JP2004149486A - オキセタン誘導体の製造方法 - Google Patents

オキセタン誘導体の製造方法 Download PDF

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徹 大越
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Abstract

【課題】本発明は、原料の取り扱いが容易で、かつ高収率でオキセタン誘導体を製造する方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、相間移動触媒の存在下、アルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液中で、水酸基またはメルカプト基を有するオキセタン化合物の水酸基またはメルカプト基とスルホン酸エステルまたは硫酸エステルとを反応させて側鎖にエーテル結合またはスルフィド結合を有するオキセタン誘導体を得ることを特徴とするオキセタン誘導体の製造方法を提供することにより上記目的を達成するものである。
【選択図】 無し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性組成物等の各種ポリマーの原料として有用なオキセタン誘導体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オキセタン類は、開環重合性が非常に高く、各種ポリマーの原料として非常に有用な化合物である。例えば、従来、光硬化性組成物における光硬化成分として耐熱性、接着性、重合性に優れていることからエポキシ樹脂が多用されていた。
しかしながら、エポキシ樹脂は酸あるいはアルカリ存在下では反応を制御することが難しく、保存安定性に乏しいため、取り扱いにくい等の問題があり、これらの問題を克服しうる光硬化成分として、オキセタン化合物が注目されている。具体的には、特開平11−246647号公報には、1から4個のオキセタン環を有する化合物とエポキシ基を有する化合物とを用いて、低粘度で硬化収縮性が少ない活性エネルギー硬化性組成物が得られることが報告されており、特開2001−302651号公報には、分子中にオキセタニル基を2個以上、水酸基を1個以上有するオキセタン化合物が硬化性、密着性に優れ、低粘度の樹脂組成物を与えることが報告されている。
【0003】
オキセタン化合物から得られるポリマーに好ましい物性を発現させるためには、様々な官能基をオキセタン化合物に導入することが重要である。したがって、種々の官能基を導入することができるオキセタン化合物の合成方法が求められている。このようなオキセタン化合物の合成方法は数多く検討・報告されている。
例えば、米国特許4764586号には、2−メトキシエタノールを金属ナトリウムと反応させ、そこへ、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタンを添加し、3,3−ビス((2−メトキシエトキシ)メチル)オキセタンを合成する方法や、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンと金属ナトリウムを反応させ、そこへ、1−ブロモオクタンを添加し、3−オクトキシメチル−3−メチルオキセタンを合成する方法が報告されている。また、Acta Chemica Scandinavica、46巻、271〜277(1992年)には、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンと金属ナトリウムをテトラヒドロフラン中で反応させ、ついで、3−トシルオキシメチル−3−メチルオキセタンを添加し、ビス(3−メチルオキセタン−3−イルメチル)エーテルを合成する方法が報告されている。以上の3例のように、ナトリウムアルコキシド、ハロゲン化物、および芳香族スルホン酸エステルを反応させることにより、高収率でオキセタン化合物を得ることができるが、金属ナトリウムの取り扱いやすさの面で問題がある。
【0004】
このような金属ナトリウムを使用しない方法として、相間移動触媒を用いて、アルコールとハロゲン化物を反応させる方法が報告されている。例えば、Bull. Chem. Soc. Jpn.、61巻、1653〜1659(1998年)には、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンおよび1,4−ジブロモブタンをテトラ―n―ブチルアンモニウムブロミド存在下で反応させることにより、3−(4―ブロモブトキシ)メチル−3−メチルオキセタンを合成する方法が報告されており、特開2000−26444には、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンおよび2−クロロエチルビニルエーテルをテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド存在下で反応させ、2−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)エチルビニルエーテルを合成する方法が報告されている。また、特開2000−86646号には、3−クロロメチル−3−エチルオキセタンおよび3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタンをテトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド存在下で反応させることにより、ビス(3−エチルオキセタン−3−イルメチル)エーテルを合成する方法が報告されている。これらの方法は、原料の取り扱いの面で優れている。しかしながら、反応中にハロゲン化物の加水分解反応等の副反応が起こるため、ハロゲン化物をアルコールに対して2モル倍から4モル倍程度過剰に用いなければ、高収率が得られないという欠点がある。さらに、オキセタン化合物に導入する官能基を有する化合物のハロゲン化物が入手困難な場合は、前記の合成方法に代わる方法が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、原料の取り扱いが容易で、かつ高収率でオキセタン誘導体を製造する方法の提供が望まれている。
【0006】
【課題が解決するための手段】
本発明者らは、原料の取り扱いが容易な相間移動触媒および反応性が高いスルホン酸エステルまたは硫酸エステルに着目した。中でも特に、非常に良い脱離基である芳香族スルホニル基を有する芳香族スルホン酸エステルに着目した。上記スルホン酸エステルまたは硫酸エステルは反応性が高いため、塩基と水が共存する相間移動触媒系において、ハロゲン化物と同様な加水分解等の副反応を受けやすいと考えられた。しかしながら、実際に反応させたところ、スルホン酸エステルまたは硫酸エステルとオキセタン化合物との反応速度が、スルホン酸エステルまたは硫酸エステルの加水分解速度よりも圧倒的に速く、高選択的にオキセタン化合物とスルホン酸エステルまたは硫酸エステルとのエーテル結合生成反応が進行することを見出し、本発明に至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明においては、請求項1に記載するように、相間移動触媒の存在下、アルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液中で、水酸基またはメルカプト基を有するオキセタン化合物の水酸基またはメルカプト基とスルホン酸エステルまたは硫酸エステルとを反応させて側鎖にエーテル結合またはスルフィド結合を有するオキセタン誘導体を得ることを特徴とするオキセタン誘導体の製造方法を提供する。
【0008】
本発明は、原料の取り扱いが容易な相間移動触媒および非常によい脱離基であり反応性が高いスルホン酸エステルまたは硫酸エステルによる反応を用いるものであるので、他の合成方法と比較して、原料の取り扱いが容易であり、かつ反応後の回収分離が非常に容易であることから高収率でオキセタン誘導体を得られるといった利点を有するものである。
【0009】
上記請求項1に記載された発明においては、請求項2に記載するように、上記スルホン酸エステルが、芳香族スルホン酸エステルであることが好ましい。芳香族スルホン酸エステルは、非常に良い脱離基である芳香族スルホニル基を有するからである。
【0010】
上記請求項1または請求項2に記載された発明においては、請求項3に記載するように、上記水酸基またはメルカプト基を有するオキセタン化合物が、下記の式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【0011】
【化2】
Figure 2004149486
【0012】
(RおよびRは水素、水酸基、メルカプト基、もしくは有機基であり、少なくともRおよびRのいずれか一つは水酸基またはメルカプト基、もしくは水酸基およびメルカプト基の少なくとも一方を有する有機基である。)
上記のような構造の水酸基およびメルカプト基の少なくとも一方を有するオキセタン化合物は、合成が容易であり、工業的に入手が容易だからである。
【0013】
請求項3に記載された発明においては、請求項4に記載するように、少なくとも上記RおよびRのいずれかは、1級水酸基および1級メルカプト基の少なくとも一方を有することが好ましい。反応速度が速く、収率等において有利であるからである。
【0014】
上記請求項3または請求項4に記載された発明においては、請求項5に記載するように、上記RおよびRの炭素数の合計が、40以下であることが好ましい。反応時の取り扱いが容易となるからである。
【0015】
上記請求項2から請求項5までのいずれかの請求項に記載された発明においては、上記請求項6に記載するように、上記芳香族スルホン酸エステルが、下記の式(2)で表されるp−トルエンスルホン酸エステルであることが好ましい。
【0016】
p−CH−(C)−SO−R (2)
(Rは塩基触媒存在下で水酸基またはメルカプト基と反応しない炭素数1以上50以下の有機基である。)
入手が容易であり、反応性が高いからである。
【0017】
上記請求項6に記載された発明においては、上記請求項7に記載するように、上記Rが、下記の式(3)で表される基であることが好ましい。
【0018】
−(O−A)− (3)
(nは0から10の整数であり、Aは炭素数1から15のアルキレン基であり、Rは炭素数1から10のアルキル基であり、R中のアルキル基に含まれる水素は、炭素数1から10までのアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基で置換されていてもよい。)
原料が入手しやすいからである。
【0019】
上記請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載された発明においては、上記請求項8に記載するように、上記スルホン酸エステルまたは硫酸エステルを式(1)で表される化合物の0.5モル倍以上、2モル倍以下使用することが好ましい。上記範囲を外れる場合は、十分な反応速度が得られず、かつ未反応基質の分離回収工程に対する負荷が大きくなり好ましくないからである。
【0020】
上記請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載された発明においては、上記請求項9に記載するように、反応に際して有機溶媒が用いられ、上記有機溶媒としてトルエンを用いることが好ましい。高い収率で最終生成物が得られるからである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のオキセタン誘導体の製造方法は、相間移動触媒の存在下、アルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液中で、水酸基またはメルカプト基を有するオキセタン化合物の水酸基またはメルカプト基とスルホン酸エステルまたは硫酸エステルとを反応させて側鎖にエーテル結合またはスルフィド結合を有するオキセタン誘導体を得ることを特徴とするものであり、各種ポリマーの原料として有用なオキセタン誘導体を、反応後の回収分離が非常に容易であることから収率が良好であり、かつ原料が取り扱いやすく安全であるといった利点を有するものである。以下、このような本発明のオキセタン誘導体の製造方法について、反応原料、反応条件、および得られるオキセタン誘導体に分けて、それぞれ詳細に説明する。
【0022】
A.反応原料
本発明のオキセタン誘導体の製造方法に用いられる反応原料は、オキセタン化合物およびスルホン酸エステルまたは硫酸エステルである。以下、これらについて説明する。
【0023】
1.オキセタン化合物
本発明において反応原料として用いられるオキセタン化合物は、水酸基またはメルカプト基、もしくは水酸基およびメルカプト基の少なくとも一方を有する置換基で置換されたオキセタンであれば特にその構造は限定されるものではない。
【0024】
しかしながら、合成の容易さや、工業的な入手の容易さの観点から、下記の式(1)で示されるオキセタン化合物であることが好ましい。
【0025】
【化3】
Figure 2004149486
【0026】
上記、式(1)におけるRおよびRは、水素、水酸基、メルカプト基、または有機基であり、少なくともRおよびRのいずれか一つは水酸基またはメルカプト基、もしくは水酸基またはメルカプト基を有する有機基である。
【0027】
このような式(1)に示されるオキセタン化合物においては、上述したようにRおよびRのいずれか一つは水酸基またはメルカプト基、もしくは水酸基またはメルカプト基を有する有機基である。該有機基は、本発明の反応を阻害しなければ、特に限定されず、通常鎖状炭化水素基、好ましくはアルキル基である。
該有機基中の水酸基またはメルカプト基の位置は特に限定されるものではないが、本発明においては、水酸基またはメルカプト基が1級水酸基もしくは1級メルカプト基、または2級水酸基、もしくは2級メルカプト基であることが好ましく、中でも1級水酸基または1級メルカプト基がより好ましい。1級水酸基または1級メルカプト基は、スルホン酸エステルまたは硫酸エステルとの反応に際して高い反応性を得ることができるからである。
【0028】
このような1級水酸基を有する有機基としては、末端の炭素に水酸基を有するヒドロキシアルキル基を挙げることができる。本発明においては、このようなヒドロキシアルキル基が直接オキセタンに結合したものであってもよく、また芳香族や脂環族等の他の有機基を介してオキセタンに結合したものであってもよい。
また、このヒドロキシアルキル基はヒドロキシアルキル基に含まれる水酸基が、スルホン酸エステルまたは硫酸エステルと置換反応する際に、例えば立体的に反応を阻害しない範囲で、任意の位置に置換基を有するものであってもよい。上記ヒドロキシアルキル基の好適な炭素数としては、下限が1個以上であり、上限が10個以下、特に5個以下であることが好ましい。
【0029】
また、上記の式(1)で示されるオキセタン化合物が有する水酸基またはメルカプト基の数は、特に限定されるものではないが、通常下限として1個以上であり、上限としては、4個以下、特に2個以下であることが好ましい。本発明においては、反応性等を考慮すると1個であることが特に好ましい。
【0030】
また、本発明においては、スルホン酸エステルまたは硫酸エステルとの置換反応の操作性等の観点から上記オキセタン化合物の分子は比較的小さいことが好ましい。具体的には、上記RおよびRの炭素数の合計が40以下であることが好ましく、特に20以下であることが好ましい。また、RおよびRの個々については、RおよびRそれぞれにおいて炭素数が20以下であることが好ましく、特に10以下であることが好ましい。
【0031】
さらに、分子量で規定すると、RおよびRの分子量の合計が、600以下であることが好ましく、特に300以下であることが好ましい。置換基の分子量がこの範囲内であれば、反応時の操作性に大きな問題が生じないからである。
【0032】
本発明においては、上記RおよびRの少なくとも一方が水酸基を有する有機基である場合の好ましい有機基としては、ヒドロキシアルキル基を挙げることができ、中でもヒドロキシメチル基が好ましい。
【0033】
また、本発明において、RまたはRが水酸基またはメルカプト基を有さない場合の残基としては、水素原子、未置換、または脂肪族系、もしくは芳香族系有機基で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素数1から6までのアルキル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、パーフルオロヘキシル基などの炭素数1から6までのパーフルオロアルキル基、フェニル基、アリル基、ビニル基などが挙げられる。これらの中で、水素原子、メチル基、エチル基のものが反応の操作性の観点から好ましい。
【0034】
上述したような式(1)で示されるオキセタン化合物は、常温常圧で液状であることが反応の操作性の観点から好ましい。
【0035】
本発明においては、上記式(1)で示されるオキセタン化合物の中でも、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタンあるいは3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンが工業的に入手可能なトリメチロールプロパンあるいはトリメチロールエタンから誘導できるため好ましい。
【0036】
このような、本発明に用いられる水酸基を有するオキセタン化合物の製造方法としては、従来より行われている合成方法により製造することが可能である。特に、オキセタン環の2位、4位が水素原子のみの場合、合成が容易であるのみでなく、オキセタン化合物を開環重合しポリエーテルポリオールにした際、両末端がカルボキシル基、イソシアネート基、あるいはアミノ基との反応性が高い1級のアルコール性水酸基となるため、ポリウレタン組成物あるいはポリエステル組成物の原料として優れたポリマーが得られる点でも好ましい。このようなオキセタン化合物は、具体的には、Cyclic Monomers,1972.54〜85や特開平10−7669号公報、特開平11−12261号公報等に記載されているように、トリオール化合物をエチレンカーボネート等のアルキレンカーボネートや炭酸ジメチル等のジアルキルカーボネートと反応させ、副生するアルコール類を除去しながら環状カーボネート化合物を生成させ、次いで生成した環状カーボネート化合物の脱炭酸反応により水酸基を有するオキセタン化合物を合成できる。
【0037】
他に、水酸基を有するオキセタン化合物はこうして得られた3−ヒドロキシメチル−3−アルキルオキセタン類とオキシラン類を反応させたり(特開2001−302652公報)、また3,3−ビス(クロロメチル)オキセタンや3−クロロメチル−3−アルキルオキセタンのようなハロゲン化アルキル基を有するオキセタン化合物のハロゲン原子の置換反応等を利用して誘導するといった製造方法を挙げることができる。
【0038】
2.スルホン酸エステルまたは硫酸エステル
本発明に用いられるスルホン酸エステルまたは硫酸エステルとしては、反応系で液体であるか、溶媒に溶解するものであって、オキセタン化合物が有する水酸基やメルカプト基と反応するものであれば、特に限定されるものではなく、脂肪族系のものであっても、芳香族系のものであっても、用いることができる。具体的には、脂肪族スルホン酸エステルとしては、メタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル等のアルキルスルホン酸エステル、芳香族スルホン酸エステルとしては、ベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、m−キシレン−4−スルホン酸エステル等を挙げることができる。本発明においては、中でも、芳香族スルホン酸エステルが好ましい。
【0039】
このような芳香族スルホン酸エステルとしては、スルホン酸エステルを有するものであれば特に限定されるものではなく、スルホン酸エステルを複数個有するものでもよい。しかしながら、本発明においては、上記オキセタン化合物との反応性が高いことから、分子中にスルホン酸エステルを1個有する芳香族スルホン酸エステルであることが好ましい。
【0040】
また、芳香族スルホン酸エステル分子中のベンゼン環の数は、複数個のものであってもよい。しかしながら、本発明においては、分子中にベンゼン環を1個有する芳香族スルホン酸エステルであることが好ましい。このように芳香族スルホン酸エステルのベンゼン環の数が、1個であることにより、上記オキセタン化合物との反応性が高いからである。
【0041】
上記芳香族スルホン酸エステルのベンゼン環は、反応系に影響を与えない置換基を有していてもよく、置換基を有している場合、その数としては2個以下であることが好ましい。
【0042】
本発明に用いられる芳香族スルホン酸エステルの分子量としては、通常その上限が700以下であり、中でも500以下、さらには400以下であることが好ましく、またその下限が170以上、中も180以上であることが好ましい。
【0043】
上記範囲より分子量の大きい芳香族スルホン酸エステルは、反応時の取り扱いが困難となる場合があることから好ましくない。一方、一般的に入手可能である芳香族スルホン酸エステルにおいては、上述した範囲より高い分子量を通常有するものだからである。
【0044】
また、反応時の取り扱い性の観点から、反応系で液体となる芳香族スルホン酸エステルが好ましい。反応系で液体であるとは、例えば反応温度で液体であったり、反応溶媒を用いる場合には、反応溶媒に溶解したりすることを意味する。
【0045】
本発明においては、上記芳香族スルホン酸エステルの中でも、p−トルエンスルホン酸エステルが好ましく、下記の式(2)で表されるp−トルエンスルホン酸エステルを用いることがより好ましい。
【0046】
p−CH−(C)−SO−R (2)
式(2)中のRは、塩基触媒存在下で水酸基またはメルカプト基と反応しない炭素数1以上50以下の有機基である。上記有機基の炭素数は、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、さらに好ましくは20以下である。上記有機基は特に限定されないが、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基等が好ましく例示される。ここで、Rの有機基に含まれる水素は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアルキル基、あるいはアリールオキシアルキル基で置換されていてもよい。これらの置換基の炭素数は、通常1以上20以下であって、好ましくは1以上10以下である。
【0047】
また、原料が入手しやすいことから、上記の式(2)中のRが下記の式(3)で表されることも好ましい。
【0048】
−(O−A)− (3)
式(3)において、nは0から10の整数であり、Aは炭素数1から15のアルキレン基であり、Rは炭素数1から10のアルキル基であり、Rに含まれる水素は、炭素数1から10までのアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアルキル基、あるいはアリールオキシアルキル基で置換されていてもよい。特に、式(3)中のnが1から5の整数であり、Aがエチレン基あるいはイソプロピレン基であり、Rが炭素数1から5のアルキル基であることが、エチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド等のエポキシド類から容易に合成できることから、非常に好ましい。
【0049】
B.反応条件
本発明は、水酸基またはメルカプト基を有するオキセタン化合物の水酸基またはメルカプト基とスルホン酸エステルまたは硫酸エステルとを相間移動触媒の存在下で反応させて、側鎖にエーテル結合またはスルフィド結合を有するオキセタン誘導体を得るものである。以下、これらを中心に本発明における反応条件について説明する。
【0050】
1.相間移動触媒
本発明は、上述したように上記オキセタン化合物と上記スルホン酸エステルまたは硫酸エステルとを相間移動触媒の存在下で反応させる点に大きな特徴を有するものである。このように本発明は相間移動触媒を用いて反応を行うものであるので、反応後における触媒等の分離回収が容易である。また塩基触媒の中でも取り扱い上非常に危険性の高い金属水素化物等使用する必要はなく、取り扱いやすく安全な相間移動触媒を使用することにより、高い収率でオキセタン誘導体を得ることができるという利点を有する。
【0051】
このような本発明に用いられる相間移動触媒としては、一般的に相間移動触媒として用いられているものであれば特に限定されるものではない。しかしながら、本発明においては、後述するようにアルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液中で反応を行うものである点を考慮すると、アルカリ性条件下で用いることができる相間移動触媒が好適に用いられる。
【0052】
このようなアルカリ性条件下で用いることができる相間移動触媒としては、具体的には、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩や、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド、トリオクチルエチルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムクロリド等の第4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0053】
本発明においては、中でも第4級アンモニウム塩が、本発明における反応条件下において十分な活性を発揮し、さらに他の相間移動触媒に比べ安価である点から工業的に実施するには好ましいものであるといえる。特に、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドが好ましい。
【0054】
本発明に用いられる相間移動触媒の使用量は、特に限定されるものではなく、所望の反応速度、コスト面等を考慮して任意に選択できるが、水酸基を有するオキセタン化合物1モルに対して、0.001モル以上、特に0.01モル以上用いることが好ましく、かつ0.5モル以下、特に0.2モル以下用いることが好ましい。上記範囲より使用量が少ない場合は、十分な反応速度が得られない可能性があることから好ましくなく、また上述した範囲より使用量を増やしても反応活性が大幅に向上するものではないことからコスト面を考慮すると好ましくないからである。
【0055】
2.アルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液
本発明においては、上記相間移動触媒を用いて、アルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液中で反応が行われる。
【0056】
このような本発明に用いられるアルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液としては、アルカリ金属水酸化物等のアルカリ性金属化合物を水に溶解または懸濁させたものであれば特に限定されるものではないが、反応効率等の観点から、水溶液または水懸濁液のpHが通常10以上、好ましくは12以上であることが好ましい。
【0057】
上記アルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液に用いられるアルカリ性金属化合物としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウム等を挙げることができ、これらの中でも、短時間で十分な収率が得られる等の理由から水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましい。
【0058】
また、その使用量は、アルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液中に1重量%以上、特に30重量%以上の割合で添加されることが好ましく、かつ80重量%以下、好ましくは50重量%以下の割合で添加されることが好ましい。
【0059】
3.溶媒
本発明のオキセタン誘導体の製造方法においては、スルホン酸エステルまたは硫酸エステル自体を有機層として用いることにより、溶媒を用いないで行うことも可能であるが、副反応(加水分解反応等)を抑え適度な反応速度とし、かつ最終生成物の分離回収を容易とする等の点から、有機溶媒を用いることが好ましい。このような有機溶媒は、反応原料または生成物等の溶解性を考慮して、通常の有機反応に用いられる有機溶剤を使用できる。
【0060】
このような有機溶媒としては、通常必要とされる反応温度と同等以上の沸点を有するものが用いられる。さらに、最終生成物の分離が容易なものが選択して用いられる。例えば、最終生成物との沸点差が常圧で10℃以上、特に20℃以上であるもの等が好適に用いられる。
【0061】
具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、1種類でも2種類以上組み合わせて用いても良い。これらの溶媒の中でも、高い収率を得られることから、芳香族炭化水素類が好ましく、トルエンが最も好ましい。
【0062】
本発明において、有機溶媒を用いる場合の有機溶媒の使用量としては、アルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液に対して、10重量部以上、特に20重量部以上であり、また1000重量部以下、特に500重量部以下とすることが好ましい。上記範囲内とすることにより、反応速度に大幅な影響与えることなく、有機溶媒の添加効果を得ることができるからである。
【0063】
4.反応原料の使用比率
本発明において、上述した反応原料の使用比率としては、理論的には、オキセタン化合物の水酸基またはメルカプト基1モル当量に対して、スルホン酸エステルまたは硫酸エステル1モル当量用いるものであるが、求められる反応速度、分離精製のしやすさ等を考慮して任意に選択できる。
【0064】
具体的には、上記の式(1)で表されるオキセタン化合物水酸基またはメルカプト基1モル当量に対して、スルホン酸エステルまたは硫酸エステルを下限として、0.5モル以上、好ましくは0.8モル以上、上限として2モル以下、好ましくは1.5モル以下使用することで十分な収率が得られる。上記範囲を外れる場合は、十分な反応速度が得られず、かつ未反応基質の分離回収工程に対する負荷が大きくなり好ましくないからである。
【0065】
通常、オキセタン誘導体を合成するために、ハロゲン化物とアルコールを相間移動触媒の存在下にて反応させた場合、ハロゲン化物は加水分解反応等の副反応により消費されてしまうため、高い収率で生成物を得るためにはアルコールに対してハロゲン化物を2モル倍から4モル倍過剰に用いなければならず、経済的に不利である。しかし、スルホン酸エステルまたは硫酸エステルでは、ハロゲン化物を用いる場合に見られるような副反応は顕著ではないため、上記のスルホン酸エステルまたは硫酸エステルの使用範囲で十分に高い収率が得られる。
【0066】
5.反応温度、圧力、および時間
本発明における反応は、加圧、減圧または大気圧いずれの圧力下でも行うことができるが、操作の簡便性から、大気圧雰囲気下で行うことが望ましい。
【0067】
また、本発明における反応温度としては、下限が通常30℃以上、好ましくは50℃以上、上限が通常150℃以下、特に100℃以下とすることが好ましい。上記範囲より高温で反応を行うと、副生物の生成が増加し収率が低下する恐れがあるからであり、上記範囲より低温で反応を行うと反応速度が遅くなり、収率が低下する恐れがあるからである。
【0068】
さらに、反応時間としては、下限が5分以上、特に1時間以上、上限が72時間以下、特に12時間以下とすることが好ましい。反応を十分に進行させ、かつ経済性を考慮すると、上記範囲内とすることが好ましいからである。
【0069】
6.反応方法
本発明における反応は、回分方式、半回分方式、および連続方式いずれの方式でも行うことができる。
【0070】
回分方式の場合、反応器にアルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液、有機溶媒、相間移動触媒、オキセタン化合物を仕込んだ後、上記スルホン酸エステルまたは硫酸エステルを含む混合物を加えて所定の温度に加熱し攪拌しながら、反応を行うことができる。また、反応器にアルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液、有機溶媒、相間移動触媒を仕込んだ後、所定の温度に加熱し攪拌しながら、上記オキセタン化合物と上記スルホン酸エステルまたは硫酸エステルとの混合物を滴下することにより反応を行うこともできる。
【0071】
半回分方式の場合、反応器にアルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液、有機溶媒、相関移動触媒を仕込み、オキセタン化合物を仕込んだ後、所定の温度に加熱し、攪拌しながらスルホン酸エステルまたは硫酸エステルを滴下することにより反応を行うことができる。
【0072】
上記回分方式および半回分方式においては、上記スルホン酸エステルまたは硫酸エステルの副反応(加水分解反応等)を避けるため、上記スルホン酸エステルまたは硫酸エステルは有機溶媒を加えた後に反応系内に加えることが好ましく、有機溶媒を用いない場合は、上記オキセタン化合物を加えた後に加えることが望ましい。
【0073】
反応終了後は静置し、有機層と水層を分離し、有機層を回収する。有機溶媒を抽出、蒸留等の常法により除去し、常法により精製して生成物を得ることができる。
【0074】
連続方式の場合も、回分方式や半回分方式の場合と同様の順序で反応基質を加え、反応器の後ろに静置層を設置し、そこで2層に分離し、有機層を回収することができる。前記と同様に常法により有機溶媒を除去し、常法により精製して生成物を得ることができる。
【0075】
7.反応率および反応の終点
本発明のオキセタン誘導体の製造方法における反応率および反応の終点は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄相クロマトグラフィー、核磁気共鳴スペクトル、および赤外吸収スペクトル等によって確認できる。本発明における反応率は通常10〜100%の範囲内となる。
【0076】
C.得られるオキセタン誘導体
本発明において、上述した反応により、側鎖にエーテル結合またはスルフィド結合を有するオキセタン誘導体を得ることができる。本発明により得られるオキセタン誘導体は、上記反応原料であるオキセタン化合物の水酸基またはメルカプト基が、もう一つの反応原料である上記スルホン酸エステルまたは硫酸エステル(芳香族スルホン酸エステルの場合は、上記の式(2)中のR)に置換されて合成されたものである。
【0077】
このような、本発明の製造方法により得られるオキセタン誘導体は、ポリエーテル原料として好適に用いることができ、熱硬化性組成物あるいは光硬化性組成物を構成する反応性化合物として応用することができる。また、塗料、接着剤、電気・電子材料、半導体材料、光学材料、光ファイバー、光導波路、単層および多層配線板材料、レジスト、ドライフィルムレジスト等、多種多様な用途に応用することができる。
【0078】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0079】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0080】
(1−(p−トルエンスルホキシ)メチル−2−メトキシエタンの合成例)
1−(p−トルエンスルホキシ)メチル−2−メトキシエタンを以下の方法を用いて合成した。滴下漏斗を備えた1lフラスコに、水320mlを入れ、水酸化ナトリウム80.0gを加えて溶解させた後、2−メトキシエタノール54.3gを加えた。p−トルエンスルホニルクロライド190.0gをテトラヒドロフラン320mlに溶解し、滴下漏斗に入れ、水浴中で攪拌しながら4時間で滴下した。滴下後、室温にて0.5時間攪拌を続けた後、静置し、有機層を回収した。有機層を水100mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。濾過して硫酸ナトリウムを除去した後、テトラヒドロフランを留去して1−(p−トルエンスルホキシ)メチル−2−メトキシエタン91.7gを得た。
【0081】
(実施例1)
3−(2−メトキシエトキシ)メチル−3−エチルオキセタンを以下の方法を用いて合成した。滴下漏斗、温度計、攪拌装置を備えた300mlフラスコに水39.5g、水酸化ナトリウム39.5g、トルエン75ml、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド1.6g(4.9mmol)、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン8.5g(73mmol)を入れ、油浴に浸けて攪拌しながら60℃にした。滴下漏斗に1−(p−トルエンスルホキシ)メチル−2−メトキシエタン16.8g(73mmol、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタンと等モル)をトルエン20mlに溶解した溶液を入れ、5時間で滴下した。滴下終了後、60℃で2時間攪拌した。反応終了後、トルエン層を回収し、さらに水層にトルエン50mlを加えて抽出する操作を5回繰り返した。このような回収したトルエン溶液を薄層クロマトグラフィーにより分析し、1−(p−トルエンスルホキシ)メチル−2−メトキシエタンが完全に消費されたことを確認した。また、回収したトルエン溶液にジメチルスルホキシド11.2gを加えて外部標準とし、ガスクロマトグラフにて、3−(2−メトキシエトキシ)メチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタンを定量した。定量結果を表1に示した。
【0082】
上記のガスクロマトグラフ分析条件は、機器として島津GC−14Aを使用し、カラムとしてガラスカラム(Thermon−3000 2%ShincarbonA)を使用し、キャリアガスとしてヘリウムを使用し、FIDにて検出した。分析時の温度は、気化室温度を200℃、検出器温度を200℃、カラム温度を100℃〜200℃(5分/分)とした。
【0083】
(比較例1)
1−(p−トルエンスルホキシ)メチル−2−メトキシエタンの代わりに、2−ブロモエチルメチルエーテル10.2g(73mmol、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタンと等モル)を使用した以外は、実施例1と同じ条件で反応を行った。回収したトルエン溶液にジメチルスルホキシド10.9gを加えて外部標準とし、ガスクロマトグラフにて、3−(2−メトキシエトキシ)メチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン、および2−ブロモエチルメチルエーテルを定量した。結果を表1に示した。
【0084】
【表1】
Figure 2004149486
【0085】
以上より、ハロゲン化物は副反応が進行し、選択率および収率ともに非常に低いのに対して、スルホン酸エステルまたは硫酸エステルは副反応よりもオキセタン化合物との反応の方が優先的に進行し、反応原料が無駄に消費されることなく、高選択率および高収率で生成物が得られることが明らかである。
【0086】
【発明の効果】
本発明は、スルホン酸エステルまたは硫酸エステルおよび相間移動触媒による反応を用いるものであるので、他の合成方法と比較して、原料の取り扱いが容易で、かつ高収率でオキセタン誘導体を得られるといった効果を奏するものである。

Claims (9)

  1. 相間移動触媒の存在下、アルカリ性金属化合物の水溶液または水懸濁液中で、水酸基またはメルカプト基を有するオキセタン化合物の水酸基またはメルカプト基とスルホン酸エステルまたは硫酸エステルとを反応させて側鎖にエーテル結合またはスルフィド結合を有するオキセタン誘導体を得ることを特徴とするオキセタン誘導体の製造方法。
  2. 前記スルホン酸エステルが、芳香族スルホン酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載のオキセタン誘導体の製造方法。
  3. 前記水酸基またはメルカプト基を有するオキセタン化合物が、下記の式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオキセタン誘導体の製造方法。
    Figure 2004149486
    (RおよびRは水素、水酸基、メルカプト基、もしくは有機基であり、少なくともRおよびRのいずれか一つは水酸基またはメルカプト基、もしくは水酸基およびメルカプト基の少なくとも一方を有する有機基である。)
  4. 少なくとも前記RおよびRのいずれかは、1級水酸基および1級メルカプト基の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項3に記載のオキセタン誘導体の製造方法。
  5. 前記RおよびRの炭素数の合計が、40以下であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のオキセタン誘導体の製造方法。
  6. 前記芳香族スルホン酸エステルが、下記の式(2)で表されるp−トルエンスルホン酸エステルであることを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれかの請求項に記載のオキセタン誘導体の製造方法。
    p−CH−(C)−SO−R (2)
    (Rは塩基触媒存在下で水酸基またはメルカプト基と反応しない炭素数1以上50以下の有機基である。)
  7. 前記Rが、下記の式(3)で表される基であることを特徴とする請求項6に記載のオキセタン誘導体の製造方法。
    −(O−A)− (3)
    (nは0から10の整数であり、Aは炭素数1から15のアルキレン基であり、Rは炭素数1から10のアルキル基であり、R中のアルキル基に含まれる水素は、炭素数1から10までのアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基で置換されていてもよい。)
  8. 前記スルホン酸エステルまたは硫酸エステルを式(1)で表される化合物の0.5モル倍以上、2モル倍以下使用することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のオキセタン誘導体の製造方法。
  9. 反応に際して有機溶媒が用いられ、前記有機溶媒としてトルエンを用いることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載のオキセタン誘導体の製造方法。
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