JP2004148669A - 感熱性平版印刷版用原版 - Google Patents

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JP2004148669A JP2002316458A JP2002316458A JP2004148669A JP 2004148669 A JP2004148669 A JP 2004148669A JP 2002316458 A JP2002316458 A JP 2002316458A JP 2002316458 A JP2002316458 A JP 2002316458A JP 2004148669 A JP2004148669 A JP 2004148669A
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Norio Aoshima
徳生 青島
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Abstract

【課題】良好な焼き出し性と良好な感度を有し、オーバーコート層のアブレーションによるカスの発生がない現像不要の感熱性平版印刷版用原版を提供する。
【解決手段】印刷機上で除去可能な親水性オーバーコート層を有し、該親水性オーバーコート層に、露光により可視光領域の光学濃度を変化させることができ、かつ700nmより長波長領域に極大吸収をもたない染料を含むことを特徴とする感熱性平版印刷版用原版。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像不要な感熱性平版印刷版用原版に関する。より詳しくは、デジタル信号に基づいた赤外線レーザビーム走査露光による画像記録が可能であり、画像記録したものを従来のような現像工程を経ることなしに、そのまま印刷機に装着して印刷することが可能な感熱性平版印刷版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル信号に基づいたレーザビーム走査露光によって印刷版を作製するコンピュータ・ツウ・プレートシステムについては、多数の研究がなされている。その中で、一層の工程合理化と廃液処理問題の解決を目指して、露光後、現像処理することなしにそのまま印刷機に装着して印刷できる現像不要の平版印刷版用原版も種々の方法が提案されている。
【0003】
この現像不要の平版印刷版用原版は、明るい室内に置かれた印刷機にそのまま装着して印刷されるので、室内光に当たっても問題ない性質(明室取り扱い性)を有することが必要とされる。この明室取り扱い性は、露光を赤外線で行い、赤外線を吸収して発生する熱で画像を形成するヒートモード記録を利用することで達成できることが知られている。
【0004】
このような現像不要の平版印刷版用原版としては、半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザで露光し、露光部分を赤外線吸収剤で発熱させ、分解蒸発を起こさせるアブレーションを利用した平版印刷版用原版が知られている{特許文献1(特開2001−96931号公報)、特許文献2(特開2002−086946号公報)参照}。すなわち、親油性のインキ受容性表面又はインキ受容層を有する基板上に親水層を設け、親水層をアブレーション除去する平版印刷版用原版である。
【0005】
また別の現像不要の平版印刷版用原版としては、支持体上に、(a)赤外線吸収剤、(b)親油性化合物を内包するマイクロカプセル又は親油性ポリマー微粒子、及び(c)親水性樹脂などの親水性媒質を含有する画像形成層を有する相変化型の平版印刷版用原版が知られている{特許文献3(特開2001−162960号公報)、特許文献4(特開2001−162961号公報)参照}。これらの平版印刷版用原版は、親水性媒質中に分散された親油性ポリマー微粒子又は親油性化合物を内包するマイクロカプセルが、赤外線レーザ露光による発熱で親油性画像部を形成することを利用したものである。
【0006】
一般に、印刷版の印刷機への取付作業では、その印刷版が何色のインキ用の版であるかなど、画像の識別をした上で取り付けを行うが、上記のような現像不要の平版印刷版用原版の場合は、現像されていないため、印刷機へ取付ける印刷版上に識別しやすい画像がなく、取り付け作業が困難であった。この問題の対策としては、平版印刷版用原版に露光しただけで画像が現れる焼き出し性を付与することが有効である。例えば、特許文献5(特開2002−205466号公報)には、オーバーコート層に、露光によって光学濃度を変化させることのできるシアニン系赤外線吸収色素を20質量%以上含有させることによって良好な焼き出し画像が得られることが記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−96931号公報
【特許文献2】
特開2002−086946号公報
【特許文献3】
特開2001−162960号公報
【特許文献4】
特開2001−162961号公報
【特許文献5】
特開2002−205466号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術には次の欠点があることが分かった。すなわち、赤外線吸収剤をオーバーコート層に多量に添加すると、(1)オーバーコート層がアブレーションされ、アブレーションカスが発生する問題、及び(2)オーバーコート層がフィルターとなって下層に十分な量の赤外線が到達しにくくなり、感度が低下する問題である。
本発明の課題はこの問題を解決することである。すなわち、本発明の課題は、良好な焼き出し性と良好な感度を有し、オーバーコート層のアブレーションによるカスの発生がない現像不要の感熱性平版印刷版用原版を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、オーバーコート層に特定の染料を含有させることによって上記課題を達成できた。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0010】
1.印刷機上で除去可能な親水性オーバーコート層を有し、該親水性オーバーコート層に、露光により可視光領域の光学濃度を変化させることができ、かつ700nmより長波長領域に極大吸収をもたない染料を含むことを特徴とする感熱性平版印刷版用原版。
【0011】
2.支持体上に、(1)インキ受容層、(2)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択される少なくとも一つの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物を含有する親水層、並びに(3)印刷機上で除去可能な親水性オーバーコート層をこの順に有する感熱性平版印刷版用原版であって、該オーバーコート層に、露光により可視光領域の光学濃度を変化させることができ、かつ700nmより長波長領域に極大吸収をもたない染料を含むことを特徴とする感熱性平版印刷版用原版。
【0012】
3.該オーバーコート層に赤外線吸収剤を含むことを特徴とする上記1又は2に記載の感熱性平版印刷版用原版。
【0013】
本発明は、焼き出し用染料として赤外線吸収剤を多量に用いる代わりに、露光により可視光領域の光学濃度を変化させることができ、かつ700nmより長波長領域に極大吸収をもたない染料を用いることによって、オーバーコート層自体がアブレーションする問題とオーバーコート層がフィルターとなって下層に赤外線を到達し難くしている問題を回避し、良好な焼き出し性を得ている。良好な焼き出し性が得られる理由は明確ではないが、露光時の発熱によってオーバーコート層内の染料が分解していると推測される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
現像不要の感熱性平版印刷版用原版の親水性オーバーコート層は、特開2001−96931号、特開2002−086946号、特開2001−162960号、特開2001−162961号などの公報に記載されるように、平版印刷版用原版の保存や取り扱い時の、傷つき、親油性物質による汚染、及び指紋跡付着を防止するために、また、アブレーション型の感熱性平版印刷版用原版の場合は、さらに親水層のアブレーションカスの飛散防止のために用いられる。また、この親水性オーバーコート層は、印刷機上で湿し水の作用で容易に除去可能なものである。
本発明では、このオーバーコート層に、焼き出し性付与のため、露光により可視光領域の光学濃度を変化させることができ、かつ700nmより長波長領域に極大吸収をもたない染料を含有させることを特徴とする。
【0015】
このような染料としては、オーバーコート層の塗布溶剤が水を主成分とすることから、水溶性であることが好ましく、スルホン酸塩を含むアントラキノン系、金属錯塩アゾ系などの酸性染料、アミン塩又は四級アンモニウム基を含むトリフェニルメタン系、アジン系、オキサジン系、チアジン系などの塩基性染料などの各種染料が用いられる。
【0016】
具体例としては、カラーインデックス名として、アシッドイエロー、アシッドオレンジ、アシッドレッド、アシッドバイオレット、アシッドブルー、アシッドグリーン、アシッドブラウン、アシッドブラック、ベーシックイエロー、ベーシックオレンジ、ベーシックレッド、ベーシックバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックブラック、モーダントイエロー、モーダントオレンジ、モーダントレッド、モーダントバイオレット、モーダントブルー、モーダントグリーン、モーダントブラウン、モーダントブラックなどが挙げられる。
【0017】
この中でも、バイオレット系やブルー系の染料が、視認性に優れ、クリスタルバイオレット(λmax=590nm(水溶液))、メチルバイオレット2B(λmax=584nm(メチルアルコール溶液))、エチルバイオレット(λmax=596nm(水溶液))、メチレンブルー(λmax=661nm(水溶液))、キシレノールブルー(λmax=425nm(メチルアルコール溶液))などが好適に用いられる。
【0018】
他にも染料としては、Floyd J. Green著「The Sigma−Aldrich handbook of Stains, Dyes and Indicators」Aldrich Chemical Company Inc.1991年刊行に記載されている染料の中で、フタロシアニン系染料、シアニン系染料、ナフトールグリーンB以外の全てのものが利用できる。
【0019】
これらの染料の好適な添加量は、オーバーコート層固形分に対して1〜30質量%である。より好ましくは5〜25質量%であり、最も好ましくは10〜25質量%である。この範囲内で焼き出し画像の良好な視認性が得られる。少なすぎると焼き出し画像の視認性が低下し、多過ぎると印刷機上の湿し水への混入量が増え、湿し水の着色により印刷物に悪影響を与える恐れがある。
【0020】
本発明の印刷機上で除去可能な親水性オーバーコート層は、水溶性樹脂又は水溶性樹脂を部分的に架橋した水膨潤性樹脂を含有する。
【0021】
かかる水溶性樹脂は、水溶性の天然高分子及び合成高分子から選ばれ、架橋剤とともに用い、塗布乾燥された皮膜がフィルム形成能を有するものである。本発明に好ましく用いられる水溶性樹脂の具体例としては、天然高分子では、アラビアガム、水溶性大豆多糖類、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等、合成高分子では、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルの加水分解率65%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩又はアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩又はアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩又はアミン塩、ビニルアルコール/アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属塩又はアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩又はアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩又はアミン塩、等を挙げることができる。また、目的に応じて、これらの樹脂を二種以上混合して用いることもできる。しかし、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0022】
水溶性樹脂の少なくとも1種以上を部分架橋し、親水層上にオーバーコート層を形成する場合、架橋は、水溶性樹脂の有する反応性官能基を用いて架橋反応することにより行われる。架橋反応は、共有結合性の架橋であっても、イオン結合性の架橋であってもよい。
【0023】
架橋により、オーバーコート層表面の粘着性が低下して取り扱い性がよくなるが、架橋が進み過ぎるとオーバーコート層が親油性に変化して、印刷機上におけるオーバーコート層の除去が困難になるので、適度な部分架橋が好ましい。好ましい部分架橋の程度は、25℃の水中に印刷用原版を浸したときに、30秒〜10分間では親水性オーバーコート層が溶出せず残存しているが、10分以上では溶出が認められる程度である。
【0024】
架橋反応に用いられる化合物(架橋剤)としては、架橋性を有する公知の多官能性化合物が挙げられ、ポリエポキシ化合物、ポリアミン化合物、ポリイソシアネート化合物、シラン化合物、チタネート化合物、アルデヒド化合物、多価金属塩化合物、ヒドラジンなどが挙げられる。該架橋反応は公知の触媒を添加し、反応を促進することもできる。具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
【0025】
ポリエポキシ化合物の具体例としては、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノール類又はそれらの水素添加物とエピハロヒドリンとのポリ縮合物、などが挙げられる。
【0026】
ポリアミン化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドアミンなどが挙げられる。
【0027】
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンイソシアネート、液状ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、イソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、などの芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、またポリプロピレングリコール/トリレンジイソシアネート付加反応物などが挙げられる。
【0028】
シラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、など。
【0029】
チタネート化合物としては、テトラエチルオルトシリケート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリアクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピル(ジオクチルホスフェート)チタネート)、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、イソプロピルトリインステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリジシルホスファイト)チタネート、テトラ(2、2ージアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、など。
【0030】
アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、など。
【0031】
多価金属塩化合物としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、コバルト、マンガン、ニッケル等の金属の水溶性塩が挙げられる。
【0032】
これらの架橋剤は単独又は2種以上を混合して使用することが可能である。これらの架橋剤のうち特に好ましい架橋剤は、水溶性の架橋剤であるが、非水溶性のものは分散剤によって水に分散して使用することができる。
【0033】
特に好ましい水溶性樹脂と架橋剤の組み合わせとしては、カルボン酸含有水溶性樹脂/多価金属化合物、カルボン酸含有水溶性樹脂/水溶性エポキシ樹脂、水酸基含有樹脂/ジアルデヒド類を挙げられる。
【0034】
架橋剤の好適な添加量は、水溶性樹脂の2〜10質量%である。この範囲内で印刷機上でのオーバーコート層の除去性を損なうことなく、良好な耐水性が得られる。
【0035】
本発明のオーバーコート層には、高感度化のため赤外線吸収剤を含有させることが好ましい。赤外線吸収剤の添加量は、オーバーコート層固形分の20質量%以下が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。これらの範囲で、オーバーコート層のアブレーションを起こすことなく、良好な感度が得られる。
【0036】
赤外線吸収剤としては、赤外線、中でも近赤外線(波長700〜2000nm)を吸収する物質であればよく、種々の公知の顔料、染料又は色素、及び金属微粒子を用いることができる。
【0037】
例えば、特開2001−301350号公報、日本印刷学会誌、38卷35〜40頁(2001)「新イメージング材料、2.近赤外線吸収色素」等に記載の顔料、染料又は色素、及び金属微粒子が好適に用いられる。顔料及び金属微粒子は、必要に応じて、公知の表面処理を施したものを用いることができる。
【0038】
染料又は色素として、より具体的には、米国特許第4756993号、同第4973572号、特開平10−268512号、同11−235883号、特公平5−13514号、同5−19702号、特開2001−347765号等の明細書又は公報に記載のシアニン色素、ポリメチン色素、アゾメチン色素、スクアリリウム色素、ピリリウム及びチオピリリウム塩系染料、ジチオール金属錯体、フタロシアニン色素等が挙げられる。特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、フタロシアニン色素が挙げられる。
【0039】
顔料としては、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。中でもカーボンブラックが特に好ましい。
【0040】
金属微粒子としてはAg、Au、Cu、Sb、Ge及びPbの微粒子が好ましく、Ag、Au及びCuの微粒子がより好ましい。
【0041】
中でも、オーバーコート層に添加する赤外線吸収剤としてより好ましいものは、水溶性又は水分散性の赤外線吸収剤であり、特に水溶性の赤外線吸収染料が好ましい。下記に好適なものの具体例を挙げるが、これらに限定されない。
【0042】
【化1】
Figure 2004148669
【0043】
【化2】
Figure 2004148669
【0044】
本発明のオーバーコート層には、露光時の分解による染料の変色を促進する化合物を含有させることができる。かかる変色を促進する化合物としては、特開2001−301350号、特開2002−29162号、特開2002−46361号、特願2002−225179号などに記載のトリハロメチル置換ヘテロ化合物、イミノスルホナート化合物、ジスルホン化合物、アシルホスフィン化合物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、及びヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩などのオニウム塩などの熱酸発生剤又は熱ラジカル発生剤として知られている化合物を挙げることができる。これらの中でも、特に水溶性の化合物が好ましく、具体例として下記の化合物を挙げることができる。
【0045】
【化3】
Figure 2004148669
【0046】
その他、オーバーコート層には塗布の均一性を確保する目的で、水溶液塗布の場合には主に非イオン系界面活性剤を添加することができる。この様な非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル等を挙げることができる。上記非イオン界面活性剤のオーバーコート層の全固形物中に占める割合は、0.05〜5質量%が好ましく、より好ましくは1〜3質量%である。
【0047】
本発明のオーバーコート層の乾燥塗布量は、0.1〜0.4g/m2が好ましく、更に好ましい範囲は0.15〜0.25g/m2である。この範囲内で、印刷機上でのオーバーコート層の除去性を損なうことなく、良好な焼き出し性の他、良好な汚れ防止、傷つき防止、指紋跡付着防止などが得られる。
【0048】
本発明の上記オーバーコート層は、種々の感熱性平版印刷版用原版に適用できる。そのような感熱性平版印刷版用原版としては、例えば、アブレーション型の感熱性平版印刷版用原版、相変化型の感熱性平版印刷版用原版などを挙げることができる。中でも、アブレーション型の感熱性平版印刷版用原版が好ましい。
【0049】
かかるアブレーション型の感熱性平版印刷版用原版としては、支持体上に、(1)インキ受容層、(2)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択される少なくとも一つの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物を含有する親水層、並びに(3)上記本発明の印刷機上で除去可能な親水性オーバーコート層をこの順に有する感熱性平版印刷版用原版が好ましい。
【0050】
上記感熱性平版印刷版用原版のインキ受容層は、有機高分子を含有することが好ましい。有機高分子としては、溶媒に可溶で、親油性の被膜を形成できるものが好ましい。さらには、上層である親水層の塗布溶媒に不溶であることが望ましいが、場合によっては一部上層の塗布溶媒に膨潤するものが、親水層との接着性に優れ、望ましい場合がある。その他、親水層の塗布溶媒に可溶な有機高分子を用いる場合には、架橋剤を添加する等の工夫をして、インキ受容層を硬化させておくことが望ましい。
【0051】
有用な有機高分子としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール化合物とアセトンとの縮合樹脂、ポリビニルアセテート、アクリル樹脂及びその共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルハロゲン化フェノール、メタクリル樹脂及びその共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリルアミド共重合体、ポリビニルホルマール、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、セルロースエステル樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等を挙げることができる。これらの中で、より好ましい化合物として、側鎖にヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホンアミド基やトリアルコキシシリル基を有する樹脂が、基板や上層の親水層との接着性に優れ、架橋剤を用いる場合も容易に硬化するので望ましい。その他、アクリロニトリル共重合体、ポリウレタン、側鎖にスルホンアミド基を有する共重合体や側鎖にヒドロキシル基を有する共重合体をジアゾ樹脂によって光硬化させたものが好ましい。
【0052】
本発明のインキ受容層に好適なエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA/エピクロロヒドリン重付加物、ビスフェノールF/エピクロロヒドリン重付加物、ハロゲン化ビスフェノールA/エピクロロヒドリン重付加物、ビフェニル型ビスフェノール/エピクロロヒドリン重付加物、ノボラック樹脂/エピクロロヒドリン重付加物などを挙げることができる。具体的には、油化シェルエポキシ(株)製のエピコート1007(軟化点128℃、Mn約2900、エポキシ当量2000)、エピコート1009(軟化点144℃、Mn約3750、エポキシ当量3000)、エピコート1010(軟化点169℃、Mn約5500、エポキシ当量4000)、エピコート1100L(軟化点149℃、エポキシ当量4000)、エピコートYX31575(軟化点130℃、エポキシ当量1200)などを挙げることができる。
【0053】
ノボラック樹脂およびレゾール樹脂としては、フェノール、クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール/クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノール変性キシレン、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、レゾルシノール、ピロガロール、カテコール、クロロフェノール(m−Cl、p−Cl)、ブロモフェノール(m−Br、p−Br)、サリチル酸、フロログルシノールなどと、アルデヒド、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなどとの付加縮合物を挙げることができる。
【0054】
その他の好適な高分子化合物として以下(1)〜(12)に示すモノマーをその構成単位とする通常1〜20万の平均分子量を持つ共重合体を挙げることができる。
(1)芳香族ヒドロキシ基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド又はN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−およびp−ヒドロキシスチレン、o−、m−およびp−ヒドロキシフェニルアクリレート又はメタクリレート、(2)脂肪族ヒドロキシ基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【0055】
(3)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル、(4)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル、
【0056】
(5)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミド又はメタクリルアミド、
【0057】
(6)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル、(7)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル、(8)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類、
【0058】
(9)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン、(10)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン、(11)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
【0059】
(12)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのスルホンアミド基含有アクリルアミド又はメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレート、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのスルホンアミド基含有アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル類。
【0060】
これらの有機高分子を適当な溶媒に溶解させて、基板上に塗布乾燥させインキ受容層を基板上に設けることができる。有機高分子のみを溶媒に溶解させて用いることもできるが、架橋剤、接着助剤、着色剤、塗布面状改良剤、可塑剤を必要に応じて添加することができる。
【0061】
有機高分子を架橋させる架橋剤としては、例えば、ジアゾ樹脂、芳香族アジド化合物、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、テトラアルコキシ珪素の初期加水分解縮合物、グリオキザール、アルデヒド化合物やメチロール化合物を挙げることができる。
【0062】
接着助剤としては、上記ジアゾ樹脂が基板および親水層との接着に優れるが、この他にシランカップリング剤、イソシアネート化合物、チタン系カップリング剤も有用である。
【0063】
着色剤としては、通常の染料や顔料が用いられるが、特にローダミン6G塩化物、ローダミンB塩化物、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーンシュウ酸塩、キニザリン、2−(α−ナフチル)−5−フェニルオキサゾールなどが挙げられる。他の染料として具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、メチレンブルー(CI52015)、パテントピュアブルー(住友三国化学社製)、ブリリアントブルー、メチルグリーン、エリスリシンB、ベーシックフクシン、m−クレゾールパープル、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミナフトキノン、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリドなどに代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系又はアントラキノン系の染料又は特開昭62−293247号公報、特開平9−179290号公報に記載されている染料を挙げることができる。上記色素は、インキ受容層中に添加される場合は受容層の全固形分に対し、通常約0.02〜10質量%、より好ましくは約0.1〜5質量%の割合ある。
【0064】
さらに、塗布面状改良剤としてよく知られた化合物であるフッ素系界面活性剤やシリコン系界面活性剤も用いることができる。具体的にはパーフルオロアルキル基やジメチルシロキサン基を有する界面活性剤が塗布面上を整えることで有用である。
【0065】
さらに、本発明のインキ受容層には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フクル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。
【0066】
上記インキ受容層を塗布する溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロピラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ガンマーブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル等)、アミド類(ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等)等を用いることができる。これらの溶媒は、単独又は混合して使用される。塗布液中の上記インキ受容層成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。その他、上記のような有機溶媒からの塗布ばかりでなく、水性エマルジョンからも被膜を形成させることができる。この場合の濃度は5質量%から50質量%が好ましい。
【0067】
本発明のインキ受容層の乾燥塗布量は、好ましくは0.25〜0.7g/m2、より好ましくは0.35〜0.5g/m2である。
【0068】
本発明の親水層は、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択された少なくとも一つの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物を含有する。
【0069】
これらの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物は、上記元素のハロゲン化物やアルコキシ化合物の加水分解、あるいは、水酸化物の縮合など、種々の公知の方法によってコロイド分散液の分散相、すなわち、コロイド粒子として作られる。親水層を設けるための親水層塗布液に添加する場合は、コロイド分散液の状態で添加できる。
【0070】
これらの元素の酸化物又は水酸化物のうち、特に好ましいものは、アルミニウム、ケイ素、チタンおよびジルコニウムから選択された少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物である。
【0071】
これらの元素の酸化物又は水酸化物のコロイド粒子は、コロイドの粒径として、シリカの場合5〜100nmの球形のものが好適である。10〜50nmの球状粒子が、50〜400nmの長さに連なったパールネックレス状のコロイド粒子も用いることができる。アルミニウムの酸化物又は水酸化物のコロイド粒子のように100nm×10nmのような羽毛状のものも有効である。これらのコロイド分散液は、日産化学工業(株)などの市販品を購入することもできる。
【0072】
これらのコロイド粒子の分散媒としては、水のほかに、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトンなどの有機溶媒も有用である。
【0073】
本発明の親水層には、上記コロイド粒子と共に、親水性樹脂を用いることができる。親水性樹脂を用いることにより親水層の皮膜性を強化し、耐刷性を向上できる。親水性樹脂としては、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カルボキシメチル基などの親水基を有するものが好ましい。
【0074】
具体的な親水性樹脂として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそれらのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー、ポリアクリル酸およびそれらの塩、ポリメタクリル酸およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルアルコール、ならびに加水分解度が少なくとも60質量%、好ましくは少なくとも80質量%の加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー等を挙げることができる。
【0075】
これらの親水性樹脂の添加割合は、親水層固形分の40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
【0076】
また、本発明の親水層には、芳香族水酸基を有する樹脂を用いることもできる。芳香族水酸基を有する樹脂を用いた場合は、親水層の皮膜性の向上と同時に、刷り出しの着肉性を改良することができる。芳香族水酸基を有する樹脂としては、メタノールに25℃で5質量%以上溶解するものが好ましく、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ケトンピロガロール樹脂等のアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
【0077】
好ましいノボラック樹脂としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、および3,5−キシレノール、レゾルシンから選ばれる少なくとも1種の水酸基含有芳香族化合物を、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒドの中から選ばれる少なくとも1種と酸性触媒下で付加縮合したノボラック樹脂が挙げられる。ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの代わりに、それぞれパラホルムアルデヒドおよびパラアルデヒドを使用してもよい。その中でも、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシンの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20の混合物、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60の混合物とアルデヒドとの付加縮合物であるノボラック樹脂が好ましい。アルデヒドの中でも、特にホルムアルデヒドが好ましい。ノボラック樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜15,000、さらに好ましくは1,500〜10,000のものが用いられる。
【0078】
好ましいレゾール樹脂としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシン、ピロガロール、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビスフェノール−A、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等の水酸基含有芳香族炭化水素類やその他の2個以上の水酸基を有する多核芳香族炭化水素類の少なくとも1種を、アルカリ性触媒下、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド、およびアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトンから選ばれた少なくとも1種のアルデヒド又はケトンと付加縮合させたものが挙げられる。ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの代わりに、それぞれパラホルムアルデヒドおよびパラアルデヒドを使用してもよい。レゾール樹脂の重量平均分子量は、好ましくは500〜10,000、特に好ましくは1,000〜5,000である。
【0079】
好ましいポリビニルフェノール樹脂としては、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキシスチレン類の単独又は2種以上の共重合体が挙げられる。ヒドロキシスチレン類は、芳香環に塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン又は炭素数1〜4個のアルキル基等の置換基を有していてもよく、従って、ポリビニルフェノール類としては、芳香環にハロゲン又は炭素数1〜4個のアルキル基を有していても良いポリビニルフェノールが挙げられる。
【0080】
このほかに、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキシスチレン類に、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸アルキルエステルやアクリル酸アルキルエステルを共重合したものも有用である。ポリビニルフェノール樹脂は、通常、置換基を有していてもよいヒドロキシスチレンを、単独で又は2種以上を、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤の存在下で重合することにより得られる。かかるポリビニルフェノール樹脂は、一部水素添加を行ったものでもよい。また、t−ブトキシカルボニル基、ピラニル基、フラニル基などで、ポリビニルフェノール樹脂の一部の水酸基を保護した樹脂でもよい。ポリビニルフェノール樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000、特に好ましくは1,500〜50,000である。ケトンピロガロール樹脂としては、アセトンピロガロール樹脂が特に有用である。
【0081】
これらの芳香族水酸基を有する樹脂の添加割合は、好ましくは親水層固形分の20質量%以下、より好ましくは12質量%以下である。
【0082】
本発明の親水層には、上記の元素のコロイド状酸化物又は水酸化物、および親水性樹脂又は芳香族水酸基を有する樹脂の他に、コロイド状酸化物又は水酸化物の架橋を促進する架橋剤を添加しても良い。そのような架橋剤としては、テトラアルコキシシランの初期加水分解縮合物、トリアルコキシシリルプロピル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムハライド、又は、アミノプロピルトリアルコキシシランが好ましい。その添加割合は、親水層固形分の5質量%以下が好ましい。
【0083】
さらに、本発明の親水層には、印刷時の耐刷力を増加させる目的で、上記の親水性樹脂又は芳香族水酸基を有する樹脂の架橋剤を添加してもよい。この様な架橋剤としては、ホルムアルデヒド、グリオキザール、ポリイソシアネート、テトラアルコキシシランの初期加水分解・縮合物、ジメチロール尿素およびヘキサメチロールメラミンを挙げることができる。
【0084】
さらに、本発明の親水層には、塗布の面状を良化させるため、良く知られたフッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤などを添加しても良い。
【0085】
本発明の親水層の乾燥塗布量は、好ましくは0.2〜0.8g/m2、より好ましくは0.3〜0.5g/m2である。
【0086】
上記本発明のインキ受容層及び親水層の少なくとも一つの層には、感度を高めるため赤外線吸収剤を含有させることができる。かかる赤外線吸収剤としては、前記のオーバーコート層の説明に記載した同じ赤外線吸収剤が挙げられる。中でも、親水層には、オーバーコート層と同様、水溶性又は水分散性赤外線吸収剤が好適である。また、インキ受容層には、親油性の赤外線吸収剤が好適である。下記に、インキ受容層に好適な親油性赤外線吸収剤の具体例を示すが、これらに限定されない。
【0087】
【化4】
Figure 2004148669
【0088】
【化5】
Figure 2004148669
【0089】
赤外線吸収剤の添加割合は、親水層では、親水層固形分の1〜50質量%が好ましく、インキ受容層では、インキ受容層固形分の20質量%以下が好ましい。この範囲内で、各層の膜強度を損なうことなく、良好な感度が得られる。
【0090】
本発明の支持体には寸度安定性のよい金属基板が用いられる。好適な金属基板としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、ステンレス鋼板などを挙げることができる。これらの中でアルミニウム基板が特に好ましい。
【0091】
本発明のアルミニウム基板の原料アルミニウム板は、公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。すなわち、原料アルミニウム板は、純アルミニウム板、又はアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板である。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。また、DC鋳造法を用いたアルミニウム鋳塊からのアルミニウム板でも、連続鋳造法による鋳塊からのアルミニウム板であっても良い。
【0092】
本発明に用いられる上記アルミニウム基板の厚みは0.05〜0.6mm、好ましくは0.1〜0.4mm、特に好ましくは0.15〜0.3mmである。
【0093】
アルミニウム板にインキ受容層を塗布するに先立ち、表面を粗面化することが好ましい。粗面化により表面積を増大させ、上層との接着性を向上できる。アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法、化学的に表面を選択溶解させる方法、又はこれらの方法のうち2種以上の組み合わせによって行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。化学的方法としては、特開昭54−31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適している。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸などの酸を含む電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように混合酸を用いた電解粗面化方法も利用することができる。上記の如き方法による粗面化は、アルミニウム板表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.3〜1.0μmの範囲で施されることが好ましい。
【0094】
粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じて水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどの水溶液によるアルカリエッチング処理をされ、さらに中和処理された後、陽極酸化処理することができる。
【0095】
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には、硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、又は、それらの混酸が用いられる。これらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には、電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜50分の範囲であれば適当である。これらの陽極酸化処理の中でも、特に、英国特許第1412768号明細書に記載されている硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法および米国特許第3511661号明細書に記載されているリン酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。本発明のアルミニウム基板の酸化皮膜重量は、好ましくは2.0g/m2以上、より好ましくは2.0〜6.0g/m2で、特に好ましくは2.0〜4.0g/m2である。
【0096】
本発明のアルミニウム基板は、陽極酸化皮膜を封孔処理してもよい。封孔処理としては、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、重クロム酸塩処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム塩処理、電着封孔処理などの公知の方法を用いて行うことができる。
【0097】
別の封孔処理として、特公昭36−22063号公報などに開示されているようなフッ化ジルコン酸処理を用いることもできる。又は、特開平9−244227号公報に開示されているリン酸塩および無機フッ素化合物を含む水溶液で処理する方法を用いることができる。また、特開平9−134002号公報に開示されている糖を含む水溶液で処理する方法を用いることもできる。そのほか、特開2000−081704号公報および特開2000−089466号公報に記載されているチタンとフッ素を含む水溶液で処理する方法を用いることができる。また、アルカリ金属珪酸塩を用いた処理を行ってもよく、その場合は、米国特許第3181461号明細書等に開示されている方法を用いることができる。
【0098】
また本発明に用いるアルミニウム基板は、陽極酸化した後又は封孔処理をした後、必要に応じて、珪酸ナトリウムなどのアルカリ珪酸塩水溶液に浸す処理、ポリビニルホスホン酸、ポリアクリル酸、スルホン酸基を側鎖に有するポリマーもしくはコポリマー又は特開平11−231509号公報に記載の(a)アミノ基、および(b)ホスフィン基、ホスホン基およびリン酸基から選択された基を有する有機化合物もしくはその塩などを含む溶液に浸す処理、あるいは該溶液を下塗りする処理などの表面処理を行うことができる。
【0099】
上記のようにして得られたアルミニウム基板の表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.48μm以上が好ましく、0.52μm以上がさらに好ましい。この範囲内で、親水層の表面粗さが十分大きくなり、良好な保水性が得られる。
【0100】
本発明の感熱性平版印刷版用原版は、複数枚を積層して保存したり搬送したりする場合の傷つきや接着故障の防止や束裁断機による裁断作業の円滑化のため、支持体裏面に、特願2002−205781号明細書に記載の飽和共重合ポリエステル樹脂などの有機高分子化合物を主成分とするバックコート層を設けることができる。
【0101】
本発明の感熱性平版印刷版用原版は、熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。画像露光された本発明の印刷用原版は、それ以上の処理なしに印刷機に装着することができる。インキと湿し水を用いて印刷を開始すると、オーバーコート層は湿し水によって除去されると同時に露光部の親水層も除去され、その下のインキ受容層にインキが着肉し、印刷が開始される。
【0102】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0103】
実施例1
[アルミニウム基板の作製]
99.5質量%アルミニウムに、銅を0.01質量%、チタンを0.03質量%、鉄を0.3質量%、ケイ素を0.1質量%含有するJISA1050アルミニウム材の厚み0.30mm圧延板を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20質量%水性懸濁液と回転ナイロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。これを15質量%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウムイオン4.5質量%含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が8g/m2になるようにエッチングした後、流水で水洗した。更に、1質量%硝酸水溶液で中和し、次に0.7質量%硝酸水溶液(アルミニウムイオン0.5質量%含有)中で、陽極時電圧10.5V、陰極時電圧9.3Vの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実施例に記載されている電流波形)を用いて240C/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、35℃の10質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム溶解量が0.9g/m2になるようにエッチングした後、水洗した。次に、50℃、30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗した。さらに、53℃の硫酸9質量%水溶液(アルミニウムイオン0.6質量%含有)中で直流電流を用いて、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。すなわち、電解時間を33秒とし、電流密度の調節により、陽極酸化皮膜重量3.7g/m2とした。この支持体を水洗後、乾燥した。以上のようにして得られたアルミニウム基板の中心線平均粗さは0.53μmであった。
【0104】
[感熱性平版印刷版用原版の作製]
表1に記載のインキ受容層塗布液を、上記のアルミニウム基板に塗布液量が12cm3/m2になるようバーコーターで塗布した。その後、100℃、1分間加熱乾燥し、乾燥塗布量0.42g/m2のインキ受容層を得た。
【0105】
【表1】
Figure 2004148669
【0106】
次に、表2の親水層塗布液を、インキ受容層上に塗布液量が12cm3/m2になるようバーコーターで塗布した。その後、100℃、1分間加熱乾燥し、乾燥塗布量0.40g/m2の親水層を得た。
【0107】
【表2】
Figure 2004148669
【0108】
このようにして得た親水層上に、表3のオーバーコート層塗布液を塗布液量が12cm3/m2になるようバーコーターで塗布後、100℃、1.5分間加熱乾燥し、乾燥塗布量0.15g/m2のオーバーコート層を設け、感熱性平版印刷版用原版を作製した。
【0109】
【表3】
Figure 2004148669
【0110】
[露光及び評価]
上記の感熱性平版印刷版用原版をCreo社製Trendsetter3244VXに取り付け、150rpm/12Wの露光条件で潜像を形成した。次に、潜像を形成した原版の露光部と未露光部の光学濃度をGretagMacbeth D19C(GRETAG社製)で測定した。測定は、露光5時間後に行い、3回測定した平均値をとった。
焼き出し画像の視認性は、6pt文字の文字化けが判別できるかを目視評価し、判別が容易なものを○、少し劣るものを○△、判別できないものを×とした。
オーバーコート層のアブレーションは、露光機Trendsetter3244VX付属のヴァキューム装置に繋がるホースにフィルターを装着し、ヴァキューム装置を稼働させながら画像面積2m2露光した後にフィルターに付着したアブレーションカス量を目視観察し、良好なものを○、カスの多かったものを×とした。評価結果は、表4に示した。
【0111】
次に、潜像を形成した原版をSOR−M印刷機(ハイデルベルグ社製)に取り付け、4容量%IF102(富士写真フイルム(株)製)水溶液からなる湿し水と、バリウス(N)墨(大日本インキ化学工業(株)製)インキを用いて印刷し、画像着肉性を評価した。アブレーション型の平版印刷版用原版の場合、感度不足の時は親水層の除去が不完全となり、画像着肉性が劣化するので、画像着肉性は感度の指標となる。具体的には、刷り出し30枚目の画像濃度を目視評価し、良好なものを○、不十分なものを×とした。評価結果は、表4に示した。
【0112】
【表4】
Figure 2004148669
【0113】
表4から、オーバーコート層に700nmより長波長の領域に吸収極大をもたない染料を添加することにより、露光機光学系の汚染及び感度低下の問題なしに、焼き出し画像の視認性が向上できたことが分かる。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、良好な焼き出し性と良好な感度を有し、オーバーコート層のアブレーションによるカスが発生しない現像不要の感熱性平版印刷版用原版を提供できる。

Claims (3)

  1. 印刷機上で除去可能な親水性オーバーコート層を有し、該親水性オーバーコート層に、露光により可視光領域の光学濃度を変化させることができ、かつ700nmより長波長領域に極大吸収をもたない染料を含むことを特徴とする感熱性平版印刷版用原版。
  2. 支持体上に、(1)インキ受容層、(2)ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属から選択される少なくとも一つの元素のコロイド粒子状酸化物又は水酸化物を含有する親水層、並びに(3)印刷機上で除去可能な親水性オーバーコート層をこの順に有する感熱性平版印刷版用原版であって、該オーバーコート層に、露光により可視光領域の光学濃度を変化させることができ、かつ700nmより長波長領域に極大吸収をもたない染料を含むことを特徴とする感熱性平版印刷版用原版。
  3. 該オーバーコート層に、さらに赤外線吸収染料を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感熱性平版印刷版用原版。
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WO2007007504A1 (ja) 2005-07-08 2007-01-18 Mitsui Chemicals, Inc. 平版印刷用原版

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