JP2004143858A - 紙製の畳 - Google Patents
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Abstract
【課題】畳が敷かれる床面に馴染みやすく、床面に凹凸などがあっても平滑な状態で敷設することができ、また、吸湿などにより畳全体が反り返るのを抑制できて、しかも敷設作業が容易な紙製の畳を提供する。
【解決手段】畳1は、波形板21の片面または両面に、波形板21よりも単位面積重量の小さい平板22を接合してなる段ボール材23の複数が重合されて、目20が表裏方向を向いた板状の紙製コア2と、このコア2の表裏面のうち少なくとも表面に非接触状態で重合された板材3と、表側の板材3の上面に配置された畳表4とを有し、板材3が800g/m2以上の紙材で形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】畳1は、波形板21の片面または両面に、波形板21よりも単位面積重量の小さい平板22を接合してなる段ボール材23の複数が重合されて、目20が表裏方向を向いた板状の紙製コア2と、このコア2の表裏面のうち少なくとも表面に非接触状態で重合された板材3と、表側の板材3の上面に配置された畳表4とを有し、板材3が800g/m2以上の紙材で形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、段ボールを用いた紙製の畳に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙製の畳として、本件出願人は既に、波形板の片面または両面に平板を接合してなる紙製の段ボール材の複数が重合され、波形板の目が上下方向を向くように設定された板状の紙製コアを有し、このコアの表裏両面にカバーシートを一体に接合し、この表側のカバーシートの上面に畳表を貼り付けたものを提案した (特許文献1参照) 。
【0003】
【特許文献1 】
特願2002―206499(図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記紙製の畳は、軽量で安価という大きな利点を持つが、さらに改良する余地もある。つまり、この畳は、紙製コアにカバーシートを一体に接合し、この表側のカバーシートの上面に畳表を貼り付けているので、畳全体の剛性が高くなる。このため、畳が敷かれる床面に、凹凸やそりがある場合、畳を平滑な状態で敷設することが難しい。また、吸湿などにより前記紙製コアとカバーシートとが異なる伸縮量となったとき、各部材が一体に接合されているので、畳全体が反り返ることがある。さらに、この畳は剛性が高くて曲がりにくいため、床面に畳を順次嵌め込みながら敷設するときの作業が容易とは言い難い。
【0005】
そこで、本発明の目的は、柔軟性に富むために畳が敷かれる床面に馴染みやすく、床面に凹凸などがあっても平滑な状態で敷設でき、また、吸湿などにより畳全体が反り返るのも抑制できて、しかも敷設作業が容易な紙製の畳を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる紙製の畳は、波形板の片面または両面に波形板よりも単位面積重量の小さい平板を接合してなる段ボール材の複数が重合されて、目が表裏方向を向くように設定された板状の紙製コアと、このコアの表裏面のうち少なくとも表面に非接触状態で重合された板材と、表側の板材の上面に配置された畳表とを有し、この板材が800g/m2以上の紙材で形成されている。
【0007】
段ボール材は、曲げ応力が主として平板に発生するのに対し、この畳では、紙製コアを構成する段ボール材の平板として、波形板よりも単位面積重量の小さいものが使用されているため、柔軟性に富む曲がり易いものとなって、畳が床面に対し馴染みやすくなる。このため、床面に凹凸などがあっても平滑な状態で畳を敷設することが可能となる。また、前記コアの少なくとも表面に配置される板材は、前記コアに対し非接触状態で重合されるので、この板材により、コアに負荷される畳の荷重が分散されて、コアに局部的な荷重が負荷されるのを防止できるとともに、吸湿などにより両者の伸縮量が異なるものとなっても、畳の反り返りが抑制される。しかも、床面に畳を順次嵌め込みながら敷設するときには、畳が曲がり易いので、敷設作業が容易になる。特に、畳に所定の強度を保持しながら床面に対する馴染み性を付与させるためには、前記波形板として、単位面積重量160〜300g/m2の紙材、例えば220g/m2の紙材が用いられ、一方、前記平板としては、波形板に対して単位面積重量が0.75〜0.25倍、好ましくは0.70〜0.40倍、より好ましくは0.65〜0.50倍の紙材が用いられる。このとき、前記波形板に対し平板の単位面積重量が0.25倍より小さいと、畳として使用するときの強度不足を招き、一方、0.75倍より大きいと、目的とする柔軟性に欠ける。
【0008】
また、前記板材としては、単位面積重量800g/m2以上の紙材が使用される。この板材によれば、畳に負荷される局部的な荷重を十分分散させてコアに負荷させることができる。この板材としては、好ましくは800g/m2以上で2000g/m2以下、より好ましくは1000g/m2以上で1800g/m2以下の紙材が用いられる。このとき、単位面積重量が800g/m2より小さいときは、局部的な荷重を分散させる作用が不十分となり、一方、2000g/m2より大きい場合は、リサイクルするときに、溶けにくくなるので、リサイクルに支障をきたすことになる。
【0009】
本発明の実施形態では、前記表側の板材と畳表との間に段ボール材からなる段ボールシートが、その目の方向を前記表裏方向と直交させて配置されている。この構成によれば、段ボールシートを設けたことにより畳がクッション性に富むものとなって、畳を踏んだときに良好な感触が得られる。
【0010】
また、本発明の実施形態では、畳の周縁部のみがその表裏面を貫通させる糸で縫着されている。この構成によれば、畳の周縁部のみを糸で縫着することによって、畳を構成する紙製コア、板材などの各部材を保形しながら、周縁部を除く部分、つまり畳の主要部において、各部材の間の滑り性が良好となって、吸湿などにより各部材の伸縮量が異なっても、畳の反り返りが抑制される。
【0011】
さらに、本発明の実施形態では、前記段ボール材の波形板および平板に耐水コーティングが施されている。この構成によれば、段ボール材が低吸湿性となって耐水性が高められるので、畳の腐食が防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる紙製の畳の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、紙製の畳の要部を一部切欠いて示す斜視図である。畳1 は、板状の紙製のコア2、このコア2の表裏両面に非接合状態で重合される板材3,3、表側の板材3の上面に設けられるい草などからなる畳表4、および板材3と畳表4との間に配置された段ボールシート5を有している。畳表4は、段ボール材で形成してもよい。
【0013】
前記紙製のコア2は、波形板21の片面に帯状の平板22を接合してなる紙製の段ボール材23を1つの層として、これの複数層を、平板22の主面と直交する方向に重ね合わせて接合し、波形板21の目20が表裏方向に向くように配置し、さらに、その表裏面に紙材からなるライナ25を接合して形成されている。これら波形板21、平板22およびライナ25の接合には、市販の耐水糊(澱粉糊に耐水化剤を混合したもの)を使用する。前記平板22としては、畳1に柔軟性を付与して床面に対する馴染み性を付与するために、波形板21よりも単位面積重量の小さいもの(薄いもの)が使用される。特に、畳1に所定の強度を保持しながら床面に対する馴染み性を付与させるためには、前述したように、波形板21に対して、単位面積重量が0.75〜0.25倍の平板22を使用するのが好ましい。前記ライナ25も、平板22と同程度、もしくはさらに単位面積重量が小さい(薄い)段ボール用芯紙(JIS規格)のような紙材を使用する。ただし、このライナ25は省略してもよい。また、畳1のより軽量化を図るために、前記段ボール材23として、波形板21の目20の高さH(隣接する平板22,22間の内側間隔に相当)が5〜15mm、好ましくは7〜12mmで、波形ピッチPが7〜24mm、好ましくは10〜18mmの、いわゆる鬼段ボールが用いられている。
【0014】
前記段ボール材23の波形板21および平板22には、耐水剤を塗着(耐水コーティング)して耐水性を付与することが好ましい。耐水剤としては、例えば、ワックス(ろう)、アクリル樹脂などを使用する。このようにすれば、段ボール材23が低吸湿性となって耐水性が高められるので、畳1の腐食が防止されて耐久性が高められる。ライナ25に耐水コーティングを施すと、板材3との間で不快な滑り音を発生させる可能性があるので、ライナ25は耐水コーティングしないのが好ましい。
【0015】
前記波形板21として、この実施形態では正弦波状のものを用いているが、これは台形状のものであってもよい。また、この実施形態では、前記紙製のコア2を形成する段ボール材23として、波形板21の片面に1枚の平板22を接合させたいわゆる片面段ボール材を用いているが、前記コア2は、波形板21の両面に平板22を接合させたいわゆる両面段ボール材を用いてもよい。
【0016】
また、前記コア2の表裏両面に設けられる板材3,3としては、単位面積重量800g/m2以上の厚紙が使用される。この厚紙としては、畳1に負荷される荷重を分散して受け止め、畳としての十分な強度を得るために、前述したように、好適には単位面積重量1000g/m2以上のものが用いられる。これら板材3,3のうち裏側のものは、必ずしも設ける必要はない。
【0017】
前記表側の板材3と畳表4との間に介装された段ボールシート5は、畳1をクッション性に富むものにし、踏んだときの感触性を高める。この段ボールシート5は、波形板51の片面に平板52を接合してなる段ボール材53からなり、前記平板52を下側にして、段ボール材53の目50が前記コア2の目20と直交する横方向(Y方向)に配置されている。ただし、この段ボールシート5は、省略してもよい。また、この段ボールシート5に代えて薄い紙や不織布などを用いることもできる。
【0018】
前記畳1の周縁部は、これを構成する紙製コア2、板材3、段ボールシート5を保形するために、図1のII−II線断面図である図2に示すように、段ボールシート5から、表側の板材3、コア2および裏側の板材3を貫通する第1の糸6で縫着されている。この第1の糸6で縫着される周縁部は、例えば、畳1の外周縁から2〜5cm内側までの幅Sの領域である。
【0019】
また、畳1の縦方向(図1のX方向)に延びる両側部に、布製の畳べり(縁部材)7が長さ方向に沿って取り付けられている。畳べり7は紙製または樹脂シート製でもよい。前記畳べり7は、縦方向Xに沿った側部71の複数個所において、畳表4、段ボールシート5および表側の板材3を上下方向に貫通する第2の糸75により縫着される。また、この縫着された一側部71を除く他の部分が縫着部分から畳表4の端面へと折り返されて、その折り返し部72が畳表4の横方向側部41に重ねられている。畳表4は、その横方向側部41から畳1の裏側へと折り返されて、その折り返し部42が裏側の板材3の裏面に重ねられている。畳べり7の前記折り返し部72、畳表4の横方向側部41、前記コア2、裏側の板材3、および畳表4の前記折り返し部42は、斜めに貫通する第3の糸76により縫着されている。
【0020】
図3は図1のIII ―III 線方向から見た拡大断面図である。同図のように、畳表4は、その横方向Yに沿った側部41Aからコア2の裏側へと折り返されており、側部41Aからこの折り返し部42Aへとコア2を斜め状に貫通し、さらに前記折り返し部42の外面から側部41Aの外面を通って、再び側部41Aから斜めにコア2に進入する、側面視三角状に配設された第4の糸43によって縫着されている。
【0021】
上記構成によれば、図1のコア2は、主として平板22が曲げ荷重を負担するのに対して、この平板22が、波形板21よりも単位面積重量の小さい紙材で形成されているため、畳1が図1の縦方向Xに沿って上下の曲がりBが生じ易い柔軟性に富むものとなり、畳1が床面に対し馴染みやすくなる。このため、床面に凹凸や反りがあっても、上面が平滑な状態で畳1を敷設することが可能となる。また、床面に畳1を順次嵌め込みながら敷設するときには、畳1が曲げ易いことから、敷設作業が容易になる。しかも、前記畳1を構成する紙製コア2、板材3および段ボールシート5の各部材は、その周縁部Sのみが第1の糸6によって縫着され、板材3と段ボールシート5の残りの部分、つまり畳1の主要部は、コア2に対し非接合状態に保持されているので、各部材を安定して保形することができながら、各部材間の滑り性を良好として、吸湿などにより各部材間で伸縮量が異なっても、畳1が反り返るのが抑制される。
【0022】
前記コア2の少なくとも表面に配置される板材3としては、単位面積重量800g/m2以上の紙材が使用される。この板材3は、畳1に負荷される局部的な荷重を分散させてコア2に負担させることができるので、畳1としての強度が高くなる。
【0023】
また、図2のようして畳べり7を第2および第3の糸75,76で取り付け、さらに、図3のようにして畳表4を第4の糸43で取り付けることにより、前記紙製コア2、板材3、段ボールシート5の各主要部間の滑り性を損なうことなく、畳1の柔軟性を確保できる。
【0024】
また、前記畳表4と畳べり7は、畳1の周縁部Sにおいて第2〜第4の糸75,76,43により縫着されているので、これら各糸を切断することにより、い草からなる畳表4と布からなる畳べり7を、紙製のコア2から容易に取り外すことができる。また、このコア2と板材3および段ボールシート5は、畳1の周縁部Sにおいて、第1の糸6により縫着されているので、この第1の糸6を切断することにより、紙製板材3と紙製の段ボールシート5もコア2から容易に取り外すことができる。このため、畳1が不要となったときの分別した廃棄処理が容易に行える。また、前記紙製のコア2、板材3および段ボールシート5の各部材の原料は、通常、紙の再生品であって、不要となったときには段ボールの原料に容易にリサイクルできるので、省資源的に優れたものとなる。しかも、火災などが発生したとき、従来の藁材や発泡材は多量の煙が発生し、特に発泡材の場合は有毒ガスを発生するのに対し、本発明の畳1は、有毒ガスを発生せず、また発煙量も少ない。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明の紙製の畳によれば、柔軟性に富むものとなって畳が敷かれる床面に馴染みやすく、床面に凹凸などがあっても平滑な状態で敷設することができ、また、吸湿などにより畳全体が反り返るのを抑制できて、しかも敷設作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙製の畳の要部を一部切欠いて示す拡大斜視図である。
【図2】図1のII―II線に沿った拡大断面図である。
【図3】図1のIII ―III 線に沿った拡大断面図である。
【符号の説明】
2…紙製のコア、20…目、21…波形板、22…平板、23…段ボール材、3…板材、4…畳表、5…段ボールシート、50…目、53…段ボール材、6…糸(第1の糸)、S…周縁部
【発明の属する技術分野】
本発明は、段ボールを用いた紙製の畳に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙製の畳として、本件出願人は既に、波形板の片面または両面に平板を接合してなる紙製の段ボール材の複数が重合され、波形板の目が上下方向を向くように設定された板状の紙製コアを有し、このコアの表裏両面にカバーシートを一体に接合し、この表側のカバーシートの上面に畳表を貼り付けたものを提案した (特許文献1参照) 。
【0003】
【特許文献1 】
特願2002―206499(図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記紙製の畳は、軽量で安価という大きな利点を持つが、さらに改良する余地もある。つまり、この畳は、紙製コアにカバーシートを一体に接合し、この表側のカバーシートの上面に畳表を貼り付けているので、畳全体の剛性が高くなる。このため、畳が敷かれる床面に、凹凸やそりがある場合、畳を平滑な状態で敷設することが難しい。また、吸湿などにより前記紙製コアとカバーシートとが異なる伸縮量となったとき、各部材が一体に接合されているので、畳全体が反り返ることがある。さらに、この畳は剛性が高くて曲がりにくいため、床面に畳を順次嵌め込みながら敷設するときの作業が容易とは言い難い。
【0005】
そこで、本発明の目的は、柔軟性に富むために畳が敷かれる床面に馴染みやすく、床面に凹凸などがあっても平滑な状態で敷設でき、また、吸湿などにより畳全体が反り返るのも抑制できて、しかも敷設作業が容易な紙製の畳を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる紙製の畳は、波形板の片面または両面に波形板よりも単位面積重量の小さい平板を接合してなる段ボール材の複数が重合されて、目が表裏方向を向くように設定された板状の紙製コアと、このコアの表裏面のうち少なくとも表面に非接触状態で重合された板材と、表側の板材の上面に配置された畳表とを有し、この板材が800g/m2以上の紙材で形成されている。
【0007】
段ボール材は、曲げ応力が主として平板に発生するのに対し、この畳では、紙製コアを構成する段ボール材の平板として、波形板よりも単位面積重量の小さいものが使用されているため、柔軟性に富む曲がり易いものとなって、畳が床面に対し馴染みやすくなる。このため、床面に凹凸などがあっても平滑な状態で畳を敷設することが可能となる。また、前記コアの少なくとも表面に配置される板材は、前記コアに対し非接触状態で重合されるので、この板材により、コアに負荷される畳の荷重が分散されて、コアに局部的な荷重が負荷されるのを防止できるとともに、吸湿などにより両者の伸縮量が異なるものとなっても、畳の反り返りが抑制される。しかも、床面に畳を順次嵌め込みながら敷設するときには、畳が曲がり易いので、敷設作業が容易になる。特に、畳に所定の強度を保持しながら床面に対する馴染み性を付与させるためには、前記波形板として、単位面積重量160〜300g/m2の紙材、例えば220g/m2の紙材が用いられ、一方、前記平板としては、波形板に対して単位面積重量が0.75〜0.25倍、好ましくは0.70〜0.40倍、より好ましくは0.65〜0.50倍の紙材が用いられる。このとき、前記波形板に対し平板の単位面積重量が0.25倍より小さいと、畳として使用するときの強度不足を招き、一方、0.75倍より大きいと、目的とする柔軟性に欠ける。
【0008】
また、前記板材としては、単位面積重量800g/m2以上の紙材が使用される。この板材によれば、畳に負荷される局部的な荷重を十分分散させてコアに負荷させることができる。この板材としては、好ましくは800g/m2以上で2000g/m2以下、より好ましくは1000g/m2以上で1800g/m2以下の紙材が用いられる。このとき、単位面積重量が800g/m2より小さいときは、局部的な荷重を分散させる作用が不十分となり、一方、2000g/m2より大きい場合は、リサイクルするときに、溶けにくくなるので、リサイクルに支障をきたすことになる。
【0009】
本発明の実施形態では、前記表側の板材と畳表との間に段ボール材からなる段ボールシートが、その目の方向を前記表裏方向と直交させて配置されている。この構成によれば、段ボールシートを設けたことにより畳がクッション性に富むものとなって、畳を踏んだときに良好な感触が得られる。
【0010】
また、本発明の実施形態では、畳の周縁部のみがその表裏面を貫通させる糸で縫着されている。この構成によれば、畳の周縁部のみを糸で縫着することによって、畳を構成する紙製コア、板材などの各部材を保形しながら、周縁部を除く部分、つまり畳の主要部において、各部材の間の滑り性が良好となって、吸湿などにより各部材の伸縮量が異なっても、畳の反り返りが抑制される。
【0011】
さらに、本発明の実施形態では、前記段ボール材の波形板および平板に耐水コーティングが施されている。この構成によれば、段ボール材が低吸湿性となって耐水性が高められるので、畳の腐食が防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる紙製の畳の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、紙製の畳の要部を一部切欠いて示す斜視図である。畳1 は、板状の紙製のコア2、このコア2の表裏両面に非接合状態で重合される板材3,3、表側の板材3の上面に設けられるい草などからなる畳表4、および板材3と畳表4との間に配置された段ボールシート5を有している。畳表4は、段ボール材で形成してもよい。
【0013】
前記紙製のコア2は、波形板21の片面に帯状の平板22を接合してなる紙製の段ボール材23を1つの層として、これの複数層を、平板22の主面と直交する方向に重ね合わせて接合し、波形板21の目20が表裏方向に向くように配置し、さらに、その表裏面に紙材からなるライナ25を接合して形成されている。これら波形板21、平板22およびライナ25の接合には、市販の耐水糊(澱粉糊に耐水化剤を混合したもの)を使用する。前記平板22としては、畳1に柔軟性を付与して床面に対する馴染み性を付与するために、波形板21よりも単位面積重量の小さいもの(薄いもの)が使用される。特に、畳1に所定の強度を保持しながら床面に対する馴染み性を付与させるためには、前述したように、波形板21に対して、単位面積重量が0.75〜0.25倍の平板22を使用するのが好ましい。前記ライナ25も、平板22と同程度、もしくはさらに単位面積重量が小さい(薄い)段ボール用芯紙(JIS規格)のような紙材を使用する。ただし、このライナ25は省略してもよい。また、畳1のより軽量化を図るために、前記段ボール材23として、波形板21の目20の高さH(隣接する平板22,22間の内側間隔に相当)が5〜15mm、好ましくは7〜12mmで、波形ピッチPが7〜24mm、好ましくは10〜18mmの、いわゆる鬼段ボールが用いられている。
【0014】
前記段ボール材23の波形板21および平板22には、耐水剤を塗着(耐水コーティング)して耐水性を付与することが好ましい。耐水剤としては、例えば、ワックス(ろう)、アクリル樹脂などを使用する。このようにすれば、段ボール材23が低吸湿性となって耐水性が高められるので、畳1の腐食が防止されて耐久性が高められる。ライナ25に耐水コーティングを施すと、板材3との間で不快な滑り音を発生させる可能性があるので、ライナ25は耐水コーティングしないのが好ましい。
【0015】
前記波形板21として、この実施形態では正弦波状のものを用いているが、これは台形状のものであってもよい。また、この実施形態では、前記紙製のコア2を形成する段ボール材23として、波形板21の片面に1枚の平板22を接合させたいわゆる片面段ボール材を用いているが、前記コア2は、波形板21の両面に平板22を接合させたいわゆる両面段ボール材を用いてもよい。
【0016】
また、前記コア2の表裏両面に設けられる板材3,3としては、単位面積重量800g/m2以上の厚紙が使用される。この厚紙としては、畳1に負荷される荷重を分散して受け止め、畳としての十分な強度を得るために、前述したように、好適には単位面積重量1000g/m2以上のものが用いられる。これら板材3,3のうち裏側のものは、必ずしも設ける必要はない。
【0017】
前記表側の板材3と畳表4との間に介装された段ボールシート5は、畳1をクッション性に富むものにし、踏んだときの感触性を高める。この段ボールシート5は、波形板51の片面に平板52を接合してなる段ボール材53からなり、前記平板52を下側にして、段ボール材53の目50が前記コア2の目20と直交する横方向(Y方向)に配置されている。ただし、この段ボールシート5は、省略してもよい。また、この段ボールシート5に代えて薄い紙や不織布などを用いることもできる。
【0018】
前記畳1の周縁部は、これを構成する紙製コア2、板材3、段ボールシート5を保形するために、図1のII−II線断面図である図2に示すように、段ボールシート5から、表側の板材3、コア2および裏側の板材3を貫通する第1の糸6で縫着されている。この第1の糸6で縫着される周縁部は、例えば、畳1の外周縁から2〜5cm内側までの幅Sの領域である。
【0019】
また、畳1の縦方向(図1のX方向)に延びる両側部に、布製の畳べり(縁部材)7が長さ方向に沿って取り付けられている。畳べり7は紙製または樹脂シート製でもよい。前記畳べり7は、縦方向Xに沿った側部71の複数個所において、畳表4、段ボールシート5および表側の板材3を上下方向に貫通する第2の糸75により縫着される。また、この縫着された一側部71を除く他の部分が縫着部分から畳表4の端面へと折り返されて、その折り返し部72が畳表4の横方向側部41に重ねられている。畳表4は、その横方向側部41から畳1の裏側へと折り返されて、その折り返し部42が裏側の板材3の裏面に重ねられている。畳べり7の前記折り返し部72、畳表4の横方向側部41、前記コア2、裏側の板材3、および畳表4の前記折り返し部42は、斜めに貫通する第3の糸76により縫着されている。
【0020】
図3は図1のIII ―III 線方向から見た拡大断面図である。同図のように、畳表4は、その横方向Yに沿った側部41Aからコア2の裏側へと折り返されており、側部41Aからこの折り返し部42Aへとコア2を斜め状に貫通し、さらに前記折り返し部42の外面から側部41Aの外面を通って、再び側部41Aから斜めにコア2に進入する、側面視三角状に配設された第4の糸43によって縫着されている。
【0021】
上記構成によれば、図1のコア2は、主として平板22が曲げ荷重を負担するのに対して、この平板22が、波形板21よりも単位面積重量の小さい紙材で形成されているため、畳1が図1の縦方向Xに沿って上下の曲がりBが生じ易い柔軟性に富むものとなり、畳1が床面に対し馴染みやすくなる。このため、床面に凹凸や反りがあっても、上面が平滑な状態で畳1を敷設することが可能となる。また、床面に畳1を順次嵌め込みながら敷設するときには、畳1が曲げ易いことから、敷設作業が容易になる。しかも、前記畳1を構成する紙製コア2、板材3および段ボールシート5の各部材は、その周縁部Sのみが第1の糸6によって縫着され、板材3と段ボールシート5の残りの部分、つまり畳1の主要部は、コア2に対し非接合状態に保持されているので、各部材を安定して保形することができながら、各部材間の滑り性を良好として、吸湿などにより各部材間で伸縮量が異なっても、畳1が反り返るのが抑制される。
【0022】
前記コア2の少なくとも表面に配置される板材3としては、単位面積重量800g/m2以上の紙材が使用される。この板材3は、畳1に負荷される局部的な荷重を分散させてコア2に負担させることができるので、畳1としての強度が高くなる。
【0023】
また、図2のようして畳べり7を第2および第3の糸75,76で取り付け、さらに、図3のようにして畳表4を第4の糸43で取り付けることにより、前記紙製コア2、板材3、段ボールシート5の各主要部間の滑り性を損なうことなく、畳1の柔軟性を確保できる。
【0024】
また、前記畳表4と畳べり7は、畳1の周縁部Sにおいて第2〜第4の糸75,76,43により縫着されているので、これら各糸を切断することにより、い草からなる畳表4と布からなる畳べり7を、紙製のコア2から容易に取り外すことができる。また、このコア2と板材3および段ボールシート5は、畳1の周縁部Sにおいて、第1の糸6により縫着されているので、この第1の糸6を切断することにより、紙製板材3と紙製の段ボールシート5もコア2から容易に取り外すことができる。このため、畳1が不要となったときの分別した廃棄処理が容易に行える。また、前記紙製のコア2、板材3および段ボールシート5の各部材の原料は、通常、紙の再生品であって、不要となったときには段ボールの原料に容易にリサイクルできるので、省資源的に優れたものとなる。しかも、火災などが発生したとき、従来の藁材や発泡材は多量の煙が発生し、特に発泡材の場合は有毒ガスを発生するのに対し、本発明の畳1は、有毒ガスを発生せず、また発煙量も少ない。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明の紙製の畳によれば、柔軟性に富むものとなって畳が敷かれる床面に馴染みやすく、床面に凹凸などがあっても平滑な状態で敷設することができ、また、吸湿などにより畳全体が反り返るのを抑制できて、しかも敷設作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙製の畳の要部を一部切欠いて示す拡大斜視図である。
【図2】図1のII―II線に沿った拡大断面図である。
【図3】図1のIII ―III 線に沿った拡大断面図である。
【符号の説明】
2…紙製のコア、20…目、21…波形板、22…平板、23…段ボール材、3…板材、4…畳表、5…段ボールシート、50…目、53…段ボール材、6…糸(第1の糸)、S…周縁部
Claims (4)
- 波形板の片面または両面に波形板よりも単位面積重量の小さい平板を接合してなる段ボール材の複数が重合されて、目が表裏方向を向くように設定された板状の紙製コアと、
前記コアの表裏面のうち少なくとも表面に非接触状態で重合された板材と、
前記表側の板材の上面に配置された畳表とを有し、
前記板材は、800g/m2以上の紙材からなる紙製の畳。 - 請求項1において、前記表側の板材と畳表との間に段ボール材からなる段ボールシートが、その目の方向を前記表裏方向と直交させて配置されている紙製の畳。
- 請求項1または2において、畳の周縁部のみがその表裏面を貫通させる糸で縫着されている紙製の畳。
- 請求項1,2または3において、前記段ボール材の波形板および平板に耐水コーティングが施されている紙製の畳。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002311742A JP2004143858A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 紙製の畳 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002311742A JP2004143858A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 紙製の畳 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004143858A true JP2004143858A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32456874
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002311742A Withdrawn JP2004143858A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 紙製の畳 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004143858A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013065767A1 (en) | 2011-10-31 | 2013-05-10 | Dow Corning Toray Co., Ltd. | Long chain hydrocarbon-modified silicone - amino-modified silicone copolymer and uses thereof |
-
2002
- 2002-10-25 JP JP2002311742A patent/JP2004143858A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013065767A1 (en) | 2011-10-31 | 2013-05-10 | Dow Corning Toray Co., Ltd. | Long chain hydrocarbon-modified silicone - amino-modified silicone copolymer and uses thereof |
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