JP2004142013A - 円筒研削盤における予防保全装置 - Google Patents

円筒研削盤における予防保全装置 Download PDF

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Abstract

【課題】1ないし数台の円筒研削盤に対しても簡単に装着して、高精度の研削加工を持続できる機械振動上の予防保全装置の提供である。
【解決手段】研削中の被加工物Wの研削量を測定して、仕上寸法に達したら研削終了信号を発する定寸装置Lを備えた円筒研削盤において、主軸5、砥石軸15等の回転部に装着される振動センサSと、前記定寸装置Lの測定アンプ32に組み込まれて、前記振動センサSで測定されて振動データを解析可能な振動解析手段とを備えた構成とする。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転部に装着された軸受等の回転部品の劣化や異常を検出して作業者に知らせたり、或いは強地震等の過大振動が発生した場合に機械を非常停止させて、作業者の安全を確保するための円筒研削盤における予防保全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
円筒研削盤において、主軸、砥石軸等の回転部の不良は、加工不良(真円度不良、面粗度不良、寸法不良)に直結する。そこで、円筒研削盤を含めて、大規模な工場において多数の加工機械の回転部の不良を監視する装置として、「連続監視システム」と称されるものが考えられている。
【0003】
この「連続監視システム」は、図6に示されるように、多数の機械(A,A2 ・・An )の回転部にそれぞれ振動センサSを装着して、各機械(A,A2 ・・An )の振動発生の状態をそれぞれモニターTにより監視して、その状況をパソコンPCで処理することにより、集中管理する方式である。この「連続監視システム」は、多数の機械を監視の対象としているため、その設置にコストがかかり、1ないし数台単位で納入する機械に対しては、コスト高となって不向きであった。
【0004】
このため、従来においては、少数単位で納入する機械に対しては、振動解析装置を備えないで納入しているのが実情であり、その回転部の不良を監視することはできなかった。また、当然のことながら、強地震等の過大な振動が発生した場合に、この振動値から非常事態であると認識して、機械を非常停止させて安全を図るという装置も出現していなかった。
【0005】
一方、円筒研削盤は、研削中の被加工物の研削量を測定して、仕上寸法に達したら研削終了信号を発して機械を停止させる定寸装置を備えているため、本発明者は、1ないし数台単位で納入する円筒研削盤に対しては、上記定寸装置を利用することにより、少数単位で納入する円筒研削盤に対しても、振動面での保全が可能であるとの着想を得るに至った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、1ないし数台の円筒研削盤に対しても簡単に装着して、高精度の研削加工を持続できる機械振動上の予防保全装置の提供である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1の発明は、研削中の被加工物の研削量を測定して、仕上寸法に達したら研削終了信号を発する定寸装置を備えた円筒研削盤において、主軸、砥石軸等の回転部に装着される振動センサと、前記定寸装置の測定アンプに組み込まれて、前記振動センサで測定されて振動データを解析可能な振動解析手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明によれば、円筒研削盤に備え付けの定寸装置を構成する測定アンプは、CPU(中央演算処理装置)を内蔵していて、振動解析手段(振動解析ソフト)のインストールが可能である。このため、円筒研削盤の回転部に装着された振動センサの検出データである振動値は、定寸装置に組み込まれた振動解析手段により解析評価されて、その評価結果が出力される。例えば、前記振動値は、振動の強さによって数段階のレベルに分けられて、そのレベルに対応する内容(例えば、許容内振動、部品交換準備が必要な振動、部品交換が必要な振動等)が定寸装置の表示画面に表示される。この結果、作業者は、その振動の強さを知った状態で加工を行えて、回転部品の損傷が検知された場合には、加工不良が発生する手前において部品交換することが可能となって、高精度の研削加工が可能となる。また、回転部に装着された回転部品の劣化や異常の内容、及びその程度を知ることができるので、部品交換の準備等を予め行える。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、振動解析手段により解析された振動値が、強地震発生等が原因の運転不能値を超える場合には、前記定寸装置の測定アンプから円筒研削盤を停止させる非常停止信号が発せられる構成であることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明によれば、強地震等が原因で機械の継続運転が不能な強振動が発生した場合には、継続運転が危険な値を超える振動値は、振動解析手段により非常停止信号となって出力されて、機械の運転を自動停止させる。このように、強地震等の危険事態発生時に機械の運転が自動停止されるために、作業者の安全が確保される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。最初に回転部を主体にした円筒研作盤K、及びこれに装着される定寸装置Lの各概略について説明し、その後に、本発明に係る予防保全装置Nについて説明する。図1は、円筒研削盤Kの回転部を主体に示した概略平面図であり、図2は、一部を破断した図1のU矢視図であり、図3は、同じくV矢視図である。図1ないし図3において、ベース1の上面には、Z軸往復台2がZ軸方向にスライド可能に配設されて、前記Z軸往復台2には、主軸台3と心押台4とがZ軸方向に沿って対向配置されている。主軸台3には主軸5が、その両端部を一対の軸受B1 を介して支持されており、前記主軸5は、往復台2に搭載された主軸駆動モータM1 の駆動力がベルト伝動装置25を介して伝達されて駆動回転される。また、Z軸往復台2は、ベース1に設けられたV字状の案内溝6に案内されてZ軸方向にスライド可能になっており、Z軸往復台2の下面には、ボールナットホルダー7が一体に設けられている。ベース1におけるZ軸ボールネジ8が配置される部分の両端部には、それぞれ軸受台10が設けられている。Z軸ボールネジ8は、その両端部が各軸受台10に取付けられた軸受B2 で支持されて、前記ボールナットホルダー7に設けられたボールナット9と螺合されて、Z軸ACサーボモータM2 により回転制御されて、Z軸往復台2は、Z軸方向に沿った移動量が制御されて移動する。円筒状をした被加工物Wは、主軸台3及び心押台4の各センター11,12により両端支持された状態で、主軸駆動モータM1 の駆動力が主軸5及びケレー類(図示せず)を介して伝達されて、後述の研削砥石16と同方向に低速回転される。
【0012】
また、ベース1の上面におけるZ軸往復台2の側方には、Z軸方向と直交するX軸方向に沿って砥石台13が往復移動可能に配設されている。この砥石台13の砥石軸支持ハウジング14には、砥石軸15がZ軸方向に沿って配置されて、その両端部が一対の軸受B3 で支持され、砥石軸15における砥石台13から突出した部分に研削砥石16が取付けられている。砥石台13には、砥石軸駆動モータM3 が搭載され、その駆動力は、ベルト伝動装置17を介して砥石軸15に伝達される。また、砥石台13の下面には、ボールナットホルダー18が一体に設けられて、ベース1におけるX軸ボールネジ19が配置される部分の両端部には、それぞれ軸受台21が設けられている。X軸ボールネジ19は、その両端部が各軸受台21に取付けられた軸受B4 で支持されて、前記ボールナットホルダー18に設けられたボールナット22と螺合されて、X軸ACサーボモータM4 によって制御回転される。このように、砥石台13は、X軸ACサーボモータM4 によってX軸方向の移動量が制御されて移動して、被加工物Wに対して切込みを与える。なお、上記した各軸受B1 〜B4 は、いずれもラジアル及びスラストの双方の荷重を支持可能な構造のものである。
【0013】
そして、被加工物Wは、主軸台3及び心押台4の各センター11,12により両端支持された状態で、主軸5の駆動回転より低速で研削砥石16と同方向に回転する。このように、被加工物Wは、所定方向に低速で回転した状態で、Z軸往復台2は、Z軸ACサーボモータM2 により制御されて、被加工物Wの長さよりも長いストロークでもってZ軸方向に往復移動する。これにより被加工物Wは、上記ストロークでもってZ軸方向に往復移動する。一方、X軸ACサーボモータM4 により砥石台13は、被加工物Wが半往復する毎に、これに近接するX軸方向に移動して、被加工物Wに対して切込みを与えられて、被加工物Wは、研削砥石16により所定量ずつ切削される。そして、この切込み量は、後述の定寸装置Lによって制御される。
【0014】
次に、図4の原理図を参照して、上記した定寸装置Lについて説明する。この定寸装置Lは、「インプロセスゲージ」と称されていて、研削中の被加工物Wの外径を直接に測定して、その測定値が予め設定された仕上寸法に達したら、加工終了信号を発するものであって、前記Z軸往復台2に装着される測定ヘッド31と、加工データの入力設定、及び諸信号の出力を行う測定アンプ32とで構成される。測定ヘッド31は、被加工物Wの外径を測定する一対の測定子33を備えていて、被加工物Wの軸心と直交するZ軸方向に沿って前記被加工物Wに対して進退可能に配設され、直線駆動手段であるエアシリンダ34によって進退動する。また、測定アンプ32は、円筒研削盤Kの制御部23に対して「インプット・アウトプット接続」されていて、予め設定された加工データの入力、及び表示部35に表示される加工状態、円筒研削盤Kに対する加工終了信号等の諸信号の出力を行い、CPU(中央演算処理装置)を内蔵している。
【0015】
そして、主軸5の回転開始後において、測定ヘッド31を前進させて、被加工物Wの外径測定を開始する。円筒研削における一般の加工工程は、研削砥石16の切込み量の大きな粗研、これの小さな精研、及び研削砥石16を停止させて、その切込み量を零とするスパークアウトとがあり、測定アンプ32には、その加工目的に応じて、精研及びスパークアウトをそれぞれ開始させる各信号点を入力して設定してある。具体的には、被加工物Wの外径を(Dmm)に仕上げる場合には、その素材の外径は、〔(D+α)mm〕となっていて、例えば、被加工物Wの外径が(Dmm+35μm)に達したら粗研から精研に切り換えるための精研信号を発し、更に、素材の外径が(Dmm+5μm)に達したらスパークアウト信号が発せられるように設定しておく。
【0016】
これにより、素材の外径が(Dmm+35μm)に達して、精研信号が発せられるまでは、研削砥石16の切込み量を大きくして高速加工が行われ、精研信号が発せられることにより、研削砥石16の切込み量が小さくなって低速加工が行われる。更に、素材の外径が(Dmm+5μm)に達してスパークアウト信号が発せられると、研削砥石16の切込みが停止した状態で研削が続行され、その後に、素材の外径が(Dmm)に達すると、円筒研削盤Kに対して加工終了信号が発せられて、砥石台13が被加工物Wに対して後退した後に、主軸5の駆動モータM1 が停止する。
【0017】
このように、円筒研削盤Kにより被加工物Wの研削加工を行う場合に、その回転部において振動が発生される。ここで、回転部とは、主軸5、Z軸ボールネジ8、砥石軸15及びX軸ボールネジ19であり、いずれもその両端部は、一対の軸受B1 〜B4 で支持されている。回転部の不良の典型は、軸受B1 〜B4 の磨耗、劣化等であって、この不良によって、被加工物Wは、真円度不良、面粗度不良、寸法不良等の加工不良が発生し易くなる。そして、回転部の不良は、まず振動となって現れる。
【0018】
そこで、本発明は、上記回転部に装着される振動センサSと、前記定寸装置Lを構成する測定アンプ32に組み込まれて、前記振動センサSで測定された振動データを解析可能な振動解析ソフトとによって、円筒研削盤Kの予防保全装置Nを構成した。
【0019】
そして、円筒研削盤Kの回転部における振動センサSの取付部位としては、主軸5に関しては、主軸台3の表面における主軸5の両端の軸受B1 の部分(P)である。また、Z軸ボールネジ8に関しては、その両端の軸受B2 を組み込んでいる各軸受台10の表面部分(P)、及び前記Z軸ボールネジ8と螺合するボールナット9が組み込まれたボールナットホルダー7の表面部分(P)である。また、砥石軸15に関しては、砥石軸支持ハウジング14の表面における砥石軸15の両端の軸受B3 の部分(P)である。更に、X軸ボールネジ19に関しては、その両端の軸受B4 を組み込んでいる各軸受台21の表面部分(P)、及び前記X軸ボールネジ19と螺合するボールナット22が組み込まれたボールナットホルダー18の表面部分(P)である。振動センサSは、振動の変位、速度、又は加速度のいずれかを検出して、その値により振動の大きさ(強さ)を検出するものであって、振動の簡易診断には、振動の速度又は加速度を測定するのがよいとされている。振動センサSにより検出された振動データは、定寸装置Lの測定アンプ32に入力される(図4参照)。
【0020】
一方、定寸装置Lの測定アンプ32には、前記回転部に取付けた振動センサSにより検出された振動データを解析するための振動解析ソフトが組み込まれて(インストールされて)いると共に、ユーザーの選択により、その振動の大きさ(強さ)に比例する複数の振動レベルの各接点が予め設定されて入力されている。即ち、図5に示される例では、振動レベルは、4段階に分けられている。レベル1,2は、いずれも「許容範囲」の振動であって、両レベル1,2の差異は、レベル1は、レベル2よりも振動が小さいために、「部品交換準備」の必要はないが、レベル2では、その必要がある点であり、いずれも測定アンプ32の表示部35にその旨の出力表示がなされて、機械の運転は続行される。また、レベル3は、「部品交換」を必要とする振動の大きさであって、測定アンプ32の表示部35にその旨の出力表示がなされて、機械の運転は続行される。更に、レベル4は、強地震発生時等の場合であって、非常停止信号が出力されて、この信号が円筒研削盤Kの制御部23に入力されて、機械の運転は非常停止されると共に、測定アンプ32の表示部35にその旨の出力表示がなされる。なお、振動解析ソフトに対する各振動レベルの設定は、ユーザー毎に、或いは被加工物毎に、いずれも最適値を選択して設定可能である。
【0021】
このように、振動センサSが取付けられた回転部位における振動のレベルは、測定アンプ32の表示部35、及び機械の表示画面に常に表示され、現実には、主軸5の軸受B1 と砥石軸15の軸受B3 の損傷が原因で、振動が発生する頻度が最も多い。よって、作業者は、軸受B1 〜B4 等の回転部品が劣化したり、損傷が発生した場合には、その旨が予め検知できるため、加工不良が発生する前に不良部品の交換を行えて、高精度の研削加工を持続できる。また、振動レベルが高い場合には、その振動レベルに対応した不良内容が表示されるため、部品交換の準備等を予め行える。また、強地震等が原因で機械の継続運転が困難又は不能な強振動が発生した場合には、振動解析ソフトから非常停止信号となって出力されて、機械の制御部23に入力されるため、機械の運転が自動停止される。このように、強地震等の危険事態発生時に機械の運転が自動停止されるために、作業者の安全が確保される。
【0022】
また、上記実施形態の円筒研削盤Kは、円筒状をした被加工物Wの外周を研削するものであって、これに装着される定寸装置Lは、研削中において被加工物Wの外径を、測定ヘッド31の一対の測定子33により直接に測定する構成である。これに対して、被加工物の内周を研削する円筒研削盤に装着される定寸装置には、「一点測定方式」と称して、被加工物の加工中において、その内周面の一点のみを測定して内径を測定するものであり、この形式の定寸装置に振動解析ソフトを組み込めば、上記した外周研削の場合と同様にして、加工中の振動状態を知った上で、加工を行える。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係る予防保全装置は、円筒研削盤による研削加工には必ず使用される定寸装置に振動解析手段を組み込んで、この振動解析手段により、機械の振動発生部位に装着した振動センサの振動データを解析して、回転部品の不良を予め知ったり、或いは強地震等の発生時において、非常停止信号を出力して、機械を自動停止させる構成であるため、1ないし数台の単位で納入する円筒研削盤に対しても簡単に、しかも安価に組み込むことができる。
【0024】
また、本発明に係る予防保全装置を円筒研削盤に組み込むことにより、回転部の損傷、又は劣化の状態が定寸装置の測定アンプに画面表示されるため、作業者又は機械保全担当者は、部品交換の準備(交換日程)の計画を立てることができ、加工不良を発生することなく、高精度の研削加工を持続できる。特に、最近のように機械の輸出が多い場合には、諸外国における機械の保全がメーカーとして最大の課題となっているが、このような状態において、機械保全は、現地の保全担当者の責任においてできるので、メーカー側の出動機会が減少する。
【0025】
更に、強地震等により過大振動が生じた場合には、振動解析手段により非常停止信号が出力されて機械の制御部に入力されることにより、機械が非常停止されるので、作業者は、安心して研削加工を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒研削盤Kの回転部を主体に示した概略平面図である。
【図2】一部を破断した図1のU矢視図である。
【図3】同じく一部を破断した図1のV矢視図である。
【図4】本発明に係る予防保全装置Nが組み込まれた定寸装置Lの原理図である。
【図5】振動レベルと出力表示の関係を示す図である。
【図6】「連続監視システム」の概念図である。
【符号の説明】
1 〜B4 :軸受
K:円筒研削盤
L:定寸装置
N:予防保全装置
1 〜P6 :振動センサの取付部位
S:振動センサ
W:被加工物
5:主軸(回転部)
8:Z軸ボールネジ(回転部)
15:砥石軸(回転部)
19:X軸ボールネジ(回転部)

Claims (2)

  1. 研削中の被加工物の研削量を測定して、仕上寸法に達したら研削終了信号を発する定寸装置を備えた円筒研削盤において、
    主軸、砥石軸等の回転部に装着される振動センサと、前記定寸装置の測定アンプに組み込まれて、前記振動センサで測定されて振動データを解析可能な振動解析手段とを備えることを特徴とする円筒研削盤における予防保全装置。
  2. 振動解析手段により解析された振動値が、強地震発生時を含む過大値の場合には、前記定寸装置の測定アンプから円筒研削盤を停止させる非常停止信号が発せられる構成であることを特徴とする円筒研削盤における予防保全装置。
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