JP2004163075A - 燃料貯蔵装置、燃料供給装置及び発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】スラリー燃料製造時の高圧エネルギーを効率よく利用する燃料貯蔵装置、燃料供給装置及び発電システムを提供する。
【解決手段】有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置であって、水熱反応の際にスラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌する。
【選択図】 図1
【解決手段】有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置であって、水熱反応の際にスラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物や種々の未利用可燃物を利用する発電システムに関し、特に木材、木片チップ、麦、藁等の農業系の有機性固形廃棄物、家畜の糞尿や魚介類の屍骸等の有機性汚泥、あるいはその他のバイオマスや有機性廃棄物等をスラリー化したスラリー燃料の燃料貯蔵装置、スラリー燃料を燃焼機関に供給する燃料供給装置、及びそれらを備えた発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木材、木片チップ、麦、藁、家畜の糞尿、生ゴミ等の有機性廃棄物の多くは焼却処理されており、その焼却時の熱は、ボイラーの熱源として利用され発電や熱供給などが行われている。
【0003】
しかし、上記の有機性廃棄物が発生する地域の多くでは熱需要が少なく、エネルギーの有効活用がされにくい。また、廃棄物を単に集めた段階では種々の物質が不均質に混ざり合っているため、そのまま燃料として使用すると燃焼が安定しない場合がある。さらには、発生した有機性廃棄物を熱需要の多い都市部近郊に搬送・貯蔵し利用する場合においても、そのままの状態ではかさばり、また有機性廃棄物の種類によっては腐敗臭を発する物もある。
【0004】
かかる問題を解決するために、有機性廃棄物を単に燃焼しエネルギーを回収する方法とは異なり、有機性廃棄物を改質することでエネルギーの回収を容易とする技術の研究が進んでいる。
【0005】
例えば、特許文献1及び特許文献2によれば、有機性廃棄物をスラリー化し、その後スラリー化した有機性廃棄物を水溶性又は高含水率廃棄物にし、この水溶性又は高含水率廃棄物を嫌気性微生物が含まれる汚泥の中でメタン発酵させることでメタンガスを生成し、このメタンガスをエネルギーとして利用する技術が開示されている。
【0006】
また、同様に特許文献2によれば、バイオマス、廃プラスチック等の廃棄物を燃料供給装置によりスラリー化したものを亜臨界水中或いは超臨界水中での反応させスラリー燃料として利用する技術についても開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−66507号公報(第1−3頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−115174号公報(第1−4頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0009】
すなわち、スラリー燃料は高温・高圧条件下で亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により改質が行われ製造されるが、製造されたスラリー燃料の搬送・貯蔵を容易とするために、減圧装置により一度大気圧まで減圧し貯蔵される。一方、内燃機関では圧縮した気体を燃焼するため、大気圧で貯蔵されたスラリー燃料を高圧ポンプにより再度高圧にし、内燃機関に送り込む必要がある。
【0010】
このように、高温・高圧条件下で製造されたスラリー燃料を燃焼装置等で使用するために減圧装置や高圧ポンプ等の設備を必要とし、また、減圧装置や高圧ポンプを動作させるために余分にエネルギーが必要となり、廃棄物からのエネルギー回収の低下を招くこととなっている。
【0011】
また、スラリー燃料タンクに貯蔵する間にスラリー燃料の成分が沈殿しないように、図4に示すようにタンク内で対流を起こさせるための循環ポンプを備えた考案やスラリー燃料が液体と固体に分離するのを防止するために添加剤を混合し安定化する考案もなされている。
【0012】
しかし、この構成にあっては、循環ポンプを設けることで設備コストが増すと同時に、それを動作させるために余分なエネルギーが必要となる。同様に、添加剤の混合もコストが増す要因となる。
【0013】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、スラリー燃料製造時の高圧エネルギーを効率よく利用する燃料貯蔵装置、燃料供給装置及び発電システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る燃料貯蔵装置にあっては、
有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置であって、
スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、スラリー燃料の攪拌のためにスラリー燃料を生成するための圧力を利用することで、攪拌のための新たな装置を必要とせずエネルギーを有効に利用することができる。ここで、スラリー燃料を生成するための圧力とは、例えば、亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられる圧力を好適に用いることができる。
【0016】
少なくとも大気圧より高圧なスラリー燃料を燃料貯蔵装置内に噴射する噴射ノズルを備えたことが好適である。
【0017】
この構成によれば、噴射ノズルから噴射されたスラリー燃料自体が燃料貯蔵装置内で対流し、スラリー燃料が分離して沈殿することを防止することができる。
【0018】
また、本発明の他の態様である燃料供給装置にあっては、
有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を燃焼機関に供給する燃料供給装置であって、
スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して前記スラリー燃料を前記燃焼機関に供給することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、スラリー燃料を燃焼装置に供給するためにスラリー燃料を生成するための圧力を利用することで、攪拌のための新たな装置を必要とせずエネルギーを有効に利用することができる。
【0020】
供給するスラリー燃料の圧力を調整する圧力調整手段を備えることが好適である。
【0021】
また、本発明の他の態様である発電システムにあっては、
有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、
前記スラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌することを特徴とする。
【0022】
あるいは、有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、
前記スラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を前記燃焼装置に供給することを特徴とする。
【0023】
あるいは、有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して前記スラリー燃料を前記脱水装置から前記燃焼装置に供給することを特徴とする。
【0024】
上述の構成によれば、亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際の高圧エネルギーを有効に活用することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0026】
はじめに、本発明に係る燃料貯蔵方法及び燃料供給装置を好適に採用することができる固形廃棄物スラリー燃料発電システムについて、特にスラリー燃料とバイオガス燃料とを併用する発電システムについて以下に詳述する。
【0027】
ここで、固形廃棄物スラリー燃料とは、バイオマスを原料とした亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により、有機物を炭化させた後、水分調整を行い(必要によっては添加剤を加えて)スラリー状にした燃料をいう。また、亜臨界水中或いは超臨界水中での反応とは、高温高圧の水の性質を利用した反応で、有機物の分子、例えば、でんぷんやたんぱく質はそれぞれブドウ糖やアミノ酸に、木材や木片チップはセルロースやヘミセルロースに分解され、低分子化されることにより、固形分が液状化される反応をいう。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る発電システムの概略構成図である。本実施の形態に係る発電システム1は、前述の有機性廃棄物である固形廃棄物3と水溶性又は高含水率の有機性廃棄物である廃液4とを排出する工場2、固形廃棄物3に圧力と熱とを加えて不要な成分を水分と共に分離する反応装置5、この反応装置5を加熱する加熱装置6、反応装置5を経た固形廃棄物3から水分を除去する脱水装置7、脱水した固形廃棄物3をスラリー燃料10として貯蔵するスラリー燃料タンク8とを有する。なお、本実施の形態に係る発電システムは、工場2と反応装置5や脱水装置7等のその他の設備は、必ずしも同一敷地内に存在する必要はなく、工場2からの廃棄物を自動車や船舶によりエネルギー需要のある都市部に搬送し利用する場合にも適用することができるのはいうまでもない。
【0029】
発電システム1は、工場2から排出される廃液4を嫌気性微生物によって処理する嫌気性消化装置9を有する。さらに、発電システム1は、生成したスラリー燃料10と嫌気性消化装置9で生成したバイオガス12とを燃焼し、エネルギーを回収する燃焼装置11を有する。
【0030】
本実施の形態において、工場2は、有機性の固形廃棄物、例えば木片チップ、麦がら等の植物性の廃棄物、動物性の廃棄物、家畜の糞尿、汚泥を排出する設備が挙げられる。本実施の形態において固形廃棄物3として取り扱うものには、木片チップ、麦がら等の植物性の廃棄物、動物性の廃棄物、家畜の糞尿、汚泥等のバイオマスでの有機性廃棄物が挙げられる。また、本実施の形態において廃液4として取り扱うものには、主に家畜の糞尿、汚泥等のバイオマスでの水溶性又は高含水率の有機性廃棄物が挙げられる。
【0031】
なお、本実施の形態において、固形廃棄物3及び廃液4を排出する施設の一例として工場2を挙げたが、本発明は特にこれに限定することなく、一般の家庭、農場、漁業業者、食品加工業、廃棄物処理業者、廃棄物集積業者等の有機性廃棄物を排出するあらゆる施設、業者を想定したものである。
【0032】
反応装置5は、固形廃棄物3を高圧下で高温処理するための装置であり、管形の熱交換装置20や他の加熱装置からなる加熱装置6と図示しないポンプ等の加圧手段とを有する。また、後述する燃焼装置11において発生した熱を利用する熱交換システム25から、さらに反応器5で処理された高温の固形廃棄物を熱交換装置20を介して、熱エネルギーの再利用を行っている。
【0033】
本実施の形態において、この反応装置5は、加熱工程を実現するための亜臨界水中或いは超臨界水中での反応装置である。なお、この加熱工程において、固形廃棄物3を反応装置5にて高圧下で高温処理するのは、固形廃棄物3からスラリー燃料化に不要な成分を水分とともに分離するため、また固形廃棄物3の繊維質を分解するためである。より具体的には、固形廃棄物3が、例えば木材や木片チップ等の場合、セルロースやヘミセルロース等の繊維質をつなぎ合わせているリグニンを熱により変化させることで分解を促進し、セルロース等を粒子状に分解するためである。
【0034】
脱水装置7は、本実施の形態におけるスラリー燃料化工程を実現するスラリー燃料化手段であり、反応装置5での処理を経た固形廃棄物3から水分とともに水溶性又は高含水率の有機性廃棄物13を除去する。この水溶性又は高含水率の有機性廃棄物13が除去された固形廃棄物3は、スラリー燃料10として取り扱う。また、スラリー燃料10から除去された水溶性又は高含水率の有機性廃棄物13は、前述の廃液4と同様に取り扱う。
【0035】
スラリー燃料タンク8は、反応装置5及び脱水装置7で高圧下で高温処理されたスラリー燃料を、燃焼装置11に供給するまでの間貯蔵するためのものである。図2は、本実施の形態に係るスラリー燃料タンクの概略図である。スラリー燃料タンク8には、脱水装置7より送られる高圧のスラリー燃料10をタンク内に導入するためのスラリー噴射ノズル8aを備えている。
【0036】
スラリー噴射ノズル8aは、スラリー燃料タンク内8にスラリー燃料10を高圧で送り込むことで、貯蔵されているスラリー燃料10に対流を発生させ、スラリー燃料10が分離・沈殿するのを防止している。このような構成によりを脱水装置7から送られる高圧のスラリー燃料は、減圧装置を介して大気圧まで減圧せずにスラリー燃料タンク8に送られるので、複雑な装置を必要とせずに高圧エネルギーを効率よく利用することができる。また、添加剤を混合する必要がない若しくは減量化するため、コストの削減にも寄与する。
【0037】
なお、スラリー噴射ノズル8aをスラリー燃料タンク8に取り付ける際の向きは上向きに取り付けるとよい。この構成によれば、沈殿方向(下向き)と逆向きにスラリー燃料が噴射されるため、より確実に攪拌され沈殿を防止することができる。より好ましくは、スラリー噴射ノズル8aをスラリー燃料タンク8の下部に設けるとよい。この構成によれば、圧力が一番高い噴射直後のスラリー燃料により攪拌が行われるため、例えスラリー燃料タンク8の底部に沈殿している固体成分であっても、より確実に攪拌することができる。
【0038】
ここで、スラリー燃料10が供給される燃焼装置11が内燃機関の場合、その反応圧力は、ガスタービン、マイクロガスタービン、ディーゼルエンジン等で異なるが、おおよそ0.2〜16MPa程度であり、少なくとも大気圧(約0.1MPa)よりも高い。
【0039】
そして、本実施の形態に係る反応装置における圧力は9〜12MPa程度なので、スラリー燃料タンク8内部が上記内燃機関の反応圧力の範囲になるようにすれば、スラリー燃料タンク8から燃焼装置11へ配設された高圧配管に設けられた不図示の高圧バルブの開閉を制御するだけでよい。
【0040】
そして、この高圧バルブを必要に応じて開閉することで、スラリー燃料10を燃焼装置11に供給し、燃焼することでエネルギーを発生し発電が行われる。この構成によれば、特に減圧装置や高圧ポンプを必要とせず高圧エネルギーを利用して、あるいは必要であっても小型の減圧装置や高圧ポンプと高圧エネルギーを利用して燃料の供給及び加圧を行うことができる。
【0041】
次に、工場2で発生する廃液4からエネルギーを回収する方法について述べる。嫌気性消化装置9は、水溶性又は高含水率の有機性廃棄物である廃液4を処理するものであり、本実施の形態のバイオガス抽出工程を実現するためのバイオガス抽出手段である。
【0042】
この嫌気性消化装置9には、嫌気性微生物が含まれる汚泥等の消化液を貯蔵している。嫌気性微生物には、酸生成菌、メタン生成菌等の有機物を分解するバクテリアが挙げられる。また、燃焼装置11において発生した熱を利用する熱交換システム25から、熱交換装置23を介して、嫌気性消化装置9を分解に適した温度に保つための熱エネルギーを得ている。
【0043】
嫌気性消化装置9では、上記のような構成により、廃液4を低分子化して有機酸を生成しメタンガス(バイオガス)を生成する、所謂メタン発酵処理を行う。嫌気性消化装置9で生成されたメタンガス(バイオガス)は、主に燃焼装置11に供給され、過剰に生成された場合などには加熱装置6に供給されることによって有効に消費される。
【0044】
不図示の混合気生成装置は、嫌気性消化装置9で生成されたメタンガスを空気と理想的な空燃比となるような混合気を生成する。
【0045】
本実施の形態において燃焼装置11とは、上述の内燃機関だけでなく、ガスタービンエンジン、マイクロガスタービンエンジン、ガスエンジン、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関、ボイラー等の外燃機関、燃料電池等、有機物の分解反応から動力を得ることができる反応装置を含むものである。この燃焼装置11は、前述した固形廃棄物3から生成されたスラリー燃料10と、固形廃棄物3及び廃液4から生成されたメタンガスであるバイオガス12とを燃料として用いる。また、熱交換装置22により、燃焼により発生した熱を熱交換システム25に供給することでエネルギーを有効に利用している。
【0046】
(第2の実施の形態)
図3を用いて本発明の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態においては、脱水装置7から送り出されたスラリー燃料10を一時的にスラリー燃料タンク8に貯蔵し、適宜燃焼装置11に供給する構成について説明したが、本実施の形態では脱水装置7より燃焼装置11にスラリー燃料10を供給する構成について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ若しくは相当する構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
本実施の形態においては、スラリー燃料10が脱水装置7において高圧状態にあることを利用して、圧力調整手段である、脱水装置7に設けられた圧力弁14と、圧力弁14の開閉を制御する制御装置15とにより、燃焼装置11に直接スラリー燃料10を供給するものである。また、必要によってはアキュムレータを設置し、特に、固形廃棄物3の発生量が安定しており燃焼装置11が常に稼働するようなプラントであり、また、固形廃棄物3を改質しスラリー燃料10を製造するプラントとスラリー燃料10やバイオガス12を燃焼する燃焼装置11とが近接している場合に好適な構成である。かかる構成によれば、スラリー燃料タンクを設ける必要がなくなる。
【0048】
また、スラリー燃料10を製造するプラントとスラリー燃料10を燃焼し発電する燃焼装置11を隣接して配置することで、スラリー燃料10を脱水装置7から燃焼装置11まで供給するための高圧配管を短くすることができ、また、高圧配管が短くなることで高圧エネルギーの損失及び圧力低下に伴う補助ポンプの必要性がなくなる。その結果、設備を簡素化することができ、発電コストの低減にも寄与することとなる。
【0049】
上記の本実施の形態により、本発明は以下のような効果を実現できる。
【0050】
まず、本発明によれば、スラリー燃料製造時の高圧エネルギーを有効に利用することができる。
【0051】
また、スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して貯蔵されたスラリー燃料を攪拌し、あるいは、スラリー燃料を燃焼装置に供給するため、スラリー燃料タンク内のスラリー燃料を攪拌するためのポンプや、スラリー燃料を圧縮するための高圧ポンプを必要としない。
【0052】
(その他の実施の形態)
なお、本発明の燃料貯蔵装置、燃料供給装置及び発電システム有機性廃棄物燃料混合供給方法は、本実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0053】
例えば以下の実施態様に示した構成であっても前記の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0054】
(実施態様1)
有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置であって、
スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌することを特徴とする燃料貯蔵装置。
【0055】
(実施態様2)
少なくとも大気圧より高圧なスラリー燃料を燃料貯蔵装置内に噴射する噴射ノズルを備えたことを特徴とする実施態様1に記載の燃料貯蔵装置。
【0056】
(実施態様3)
有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を燃焼機関に供給する燃料供給装置であって、
スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して前記スラリー燃料を前記燃焼機関に供給することを特徴とする燃料供給装置。
【0057】
(実施態様4)
供給するスラリー燃料の圧力を調整する圧力調整手段を備えることを特徴とする実施態様3に記載の燃料供給装置。
【0058】
(実施態様5)
有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、
前記スラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌することを特徴とする発電システム。
【0059】
(実施態様6)
有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、
前記スラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を前記燃焼装置に供給することを特徴とする発電システム。
【0060】
(実施態様7)
有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して前記スラリー燃料を前記脱水装置から前記燃焼装置に供給することを特徴とする発電システム。
【0061】
本発明において、以上の各構成要素は、可能な限り組み合わせることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、スラリー燃料製造時の高圧エネルギーを効率よく利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る発電システムの概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係る燃料貯蔵装置の概略図である。
【図3】第2の実施の形態に係る発電システムの概略構成図である。
【図4】従来の燃料貯蔵装置の概略図である。
【符号の説明】
1 発電システム
2 工場
3 固形廃棄物
4 廃液
5 反応装置
6 加熱装置
7 脱水装置
8 燃料貯蔵装置(スラリー燃料タンク)
8a スラリー噴射ノズル
9 嫌気性消化装置
10 スラリー燃料
11 燃焼装置
12 バイオガス
13 有機性廃棄物
14 圧力弁
15 制御装置
20,21,22,23 熱交換装置
25 熱交換システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物や種々の未利用可燃物を利用する発電システムに関し、特に木材、木片チップ、麦、藁等の農業系の有機性固形廃棄物、家畜の糞尿や魚介類の屍骸等の有機性汚泥、あるいはその他のバイオマスや有機性廃棄物等をスラリー化したスラリー燃料の燃料貯蔵装置、スラリー燃料を燃焼機関に供給する燃料供給装置、及びそれらを備えた発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木材、木片チップ、麦、藁、家畜の糞尿、生ゴミ等の有機性廃棄物の多くは焼却処理されており、その焼却時の熱は、ボイラーの熱源として利用され発電や熱供給などが行われている。
【0003】
しかし、上記の有機性廃棄物が発生する地域の多くでは熱需要が少なく、エネルギーの有効活用がされにくい。また、廃棄物を単に集めた段階では種々の物質が不均質に混ざり合っているため、そのまま燃料として使用すると燃焼が安定しない場合がある。さらには、発生した有機性廃棄物を熱需要の多い都市部近郊に搬送・貯蔵し利用する場合においても、そのままの状態ではかさばり、また有機性廃棄物の種類によっては腐敗臭を発する物もある。
【0004】
かかる問題を解決するために、有機性廃棄物を単に燃焼しエネルギーを回収する方法とは異なり、有機性廃棄物を改質することでエネルギーの回収を容易とする技術の研究が進んでいる。
【0005】
例えば、特許文献1及び特許文献2によれば、有機性廃棄物をスラリー化し、その後スラリー化した有機性廃棄物を水溶性又は高含水率廃棄物にし、この水溶性又は高含水率廃棄物を嫌気性微生物が含まれる汚泥の中でメタン発酵させることでメタンガスを生成し、このメタンガスをエネルギーとして利用する技術が開示されている。
【0006】
また、同様に特許文献2によれば、バイオマス、廃プラスチック等の廃棄物を燃料供給装置によりスラリー化したものを亜臨界水中或いは超臨界水中での反応させスラリー燃料として利用する技術についても開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−66507号公報(第1−3頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−115174号公報(第1−4頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0009】
すなわち、スラリー燃料は高温・高圧条件下で亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により改質が行われ製造されるが、製造されたスラリー燃料の搬送・貯蔵を容易とするために、減圧装置により一度大気圧まで減圧し貯蔵される。一方、内燃機関では圧縮した気体を燃焼するため、大気圧で貯蔵されたスラリー燃料を高圧ポンプにより再度高圧にし、内燃機関に送り込む必要がある。
【0010】
このように、高温・高圧条件下で製造されたスラリー燃料を燃焼装置等で使用するために減圧装置や高圧ポンプ等の設備を必要とし、また、減圧装置や高圧ポンプを動作させるために余分にエネルギーが必要となり、廃棄物からのエネルギー回収の低下を招くこととなっている。
【0011】
また、スラリー燃料タンクに貯蔵する間にスラリー燃料の成分が沈殿しないように、図4に示すようにタンク内で対流を起こさせるための循環ポンプを備えた考案やスラリー燃料が液体と固体に分離するのを防止するために添加剤を混合し安定化する考案もなされている。
【0012】
しかし、この構成にあっては、循環ポンプを設けることで設備コストが増すと同時に、それを動作させるために余分なエネルギーが必要となる。同様に、添加剤の混合もコストが増す要因となる。
【0013】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、スラリー燃料製造時の高圧エネルギーを効率よく利用する燃料貯蔵装置、燃料供給装置及び発電システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る燃料貯蔵装置にあっては、
有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置であって、
スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、スラリー燃料の攪拌のためにスラリー燃料を生成するための圧力を利用することで、攪拌のための新たな装置を必要とせずエネルギーを有効に利用することができる。ここで、スラリー燃料を生成するための圧力とは、例えば、亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられる圧力を好適に用いることができる。
【0016】
少なくとも大気圧より高圧なスラリー燃料を燃料貯蔵装置内に噴射する噴射ノズルを備えたことが好適である。
【0017】
この構成によれば、噴射ノズルから噴射されたスラリー燃料自体が燃料貯蔵装置内で対流し、スラリー燃料が分離して沈殿することを防止することができる。
【0018】
また、本発明の他の態様である燃料供給装置にあっては、
有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を燃焼機関に供給する燃料供給装置であって、
スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して前記スラリー燃料を前記燃焼機関に供給することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、スラリー燃料を燃焼装置に供給するためにスラリー燃料を生成するための圧力を利用することで、攪拌のための新たな装置を必要とせずエネルギーを有効に利用することができる。
【0020】
供給するスラリー燃料の圧力を調整する圧力調整手段を備えることが好適である。
【0021】
また、本発明の他の態様である発電システムにあっては、
有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、
前記スラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌することを特徴とする。
【0022】
あるいは、有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、
前記スラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を前記燃焼装置に供給することを特徴とする。
【0023】
あるいは、有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して前記スラリー燃料を前記脱水装置から前記燃焼装置に供給することを特徴とする。
【0024】
上述の構成によれば、亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際の高圧エネルギーを有効に活用することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0026】
はじめに、本発明に係る燃料貯蔵方法及び燃料供給装置を好適に採用することができる固形廃棄物スラリー燃料発電システムについて、特にスラリー燃料とバイオガス燃料とを併用する発電システムについて以下に詳述する。
【0027】
ここで、固形廃棄物スラリー燃料とは、バイオマスを原料とした亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により、有機物を炭化させた後、水分調整を行い(必要によっては添加剤を加えて)スラリー状にした燃料をいう。また、亜臨界水中或いは超臨界水中での反応とは、高温高圧の水の性質を利用した反応で、有機物の分子、例えば、でんぷんやたんぱく質はそれぞれブドウ糖やアミノ酸に、木材や木片チップはセルロースやヘミセルロースに分解され、低分子化されることにより、固形分が液状化される反応をいう。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る発電システムの概略構成図である。本実施の形態に係る発電システム1は、前述の有機性廃棄物である固形廃棄物3と水溶性又は高含水率の有機性廃棄物である廃液4とを排出する工場2、固形廃棄物3に圧力と熱とを加えて不要な成分を水分と共に分離する反応装置5、この反応装置5を加熱する加熱装置6、反応装置5を経た固形廃棄物3から水分を除去する脱水装置7、脱水した固形廃棄物3をスラリー燃料10として貯蔵するスラリー燃料タンク8とを有する。なお、本実施の形態に係る発電システムは、工場2と反応装置5や脱水装置7等のその他の設備は、必ずしも同一敷地内に存在する必要はなく、工場2からの廃棄物を自動車や船舶によりエネルギー需要のある都市部に搬送し利用する場合にも適用することができるのはいうまでもない。
【0029】
発電システム1は、工場2から排出される廃液4を嫌気性微生物によって処理する嫌気性消化装置9を有する。さらに、発電システム1は、生成したスラリー燃料10と嫌気性消化装置9で生成したバイオガス12とを燃焼し、エネルギーを回収する燃焼装置11を有する。
【0030】
本実施の形態において、工場2は、有機性の固形廃棄物、例えば木片チップ、麦がら等の植物性の廃棄物、動物性の廃棄物、家畜の糞尿、汚泥を排出する設備が挙げられる。本実施の形態において固形廃棄物3として取り扱うものには、木片チップ、麦がら等の植物性の廃棄物、動物性の廃棄物、家畜の糞尿、汚泥等のバイオマスでの有機性廃棄物が挙げられる。また、本実施の形態において廃液4として取り扱うものには、主に家畜の糞尿、汚泥等のバイオマスでの水溶性又は高含水率の有機性廃棄物が挙げられる。
【0031】
なお、本実施の形態において、固形廃棄物3及び廃液4を排出する施設の一例として工場2を挙げたが、本発明は特にこれに限定することなく、一般の家庭、農場、漁業業者、食品加工業、廃棄物処理業者、廃棄物集積業者等の有機性廃棄物を排出するあらゆる施設、業者を想定したものである。
【0032】
反応装置5は、固形廃棄物3を高圧下で高温処理するための装置であり、管形の熱交換装置20や他の加熱装置からなる加熱装置6と図示しないポンプ等の加圧手段とを有する。また、後述する燃焼装置11において発生した熱を利用する熱交換システム25から、さらに反応器5で処理された高温の固形廃棄物を熱交換装置20を介して、熱エネルギーの再利用を行っている。
【0033】
本実施の形態において、この反応装置5は、加熱工程を実現するための亜臨界水中或いは超臨界水中での反応装置である。なお、この加熱工程において、固形廃棄物3を反応装置5にて高圧下で高温処理するのは、固形廃棄物3からスラリー燃料化に不要な成分を水分とともに分離するため、また固形廃棄物3の繊維質を分解するためである。より具体的には、固形廃棄物3が、例えば木材や木片チップ等の場合、セルロースやヘミセルロース等の繊維質をつなぎ合わせているリグニンを熱により変化させることで分解を促進し、セルロース等を粒子状に分解するためである。
【0034】
脱水装置7は、本実施の形態におけるスラリー燃料化工程を実現するスラリー燃料化手段であり、反応装置5での処理を経た固形廃棄物3から水分とともに水溶性又は高含水率の有機性廃棄物13を除去する。この水溶性又は高含水率の有機性廃棄物13が除去された固形廃棄物3は、スラリー燃料10として取り扱う。また、スラリー燃料10から除去された水溶性又は高含水率の有機性廃棄物13は、前述の廃液4と同様に取り扱う。
【0035】
スラリー燃料タンク8は、反応装置5及び脱水装置7で高圧下で高温処理されたスラリー燃料を、燃焼装置11に供給するまでの間貯蔵するためのものである。図2は、本実施の形態に係るスラリー燃料タンクの概略図である。スラリー燃料タンク8には、脱水装置7より送られる高圧のスラリー燃料10をタンク内に導入するためのスラリー噴射ノズル8aを備えている。
【0036】
スラリー噴射ノズル8aは、スラリー燃料タンク内8にスラリー燃料10を高圧で送り込むことで、貯蔵されているスラリー燃料10に対流を発生させ、スラリー燃料10が分離・沈殿するのを防止している。このような構成によりを脱水装置7から送られる高圧のスラリー燃料は、減圧装置を介して大気圧まで減圧せずにスラリー燃料タンク8に送られるので、複雑な装置を必要とせずに高圧エネルギーを効率よく利用することができる。また、添加剤を混合する必要がない若しくは減量化するため、コストの削減にも寄与する。
【0037】
なお、スラリー噴射ノズル8aをスラリー燃料タンク8に取り付ける際の向きは上向きに取り付けるとよい。この構成によれば、沈殿方向(下向き)と逆向きにスラリー燃料が噴射されるため、より確実に攪拌され沈殿を防止することができる。より好ましくは、スラリー噴射ノズル8aをスラリー燃料タンク8の下部に設けるとよい。この構成によれば、圧力が一番高い噴射直後のスラリー燃料により攪拌が行われるため、例えスラリー燃料タンク8の底部に沈殿している固体成分であっても、より確実に攪拌することができる。
【0038】
ここで、スラリー燃料10が供給される燃焼装置11が内燃機関の場合、その反応圧力は、ガスタービン、マイクロガスタービン、ディーゼルエンジン等で異なるが、おおよそ0.2〜16MPa程度であり、少なくとも大気圧(約0.1MPa)よりも高い。
【0039】
そして、本実施の形態に係る反応装置における圧力は9〜12MPa程度なので、スラリー燃料タンク8内部が上記内燃機関の反応圧力の範囲になるようにすれば、スラリー燃料タンク8から燃焼装置11へ配設された高圧配管に設けられた不図示の高圧バルブの開閉を制御するだけでよい。
【0040】
そして、この高圧バルブを必要に応じて開閉することで、スラリー燃料10を燃焼装置11に供給し、燃焼することでエネルギーを発生し発電が行われる。この構成によれば、特に減圧装置や高圧ポンプを必要とせず高圧エネルギーを利用して、あるいは必要であっても小型の減圧装置や高圧ポンプと高圧エネルギーを利用して燃料の供給及び加圧を行うことができる。
【0041】
次に、工場2で発生する廃液4からエネルギーを回収する方法について述べる。嫌気性消化装置9は、水溶性又は高含水率の有機性廃棄物である廃液4を処理するものであり、本実施の形態のバイオガス抽出工程を実現するためのバイオガス抽出手段である。
【0042】
この嫌気性消化装置9には、嫌気性微生物が含まれる汚泥等の消化液を貯蔵している。嫌気性微生物には、酸生成菌、メタン生成菌等の有機物を分解するバクテリアが挙げられる。また、燃焼装置11において発生した熱を利用する熱交換システム25から、熱交換装置23を介して、嫌気性消化装置9を分解に適した温度に保つための熱エネルギーを得ている。
【0043】
嫌気性消化装置9では、上記のような構成により、廃液4を低分子化して有機酸を生成しメタンガス(バイオガス)を生成する、所謂メタン発酵処理を行う。嫌気性消化装置9で生成されたメタンガス(バイオガス)は、主に燃焼装置11に供給され、過剰に生成された場合などには加熱装置6に供給されることによって有効に消費される。
【0044】
不図示の混合気生成装置は、嫌気性消化装置9で生成されたメタンガスを空気と理想的な空燃比となるような混合気を生成する。
【0045】
本実施の形態において燃焼装置11とは、上述の内燃機関だけでなく、ガスタービンエンジン、マイクロガスタービンエンジン、ガスエンジン、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関、ボイラー等の外燃機関、燃料電池等、有機物の分解反応から動力を得ることができる反応装置を含むものである。この燃焼装置11は、前述した固形廃棄物3から生成されたスラリー燃料10と、固形廃棄物3及び廃液4から生成されたメタンガスであるバイオガス12とを燃料として用いる。また、熱交換装置22により、燃焼により発生した熱を熱交換システム25に供給することでエネルギーを有効に利用している。
【0046】
(第2の実施の形態)
図3を用いて本発明の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態においては、脱水装置7から送り出されたスラリー燃料10を一時的にスラリー燃料タンク8に貯蔵し、適宜燃焼装置11に供給する構成について説明したが、本実施の形態では脱水装置7より燃焼装置11にスラリー燃料10を供給する構成について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ若しくは相当する構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
本実施の形態においては、スラリー燃料10が脱水装置7において高圧状態にあることを利用して、圧力調整手段である、脱水装置7に設けられた圧力弁14と、圧力弁14の開閉を制御する制御装置15とにより、燃焼装置11に直接スラリー燃料10を供給するものである。また、必要によってはアキュムレータを設置し、特に、固形廃棄物3の発生量が安定しており燃焼装置11が常に稼働するようなプラントであり、また、固形廃棄物3を改質しスラリー燃料10を製造するプラントとスラリー燃料10やバイオガス12を燃焼する燃焼装置11とが近接している場合に好適な構成である。かかる構成によれば、スラリー燃料タンクを設ける必要がなくなる。
【0048】
また、スラリー燃料10を製造するプラントとスラリー燃料10を燃焼し発電する燃焼装置11を隣接して配置することで、スラリー燃料10を脱水装置7から燃焼装置11まで供給するための高圧配管を短くすることができ、また、高圧配管が短くなることで高圧エネルギーの損失及び圧力低下に伴う補助ポンプの必要性がなくなる。その結果、設備を簡素化することができ、発電コストの低減にも寄与することとなる。
【0049】
上記の本実施の形態により、本発明は以下のような効果を実現できる。
【0050】
まず、本発明によれば、スラリー燃料製造時の高圧エネルギーを有効に利用することができる。
【0051】
また、スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して貯蔵されたスラリー燃料を攪拌し、あるいは、スラリー燃料を燃焼装置に供給するため、スラリー燃料タンク内のスラリー燃料を攪拌するためのポンプや、スラリー燃料を圧縮するための高圧ポンプを必要としない。
【0052】
(その他の実施の形態)
なお、本発明の燃料貯蔵装置、燃料供給装置及び発電システム有機性廃棄物燃料混合供給方法は、本実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0053】
例えば以下の実施態様に示した構成であっても前記の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0054】
(実施態様1)
有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置であって、
スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌することを特徴とする燃料貯蔵装置。
【0055】
(実施態様2)
少なくとも大気圧より高圧なスラリー燃料を燃料貯蔵装置内に噴射する噴射ノズルを備えたことを特徴とする実施態様1に記載の燃料貯蔵装置。
【0056】
(実施態様3)
有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を燃焼機関に供給する燃料供給装置であって、
スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して前記スラリー燃料を前記燃焼機関に供給することを特徴とする燃料供給装置。
【0057】
(実施態様4)
供給するスラリー燃料の圧力を調整する圧力調整手段を備えることを特徴とする実施態様3に記載の燃料供給装置。
【0058】
(実施態様5)
有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、
前記スラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌することを特徴とする発電システム。
【0059】
(実施態様6)
有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、
前記スラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を前記燃焼装置に供給することを特徴とする発電システム。
【0060】
(実施態様7)
有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して前記スラリー燃料を前記脱水装置から前記燃焼装置に供給することを特徴とする発電システム。
【0061】
本発明において、以上の各構成要素は、可能な限り組み合わせることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、スラリー燃料製造時の高圧エネルギーを効率よく利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る発電システムの概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係る燃料貯蔵装置の概略図である。
【図3】第2の実施の形態に係る発電システムの概略構成図である。
【図4】従来の燃料貯蔵装置の概略図である。
【符号の説明】
1 発電システム
2 工場
3 固形廃棄物
4 廃液
5 反応装置
6 加熱装置
7 脱水装置
8 燃料貯蔵装置(スラリー燃料タンク)
8a スラリー噴射ノズル
9 嫌気性消化装置
10 スラリー燃料
11 燃焼装置
12 バイオガス
13 有機性廃棄物
14 圧力弁
15 制御装置
20,21,22,23 熱交換装置
25 熱交換システム
Claims (7)
- 有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置であって、
スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌することを特徴とする燃料貯蔵装置。 - 少なくとも大気圧より高圧なスラリー燃料を燃料貯蔵装置内に噴射する噴射ノズルを備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料貯蔵装置。
- 有機性廃棄物から生成されたスラリー燃料を燃焼機関に供給する燃料供給装置であって、
スラリー燃料を生成するために加えられた圧力を利用して前記スラリー燃料を前記燃焼機関に供給することを特徴とする燃料供給装置。 - 供給するスラリー燃料の圧力を調整する圧力調整手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料供給装置。
- 有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、
前記スラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を攪拌することを特徴とする発電システム。 - 有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、
前記スラリー燃料を貯蔵する燃料貯蔵装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して貯蔵された前記スラリー燃料を前記燃焼装置に供給することを特徴とする発電システム。 - 有機性廃棄物を亜臨界水中或いは超臨界水中での反応により分解し炭化する反応装置と、
該反応装置を加熱する加熱装置と、
分解された前記有機性廃棄物の水分調整を行いスラリー燃料を生成する脱水装置と、
前記スラリー燃料を燃焼する燃焼装置と、を備え、
前記亜臨界水中或いは超臨界水中での反応の際に加えられた圧力を利用して前記スラリー燃料を前記脱水装置から前記燃焼装置に供給することを特徴とする発電システム。
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006072999A1 (ja) * | 2005-01-06 | 2006-07-13 | Megumi Yamada | 液状炭素燃料の製造方法及びその装置 |
| JP2007007622A (ja) * | 2005-07-04 | 2007-01-18 | Eco Material Kk | 有機系廃棄物の処理装置 |
| JP2019214028A (ja) * | 2018-06-14 | 2019-12-19 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 水熱処理装置及びバイオマス燃料製造プラント並びに水熱処理方法及びバイオマス燃料製造方法 |
-
2002
- 2002-11-13 JP JP2002365883A patent/JP2004163075A/ja active Pending
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