JP2004149097A - インフレータ - Google Patents

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松田直樹
Yasunori Iwai
保範 岩井
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信行 勝田
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Abstract

【課題】小型化されたインフレータの提供。
【解決手段】加圧ガスとガス発生剤の燃焼による燃焼ガスにより、エアバッグを膨張させる方式のインフレータであり、(1)加圧ガスが不活性ガスを含み、実質的に酸素を含まないものであること、(2)ガス発生剤の圧力指数が0.8以下のものであること、(3)加圧ガスの量とガス発生剤の燃焼ガス量のモル比が1〜10であること、(4)加圧ガスの質量とガス発生剤の質量との比が1〜10であること、(5)ガス発生剤量が1〜30gであること、(6)加圧ガスの充填圧力が30,000〜67,000kPaであることとの要件を満たすインフレータ。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用のエアバッグシステム用として適したインフレータ、及びエアバッグシステムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
自動車用エアバッグシステムに用いられるインフレータには、ガス発生剤の燃焼ガスのみを利用してエアバッグを膨張させる方式のものと、加圧ガスのみを利用してエアバッグを膨張させる方式のものと、ガス発生剤の燃焼ガスと加圧ガスを利用してエアバッグを膨張させる方式のものがあるが、自動車両の膨張式安全システム用のインフレータの発展に伴い、加圧ガスとガス発生剤とを併用するインフレータが注目されている。
【0003】
インフレータにおける主たる設計要件は、エアバッグが効果的に作動するように所定の時間で所定の量だけ膨張させねばならないことであり、従来その構造について種々の提案がなされている(例えば特開平8−282427号公報参照)。その他の関連する先行技術として、特開平9−76870号公報、特公昭44−10443号公報、USP3,966,226、USP4,018,457、USP6,189,922、特開2002−166817号公報が知られている。
【0004】
インフレータは自動車両を対象とするため、自動車両の重量に影響を及ぼすインフレータの重量及び寸法が重要な設計要件となり、インフレータとしての機能を維持したまま、更なる軽量化が求められている。
【0005】
本発明の課題は、インフレータの機能を損なうことなく、インフレータの小型軽量化ができるインフレータ及びそれを用いたエアバッグシステムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
加圧ガス及びガス発生剤の燃焼ガスを利用するインフレータを小型化する際、加圧ガスの必要な充填量(エアバッグを膨張させるに必要な充填量)を維持したままでインフレータを小型化したとき、内容積が小さくなったことにより、内圧が上昇することになる。そして、内圧上昇による高圧条件下でガス発生剤を燃焼させた場合、高温の燃焼ガスの発生により、更に内圧が上昇してしまうと、インフレータの耐圧性を超える事態が生じたり、ガス発生剤の燃焼速度が過度に上昇する結果、ガスの流出速度が速くなりすぎ、エアバッグの膨張時間が乗員保護のための最適時間内から外れるという事態が生じたりするおそれがある。
【0007】
しかし、本発明で規定する要件(1)〜(6)を具備し、これらの要件が相互に関連して作用することにより、インフレータを小型化して、内圧が上昇した場合であっても、上記したような問題が生じることがなく、小型化以前と同じインフレータの作動状態が確保できる。
【0008】
請求項1の発明は、解決手段として、加圧ガスとガス発生剤の燃焼による燃焼ガスにより、エアバッグを膨張させる方式のインフレータであり、下記の(1)〜(6)の要件を有するインフレータを提供する。
【0009】
(1)加圧ガスが不活性ガスを含み、実質的に酸素を含まないものであること。
【0010】
加圧ガスは、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス(本発明では窒素も不活性ガスに含まれるものとする)からなり、実質的に酸素を含まない組成にした場合、アルゴンは加圧ガスの熱膨張を促進するように作用し、ヘリウムを含有させておくと加圧ガスの漏れの検出が容易となるので、不良品の流通が防止されるため好ましい。
【0011】
実質的に酸素を含まないとは、加圧ガスとして酸素を積極的に含有させないことを意味し、ガス充填の過程で微量の酸素ガスが混入する場合や、不活性ガス中に不純物として酸素ガスが混入する場合を完全に排除できない場合があるため、そのような理由で酸素ガスが含まれる場合も実質的に酸素を含まないとする。加圧ガス中に酸素が含まれる場合は、ガス発生剤の燃焼初期における燃焼速度が急激に上昇するため、インフレータ内圧の上昇が生じるが、酸素を実質的に含有させないことにより、前記のようなインフレータ内圧の上昇が生じない。加圧ガス中に酸素ガスが含まれるとき、酸素ガスの含有量は3モル%以下であることが望ましい。
【0012】
(2)ガス発生剤が、次式:rb=αP(式中、rb:燃焼速度、α:係数、P:圧力、n:圧力指数)を利用して求められる圧力指数が0.8以下であること。
【0013】
上記発明において、圧力指数(n)は、圧力P(70kg/cm)のタンク内で燃焼速度rbを測定し、圧力P(100kg/cm)のタンク内で燃焼速度rbを測定した後、rb=αP とrb=αP の2式から求めた。
【0014】
圧力指数の要件を具備することにより、ガス発生剤の燃焼初期における燃焼速度が急激に上昇することが抑制されるので、インフレータ内圧の上昇が小さい。このため、インフレータ(加圧ガス室ハウジング)の肉厚を減少させた場合でも、十分な耐圧性を維持できる。また、インフレータ内圧(加圧ガス室ハウジング内の圧力)の上昇が小さい(即ち、内圧の変化が小さい)ためにガス発生剤の燃焼が安定して行われるので、燃え残りが生じることがない。圧力指数(n)は、好ましくは0.1〜0.8、より好ましくは0.1〜0.7である。
【0015】
このような要件(2)は、ガス発生剤の組成を調整することで具備させることができる。
【0016】
要件(2)中、圧力指数が0.8を超える場合には、ガス発生剤の圧力に対する感度が高くなるため、即ち圧力の変化により燃焼挙動が大きな影響を受けるため、以下の要件(3)〜(7)における数値範囲が狭くなり、各要件を具備させるための調整が困難となる。
【0017】
(3)加圧ガスの量(モル数)(A)と、ガス発生剤の燃焼により発生するガス量(モル数)(A)との比、A/Aが1〜20であること。A/Aは、好ましくは3〜15、より好ましくは4〜10である。
【0018】
/Aが1以上であると、インフレータ内圧の立ち上がり遅れが防止され、A/Aが20以下であると、インフレータ内圧の過度の上昇が防止される。
加圧ガスの量(モル数)(A)は、0.1〜2.0モル、好ましくは0.1〜1.5モル、より好ましくは0.15〜1.5モルであり、ガス発生剤の燃焼により発生するガス量(モル数)(A)は、0.01〜0.2モル、好ましくは0.01〜0.15モル、より好ましくは0.02〜0.15モルである。
【0019】
(4)加圧ガスの質量(B)と、ガス発生剤の質量(B)との比、B/Bが1〜20であること。B/Bは、好ましくは3〜15、より好ましくは4〜10である。
【0020】
/Bが1以上であると、インフレータ内圧の立ち上がり遅れが防止され、B/Bが20以下であると、インフレータ内圧の過度の上昇が防止される。
加圧ガスの質量(B)は、5〜80g、好ましくは5〜60g、より好ましくは10〜60gである。ガス発生剤の質量(B)は、要件(5)のとおりである。
【0021】
(5)ガス発生剤の質量が0.5〜30gであること。ガス発生剤量は、好ましくは1〜20g、より好ましくは1〜10gである。
【0022】
(6)加圧ガスの充填圧力が30,000〜67,000kPaであること。加圧ガスの充填圧力は、好ましくは35,000〜60,000kPa、より好ましくは40,000〜60,000kPaである。
【0023】
充填圧力が30,000kPa以上であると、エアバッグを膨張させるに十分なガス量を確保できる。充填圧力が67,000kPa以下であると、ガス発生剤の燃焼によりインフレータ内圧が上昇した場合でも、インフレータの耐圧上限値とインフレータ内圧との差を十分に確保できるので、インフレータ内圧の制御範囲を広くすることができる。
【0024】
請求項1のインフレータは、要件(1)〜(6)を具備し、これらの各要件が相互に関連づけられていることにより、当初の充填圧力が60,000kPaであるとき、インフレータの耐圧性を変化させないとして、インフレータ全体の大きさを、幅又は直径と長さを減少させることにより、最大で50容量%程度減少させることができる。
【0025】
更に請求項1のインフレータは、要件(1)〜(6)を具備し、それらが相互に関連して作用することにより、従来技術と比べて、より正確に、かつより狭い範囲でインフレータ内圧の制御ができるようになる。このため、インフレータからのガスの排出時間の制御も容易となり、エアバッグの膨張展開時間の調整も容易となる。
【0026】
請求項1の発明では、要件(2)において、ガス発生剤の燃焼火炎温度が3000℃以下であることが好ましい。燃焼火炎温度とは、ガス発生剤が燃焼するときにおける火炎温度の理論値であり、理論計算により求めるものである。
【0027】
ガス発生剤の燃焼火炎温度が高くなりすぎると、燃焼ガス温度が高くなり、更に加圧ガス温度までも高くなりすぎるため、インフレータ内圧が上昇するほか、エアバッグ内に流入するガス温度が高くなる。しかし、燃焼火炎温度を上記温度以下にすることで、このような問題が防止できる。
【0028】
更に燃焼火炎温度が3000℃を超える場合には、要件(3)〜(6)、及び下記要件(7)における数値範囲の最適値(中央値)がずれてしまい、ガス発生剤の燃焼ガスによるエアバッグ膨張作用が減少される方向になるため、加圧ガスと燃焼ガスの両方を利用したインフレータとしては機能しなくなる。
【0029】
また燃焼火炎温度は、特に要件(5)と関連している。インフレータが作動し、加圧ガスがインフレータ外に排出されると、インフレータ内は減圧状態となるため、温度が低下して内圧が低下する。特に燃焼火炎温度が3000℃以下と低いので、温度低下によるインフレータ内圧の低下により、ガス排出速度が低下して、全てのガスが排出されるまでに時間が掛かりすぎる事態も考えられる。しかし、ガス発生剤量の下限値を1g以上にすることで、インフレータ内の温度低下による内圧低下を防止でき(即ち、インフレータ内圧を制御でき)、エアバッグを最適時間内に膨張させることができる。更に、ガス発生剤量の下限値を1g以上とすることで、前記したようにインフレータ内圧を制御するほか、エアバッグの膨張に必要なガス量を供給することができる。上限値は、一般的なインフレータの容量を考慮した数値である。
【0030】
燃焼火炎温度は、2500℃以下がより好ましく、2200℃以下が更に好ましい。燃焼火炎温度の下限値は900℃であることが好ましい。
【0031】
請求項1等の発明では、要件(2)において、ガス発生剤が非アジド系ガス発生剤であることが好ましい。
【0032】
請求項1等の発明では、更に(7)加圧ガスの量(モル数)(A)と、ガス発生剤の総表面積(cm)(C)との比、A/Cが0.004〜0.05モル/cmであることとの要件を含むことが好ましい。A/Cは、より好ましくは0.004〜0.04モル、更に好ましくは0.004〜0.03モルである。
【0033】
/Cが0.004モル/cm以上であると、加圧ガス量とガス発生剤の割合が適正範囲となるため、インフレータ内圧の立ち上がり遅れが防止される。(又はインフレータ内圧の過度の上昇によるインフレータ破壊が防止される。)A/Cが0.05モル/cm以下であると、加圧ガス量とガス発生剤の割合が適正範囲となるため、インフレータ内圧の過度の上昇が防止される。(又はインフレータ内圧の立ち上がり遅れが防止される。)
ガス発生剤の総表面積(cm)(C)は、好ましくは10〜150cm、より好ましくは20〜120cm、更に好ましくは30〜100cmである。
請求項1等の発明では、更に(8)ガス発生剤の総表面積(cm)(C)とガス排出孔の総面積(cm)(E)との比、C/Eが0.5〜4であることとの要件を含むことが好ましい。C/Eは、好ましくは0.5〜3.5、更に好ましくは0.5〜3.0である。
C/Eが0.5以上であると、ガス発生剤の燃焼が完了するまで、充填された加圧ガスの全てが排出されることがないので、ガス発生剤の燃焼が安定する。C/Eが4以下であると、インフレータ内圧が適正範囲に維持されるので、インフレータが破壊されるおそれがなくなる。
ガス排出孔の総面積(cm)(E)は、好ましくは5〜100cm、より好ましくは10〜80cm、更に好ましくは15〜60cmである。
以上のA、A、B、B、C、Eで示される各要件単独の数値範囲は、各要件単独の場合に好適な数値範囲であり、各要件を組み合わせた比率の範囲と、各要件単独の数値範囲は対応していなくても良い。例えば、Aの下限値又は上限値と、Aの下限値又は上限値の比率は、A/Aの下限値又は上限値の比率と一致していなくても良い。本発明の課題を解決するためには、各要件を組み合わせた比率(A/A等)範囲内の所望の数値となるように、各要件(A、A等)の数値範囲内から数値を選択すれば良い。
請求項1等の発明では、インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室を有しており、前記加圧ガス室ハウジングの外径が40mm以下であることが好ましい。加圧ガス室ハウジングの外径は、より好ましくは35mm以下であり、更に好ましくは30mm以下である。
【0034】
請求項1等の発明では、インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室を有しており、前記加圧ガス室ハウジングの外径(D)と長さ(L)の比(L/D)が1〜10であることが好ましく、より好ましくは2〜10である。
【0035】
請求項1等の発明では、インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室を有しており、前記加圧ガス室ハウジングが、軸方向及び半径方向に対して対称形であることが好ましい。
【0036】
加圧ガスハウジングが対称形であることにより、インフレータ組立時における方向決めが不要となるので、作業性が向上する。
【0037】
請求項1等の発明では、インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室を有しており、前記加圧ガス室ハウジングが、軸方向及び半径方向に対して対称形であり、両端側が縮径されていることが好ましい。「両端側が縮径されていること」とは、加圧ガス室ハウジングの両端側の径が、他の部分の径よりも小さくなるようにされていることである。
【0038】
加圧ガスハウジングが対称形であることにより、インフレータ組立時における方向決めが不要となるので作業性が向上する。更に両端側が縮径されていると、他部材と接合する際の接合作業が容易となり、特に抵抗溶接を適用して接合する際の作業性が向上する。
【0039】
請求項1等の発明では、インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室を有しており、前記加圧ガス室ハウジングの側面に加圧ガス充填孔が形成されており、加圧ガスを充填した後にピンにより閉塞されたものであることが好ましい。
【0040】
このようにして加圧ガス充填孔が形成され、ピンで閉塞されていることにより、加圧ガス室ハウジングの両端側に他部材を接続することができる。
【0041】
請求項1等の発明では、ピンが加圧ガス室ハウジング内に突出されており、突出部がガス発生剤の燃焼ガス流が衝突される長さを有していることが好ましい。このような形態にすることで、ピン燃焼残渣を衝突付着させて、燃焼残渣を捕捉することができる。
【0042】
請求項1等の発明では、インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室と、ガス発生器ハウジングにより外殻が形成され、その内部に点火手段とガス発生剤が収容されたガス発生器と、ディフューザ部を有しており、
加圧ガス室ハウジングの一端側にガス発生器ハウジングが接続され、加圧ガスハウジングの他端側にディフューザ部が接続されており、
加圧ガス室とガス発生器との間が第1破裂板で閉塞され、加圧ガス室とディフューザ部との間が第2破裂板で閉塞されているものであることが好ましい。
【0043】
請求項1等の発明では、更に第1破裂板に、側面及び端面の少なくとも一方、特に側面にガス噴出孔を有するキャップが加圧ガス室側から被せられていることが好ましい。このようなキャップを配置することで、燃焼残渣の捕捉効果が高められる。
【0044】
請求項1等の発明では、ガス発生器ハウジングと加圧ガス室ハウジング、及びディフューザ部と加圧ガス室ハウジングが抵抗溶接により接合されていることが好ましい。
【0045】
請求項1等の発明では、加圧ガス室ハウジング、ガス発生器ハウジング及びディフューザ部の外径が同一又は近似していることが好ましい。
【0046】
請求項15の発明は、加圧ガスを使用してエアバッグを膨張させる方式のインフレータであり、
加圧ガスが筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成された加圧ガス室内に充填されており、
前記加圧ガス室ハウジングが、軸方向及び半径方向に対して対称形であり、両端側が縮径されているインフレータを提供する。
【0047】
「両端側が縮径されていること」とは、加圧ガス室ハウジングの両端側の径が、他の部分の径よりも小さくなるようにされていることである。
【0048】
加圧ガスハウジングが対称形であることにより、インフレータ組立時における方向決めが不要となるので作業性が向上する。更に両端側が縮径されていると、他部材と接合する際の接合作業が容易となり、特に抵抗溶接を適用して接合する際の作業性が向上する。
【0049】
請求項15の発明では、エアバッグの膨張手段として加圧ガスと共にガス発生剤の燃焼による燃焼ガスを使用し、
インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室、燃焼ガスを発生させるガス発生器、及びガス排出口を有するディフューザ部を有しており、前記加圧ガス室ハウジングが、軸方向及び半径方向に対して対称形であり、両端側が縮径されていることが好ましい。
【0050】
上記発明では、ガス発生器が、ガス発生器ハウジングにより外殻が形成され、その内部に点火手段とガス発生剤が収容されたものであり、
加圧ガス室ハウジングの一端側にガス発生器ハウジングが接続され、加圧ガスハウジングの他端側にディフューザ部が接続されており、
加圧ガス室とガス発生器との間が第1破裂板で閉塞され、加圧ガス室とディフューザ部との間が第2破裂板で閉塞されているものであることが好ましい。
【0051】
この発明では、ガス発生器内で生じた燃焼ガスは、第1破裂板が破壊された後に加圧ガス室内に流入し、その後、第2破裂板が破壊された後に加圧ガスと共にディフューザ部のガス排出口から排出され、エアバッグを膨張させる。
【0052】
上記発明では、ガス発生器ハウジングと加圧ガス室ハウジング、及びディフューザ部と加圧ガス室ハウジングの一方又は両方が抵抗溶接により接合されていることが好ましい。
【0053】
請求項15の発明では、エアバッグの膨張手段として実質的に加圧ガスのみを使用し、
インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室と、加圧ガス室に接続され、ガス排出口を有するディフューザ部とを有しており、加圧ガス室とディフューザ部との間が破裂板で閉塞され、ディフューザ部内に前記破裂板の破壊手段である点火器が収容されており、
前記加圧ガス室ハウジングが、軸方向及び半径方向に対して対称形であり、両端側が縮径されていることが好ましい。
【0054】
この発明では、点火器(点火薬を備えた電気式点火器)の作動により、破裂板が破壊され、加圧ガスがディフューザ部のガス排出口から排出され、エアバッグを膨張させる。点火器の作動により、点火薬の燃焼ガスが僅かに生じるが、この燃焼ガス自体はエアバッグの膨張には実質的に関与しないので、エアバッグの膨張手段は、実質的に加圧ガスのみとなる。
【0055】
上記発明では、ディフューザ部のガス排出口に接続された筒状のガス排出ポートを有し、ガス排出ポートが加圧ガス室ハウジングの軸方向と一致するように取付られており、ガス排出口から排出された加圧ガスがガス排出ポートを通って、ガス排出ポートに設けられた開口部から排出されてエアバッグを膨張させることが好ましい。
【0056】
このようなガス排出ポートを有することにより、加圧ガス室ハウジングの軸方向と加圧ガスの排出方向が一致するため、加圧ガス室ハウジングの軸方向とエアバッグの膨張方向が一致するため、エアバッグの取付作業が容易となる。
【0057】
上記発明では、ディフューザ部と加圧ガス室ハウジングが抵抗溶接により接合されていることが好ましい。
【0058】
また請求項22の発明は、衝撃センサ及びコントロールユニットからなる作動信号出力手段と、ケース内に請求項1〜21のいずれか1記載のインフレータとエアバッグが収容されたモジュールケースとを備えたエアバッグシステムを提供する。
【0059】
本発明で用いるガス発生剤は非アジド系ガス発生剤が好ましく、下記のとおり、加圧ガスの組成との関連で決定することができる。
【0060】
ガス発生剤は、例えば、燃料及び酸化剤、燃料、酸化剤及びスラグ形成剤を含むものを、必要に応じて結合剤と共に混合し、所望形状に成型したものを使用することができ、このようなガス発生剤を用いた場合は、その燃焼により発生するガスを、加圧ガスと共にエアバッグの膨張展開に供することができる。特にスラグ形成剤を含むガス発生剤を用いた場合は、よりスラグを形成し易くなるので、インフレータから排出されるミスト状の燃焼残渣の量を大幅に低減できる。ただし、充填されるガス発生剤量が少なく、発生する残渣が少ないときには、スラグ形成剤は用いなくても良い。
【0061】
燃料としては、トリアジン誘導体、テトラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体及びヒドラジン誘導体から選ばれる1又は2以上であるものが好ましい。
【0062】
トリアジン誘導体は、トリアジン(1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン)、メラミン、トリヒドラジノトリアジン、トリメチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン、アンメリン、アンメリド、アンメランド、シアヌル酸、シアヌル酸エステル等のシアヌル酸誘導体、メラム、メレム、メラミンの硝酸塩、メラミンの過塩素酸塩、ジニトロアメリン等のメラミンのニトロ化化合物から選ばれる1又は2以上が挙げられる。
【0063】
テトラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体としては、5−オキソ−1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、5−アミノテトラゾール、5,5’−ビ−1H−テトラゾール、ビウレット、アゾジカルボンアミド、カルボヒドラジド、カルボヒドラジド硝酸塩錯体、蓚酸ジヒドラジド、ヒドラジン硝酸塩錯体等から選ばれる1又は2以上が挙げられる。
【0064】
グアニジン誘導体としては、ニトログアニジン(NQ)、グアニジン硝酸塩(GN)、グアニジン炭酸塩、アミノニトログアニジン、アミノグアニジン硝酸塩、アミノグアニジン炭酸塩、ジアミノグアニジン硝酸塩、ジアミノグアニジン炭酸塩、トリアミノグアニジン硝酸塩等のグアニジン誘導体等から選ばれる1又は2以上が挙げられる。
【0065】
酸化剤としては、硝酸ストロンチウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、酸化銅、酸化鉄、塩基性硝酸銅等から選ばれる1又は2以上が好ましい。
【0066】
スラグ形成剤としては、酸性白土、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、カオリン、シリカ、アルミナ、ケイ酸ナトリウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ヒドロタルサイト及びこれらの混合物から選ばれる1又は2以上が好ましい。
【0067】
結合剤としては、カルボキシルメチルセルロースのナトリウム塩、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、グアーガム、微結晶性セルロース、ポリアクリルアミド、ステアリン酸カルシウム等から選ばれる1又は2以上が好ましい。
本発明で用いるガス発生剤としては、燃料としてニトログアニジンを20〜60質量%含有し、酸化剤を80〜40質量%含有するものを用いることができ、燃料としてニトログアニジン30〜40重量%、酸化剤として硝酸ストロンチウムを70〜60重量%含有するものが好ましい。更に燃料、酸化剤に加えて、結合剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム等)、スラグ形成剤(酸性白土等)を配合することができ、その場合には、燃料20〜60重量%、酸化剤40〜65重量%、結合剤3〜12重量%(好ましくは4〜12重量%)、スラグ形成剤1〜20重量%(好ましくは3〜7重量%)が好ましい。
【0068】
【発明の実施の形態】
図1、図2により、本発明のインフレータを説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態の縦断面図である。図1のインフレータ10と図2のインフレータ100は、インフレータ10の方が軸方向の寸法が短く、ディフューザ部の構造が異なるほかは、ほぼ同一構造のものである。
【0069】
インフレータ10は、加圧ガス室20と、ガス発生器30、ディフューザ部50とを有しており、これらの外径はほぼ同一に設定されている。
【0070】
加圧ガス室20は、筒状の加圧ガス室ハウジング22により外殻が形成されており、アルゴン、ヘリウムの混合物からなり、酸素ガスを含まない加圧ガスが充填されている。
【0071】
加圧ガス室ハウジング22は、軸方向及び半径方向に対して対称形であり、中央部分の外径D(約25mm)に対して、両端側の外径は約22mmとなるように縮径されている。加圧ガスハウジング22の長さLは約50〜250mmに設定されているので、L/Dは1〜10となっている。
【0072】
加圧ガス室ハウジング22が、このような形状をしているため、組み立て時に軸方向及び半径方向への向きを調整する必要がないほか、ガス発生器30及びディフューザ部50との抵抗溶接等による接合作業が容易となる。
【0073】
加圧ガス室ハウジング22の側面には、加圧ガスの充填孔24が形成されており、加圧ガスを充填した後にピン26により閉塞されている。ピン26の先端部26aは加圧ガス室20内に突出されており、突出部はガス発生剤の燃焼ガス流が衝突される長さを有している。このピン26の突出部の長さを調整することで、ピン26自体に燃焼ガスを衝突させて、燃焼残渣を付着させることができる。図1においては、ピン26の先端部26aが対向する壁面22aに当接するまで延長することができる。
【0074】
ガス発生器30は、ガス発生器ハウジング32内に収容された点火手段(電気式点火器)34とガス発生剤36とを含んでおり、加圧ガス室20の一端側に接合されている。点火器34は、ガス発生器ハウジング32の一部35をかしめることで固定されている。
【0075】
ガス発生器ハウジング32と加圧ガス室ハウジング22は、接合部49において抵抗溶接されている。インフレータ10をエアバッグシステムに組み込むとき、点火手段34は、コネクタ、リードワイヤを介して、外部電源に接続される。
【0076】
加圧ガス室20とガス発生器30との間の第1連通孔38は、加圧ガスの圧力で椀状に変形した第1破裂板40で閉塞されており、ガス発生器30内は常圧に保持されている。第1破裂板40は、周縁部40aにおいてガス発生器ハウジング32に抵抗溶接されている。
【0077】
第1破裂板40には、側面側にガス噴出孔42を有するキャップ44が、加圧ガス室20側から被せられている。このキャップ44は、第1破裂板40を覆うことにより、ガス発生剤36の燃焼により生じた燃焼ガスが必ずキャップ44を経由してガス噴出孔42から噴出されるように取り付けられている。
【0078】
キャップ44は、開口周縁部が外側に折り曲げられたフランジ部46を有しており、フランジ部46においてガス発生器ハウジング32の一部(かしめ部)48をかしめることで固定されている。
【0079】
加圧ガス室20の他端側には、加圧ガス及び燃焼ガスを排出するガス排出孔52を有するディフューザ部50が接続されており、ディフューザ部50と加圧ガス室ハウジング22は、接合部54において抵抗溶接されている。ディフューザ部50内には、燃焼残渣を捕捉するため、必要に応じて金網等のフィルタを配置することができる。
【0080】
加圧ガス室20とディフューザ部50との間の第2連通孔56は、加圧ガスの圧力で椀状に変形した第2破裂板58で閉塞されており、ディフューザ部50内は常圧に保持されている。第2破裂板58は、周縁部58aにおいてディフューザ部50に抵抗溶接されている。
【0081】
図1に示すインフレータ10における要件(1)〜(8)の詳細は、次のとおりである。
【0082】
要件(1)、(6)
ガス発生室20内には、アルゴン、ヘリウムの混合物からなり、酸素ガスを含まない加圧ガスが、充填圧力30,000〜67,000kPaで充填されている。
【0083】
要件(2)、(5)
ガス発生剤36は、ニトログアニジン/硝酸ストロンチウム/カルボキシメチルセルロースナトリウム塩/酸性白土=34.3/49.6/9.4/6.7(質量%)(圧力指数=0.6,燃焼火炎温度=2098℃)からなる円柱状のもの1.9〜5.3gが用いられている。
【0084】
要件(3)
加圧ガスの量(モル数)(A)と、ガス発生剤の燃焼により発生するガス量(モル数)(A)との比、A/A=1〜20;
要件(4)
加圧ガスの質量(B)と、ガス発生剤の質量(B)との比、B/B=1〜20;
要件(7)
加圧ガスの量(モル数)(A)と、ガス発生剤の総表面積(cm)(C)との比、A/C=0.004〜0.05モル/cm
要件(8)
ガス発生剤の総表面積(cm)(C)と、ガス排出孔の総面積(cm)(D)との比、C/Dが0.5〜4;
次に、図1に示すインフレータ10を自動車に搭載したエアバッグシステムに組み込んだ場合の動作を説明する。
【0085】
自動車が衝突して衝撃を受けたとき、コントロールユニットからの作動信号を受け、点火器34が作動点火してガス発生剤36を燃焼させ、高温の燃焼ガスを発生させる。
【0086】
その後、高温の燃焼ガスによるガス発生器30内の圧力上昇により、第1破裂板40が破壊され、燃焼残渣を含む燃焼ガスはキャップ44内に流入し、ガス噴出孔42から噴出される。このとき、加圧ガス室20内の加圧ガスと燃焼ガスとは温度差が大きいため、燃焼ガスは急冷され、高温の燃焼残渣は冷却凝固されると共に、キャップ44の端面44aの内壁面にも燃焼残渣は付着される。更に噴出された燃焼ガスは、加圧ガス室ハウジング22の内壁22aに衝突するので、燃焼残渣は内壁面に付着し、インフレータ10外に排出されにくくなる。なお、残余の燃焼残渣の一部はピン26にも付着する。
【0087】
その後、加圧ガス室20内の圧力上昇により、第2破裂板58が破壊されるので、加圧ガス及び燃焼ガスは、第2連通孔56を経て、ガス排出孔52から排出され、エアバッグを膨張させる。
【0088】
このような動作過程において、インフレータ10は上記した要件(1)〜(6)、好ましくは(1)〜(8)を具備しているため、加圧ガスの充填圧力が30,000〜67,000kPaと高圧であるにも拘わらず、ガス発生剤燃焼時のインフレータの内圧が過度に上昇しないように制御される結果、乗員保護のための最適時間内(一般的には、自動車の衝突から10〜30msecといわれている)にエアバッグを膨張させることができる。
【0089】
更に、このようにガス発生剤燃焼時におけるインフレータ内圧を好適に制御できるので、加圧ガスの充填量を従来と同等にしたまま、つまりエアバッグを膨張できる加圧ガス量を確保したままで、インフレータの寸法を小さくして小型化できる。そして、インフレータを小型化した結果として、加圧ガスの充填圧力が上昇した場合でも、上記のとおり、作動時におけるインフレータ内圧が好適に制御されるのである。
【0090】
本発明のインフレータは、運転席のエアバッグ用インフレータ、助手席のエアバッグ用インフレータ、サイドエアバッグ用インフレータ、カーテン用インフレータ、ニーボルスター用インフレータ、インフレータブルシートベルト用インフレータ、チューブラーシステム用インフレータ、プリテンショナー用インフレータ等の各種インフレータに適用できる。
【0091】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0092】
実施例1
図1に示す形状のインフレータを作製した。全体の長さは110mm、加圧ガス室ハウジングの長さ(L)は60mm、外径(D)は25mm、肉厚は2mm(材質;継ぎ目のない鋼管)であり、他の部分の外径もほぼ同一である。要件(1)〜(8)等の詳細は次のとおりである。
【0093】
要件(1):アルゴン96モル%及びヘリウム4モル%の混合ガスで、酸素ガスを含まない;
要件(2):ニトログアニジン/硝酸ストロンチウム/カルボキシメチルセルロースナトリウム塩/酸性白土=34.3/49.6/9.4/6.7(質量%)(圧力指数=0.6,燃焼火炎温度=2098℃)からなる円柱状のもの;
要件(3):A/A=0.3/0.047=6.4;
要件(4):B/B=11.7/1.9=6.2;
要件(5):ガス発生剤量は1.9g;
要件(6):加圧ガスの充填圧力は42,000kPa;
要件(7):A/C=0.3/46.9=0.0064;
要件(8):C/E=46.9/21.2=2.2;
L/D=2.4;
このインフレータを用い、例えば特許第2963086号公報の段落11にも記載されている、公知の60Lタンク燃焼試験を行った。図3にタンクカーブを示す。
【0094】
図3に示すタンクカーブから明らかなとおり、要件(1)〜(8)を満たすことにより、インフレータ自体を小型化し、作動前のインフレータ内圧が高くなっている場合であっても、作動時におけるインフレータ内圧が制御された結果、10msec辺りでエアバッグが最大膨張状態になっており、インフレータが正常に作動したことが確認された。
実施例2
図2に示す形状のインフレータを作製した。全体の長さは280mm、加圧ガス室ハウジングの長さ(L)は200mm、外径(D)は25mm、肉厚は2mm(材質;継ぎ目のない鋼管)であり、他の部分の外径もほぼ同一である。要件(1)〜(8)等の詳細は次のとおりである。
【0095】
要件(1):アルゴン96モル%及びヘリウム4モル%の混合ガスで、酸素ガスを含まない;
要件(2):ニトログアニジン/硝酸ストロンチウム/カルボキシメチルセルロースナトリウム塩/酸性白土=34.3/49.6/9.4/6.7(質量%)(圧力指数=0.6,燃焼火炎温度=2098℃)からなる円柱状のもの;
要件(3):A/A=1.09/0.130=8.4;
要件(4):B/B=42/5.3=7.9;
要件(5):ガス発生剤量は5.3g;
要件(6):加圧ガスの充填圧力は42,000kPa;
要件(7):A/C=1.09/72.5=0.015;
要件(8):C/E=72.5/42.4=1.7;
L/D=8.0;
このインフレータを用い、実施例1と同じ60Lタンク燃焼試験を行ったところ、図3とほぼ同じタンクカーブが得られた。
【0096】
なお、従来技術として例示した特開平9−76870号公報の段落136には、インフレータハウジング内部は4000psi(27,600kPa)程度の高圧に保たれていることが記載されていることとの対比からすれば、作動時における実施例1のインフレータ内圧は、従来技術に比べると非常に高圧になることが予想されるが、要件(1)〜(8)を具備しているため、インフレータ内圧が制御された結果、正常に作動したものである。
【0097】
【発明の効果】
本発明のインフレータによれば、従来と同程度の加圧ガス充填量を確保したまま、インフレータを小型化することができ、その場合においても、作動時におけるインフレータ内圧を好適に制御することができるので、エアバッグの膨張性能は最適な状態に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インフレータの軸方向の断面図。
【図2】インフレータの軸方向の断面図。
【図3】実施例1における60Lタンク燃焼試験で得られたタンクカーブ。
【符号の説明】
10 インフレータ
20 加圧ガス室
22 加圧ガス室ハウジング
30 ガス発生器
32 ガス発生器ハウジング
34 点火器
36 ガス発生剤
40 第1破裂板
42 ガス噴出孔
44 キャップ
50 ディフューザ部
52 ガス排出孔
58 第2破裂板

Claims (23)

  1. 加圧ガスとガス発生剤の燃焼による燃焼ガスにより、エアバッグを膨張させる方式のインフレータであり、下記の(1)〜(6)の要件を有するインフレータ。
    (1)加圧ガスが不活性ガスを含み、実質的に酸素を含まないものであること。
    (2)ガス発生剤が、次式:rb=αP(式中、rb:燃焼速度、α:係数、P:圧力、n:圧力指数)を利用して求められる圧力指数が0.8以下であること。
    (3)加圧ガスの量(モル数)(A)と、ガス発生剤の燃焼により発生するガス量(モル数)(A)との比、A/Aが1〜20であること。
    (4)加圧ガスの質量(B)と、ガス発生剤の質量(B)との比、B/Bが1〜20であること。
    (5)ガス発生剤の質量が0.5〜30gであること。
    (6)加圧ガスの充填圧力が30,000〜67,000kPaであること。
  2. 要件(2)において、ガス発生剤の燃焼火炎温度が3000℃以下である請求項1記載のインフレータ。
  3. 要件(2)において、ガス発生剤が非アジド系ガス発生剤である請求項1又は2記載のインフレータ。
  4. 更に(7)加圧ガスの量(モル数)(A)と、ガス発生剤の総表面積(cm)(C)との比、A/Cが0.004〜0.05モル/cmであることとの要件を含む請求項1〜3のいずれか1記載のインフレータ。
  5. 更に(8)ガス発生剤の総表面積(cm)(C)とガス排出孔の総面積(cm)(E)との比、C/Eが0.5〜4であることとの要件を含む請求項1〜4のいずれか1記載のインフレータ。
  6. インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室を有しており、前記加圧ガス室ハウジングの外径が40mm以下である請求項1〜5のいずれか1記載のインフレータ。
  7. インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室を有しており、前記加圧ガス室ハウジングの外径(D)と長さ(L)の比(L/D)が1〜10である請求項1〜6のいずれか1記載のインフレータ。
  8. インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室を有しており、前記加圧ガス室ハウジングが、軸方向及び半径方向に対して対称形である請求項1〜7のいずれか1記載のインフレータ。
  9. インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室を有しており、前記加圧ガス室ハウジングが、軸方向及び半径方向に対して対称形であり、両端側が縮径されている請求項1〜8のいずれか1記載のインフレータ。
  10. インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室を有しており、前記加圧ガス室ハウジングの側面に加圧ガス充填孔が形成されており、加圧ガスを充填した後にピンにより閉塞されたものである請求項1〜9のいずれか1記載のインフレータ。
  11. ピンが加圧ガス室ハウジング内に突出されており、突出部がガス発生剤の燃焼ガス流が衝突される長さを有している請求項10記載のインフレータ。
  12. インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室と、ガス発生器ハウジングにより外殻が形成され、その内部に点火手段とガス発生剤が収容されたガス発生器と、ディフューザ部を有しており、
    加圧ガス室ハウジングの一端側にガス発生器ハウジングが接続され、加圧ガスハウジングの他端側にディフューザ部が接続されており、
    加圧ガス室とガス発生器との間が第1破裂板で閉塞され、加圧ガス室とディフューザ部との間が第2破裂板で閉塞されているものである請求項1〜11のいずれか1記載のインフレータ。
  13. 更に第1破裂板に、側面及び端面の少なくとも一方にガス噴出孔を有するキャップが加圧ガス室側から被せられている請求項12記載のインフレータ。
  14. ガス発生器ハウジングと加圧ガス室ハウジング、及びディフューザ部と加圧ガス室ハウジングが抵抗溶接により接合されている請求項12又は13記載のインフレータ。
  15. 加圧ガス室ハウジング、ガス発生器ハウジング及びディフューザ部の外径が同一又は近似している請求項12〜14のいずれか1記載のインフレータ。
  16. 加圧ガスを使用してエアバッグを膨張させる方式のインフレータであり、
    加圧ガスが筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成された加圧ガス室内に充填されており、
    前記加圧ガス室ハウジングが、軸方向及び半径方向に対して対称形であり、両端側が縮径されているインフレータ。
  17. 請求項16のインフレータにおいて、エアバッグの膨張手段として加圧ガスと共にガス発生剤の燃焼による燃焼ガスを使用し、
    インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室、燃焼ガスを発生させるガス発生器、及びガス排出口を有するディフューザ部を有しており、前記加圧ガス室ハウジングが、軸方向及び半径方向に対して対称形であり、両端側が縮径されているインフレータ。
  18. ガス発生器が、ガス発生器ハウジングにより外殻が形成され、その内部に点火手段とガス発生剤が収容されたものであり、
    加圧ガス室ハウジングの一端側にガス発生器ハウジングが接続され、加圧ガスハウジングの他端側にディフューザ部が接続されており、
    加圧ガス室とガス発生器との間が第1破裂板で閉塞され、加圧ガス室とディフューザ部との間が第2破裂板で閉塞されているものである請求項17記載のインフレータ。
  19. ガス発生器ハウジングと加圧ガス室ハウジング、及びディフューザ部と加圧ガス室ハウジングの一方又は両方が抵抗溶接により接合されている請求項17又は18記載のインフレータ。
  20. 請求項16のインフレータにおいて、エアバッグの膨張手段として実質的に加圧ガスのみを使用し、
    インフレータが、筒状の加圧ガス室ハウジングにより外殻が形成され、加圧ガスが充填された加圧ガス室と、加圧ガス室に接続され、ガス排出口を有するディフューザ部とを有しており、加圧ガス室とディフューザ部との間が破裂板で閉塞され、ディフューザ部内に前記破裂板の破壊手段である点火器が収容されており、
    前記加圧ガス室ハウジングが、軸方向及び半径方向に対して対称形であり、両端側が縮径されているインフレータ。
  21. ディフューザ部のガス排出口に接続された筒状のガス排出ポートを有し、ガス排出ポートが加圧ガス室ハウジングの軸方向と一致するように取付られており、ガス排出口から排出された加圧ガスがガス排出ポートを通って、ガス排出ポートに設けられた開口部から排出されてエアバッグを膨張させる請求項20記載のインフレータ。
  22. ディフューザ部と加圧ガス室ハウジングが抵抗溶接により接合されている請求項20又は21記載のインフレータ。
  23. 衝撃センサ及びコントロールユニットからなる作動信号出力手段と、ケース内に請求項1〜22のいずれか1記載のインフレータとエアバッグが収容されたモジュールケースとを備えたエアバッグシステム。
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