JP2004165181A - 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 - Google Patents

半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 Download PDF

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信之 竹橋
Toshiya Tanaka
利弥 田中
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Abstract

【課題】半導体素子を載置する載置部の平坦度を確保するとともに半導体素子の作動時に発生した熱の放熱性を良好なものとすることにより、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体素子収納用パッケージを得ること。
【解決手段】上面に半導体素子の載置部1aを有するセラミック製の基体1と、基体1の上面の外周部に載置部1aを囲むように取着された樹脂製の枠体3と、枠体3の下面と略同形で下面よりも枠部の幅が小さい、下面にその上側主面および側面が埋め込まれている前記上側主面から側面へと上に凸の曲面状となっている枠状の金属部材3bと、枠体3の側部に一端部が側部を貫通するようにして設けられた複数のリード端子2とを具備し、基体1の外形寸法は枠体3の外面寸法よりも小さく枠体3の内面寸法よりも大きく、基体1と枠体3とは基体1の上面の外周部から側面にかけて形成されたメタライズ層1bおよび金属部材3bの間が半田4で接合されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製の枠体を有する半導体素子収納用パッケージおよびこの半導体素子収納用パッケージを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LSI,IC,半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージともいう)は、図10に断面図で示すように、トランスファ成型法や射出成型法により成形されたエポキシ樹脂またはポリフェニレンサルファイト(PPS)等のエンジニアプラスチック等の電気絶縁性の樹脂で一体成形されて成る。この半導体パッケージは、上面に形成された凹部22aの底面の略中央部に半導体素子21を載置するための載置部22bを有する基体22と、一端部が基体22の側壁部23を貫通して設けられ、他端部が側壁部23の外側に突出しているとともに外部電気回路(図示せず)に電気的に接続される複数のリード端子24とから主に構成されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0003】
そして、基体22の載置部22b上に半導体素子21を載置固定するとともに半導体素子21の各電極をリード端子24にボンディングワイヤ等の電気的接続手段25を介して電気的に接続し、しかる後、側壁部23の上面に蓋体26を樹脂接着剤等の封止材を介して接合し、基体22と蓋体26とから成る容器内部に半導体素子21を収容することによって半導体装置となる。または、図11に示すように、基体22の凹部22aに樹脂27を充填することによって半導体装置となる。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−64689号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体パッケージでは、リード端子24を金型内の所定位置にセットして樹脂をトランスファ成型法や射出成型法で成型する際に、樹脂の硬化収縮および熱収縮により寸法精度を高めることが困難であり、半導体素子21を載置固定する載置部22bの平坦性を確保できない。そのため、半導体素子21を載置部22bに載置固定した際に半導体素子21に割れが発生したり、半導体素子21が傾くことにより電気的な接続が困難になるといった問題が発生し、その結果、半導体素子21の作動性が劣化していた。
【0006】
また、半導体素子21の作動時に発生した熱は、熱伝導性の低い樹脂製の基体22からは外部に伝わり難い。そのため、半導体素子21が温度上昇し正常な作動が妨げられるという問題がある。さらには、半導体素子21の熱によって半導体素子21のみならず樹脂製の基体22と金属製のリード端子24も温度上昇することになること、また、半導体装置の曝される外気の温度変化による構成材料の熱膨張差により半導体装置全体の変形が起こることから、半導体パッケージや半導体素子21に割れが発生する。その結果、半導体素子21の正常な作動が妨げられるという問題があった。
【0007】
そのため、半導体素子21が、光通信分野に使用される、電気信号を光信号に変換するLDや光信号を電気信号に変換するPD等の光半導体素子であれば、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率の低下を起こす問題があり、その結果、光半導体素子の作動性が劣化していた。
【0008】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、半導体素子を載置する載置部の平坦度を確保するとともに半導体素子の作動時に発生した熱の放熱性を良好なものとすることにより、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体パッケージを得ることにある。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率を良好とし、光半導体素子の作動性を良好とすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有するセラミックスから成る基体と、該基体の上面の外周部に前記載置部を囲繞するように取着された樹脂から成る枠体と、該枠体の下面と略同形で前記下面よりも枠部の幅が小さい、前記下面にその上側主面および側面が埋め込まれている枠状の金属部材と、前記枠体の側部に一端部が前記側部を貫通するようにして設けられた複数のリード端子とを具備しており、前記基体の外形寸法は前記枠体の外面寸法よりも小さく前記枠体の内面寸法よりも大きく、前記基体と前記枠体とは前記基体の上面の前記外周部から側面にかけて形成されたメタライズ層および前記金属部材の間が半田で接合されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、セラミックスから成る基体を用いていることから、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに半導体素子の作動時に発生する熱の放熱性を良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率を非常に良好なものとでき、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体素子収納用パッケージとなる。
【0011】
また、基体の外形寸法は枠体の外面寸法よりも小さく枠体の内面寸法よりも大きく、基体と枠体とは基体の上面の外周部から側面にかけて形成されたメタライズ層および金属部材の間が半田で接合されていることから、基体と枠体とを接合する半田が外側にはみだしてリード端子等に接触して短絡したり、リード端子等に近接して不要な電気的な容量を発生させることを防ぐことができる。また、半田が基体の上面の外周部から側面にかけてメニスカスを形成するとともに接合部に金属部材が存在するため、基体と枠体とをきわめて強固に接合することができる。
【0012】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは前記金属部材は厚さが0.15乃至2mmで前記上側主面が前記枠体の下面から0.1乃至2mmの深さとなるように埋め込まれており、前記基体と前記枠体との熱膨張係数差が30×10−6/℃以下であることを特徴とする。
【0013】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記の構成により、基体と枠体との半田による接合が非常に強固となり、その結果半導体素子収納用パッケージ内部への水分の侵入を有効に防止し得る。
【0014】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは前記金属部材の前記枠体に埋め込まれた部分の表面粗さが最大高さで1.6乃至25μmとされていることを特徴とする。
【0015】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記の構成により、金属部材と枠体との接合が非常に強固となり、その結果金属部材と枠体との剥離等を有効に防止し得る。
【0016】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記本発明の半導体素子収納用パッケージにおいて、前記基体は前記セラミックスに代えて金属から成り、前記基体と前記枠体とは前記基体の上面の外周部および前記金属部材との間が半田で接合されているかまたは溶接により接合されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、基体が金属から成ることにより、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに半導体素子の作動時に発生する熱の放熱性を非常に良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率を良好なものとでき、半導体素子の作動性が優れた半導体素子収納用パッケージとなる。
【0018】
本発明の半導体素子収納用パッケージにおいて、好ましくは前記金属部材は厚さが0.15乃至2mmで前記上側主面が前記枠体の下面から0.1乃至2mmの深さとなるように埋め込まれており、前記基体と前記枠体との熱膨張係数差が30×10−6/℃以下であることを特徴とする。
【0019】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記の構成により、基体と枠体との半田または溶接による接合が非常に強固となり、その結果半導体素子収納用パッケージ内部への水分の侵入を有効に防止し得る。
【0020】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは前記金属部材の前記枠体に埋め込まれた部分の表面粗さが最大高さで1.6乃至25μmとされていることを特徴とする。
【0021】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記の構成により、金属部材と枠体との接合が非常に強固となり、その結果金属部材と枠体との剥離等を有効に防止し得る。
【0022】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージの前記載置部に載置固定された半導体素子が前記リード端子に電気的に接続されるとともに前記枠体の上面に蓋体が接合されていることを特徴とする。
【0023】
本発明の半導体装置は、上記の構成により、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【0024】
また本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージの前記載置部に載置固定された半導体素子が前記リード端子に電気的に接続されるとともに前記半導体素子が樹脂に覆われていることを特徴とする。
【0025】
本発明の半導体装置は、上記の構成により、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置を以下に詳細に説明する。本発明の半導体パッケージはLSI,IC等の半導体素子やLD,PD等の光半導体素子などを収納するためのものであるが、以下、LDやPD等の光半導体素子を収納する光半導体パッケージについて説明する。
【0027】
図1(a)は本発明の光半導体パッケージの実施の形態の例を示す斜視図、図1(b)は(a)のx−y線における断面図、図1(c)は(a)のx’−y’線における断面図である。1は、上面の凹部の底面に光半導体素子が載置される載置部1aを有し、上面の外周部から側面の一部分にかけてメタライズ層1bを設けたセラミックスから成る基体、2は光半導体素子と外部電気回路(図示せず)とを電気的に接続するリード端子である。また、3は、基体1の上面の外周部に載置部1aを囲繞するように取着され、さらに対向する一対の側部に複数のリード端子2が貫通して設けられるとともに他の側部に光ファイバ(図示せず)を導入するための貫通孔3aが形成され、下面に金属部材3bが埋め込まれた枠体である。4は基体1と枠体3とを接合するための半田である。これら基体1、リード端子2、枠体3、金属部材3b、半田4により光半導体パッケージが主に構成される。
【0028】
本発明の基体1はセラミックスまたは金属から成るが、金属から成る場合、メタライズ層1bを設けずに、基体1と枠体3とを半田4によってまたは溶接によって接合する。
【0029】
本発明の光半導体パッケージは、上面に光半導体素子が載置される載置部1aを有するセラミックスから成る基体1と、基体1の上面の外周部に載置部1aを囲むように取着された樹脂製の枠体3と、枠体3の下面と略同形で下面よりも枠部の幅が小さい、下面にその上側主面および側面が埋め込まれている枠状の金属部材3bと、枠体3の側部に一端部が側部を貫通するようにして設けられた複数のリード端子2とを具備し、基体1の外形寸法は枠体3の外面寸法よりも小さく枠体3の内面寸法よりも大きく、基体1と枠体3とは基体1の上面の外周部から側面にかけて形成されたメタライズ層1bおよび金属部材3bの間が半田4で接合されている。
【0030】
本発明の基体1は、アルミナ(Al)質焼結体(セラミックス)、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体、ムライト(3Al・2SiO)質焼結体、ガラスセラミックス等のセラミックスから成り、その剛性,熱伝導性により、基体1の上面に接着される枠体3の硬化収縮や熱収縮による反り変形を防止し光半導体素子の載置固定を非常に良好とし得るとともに、光半導体素子が作動時に発する熱の放散性を良好とし得る。メタライズ層1bは、例えばW、Mo等の粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合して得た金属ペーストを、焼結前の基体1(セラミックグリーンシート)に予め従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておき焼成することにより形成される。さらに、メタライズ層1bの上面に半田との濡れ性に優れるニッケル(Ni)や金(Au)等の金属をめっき法により0.05〜20μmの厚みに被着させることが好ましい。
【0031】
枠体3は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、PPSや液晶ポリマー(LCP)などのエンジニアリングプラスチック等から成り、トランスファ成型法や射出成型法により製作される。
【0032】
枠体3の下面に金属部材3bを埋め込むには以下のようにして行なう。枠体3をトランスファ成型法や射出成型法により形成する際に金属部材3bを予め金型内の所定位置にセットしておくことによって、枠体3の下面に金属部材3bの下面が露出した状態で一体的に取着される。この金属部材3bは、Fe(鉄)−Ni−Co(コバルト)合金やFe−Ni合金等の金属から成り、例えば、Fe−Ni−Co合金等から成るインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定の形状、寸法に形成される。
【0033】
その後、金属部材3bの露出した表面に半田との濡れ性に優れるNiやAu等の金属をめっき法により0.05〜20μmの厚さに被着させる。なお、予め金属部材3bにNiやAu等の金属を被着させた後、枠体3に一体的に取着させても良い。
【0034】
また、金属部材3bの厚さは0.15乃至2mmであることが好ましい。0.15mm未満では、枠体3をトランスファ成型法や射出成型法により形成する際に樹脂注入時の樹脂圧力により金属部材3bが変形を生じ、枠体3下面で露出した状態で一体的に設けることが困難になる。2mmを超えると、枠体3をトランスファ成型法や射出成型法により形成する際に、金型から取り出し常温まで戻るときに枠体3に割れ等が発生しやすくなる。
【0035】
金属部材3bは、その上側主面が枠体3の下面から0.1乃至2mmの深さとなるように埋め込まれているのが好ましい。すなわち、金属部材3bの内周面側および外周面側の樹脂の厚み(上下方向の厚み)が0.1mm以上ないと、トランスファ成型法や射出成型法で枠体3を成形する際に、金属部材3bの内周面側および外周面側で樹脂がまわり込まない部分が発生し、金属部材3bが枠体3に完全に取着されない傾向にある。また、2mmを超えると、金属部材3bを介して基体1に枠体3を接合するのが困難になる。なお、埋め込まれた金属部材3bの下側主面は、枠体3の下面から下方に突出していてもよいし、枠体3の下面よりも枠体3内部側にあってもよいが、金属部材3bの下側主面は樹脂に覆われないようにする。
【0036】
基体1と枠体3との取着は、それらの接合部における水分の侵入を有効に防止するために、金属である半田から成る接合材を用いる。この接合材の溶融温度が非常に高い場合、枠体3が軟化するため光ファイバ6の固定が困難となる。従って、接合材としては溶融温度の低い半田を用いる。
【0037】
具体的には、接合材としてSn(錫)−Pb(鉛)半田、Sn−Ag(銀)半田等の低融点の半田4を用いる。Sn−Pb半田等の粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合して得た半田ペーストを、基体1のメタライズ層1bを設けた部分に予め従来周知のスクリーン印刷法により印刷塗布しておき、その上に枠体3の下面の金属部材3bを配置し、加熱溶融することにより基体1と枠体3との取着がなされる。
【0038】
なお、基体1と枠体3との接合界面における外部からの水分の侵入を有効に防止するためには、それらの接合を強固とする必要がある。そのため、基体1と枠体3との熱膨張係数差が30×10−6/℃以下であるのが良い。熱膨張係数差が30×10−6/℃を超えると、接合部に剥離が発生したり、接合部付近の基体1、枠体3または半田4に割れ等が発生し易くなる。また、基体1と枠体3との接合を強固とするため、半田による接合部の幅が0.2mm以上になるようにメタライズ層1b,金属部材3bを設けることが好ましい。接合部の幅が0.2mm未満の場合、基体1と枠体3との接合部で剥離等が発生し易くなる。
【0039】
また、金属部材3bと枠体3との剥離等を有効に防止するためには、それらの接合を強固とする必要がある。そのため、金属部材3bの枠体3に埋め込まれた部分の表面粗さが最大高さで1.6乃至25μmとされているのが好ましい。すなわち、金属部材3bの枠体3に埋め込まれた部分の表面粗さが最大高さで1.6μm未満の場合、枠体3と金属部材3bとの密着性不足による剥離等が発生し易くなる。また、25μmを超えると、エポキシ系熱硬化樹脂が金属部材3bの表面付近で流動しにくくなり、成型不良やボイド等が発生し易くなる。
【0040】
本発明において、図2に示すように、基体1はその外形寸法が枠体3の外面寸法よりも小さくなっている。そのため、半田4が基体1の上面の外周部のみならず側面の一部を覆うようにされ、接合部の強度を大きくできる。また、半田4が外側へはみ出して、リード端子2に付着したり、リード端子2に半田4が近接することによりリード端子2に電気的な容量が発生し半導体装置の作動時の高周波特性への影響等が起こるのを防止できる。
【0041】
なお、基体1の外形寸法は枠体3の外面寸法よりも0.05mm以上小さいことが好ましい。基体1の外形寸法と枠体3の外面寸法との差が0.05mm未満の場合、半田4が基体1の側面の一部を覆うことができなくなったり、半田4が外側へはみ出してリード端子2に付着したり、また、リード端子2に半田4が近接して半導体装置の高周波特性への影響等が起こるという不具合が発生し易くなる。
【0042】
また、基体1の厚さは0.3〜2mm程度が好ましい。0.3mm未満の場合、基体1の強度、剛性が十分に得られず、半導体素子の作動時における半導体パッケージの変形を防止することが困難になる。2mmを超える場合、半導体素子の熱を十分に外部へ放熱するのが困難になる。
【0043】
また、基体1の側面に付着した半田4の上下方向の幅は、基体1の側面上端から0.3mm以下程度の幅が好ましく、それを超える場合には基体1の下面へ半田4がまわり込んだり、半田4が外側へはみ出してリード端子2に付着するといった不具合が発生し易くなる。さらには、基体1と半田4との熱膨張係数差が非常に大きいことから、熱応力によるバランスをとるために、メタライズ層1bは、基体1の側面で略均一の幅で設けられているのが好ましい。
【0044】
枠体3の対向する一対の側部に貫通して設けられた複数のリード端子2は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、例えば、Fe−Ni−Co合金等から成るインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定の形状、寸法に形成される。リード端子2の枠体3への取着は、枠体3をトランスファ成型法や射出成型法により形成する際に、予め金型内の所定位置にリード端子2をセットしておくことによって枠体3の所定位置に両端を枠体3の内外に突出させた状態で一体的に取着される。
【0045】
また、リード端子2はその露出する表面に良導電性で耐蝕性に優れ、かつロウ材と濡れ性の良いNiやAu等の金属をめっき法により所定厚み(0.05〜20μm)に被着させておくのがよく、リード端子2の酸化腐蝕を有効に防止することができるとともにリード端子2とボンディングワイヤ等の電気的接続手段による光半導体素子との電気的接続およびリード端子2と外部電気回路との電気的接続を信頼性の高いものとなすことができる。
【0046】
図3は本発明の光半導体装置について実施の形態の一例を示す断面図である。光半導体装置はLD等の光半導体素子5と、それに光結合するように設けた光ファイバ6と、光ファイバ6を固定する押さえ板7と、LDや光ファイバ6を搭載し実装する搭載用基板8と、枠体3の上面に接合され樹脂,金属,セラミックス等から成る蓋体9とから主に構成される。
【0047】
図4は本発明の光半導体装置について実施の形態の他の例を示す断面図である。図4の場合、蓋体9を接合するのではなく、光半導体素子5がエポキシ樹脂などのペースト状の樹脂10で覆われている。
【0048】
図3,図4の光半導体装置のいずれにおいても、本発明の光半導体パッケージを用いることにより、光半導体素子5の作動性が非常に優れたものとなり、光半導体素子5を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る。
【0049】
また、本発明の光半導体パッケージの他の発明において、基体1は金属から成る。この場合、図5,図6に示すように、基体1にはメタライズ層1bが設けられておらず、基体1と枠体3とは基体1の上面の外周部および金属部材3bとの間が半田4で接合されているかまたは溶接により接合されている。
【0050】
金属から成る基体1は、Cu(銅)、Fe(鉄)、Al(アルミニウム)、Cu−W(タングステン)合金、Fe−Ni−Co(コバルト)合金、Fe−Ni合金等から成り、その剛性、熱伝導性により、基体1の上面に接着される枠体3の硬化収縮や熱収縮による反り変形を防止し、光半導体素子の載置固定の状態を非常に良好とし得るとともに、光半導体素子の熱の放散性を良好とし得る。また、基体1となる金属は熱伝導率が180W/m・K以上であることが好ましく、作動時に多量の熱を発生する高出力の光半導体素子を載置固定した場合でも、光半導体素子の熱を外部に効率よく放散させ、光半導体素子を正常に作動させることができる。熱伝導率が180W/m・K以上の金属として、Cu(約390W/m・K)やCu−W(約200W/m・K)等がある。
【0051】
基体1は、半田との濡れ性、溶接のし易さを考慮して、表面にNiやAu(金)等の金属をめっき法により0.05〜20μmの厚みで被着させることが好ましい。
【0052】
基体1と枠体3との取着は、それらの取着部における水分の侵入を有効に防止するために金属である半田から成る接合材を用いるか、または溶接により行なう。この接合材の溶融温度が非常に高い場合枠体3が軟化するため、光ファイバ6の固定が困難となる。従って、接合材としては溶融温度の低い半田を用いる。具体的には、Sn(錫)−Pb(鉛)半田、Sn−Ag(銀)半田等の低融点の半田4を用いる。そして、Sn−Pb半田等の粉末に有機溶剤、溶媒を添加混合して得た半田ペーストを、基体1の上面の外周部に予め従来周知のスクリーン印刷法により印刷塗布しておき、その上に枠体3の下面の金属部材3bを配置し、半田ペーストを加熱溶融することにより基体1と枠体3との取着がなされる。溶接により接合を行なう際も、枠体3への影響を少なくするため低温でかつ局部的な加熱を行なうことが好ましい。
【0053】
なお、基体1と枠体3との接合界面における外部からの水分の侵入を有効に防止するためには、それらの接合を強固とする必要がある。そのためには、基体1と枠体3との熱膨張係数差が30×10−6/℃以下であるのが良い。熱膨張係数差が30×10−6/℃を超えると、接合部に剥離が発生したり、接合部付近の基体1、枠体3または半田4に割れ等が発生し易くなる。また、基体1と枠体3との接合を強固とするため、半田4による接合部の幅が0.2mm以上になるようにメタライズ層1b,金属部材3bを設けることが好ましい。接合部の幅が0.2mm未満の場合、基体1と枠体3との接合部で剥離等が発生し易くなる。
【0054】
また、基体1の厚さは0.25〜3mm程度が好ましい。0.25mm未満の場合、基体1の強度、剛性が十分に得られず、光半導体素子の熱による光半導体パッケージの変形を防止することが困難になる。3mmを超える場合、基体1と枠体3とを溶接で取着するのが難しくなる。また、光半導体素子の熱を十分に外部へ放熱するのが困難になる。
【0055】
また、基体1の側面に付着した半田4の上下方向の幅は、基体1の側面上端から0.3mm以下程度の幅が好ましく、それを超える場合、基体1の下面へ半田4がまわり込んだり、半田4が外側へはみ出してリード端子2に付着するといった不具合が発生し易くなる。
【0056】
図7は本発明の半導体装置としての光半導体装置について実施の形態の例を示す断面図である。この光半導体装置は、LD等の光半導体素子5と、光半導体素子5に光学的に結合するように設けた光ファイバ6と、光ファイバ6を固定する押さえ板7と、LDや光ファイバ6を搭載し実装する搭載用基板8と、枠体3の上面に接合され、樹脂,Fe−Ni−Co合金等の金属,アルミナセラミックス等のセラミックス等から成る蓋体9とから主に構成される。
【0057】
本発明の光半導体装置において好ましくは、枠体3の上面に基体1と同材質かつ略同形状の蓋体9が接合されるのがよい。この場合、光半導体装置の上側および下側の熱による挙動が略同じになり、光半導体装置の熱による反りの発生をきわめて効果的に抑制できる。
【0058】
枠体3と蓋体9とは樹脂接着剤やロウ材によって取着されるが、樹脂接着剤としては、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等を主成分とした比較的強度および耐熱性の高い樹脂を用いるのがよい。例えば、エポキシ樹脂から成る接着剤であれば、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂、グリシジアルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂にアミン系硬化剤やイミダゾール系硬化剤、酸無水物硬化剤等の硬化剤を添加した樹脂接着剤を用いる。これにより、枠体3と蓋体9との接合が非常に強固となり、光半導体パッケージ内部への水分の侵入を有効に防止し得る。また、光半導体素子5作動時の温度変化や外気温度の変化に起因して、基体1と蓋体9と樹脂からなる枠体3との熱膨張係数差により起こる反りや変形を確実に防止でき、光半導体素子5の載置固定の信頼性をさらに良好なものとすることができる。また、光半導体素子5と光ファイバ6との光結合効率を非常に良好なものとすることができ、光半導体素子5の作動性が良好となる。
【0059】
図8は、本発明の光半導体装置について実施の形態の他の例を示す断面図である。この光半導体装置は、枠体3上面に蓋体9を接合するのではなく、エポキシ樹脂などのペースト状の樹脂10を光半導体素子5を覆うようにして設けたり、樹脂10を光半導体パッケージ内部に充填して成るものである。
【0060】
図7,図8の光半導体装置のいずれにおいても、本発明の光半導体パッケージを用いることにより、光半導体素子5の作動性が非常に優れたものとなり、光半導体素子5を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る。
【0061】
また、図9(a)〜(e)は、本発明の半導体パッケージにおける金属部材3bの実施の形態の各種例を示す断面図である。(a)は、枠部の断面形状が長方形のものであり、強度が高く、製造が容易であるという利点がある。(b)は、金属部材3bの枠部の断面形状が逆台形状のものであり、枠部3から外れにくいものとなる。(c)は、金属部材3bの枠部の一部に上下面間を貫通する貫通孔を設けたものであり、金属部材3bと枠体3の樹脂との接触面積が増大して枠体3との密着力が向上する。(d)は、金属部材3bの枠部の側面に凹部を全周にわたってまたは部分的に形成したものであり、凹部において金属部材3bと枠体3の樹脂との接触面積が増大して枠体3との密着力が向上するとともに、枠体3の外部から水分が浸入しようとするのを効果的に抑制することができる。(e)は、金属部材3bの枠部の側面の上端に突起を全周にわたってまたは部分的に形成したものであり、金属部材3bが枠体3から外れにくいものとなる。
【0062】
さらに、図10(a)〜(d)は、本発明の半導体パッケージにおける金属部材3bの実施の形態の他の各種例を示す断面図である。(a)は、金属部材3bの上側主面と側面との間に面取り部が形成されている形状のものである。この形状により、枠体3と金属部材3bとの熱膨張差によって金属部材3bの上側主面と側面との間に生じる応力を分散することができ、金属部材3bの上側主面と側面との間から枠体3にクラックや割れ等の破損が生じるのを有効に抑制することができる。
【0063】
図10(a)に示す金属部材3bの面取り部は、断面が円弧状でありその曲率半径は0.1mm以上であることが好ましい。曲率半径が0.1mm未満の場合は、上側主面と側面との間に生じる応力を有効に分散し難くなり枠体3にクラックや割れ等の破損が生じ易くなる。
【0064】
また、図10(b)は、金属部材3bの上側主面の中央部が凸になった曲面形状のものである。この形状によっても金属部材3bの上側主面と側面との間に生じる応力を分散することができ、金属部材3bの上側主面と側面との間から枠体3にクラックや割れ等の破損が生じるのを有効に抑制することができる。
【0065】
さらに、図10(c),(d)は、それぞれ図10(a),(b)の形状において、枠体3に埋め込まれている金属部材3bの側面に全周にわたって枠体3の下面に平行な溝3cが形成されている形状のものである。この形状により、枠体3と金属部材3bとの接触面積が増大して密着力が向上し、枠体3と金属部材3bとの接合部を浸透して半導体パッケージ内部に水分が浸入するのを有効に抑制することができる。
【0066】
【実施例】
本発明の半導体素子収納用パッケージの実施例を以下に説明する。
【0067】
(実施例1)
長さ9.6mm×幅7.6mm×高さ1mmで熱膨張係数が5.8×10−6/℃のアルミナ質セラミックスから成る基体1を用意し、この基体1の上面の外周部にモリブデンを主成分とするメタライズ層1bをスクリーン印刷法で塗布し焼成して設けた。メタライズ層1bの上面にめっき法で厚さ5μmのNiめっき層、厚さ1μmのAuめっき層を順次被着した。
【0068】
次に、リード端子2および図9(a)に示す断面形状の金属部材3bを有する枠体3をトランスファ成型法で製作した。このとき、枠体3は、長さ10mm×幅8mm×高さ2mmで熱膨張係数が18.4×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルA)と、寸法は上記寸法と同じで熱膨張係数が35.8×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルB)と、寸法は上記寸法と同じで熱膨張係数が40.3×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルC)との3種類のものを作製した。リード端子2はFe−Ni合金から成り、平面視形状が長方形の枠体3の2長辺側の側部に各4本ずつ設けた。
【0069】
そして、3種類の枠体3の下面には金属部材3bが設けられており、金属部材3bの内外周面側の樹脂の上下方向の厚さが0.1mmとなるようにした。また、金属部材3bの露出する部分にめっき法にて厚さ5μmのNiめっき層および厚さ1μmのAuめっき層を施した。
【0070】
そして、基体1の上面外周部および側面上端部に形成されたメタライズ層1bと枠体3下面の金属部材3bとを、半田4の接着部の幅が0.2mmとなるようにSn−Pb半田から成る半田4で接合し、上記3種類の各20個、合計60個について、温度サイクル試験(−40〜+85℃、1サイクル7時間)を行なった。その結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 2004165181
【0072】
表1より、サンプルCのみに、枠体3および/または半田4にクラック等の割れが発生した。これは、基体1と枠体3との熱膨張係数差が30×10−6/℃を超えているため、枠体3や半田4にクラック等が発生したためと考えられる。この場合、半導体パッケージ内部に水分が侵入し易くなる。従って、サンプルA,Bのように、基体1と枠体3との熱膨張係数差は30×10−6/℃以下がよいことが判った。
【0073】
次に、サンプルBを用いて、厚さ0.15mmの金属部材3bの内外周面側の樹脂の上下方向の厚さを種々に設定したときの金属部材3bの枠体3に対する一体化の状態を調べた。上記厚さが0.07mm(サンプルB1)、0.1mm(サンプルB)、0.15mm(サンプルB2)、0.2mm(サンプルB3)である4種類を準備した。そして、トランスファ成型法により金属部材3bを有する枠体3を各50個試作した。その結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
Figure 2004165181
【0075】
表2より、サンプルB1のみに、金属部材3bの枠体3に対する一体化が不十分であり枠体3と完全に一体化されないものが発生した。
【0076】
次に、サンプルBを用いて、金属部材3bの厚さを種々に設定したときの枠体3をトランスファ成型する際に金属部材3bの露出状態および枠体3の割れ等の発生を調べた。金属部材3bの厚さが0.1mm(サンプルC1)、0.15mm(サンプルB)、0.2mm(サンプルC2)、0.5mm(サンプルC3)、1mm(サンプルC4)、1.5mm(サンプルC5)、2mm(サンプルC6)、2.5mm(サンプルC7)である8種類を準備した。そして、トランスファ成型法により金属部材3bを有する枠体3を各30個試作した。その結果を表3に示す。
【0077】
【表3】
Figure 2004165181
【0078】
表3より、サンプルC1のみに、枠体3から金属部材3bが一体化されず浮き出てしまい露出したものが発生した。また、サンプルC7のみに、枠体3に割れが発生した。これは、成型金型から取り出し常温まで戻るときの熱ストレスによるものと考えられる。この場合、半導体パッケージ内部に水分が侵入し易くなる。従って、金属部材3bの厚みは0.15乃至2mmがよいことが判った。
【0079】
次に、サンプルBを用いて、金属部材3bの枠体3に埋め込まれた部分の表面粗さを最大高さで、0.8μm(サンプルD1)、1.2μm(サンプルD2)、1.6μm(サンプルD3)、2μm(サンプルD4)、5μm(サンプルD5)、10μm(サンプルD6)、20μm(サンプルD7)、25μm(サンプルD8)、30μm(サンプルD9)となるように表面粗さを変えた9種類を準備した。そして、基体1上面の外周部および側面上端部に形成されたメタライズ層1bと枠体3下面の金属部材3bとを、半田4の接着部の幅が0.2mmとなるようにSn−Pb半田から成る半田4で接合し、上記9種類の各30個、合計270個について、温度サイクル試験(−40〜+85℃、1サイクル7時間)を行なった。その結果を表4に示す。
【0080】
【表4】
Figure 2004165181
【0081】
表4より、金属部材3bの枠体3に埋め込まれた部分の表面粗さが最大高さで1.6μm未満の場合、枠体3と金属部材3bとの密着性不良による剥離が発生した。また、金属部材3bの表面粗さが最大高さで25μmを超えると、エポキシ系熱硬化樹脂が金属部材3bの表面付近(特に上側主面と側面との間の稜部付近)で流動しにくくなったため、成形不良やボイド等が発生した。よって、金属部材3bの枠体3に埋め込まれた部分の表面粗さは最大高さで1.6乃至25μmがよいことがわかった。
【0082】
(実施例2)
長さ9.6mm×幅7.6mm×高さ(厚さ)1mmで熱膨張係数が5.8×10−6/℃のFe−Ni合金から成る基体1を用意し、その表面全体にめっき法で厚さ5μmのNi層、厚さ1μmのAu層を順次被着した。
【0083】
次に、リード端子2および図9(a)に示す断面形状の金属部材3bを有する枠体3をトランスファ成型法で製作した。このとき、枠体3は、長さ10mm×幅8mm×高さ2mmで熱膨張係数が18.4×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルE)と、寸法は上記寸法と同じで熱膨張係数が35.8×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルF)と、寸法は上記寸法と同じで熱膨張係数が40.3×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルG)との3種類のものを作製した。リード端子2はFe−Ni合金から成り、平面視形状が長方形の枠体3の2長辺側の側部に各4本ずつ設けた。
【0084】
そして、3種類の枠体3の下面には金属部材3bが設けられており、金属部材3bの内外周面側の樹脂の上下方向の厚さが0.1mmとなるようにした。また、金属部材3bの露出する部分にめっき法にて厚さ5μmのNiめっき層および厚さ1μmのAuめっき層を施した。
【0085】
そして、基体1上面の外周部と枠体3下面の金属部材3bとを、半田4の接着部の幅が0.2mmとなるようにSn−Pb半田から成る半田4で接合し、上記3種類の各20個合計60個について、温度サイクル試験(−40〜+85℃、1サイクル7時間)を行なった。また、上記と同様にして、基体1上面の外周部と枠体3下面の金属部材3bとを溶接して接合したものを上記3種類の各20個合計60個作製した。この場合の3種のサンプルはE1,F1,G1とした。これらについても上記温度サイクル試験を行なった。その結果を表5に示す。
【0086】
【表5】
Figure 2004165181
【0087】
表5より、サンプルGでは、金属部材3b周辺の枠体3および/または半田4部にクラック等の割れが発生し、サンプルG1では溶接部に剥離が発生した。これは、基体1と枠体3との熱膨張係数差が30×10−6/℃を超えているため、枠体3や半田4、溶接部にクラック等が発生したものと考えられる。この場合、半導体パッケージ内部に水分が侵入し易くなる。従って、サンプルE,F,E1,F1のように、基体1と枠体3との熱膨張係数差は30×10−6/℃以下がよいことが判った。
【0088】
(実施例3)
長さ9.6mm×幅7.6mm×高さ1mmで熱膨張係数が5.8×10−6/℃のアルミナ質セラミックスから成る基体1を用意し、この基体1の上面の外周部にモリブデンを主成分とするメタライズ層1bをスクリーン印刷法で塗布し焼成して設けた。メタライズ層1bの上面にめっき法で厚さ5μmのNiめっき層、厚さ1μmのAuめっき層を順次被着した。
【0089】
次に、リード端子2および図10(a)に示す断面形状で上側主面と側面との間の面取り部の曲率半径が0.1mmである金属部材3bを有する枠体3をトランスファ成型法で製作した。このとき、枠体3は、長さ10mm×幅8mm×高さ2mmで熱膨張係数が18.4×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルH)と、寸法は上記寸法と同じで熱膨張係数が35.8×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルI)と、寸法は上記寸法と同じで熱膨張係数が40.3×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルJ)との3種類のものを作製した。リード端子2はFe−Ni合金から成り、平面視形状が長方形の枠体3の2長辺側の側部に各4本ずつ設けた。
【0090】
そして、3種類の枠体3の下面には金属部材3bが設けられており、金属部材3bの内外周面側の樹脂の上下方向の厚さが0.1mmとなるようにした。また、金属部材3bの露出する部分にめっき法にて厚さ5μmのNiめっき層および厚さ1μmのAuめっき層を施した。
【0091】
そして、基体1の上面外周部および側面上端部に形成されたメタライズ層1bと枠体3下面の金属部材3bとを、半田4の接着部の幅が0.2mmとなるようにSn−Pb半田から成る半田4で接合し、上記3種類の各20個、合計60個について、温度サイクル試験(−40〜+85℃、1サイクル7時間)を行なった。その結果を表6に示す。
【0092】
【表6】
Figure 2004165181
【0093】
表6より、サンプルJのみに、枠体3および/または半田4にクラック等の割れが発生した。これは、基体1と枠体3との熱膨張係数差が30×10−6/℃を超えているため、枠体3や半田4にクラック等が発生したためと考えられる。この場合、半導体パッケージ内部に水分が侵入し易くなる。従って、サンプルH,Iのように、基体1と枠体3との熱膨張係数差は30×10−6/℃以下がよいことが判った。
【0094】
次に、サンプルIを用いて、厚さ0.15mmの金属部材3bの内外周面側の樹脂の上下方向の厚さを4種(下記表7参照)に設定したときの金属部材3bの枠体3に対する一体化の状態を調べた。そして、トランスファ成型法により金属部材3bを有する枠体3を各50個試作した。その結果を表7に示す。
【0095】
【表7】
Figure 2004165181
【0096】
表7より、サンプルI1のみに、金属部材3bの枠体3に対する一体化が不十分であり枠体3と完全に一体化されないものが発生した。
【0097】
次に、サンプルIを用いて、金属部材3bの厚さを8種(下記表8参照)に設定したときの枠体3をトランスファ成型する際に金属部材3bの露出状態および枠体3の割れ等の発生を調べた。そして、トランスファ成型法により金属部材3bを有する枠体3を各30個試作した。その結果を表8に示す。
【0098】
【表8】
Figure 2004165181
【0099】
表8より、サンプルJ1のみに、枠体3から金属部材3bが一体化されず浮き出てしまい露出したものが発生した。また、サンプルJ7のみに、枠体3に割れが発生した。これは、成型金型から取り出し常温まで戻るときの熱ストレスによるものと考えられる。この場合、半導体パッケージ内部に水分が侵入し易くなる。従って、金属部材3bの厚みは0.15乃至2mmがよいことが判った。
【0100】
次に、サンプルIを用いて、金属部材3bの枠体3に埋め込まれた部分の表面粗さを最大高さで9種(下記表9参照)に設定した。そして、基体1上面の外周部および側面上端部に形成されたメタライズ層1bと枠体3下面の金属部材3bとを、半田4の接着部の幅が0.2mmとなるようにSn−Pb半田から成る半田4で接合し、上記9種類の各30個、合計270個について、温度サイクル試験(−40〜+85℃、1サイクル7時間)を行なった。その結果を表9に示す。
【0101】
【表9】
Figure 2004165181
【0102】
表9より、金属部材3bの枠体3に埋め込まれた部分の表面粗さが最大高さで1.6μm未満の場合、枠体3と金属部材3bとの密着性不良による剥離が発生した。また、金属部材3bの表面粗さが最大高さで25μmを超えると、エポキシ系熱硬化樹脂が金属部材3bの表面付近(特に上側主面と側面との間の稜部付近)で流動しにくくなったため、成形不良やボイド等が発生した。よって、金属部材3bの枠体3に埋め込まれた部分の表面粗さは最大高さで1.6乃至25μmがよいことがわかった。
【0103】
(実施例4)
長さ9.6mm×幅7.6mm×高さ(厚さ)1mmで熱膨張係数が5.8×10−6/℃のFe−Ni合金から成る基体1を用意し、その表面全体にめっき法で厚さ5μmのNi層、厚さ1μmのAu層を順次被着した。
【0104】
次に、リード端子2および図10(a)に示す断面形状で上側主面と側面との間の面取り部の曲率半径が0.1mmである金属部材3bを有する枠体3をトランスファ成型法で製作した。このとき、枠体3は、長さ10mm×幅8mm×高さ2mmで熱膨張係数が18.4×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルL)と、寸法は上記寸法と同じで熱膨張係数が35.8×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルM)と、寸法は上記寸法と同じで熱膨張係数が40.3×10−6/℃のエポキシ樹脂(サンプルM)との3種類のものを作製した。リード端子2はFe−Ni合金から成り、平面視形状が長方形の枠体3の2長辺側の側部に各4本ずつ設けた。
【0105】
そして、3種類の枠体3の下面には金属部材3bが設けられており、金属部材3bの内外周面側の樹脂の上下方向の厚さが0.1mmとなるようにした。また、金属部材3bの露出する部分にめっき法にて厚さ5μmのNiめっき層および厚さ1μmのAuめっき層を施した。
【0106】
そして、基体1上面の外周部と枠体3下面の金属部材3bとを、半田4の接着部の幅が0.2mmとなるようにSn−Pb半田から成る半田4で接合し、上記3種類の各20個合計60個について、温度サイクル試験(−40〜+85℃、1サイクル7時間)を行なった。また、上記と同様にして、基体1上面の外周部と枠体3下面の金属部材3bとを溶接して接合したものを上記3種類の各20個合計60個作製した。この場合の3種のサンプルはL1,M1,N1とした。これらについても上記温度サイクル試験を行なった。その結果を表10に示す。
【0107】
【表10】
Figure 2004165181
【0108】
表10より、サンプルNでは、金属部材3b周辺の枠体3および/または半田4部にクラック等の割れが発生し、サンプルN1では溶接部に剥離が発生した。これは、基体1と枠体3との熱膨張係数差が30×10−6/℃を超えているため、枠体3や半田4、溶接部にクラック等が発生したものと考えられる。この場合、半導体パッケージ内部に水分が侵入し易くなる。従って、サンプルL,M,L1,M1のように、基体1と枠体3との熱膨張係数差は30×10−6/℃以下がよいことが判った。
【0109】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を施すことは何等差し支えない。
【0110】
【発明の効果】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有するセラミックスから成る基体と、基体の上面の外周部に載置部を囲繞するように取着された樹脂から成る枠体と、枠体の下面と略同形で下面よりも枠部の幅が小さい、下面にその上側主面および側面が埋め込まれている枠状の金属部材と、枠体の側部に一端部が側部を貫通するようにして設けられた複数のリード端子とを具備し、基体の外形寸法は枠体の外面寸法よりも小さく枠体の内面寸法よりも大きく、基体と枠体とは基体の上面の外周部から側面にかけて形成されたメタライズ層および金属部材の間が半田で接合されていることにより、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに半導体素子の作動時に発生する熱の放熱性を良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率を非常に良好なものとでき、半導体素子の作動性が非常に優れた半導体素子収納用パッケージとなる。
【0111】
また、基体と枠体とを接合する半田が外側にはみだしてリード端子等に接触して短絡したり、リード端子等に近接して不要な電気的な容量を発生させることを防ぐことができる。また、半田が基体の上面の外周部から側面にかけてメニスカスを形成するとともに接合部に金属部材が存在するため、基体と枠体とをきわめて強固に接合することができる。
【0112】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは金属部材は厚さが0.15乃至2mmで上側主面が枠体の下面から0.1乃至2mmの深さとなるように埋め込まれており、基体と枠体との熱膨張係数差が30×10−6/℃以下であることにより、基体と枠体との半田による接合が非常に強固となり、その結果半導体素子収納用パッケージ内部への水分の侵入を有効に防止し得る。
【0113】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは金属部材の枠体に埋め込まれた部分の表面粗さが最大高さで1.6乃至25μmとされていることにより、金属部材と枠体との接合が非常に強固となり、その結果金属部材と枠体との剥離等を有効に防止し得る。
【0114】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記本発明の半導体素子収納用パッケージにおいて、基体はセラミックスに代えて金属から成り、基体と枠体とは基体の上面の外周部および金属部材との間が半田で接合されているかまたは溶接により接合されていることにより、半導体素子を載置する載置部の平坦度が確保できるとともに半導体素子の作動時に発生する熱の放熱性を非常に良好なものとでき、その結果、半導体素子の作動性が非常に優れたものとなる。また、半導体素子がLDやPD等の光半導体素子である場合、光半導体素子と光ファイバとの光結合効率を良好なものとでき、半導体素子の作動性が優れた半導体素子収納用パッケージとなる。
【0115】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは金属部材は厚さが0.15乃至2mmで上側主面が枠体の下面から0.1乃至2mmの深さとなるように埋め込まれており、基体と枠体との熱膨張係数差が30×10−6/℃以下であることにより、基体と枠体との半田による接合が非常に強固となり、その結果半導体素子収納用パッケージ内部への水分の侵入を有効に防止し得る。
【0116】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは金属部材の枠体に埋め込まれた部分の表面粗さが最大高さで1.6乃至25μmとされていることにより、金属部材と枠体との接合が非常に強固となり、その結果金属部材と枠体との剥離等を有効に防止し得る。
【0117】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージの載置部に載置固定された半導体素子がリード端子に電気的に接続されるとともに枠体の上面に蓋体が接合されていることにより、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【0118】
また本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージの載置部に載置固定された半導体素子がリード端子に電気的に接続されるとともに半導体素子が樹脂に覆われていることにより、半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す斜視図、(b)は(a)のx−y線における断面図、(c)は(a)のx’−y’線における断面図である。
【図2】本発明の半導体素子収納用パッケージにおける基体と枠体との接合部の部分拡大断面図である。
【図3】本発明の光半導体装置について実施の形態の例を示す断面図である。
【図4】本発明の光半導体装置について実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】(a)は本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す斜視図、(b)は(a)のx−y線における断面図、(c)は(a)のx’−y’線における断面図である。
【図6】図5の半導体素子収納用パッケージにおける基体と枠体との接合部の部分拡大断面図である。
【図7】本発明の光半導体装置について実施の形態の例を示す断面図である。
【図8】本発明の光半導体装置について実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図9】(a)〜(e)は本発明の半導体素子収納用パッケージにおける金属部材について実施の形態の各種例を示す拡大断面図である。
【図10】(a)〜(d)は本発明の半導体素子収納用パッケージにおける金属部材について実施の形態の他の各種例を示す拡大断面図である。
【図11】従来の半導体装置の一例を示す断面図である。
【図12】従来の半導体装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
1b:メタライズ層
2:リード端子
3:枠体
3b:金属部材
4:半田
5:光半導体素子

Claims (8)

  1. 上面に半導体素子が載置される載置部を有するセラミックスから成る基体と、該基体の上面の外周部に前記載置部を囲繞するように取着された樹脂から成る枠体と、該枠体の下面と略同形で前記下面よりも枠部の幅が小さい、前記下面にその上側主面および側面が埋め込まれている枠状の金属部材と、前記枠体の側部に一端部が前記側部を貫通するようにして設けられた複数のリード端子とを具備しており、前記基体の外形寸法は前記枠体の外面寸法よりも小さく前記枠体の内面寸法よりも大きく、前記基体と前記枠体とは前記基体の上面の前記外周部から側面にかけて形成されたメタライズ層および前記金属部材の間が半田で接合されていることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
  2. 前記金属部材は厚さが0.15乃至2mmで前記上側主面が前記枠体の下面から0.1乃至2mmの深さとなるように埋め込まれており、前記基体と前記枠体との熱膨張係数差が30×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体素子収納用パッケージ。
  3. 前記金属部材の前記枠体に埋め込まれた部分の表面粗さが最大高さで1.6乃至25μmとされていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体素子収納用パッケージ。
  4. 請求項1記載の半導体素子収納用パッケージにおいて、前記基体は前記セラミックスに代えて金属から成り、前記基体と前記枠体とは前記基体の上面の外周部および前記金属部材との間が半田で接合されているかまたは溶接により接合されていることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
  5. 前記金属部材は厚さが0.15乃至2mmで前記上側主面が前記枠体の下面から0.1乃至2mmの深さとなるように埋め込まれており、前記基体と前記枠体との熱膨張係数差が30×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項3記載の半導体素子収納用パッケージ。
  6. 前記金属部材の前記枠体に埋め込まれた部分の表面粗さが最大高さで1.6乃至25μmとされていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の半導体素子収納用パッケージ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の半導体素子収納用パッケージの前記載置部に載置固定された半導体素子が前記リード端子に電気的に接続されるとともに前記枠体の上面に蓋体が接合されていることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の半導体素子収納用パッケージの前記載置部に載置固定された半導体素子が前記リード端子に電気的に接続されるとともに前記半導体素子が樹脂に覆われていることを特徴とする半導体装置。
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