JP2004155355A - バーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操作レバー16のレバー本体13とノッカー14との間に握り代調整機構9を介装する。握り代調整機構9を、レバー本体13のめねじ孔19に螺着される調整ボルト16と、ノッカー14の作用腕14cに形成される板状の係合突部14eとで構成する。調整ボルト16の頭部16b外面に、係合溝17a,17bを十字状に凹設する。係合溝17a,17bのそれぞれを、係合突部14eの円弧形状よりも幅広に形成する。係合溝17a,17bの両側壁17c,17cを、調整ボルト16の中心軸CLを挟んで直交方向に離間して位置する2つの点O1,O1を中心とする半径R2,R2の円弧状に形成する。係合溝17a,17bの底壁17dを、両側壁17c,17cの円弧面と接線でつながる直線L2で形成し、係合溝17a,17bを幅広で浅底とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車を始めとする各種バーハンドル車両にあって、ハンドルバーに取り付けた液圧マスタシリンダに液圧を発生させてブレーキやクラッチを作動するバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置に係り、詳しくは液圧マスタシリンダに組み合わせされる操作レバーが、レバー本体とノッカーとの2ピースタイプであって、これらの間に握り代調整機構を備えた構造のバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置にあっては、液圧マスタシリンダのシリンダボディに付設される操作レバーを、グリップの車体前部側に沿って配設されるレバー本体と、該レバー本体及び前記シリンダボディのシリンダ孔開口部との間に配設されるノッカーとに分割して、該ノッカーと前記レバー本体との間に握り代調整機構を介装し、該握り代調整機構を、レバー本体に螺着される調整ボルトと、ノッカーに設けられる板状の係合部とで構成して、該係合部を調整ボルトの頭部外面に当接させ、レバー本体に対する調整ボルトのねじ込み量を変えることによって、グリップとレバー本体との間の握り代を調整できるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−235992号公報(第2−3頁、図1及び図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のレバー本体とノッカーとは、それぞれ別個の支軸回りに回動する上、係合部の当接面が直線状に処理されているため、調整ボルトを大きく出没させた際には、係合部の当接面が調整ボルトの中心軸線と直交する線から大きく傾むくため接地性がわるくなり、操作フィーリングを損なうことがあった。また、調整ボルトのねじ込み位置を保持するためにロックナットを必要とし、握り代を調整するたびに、このロックナットを緩めたり締め付けしなければならなかった。
【0005】
そこで本発明は、握り代を大きく調整した場合にも、調整ボルトと係合部との当接関係を良好に維持して、如上の諸問題を解決することのできるバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハンドルバーに取着される液圧マスタシリンダのシリンダボディに有底のシリンダ孔を穿設し、該シリンダ孔にピストンを内挿して、該ピストンとシリンダ孔の底壁との間に液圧室を画成し、前記シリンダボディに付設される操作レバーを、前記シリンダボディに回動基部を枢支して、前記ハンドルバーの端部に設けられたグリップの車体前部側に沿って配設されるレバー本体と、前記シリンダボディに回動基部を枢支して、前記レバー本体と前記シリンダボディのシリンダ孔開口部との間に配設されるノッカーとに分割し、該ノッカーと前記レバー本体との間に、該レバー本体と前記グリップとの間の握り代を拡縮調整する握り代調整機構を介装したバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置において、前記握り代調整機構に、前記レバー本体と前記ノッカーのいずれか一方にねじ込み量を調整して螺着される調整ボルトと、他方に形成される板状の係合突部とを備え、前記調整ボルトの頭部外面に複数の係合溝を放射状に凹設し、前記係合突部を断面円弧状に形成して、該係合突部を前記係合溝に係脱可能に係着し、該係合溝を前記係合突部の円弧形状よりも幅広に形成するとともに、係合溝の両側壁を、前記調整ボルトの中心軸を挟んで直交方向に離間して位置する2つの点を中心とする円弧状に形成し、両側壁間の係合溝の底壁を、前記双方の円弧面と接線でつながる直線状に形成したことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一形態例を図面に基づいて説明する。
バーハンドル車両の車体前部で前輪を操向するハンドルバー1には、液圧マスタシリンダ2と操作レバー3とを組み合わせしたフロントブレーキ用の液圧マスタシリンダ装置4が取付けられている。
【0008】
液圧マスタシリンダ2は、シリンダボディ5の上部にリザーバ6を備えたリザーバ一体型で、ハンドルバー1のアクセルグリップ7よりも車体内側位置を、シリンダボディ5と一体の車体取付け腕5aと別途のブラケット8とで包持し、これらをボルト止めして、ハンドルバー1の車体前部に沿って配設されている。シリンダボディ5の車体前部側には、上下一対のレバーブラケット5b,5bが延設されており、該レバーブラケット5b,5bに、操作レバー3がノッカー軸10を用いて枢支されている。シリンダボディ5には、有底のシリンダ孔11がアクセルグリップ側を開口して穿設されており、該シリンダ孔11に、ピストン12が液密且つ移動可能に内挿されている。
【0009】
操作レバー3は、アクセルグリップ7の車体前方に配設されるレバー本体13と、作用腕14cをピストン12の後端に当接させて、シリンダ孔11の開口部とレバー本体13との間に配設される板状のノッカー14との2ピースタイプで、ノッカー14の作用腕14cとレバー本体13の作用腕対向部13cとの間には、握り代調整機構9が介装されている。
【0010】
レバー本体13は、上下二股状の回動基部13aの間にノッカー14のレバー支持腕14bを挟んで、該レバー支持腕14bにレバー軸15を用いて枢支され、回動基部13aに連続する握り操作部13bをアクセルグリップ7の車体前方に略沿って配設し、握り操作部13bの基部ハンドルバー側に、前述の作用腕対向部13cを持っている。回動基部13aは、前述のごとく上下二股状に形成され、握り操作部13bがアクセルグリップ7の前方を緩やかに湾曲する棒状体に形成されるとともに、作用腕対向部13cはやや厚肉の板状体に形成されている。
【0011】
ノッカー14は、回動基部14aをレバーブラケット5b,5bの間に挟んでノッカー軸10にて枢支され、この回動基部14aに前記レバー支持腕14bと作用腕14cとが一体に連設されており、作用腕14cはピストン12の後端と作用腕対向部13cとの間に配設されている。作用腕14cのピストン側と作用腕対向部側には、大小円弧状の係合突部14d,14eが設けられており、大径円弧状の係合突部14dをピストン12の後端に当接させ、また半径R1の小径円弧状で厚さT1で形成された係合突部14eを、作用腕対向部13cに螺着した調整ボルト16の2つの係合溝17a,17bに係脱可能に係着している。
【0012】
レバー本体13とノッカー14は、作用腕14cの係合突部14dを後退限に位置するピストン12の後端に当接させることによって、非作動方向(図2の反時計方向)へ付勢され、ノッカー14の回動基部14aに突設したストッパ片14fをレバーブラケット5b,5b間のストッパ壁5cに当接させて後退限を規制される同時に、アクセルグリップ7と握り操作部13bとの間に所定の握り代が設定される。
【0013】
握り操作部13bを把持して操作レバー3を握り操作した場合に、レバー本体13とノッカー14とがノッカー軸10を支点に一体に回動し、作用腕14cの係合突部14dがピストン12を押動してシリンダ孔11の底部に液圧を発生させる。アクセルグリップ7と握り操作部13bとの間の握り代は、図2の実線を中間位置として、握り操作部13bが車体前部側とアクセルグリップ側の2つ想像線の範囲で調整可能である。
【0014】
レバー本体13とノッカー14の回動基部13a,14a間には、戻しばね18が縮設されており、レバー本体13とノッカー14とを戻しばね18の弾発力によって反対方向へ付勢し、レバー本体13とノッカー14とが互いにガタつくことのないようにしている。
【0015】
調整ボルト16は、作用腕対向部13cに作用腕14c側を開口して穿設されためねじ孔19にねじ込み量を調整して螺合される軸部16aと、該軸部16aの外端に連設された大径の頭部16bとからなっており、この調整ボルト16と、ノッカー14の係合突部14eとで前述の握り代調整機構9が構成されている。調整ボルト16の頭部16bは、外周に8個の円弧を連続させて花びら形に形成され、その外面には前述の係合溝17a,17bが調整ボルト16の中心軸CL上で十字状に交差して設けられている。
【0016】
係合溝17a,17bのそれぞれは、長さL1が係合突部14eの板厚T1よりも長く、その両端が円弧状に形成されるとともに、係合溝17a,17bの横断面形状である幅W1が、半径R1で描かれた係合突部14eの小径円弧形状よりも広く形成されている。係合溝17a,17bの側壁17c,17cは、半径R2,R2を用いた円弧状に形成され、両側壁17c,17c間の底壁17dを、側壁17c,17cの円弧面と接線でつながる直線L2で形成している。
【0017】
側壁17c,17cの円弧面に用いる半径R2,R2は、前記調整ボルト16の中心軸CLを挟んで直交方向へ離間して位置する2つの点O1,O1を中心としており、両点O1,O1間の距離L3は、半径R2,R2と接線でつながる直線L2の長さに相当し、係合溝17a,17bの横断面形状である幅W1は、半径R2,R2の間にこの直線L2を介装したことによって浅底なものとなっている。
【0018】
上述のように形成される調整ボルト16は、係合溝17a,17bのいずれか一方、例えば係合溝17aをノッカー14の作用腕14cと同じ向きの車体上下方向に向けて、係合溝17aに作用腕14cの係合突部14eを係合する。この係合状態では、作用腕14cの板厚中心が調整ボルト16の中心軸CLと合致するため、調整ボルト16の回動は阻止される(図4)。
【0019】
レバー本体13が、図2の実線で示す握り代調整範囲の中間位置にある場合に、作用腕14cの係合突部14eは、調整ボルト16の中心軸CL上である係合溝17aの底壁17dの中央に位置している(図1)。
【0020】
また、レバー本体13が、図2のアクセルグリップ側の想像線に示す握り代最小位置にある場合には、作用腕14cの係合突部14eが、車体上下方向に位置する係合溝17aのアクセルグリップ側の側壁17cに位置し(図5)、さらにレバー本体13が、図2の車体前部側の想像線に示す握り代最大位置にある場合には、作用腕14cの係合突部14eが、車体上下方向に位置する係合溝17aの車体前部側の側壁17cに位置する(図6)。
【0021】
本形態例は、以上のように構成されており、アクセルグリップ7と握り操作部13bとの間の握り代は、めねじ孔19に対する調整ボルト16のねじ込み量によって拡縮し、調整ボルト16をめねじ孔19にねじ込んで行くと、レバー本体13がレバー軸15を支点にアクセルグリップ側へ回動して握り代が縮小し、また調整ボルト16をめねじ孔19から繰り出すと、レバー本体13がレバー軸15を支点に車体前部側へ回動して握り代が拡大される。
【0022】
このような握り代の拡縮調整は、係合突部14eを係合溝17a,17bのいずれかと係合させたまま、調整ボルト16を回動することによって行われる。すなわち、作用腕14cの係合突部14eは、半径R2,R2と直線L2とで構成される浅底の係合溝17a,17bと浅い係合関係をとるため、調整ボルト16をいずれかの方向へ強制的に回動させると、係合溝17aが車体上下方向から車体横方向に向きを変えるのに伴って、係合突部14eが、係合溝17aの一方の側壁17cから調整ボルト16の頭部16bの外面に一端乗り上げ、次に車体上下方向に回動してきた係合溝17bに落ち込んで係合する。
【0023】
このように本形態例は、アクセルグリップ7と握り操作部13bとの間の握り代を調整する場合に、レバー本体14は、ノッカー軸10を支点とするノッカー14とは別のレバー軸15を支点に回動するが、レバー本体13側の係合溝17a,17bを、円弧状の側壁17c,17cと直線状の底壁17dとで構成して係合溝17a,17bの幅W1を広く設定し、この係合溝17a,17bに、円弧状に形成したノッカー14の係合突部14eを係脱可能に係合させるので、レバー本体13が図2の2つの想像線に示す握り代最大位置または最小位置へ移動しても、作用腕14cの係合突部14eは、係合溝17a,17bに設定された円弧状の側壁17cに係合する。この結果、係合突部14eと係合溝17a,17bとの係合関係、すなわち接地性が向上し、握り代をどのように調整した場合にも常に良好な操作フィーリングを得ることができる。
【0024】
さらに、調整ボルト16のねじ込み位置の固定にロックナットを要しないため、調整作業の簡素化と部品点数の削減による低コスト化とが図れ、しかも係合溝17a,17bが幅広でかつ浅底となるため、握り代の拡縮調整が、ノッカー14の係合突部14eをレバー本体13側の係合溝17a,17bに係合させたまま行えることができて、拡縮調整が一層簡便に行える。
【0025】
なお、前述の形態例では、調整ボルトに2つの係合溝を放射状の一種である十字状に設けたが、3つ以上の係合溝を放射状に設けることにより、握り代を細かく調整することが可能である。また、調整ボルトと係合突部とは前述の形態例とは逆の関係、すなわち調整ボルトをノッカーに設定し、係合突部をレバー本体側に設定することもできる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、グリップとレバー本体との間の握り代をどのように調整した場合にも、調整ボルトの係合溝と係合突部との接地性を維持することができ、操作レバーの操作フィーリングを良好に保つことができる。さらに、調整ボルトのねじ込み位置の固定にロックナットを要しないため、調整作業の簡素化と部品点数の削減による低コストとが図れる。さらに、係合溝が幅広でかつ浅底となるため、握り代の拡縮調整が、係合突部を調整ボルトの係合溝に係合させたまま行えることができて、拡縮調整が一層簡便に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態例を示す握り代調整機構の要部拡大断面平面図
【図2】本発明の一形態例を示す液圧マスタシリンダ装置をハンドルバーに取り付けた状態の平面図
【図3】本発明の一形態例を示す液圧マスタシリンダ装置の要部断面平面図
【図4】本発明の一形態例を示す図1のIV−IV断面図
【図5】本発明の一形態例を示す握り代調整機構の要部拡大断面平面図
【図6】本発明の一形態例を示す握り代調整機構の要部拡大断面平面図
【図7】本発明の一形態例を示す調整ボルトの斜視図
【符号の説明】
1…ハンドルバー、2…液圧マスタシリンダ、3…操作レバー、4…液圧マスタシリンダ装置、5…シリンダボディ、5b…レバーブラケット、9…握り代調整機構、10…ノッカー軸、11…シリンダ孔、12…ピストン、13…レバー本体、13a…回動基部、13b…握り操作部、13c…作用腕対向部、14…ノッカー、14a…回動基部、14b…レバー支持腕、14c…作用腕、14d,14e…円弧状の係合突部、14f…ストッパ片、15…レバー軸、16…調整ボルト、16a…軸部、16b…頭部、17a,17b…係合溝、17c…円弧状の側壁、17d…直線状の底壁、18…戻しばね、19…めねじ孔、R1,R2…半径、O1…半径R2の中心、T1…係合突部14eの厚さ、L1…係合溝17a,17bの長さ、T1…係合突部14eの板厚、W1…係合溝17a,17bの幅、CL…調整ボルト16の中心軸、L2…底壁17dに用いる直線
Claims (1)
- ハンドルバーに取着される液圧マスタシリンダのシリンダボディに有底のシリンダ孔を穿設し、該シリンダ孔にピストンを内挿して、該ピストンとシリンダ孔の底壁との間に液圧室を画成し、前記シリンダボディに付設される操作レバーを、前記シリンダボディに回動基部を枢支して、前記ハンドルバーの端部に設けられたグリップの車体前部側に沿って配設されるレバー本体と、前記シリンダボディに回動基部を枢支して、前記レバー本体と前記シリンダボディのシリンダ孔開口部との間に配設されるノッカーとに分割し、該ノッカーと前記レバー本体との間に、該レバー本体と前記グリップとの間の握り代を拡縮調整する握り代調整機構を介装したバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置において、前記握り代調整機構に、前記レバー本体と前記ノッカーのいずれか一方にねじ込み量を調整して螺着される調整ボルトと、他方に形成される板状の係合突部とを備え、前記調整ボルトの頭部外面に複数の係合溝を放射状に凹設し、前記係合突部を断面円弧状に形成して、該係合突部を前記係合溝に係脱可能に係着し、該係合溝を前記係合突部の円弧形状よりも幅広に形成するとともに、係合溝の両側壁を、前記調整ボルトの中心軸を挟んで直交方向に離間して位置する2つの点を中心とする円弧状に形成し、両側壁間の係合溝の底壁を、前記双方の円弧面と接線でつながる直線状に形成したことを特徴とするバーハンドル車両用液圧マスタシリンダ装置。
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