動作を繰り返すことにより、加熱室に収納された複数の基板全てに対してレーザー光の照射を行うことができる。そして全ての基板に対するレーザー光の照射が終了後、カセット105に収納された基板をカセット毎基板の搬入搬出室101から装置の外部に取り出す。
 図6(C)に示すように、レーザー光の照射により、結晶性珪素膜の結晶性を助長させた後、パターニングを行うことにより、薄膜トランジスタの活性層701を形成する。(図7(A))
 次にゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜702をスパッタ法またはプラズマCVD法で100nmの厚さに成膜する。次にスカンジウムを0.18wt%含有したアルミニウム膜を600nmの厚さに蒸着法で形成する。そしてパターニングを施すことにより、ゲイト電極703を形成する。ゲイト電極703を形成したら5%酒石酸が含まれたエチレングルコール溶液中においてゲイト電極703を陽極として陽極酸化を行い、アルミニウムの酸化物層704を形成する。この酸化物層の厚さは250nm程度とする。この酸化物層704の厚さで、後の不純物イオン注入工程において形成されるオフセットゲイト領域領域の長さが決定される。
 さらに不純物イオン(ここではリンイオン)の注入をイオンドーピング法またはプラズマドーピング法によって活性層に注入する。この際、ゲイト電極703とその周囲の酸化物層704とがマスクとなって、705と709の領域に不純物イオンが注入されることとなる。こうしてソース領域705とドレイン領域709とが自己整合的に形成される。さらにチャネル形成領域707とオフセットゲイト領域706、708がやはり自己整合的に形成される。
 そして、レーザー光の照射を行い、ソース領域705とドレイン領域709の再結晶化と注入された不純物の活性化を行う。このレーザー光の照射の代わりに強光の照射を行ってもよい。ここで行うソース/ドレイン領域へのレーザー光の照射を図1〜図3に示す装置で行う。またこのレーザー光の照射においては、基板を500℃の温度に加熱した状態で行う。
 レーザー光の照射によるアニールの終了後、層間絶縁膜として酸化珪素膜710をプラズマCVD法で700nmの厚さに成膜する。そして孔開け工程を経て、ソース電極711とドレイン電極712を適当な金属(例えばアルミニウム)やその他適当な導電材料を用いて形成する。最後に水素雰囲気中において、350℃の加熱処理を1時間施すことにより、図7(C)に示す薄膜トランジスタを完成させる。
[実施の形態3]
 本実施の形態では、非晶質珪素膜に対してレーザー光の照射を行うことによって、単結晶あるいは単結晶に極めて近いと見なせる結晶性を有する領域を形成し、その領域を利用して薄膜トランジスタの活性層を形成することを特徴とする。
 図8に単結晶あるいは単結晶に極めて近いと見なせる結晶性を有する領域を形成する工程を示す。まずガラス基板601上に下地膜として酸化珪素膜602をスパッタ法により300nmの厚さに成膜する。さらに非晶質珪素膜603を50nmの厚さにプラズマCVD法または減圧熱CVD法で成膜する。(図8(A))
 そして、図1〜図3に示す装置を用いてレーザー光の照射を行う。このレーザー光の照射に際しては、試料を500℃の温度に加熱した状態で、線状のレーザー光810を図面の奥行き方向が長手方向となるようにして、811で示される方向に移動(スイープ)させていく。この移動速度は1mm〜10cm/分程度の極めてゆっくりとしたものとする。この時、812で示す領域においては、加熱によって結晶核または結晶化した領域が形成される。
 線状のレーザー光を811で示されるように移動させていくと、ニッケルが微量に導入された領域812から813で示されるように結晶成長が行われていく。この813で示される結晶成長は、結晶核あるいは結晶領域が形成されている812の領域からエピタキシャル成長あるはピタキシャル成長と見なせる状態で進行していく。(図8(B))
 この結晶化は、レーザー光が照射された領域が溶融し、先に結晶化した領域からこの溶融した領域へと結晶がエピタキシャル成長(またはエピタキシャル成長と見なせる成長)していくことによって行われる。そして、線状のレーザー光810を811で示されるように移動させて行くことで、この結晶成長が813で示されるようい順次進行していく。また結晶化を助長する金属元素であるニッケルは、珪素が溶融した領域に偏析するので、813で示される結晶化が進行していくに従って、その結晶成長した先端部にニッケル元素が集中する。従って、結晶化した領域814の中央部においては、ニッケル濃度を低くすることができる。(図8(C))
 以下においてこのレーザー光の照射工程を説明する。まず図8(A)の状態を有する基板(試料)が多数枚収納されたカセット105を基板の搬入搬出室101に収納する。そして各室を高真空状態とする。またゲイトバルブは全て閉鎖されている状態とする。そして、ゲイトバルブ122を開け、ロボットアーム106によって、1枚の基板100をカセット105から取り出し、搬送室102に移送する。そしてゲイトバルブ124を開けロボットアーム106に保持された基板を加熱室104に移送する。この際、加熱室104は所定の温度(500℃)に基板を加熱するように予め加熱された状態とする。
 加熱室104に基板を搬入後、再びロボットアーム106によって、次の基板をカセット105から取り出し、加熱室104に移送する。以上の動作を所定の回数繰り返すことにより、カセット105に収納された基板の全てを加熱室104に収納する。
 そして、所定の時間が経過した後、ゲイトバルブ124を開け、所定の温度(ここでは500℃)になった基板をロボットアーム106によって搬送室102に引き出す。この際、ロボットアーム内に内蔵された加熱手段によって、移送中も基板は500℃に保たれる。そしてゲイトバルブ124閉める。さらにゲイトバルブ123を開け、この加熱された基板をレーザー光を照射するための室103に移送する。そしてゲイトバルブ123を閉める。
 レーザー光は線状を有するものを用い、その線状のレーザー光の幅方向に基板ステージ109を動かすことにより、所定の面積にレーザー光を照射する。ここでは、図8(B)の状態において、図面の基板右側から左側へと、レーザー光がスイープされるように基板ステージ109を移動させレーザー光を照射する。ここでの基板ステージ109の移動速度は1cm/分とする。本実施の形態においては、基板ステージ109の温度を500℃に保った状態でレーザー光の照射を行う。
 レーザー光の照射終了後、ゲイトバルブ123を開け、基板ホルダーに保持された基板をロボットアーム106によって搬送室102に移送する。そしてゲイトバルブ123を閉める。そしてゲイトバルブ122を開け、基板を搬入搬出室101内のカセット105に収納する。この後ゲイトバルブ122は閉鎖する。
 上記の動作を繰り返すことにより、加熱室に収納された複数の基板全てに対してレーザー光の照射を行うことができる。そして全ての基板に対するレーザー光の照射が終了後、カセット105に収納された基板をカセット毎基板の搬入搬出室101から装置の外部に取り出す。
 本実施の形態においては、加熱室104に1枚目の基板を搬入する時から最後の基板を加熱室104に搬入するまでの時間と、加熱室104から1枚目の基板を取り出し、レーザー光の照射を行う室103へ基板を搬送し始める時から最後の基板を加熱室104から取り出し、レーザー光の照射を行う室103へこの基板を搬送し始める時までの時間とを同じものとする。こうすると、加熱室に基板が保持されている時間を全ての基板において同一なものとすることができる。
 基板上には、非晶質珪素膜が形成されており、500℃の温度では短時間において、容易に結晶核が生成され、結晶化が進行してしまう。従って、加熱室104内に保持される時間は、全ての基板において極力同じ時間とすることが均一な結晶性珪素膜を得るためには重要となる。
 このようにして、単結晶または単結晶と見なせる領域814を得ることができる。この単結晶と見なせる領域は、水素を1016〜1020cm-3含んでおり、内部の欠陥が水素でターミネイトされた構造を有している。
 この領域は、非常に大きな結晶粒であると見なすことができる。またこの領域は、さらに大きくすることもできる。
 図8(C)に示すように、単結晶または単結晶と見なせる領域814を得たら、この領域を用いて薄膜トランジスタの活性層を形成する。即ち、パターニングを行い図9(A)の701で示す活性層を形成する。またこのパターニングの際に、極薄の酸化膜802を除去する。さらにゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜702をスパッタ法またはプラズマCVD法で100nmの厚さに成膜する。(図9(A))
 次にスカンジウムを0.18wt%含有したアルミニウム膜を600nmの厚さに電子ビーム蒸着法で形成する。そしてパターニングを施すことにより、ゲイト電極703を形成する。ゲイト電極703を形成したら5%酒石酸が含まれたエチレングルコール溶液中においてゲイト電極703を陽極として陽極酸化を行い、アルミニウムの酸化物層704を形成する。この酸化物層の厚さは250nm程度とする。この酸化物層704の厚さで、後の不純物イオン注入工程において形成されるオフセットゲイト領域の長さが決定される。(図9(B))
 さらに不純物イオン(ここではリンイオン)の注入をイオンドーピング法またはプラズマドーピング法によって活性層に注入する。この際、ゲイト電極703とその周囲の酸化物層704とがマスクとなって、705と709の領域に不純物イオンが注入されることとなる。こうしてソース領域705とドレイン領域709とが自己整合的に形成される。さらにチャネル形成領域707とオフセットゲイト領域706、708がやはり自己整合的に形成される。(図9(C))
 そして、図1〜図3に示すレーザー処理装置を用いてレーザー光の照射を行い、ソース領域705とドレイン領域709の再結晶化と注入された不純物の活性化を行う。
 レーザー光の照射によるアニールの終了後、層間絶縁膜として酸化珪素膜710をプラズマCVD法で700nmの厚さに成膜する。そして孔開け工程を経て、ソース電極711とドレイン電極712を適当な金属(例えばアルミニウム)やその他適当な導電材料を用いて形成する。最後に水素雰囲気中において、350℃の加熱処理を1時間施すことにより、図9(D)に示す薄膜トランジスタを完成させる。
 本実施の形態に示す薄膜トランジスタは、単結晶または単結晶と見なせる領域を利用して活性層を構成するので、活性層内に結晶粒界が実質的に存在せず、薄膜トランジスタの動作において結晶粒界の影響を受けない構成とすることができる。
 本実施の形態で示す構成では、一列に並んだ複数の薄膜トランジスタを形成する際に効果的に利用できる。例えば、図11(D)に示す薄膜トランジスタを図面の奥行き方向に1列に多数個同時に作製する際に利用することができる。このような多数個の薄膜トランジスタが列を成して形成されている構成は、液晶電気光学装置の周辺回路(シフトレジスタ回路等)に利用することができる。またこのような単結晶または単結晶と見なせる結晶性珪素膜を用いた薄膜トタンジスタは、アナログバッファアンプ等に利用するのに有用なものとなる。
[実施の形態4]
 本実施の形態は、レーザー光の照射による結晶化のメカニズムを巧みに利用して、より単結晶に近い(結晶性の良好な)結晶性珪素膜を効率よく得る例である。
 図10に本実施の形態の作製工程を示す。まずガラス基板601上に下地の酸化珪素膜602を300nmの厚さにスパッタ法で成膜する。そして非晶質珪素膜603を50nmの厚さにプラズマCVD法または減圧熱CVD法で成膜する。次に酸化珪素膜でマスクを形成する。この酸化珪素膜は、スパッタ法やプラズマCVD法で成膜されるものを用いてよいが、酸化珪素系被膜形成用塗布液を用いて形成するのでもよい。これは、溶液状態のものを100〜300℃程度の加熱によって固化するタイプのもので、例えば東京応化のOCD(Ohka Diffusion Source) 溶液を用いることができる。この酸化珪素膜815は、802で示す領域において図面奥行き方向に長手方向を有するスリット状を有しており、このスリット状の領域802で非晶質珪素膜603の表面(を露呈する構成となっている。このスリット状の領域は、必要とする長さで数μ〜数十μの幅で設ければよい。(図10(A))
 そして図10(B)に示すように線状のレーザー光を811で示す方向に移動(スイープ)させながら照射する。この線状のレーザー光は、図面の奥行き方向に長手方向を有する形状に図5に示す光学系を用いて成形されている。
 このレーザー光810の照射は、試料を500℃に加熱し、移動速度を1mm〜10cm/分程度の極めてゆっくりとしたものとして行う。この時、812で示す領域においては、加熱によって結晶核または結晶化した領域が形成される。この結晶核の生成や結晶化した領域が形成されるのは、ニッケル元素の作用によるものである。レーザー光の照射工程については、実施の形態3の場合と同様である。
 線状のレーザー光を811で示されるように移動させながら照射すると、812で示される領域は、その表面に酸化珪素膜が存在しないので、レーザー光の照射後急速に冷却される。そしてレーザー光が移動していった先の非晶質珪素膜は上下を酸化珪素膜によって挟まれているので、熱の逃げ場がなく、瞬間的に高い温度に加熱される。即ち結晶構造を有する冷たい812の領域と、高熱で溶融状態にある領域とが存在することになる。当然その両者の間には、急激な温度勾配が生じることとなる。この温度勾配の作用によって結晶成長が促進され、813で示されるようにエピタキシャル成長と見なせる結晶成長が順次進行していく。そして、単結晶または単結晶と見なせる領域814を得ることができる。
 本実施の形態で示すような構成は、成長開始点における成長の開始の容易さを実現することができ、部分的にではあるが、単結晶または単結晶と見なせる領域を形成することができる。
 こうして図10(C)の814で示されるような単結晶または単結晶と見なせる領域を得ることができる。この単結晶または単結晶と見なせる領域は数十μm以上の長さに渡って形成することが可能であり、この領域を用いて単結晶薄膜トランジスタを形成することが可能である。
[実施の形態5]
 本明細書に開示する発明を用いて、より高度なアクティブマトリクス型液晶ディスプレーシステムを構築する例を図11に示す。図11の例は、一対の基板間に液晶を挟持した構成を有する液晶ディスプレーの少なくとも一方の基板上に、通常のコンピュータのメインボードに取り付けられている半導体チップを固定することによって、小型化、軽量化、薄型化をおこなった例である。
 以下、図11について説明する。基板15は液晶ディスプレーの基板でもあり、その上にはTFT11、画素電極12、補助容量13を具備する画素が多数形成されたアクティブマトリクス回路14と、それを駆動するためのXデコーダー/ドライバー、Yデコーダー/ドライバー、XY分岐回路がTFTによって形成されている。勿論、TFTとして本明細書で開示する発明を利用することができる。
 そして基板15上に、さらに他のチップを取り付ける。そして、これらのチップはワイヤボンディング法、COG(チップ・オン・グラス)法等の手段によって、基板15上の回路に接続される。図11において、補正メモリー、メモリー、CPU、入力ポートは、このようにして取り付けられたチップであり、この他にも様々なチップを取り付けてもよい。
 図11において、入力ポートとは、外部から入力された信号を読み取り、画像用信号に変換する回路である。補正メモリーは、アクティブマトリクスパネルの特性に合わせて入力信号等を補正するためのパネルに固有のメモリーのことである。特に、この補正メモリーは、各画素固有の情報を不揮発性メモリーとして有し、個別に補正するためのものである。すなわち、電気光学装置の画素に点欠陥のある場合には、その点の周囲の画素にそれに合わせて補正した信号を送り、点欠陥をカバーし、欠陥を目立たなくする。または、画素が周囲の画素に比べて暗い場合には、その画素により大きな信号を送って、周囲の画素と同じ明るさとなるようにするものである。画素の欠陥情報はパネルごとに異なるので、補正メモリーに蓄積されている情報はパネルごとに異なる。
 CPUとメモリーは通常のコンピュータのものとその機能は同様で、特にメモリーは各画素に対応した画像メモリーをRAMとして持っている。これらのチップはいずれもCMOS型のものである。
 また必要とする集積回路の少なくとも一部を本明細書で開示する発明で構成し、システムの薄膜をさらに高めてもよい。
 以上のように、液晶ディスプレー基板にCPU、メモリーまでもが形成され、1枚の基板で簡単なパーソナルコンピュータのような電子装置を構成することは、液晶表示システムを小型化し、その応用範囲を広げるために非常に有用である。
 図11に示す回路、あるいは必要とする回路に本明細書で開示する発明を利用した薄膜トランジスタを用いることができる。特に単結晶または単結晶と見なせる領域を用いて作製した薄膜トランジスタをアナログバッファやその他回路に利用することは有用である。
レーザー処理装置の上面図。 レーザー処理装置の断面図。 レーザー処理装置の断面図。 レーザー処理装置のブロック図。 レーザー処理装置のレーザー光学系を示す図。 基板上に結晶性珪素膜を作製する工程図。 薄膜トランジスタの作製工程図。 基板上に結晶性珪素膜を作製する工程図。 薄膜トランジスタの作製工程図。 基板上に結晶性珪素膜を作製する工程図。 液晶ディスプレーのシステムの概略を示す図。
符号の説明
 601 ガラス基板
 602 酸化珪素膜(下地膜)
 603 非晶質珪素膜
 607 結晶性珪素膜
 701 活性層
 702 酸化珪素膜(ゲイト絶縁膜)
 703 アルミニウムを主成分とするゲイト電極
 704 陽極酸化物層
 705 ソース領域
 706 オフセットゲイト領域
 707 チャネル形成領域
 708 オフセットゲイト領域
 709 ドレイン領域
 710 層間絶縁膜
 711 ソース電極
 712 ドレイン電極
 802 露呈した領域
 803 結晶成長方向
 801 レジストマスク
 810 線状のレーザー光
 811 線上のレーザー光の移動方向
 812 結晶核または結晶性を有する領域
 814 単結晶または単結晶と見なせる領域
 815 酸化珪素膜で構成されるマスク


Claims (6)

  1.  基板上に非晶質珪素膜を形成し、
     前記非晶質珪素膜を線状レーザー光を移動させながら照射することにより、前記非晶質珪素膜を結晶化して結晶質珪素膜を形成し、
     前記結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジスタの活性層を形成し、
     前記非晶質珪素膜の結晶化は、前記線状レーザー光を移動させていくことにより、前記線状レーザー光の移動方向に結晶成長が順次進行していくことによって行われ、
     前記結晶成長は、エピタキシャル成長またはエピタキシャル成長とみなせる状態で進行することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  2.  基板上に非晶質珪素膜を形成し、
     前記非晶質珪素膜に結晶化を助長する元素を導入し、
     前記結晶化を助長する元素が導入された非晶質珪素膜を線状レーザー光を移動させながら照射することにより、前記非晶質珪素膜を結晶化して結晶質珪素膜を形成し、
     前記結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジスタの活性層を形成し、
     前記非晶質珪素膜の結晶化は、前記線状レーザー光を移動させていくことにより、前記非晶質珪素膜の前記結晶化を助長する元素が導入された領域から、前記線状レーザー光の移動方向に結晶成長が順次進行していくことによって行われ、
     前記結晶成長は、エピタキシャル成長またはエピタキシャル成長とみなせる状態で進行することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  3.  基板上に非晶質珪素膜を形成し、
     前記非晶質珪素膜を線状レーザー光を移動させながら照射することにより、前記非晶質珪素膜を結晶化して結晶質珪素膜を形成し、
     前記結晶質珪素膜をパターニングして薄膜トランジスタの活性層を形成し、
     前記活性層上にゲイト絶縁膜を介してゲイト電極を形成し、
     前記非晶質珪素膜の結晶化は、前記線状レーザー光を移動させていくことにより、前記非晶質珪素膜の前記結晶化を助長する元素が導入された領域から、前記線状レーザー光の移動方向に結晶成長が順次進行していくことによって行われ、
     前記結晶成長は、エピタキシャル成長またはエピタキシャル成長とみなせる状態で進行することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  4.  基板上に非晶質珪素膜を形成し、
     前記非晶質珪素膜に結晶化を助長する元素を導入し、
     前記結晶化を助長する元素が導入された非晶質珪素膜を線状レーザー光を移動させながら照射することにより、前記非晶質珪素膜を結晶化して結晶質珪素膜を形成し、
     前記結晶質珪素膜をパターニングして薄膜トランジスタの活性層を形成し、
     前記活性層上にゲイト絶縁膜を介してゲイト電極を形成し、
     前記非晶質珪素膜の結晶化は、前記線状レーザー光を移動させていくことにより、前記非晶質珪素膜の前記結晶化を助長する元素が導入された領域から、前記線状レーザー光の移動方向に結晶成長が順次進行していくことによって行われ、
     前記結晶成長は、エピタキシャル成長またはエピタキシャル成長とみなせる状態で進行することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  5.  請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、
     前記線状レーザー光の移動速度は、1mm〜10cm/分であることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
  6.  請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、
     前記活性層には、水素が1016〜1020cm-3の濃度で含まれていることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。


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