JP2004166609A - だしの素の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】常温保存が可能で、原料をほとんど捨てることなく、原料の持つ自然な風味を有し、使用時に短時間でその風味と旨みの良好なだしを抽出することができる軽量でコンパクトなだしの素を製造するための方法を提供すること。
【解決手段】畜肉および/又は畜骨からなる原料を加圧下で熱水加熱抽出して抽出エキス4と抽出オイル3と抽出残さ5とに分離し、抽出エキス4を濃縮して得た濃縮エキスを、抽出残さ5をミンチすることによって得たミンチ状残さに混合した後に成形して成形体を得、この成形体を凍結乾燥する。
【選択図】 図1
【解決手段】畜肉および/又は畜骨からなる原料を加圧下で熱水加熱抽出して抽出エキス4と抽出オイル3と抽出残さ5とに分離し、抽出エキス4を濃縮して得た濃縮エキスを、抽出残さ5をミンチすることによって得たミンチ状残さに混合した後に成形して成形体を得、この成形体を凍結乾燥する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、だしの素の製造方法に関し、特に、液体スープに加えて風味と旨みの良好な中華麺用のだしとして好適であるだしの素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鶏ガラを使用した中華麺のスープとして使用するだしの素は、一般消費者向けの商品ではなく、主に業務用を対象としたものがほとんどであった。そして、鶏ガラを使用しただしの素の製造方法としては、ガラを粉砕したものを冷凍して透水性のパックに詰める方法(例えば、特許文献1参照)、あるいは、ガラとスープとの混合物を冷凍して透液性容器に収納するという方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特公昭62−34380号公報
【特許文献2】
特公平8−13249号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1および特許文献2に記載された製造方法では、冷凍処理したものを保管するための設備が必要である。また、単に冷凍処理しただけでは、ガラやスープに水分を含むため、嵩高く重くて流通と使用時取扱いに不便である。さらに、冷凍処理しただしからは、短時間で旨み成分を抽出することは困難である。
【0005】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、常温保存が可能で、原料をほとんど捨てることなく、原料の持つ自然な風味を有し、使用時に短時間でその風味と旨みの良好なだしを抽出することができる、軽量且つコンパクトなだしの素を製造するための方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るだしの素の製造方法は、畜肉および/又は畜骨からなる原料を加圧下で熱水加熱抽出して抽出エキスと抽出オイルと抽出残さとに分離し、前記抽出エキスを濃縮して得た濃縮エキスを、前記抽出残さをミンチすることによって得たミンチ状残さに混合した後に成形して成形体を得、この成形体を凍結乾燥することを特徴とする、だしの素の製造方法である。
【0007】
本発明によれば、冷凍保管設備を必要としない常温保存が可能で、原料をほとんど捨てることのない、原料の持つ自然な風味と旨みの良好なだしの素を製造することができる。
【0008】
そして、凍結乾燥した成形体を通水性の袋に入れて包装することにより、使用時に熱湯を注ぐだけで短時間に原料の持つ自然な風味と旨みを抽出することができる、軽量且つコンパクトで衛生的な個食だしの素を製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。実施の形態においては、だしの素の製造方法の一実施形態を工程順に説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において変更や修正が可能である。
(1)原料
本発明において、畜肉とは、牛肉、豚肉、馬肉、めん羊肉、やぎ肉、鶏肉等をいい、畜骨とは、これら畜類の骨をいう。本発明では、畜肉と畜骨は、単独で原料として用いられるが、併用して原料に用いると風味的により好ましいものとなる。また、肉と骨は別々であっても、肉と骨がくっついた形態であってもよい。
【0010】
本発明を実施する上での原料としては、丸鶏等の畜肉、鶏ガラまたは豚骨等の畜骨、さらに必要に応じて香味野菜等を用いることができる。
(2)加圧熱水加熱抽出工程
本発明は、上記原料をそのまま加圧下で熱水加熱抽出する工程から始まる。具体的には、図1に示す金網カゴ1(後記する抽出残さ5を見やすくするために、金網カゴの一部を破断している)に原料を入れ、これを加圧抽出釜2の中に装入し、加圧抽出釜2内に水を入れて、加熱沸騰後アク取りを施し、後記の加圧熱水加熱条件下でエキス抽出を行う。原料に加える水の量は、原料の嵩を1とすれば、1.5程度が好ましいが、加圧抽出釜2内に原料と水を入れた場合に、原料が浸る程度の水の量であればよい。熱水の温度は105〜125℃の範囲が好ましく、圧力は0.5〜1.5kgf/cm2の範囲が好ましく、加圧下の熱水加熱による抽出時間は原料の性状にもよるが、60〜120分の範囲が好ましい。この方法を採用することにより、原料からのエキス抽出時において、その抽出時間を短縮でき、抽出エキスの歩留まりを向上し、抽出エキスのブリックス度(以下、BXという)を上げて、後工程の濃縮の効率を向上させることができる。また、だしに好ましい調理臭を付与することができ、更にこの方法によって畜肉、畜骨等の原料が柔らかくなるので、後工程の抽出残さのチョッパー処理や成形処理における作業性が向上する。また、本発明では、原料を粉砕または細切りを行うことなく前記エキス抽出に付すことが好ましい。この方法を採用することにより、凍結乾燥後のだしの素に注湯したときのスープの白濁を抑制することができるからである。
(3)抽出と分離
図1に示す加圧抽出釜2の中に原料と水を入れて上記したような範囲内の温度と圧力と時間で加圧下熱水加熱抽出し、60〜90分かけて常圧まで減圧することにより、前記抽出物をその比重により、上層部に抽出オイル3、下層部に抽出エキス4と抽出残さ5に分離する。前記抽出後の分離物の回収方法としては、加圧抽出釜2の底面に設けられたバルブ6を開いて、まず抽出エキス4を排出して所定のタンクに回収し、次いで、抽出オイル3を排出して所定のタンクに回収し、最後に蓋7を全開して金網カゴ1を取り出し、抽出残さ5を回収する。回収した抽出オイルは、本発明のだしの素には使用することなく、別途液体スープ等の原料として利用することができる。8は蒸気排出口である。
(4)抽出エキスの濃縮
前記回収した抽出エキスのBXは通常3前後であることが多いが、本発明では上記加圧熱水加熱抽出工程を採用することにより、4.5前後まで上げられた抽出エキスを回収することができ、濃縮効率を向上させることができる。この抽出エキスを、さらにBX=10〜30好ましくはBX=20〜30程度まで濃縮して濃縮エキスを得る。後記するチョッパー処理後のミンチ状残さに濃縮エキスを浸透させるときの流動性と風味の濃さの点から、抽出エキスを上記BX範囲に濃縮するのが好ましい。濃縮装置としては、例えば、減圧濃縮缶を使用することができる。
(5)抽出残さのチョッパー処理(ミンチ処理)
回収した抽出残さは、5〜30mm程度のダイス径のチョッパーによりチョッパー処理し(ミンチし)、ミンチ状残さを得る。チョッパー処理に伴う予熱によってミンチ状残さの余分な水分が飛ばされるので、後記する濃縮エキスとの混合処理において、濃縮エキスが十分にミンチ状残さに浸透していくという効果が得られる。
(6)濃縮エキスとミンチ状残さの混合と成形
ここでいう混合は、濃縮エキスをミンチ状残さに加えて浸透させることを目的とするものであり、攪拌機等を使用して機械的に混ぜ合わせる操作のみを意図したものではない。従って、ミンチ状残さをほぐして拡げた上にミンチ状残さの重量に対して約0.5倍の重量の濃縮エキスを注ぎ、濃縮エキスをミンチ状残さに加えて浸透させるような操作を行うのが好ましい。このようにすることで、ミンチ状残さがエキスを吸ってペースト状になり、続く成形工程における成形がしやすくなる。
【0011】
すなわち、トレー上に拡げたミンチ状残さの上に濃縮エキスを注ぎ、へら等の器具により表面を平らにし、適当な厚さ(10〜20mm程度)の板状成形体にする。このとき、保形性の向上や後記する凍結乾燥時の歩留まり向上のために、澱粉やデキストリン等、またミンチ状残さ中に残っている油分の酸化を抑えるために、ビタミンE、ビタミンC等の抗酸化剤等、その他調味料等を添加するのが好ましい。
【0012】
また、前記成形工程において、予め個食単位の大きさに区切った成形トレー等に混合物を充填して成形してもよい。この方法を用いることにより、後工程で凍結乾燥後に、成形体を所定の大きさのブロックに裁断する工程等が省略できる。
【0013】
また、原料としては、畜肉と畜骨を併用したものが、前記の混合と成形がしやすく好ましい。
【0014】
上記のように抽出エキスを濃縮して得た濃縮エキスを、抽出残さをミンチすることによって得たミンチ状残さに加えて浸透させる方法を採用することにより、原料の持つ旨み成分をあますところなく利用し、風味と旨みの良好なだしの素を製造することができる。
(7)凍結乾燥
以上のようにして得られたミンチ状残さの成形体を、予め、品温−20℃に冷却して凍結させた後、凍結乾燥機に収容し、棚乾燥温度が開始時30℃で最終60℃、真空度が開始時0.5トールで最終0.1トールの減圧状態となる条件で、14〜15時間凍結乾燥を行う。この凍結乾燥により、常温保存が可能なだしの素を製造することができる。
(8)包装
凍結乾燥後、ミンチ状残さの成形体を個食単位に所定の大きさのブロックに裁断し、図2に示すように、このブロック9を耐熱性で通水性のある袋10に挿入する。11は通水孔である。耐熱性で通水性のある袋としては、例えば、市販されている不織布で成形された略長方形状(4cm×6cm程度)のティパックを利用することができる。このように、凍結乾燥後のだしブロックを個別包装することにより、軽量且つコンパクトで衛生的な個食だしパックの製造が可能となる。 また、図には示さないが、凍結乾燥した成形体を粗粒に粉砕した後に所定量計量し、通水性の袋に入れて包装する方法が好ましく使用でき、前記成形工程において、予め、個食単位に成形し、凍結乾燥した成形体をそのまま通水性の袋に入れて包装する方法等も使用可能である。
【0015】
図3は、以上の工程(1)〜(8)の概略フローを示すフロー図である。
(9)調理
以上のようにして製造した袋入りだしの素に熱湯を注ぐだけで、短時間に原料の持つ自然な風味と旨みの良好なだしを抽出することができる。
【0016】
【実施例】
本発明を、その好適な実施例に基づいて以下に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に基づいて限定的に解釈されるべきでないことはもちろんである。
(容器入り即席中華麺およびその調理方法の実施例)
上記のように製造した袋入りだしの素を、常法によって得られる熱風乾燥麺塊、粉末スープ、液体スープ及びかやくの各パック品と共にプラスチック製の容器に収容して蓋をし、容器入り即席中華麺を得た。
【0017】
得られた容器入り即席中華麺の調理を次のように行った。まず、容器から蓋を外して、袋入りだしの素と、粉末スープ、液体スープ及びかやくの各パック品を取り出した。次に、袋入りだしの素を麺塊の上に置き、麺塊が収容された容器内に熱湯を注ぎ、再度蓋をして4分間湯戻しし、だしの抽出を行った。4分間経過後、袋入りだしの素を取り出し、粉末スープ、液体スープ及びかやくの各袋を破り、中身を容器内に入れてよくかき混ぜて試食したところ、原料由来の自然な風味と旨みの強い、だしがよく利いたものであった。また、簡単な方法により、実際に本格的な調理体験ができ、趣向性に富んだものとなった。
【0018】
【発明の効果】
本発明は以上のとおり構成されているので、次の効果を奏する。
(1)請求項1記載の発明によれば、常温保存が可能で、原料をほとんど捨てることのない、原料由来の自然な風味と旨みの良好なだしの素を製造することができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、使用時に熱湯を注ぐだけで短時間に原料の持つ自然な風味と旨みを抽出することができる、軽量且つコンパクトで衛生的な個食だしの素を製造することができる。
(3)以上のように、本発明によれば、簡単な方法により、趣向性に富んだ本格的な調理体験ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧熱水加熱抽出容器の一例を示す、概略側断面図であり、一部破断している。
【図2】通水性の袋に本発明のだしの素のブロックを挿入した状態を示す一部破断斜視図である。
【図3】本発明の製造方法の一例のフロー図である。
【符号の説明】
1…金網カゴ
2…加圧抽出釜
3…抽出オイル
4…抽出エキス
5…抽出残さ
6…バルブ
7…蓋
8…蒸気排出口
9…ブロック
10…通水性のある袋
11…通水孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、だしの素の製造方法に関し、特に、液体スープに加えて風味と旨みの良好な中華麺用のだしとして好適であるだしの素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鶏ガラを使用した中華麺のスープとして使用するだしの素は、一般消費者向けの商品ではなく、主に業務用を対象としたものがほとんどであった。そして、鶏ガラを使用しただしの素の製造方法としては、ガラを粉砕したものを冷凍して透水性のパックに詰める方法(例えば、特許文献1参照)、あるいは、ガラとスープとの混合物を冷凍して透液性容器に収納するという方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特公昭62−34380号公報
【特許文献2】
特公平8−13249号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1および特許文献2に記載された製造方法では、冷凍処理したものを保管するための設備が必要である。また、単に冷凍処理しただけでは、ガラやスープに水分を含むため、嵩高く重くて流通と使用時取扱いに不便である。さらに、冷凍処理しただしからは、短時間で旨み成分を抽出することは困難である。
【0005】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、常温保存が可能で、原料をほとんど捨てることなく、原料の持つ自然な風味を有し、使用時に短時間でその風味と旨みの良好なだしを抽出することができる、軽量且つコンパクトなだしの素を製造するための方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るだしの素の製造方法は、畜肉および/又は畜骨からなる原料を加圧下で熱水加熱抽出して抽出エキスと抽出オイルと抽出残さとに分離し、前記抽出エキスを濃縮して得た濃縮エキスを、前記抽出残さをミンチすることによって得たミンチ状残さに混合した後に成形して成形体を得、この成形体を凍結乾燥することを特徴とする、だしの素の製造方法である。
【0007】
本発明によれば、冷凍保管設備を必要としない常温保存が可能で、原料をほとんど捨てることのない、原料の持つ自然な風味と旨みの良好なだしの素を製造することができる。
【0008】
そして、凍結乾燥した成形体を通水性の袋に入れて包装することにより、使用時に熱湯を注ぐだけで短時間に原料の持つ自然な風味と旨みを抽出することができる、軽量且つコンパクトで衛生的な個食だしの素を製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。実施の形態においては、だしの素の製造方法の一実施形態を工程順に説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において変更や修正が可能である。
(1)原料
本発明において、畜肉とは、牛肉、豚肉、馬肉、めん羊肉、やぎ肉、鶏肉等をいい、畜骨とは、これら畜類の骨をいう。本発明では、畜肉と畜骨は、単独で原料として用いられるが、併用して原料に用いると風味的により好ましいものとなる。また、肉と骨は別々であっても、肉と骨がくっついた形態であってもよい。
【0010】
本発明を実施する上での原料としては、丸鶏等の畜肉、鶏ガラまたは豚骨等の畜骨、さらに必要に応じて香味野菜等を用いることができる。
(2)加圧熱水加熱抽出工程
本発明は、上記原料をそのまま加圧下で熱水加熱抽出する工程から始まる。具体的には、図1に示す金網カゴ1(後記する抽出残さ5を見やすくするために、金網カゴの一部を破断している)に原料を入れ、これを加圧抽出釜2の中に装入し、加圧抽出釜2内に水を入れて、加熱沸騰後アク取りを施し、後記の加圧熱水加熱条件下でエキス抽出を行う。原料に加える水の量は、原料の嵩を1とすれば、1.5程度が好ましいが、加圧抽出釜2内に原料と水を入れた場合に、原料が浸る程度の水の量であればよい。熱水の温度は105〜125℃の範囲が好ましく、圧力は0.5〜1.5kgf/cm2の範囲が好ましく、加圧下の熱水加熱による抽出時間は原料の性状にもよるが、60〜120分の範囲が好ましい。この方法を採用することにより、原料からのエキス抽出時において、その抽出時間を短縮でき、抽出エキスの歩留まりを向上し、抽出エキスのブリックス度(以下、BXという)を上げて、後工程の濃縮の効率を向上させることができる。また、だしに好ましい調理臭を付与することができ、更にこの方法によって畜肉、畜骨等の原料が柔らかくなるので、後工程の抽出残さのチョッパー処理や成形処理における作業性が向上する。また、本発明では、原料を粉砕または細切りを行うことなく前記エキス抽出に付すことが好ましい。この方法を採用することにより、凍結乾燥後のだしの素に注湯したときのスープの白濁を抑制することができるからである。
(3)抽出と分離
図1に示す加圧抽出釜2の中に原料と水を入れて上記したような範囲内の温度と圧力と時間で加圧下熱水加熱抽出し、60〜90分かけて常圧まで減圧することにより、前記抽出物をその比重により、上層部に抽出オイル3、下層部に抽出エキス4と抽出残さ5に分離する。前記抽出後の分離物の回収方法としては、加圧抽出釜2の底面に設けられたバルブ6を開いて、まず抽出エキス4を排出して所定のタンクに回収し、次いで、抽出オイル3を排出して所定のタンクに回収し、最後に蓋7を全開して金網カゴ1を取り出し、抽出残さ5を回収する。回収した抽出オイルは、本発明のだしの素には使用することなく、別途液体スープ等の原料として利用することができる。8は蒸気排出口である。
(4)抽出エキスの濃縮
前記回収した抽出エキスのBXは通常3前後であることが多いが、本発明では上記加圧熱水加熱抽出工程を採用することにより、4.5前後まで上げられた抽出エキスを回収することができ、濃縮効率を向上させることができる。この抽出エキスを、さらにBX=10〜30好ましくはBX=20〜30程度まで濃縮して濃縮エキスを得る。後記するチョッパー処理後のミンチ状残さに濃縮エキスを浸透させるときの流動性と風味の濃さの点から、抽出エキスを上記BX範囲に濃縮するのが好ましい。濃縮装置としては、例えば、減圧濃縮缶を使用することができる。
(5)抽出残さのチョッパー処理(ミンチ処理)
回収した抽出残さは、5〜30mm程度のダイス径のチョッパーによりチョッパー処理し(ミンチし)、ミンチ状残さを得る。チョッパー処理に伴う予熱によってミンチ状残さの余分な水分が飛ばされるので、後記する濃縮エキスとの混合処理において、濃縮エキスが十分にミンチ状残さに浸透していくという効果が得られる。
(6)濃縮エキスとミンチ状残さの混合と成形
ここでいう混合は、濃縮エキスをミンチ状残さに加えて浸透させることを目的とするものであり、攪拌機等を使用して機械的に混ぜ合わせる操作のみを意図したものではない。従って、ミンチ状残さをほぐして拡げた上にミンチ状残さの重量に対して約0.5倍の重量の濃縮エキスを注ぎ、濃縮エキスをミンチ状残さに加えて浸透させるような操作を行うのが好ましい。このようにすることで、ミンチ状残さがエキスを吸ってペースト状になり、続く成形工程における成形がしやすくなる。
【0011】
すなわち、トレー上に拡げたミンチ状残さの上に濃縮エキスを注ぎ、へら等の器具により表面を平らにし、適当な厚さ(10〜20mm程度)の板状成形体にする。このとき、保形性の向上や後記する凍結乾燥時の歩留まり向上のために、澱粉やデキストリン等、またミンチ状残さ中に残っている油分の酸化を抑えるために、ビタミンE、ビタミンC等の抗酸化剤等、その他調味料等を添加するのが好ましい。
【0012】
また、前記成形工程において、予め個食単位の大きさに区切った成形トレー等に混合物を充填して成形してもよい。この方法を用いることにより、後工程で凍結乾燥後に、成形体を所定の大きさのブロックに裁断する工程等が省略できる。
【0013】
また、原料としては、畜肉と畜骨を併用したものが、前記の混合と成形がしやすく好ましい。
【0014】
上記のように抽出エキスを濃縮して得た濃縮エキスを、抽出残さをミンチすることによって得たミンチ状残さに加えて浸透させる方法を採用することにより、原料の持つ旨み成分をあますところなく利用し、風味と旨みの良好なだしの素を製造することができる。
(7)凍結乾燥
以上のようにして得られたミンチ状残さの成形体を、予め、品温−20℃に冷却して凍結させた後、凍結乾燥機に収容し、棚乾燥温度が開始時30℃で最終60℃、真空度が開始時0.5トールで最終0.1トールの減圧状態となる条件で、14〜15時間凍結乾燥を行う。この凍結乾燥により、常温保存が可能なだしの素を製造することができる。
(8)包装
凍結乾燥後、ミンチ状残さの成形体を個食単位に所定の大きさのブロックに裁断し、図2に示すように、このブロック9を耐熱性で通水性のある袋10に挿入する。11は通水孔である。耐熱性で通水性のある袋としては、例えば、市販されている不織布で成形された略長方形状(4cm×6cm程度)のティパックを利用することができる。このように、凍結乾燥後のだしブロックを個別包装することにより、軽量且つコンパクトで衛生的な個食だしパックの製造が可能となる。 また、図には示さないが、凍結乾燥した成形体を粗粒に粉砕した後に所定量計量し、通水性の袋に入れて包装する方法が好ましく使用でき、前記成形工程において、予め、個食単位に成形し、凍結乾燥した成形体をそのまま通水性の袋に入れて包装する方法等も使用可能である。
【0015】
図3は、以上の工程(1)〜(8)の概略フローを示すフロー図である。
(9)調理
以上のようにして製造した袋入りだしの素に熱湯を注ぐだけで、短時間に原料の持つ自然な風味と旨みの良好なだしを抽出することができる。
【0016】
【実施例】
本発明を、その好適な実施例に基づいて以下に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に基づいて限定的に解釈されるべきでないことはもちろんである。
(容器入り即席中華麺およびその調理方法の実施例)
上記のように製造した袋入りだしの素を、常法によって得られる熱風乾燥麺塊、粉末スープ、液体スープ及びかやくの各パック品と共にプラスチック製の容器に収容して蓋をし、容器入り即席中華麺を得た。
【0017】
得られた容器入り即席中華麺の調理を次のように行った。まず、容器から蓋を外して、袋入りだしの素と、粉末スープ、液体スープ及びかやくの各パック品を取り出した。次に、袋入りだしの素を麺塊の上に置き、麺塊が収容された容器内に熱湯を注ぎ、再度蓋をして4分間湯戻しし、だしの抽出を行った。4分間経過後、袋入りだしの素を取り出し、粉末スープ、液体スープ及びかやくの各袋を破り、中身を容器内に入れてよくかき混ぜて試食したところ、原料由来の自然な風味と旨みの強い、だしがよく利いたものであった。また、簡単な方法により、実際に本格的な調理体験ができ、趣向性に富んだものとなった。
【0018】
【発明の効果】
本発明は以上のとおり構成されているので、次の効果を奏する。
(1)請求項1記載の発明によれば、常温保存が可能で、原料をほとんど捨てることのない、原料由来の自然な風味と旨みの良好なだしの素を製造することができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、使用時に熱湯を注ぐだけで短時間に原料の持つ自然な風味と旨みを抽出することができる、軽量且つコンパクトで衛生的な個食だしの素を製造することができる。
(3)以上のように、本発明によれば、簡単な方法により、趣向性に富んだ本格的な調理体験ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧熱水加熱抽出容器の一例を示す、概略側断面図であり、一部破断している。
【図2】通水性の袋に本発明のだしの素のブロックを挿入した状態を示す一部破断斜視図である。
【図3】本発明の製造方法の一例のフロー図である。
【符号の説明】
1…金網カゴ
2…加圧抽出釜
3…抽出オイル
4…抽出エキス
5…抽出残さ
6…バルブ
7…蓋
8…蒸気排出口
9…ブロック
10…通水性のある袋
11…通水孔
Claims (2)
- 畜肉および/又は畜骨からなる原料を加圧下で熱水加熱抽出して抽出エキスと抽出オイルと抽出残さとに分離し、前記抽出エキスを濃縮して得た濃縮エキスを、前記抽出残さをミンチすることによって得たミンチ状残さに混合した後に成形して成形体を得、この成形体を凍結乾燥することを特徴とする、だしの素の製造方法。
- 凍結乾燥した成形体を通水性の袋に入れて包装することを特徴とする請求項1記載のだしの素の製造方法。
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|---|---|---|---|
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004166609A true JP2004166609A (ja) | 2004-06-17 |
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| JP2002336927A Pending JP2004166609A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | だしの素の製造方法 |
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2002
- 2002-11-20 JP JP2002336927A patent/JP2004166609A/ja active Pending
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