JP2004148355A - スタッド等をアーク溶接する装置及び方法 - Google Patents
スタッド等をアーク溶接する装置及び方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】溶接アークの偏りを減少する磁界を形成するアーク溶接において、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にし、磁界発生をアーク放電と同期させるための制御部も不要にする溶接装置及び方法を提供する。
【解決手段】スタッド等の溶接装置1には、溶接アーク発生時に溶接部における溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイル11が、母材7の溶接部にある溶接ヘッド3に隣接して配置される。溶接部に配置された磁界形成コイル11は、溶接装置1の溶接電源部2から母材7に接続されている母材用電線10の途中に直列に接続されている。溶接電源部2が磁界発生電流供給用電源としても用いられ、磁界の発生はアーク放電と同期している。
【選択図】 図1
【解決手段】スタッド等の溶接装置1には、溶接アーク発生時に溶接部における溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイル11が、母材7の溶接部にある溶接ヘッド3に隣接して配置される。溶接部に配置された磁界形成コイル11は、溶接装置1の溶接電源部2から母材7に接続されている母材用電線10の途中に直列に接続されている。溶接電源部2が磁界発生電流供給用電源としても用いられ、磁界の発生はアーク放電と同期している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製のスタッド、ナット又は管状部材等の溶着部材を溶接ヘッドに保持して溶接部において母材にアーク溶接するスタッド等の溶接に関し、詳細には、スタッド等の溶着部材をアーク溶接するため、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを溶接部に有する、スタッド等の溶接装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属製のスタッド、ナット又は管状部材等の溶着部材を溶接ヘッドに保持して溶接部において母材にアーク溶接するため、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を溶接部に形成する、スタッド等の溶接装置は知られている。特開平1−197072号公報(特許文献1)、特開平7−195176号公報(特許文献2)、特開平7−251270号公報(特許文献3)及び特開平10−128543号公報(特許文献4)を参照されたい。これらの特許文献1〜4には、溶接部において磁界を形成する磁界形成コイルを設け、磁界によって溶接アークの偏りを減少して溶接アークを一様にし、安定した溶接を得る技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平1−197072号公報
【特許文献2】
特開平7−195176号公報
【特許文献3】
特開平7−251270号公報
【特許文献4】
特開平10−128543号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平1−197072号公報(特許文献1)、特開平7−195176号公報(特許文献2)、特開平7−251270号公報(特許文献3)及び特開平10−128543号公報(特許文献4)に記載の溶接装置では、磁界を発生するコイルに磁界発生電流を供給するための電源を溶接電源とは別に必要としており、更に、磁界発生電流の生成をアーク放電と同期するように制御するための制御部も必要とする。
【0005】
従って、本発明の目的は、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を形成するアーク溶接において、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするとともに、磁界発生をアーク放電と同期させるための制御部も不要にする、スタッド等の溶接装置及び方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、金属製のスタッド、ナット又は管状部材等の溶着部材を溶接部において母材にアーク溶接するため、溶接アーク発生時に溶接部における溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを溶接部に有するスタッド等の溶接装置であって、溶接部の磁界形成コイルは、溶接装置の溶接電源部から母材に接続される母材用電線の途中に直列に接続されていることを特徴とする溶接装置を提供する。これによって、溶接電源が磁界発生電流供給用電源として用いられるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするとともに、磁界の発生はアーク放電にそのまま同期するので同期のための制御部も不要になる。
上記溶接装置において、母材用電線は、溶接電源部から母材に直接接続される第1母材用電線と、溶接電源部から溶接部の磁界形成コイルを経由して母材に接続される第2母材用電線とから成るようにしてもよい。
【0007】
本発明は、スタッド等の溶着部材を溶接部において母材にアーク溶接するスタッド等の溶接方法であって、溶接装置の溶接電源部から母材に接続された母材用電線を溶接部においてコイル形状に形成するステップを含み、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを溶接電源部と前記母材との間に直列に設けることを特徴とする溶接方法が提供される。これによっても、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源が不要になり、磁界の発生をアーク放電に同期させるための制御部も不要になる。
【0008】
本発明は、スタッド等の溶着部材を溶接ヘッドに保持して溶接部において母材にアーク溶接するため、溶接アーク発生時に溶接部における溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを溶接部に有する、スタッド等の溶接装置であって、溶接部の磁界形成コイルは、溶接装置の溶接電源部から溶接ヘッドに接続されるヘッド用電線の途中に直列に接続されていることを特徴とする溶接装置を提供する。これによっても、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源が不要になり、磁界の発生をアーク放電に同期させるための制御部も不要になる。
上記溶接装置において、ヘッド用電線は、溶接電源部から溶接ヘッドに直接接続される第1ヘッド用電線と、溶接電源部から溶接部の磁界形成コイルを経由して溶接ヘッドに接続される第2ヘッド用電線とを包含してもよい。
【0009】
本発明は、スタッド等の溶着部材を溶接ヘッドに保持して溶接部において母材にアーク溶接するスタッド等の溶接方法であって、溶接装置の溶接電源部から溶接ヘッドに接続されたヘッド用電線を溶接部においてコイル形状に形成するステップを含み、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを溶接電源部と溶接ヘッドとの間に直列に設けることを特徴とする溶接方法を提供する。これによっても、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源が不要になり、磁界の発生をアーク放電に同期させるための制御部も不要になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施例に係る溶接装置を示している。実施例における溶接装置はスタッドボルトやTスタッド等の金属製スタッドを金属パネル等の母材に溶接するスタッド溶接装置を用いているが、金属製ナットや管状部材等の他の溶着部材をアーク溶接する溶接装置であってもよい。また、実施例におけるスタッド溶接装置は、パイロットアークと呼ばれる小さなアークを先に生成し、そのパイロットアークによってアーク溶接のためのメインアークを引出す、いわゆるドローンアーク式スタッド溶接装置である。図1において、スタッド溶接装置1は、溶接電源部2と溶接ヘッド3を包含する。溶接電源部2は、本体ハウジング5の中に収容されている。溶接ヘッド3には、スタッドボルト等の溶着部材としてのスタッド6が保持され、母材7の所定の溶接部に溶着される。溶接ヘッド3と母材7には、溶接電源部2からアーク放電のために電線又は電源ケーブル(本願において、電源ケーブルも含めて電線と呼ぶ)が接続される。溶接電源部2と溶接ヘッド3を接続するのはヘッド用電線9であり、溶接電源部2と母材7を接続するのは母材用電線10である。
【0011】
第1実施例において、溶接ヘッド3のスタッド6が位置決めされる溶接部の位置に、母材用電線10の途中に磁界形成コイル11が母材用電線10に直列に接続されている。磁界形成コイル11は、特開平1−197072号公報(特許文献1)、特開平7−195176号公報(特許文献2)、特開平7−251270号公報(特許文献3)、特開平10−128543号公報(特許文献4)等に示されるように、溶接部において磁界を形成し、その磁界によって溶接アークの偏りを減少して溶接アークを一様にし、安定した溶接を得るものである。この磁界形成コイル11は、1つのやり方では、溶接電源部2から母材7に接続される母材用電線10の一部を溶接部においてコイル形状に巻回することによって得ることができる。別のやり方では、磁界形成コイル11を母材用電線10とは別に作っておき、その磁界形成コイル11を溶接部に配置して母材用電線10の途中に直列に接続してもよい。いずれのやり方でも、溶接電源部2から母材7に接続された母材用電線10を溶接部においてコイル形状にした磁界形成コイル11とすることができる。このように、磁界形成コイル11が母材用電線10に直列に接続されるので、溶接アークを生成するための電流が磁界形成コイル11に溶接アークの生成に同期して流れるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするだけでなく、磁界の発生はアーク放電にそのまま同期するので同期のための制御部も不要になる。
【0012】
図2は、本発明の第2の実施例を示している。この実施例は、図1の第1実施例とほぼ同じであるが、母材用電線が、溶接電源部2から母材7に直接接続される第1母材用電線13と、溶接電源部2から溶接部の磁界形成コイル11を経由して母材7に接続される第2母材用電線14とから成る点で違っている。磁界形成コイル11の形成のやり方は、第1実施例と同じようにできる。また、磁界形成コイル11は、溶接部において磁界を形成して溶接アークの偏りを減少し、安定した溶接を得る。従って、第2母材用電線14の磁界形成コイル11には、溶接アークの生成に同期して電流が流れるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするだけでなく、磁界の発生はアーク放電にそのまま同期するので同期のための制御部も不要になる。この第2実施例は、従来の溶接電源部2から母材7へ電流を供給する第1母材用電線13を持つ従来の溶接装置に、磁界形成コイル11とその両端子に第2母材用電線14が設けられたものを、溶接電源部2と母材7との間に付加してコイル11を溶接部に配置したものである。すなわち、この実施例では、従来の溶接装置への改変を最小限にできる。
【0013】
図3は、本発明の第3の実施例を示している。図3において、第1実施例と同様に、スタッド溶接装置1は、本体ハウジング5に収容された溶接電源部2と母材7の溶接部においてスタッド6を保持して溶接する溶接ヘッド3を包含する。溶接電源部2と溶接ヘッド3を接続するのはヘッド用電線9であり、溶接電源部2と母材7を接続するのは母材用電線10である。この実施例において、溶接ヘッド3のスタッド6が位置決めされる溶接部の位置に、ヘッド用電線9の途中に磁界形成コイル15がヘッド用電線9に直列に接続されている。この磁界形成コイル15は、図1の第1実施例のものと同じであり、溶接部において磁界を形成し、その磁界によって溶接アークの偏りを減少して溶接アークを一様にし、安定した溶接を得るものである。磁界形成コイル15は、1つのやり方では、溶接電源部2から溶接ヘッド3に接続されるヘッド用電線9の一部を溶接部においてコイル形状に巻回することによって得ることができる。他のやり方では、磁界形成コイル15をヘッド用電線9とは別に作っておき、その磁界形成コイル15を溶接部に配置してヘッド用電線9の途中に直列に接続してもよい。いずれのやり方でも、溶接電源部2から溶接ヘッド3に接続されたヘッド用電線9を溶接部においてコイル形状にした磁界形成コイル15とすることができる。この磁界形成コイル15によっても、ヘッド用電線9の溶接アークを生成するための電流が、磁界形成コイル15に溶接アークの生成に同期して流れるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするだけでなく、磁界の発生はアーク放電にそのまま同期するので同期のための制御部も不要になる。
【0014】
図4は、本発明の第4の実施例を示している。この実施例は、図3の第3実施例とほぼ同じであるが、ヘッド用電線が、溶接電源部2から溶接ヘッド3に直接接続される第1ヘッド用電線17と、溶接電源部2から溶接部の磁界形成コイル15を経由して溶接ヘッド3に接続される第2ヘッド用電線18とから成る点で違っている。磁界形成コイル15の形成のやり方は、第3実施例と同じようにできる。この磁界形成コイル15は、溶接部において磁界を形成して溶接アークの偏りを減少し、安定した溶接を得る。従って、第2ヘッド用電線18の磁界形成コイル15には、溶接アークの生成に同期して電流が流れるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするだけでなく、磁界の発生はアーク放電にそのまま同期するので同期のための制御部も不要になる。この第4実施例は、従来の溶接電源部2から溶接ヘッド3へ電流を供給する第1ヘッド用電線17を持つ従来の溶接装置に、磁界形成コイル15とその両端子から第2ヘッド用電線18が延びるものを、溶接電源部2と溶接ヘッド3との間に付加し、その磁界形成コイル15を溶接部に配置したものである。すなわち、従来の溶接装置への改変を最小限にできる利点がある。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、溶接電源が磁界発生電流供給用電源として用いられるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするとともに、磁界の発生はアーク放電時の電流を利用するので、アーク放電にそのまま同期し、同期のための制御部も不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る溶接装置のブロック図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る溶接装置のブロック図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る溶接装置のブロック図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る溶接装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 スタッド溶接装置
2 溶接電源部
3 溶接ヘッド
5 本体ハウジング
6 スタッド
7 母材
9 ヘッド用電線
10 母材用電線
11 磁界形成コイル
13 第1母材用電線
14 第2母材用電線
15 磁界形成コイル
17 第1ヘッド用電線
18 第2ヘッド用電線
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製のスタッド、ナット又は管状部材等の溶着部材を溶接ヘッドに保持して溶接部において母材にアーク溶接するスタッド等の溶接に関し、詳細には、スタッド等の溶着部材をアーク溶接するため、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを溶接部に有する、スタッド等の溶接装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属製のスタッド、ナット又は管状部材等の溶着部材を溶接ヘッドに保持して溶接部において母材にアーク溶接するため、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を溶接部に形成する、スタッド等の溶接装置は知られている。特開平1−197072号公報(特許文献1)、特開平7−195176号公報(特許文献2)、特開平7−251270号公報(特許文献3)及び特開平10−128543号公報(特許文献4)を参照されたい。これらの特許文献1〜4には、溶接部において磁界を形成する磁界形成コイルを設け、磁界によって溶接アークの偏りを減少して溶接アークを一様にし、安定した溶接を得る技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平1−197072号公報
【特許文献2】
特開平7−195176号公報
【特許文献3】
特開平7−251270号公報
【特許文献4】
特開平10−128543号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平1−197072号公報(特許文献1)、特開平7−195176号公報(特許文献2)、特開平7−251270号公報(特許文献3)及び特開平10−128543号公報(特許文献4)に記載の溶接装置では、磁界を発生するコイルに磁界発生電流を供給するための電源を溶接電源とは別に必要としており、更に、磁界発生電流の生成をアーク放電と同期するように制御するための制御部も必要とする。
【0005】
従って、本発明の目的は、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を形成するアーク溶接において、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするとともに、磁界発生をアーク放電と同期させるための制御部も不要にする、スタッド等の溶接装置及び方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、金属製のスタッド、ナット又は管状部材等の溶着部材を溶接部において母材にアーク溶接するため、溶接アーク発生時に溶接部における溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを溶接部に有するスタッド等の溶接装置であって、溶接部の磁界形成コイルは、溶接装置の溶接電源部から母材に接続される母材用電線の途中に直列に接続されていることを特徴とする溶接装置を提供する。これによって、溶接電源が磁界発生電流供給用電源として用いられるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするとともに、磁界の発生はアーク放電にそのまま同期するので同期のための制御部も不要になる。
上記溶接装置において、母材用電線は、溶接電源部から母材に直接接続される第1母材用電線と、溶接電源部から溶接部の磁界形成コイルを経由して母材に接続される第2母材用電線とから成るようにしてもよい。
【0007】
本発明は、スタッド等の溶着部材を溶接部において母材にアーク溶接するスタッド等の溶接方法であって、溶接装置の溶接電源部から母材に接続された母材用電線を溶接部においてコイル形状に形成するステップを含み、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを溶接電源部と前記母材との間に直列に設けることを特徴とする溶接方法が提供される。これによっても、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源が不要になり、磁界の発生をアーク放電に同期させるための制御部も不要になる。
【0008】
本発明は、スタッド等の溶着部材を溶接ヘッドに保持して溶接部において母材にアーク溶接するため、溶接アーク発生時に溶接部における溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを溶接部に有する、スタッド等の溶接装置であって、溶接部の磁界形成コイルは、溶接装置の溶接電源部から溶接ヘッドに接続されるヘッド用電線の途中に直列に接続されていることを特徴とする溶接装置を提供する。これによっても、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源が不要になり、磁界の発生をアーク放電に同期させるための制御部も不要になる。
上記溶接装置において、ヘッド用電線は、溶接電源部から溶接ヘッドに直接接続される第1ヘッド用電線と、溶接電源部から溶接部の磁界形成コイルを経由して溶接ヘッドに接続される第2ヘッド用電線とを包含してもよい。
【0009】
本発明は、スタッド等の溶着部材を溶接ヘッドに保持して溶接部において母材にアーク溶接するスタッド等の溶接方法であって、溶接装置の溶接電源部から溶接ヘッドに接続されたヘッド用電線を溶接部においてコイル形状に形成するステップを含み、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを溶接電源部と溶接ヘッドとの間に直列に設けることを特徴とする溶接方法を提供する。これによっても、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源が不要になり、磁界の発生をアーク放電に同期させるための制御部も不要になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施例に係る溶接装置を示している。実施例における溶接装置はスタッドボルトやTスタッド等の金属製スタッドを金属パネル等の母材に溶接するスタッド溶接装置を用いているが、金属製ナットや管状部材等の他の溶着部材をアーク溶接する溶接装置であってもよい。また、実施例におけるスタッド溶接装置は、パイロットアークと呼ばれる小さなアークを先に生成し、そのパイロットアークによってアーク溶接のためのメインアークを引出す、いわゆるドローンアーク式スタッド溶接装置である。図1において、スタッド溶接装置1は、溶接電源部2と溶接ヘッド3を包含する。溶接電源部2は、本体ハウジング5の中に収容されている。溶接ヘッド3には、スタッドボルト等の溶着部材としてのスタッド6が保持され、母材7の所定の溶接部に溶着される。溶接ヘッド3と母材7には、溶接電源部2からアーク放電のために電線又は電源ケーブル(本願において、電源ケーブルも含めて電線と呼ぶ)が接続される。溶接電源部2と溶接ヘッド3を接続するのはヘッド用電線9であり、溶接電源部2と母材7を接続するのは母材用電線10である。
【0011】
第1実施例において、溶接ヘッド3のスタッド6が位置決めされる溶接部の位置に、母材用電線10の途中に磁界形成コイル11が母材用電線10に直列に接続されている。磁界形成コイル11は、特開平1−197072号公報(特許文献1)、特開平7−195176号公報(特許文献2)、特開平7−251270号公報(特許文献3)、特開平10−128543号公報(特許文献4)等に示されるように、溶接部において磁界を形成し、その磁界によって溶接アークの偏りを減少して溶接アークを一様にし、安定した溶接を得るものである。この磁界形成コイル11は、1つのやり方では、溶接電源部2から母材7に接続される母材用電線10の一部を溶接部においてコイル形状に巻回することによって得ることができる。別のやり方では、磁界形成コイル11を母材用電線10とは別に作っておき、その磁界形成コイル11を溶接部に配置して母材用電線10の途中に直列に接続してもよい。いずれのやり方でも、溶接電源部2から母材7に接続された母材用電線10を溶接部においてコイル形状にした磁界形成コイル11とすることができる。このように、磁界形成コイル11が母材用電線10に直列に接続されるので、溶接アークを生成するための電流が磁界形成コイル11に溶接アークの生成に同期して流れるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするだけでなく、磁界の発生はアーク放電にそのまま同期するので同期のための制御部も不要になる。
【0012】
図2は、本発明の第2の実施例を示している。この実施例は、図1の第1実施例とほぼ同じであるが、母材用電線が、溶接電源部2から母材7に直接接続される第1母材用電線13と、溶接電源部2から溶接部の磁界形成コイル11を経由して母材7に接続される第2母材用電線14とから成る点で違っている。磁界形成コイル11の形成のやり方は、第1実施例と同じようにできる。また、磁界形成コイル11は、溶接部において磁界を形成して溶接アークの偏りを減少し、安定した溶接を得る。従って、第2母材用電線14の磁界形成コイル11には、溶接アークの生成に同期して電流が流れるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするだけでなく、磁界の発生はアーク放電にそのまま同期するので同期のための制御部も不要になる。この第2実施例は、従来の溶接電源部2から母材7へ電流を供給する第1母材用電線13を持つ従来の溶接装置に、磁界形成コイル11とその両端子に第2母材用電線14が設けられたものを、溶接電源部2と母材7との間に付加してコイル11を溶接部に配置したものである。すなわち、この実施例では、従来の溶接装置への改変を最小限にできる。
【0013】
図3は、本発明の第3の実施例を示している。図3において、第1実施例と同様に、スタッド溶接装置1は、本体ハウジング5に収容された溶接電源部2と母材7の溶接部においてスタッド6を保持して溶接する溶接ヘッド3を包含する。溶接電源部2と溶接ヘッド3を接続するのはヘッド用電線9であり、溶接電源部2と母材7を接続するのは母材用電線10である。この実施例において、溶接ヘッド3のスタッド6が位置決めされる溶接部の位置に、ヘッド用電線9の途中に磁界形成コイル15がヘッド用電線9に直列に接続されている。この磁界形成コイル15は、図1の第1実施例のものと同じであり、溶接部において磁界を形成し、その磁界によって溶接アークの偏りを減少して溶接アークを一様にし、安定した溶接を得るものである。磁界形成コイル15は、1つのやり方では、溶接電源部2から溶接ヘッド3に接続されるヘッド用電線9の一部を溶接部においてコイル形状に巻回することによって得ることができる。他のやり方では、磁界形成コイル15をヘッド用電線9とは別に作っておき、その磁界形成コイル15を溶接部に配置してヘッド用電線9の途中に直列に接続してもよい。いずれのやり方でも、溶接電源部2から溶接ヘッド3に接続されたヘッド用電線9を溶接部においてコイル形状にした磁界形成コイル15とすることができる。この磁界形成コイル15によっても、ヘッド用電線9の溶接アークを生成するための電流が、磁界形成コイル15に溶接アークの生成に同期して流れるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするだけでなく、磁界の発生はアーク放電にそのまま同期するので同期のための制御部も不要になる。
【0014】
図4は、本発明の第4の実施例を示している。この実施例は、図3の第3実施例とほぼ同じであるが、ヘッド用電線が、溶接電源部2から溶接ヘッド3に直接接続される第1ヘッド用電線17と、溶接電源部2から溶接部の磁界形成コイル15を経由して溶接ヘッド3に接続される第2ヘッド用電線18とから成る点で違っている。磁界形成コイル15の形成のやり方は、第3実施例と同じようにできる。この磁界形成コイル15は、溶接部において磁界を形成して溶接アークの偏りを減少し、安定した溶接を得る。従って、第2ヘッド用電線18の磁界形成コイル15には、溶接アークの生成に同期して電流が流れるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするだけでなく、磁界の発生はアーク放電にそのまま同期するので同期のための制御部も不要になる。この第4実施例は、従来の溶接電源部2から溶接ヘッド3へ電流を供給する第1ヘッド用電線17を持つ従来の溶接装置に、磁界形成コイル15とその両端子から第2ヘッド用電線18が延びるものを、溶接電源部2と溶接ヘッド3との間に付加し、その磁界形成コイル15を溶接部に配置したものである。すなわち、従来の溶接装置への改変を最小限にできる利点がある。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、溶接電源が磁界発生電流供給用電源として用いられるので、溶接電源とは別の磁界発生電流供給用電源を不要にするとともに、磁界の発生はアーク放電時の電流を利用するので、アーク放電にそのまま同期し、同期のための制御部も不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る溶接装置のブロック図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る溶接装置のブロック図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る溶接装置のブロック図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る溶接装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 スタッド溶接装置
2 溶接電源部
3 溶接ヘッド
5 本体ハウジング
6 スタッド
7 母材
9 ヘッド用電線
10 母材用電線
11 磁界形成コイル
13 第1母材用電線
14 第2母材用電線
15 磁界形成コイル
17 第1ヘッド用電線
18 第2ヘッド用電線
Claims (6)
- 金属製のスタッド、ナット又は管状部材等の溶着部材を溶接部において母材にアーク溶接するため、溶接アーク発生時に前記溶接部における溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを前記溶接部に有する、スタッド等の溶接装置において、
前記溶接部の前記磁界形成コイルは、前記溶接装置の溶接電源部から前記母材に接続される母材用電線の途中に直列に接続されていることを特徴とする溶接装置。 - 請求項1に記載の溶接装置において、前記母材用電線は、前記溶接電源部から前記母材に直接接続される第1母材用電線と、前記溶接電源部から前記溶接部の前記磁界形成コイルを経由して前記母材に接続される第2母材用電線とから成ることを特徴とする溶接装置。
- 金属製のスタッド、ナット又は管状部材等の溶着部材を溶接部において母材にアーク溶接するスタッド等の溶接方法において、
溶接装置の溶接電源部から前記母材に接続された母材用電線を前記溶接部においてコイル形状に形成するステップを含み、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを前記溶接電源部と前記母材との間に直列に設けることを特徴とする溶接方法。 - 金属製のスタッド、ナット又は管状部材等の溶着部材を溶接ヘッドに保持して溶接部において母材にアーク溶接するため、溶接アーク発生時に前記溶接部における溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを前記溶接部に有する、スタッド等の溶接装置において、
前記溶接部の前記磁界形成コイルは、前記溶接装置の溶接電源部から前記溶接ヘッドに接続されるヘッド用電線の途中に直列に接続されていることを特徴とする溶接装置。 - 請求項4に記載の溶接装置において、前記ヘッド用電線は、前記溶接電源部から前記溶接ヘッドに直接接続される第1ヘッド用電線と、前記溶接電源部から前記溶接部の前記磁界形成コイルを経由して前記溶接ヘッドに接続される第2ヘッド用電線とから成ることを特徴とする溶接装置。
- 金属製のスタッド、ナット又は管状部材等の溶着部材を溶接ヘッドに保持して溶接部において母材にアーク溶接するスタッド等の溶接方法において、
溶接装置の溶接電源部から前記溶接ヘッドに接続されたヘッド用電線を前記溶接部においてコイル形状に形成するステップを含み、溶接アーク発生時に溶接アークの偏りを減少する磁界を形成する磁界形成コイルを前記溶接電源部と前記溶接ヘッドとの間に直列に設けることを特徴とする溶接方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002316109A JP2004148355A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | スタッド等をアーク溶接する装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2002316109A JP2004148355A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | スタッド等をアーク溶接する装置及び方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
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| JP2004148355A true JP2004148355A (ja) | 2004-05-27 |
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| JP2002316109A Pending JP2004148355A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | スタッド等をアーク溶接する装置及び方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004148355A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008137078A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-06-19 | Newfrey Llc | 溶接ヘッド |
| DE102007020839A1 (de) * | 2007-05-02 | 2008-11-06 | Nelson Stud Welding, Inc., Elyria | Verfahren und Vorrichtung zum Bolzenschweißen von Schweißteilen mit insbesondere länglich ausgedehnter Schweißfläche |
| CN103692094A (zh) * | 2013-12-23 | 2014-04-02 | 南京理工大学 | 一种应用电阻与电弧复合热源的螺柱焊接方法及装置 |
-
2002
- 2002-10-30 JP JP2002316109A patent/JP2004148355A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2008137078A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-06-19 | Newfrey Llc | 溶接ヘッド |
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| CN103692094B (zh) * | 2013-12-23 | 2015-09-02 | 南京理工大学 | 一种应用电阻与电弧复合热源的螺柱焊接方法及装置 |
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