JP2004163533A - 感光性樹脂積層体 - Google Patents

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知紀 平松
Toru Wada
通 和田
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Abstract

【課題】従来よりも感光性樹脂層が加工性や硬化物の透明性及び低温時の弾性などに優れ、高品位の印刷画像が得られ、IRアブレーション層が高感度であり、かつ両層が水又は水系液体の現像液で現像可能であり、さらに現像時の現像液の汚れを少なくできる感光性樹脂積層体を提供すること。
【解決手段】少なくとも支持体、感光性樹脂層、IRアブレーション層およびカバーフィルムを有する感光性樹脂積層体であって、IRアブレーション層が、IR吸収性金属層を含み、かつ前記感光性樹脂層が少なくとも
(A)乳化重合で合成された親水性共重合体
(B)熱可塑性エラストマー
(C)光重合性不飽和単量体、及び
(D)光重合開始剤
を含有することを特徴とする感光性樹脂積層体。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性印刷原版や、その他のレリーフ板となり得る感光性樹脂積層体に関し、詳しくは、特にコンピュータ製版技術で印刷版を作製する際に使用する感光性樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、レタープレスやフレキソなどの凸版印刷やその他レリーフ板の分野において、デジタル画像形成技術としても知られているコンピュータ製版技術(コンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術)は、極めて一般的なものとなってきている。CTP技術では、感光性印刷版の重合するべきでない領域を覆うために従来から使用されている写真マスク(フォトマスクやネガフィルムともいう)は、印刷版内で形成統合されるマスクに取って代わられている。このような統合マスクを得るための方法として、市場には2つの技術が存在する。一つは感光性印刷原版上にインクジェットプリンターでマスクを印刷する方法であり、もう一つは感光層上に紫外線に対して実質的に不透明で(即ち紫外線を実質的に通さない)、かつ、IRレーザの照射により融除可能な層(この層は、一般に「IRアブレーション層」や「赤外融除層」等と呼ばれており、本明細書では「IRアブレーション層」と呼ぶこととする。)を設け、当該層にIRレーザで画像形成をすることでマスクを形成する方法である。これらの技術を用いることで画像(マスク)が版上に直接形成され、次の工程で当該画像(マスク)を介して紫外線が照射され、製版へといたる。
【0003】
なお、CTP技術はネガフィルムが必要でないという利便性を有するだけでなく、ネガフィルムを使用する従来技術に比べて遙かに高い解像度を与え得る。
【0004】
ところで、上記IRアブレーション層を有する感光性フレキソ印刷原版において、IRアブレーション層には、一般に、高分子バインダにカーボンブラックを多量に含有させた組成物が使用されている(例えば特許文献1参照)。また、通常、IRアブレーション層上には、原版の保存時や取り扱いの際のIRアブレーション層の保護のためにカバーフィルムが設けられており、このカバーフィルムはIRレーザの照射前またはIRレーザの照射後(通常、主露光後、現像前の時点)に除去される。しかし、本発明者等の研究の結果、カバーフィルムを剥がす際にIRアブレーション層に破れ(破損)やキズを生じ、それが最終的に得られる印刷画像に悪影響を及ぼしていることが判った。また、IRアブレーションを実施後、主露光し(紫外線の照射を行い)、現像液で現像する際に、IRアブレーション層中のカーボンブラックが現像液へ移行して現像液が汚れ、現像液を一回の製版作業毎に交換しなければならず、これが印刷コストの上昇の原因になっている。
【0005】
【特許文献1】特許第2916408号公報(第1頁特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、従来よりも感光性樹脂層が加工性や硬化物の透明性及び低温時の弾性などに優れ、高品位の印刷画像が得られ、IRアブレーション層が高感度であり、かつ両層が水又は水系液体の現像液で現像可能であり、さらに現像時の現像液の汚れを少なくできる感光性樹脂積層体を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究した結果、IRアブレーション層をIR吸収性金属からなる金属層(以下、「IR吸収性金属層」ともいう)を含む構成とし、さらに感光性樹脂を特定することで、上記従来の問題が解消されて、高品位の印刷画像が得られ、しかも、現像液の汚れを低減できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)少なくとも支持体、感光性樹脂層、IRアブレーション層およびカバーフィルムを有する感光性樹脂積層体であって、IRアブレーション層が、IR吸収性金属層を含み、かつ前記感光性樹脂層が少なくとも
(A)乳化重合で合成された親水性共重合体
(B)熱可塑性エラストマー
(C)光重合性不飽和単量体、及び
(D)光重合開始剤
を含有することを特徴とする感光性樹脂積層体。
(2)感光性樹脂性層の親水性共重合体(A)がその重量100重量部に対して、反応性乳化剤を1〜20重量部、非反応性乳化剤を1重量部未満用いて乳化重合されたものである前記(1)記載の感光性樹脂積層体。
(3)IRアブレーション層の上に非IR感受性高分子樹脂層が設けられた前記(1)記載の感光性樹脂積層体。
(4)IR吸収性金属層が感光性樹脂層に接触配置されている前記(1)記載の感光性樹脂積層体。
(5)IR吸収性金属層がアルミ蒸着層である前記(1)記載の感光性樹脂積層体。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明を図面を用いて説明すると、図1は本発明における感光性樹脂積層体の積層構成の概略断面図であり、支持体1、感光性樹脂層2、IR吸収性金属層3、非IR感受性高分子樹脂層4およびカバーフィルム5を順次積層した構成である。
なお、図1においてはIRアブレーション層が、IR吸収性金属層3のみ一層であるが、IRアブレーション層として、IRレーザの照射により融除されるような物質であれば何でもよく、IR吸収性金属層の上に積層されていてもよい。本発明感光性樹脂積層体においては、非IR感受性高分子樹脂層が存在しても存在しなくてもよいが、図1に示すように、非IR感受性高分子樹脂層4がIRアブレーション層であるIR吸収性金属層3上に存在することにより、カバーフィルム5の剥離作業によってもIR吸収性金属層3に破れやキズが発生しにくいので好ましい。
さらに、本発明においては、IR吸収性金属層3を感光性樹脂層2に接触配置(直接積層)している方が好ましく、それによりIR吸収性金属層3と感光性樹脂層2との間に他の層(有機高分子の層や有機高分子を含む組成物の層)を介在させないので、IRアブレーション後、主露光および現像して得られるレリーフの解像度が充分に高いものとなる。
【0010】
また、本発明においては、前記非IR感受性高分子樹脂層がUV吸収機能を有していることが好ましく、非IR感受性有機高分子層にUV吸収物質を配合する方法、あるいは反応性UV吸収物質をモノマーと共重合し高分子層とする方法等がある。
前者としては、一般的な有機高分子として、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ゴム類、エポキシ化合物、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、両性インターポリマー、アルキルセルローズ、セルローズ系ポリマー(特にヒドロキシプロピルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ニトロセルローズ)、エチレンとビニルアセテートのコポリマー、セルローズアセテートブチレート、ポリブチラール等が挙げられる。これらは、いずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0011】
UV吸収物質としては、一般的なUV吸収剤であるベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリシレート系化合物、インドール系化合物等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等がある。ベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ditert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ditert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ditert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等がある。サリシレート系化合物としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等がある。また、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸プロピレングリコールエステル等のナフタレン骨格を有する化合物、9−アントラセンメタノール等のアントラセン骨格を有する化合物、ジヒドロチオ−p−トルイジン等のベンゾチアゾール骨格を有する化合物、キナゾリジンジオン等のキナゾリン骨格を有する化合物も使用できる。また、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等のラジカル重合可能な化合物とベンゾフェノン骨格、或いは、ベンゾトリアゾール骨格を持ち、且つ、ラジカル重合可能なUV吸収剤を共重合させた高分子UV吸収剤も使用できる。また、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよびアルミナのような無機化合物も使用できる。また、トルイジンレッド、トルイジンイエロー、銅フタロシアニン、キナクリドン、トルイジンYW、ウォチュンレッドBWC、トルイジンイエローGW、モナストラルブルーBW、モナストラルグリーンBW、顔料スカーレット、オーリックブラウン、モナストラルグリーン、モナストラルマロンB、モナストラルオレンジ、カーボンブラック、グラファイト等の顔料も使用できる。これらは、いずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0012】
なお、前記UV吸収物質の配合量としては、非IR感受性有機高分子層に対して、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜40重量%、特に望ましくは1〜30重量%である。0.1重量%未満ではUV吸収性が著しく低下し露光ラチチュード拡大に効果はないので好ましくなく、一方、50重量%を超えると露光時間が長すぎて実用性が無かったり、非IR感受性高分子樹脂層が脆くなったりするので好ましくない。
【0013】
非IR感受性高分子樹脂層の365nmにおける吸光度は、0.05〜1.00が好ましい。0.05未満では露光ラチチュードの拡大に効果なく、1.00以上では露光時間が長すぎて実用性がない。非IR感受性高分子樹脂層の厚みは、0.01〜200μm、好ましくは0.1〜100μm、特に好ましくは0.1〜50μmである。厚みが200μmを超えると、IRアブレーションをする際に用いるドラムへの装着が困難となる。
【0014】
本発明において、「IR吸収性金属」とは、IRを吸収して融除され得る、金属、合金または含金属化合物を意味し、ここでの合金とは、2種以上の金属元素の融合物だけでなく、2種以上の金属元素とともに金属元素以外の元素を含む融合物も含む。また、「IR吸収性金属」は1種の材料でも2種以上の材料を併用してもよい。
【0015】
上記金属の好ましい例としては、Al、Zn、Cuが挙げられる。また、上記合金の好ましい例としては、Al、Ca、Sc、Tl、V、Sb、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Ta、W、Au、BiおよびPbから選ばれる2種以上の金属の合金や、かかる2種以上の金属とともに、さらに非金属元素(炭素、ケイ素等)および/または希土類元素(Nd、Sm、Gd、Tb等)を含む合金、が挙げられる。また、含金属化合物としては、IRを吸収して融除され得るものであれば、金属酸化物、金属窒化物等の各種化合物を使用できるが、それらの中でも、亜クロム酸銅、酸化クロム、アルミン酸コバルト−クロム等の暗色無機顔料が好ましい。
【0016】
なお、IRアブレーション層の破れやキズつきの防止(膜強度)の点から、IR吸収性金属には、金属、合金を用いるのが好ましく、特に好ましくはAl、Zn、Cu、Bi−In−Cu合金であり、とりわけ好ましくはAlである。
【0017】
本発明において、IRアブレーション層は実質的に紫外線(化学線)を透過させない。すなわち、化学線に対する光学濃度が2.0を超える値であり、好ましくは2.5を超える値である。
【0018】
IRアブレーション層をIR吸収性金属層のみで構成する場合、IR吸収性金属層の厚みは、70〜20000Åが好ましく、特に好ましくは100〜8000Å、とりわけ好ましくは100〜5000Åである。厚みが70Å未満であると、IRアブレーション後のマスクとしての機能が劣るので好ましくなく、また、20000Åを超えると、画像形成用のIRではアブレーション(融除)することが困難になるので、好ましくない。
【0019】
本発明において、感光性樹脂層2で使用される親水性共重合体(A)とは、少なくとも親水性の不飽和単量体を用いて乳化重合して得られる。親水性の不飽和単量体には、酸性官能基含有不飽和単量体が好ましい。酸性官能基含有不飽和単量体にはカルボキシル基やスルホン酸基やリン酸基、あるいはホウ酸基を有するエチレン性不飽和単量体などが例示される。より具体的には一塩基酸単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、桂皮酸、スチレンスルホン酸、およびこれらの一塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、等が例示できる。二塩基酸単量体としては、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、ムコン酸、およびこれらの二塩基酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、等が例示できる。これらの酸性官能基含有不飽和単量体は、その1種又は2種以上を用いることができる。
【0020】
酸性官能基含有不飽和単量体の使用量は不飽和単量体全量のうち1〜30重量%が好ましく、これ以下だと水系現像が困難となり、これ以上だと感光性樹脂の吸湿量の増加したり、インキの膨潤量の増加したり、感光性樹脂の混合時の加工性が悪化したりするため好ましくない。親水性共重合体(A)の共重合に用いられる酸性官能基含有不飽和単量体以外の不飽和単量体としては、共役ジエン、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基を有するエチレン系モノカルボン酸アルキルエステル単量体、不飽和二塩基酸アルキルエステル、無水マレイン酸、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ハロゲン化ビニル類、アミノ基を有する塩基性単量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体、アリル化合物等があげられる。
【0021】
より具体的には、共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等が例示できる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、等が例示できる。
【0022】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メトキシポリエチリングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、イソボルニル(メタ)アクリレート等が例示できる。
【0023】
水酸基を有するエチレン系モノカルボン酸アルキルエステル単量体としては例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸1−ヒドロキシプロピル、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。不飽和二塩基酸アルキルエステルとしてはクロトン酸アルキルエステル、イタコン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル、等を例示できる。
【0024】
シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を例示できる。(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド等を例示できる。ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルステアレート、ビニルラウレート、ビニルミリステート、ビニルプロピオネート、バーサティク酸ビニル等を例示できる。
【0025】
ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等を例示できる。ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等を例示できる。アミノ基を有する塩基性単量体としては、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、等を例示できる。
【0026】
オレフィンとしては、エチレン等を例示できる。ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン等を例示できる。アリル化合物としては、アリルエステル、ジアリルフタレート、等を例示できる。その他、トリアリルイソシアヌレート等の3個以上の二重結合を有する単量体も使用できる。
【0027】
これらの単量体は単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。共役ジエンとその他の共重合可能な単量体の量比は通常5/95から95/5の間にあり、好ましくは50/50から90/10である。この範囲を超えるとフレキソ印刷用感光樹脂のゴム弾性を悪化させるため好ましくない。
【0028】
親水性共重合体(A)は乳化重合で重合され、重合時に使用される乳化剤(界面活性剤)には、少なくとも反応性乳化剤を用いることが必須である。本発明において用いることのできる反応性乳化剤とは、分子構造中にラジカル重合性の二重結合、親水性官能基および疎水性基をそれぞれ有し、かつ一般の乳化剤と同様に、乳化、分散、および湿潤機能を持つもので、親水性共重合体を乳化重合するときに、反応性乳化剤を除いた不飽和単量体100重量部に対して、単独で0.1部以上用いることで粒径が5〜500nmの重合物が合成できる乳化(界面活性)剤である。分子構造中のラジカル重合性の二重結合の構造例としてはビニル基、アクリロイル基、あるいはメタアクリロイル基などが上げられる。分子構造中の親水性官能基の例としては硫酸基、硝酸基、燐酸基、ホウ酸基、カルボキシル基等のアニオン性基、またはアミノ基等のカチオン性基、またはポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピ
レン等のポリオキシアルキレン鎖構造等や水酸基等が上げられる。分子構造中の疎水性基としてはアルキル基、フェニル基等が上げられる。この反応性乳化剤はその構造に含まれる親水性官能基の構造種類によりアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤等を含みむ。また、分子構造中のラジカル重合性の二重結合、親水性官能基および疎水性基は複数の種類の構造、官能基を有することも可能である。
【0029】
このような反応性乳化剤として使用できるもののうち一般的に市販されているものを以下に示すと、アニオン界面活性剤としては、アデカリアソープSE(旭電化工業)、アクアロンHSやBCやKH(第一工業製薬)、ラテムルS(花王)、アントックスMS(日本乳化剤)、アデカリアソープSDXやPP(旭電化工業)、ハイテノールA(第一工業製薬)、エレミノールRS(三洋化成工業)、スピノマー(東洋曹達工業)など、非イオン界面活性剤としては、アクアロンRNやノイゲンN(第一工業製薬)、アデカリアソープNE(旭電化工業)などを例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において反応性乳化剤の量は、親水性共重合体(a)100重量部に対して、1〜20重量部の範囲である。反応性乳化剤の量が1重量部以上の場合に充分な画像再現性が得られ、20重量部以下の時に良好な耐印刷性が達成される。
【0030】
必要に応じて用いられる非反応性乳化剤とは、脂肪酸せっけん、ロジン酸せっけん、スルホン酸塩、サルフェート、リン酸エステル、ポリリン酸エステル、サリコジン酸アシル等のアニオン界面活性剤、ニトリル化油脂誘導体、油脂誘導体、脂肪酸誘導体、α−オレフィン誘導体等のカチオン界面活性剤、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、プロポキシレート、脂肪族アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン界面活性剤が例示される。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
スルホン酸塩としては、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホン化油脂、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン酸塩、等が挙げられる。
これらの界面活性剤の他の例としては、「界面活性剤ハンドブック(高橋、難波、小池、小林:工学図書、1972)」に記載されているものなどがあげられる。非反応性乳化剤は、親水性共重合体(a)100重量部に対して、1重量部未満であることが必要である。1重量部未満の場合に印刷版が適切な水膨潤率を示し、インキ付着時の耐摩耗性の低下及び吸湿後の画像再現性の低下を防ぐことができる。
【0032】
親水性共重合体(A)の乳化重合方法としては、重合可能な温度に調製された反応系にあらかじめ所定量の水、乳化剤、その他添加剤を仕込み、この系に重合開始剤および不飽和単量体、乳化剤、調整剤等を回分操作あるいは連続操作で反応系内に添加するのが一般的である。また必要に応じて反応系には所定量のシードラテックス、開始剤、不飽和単量体、その他の調整剤をあらかじめ仕込んで置くことも通常良く用いられる方法である。また不飽和単量体、乳化剤、その他の添加剤、調整剤を反応系へ添加する方法を工夫することによって、合成される親水性共重合体粒子の層構造を段階的に変える事も可能である。この場合、各層の構造を代表する物性としては、親水性、ガラス転移点、分子量、架橋密度などが上げられる。また、この層構造の段階数は特に制限されない。
【0033】
親水性共重合体(A)の重合には、既知の連鎖移動剤を用いることができる。例をあげれば、硫黄元素を含む連鎖移動剤として、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、等のアルカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール等のチオアルキルアルコール、チオグリコール酸、チオプロピオン酸等のチオアルキルカルボン酸、チオグリコール酸オクチルエステル、チオプロピオン酸オクチルエステル等のチオカルボン酸アルキルエステル、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィドがあげられる。その他に、連鎖移動剤の例としては、ターピノーレン、ジペンテン、t−テルピネンおよび四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素をあげることができる。これらの中で、アルカンチオールは連鎖移動速度が大であり、また得られる重合物の物性バランスが良いので好ましい。これらの連鎖移動剤は、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。これらの連鎖移動剤は単量体に混合して反応系に供給するか、単独で所定の時期に所定量添加される。これらの連鎖移動剤の使用量は、親水性共重合体(A)の重合に用いられる不飽和単量体全量のうち、好ましくは0.1〜10重量%であり、この範囲以下では感光性樹脂の混合を行うときの加工性が悪化し、この範囲の以上では分子量を著しく低下させるため好ましくない。
【0034】
親水性共重合体(A)の重合には必要に応じて重合反応抑制剤が用いることができる。重合反応抑制剤とは、乳化重合系に添加することにより、ラジカル重合速度を低下させる化合物である。より具体的には、重合速度遅延剤、重合禁止剤、ラジカル再開始反応性が低い連鎖移動剤、およびラジカル再開始反応性が低い単量体である。重合反応抑制剤は、重合反応速度の調整およびラテックス物性の調整に用いられる。これらの重合反応抑制剤は回分操作あるいは連続操作で反応系に添加される。重合反応抑制剤を用いた場合、ラテックス被膜の強度が向上する傾向がある。反応メカニズムの詳細は不明であるが、重合反応抑制剤はポリマーの立体構造に密接に関与していると思われ、このことによりラテックス被膜の物性の調整に効果があるものと推定している。これらの重合反応抑制剤の例としては、o−,m−,あるいはp−ベンゾキノンなどのキノン類、ニトロベンゼン、o−,m−,あるいはp−ジニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ジフェニルアミンのようなアミン類、第三ブチルカテコールのようなカテコール誘導体、1,1−ジフェニルエチレンあるいはα−メチルスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどの1,1−ジ置換ビニル化合物、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、シクロヘキセン等の1,2−ジ置換ビニル化合物などがあげられる。この他にも、「POLYMER HANDBOOK 3rd Ed.(J.Brandup,E.H.Immergut:John Wiley & Sons,1989)」、「改訂高分子合成の化学(大津:化学同人、1979.)」に重合禁止剤あるいは重合抑制剤として記載されている化合物があげられる。これらの中でも、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(α−メチルスチレンダイマー)が反応性の点で特に好ましい。これらの重合反応抑制剤は、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。これらの重合反応抑制剤の使用量は、親水性共重合体(A)の重合に用いられる不飽和単量体全量のうち、10重量%以下が好ましい。これ以上では重合速度を著しく低下させるため好ましくない。
【0035】
前記ラジカル重合開始剤は、熱または還元性物質の存在下ラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであり、無機系開始剤および有機系開始剤のいずれも使用できる。このようなものとしては、例えば水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、また他に、POLYMER HANDBOOK (3rd edition)、J.BrandrupおよびE.H.Immergut著、John Willy&Sons刊(1989)に記載されている化合物が挙げられる。また、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリットなどの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合法を採用することもできる。これらの中で特にペルオキソ二硫酸塩が重合開始剤として好適である。この重合開始剤の使用量は、全不飽和単量体の重量に基づき、通常0.1〜5.0重量%の範囲から、好ましくは0.2〜3.0重量%の範囲から選ばれる。この範囲以下では親水性共重合体の合成時の安定性を得られ難く,この範囲以上では感光性樹脂の吸湿量が増加するため好ましくない。
【0036】
必要に応じ各種重合調整剤を添加することができる。例えば、pH調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどのpH調整剤を添加することができる。また、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどの各種キレート剤なども重合調整剤として添加することもできる。また、その他の添加剤としてはアルカリ感応ラテックス、ヘキサメタリン酸などの減粘剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子、増粘剤、各種老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、ポリアクリル酸ナトリウムなどの分散剤、耐水化剤、亜鉛華等の金属酸化物、イソシアネート系化合物、エポキシ化合物等の架橋剤、滑剤、保水剤等の各種添加剤を添加してもさしつかえない。これらの添加剤の添加方法は特に制限されず親水性共重合体の合成時、合成後に関わらず添加することができる。この乳化重合における重合温度は、通常60〜120℃の範囲で選ばれるが、前記レドックス重合法等により、より低い温度で重合を行っても良い。さらに酸化還元触媒として、金属触媒、例えば、2価の鉄イオン、3価の鉄イオン、銅イオンなどを共存させてもよい。
【0037】
親水性共重合体(A)の粒子径は500nm以下が好ましく、特に100nm以下が好ましい。粒径が大きすぎると水系現像性が低下するため好ましくない。また、親水性共重合体(A)のトルエンゲル分率は、60〜99%が好ましい。ゲル分率がこの範囲を下回ると印刷版の強度が低下し、この範囲を超えると親水性共重合体と熱可塑性エラストマーとの混合性が著しく低下する。トルエンゲル分率とは、親水性共重合体(A)の乳化重合後の濃度が約30wt%の分散液を、テフロン(登録商標)シートの上に適当量垂らし、130℃で30分間乾燥させた(A)を0.5g取り、25℃のトルエン30mlに浸漬させ、振とう器を用いて3時間振とうさせた後に320SUSメッシュで濾過し、不通過分を130℃1時間乾燥させた後の重量を0.5(g)で割った重量分率(%)から求められる。親水性共重合体(A)の量は、フレキソ印刷用感光性樹脂組成物100重量部に対し、20〜60重量部が望ましい。少なすぎると、水系現像性が低下するし、多すぎると、水分の吸湿性が増加したり、インキの膨潤性が増加するため好ましくない。
【0038】
熱可塑性エラストマー(B)には、常温付近でゴム弾性を示し、塑性変形し難く、押出機等で組成物を混合するときに熱で可塑化するエラストマーで、熱可塑性ブロック共重合体、1,2―ポリブタジエン、ポリウレタン系エラストマー等を例示することができる。
【0039】
これらのうち、熱可塑性ブロック共重合体が好ましく、この中でも、モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーを重合して得られるものがより好ましい。モノビニル置換芳香族炭化水素モノマ−としては、スチレン,α−メチルスチレン,p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等が、また共役ジエンモノマ−としてはブタジエン,イソプレン等が用いられ、代表的な例としてはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。ここで熱可塑性エラスマー中におけるモノビニル置換芳香族炭化水素の含量については、低い場合は感光性エラストマー組成物のコールドフローを引き起こして良好な厚み精度が得られず、また高い場合はフレキソ版の硬度が高くなりすぎて良好な印刷品質が得られないため、8〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
【0040】
熱可塑性エラストマーの共役ジエンセグメント中のビニル結合単位はレリーフの再現性向上に寄与するが、同時にフレキソ版表面の粘着性を高める原因にもなる。この両特性のバランスをとる観点でビニルセグメントの平均比率は5〜40%が好ましく、さらに好ましい範囲としては10〜35%である。モノビニル置換芳香族炭化水素及び共役ジエンの平均含有量や、熱可塑性エラストマー中のビニル結合単位の平均比率は、IRスペクトルやNMRで求められる。熱可塑性エラストマー(B)の量は、フレキソ印刷用感光性樹脂組成物100重量部に対して10〜40重量部が好ましい。少なすぎると、極性のあるインキの膨潤率が増加したり、物性(伸長率(伸び))が低下するし、多すぎると水系現像性が低下するため好ましくない。本発明で使用される(C)の光重合性不飽和単量体とは、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのエステル類、アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体、アリルエステル、スチレン及びその誘導体、N置換マレイミド化合物をあげられる。
【0041】
その具体的な例としては、ヘキサンジオール、ノナンジオールなどのアルカンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコールのジアクリレート及びジメタクリレート、あるいはトリメチロールプロパントリアクリレート及びトリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びテトラメタクリレート等や、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチルエステル、フマル酸ジオクチルエステル、フマル酸ジステアリルエステル、フマル酸ブチルオクチルエステル、フマル酸ジフェニルエステル、フマル酸ジベンジルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、マレイン酸ジオクチルエステル、フマル酸ビス(3−フェニルプロピル)エステル、フマル酸ジラウリルエステル、フマル酸ジベヘニルエステル、N−ラウリルマレイミド等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
成分(C)の光重合性不飽和単量体は配合量が少なすぎると、細かい点や文字の形成性を低下させてしまう。また、配合量が多すぎると、未硬化版の貯蔵・輸送時の変形が大きくなるし、得られた版の硬度が高くなって、表面凹凸のある紙質の悪い被印刷体への印刷におけるベタ部分のインキ乗りを損なう等の弊害を生じるため、フレキソ印刷用感光性樹脂組成物100重量部に対して1〜30重量部用いるのが望ましい。
【0043】
光重合開始剤(D)の例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチロールベンゾイン、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェイニルエーテル、α−t−ブチルベンゾイン、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン、2,2−ジエチキシフェニルアセトフェノン、ベンジル、ピバロイン、アンスラキノン、ベンズアンスラキノン、2−エチルアンスラキノン、2−クロルアンスラキノン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0044】
成分(D)の光重合開始剤は少なすぎると、細かい点や文字の形成性を低下させてしまう。また、配合量が多すぎると、感光性樹脂組成物の紫外線等の活性光透過率を低下させることから却って露光感度を低下する弊害が現れるため、フレキソ印刷用感光性樹脂組成物100重量部に対して0.1〜10重量部用いることが望ましい。その他、本発明の感光性樹脂組成物には前記した必須成分の他に、所望に応じ種々の補助添加成分、例えば可塑剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤などを添加することができる。可塑剤としては、ナフテン油、パラフィン油等の炭化水素油、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンの末端変性物、液状アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体、数平均分子量2,000以下のポリスチレン、セバチン酸エステル、フタル酸エステルなどが上げられる。
【0045】
感光性樹脂層2は各成分の材料を適宜変更することにより、当該技術者は、所望の溶解度特性に従い、水溶性現像液、半水溶性現像液又は有機溶剤性現像液に可溶或いは分散する光重合性層を製造することができる。
【0046】
次に、本発明におけるカバーフィルムは原版の貯蔵および取り扱いの間のIRアブレーション層の保護のために設けられるものであり、IR照射前またはIR照射後に除去(剥離)される。本発明の原版においては、カバーフィルム5の除去、すなわち、剥離作業時に、IRアブレーション層の破れやキズが防止される。
【0047】
本発明においては、カバーフィルムをIR照射前に除去しても、IR照射後に除去(IR照射時に存在させる場合)してもよく、カバーフィルムをIR照射前に除去する場合、そのようなカバーフィルムの構成材料としては、ポリアミド;ポリビニルアルコール;エチレンとビニルアセテートとのコポリマー;両性インターポリマー;ヒドロキシアルキルセルローズ、セルローズアセテートのようなセルローズ系ポリマー;ポリブチラール;環状ゴム等が好適である。ここで、両性インターポリマーは米国特許第4,293,635号に記載されているものである。当該材料はいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、ニトロセルローズとニトログリセリンのような自己酸化性化合物;アルキルセルローズ(例、エチルセルローズ)、ポリアクリル酸およびそのアルカリ金属塩のような非自己酸化性ポリマー;ポリアセタール;ポリイミド;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリエチレン、ポリブチレンのようなポリアルキレン;ポリフェニレンエーテル;ポリエチレンオキサイド;ポリラクトンおよびこれらの組合せ等も使用できる。
【0048】
一方、カバーフィルムをIR照射後に除去する場合(IR照射時に存在させる場合)、そのようなカバーフィルムの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド等が好適である。これらはいずれかを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、これらに他の有機重合体を少量共重合したり、ブレンドしたりしてもよい。
【0049】
カバーフィルムの厚みは10〜300μmが好ましく、特に好ましくは10〜200μmである。
【0050】
なお、本発明において、カバーフィルムは離型層を介してIR吸収性金属層上あるいは非IR感受性高分子樹脂層上に設けてもよく、該離型層の材料としては、シリコーン離型剤、フッ素樹脂、ステアリン酸系樹脂、ポリエチレンワックス、流動性パラフィン等が好適であり、厚みとしては0.001〜10μm程度が好ましく、特に好ましくは0.001〜5μmである。
【0051】
本発明における支持体は、可撓性を有し、かつ、寸法安定性に優れた材料が好ましく用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、或いはポリカーボネートを挙げることができる。支持体1の厚みは50〜250μm、好ましくは100〜200μmが原版の機械的特性、形状安定性あるいは印刷版製版時の取り扱い性等から好ましい。また、必要により、支持体と感光性樹脂層との接着を向上させるために、この種の目的で従来から使用されている公知の接着剤を表面に設けてもよい。
【0052】
本発明の感光性樹脂積層体を作製する方法は特に限定されないが、一般的には、支持体上に塗布、スプレーコーティング等で感光性樹脂層を形成するか、若しくは、市販の感光性フレキソ印刷版から保護フィルムを剥がすことで一方の積層体を作成し、さらにこれとは別に、基材フィルム(カバーフィルム)に真空蒸着、スパッタリング等でIR吸収性金属層を形成するか、若しくは、基材フィルム(カバーフィルム)に塗布、スプレーコーティング等で非IR感受性高分子樹脂層を形成後、これに続けて真空蒸着、スパッタリング等でIR吸収性金属層を形成して他方の積層体を形成し、このようにして得られた2つの積層体をヒートプレス機等を用いてラミネートすることにより作製する。ラミネート条件は、温度を室温〜150℃、好ましくは50〜120℃とし、圧力を20〜200kg重/cm、好ましくは50〜150kg重/cmとするのがよい。
【0053】
本発明感光性樹脂積層体から、例えば印刷版またはレリーフ板の作製は以下のようにして行うことができる。
カバーフィルムを剥がした後、または、残したまま、IRアブレーション層にIRレーザによる画像照射を行いことでIRアブレーションを実施し、感光性樹脂層上にマスクを形成する。適当なIRレーザの例としては、ND/YAGレーザ(1064nm)又はダイオードレーザ(例、830nm)を挙げることができる。コンピュータ製版技術に適当なレーザシステムは、市販されており、例えばダイオードレーザシステムOmniSetter(登録商標)(Fa. Misomex;レーザ波長:830nm;作業幅:1800mm)或いはND/YAGレーザシステムDigilas(登録商標)(Fa. Schepers)を挙げることができる。これらは、それぞれ感光性フレキソ印刷原版を保持する回転円筒ドラム、IRレーザの照射装置およびレイアウトコンピュータを含む。画像情報は、レイアウトコンピュータからレーザ装置に直接移される。
【0054】
次に、上記のようにして、マスクをIRアブレーション層に書き込んだ後、感光性印刷原版にマスクを介して化学線を全面照射する。これはレーザシリンダ上において直接行うことが有利である。或いは、版を、レーザ装置から取り外し、慣用の平板な照射ユニットで照射してもよい。照射工程の間、感光性樹脂層は上記マスクの形成工程(融除工程)で露出した領域において重合し、一方照射光を通さないIRアブレーション層によりなお被覆されているIRアブレーション層領域では、重合は起こらない。化学線の照射は、慣用の真空フレームで酸素を除去して行うことも可能であるが、大気酸素の存在下に行うことが有利である。
【0055】
上記のようにして化学線が照射された版は、現像工程に供される。現像工程は、慣用の現像ユニットで実施することができ、版の性質に応じて、水、有機溶剤またはこれらの混合物を使用することができる。現像の間に、感光性樹脂層の非重合領域及びIRアブレーション層の残留部は除去される。IRアブレーション層を1種の溶剤又は溶剤混合物でまず除去し、別の現像剤で感光性樹脂層を現像することも可能である。現像工程後、得られた印刷版は乾燥させる。版の乾燥条件は、例えば、45〜80℃で15分〜4時間である。乾燥後に、幾つかの後処理操作をさらに行ってもよい。例えば、印刷版を非粘着性にするために、殺菌灯の照射又はBrによる処理を行うことができる。
【0056】
【実施例】
次に、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。
実施例1
(親水性共重合体の重合)
撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に水125重量部、表1に示す反応性乳化剤仕込量の50%を初期仕込みし、内温を80℃に昇温し、スチレン10重量部、ブタジエン60重量部、ブチルアクリレート23重量部、メタアクリル酸5重量部、アクリル酸2重量部からなる単量体混合物とt−ドデシルメルカプタン2重量部の油性混合液と、水28重量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.2重量部、水酸化ナトリウム0.2重量部、表1に示す反応性乳化剤仕込量の50%からなる水溶液をそれぞれ5時間および6時間かけて一定の流速で添加した。ついで、80℃の温度をそのまま1時間保って、重合反応を完了した後、冷却した。更に、生成した共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpHを7に調整した後スチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、最終的にはろ液の固形分濃度が40重量%になるように調整して親水性共重合体溶液を得た。乳化重合した溶液を60℃で乾燥し親水性共重合体を得た。
(感光性樹脂組成物の作製)
親水性共重合体35重量部と、スチレンブタジエンブロック共重合体[クレイトンD−KX405:シェル化学製]25重量部を、加圧ニーダーを用いて140℃で10分混合後に、 液状ポリブタジエン[B−2000:日本石油化学製]30重量部と、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート5重量部と、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート5重量部と、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン2重量部および、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1重量部を15分かけて少しずつ加えて、加え終えてさらに10分間混練し、感光性樹脂組成物を得た。
【0057】
A.蒸着シートの作製
ケミカルマット処理を施したPETフィルム(原反は東洋紡績(株)製のE5002で厚さ125μm、ケミカルマット処理は東洋クロスで実施)にポリビニルアルコール(日本合成化学工業製ゴーセノールKH20)/ポリエチレングリコール#600(ナカライテスク製)/UV吸収剤WF−825(山南化学製)/純水=2.0g/1.0g/0.5g/106.5gの比率で溶解した水溶液をバーコーター#26で塗布し、100℃、3分間乾燥して、乾燥後の厚みが2μmの塗膜を形成し、次いで、この塗膜の面に、真空蒸着法により、アルミニウムを約800Åの厚みに蒸着した。この時の吸光度は4.5であった。この吸光度は積分球付き分光光度計(日立製U−3210、波長365nm)で測定した。
【0058】
B.原版の作製
上記感光性樹脂組成物をPETフイルム(厚さ125μm)にポリエステル系接着剤が塗布された支持体と、上記Aで作製したアルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機を用いて100℃、100kg重/cmでラミネートし、PET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層およびケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)からなる感光性樹脂積層体(感光性フレキソ印刷原版)を得た。この版の総厚みは1.90mmであった。
【0059】
C.IRアブレーション
まず、レリーフ深度を通常用いられる約0.8mmにするため上記感光性フレキソ印刷原版のPET支持体側から化学線(光源Philips10R、365nmにおける照度7.5mW/cm)を20秒間照射することによって、裏露光を実施し、次にケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)を剥離した。この時保護フィルム(カバーフィルム)のみが剥がれ、ポリビニルアルコール層とアルミニウム蒸着層は感光性樹脂層上に残っていた。この感光性樹脂層上を10倍ルーペで拡大して観察したところ、ポリビニルアルコール層とアルミニウム蒸着層に破れやキズは認められなかった。この版を、Cyrel Digital Imager Spark(BARCO社製)の回転ドラムにポリビニルアルコール層が表側に、支持体のPETフィルムが裏側なるように巻き付け、真空引き後、ダイオードレーザで画像形成を行った。使用した本装置のレーザー出力は4.8mW、レーザー解像度は2540dpi、レーザースポット径は直径15μmであった。回転ドラムは1500rpmで回転させた。IRアブレーション後、版を取り出して10倍ルーペで拡大して観察したところ、問題なくアルミニウム蒸着層がアブレーションされていることを確認した。
【0060】
D.製版の実施
上記IRアブレーションした、デジタル画像マスクで覆われた感光性フレキソ印刷版全面に、化学線を15分間照射し、その後A&V(株)製現像機(Stuck System)で、40℃、6分間現像した。現像液には、食器洗剤Cascade(米国P&G製)を1%添加した水道水を用いた。現像工程中、IRアブレーション層の残部(アルミニウム蒸着層、ポリビニルアルコール層)および感光性樹脂層の非照射領域は除去され、化学線の照射領域が残った。現像後、60℃で20分間乾燥し、化学線で5分間照射し、最後に表面粘着を除去するため殺菌灯を5分間照射した。
出来上がったフレキソ印刷版を10倍の拡大ルーペで検査した。2ポイントの凸部および凹文字、30μm幅の細線、100μmの直径の独立点および156lpi、1%網点全ての試験パターンが正確に形成されていた。
【0061】
実施例2
A.蒸着シートの作製
ケミカルマット処理を施したPETフィルム(原反は東洋紡績製のE5002で厚さ125μm、ケミカルマット処理は東洋クロスで実施)にシリコーン離型剤(日本工材製NUCシリコーン)を約2秒間、約20cmの距離からスプレーした。その後、実施例1と同様にしてシリコーン離型剤のスプレー面に真空蒸着法により、アルミニウムを500Åの厚みに蒸着した。この時の光学濃度(OD)は3.0であった。
【0062】
B.原版の作製
実施例1と同様に、上記感光性樹脂組成物をPETフイルム(厚さ125μm)にポリエステル系接着剤が塗布された支持体と、前記アルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機を用いて100℃、100kg重/cmでラミネートし、PET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層およびケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)からなる版を得た。この版の総厚みは1.91mmであった。
【0063】
上記作製した原版に、実施例1と同様にして、裏露光を実施し、次にケミカルマット化PET保護フィルム(カバーフィルム)を剥離した。この時保護フィルムのみが剥がれ、アルミニウム蒸着層は感光性樹脂層上に残っていた。また、この感光性樹脂層上を10倍ルーペで拡大して観察したところ、アルミニウム蒸着層に破れやキズは認められなかった。次に、この裏露光後の版に、実施例1と同様にして、ダイオードレーザで画像形成(IRアブレーション)を行い、版を取り出して10倍ルーペで拡大して観察したところ問題なくアルミニウム蒸着層がアブレーションされていることを確認した。
この後、実施例1と同様にして、版の全面に化学線を照射し、さらに現像を行い、出来上がったフレキソ印刷版を10倍の拡大ルーペで検査したところ、2ポイントの凸部および凹文字、30μm幅の細線、100μmの直径の独立点および156lpi、1%網点全ての試験パターンが正確に形成されていた。
【0064】
実施例3
A.蒸着シートの作製
市販のアルミニウム蒸着CPPフィルム(未延伸ポリプロピレンフィルム:中井工業製ケミライトS、フィルム厚み25μm、アルミニウム蒸着厚み430Å)を用いた。
【0065】
B.原版の作製
実施例1と同様に、上記感光性樹脂組成物をPETフイルム(厚さ125μm)にポリエステル系接着剤が塗布された支持体と、前記アルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を重ね合わせ、ヒートプレス機を用いて100℃、100kg重/cmでラミネートし、PET支持体、感光性樹脂層、アルミニウム蒸着層およびCPPフィルムからなる版を得た。この版の総厚みは1.88mmであった。
【0066】
上記作製した原版に、実施例1と同様にして、裏露光を実施し、次にCPPフィルム(カバーフィルム)を剥離した。この時CPPフィルム(カバーフィルム)のみが剥がれ、アルミニウム蒸着層は感光性樹脂層上に残っていた。また、この感光性樹脂層上を10倍ルーペで拡大して観察したところ、アルミニウム蒸着層に破れやキズは認められなかった。次に、この裏露光後の版に、実施例1と同様にして、ダイオードレーザで画像形成(IRアブレーション)を行い、版を取り出して10倍ルーペで拡大して観察したところ問題なくアルミニウム蒸着層がアブレーションされていることを確認した。
この後、実施例1と同様にして、版の全面に化学線を照射し、さらに現像を行い、出来上がったフレキソ印刷版を10倍の拡大ルーペで検査したところ、2ポイントの凸部および凹文字、30μm幅の細線、100μmの直径の独立点および156lpi、1%網点全ての試験パターンが正確に形成されていた。
【0067】
比較例1
下記表1に示す成分を用いて、カーボンブラック、ポリビニルアルコール(日本合成化学社製ゴーセノールGH−23、熱分解開始温度220℃、極限酸素指数22.5)及び可塑剤を含む分散液を調製した。該分散液を、ナンバー26のバーコーターでPETフィルム(厚さ125μm)に塗布し、100℃、3分間乾燥して、水を蒸発させ、平滑で無粘着の塗布膜(4.1g/mの塗布量及び4.8の化学線領域の光学濃度)を得、つまりIRアブレーション層が設けられたカバーフィルムを得た。
【0068】
【表1】
Figure 2004163533
【0069】
原版の作製
上記作製したIRアブレーション層が設けられたPETフィルム(カバーフィルム)及び実施例1と同じ感光性フレキソ印刷原版を使用し、ヒートプレス機を用いて約100℃、100kg重/cmでラミネートし、PET支持体、感光性樹脂層、IRアブレーション層およびPETフィルム(カバーフィルム)からなる原版を得た。
次に、得られた原版のカバーフィルムであるPETフィルム(カバーフィルム)を剥がし、実施例1と同様にして化学線照射をする前に、IRアブレーション層を10倍ルーペで拡大して観察すると、一部が破れていたり、多数のキズが発生していた。
さらに、実施例1と同様にして、化学線照射後、現像したところ、現像液が多量のカーボンブラックで汚されたため、その現像液を次の版製造には使用できなかった。また、出来上がったフレキソ印刷版を10倍の拡大ルーペで検査したところ、前記のIRアブレーション層に発生したキズ等の影響により、所望とする画像以外の微小な凸部や、レリーフの欠損部が認められ、画像再現性の悪いものであった。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、カバーフィルムを剥がす際のIRアブレーション層の破れやキズの発生を防止できるので、高精度のマスク形成が可能であり、従って、高品位の印刷画像が得られる印刷版を得ることができる。また、現像時の現像液の汚れが少ないので、複数枚を連続して現像することができる等、産業界に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明感光性樹脂積層体の具体例の模式断面図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 感光性樹脂層
3 IR吸収性金属層(IRアブレーション層)
4 非IR感受性高分子樹脂層
5 カバーフィルム

Claims (5)

  1. 少なくとも支持体、感光性樹脂層、IRアブレーション層およびカバーフィルムを有する感光性樹脂積層体であって、IRアブレーション層が、IR吸収性金属層を含み、かつ前記感光性樹脂層が少なくとも
    (A)乳化重合で合成された親水性共重合体
    (B)熱可塑性エラストマー
    (C)光重合性不飽和単量体、及び
    (D)光重合開始剤
    を含有することを特徴とする感光性樹脂積層体。
  2. 感光性樹脂性層の親水性共重合体(A)がその重量100重量部に対して、反応性乳化剤を1〜20重量部、非反応性乳化剤を1重量部未満用いて乳化重合されたものである請求項1記載の感光性樹脂積層体。
  3. IRアブレーション層の上に非IR感受性高分子樹脂層が設けられた請求項1記載の感光性樹脂積層体。
  4. IR吸収性金属層が感光性樹脂層に接触配置されている請求項1記載の感光性樹脂積層体。
  5. IR吸収性金属層がアルミ蒸着層である請求項1記載の感光性樹脂積層体。
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