JP2004155001A - 画像処理装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のオブジェクトの含まれる画像のトラッピング処理の管理を容易化する。
【解決手段】画像中からひとつの注目オブジェクトを決定し(S1101)、注目オブジェクトに交差する他のオブジェクトがあるか判定し(S1102)、あればそれを対象オブジェクトとして交点を算出し(S1104)、交点テーブルに、交点番号、ノックアウトとトラッピングの別、開始あるいは終了の別等の属性を登録する(S1106)。これを、対象オブジェクトについても行い(S1107)、注目オブジェクトおよび対象オブジェクトについての交点テーブルが他にあればそれらを合成する(S1109)。この交点テーブルにより、オブジェクト間の交差位置や交差形態等が特定できる。
【選択図】図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカラー印刷時の版のずれを補正等するためのトラッピング処理を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーの多色印刷においては、印刷対象のカラー画像が、重なり合う複数の異なる色のオブジェクトを含む場合、重なり合った部分の色が混ざらないように、下になったオブジェクトの重なり部分を切り取るように、各色成分の原版が作成される。このように他のオブジェクトの下になるオブジェクトを切り取る処理をノックアウトと呼ぶ。このようにノックアウトした版で印刷を行う場合、ノックアウト処理した部分におけるずれを補正するために、トラッピングと呼ばれる技法がある。トラッピングとは、版がずれた部分にそのずれを目立たなくさせる部品をかぶせる技術である(たとえば、特開2000−165694号公報参照)。
【0003】
ノックアウト処理した部分においてずれが生じると、色材が載らない空白領域が生じてしまう。そこで、トラッピング処理により、複数のオブジェクトが交差する部分に、例えば上側のオブジェクトの色と下側のオブジェクトを色との中間的な色の部品を付け加えることで、もしもずれにより空白が生じたとしてもそれが目立たないように予め処置しておく。
【0004】
図5はトラッピング処理の必要を示した図である。画像500の様な重なった2つのオブジェクトを印刷する場合、重なって隠れる部分を削ったオブジェクト501,502を組み合わせて印刷するが、この場合、印刷結果においては、画像503のように版のずれが発生する場合がある。そのずれを補正する技術がトラッピングである。図5の例では、例えばシアンのオブジェクト501において、ノックアウト処理によりオブジェクト502の外縁に沿って切り取られた部分に、シアンとマゼンタの混合色の細い帯状の部品を付加しておく。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−165694号公報
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示すように、多くのオブジェクトが同時に重なるような画像では、トラッピング位置の算出が難しい上に、いったん算出したトラップエリアに関する修正等を行う場合、データの管理及び、修正処理が困難であった。
【0006】
例えば、図5のような場合には、2つのオブジェクト間で各版の位置関係を調整することで、ずれを修正することが比較的簡単にできるが、図6のように多数のオブジェクトが重複している場合には、そのトラップする位置の算出が難しい上に、その後オブジェクトが重複したラップエリアに関する修正等を行う場合に、データの管理や修正が困難であった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、オブジェクト同士の交点と、各交点の属性データを格納した交点テーブルを各オブジェクトについて用意することで、複数のオブジェクトが複雑に交差した場合のトラッピング位置の算出や、トラッピングやノックアウト等の交点データの管理、修正等が容易に行える画像処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
そしてそれにより、重複する部分の位置を正確に把握して正確にオブジェクトのノックアウト処理を行い、さらに、各色の版の位置ずれを正確に補正することができ、また、オブジェクトの配置が変更されても容易にその変更に対応した印刷原版の作成を行える画像処理装を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は次のような構成を有する。
【0010】
カラー印刷において、互いに交差するオブジェクト間のずれを補正するためのトラッピング処理を行う画像処理装置であって、
各オブジェクト毎にそのオブジェクトと他のオブジェクトとの交点情報を格納した交点テーブルを作成する作成手段と、
前記交点テーブルの情報により、トラッピング位置の算出処理を行う算出手段とを有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
発明の第1実施形態について説明する。
【0012】
本発明はトラッピング位置を特定するための画像処理装置および方法である。トラッピングは、版のずれが顕著に表れる部分、例えば版のずれが目立つ種類のオブジェクト(グラフィック、イメージ、フォント等)や、互いの色の明るさの差が一定値を超えている2つ以上のオブジェクトが隣り合う部分などに施される。
【0013】
そこで、この画像処理装置においては、画像中であらかじめ2つ以上のオブジェクトが隣り合う部分について、版ずれが発生する可能性のある部分として、トラッピング処理の対象とする。つまり、2つ以上のオブジェクトが隣り合う部分がトラッピングが行われる位置(トラッピング位置)となる。
【0014】
トラッピング位置を決定するにあたって、本実施形態の画像処理装置では、交点テーブルと呼ぶテーブルを作成し、交点テーブルに従ってトラッピング処理が行われる。交点テーブルとは、オブジェクトが隣接している部分を抽出するために使用するテーブルである。本実施形態では、複数のオブジェクトが互いに重なり、その結果としてオブジェクトが互いに隣接している部分を交点テーブルに登録し、トラッピング位置とする。本実施形態においては、3つ以上のオブジェクトが同一部分で重なり合っているような複雑な構成の画像であっても、交点テーブルを作成し、トラッピング時にそれを使用することで、トラッピング位置の決定が簡易に行える。
【0015】
図1は、本実施形態にかかる基本的な構成を示すブロック図である。
【0016】
図1においてCPU1は中央処理装置であり、本装置全体の制御及び演算処理を行う。RAM2はランダムアクセスメモリであり、処理毎にそれぞれのプログラム及びデータがロードされ、実行される記憶領域を提供する。ROM3は読み出し専用メモリであり、システム制御プログラムや、フォントデータなどの記憶領域である。KBC4はキーボード制御部であり、キーボード5(KB)からのキー入力によりデータを受け取りCPU1へ伝達する。PRTC6はプリンタ制御部であり、プリンタ装置7(PRT)を制御するためのものである。プリンタ装置7は、レーザービームプリンタ、インクジェットプリンタなどである。CRTC8はディスプレイ制御部であり、ディスプレイ装置9(CRT)への表示制御を行う。DKC10はディスク制御部であり、データ伝送などの制御を行うものである。FD(フロピーディスク装置)あるいはHD(ハードディスク装置)あるいはCD(CDROM)などの外部記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶させておき、実行時必要に応じて参照またはRAM2へロードする。システムバス12は、上述の構成要素間におけるデータ転送の通路となるべきものである。
【0017】
本装置は、基本I/O(入出力)プログラム、OS(オペレーティングシステム)、及び、以下に説明するビットマップ埋め込み機能を持つ文字データ埋め込みプログラムをCPU1が実行することにより動作する。
【0018】
基本I/OプログラムはROM3に記憶されており、OSはHD11に書き込まれている。そして本装置の電源がONにされたとき、基本I/Oプログラム中のIPL(イニシャルプログラムローディング)機能によりHD11からOSがRAM2に読み込まれ、OSの動作が開始される。
【0019】
本実施形態では、オブジェクト間交差情報管理および算出プログラムおよび関連データは、図2のように、FD11またはCDROM11中に記録されている。このFD11またはCD−ROM11に記録されたオブジェクト間交差情報管理および算出プログラムとその関連データとは、図3に示すように、FDドライブまたはCD−ROMドライブを通じて、本装置のHD11にインストールする事ができる。この場合FD11またはCD−ROM11をFDドライブまたはCD−ROMドライブにセットすると、OS及び基本I/Oプログラムの制御のもとに履歴保存プログラム及び関連データがFD11またはCD−ROM11から読み出され、HD11にインストールされて動作可能となる。
【0020】
図4はオブジェクト間交差情報管理および算出プログラムがHD11にインストールされ実行可能になった状態のメモリマップを示す。図4における関連データには、後述する交差情報が含まれる。
【0021】
図11は本実施形態におけるオブジェクト間交差情報管理、算出方法を用いたトラッピング位置算出の流れを示すフローチャートである。算出されたトラッピング位置は交点テーブルとして保持される。
【0022】
図11の説明の前にまず交点テーブルについて説明する。交点テーブルとは、各オブジェクトが固有に持つ、他のオブジェクトとの交点のデータを格納するテーブルで、図7のような構成になっている。交点テーブルには、注目オブジェクト(後述)の番号を示すオブジェクト番号フィールド70と、交点テーブルに格納されている交点数を格納する交点数(格納点数)フィールド71と、各交点についての交点データ72,73が含まれる。交点データには、交点に付けられた点番号を示す点番号フィールド721、属性数を示す属性数フィールド722および属性が含まれる。属性としては、対象オブジェクトの識別子である対象オブジェクト番号フィールド723、交点の形態を示す形態フィールド724、交点の開始終了の別を示す開始/終了フィールド725が含まれる。
【0023】
点番号とは、輪郭を構成している各点を識別できるように付けられている番号を示す。属性数とは、点番号が付けられた交点に対する属性のセットがいくつその交点について付けられているかを表した数である。その属性のセットには、対象オブジェクト番号、交点形態、開始/終了が含まれる。対象オブジェクト番号とは、その交点で交差している相手のオブジェクトを示すオブジェクト番号である。このオブジェクト番号とは、描画する各オブジェクトを識別できるようにつけられている番号を示す。交点形態とは、その交点が、注目オブジェクトにとってどのような形態で重複するのかを示す属性である。
【0024】
なお、交点データは点番号によりオブジェクトごとに管理されるが、オブジェクトおよび点番号に対応する点の位置は、オブジェクトの輪郭構成点と対応する。交点が元々オブジェクトの輪郭を構成していた構成点以外に算出された場合は、その交点をオブジェクトの輪郭構成点内に新たに加える。これにより、交点テーブルに格納される交点はすべて、オブジェクトの輪郭構成のための、輪郭構成点データに存在することになり、この構成点データの参照により、位置データを得ることができる。交点番号は、この輪郭構成点データ内の同一点(交点と同一座標の点)と対応している。つまり、輪郭構成点内で各点付けられた識別子、または輪郭構成点データ内で出現する順番、またはこれらとの対応を認識できる識別子が、交点テーブル内の交点番号として用いられる。これにより、交点間に交点テーブルにないが、輪郭構成点データにはある点があった場合にも、これらの位置関係が、交点テーブルと、輪郭構成点データから把握することができ、トラップ部分の形状を認識することが可能となる。又は、交点の位置を位置情報として別途管理する。すなわちこの場合、画像中の各オブジェクトごとに他のオブジェクトとの交点をすべて算出しておく。そして、その交点に交点番号を付し、交点番号に対応させて、オブジェクトにおける位置を示す位置情報を格納したテーブルを、交点テーブルとは別に保持する。この場合は、トラッピングエリアを作成する際に、オブジェクトの輪郭を検索し交点テーブルに格納されたトラッピングエリアの座標が輪郭のどの部分からどの部分までなのかを算出する。位置情報は、各オブジェクト内における相対位置でもよいし、画像全体における位置であってもよい。前者の場合には位置情報はオブジェクトごとに保持されるが、後者の場合には、交点番号に対応する位置情報は、画像全体についてひとつ保持されればよい。位置情報は、例えばオブジェクト内における相対的な位置をベクトルによって表すことができる。
【0025】
交点形態を図8(1)を使って説明する。オブジェクト801の交点テーブルには交点AとBが格納されている。オブジェクト802との関係では、オブジェクト801の重複部分は切り取られて版が作成される。そこでオブジェクト801を注目オブジェクトとし、オブジェクト802を対象オブジェクトとした場合の交点A,Bの形態属性はどちらも「ノックアウト」形態となる。逆に、オブジェクト802の重複部分は、オブジェクト801の上に重ねられ、切りとられることはない。そこでオブジェクト802の交点テーブルに格納される交点AとBの形態属性はどちらも「トラッピング」形態となる。
【0026】
オブジェクトの輪郭構成点を交点検出に伴い変更する場合の、各テーブルにおける交点番号と輪郭構成点の関係を図8(2)を使って説明する。オブジェクト801の場合、輪郭構成点は、例えば、図に示す通り、1,2,3,4の4つの点となる。これがこれらの番号による識別子によって管理されていても、識別子がなく単なる順番によって管理されていてもよい。ここで交点A、Bが検出されることにより、図に示す通り、構成点は2点増え、1,2,3,4,5,6の6点となる。この時、実際に交点テーブルに格納されている交点番号は、Aが3、Bが5という様になる。同様にオブジェクト802の場合は、構成点は1,2,3,4,5,6となり、交点テーブルに格納されている交点A、Bの交点番号は、Aが2、Bが6となる。
【0027】
開始/終了属性とは、格納されている交点が、交点形態属性、つまりはノックアウト又はトラッピングを構成する点のうち、ノックアウト又はトラッピングの開始点なのか、終了点なのかを示す属性である。開始・終了属性を図9に示す。オブジェクト902のトラッピング形態を例にとると、(a)の様にオブジェクト902を構成する輪郭が時計回りに構成されている場合は、トラッピングを構成するA、B両点のうち、点Bが開始点となり、点Aが終了点となる。また(b)の様にオブジェクト902を構成する輪郭が、反時計回りに構成されている場合は、点Aが開始点、点Bが終了点となる。注目オブジェクトの輪郭をたどる方向は、たとえば一定に決めておいても良いし、また例えば輪郭ベクタの方向と定めても良い。またたとえば、その方向自体も属性として交点テーブルに含めても良い。なお、輪郭をたどる方向は、1つの画像中のすべてのオブジェクトについて統一しておくことが望ましい。統一されていないと、その方向を一致させるために変換処理を行う必要が生じるためである。
【0028】
以上のような対象オブジェクト番号、交点形態、開始/終了3つの属性のセットが、上記属性数分格納されている。
【0029】
図10(A)に、属性が2つ格納されている交点、つまり属性数が2の交点を含むオブジェクトの例を示す。オブジェクト2(1002)を注目オブジェクトとする交点テーブルを図10(B)に示す。交点テーブル1011には、交点A、B、C、Dが格納されている。そのうち、交点BとCには2つの属性のセットが格納される。つまり交点Bにおいては、オブジェクト1(1001)に対するトラッピング形態の終了点としての属性と、オブジェクト3(1003)によるノックアウト形態の開始点としての属性が格納される。また交点Cにおいては、オブジェクト3によるノックアウト形態の終了点としての属性と、オブジェクト1に対するトラッピング形態の開始点としての属性が格納される。
【0030】
図11の手順ではオブジェクトのデータから上記交点テーブルを作成する。なお、図11の手順においては、処理対象のオブジェクトは、その輪郭を特定できるように与えられている、例えばベクタオブジェクトなどであるものとする。しかしながら、例えばビットマップデータで与えられるオブジェクトについても、その輪郭ベクトルの抽出処理などにより輪郭ベクタを獲得すれば、図11の手順を適用することができる。また、ベクタ図形以外でも、例えばベジェ曲線などの関数の軌跡により輪郭が与えられたオブジェクトなどについても、その輪郭が定義されたオブジェクトであれば、本実施形態を適用できる。
【0031】
まず、ステップS1101において最初のオブジェクトを注目オブジェクトと決定する。最初のオブジェクトは適当に決めて良いが、処理対象となるすべてのオブジェクトをもれなく処理するために、例えば最上位にあるオブジェクトや最下位にあるオブジェクト等、一定の規則に従って決定されることが望ましい。次にステップS1102へ移り、注目オブジェクトに重なるオブジェクトがあるか、描画対象のオブジェクトすべてについて確認する。重なるオブジェクトがあった場合は、ステップS1104へ進む。
【0032】
重なるオブジェクトがなかった場合は、ステップS1103へ進む。ステップS1103では、描画するすべてのオブジェクトを注目オブジェクトに設定したか確認する。すべてを注目オブジェクトに設定してオブジェクト間の交差を処理していない場合はステップS1101へ戻り、次のオブジェクトを注目オブジェクトに設定しなおす。すべてのオブジェクトを注目オブジェクトに設定し、交差処理を行っていたならば、トラッピング位置算出処理を終了する。
【0033】
ステップS1102で、注目オブジェクトと重なるオブジェクトがあったならば、ステップS1104へ移り、注目オブジェクトに重なっているオブジェクトのひとつを対象オブジェクトに設定する。
【0034】
次にステップS1105へ移り、注目オブジェクトと対象オブジェクトとの交点を算出する。これは、例えばオブジェクトの輪郭ベクトルあるいは輪郭を与える関数の交点として算出することができる。また、交点位置を図11の手順の中で交点番号と対応付ける場合には、このステップS1105において算出した交点ごとに、番号の付与とオブジェクトごとの交点の位置を示す位置情報テーブルへの登録とを行うことになる。
【0035】
次にステップS1106へ移り、算出した交点の位置や注目オブジェクトと対象オブジェクトとの関係に基づいて注目オブジェクトの交点テーブルを作成する。交点テーブルの作成は、注目オブジェクトの輪郭上を適当に定めた開始点から一定の方向にたどりつつ行われる。例えば、算出された注目交点において、注目オブジェクトが対象オブジェクトの上に重なるのであれば、その交点はトラッピング形態の交点である。一方、注目オブジェクトが対象オブジェクトの下に重なるのであれば、その交点はノックアウト形態の交点でる。また、そのオブジェクトの重複がその交点から開始されるのであれば、その交点は開始点であると決定される。そのオブジェクトの重複がその交点で終了するのであれば、その交点は終了点であると決定される。なお、このオブジェクトの輪郭をたどる方向は、各オブジェクトごとに一定にしておくことが望ましい。それというのは、後述の通り、同一のオブジェクトについての交点テーブルが複数或る場合にはそれらはひとつに合成されるために、オブジェクトの輪郭をたどる方向を一定にしておかなければ、合成されるそれぞれの交点テーブルごとに開始/終了フィールドの意味が異なるものとなってしまうためである。そのため、交点テーブルには、テーブル全体についてのフィールドとして格納点数フィールドに加えて、方向フィールドを設け、アウトラインの方向をそこに規定しても良い。
【0036】
次にステップS1107へ進み、ステップS1106と同様にして注目オブジェクトと重複する対象オブジェクトにおける交点テーブルを作成する。対象オブジェクトにおける注目オブジェクトとの交点の形態は、注目オブジェクトとの形態とは逆(トラッピングに対してノックアウトあるいはその逆)となる。また、対象オブジェクト番号は、現在の注目オブジェクト番号となる。開始終了は、対象オブジェクトについて輪郭をたどる方向に応じて決まる。
【0037】
次にステップS1108へ進み、注目オブジェクト及び対象オブジェクトについて、ステップS1106及び1107において作成した交点テーブルの他に既に交点テーブルが作成されているかどうかを判定する。作成されている場合はステップS1109へ進む。作成されていない交点テーブル場合はステップS1102へ戻り、注目オブジェクトに対して他の対象オブジェクトがあれば上記処理を繰り返す。
【0038】
ステップS1109では、注目オブジェクトについて既にあった交点テーブルに今回作成した交点テーブルを合成して新しい交点テーブルを作成する。合成された交点テーブルは、各オブジェクトごとにひとつのテーブルとなり、各オブジェクトに対応して保持される。あるいは、各オブジェクトに対応した交点テーブルをさらに合成し、ひとつのテーブルとしても良い。このテーブルは各オブジェクトごとの交点テーブルを単につなぎ合わせたものでよい。こうすることで、交点テーブルは1画像につき1つとなり、管理が更に容易になる。
【0039】
ステップS1109の処理の様子を図12(1)〜(5)に示す。この例においては、分かりやすくするために交点番号をa,b,c等で表しているが、実際には先に述べた通り、輪郭構成点データに対応した識別子が交点番号として付けられている。オブジェクト2(1202)を注目オブジェクトとした交点テーブルを例に説明する。図12(2)は、図12(1)におけるオブジェクト2を注目オブジェクトとし、オブジェクト1(1201)を対象オブジェクトとした場合の交点テーブルの内容を示している。すなわち、図12(2)においては、注目オブジェクト番号「2」格納点数「2」であり、点番号「a」及び「b」が含まれる。点番号「a」については、属性数は「1」、対象オブジェクト番号は「1」、形態は「トラッピング」、開始/終了は「開始」である。点番号「b」については、属性数は「1」、対象オブジェクト番号は「1」、形態は「トラッピング」、開始/終了は「終了」である。
【0040】
図12(3)は、オブジェクト2を注目オブジェクトとし、オブジェクト3(1203)を対象オブジェクトとした場合の交点テーブルの内容を示している。このようにオブジェクト2の交点テーブルは各対象オブジェクトごとにそれぞれ作成され、それらを合成して新しい交点テーブルが作成される。2つの交点テーブルを単純に合わせると図12(4)の様になり、それを整理して新たに作成されるオブジェクト2の交点テーブルは図12(5)の様になる。すなわち、ノックアウトの領域にある交点bは削除され、替わりに交点bに付けられていたオブジェクト1に対するトラッピングの終了点属性が交点hに加えられる。
【0041】
これを一般的な規則として表すと次のようになる。
(1)各オブジェクト間に交差があるか検索する。
(2)交点があった場合には、規則に従い交点テーブルを作成する。
【0042】
(3)互いに異なるオブジェクト間で重複状態にある区間があるかテーブルを検索する。なお、ここで区間とは、2点の対であって、それら点の対は、交点属性のうち開始/終了フィールド以外の属性値すなわち対象オブジェクト番号および形態が一致し、かつ、開始/終了フィールドの値が「開始」の点と「終了」の点との対をいうものとする。また、説明の便宜上、区間をなす点の形態がノックアウトの場合にはその区間をノックアウト区間とよび、形態がトラッピングの場合にはその区間をトラッピング区間とよぶことにする。そして、この区間をなす交点の間に、他の交点が存在すれば、区間が重複状態にあると判断できる。重複状態にある区間では、注目オブジェクトと1または複数の対象オブジェクトとが互いに重複している。
【0043】
(4)重複する区間がノックアウト区間とトラッピング区間の場合には、ノックアウト区間の中に含まれるトラッピング区間は整理される。これはノックアウト区間は版の作成時に切り取られてしまう部分となるからである。整理は、ノックアウト区間と重複するトラッピング区間を削除するように行われる。処理の具体的な例は以下のようなものとなる。
【0044】
ノックアウト区間とトラッピング区間とが重複している場合には、トラッピング区間をその中に含まれるノックアウト区間の開始点および終了点により分割する。例えば、トラッピング区間(Ts,Te)(ただし添え字sは開始点を、添え字eは終了点を表す)とノックアウト区間(Ks,Ke)が重複し、Ts,Ks,Te,Keの順序となっている場合には、トラッピング区間(Ts,Te)は、トラッピング区間(Ts,Ks)となる。これを交点テーブルで実現するには、交点Teを削除し、交点Ksの属性にトラッピング終了点の属性を付加する。
【0045】
また例えば、トラッピング区間(Ts,Te)とノックアウト区間(Ks,Ke)が重複し、Ts,Ks,Ke,Teの順序となっている場合、すなわちトラッピング区間にノックアウト区間が含まれている場合には、トラッピング区間(Ts,Te)は、トラッピング区間(Ts,Ks)とトラッピング区間(Ke,Te)に分割される。これを交点テーブルで実現するには、交点Ksの属性にトラッピング終了点の属性を付加し、交点Keの属性にトラッピング開始点の属性を付加する。
【0046】
トラッピング区間Tにノックアウト区間の終了点Bが含まれる場合には、点Bの属性に、トラッピング区間Tの開始点としての属性を付加し、トラッピング区間Tの元の開始点を削除する。ここで、或る点の削除といった場合には、ノックアウト区間(Ks,Ke)の間にはさまれた点自体を削除し、テーブルから格納点数を減少させる操作が行われる。
【0047】
以上のようにして各オブジェクトごとにオブジェクト間の交点を示す交点テーブルを作成して管理することで、印刷対象のオブジェクトのうち、トラッピング区間を正確に把握することができる。各交点については、その交点番号と対応付けられた位置情報が保持されているために、各オブジェクトごとについても、画像全体についても、トラッピング位置を交点テーブルから決定できる。
【0048】
そして、交点テーブルは注目オブジェクトごとに管理されている。また各交点は対象オブジェクトが属性として付与されている。このために、他のオブジェクトの交差状況等の確認なしに、自身の輪郭のどこにトラップ区間があるか、そしてそのトラップ区間はどのオブジェクトを対象としているかを把握できる。
【0049】
ここで、トラッピング処理そのものについては、上述したように決定された色の部品を、交点テーブル及び輪郭構成点の位置情報で与えられる位置に付加することで行える。部品の形状は、例えばトラッピング区間のオブジェクト輪郭に沿った一定幅の線とすることなどが考えられる。
【0050】
例えば、トラッピング処理は次のように行われる。まず、注目オブジェクトについて、その交点テーブルからトラッピング区間を抽出し、その区間で接するオブジェクトを特定して、トラッピングに用いる色を決定する。トラッピング部品の色は、例えば互いに接するオブジェクトの各色成分についての平均値とする。またトラッピング部品の形状は前述したように、トラッピング区間の注目オブジェクトの輪郭に沿った一定幅の線状の部品とする。このように、トラッピング部品の色と位置と形状とが決定されたなら、その部品を、色成分の版ごとに付け加える。この後、印刷が行われて印刷画像が形成されることになる。
【0051】
このようにして、オブジェクト同士の交点と、各交点の属性データを格納した交点テーブルを各オブジェクトについて用意することで、複数のオブジェクトが複雑に交差した場合のトラッピング位置の算出や、トラッピングやノックアウト等の交点データの管理、修正等が容易に行える。
【0052】
そしてそれにより、重複する部分の位置やその位置で接するオブジェクトを正確に把握して、位置やオブジェクトに応じて適切なトラッピングよりが行え、高品質な印刷画像を出力させることができる。
【0053】
さらに、例えば画像の編集等によりオブジェクト相互の位置関係が変化した場合にも、変化後の位置関係に対応したトラッピング処理を容易に行える。
【0054】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0055】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0056】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体およびプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0057】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0058】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0059】
本発明は以上のように構成されるものであり、以下の通り本発明を把握することができる。
【0060】
(1) カラー印刷において、互いに交差するオブジェクト間のずれを補正するためのトラッピング処理を行う画像処理装置であって、
各オブジェクト毎にそのオブジェクトと他のオブジェクトとの交点情報を格納した交点テーブルを作成し、
前記交点テーブルの情報により、トラッピング位置の算出処理を行う。
【0061】
(2)また、(1)の装置において、交点テーブルには、交点数、交点ごとの識別子、交点ごとの交差オブジェクト識別子、交点ごとの交差形態、交点ごとの交差の開始および終了属性が格納される。
【0062】
(3)また、(1)の装置において、交点ごとの交差オブジェクト識別子、交点ごとの交差形態、交点ごとの交差の開始および終了属性は、当該交点が、注目オブジェクトと複数の他のオブジェクトとの交点である場合に、該複数の他のオブジェクトすべてについて格納される。
【0063】
(4)また、(1)の装置において、交差形態とは、当該交点が、その交点テーブルに対応するオブジェクトに関して、交差相手のオブジェクトに対してトラッピングを行う位置を構成している点なのか交差相手のオブジェクトにノックアウトされる位置を構成している点なのかを示し、開始および終了属性とは、当該交点が、トラッピング又はノックアウトの領域を構成する開始点なのか又は終了点なのかを示す属性である。
【0064】
(5)また、(1)の装置において、交点テーブルは、各オブジェクトごとに、対象オブジェクトとの間に1つ作成され、すべての対象オブジェクトについて作成された交点テーブルが合成されることで単一の交点テーブルが合成される。
【0065】
(6)また、(1)の装置において、各オブジェクトの交点テーブルに格納されている交点は、オブジェクトを構成している点の構成順序に従い格納されている。
【0066】
(7)また、(1)の装置において、トラッピング位置を、交点ごとの位置情報を参照して算出する。
【0067】
(8)また、(5)の装置において、合成される交点テーブルは、ノックアウト領域と重複するトラッピング領域の部分があれば、その領域を前記交点情報から削除することで合成が行われる。
【0068】
(9)また、交点テーブルの作成及びトラッピング位置の算出をコンピュータで行うためのプログラムも本発明の一形態である。
【0069】
(10)また、(9)のプログラムを格納したコンピュータ可読記録媒体も本発明の一形態である。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各オブジェクトが、自身の輪郭における交点の情報をテーブルとして持つことにより、複雑なトラッピング位置の算出や、データの管理、修正を容易に行うことが可能となる。
【0071】
また、オブジェクト同士の交点と、各交点の属性データを格納した交点テーブルを各オブジェクトについて用意することで、複数のオブジェクトが複雑に交差した場合のトラッピング位置の算出や、トラッピングやノックアウト等の交点データの管理、修正等が容易に行える。
【0072】
そしてそれにより、重複する部分の位置やその位置で接するオブジェクトを正確に把握して、位置やオブジェクトに応じて適切なトラッピングよりが行え、高品質な印刷画像を出力させることができる。
【0073】
さらに、例えば画像の編集等によりオブジェクト相互の位置関係が変化した場合にも、変化後の位置関係に対応したトラッピング処理を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の情報処理装置の構成図である。
【図2】FDまたはCD−ROMの記録内容を示す図である。
【図3】FDまたはCD−ROMと情報処理装置の関係図である。
【図4】情報処理装置のハードディスクにオブジェクト間交差情報管理、算出制御プログラムがインストールされた際の情報処理装置のメモリマップを示す図である。
【図5】カラー印刷における各版の組み合わせとずれを示す図。
【図6】複雑な重なりによりトラッピングエリアの位置の抽出が困難な場合を示す図。
【図7】各オブジェクトに作成される交点テーブルを示す図。
【図8】形態属性を示す図。
【図9】開始・終了属性を示す図。
【図10】属性数が複数になった場合を示す図。
【図11】実施形態1のトラップ位置算出処理を示すフローチャート図。
【図12】交点テーブルの合成を示す図。

Claims (1)

  1. カラー印刷において、互いに交差するオブジェクト間のずれを補正するためのトラッピング処理を行う画像処理装置であって、
    各オブジェクト毎にそのオブジェクトと他のオブジェクトとの交点情報を格納した交点テーブルを作成する作成手段と、
    前記交点テーブルの情報により、トラッピング位置の算出処理を行う算出手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
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