JP2004175706A - 新規なブプレノルフィンのエステル誘導体及びそれらの調製方法、及び長時間効力持続性鎮痛薬剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塩酸ブプレノルフィンと比較して、より長い鎮痛剤作用を及ぼす、新規なブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体及びジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体をここに開示する。又、新規なブプレノルフィンのエステル誘導体、及び新規なブプレノルフィンのエステル誘導体含有の長時間作用性鎮痛薬剤組成物の合成方法も開示する。
【選択図】 図20−A
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なブプレノルフィンのエステル誘導体、特に、ブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体及びジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体に関し、それらは、塩酸ブプレノルフィンと比較して、より長時間の鎮痛効果を発揮する。本発明は又、新規なブプレノルフィンのエステル誘導体、さらには、ブプレノルフィン塩基と新規なブプレノルフィンのエステル誘導体とから選択される化合物を含有する長時間作用性鎮痛薬剤組成物の調製方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
持続性の無痛状態は、手術後の痛みや癌の痛みなどの中等度から重度の疼痛に苦しむ患者にとっては特に望ましいものである。現在、この分野では局所麻酔薬、弱い鎮痛剤及び強力な鎮痛剤が使用されているが、これらは全て短時間作用性の薬剤である。
【0003】
局所麻酔薬、例えばキシロカインやブピバカインは、ある種の痛みを緩和するが、これらは制限された領域にしか適用することができない。さらに、局所麻酔薬は、短時間作用性であるため、髄腔内へ導入した場合でさえ、通常せいぜい6時間の作用持続時間しか示さない。従って、局所麻酔薬は、心臓、肺、腹部、整形外科及び産科の外科手術、重度の熱傷及び末期の癌による急性且つ激しい痛みを緩和するという要求を満たしていない。
【0004】
アセトアミノフェノン及び非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)などの弱い鎮痛薬は、低い強度の痛み、例えば頭痛や歯痛による痛みなどを緩和するが、激しい痛みの場合には役に立たない。
【0005】
高い強度の痛み及び起始点において広範囲に及ぶ痛みに対しては、強力な鎮痛薬、例えばモルヒネ、メペリジン及びフェンタニールなどが使用される。これらは、中枢神経系(CNS)において特定のオピオイドレセプタ(即ち、μレセプタ)と相互作用し、強力な鎮痛作用を呈す。しかしながら、全てのオピオイド鎮痛薬は、共通の欠点を示す(Hayes, A. G.等、Br. J. Pharmacol、Vol 79、731、1983年)。これらの強力な鎮痛薬を長期間使用することに伴う最も望ましくない問題とは、中毒の発生である。さらには、これらの強力な鎮痛薬は、呼吸機能の弱い患者に深刻な呼吸低下を招くことがある。また、これら強力な鎮痛薬は、比較的短時間、即ち、3〜5時間の作用時間を呈する。髄腔内へ投与した場合でさえ、これら強力な鎮痛薬は24時間以上の期間にわたって継続するような作用の持続時間をもたらすことはできない。これに加えて、そのような薬剤をより多量に服用した場合、例えば、持続性の鎮痛効果を得るために髄腔内へ0.5〜1.0mg/用量のモルヒネを投与した場合、致命的な呼吸低下が起こり得る(Baxter, A. D.等、Can. J. Anesth.、Vol 36、503、1989年)。
【0006】
その化学名が(5α,7α(S)−17−シクロプロピル−メチル)−α−(1,1−ジメチルエチル)−4,5−エポキシ−18,19−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−6−メトキシ−α−メチル−6,14−エテノモルフィナン−7−メタノールであるブプレノルフィンは、強力な鎮痛効果を有する部分的オピオイド作動薬(アゴニスト)として知られている。ブプレノルフィン(遊離塩基の形態で)の分子量は467.7であり、以下の式(A)で示される。
【0007】
【化3】
【0008】
ブプレノルフィンは、痛覚消失など多くのオピオイドアゴニスト(作動薬)の機能に関与する。κアゴニズム(拮抗作用)の欠如は、アゴニスト/鎮痛薬では度々見られる抑うつなどの不快感及び精神異常作用が、ブプレノルフィンには全くない理由を説明する。その他の研究では、ブプレノルフィンのオピオイド拮抗作用は、σオピオイドレセプタとの相互作用によって介在し得ることが示唆されている。
【0009】
その他の強力なオピオイドアゴニストと同様に、ブプレノルフィンは強力な用量に関係した無痛状態を引き起こす。正確なメカニズムは未だ完全には知られていないが、ブプレノルフィンの無痛作用は、明らかに中枢神経系におけるブプレノルフィンのμオピオイドレセプタに対する高い親和力に起因する。さらに、ブプレノルフィンは、痛みのいき値(救心神経終末のいき値から有害な刺激まで)を変え得る。体重に基づいた、非経口によるブプレノルフィンの鎮痛効力は、モルヒネの場合の約25〜50倍、ペンタゾシンの場合の約200倍、そしてメペリジンの場合の約600倍である。
【0010】
ブプレノルフィンは、オピオイドアゴニスト(例えばモルヒネ)や混合アゴニスト−鎮痛薬(例えばペンタゾシン、ブトルファノール、ナルブフェン)と比較して、多くの患者にいくつかの治療利点をもたらす。例えば、混合アゴニスト−鎮痛薬と違って、ブプレノルフィンは精神異常作用が少ない。アゴニスト(例えばモルヒネやフェンタニル)と比較した場合、ブプレノルフィンは呼吸低下の危険性が比較的少ない。
【0011】
ブプレノルフィンは、全アゴニストオピオイドと比べて身体への負担がより少ない。頻繁ではないが、しかし、ブプレノルフィンは限定的な身体的依存を引き起こす場合があり、ブプレノルフィンのみを用いた長期治療を中断した後に、軽い禁断症状の前兆や徴候が現れる場合がある。ブプレノルフィンの、μレセプタからのゆっくりとした解離に起因して、急な中断に続くブプレノルフィンのCNSからの放出が長引く。結果として、ブプレノルフィンの急性禁断症状に起因する徴候や症状は、モルヒネによるものよりも強くなく、よりもっと遅く起こる。
【0012】
米国特許第3,433,791号(1968年)に開示されたブプレノルフィンは、商標名Buprenoex(Morton−Norwich)と商標名Temgesic(Reckitt and Coldman)で販売されており、主として外科手術、癌、事故外傷及び心筋梗塞に起因する痛みに対処するのに使用されている。ブプレノルフィンはまた、ヘロインの部分的オピオイドアゴニスト特性に起因するヘロイン中毒の解毒治療においても使用されている(Bickel, W. K.等、Chem. Pharmacol. Ther.、1988年、43(1):72−78、及びFudala, P. J.等、Clin. Pharmacol. Ther.、1990年、47(4):525−534)。ブプレノルフィンは通常、筋内注射又は静脈内注射によって投与されるが、その作用はたった6〜8時間しか持続しない。
【0013】
長時間持続性の鎮痛作用は、特に急性のあるいは慢性の疼痛に苦しむ患者に望ましい。こういった疼痛は何日間もの間から何ヶ月間もの間続く場合がある。例えば、術後痛、外傷痛及び熱傷痛などの急性の痛みの場合、4〜6日間続く場合があり、非悪性痛及び癌による疼痛などの慢性の痛みの場合には数週間から数ヶ月続く場合がある。
【0014】
標的の薬物を臨床的に使用する間の、その効力持続時間を制御したり引き延ばしたりするため、いくつかの製薬剤が開発された。ブプレノルフィンに関しては、その遊離塩基の融点、218℃において反射した際の、高レベルの結晶化度に起因して、ブプレノルフィンは単独で経皮的ドラッグ・デリバリ(薬物送達)の有力候補となることはほとんどあり得ない。浸透エンハンサーを伴う塩酸塩の利用が、鎮痛を目的とするブプレノルフィンの皮膚への十分な浸透を得るための1つの解法として提案されている。例えば、米国特許第6,004,969号には、ブプレノルフィンの経皮的送達製剤が開示されており、この製剤はブプレノルフィン又はその塩酸塩、経皮的浸透エンハンサーとしての漢方薬由来の成分、及び経皮性製剤に必要なその他の賦形剤を含んでなる。
【0015】
プロドラッグ戦略は、別の実行可能な手段である。Pharm. Res. (1995年)、12(10):1526−1529の中で、Stinchcomb等は、6種のブプレノルフィンのアルキルエステルプロドラッグを報告しており、その合成は、塩酸ブプレノルフィンから開始され、溶剤としてのジメチルホルムアミド(DMF)の存在下におけるブプレノルフィン遊離塩基と、酸無水物と、4−ジメチルアミノピリジンとの反応を含む。ヘキサン溶解性を含む6種のブプレノルフィンのアルキルエステルプロドラッグの物理化学的性質が、ブプレノルフィンHCl及びブプレノルフィン遊離塩基の物理化学的性質と比較されている。Stinchcomb等は、さらに、ブプレノルフィン及びそのC2−C4アルキルエステルプロドラッグの浸透性を、体毛の無いマウスの皮膚とヒトの皮膚とによって調査しており、浸透実験用のテスト調合物中で軽油を賦形剤として使用している(Hirofumi Imoto等、Biol. Pharm. Bull.(1996年)、19(2):263−267、及びStinchcomb等、Pharm. Res.(1996年)、13(10):1519−1523)。
【0016】
しかしながら、これまでに、治療用途に適した注射可能で長時間作用性の、ブプレノルフィンの投薬形態は開示されていなかった。さらに、生体内でのブプレノルフィンの作用持続時間が効果的に延びる、ブプレノルフィンの新しい誘導体の開発が未だ望まれている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、激しい痛みに苦しむ、ヒトを含む生体の治療に使用可能な、長時間作用が持続し、且つブプレノルフィンHClと同じ作用を有する新規なブプレノルフィンのエステル誘導体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
第1の態様において、本発明は、式(I)の新しいブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体を提供する。
【0019】
【化4】
【0020】
式中、Rは、任意にアリール基で置換された直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和脂肪族基、及び任意に直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和脂肪族基で置換されたアリール基からなる群より選択される。
【0021】
但し、Rはメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル及びイソプロピルから成る群からは選択されない。
【0022】
第2の態様において、本発明は、式(II)の新しいジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体を提供する。
【0023】
【化5】
【0024】
式中、R1は、任意にフェニル基で置換された飽和又は不飽和脂肪族基である二価の部分である。
【0025】
第3の態様において、本発明は、前述の新規なブプレノルフィンのエステル誘導体の製造方法を提供する。
【0026】
式(I)のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体の製造方法は、以下のステップを含む。
(i) ブプレノルフィンHCl又は塩基を、塩化メチレンの存在下においてトリメチルアミンで処理するステップ、及び、
(ii) ステップ(i)からの混合物に、式RCOOH(式中、Rは任意にアリール基で置換された直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和脂肪族基、及び任意に直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和脂肪族基で置換されたアリール基からなる群より選択される)の化合物、あるいはそれらの酸無水物又は酸塩化物を、塩化メチレンの存在下で添加するステップ。
【0027】
式(II)のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体の製造方法は、以下のステップを含む。
(i’) ブプレノルフィンHCl又は塩基を、塩化メチレンの存在下においてトリメチルアミンで処理するステップ、及び、
(ii’) ステップ(i’)からの混合物に、式R1(COOH)2(式中、R1は、任意にフェニル基で置換された飽和又は不飽和脂肪族基である二価の部分)の化合物、あるいはそれらの酸無水物又は酸塩化物を、塩化メチレンの存在下で添加するステップ。
【0028】
第4の態様において、本発明は、上述の式(I)のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体、あるいは式(II)のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体を含む薬剤組成物を提供する。
【0029】
第5の態様において、本発明は、ブプレノルフィン塩基、式(I)のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体、及び式(II)のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体から選択される化合物を含み、筋肉内又は皮下へ投与した場合により長時間持続する作用を呈する、注射可能なオイル懸濁液を提供する。
【0030】
本発明の上述及びその他の利点については、以下に詳述する好ましい実地の形態及び付随する図面で明らかとなろう。
【0031】
【発明の実施の形態】
塩酸ブプレノルフィンの非経口薬(0.3mgブプレノルフィン/mL)は、筋肉内及び静脈内への投与用のBuprenex.RTM.(Reckitt & Colman)として市販されている。中等度の痛みから激痛を軽減するのに必要とされる筋肉内又は静脈内への通常の投与量は、13歳以上の成人で6〜8時間毎に0.3mgである。2〜12歳の患者に対する、小児の投与量は、4〜6時間毎に2〜6μg/体重1kgである。0.2〜0.3mg、あるいは2〜4μg/体重1kgの筋肉内又は静脈内注射後、痛覚消失の平均時間は、一般的に6時間である。
【0032】
非経口注射及び舌下により投与されたブプレノルフィンの薬物動態は既知である。1回の用量が約0.3mgであるブプレノルフィンの静脈内への投与は、約2分間以内に発現する、約18ng/mLという平均最大血漿薬濃度をもたらすことが示されている。血漿濃度は、約5分後には9ng/mL、約3時間後には0.4ng/mLまで低下した。続いて、最初の静脈内への投与の3時間後に、2回目の0.3mg用量を筋肉内投与した。約3.6ng/mLという平均最大血漿ブプレノルフィン濃度が約2〜5分後に発現し、約3時間後には約0.4ng/mLまで低下した。投与してからおおよそ10分後、ブプレノルフィンの血漿濃度は静脈内又は筋肉内注射の結果に類似する。通常、ブプレノルフィンの舌下の鎮痛剤用量は8時間毎に0.2〜0.4mgであることがこれまでに報告されている(例えば、Kuhlman, JJ等のJ. Analyt. Toxicol. (1996年)、20(10):369−378を参照)。0.4mgの舌下の用量に関しては、Cmaxは、0.5±0.06ng/mLであり、Tmaxは210±40分であり、全身の有効度は57.7±6%であると報告されている。
【0033】
ブプレノルフィンはまた、N−脱アルキルにより主として肝臓内で完全に代謝され、ノルブプレノルフィン(N−脱アルキルブプレノルフィン)が生成される。ブプレノルフィンとノルブプレノルフィンは、グルクロン酸との共役もまた経る。その他のオピオイド拮抗薬の代謝物質同様、ノルブプレノルフィンも弱い鎮痛作用を有し得る。しかしながら、ブプレノルフィンの代謝物質の鎮痛作用を確認する研究は、これまで行われてこなかった。ブプレノルフィンとその代謝物質は、主として、胆管の排泄により便中に排出され、尿中にも排出される。ブプレノルフィンは主に変化していない薬物として便中に排出される。少量のノルブプレノルフィンもまた便中に排出される。薬物とその代謝物質は腸肝循環を経ると考えられている。ノルブプレノルフィンは、その親薬物よりも遅い速度で、主として尿中に排出されると思われる。ブプレノルフィンの総血漿クリアランスは、術後意識のある患者で、おおよそ0.28L/分であると報告されている。限定的データによれば、児童においては、相当な個人間の変動性が存在することが示されている。しかしながら、薬物のクリアランスは、成人と比較して、児童(例えば5〜7歳)においてはより速いと思われる。適切なブプレノルフィンの投与間隔は、小児患者では減らすべきであろう。
【0034】
前述の観点から、本出願人は、ブプレノルフィンの作用持続期間を引き伸ばそうと試み、ブプレノルフィンHClと同じ鎮痛効果を有することが証明された、新規なブプレノルフィンのエステル誘導体を合成した。また、ブプレノルフィン塩基と本発明の新規なブプレノルフィンのエステル誘導体とから選択される化合物を含む持続放出性薬剤組成物をも開発した。これらの組成物は、比較的迅速(2時間以内)な作用の発現を伴う、数日間という長時間作用性の鎮痛効果を呈することが実証された。
【0035】
モルフィン環(モルヒネ、ブプレノルフィン、ナルブフィンなどの基本構造)の3個の炭素原子上のフェノール基のエステル化により、エステル化された誘導体が以下の特徴を有するようになる。(1) 増大された脂肪親和性、(2) モルヒネレセプタに対する低い親和性、(3) 副作用は低減されているが、放出された親薬物は同じ薬理作用を維持する、及び(4) エステル化誘導体と母化合物の効果と安全性は同じままである(Broekkamp CL等、J. Pharm. Pharmacol、1988年、40:434−7)。
【0036】
本発明は、式(I)の新しいブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体を提供する。
【0037】
【化6】
【0038】
式中、Rは、任意にアリール基で置換された直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪族基、及び任意に直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪族基で置換されたアリール基から選択される。
【0039】
但し、Rは、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル及びイソプロピルから選択されない。
【0040】
好ましくは、Rは任意にフェニル基で置換されたアルキル基である。
【0041】
好ましくは、Rは2〜40個の炭素原子を有するアルキル基であり、より好ましくは、5〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0042】
好ましくは、Rは、任意にフェニル基で置換された直鎖のアルキル基、任意にフェニル基で置換された分岐アルキル基、任意に直鎖脂肪族基で置換されたフェニル基、及び任意に分岐脂肪族基で置換されたフェニル基から成る群から選択される。
【0043】
本発明の好ましい実施態様において、Rは、式RCOOHの脂肪酸から誘導されたアルキル部分である。より好ましくは、Rは、任意にフェニル基で置換された、2〜40個(好ましくは5〜20個)の炭素原子を有するアルキル基である。
【0044】
本発明の好ましいブプレノルフィンモノカルボン酸エステルは、ブプレノルフィンと、プロピオン酸、安息香酸、エナント酸、n−吉草酸、ピバル酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミトイル酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びセロチン酸などの飽和脂肪酸、及びオレイン酸、リノレン酸、ウンデシレン酸及びケイ皮酸などの不飽和脂肪酸からなる群から選択されるカルボン酸とから調製される。
【0045】
好ましくは、本発明のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体は、ブプレノルフィンピバレート、安息香酸ブプレノルフィン、デカン酸ブプレノルフィン、及びパルミチン酸ブプレノルフィンから選択される。
【0046】
本発明は又、式(II)の、新しいジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体を提供する。
【0047】
【化7】
【0048】
式中、R1は、任意にフェニル基で置換された飽和又は不飽和の脂肪族基である二価の部分である。
【0049】
好ましくは、脂肪族基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、フェニル基で置換された直鎖アルキル基及びフェニル基で置換された分岐アルキル基からなる群から選択される。好ましくは、脂肪族基は1〜40個の炭素原子、より好ましくは1〜20個の炭素原子を有する。
【0050】
好ましくは、R1は、1〜40個(より好ましくは3〜20個)の炭素原子を有するアルキレン基である。
【0051】
好ましくは、本発明のジブプレノルフィンジカルボン酸エステルは、ブプレノルフィンと、C5−C20脂肪族ジカルボン酸とから調製される。
【0052】
好ましくは、本発明のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体は、ジブプレノルフィンピメレート及びジブプレノルフィンセバシン酸エステルから選択される。
【0053】
ブプレノルフィン塩基は、そのHCl塩から調製した。所与の量の市販のブプレノルフィンHClを水に溶解し、その後、ブプレノルフィン塩基を沈殿させるためにNa2CO3の飽和溶液を加えた。それから沈殿物を濾過し、冷却脱イオン水で数回洗浄して過剰のNa2CO3を除去した。その後、白い残留物を空気中で一晩かけて乾燥した。乾燥した残留物を、水:エタノール(80:20)の混合物中へ添加し、60℃まで加熱して遊離塩基を溶解し、続いてすぐに濾過した。冷却すると、ブプレノルフィンは結晶化した。結晶性生成物を濾過し、穏やかな窒素流のもとで乾燥した。塩基の純度を、融点とHPLCアッセイでチェックした。塩基の融点は209℃であり、これは文献中で報告されているものと事実上同じである。HPLCアッセイで測定した場合の塩基の純度は99%であった。
【0054】
式(I)のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体は、以下のステップを含むプロセスによって調製することができる。
【0055】
(i) ブプレノルフィンHCl又は塩基を、塩化メチレンの存在下でトリメチルアミンで処理するステップ、及び、
(ii) ステップ(i)からの混合物に、塩化メチレンの存在下で式RCOOH(Rは、任意にアリール基で置換された直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪族基、及び任意に直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪族基で置換されたアリール基からなる群から選択される)の化合物、又はそれらの酸無水物かあるいは酸塩化物を添加するステップ。
【0056】
好ましくは、1〜40個(より好ましくは5〜20個)の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸、又はそれらの酸無水物かあるいは酸塩化物が、上記ステップ(ii)で使用される。より好ましくは、飽和C5−C20脂肪族カルボン酸が、上記ステップ(ii)で使用される。
【0057】
本発明の好ましい実施態様では、上記ステップ(ii)において塩化ヘプタノイルが使用される。
【0058】
本発明のその他の好ましい実施態様では、上記ステップ(ii)において塩化デカノイルが使用される。
【0059】
本発明のさらに好ましい実施態様において、上記ステップ(ii)で塩化ピバロイルが使用される。
【0060】
本発明のその他のさらに好ましい実施態様において、上記ステップ(ii)で塩化ヘキサデカノイルが使用される。
【0061】
本発明の別の好ましい実施態様では、上記ステップ(ii)において、塩化ベンゾイルが使用される。
【0062】
本発明による式(II)のブプレノルフィンポリエステル誘導体は、以下のステップを含むプロセスによって調製することができる。
【0063】
(i’) ブプレノルフィンHCl又は塩基を、塩化メチレンの存在下で、トリメチルアミンで処理するステップ、及び、
(ii’) ステップ(i’)からの混合物に、塩化メチレンの存在下で式R1(COOH)2(R1は、任意にフェニル基で置換された飽和又は不飽和の脂肪族基である二価の部分)の化合物、又はそれらの酸無水物かあるいは酸塩化物を添加するステップ。
【0064】
好ましくは、3〜40個(より好ましくは5〜20個)の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、又は、それらの酸無水物かあるいは酸塩化物が、上記ステップ(ii’)で使用される。より好ましくは、飽和C5−C20脂肪族ジカルボン酸が、上記ステップ(ii’)において使用される。
【0065】
本発明の好ましい実施態様において、上記ステップ(ii’)で塩化ヘプタンジオアチルが使用される。
【0066】
本発明のその他の好ましい実施態様では、上記ステップ(ii’)においてセバコイル酸が使用される。
【0067】
式(I)及び式(II)それぞれで示されるブプレノルフィンエステル誘導体を合成するために、ブプレノルフィンHCl又は塩基を塩化メチレン中に溶解し、続いて、トリメチルアミンの塩化メチレン溶液を加えた。式R(COOH)2、又は式R1(COOH)2の化合物の塩化メチレン溶液を、その混合物に滴下して加えた。
【0068】
エステル化が完了すると、得られた生成物をシリカゲルカラムを通過させることにより精製して、式(I)あるいは式(II)で示されるブプレノルフィンエステル誘導体を得た。
【0069】
あるいはまた、本発明のブプレノルフィンエステル誘導体は、アルコール又はフェノールからエステルを調製する一般的な方法、例えば、ブプレノルフィンの水酸基と、酸塩化物、酸無水物、式R(COOH)2、又は式R1(COOH)2の化合物のエステル又は塩化スルホニルとを反応させることによって得ることもできる。
【0070】
上述の方法によって合成されたブプレノルフィンエステル誘導体は、核磁気共鳴(NMR)、赤外(IR)分光法、紫外(UV)分光法、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(CG/MS)、及び元素分析によって同定された。
【0071】
ブプレノルフィンエステル誘導体は、所望により異なる投薬形態へ調剤され得る。
【0072】
一般に、標的の長時間作用性治療の有効性を達成すべく、様々な投薬形態が調製される場合があり、それら投薬形態においては、ヒト、あるいは動物に投与した際に標的薬物の放出速度が、例えばオイル中の標的薬物の増大された溶解度などの幾つかの要因によって減速し得るように、標的薬物をエステル化するか又はオイル賦形剤中に溶解して非経口調合物を形成する。これらの場合、標的薬物の投薬間隔を、延長された作用持続時間のおかげでより長く設定することができる。
【0073】
Int. Clin. Psychophacol(1986年)、Volume 1、第1頁中でGeldersが、Neuropharmacology(1998年)、volume 27、第475頁中でHinko, C.N.等が、放出が制御された投薬形態である、ゴマ油や大豆油などの注射可能オイル中のデカン酸ハロペリドールの形成、及び、1日に2〜4回であった投薬間隔を1ヶ月に1〜2回に延ばしたことによってそれらの鎮痛効果が延長されたと報告している。
【0074】
Norman T. R.は、Int. Clin. Psychopharmacol. (1987年)、volume 2、第229〜305頁において、フルフェナジンからのデカン酸フルフェナジンの調製を報告している。Hinko, C.N.は、Neuropharmacology(1988年)、volume 27、第475〜483頁において、ニペコチン酸のエステルの調製を報告している。Broekkamp C.L.は、J. Pharm. Pharmacol.(1988年)、Vol. 40、第434〜437頁において、モルヒネからのモルフィンニコチノイルエステルの調製を報告している。Joshi, J.V.等は、Steroids(1989年)、volume 53、第751〜761頁において、エナント酸ノルチステロンの前駆体の調製を報告しており、この前駆体は2ヶ月までの比較的長い投薬間隔で設定することができる。
【0075】
しかしながら、自然に存在する未知の要因に起因して、時に、オイル賦形剤から標的薬物が非常に速く放出されてしまう場合がある。例えば、テストステロン懸濁液の筋肉内投与によるテストステロンの放出は、非常に速いことが解っている(Tanaka, T.、Chem. Pharm. Bull.(1974年)、Vol. 22、第1275〜1284頁)。Titulaer, H.A.C.は、筋肉内投与、静脈内投与、経口投与又は直腸投与用の様々な投薬形態を形成するための、非経口オイル中へのアルテミシンの添加を報告している。しかしながら、そのような投薬形態では、薬物が急速に放出されてしまった(J. Pharm. Pharmacol.(1990年)、Vol. 42、第810〜813頁)。Zuidema, Z.等は、International J. of Pharmaceutics(1994年)、Vol. 105、第189〜207頁中で、非経口投与用の投薬形態の放出速度と範囲は、非常に迷走性且つ可変性であると報告している。
【0076】
前述の研究によれば、オイル賦形剤中に懸濁、又は溶解された薬剤組成物を含む投薬形態は、確実により長い治療効果持続期間を呈するわけではない。概して、長時間作用性の投薬形態を得る目的でそのような賦形剤中に標的薬物を添加しようとする試みには、標的薬剤の物理的な溶解度、安定性、及びオイル賦形剤からの放出速度を考慮する必要性がある。
【0077】
前述の観点から、ブプレノルフィンの効力持続期間を引き伸ばすという目的を達成するため、本書において、本願出願人は鎮痛製薬製剤を提供する。この鎮痛製薬製剤は、注射可能なオイルに混合された状態の、ブプレノルフィン塩基、上述の式(I)のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体、及び上述の式(II)のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体から選択される化合物を含有する注射可能なオイル、及び任意に製薬的に許容可能な賦形剤を含む。この製剤は、そこに含まれる化合物がより長い痛み軽減作用持続時間を有することを可能にする。
【0078】
本発明で使用される適切な注射可能なオイルは、注射製剤のための賦形剤として機能するものであり、例えば、ゴマ油、大豆油、ヒマシ油、綿実油、ラッカセイ油あるいはラッカセイ油のエチルエステル、又はこれらの組合せを包含する。注射可能なオイル製剤は、筋肉内経路及び皮下経路を介して投与することができる。
【0079】
本発明は又、ブプレノルフィン塩基及び本発明の新規なブプレノルフィンエステル誘導体のための、長時間作用性投薬形態を調製する方法を提供する。この方法において、ブプレノルフィン塩基、又は上述の式(I)あるいは式(II)のブプレノルフィンエステル誘導体は、注射可能なオイル賦形剤と混合され、任意に、通常、医薬の製造に採用される製薬的に許容可能な賦形剤が添加され、それにより、放出が制御された投薬形態を形成することができる。
【0080】
本発明によれば、製薬的に許容可能な賦形剤は、それが存在する場合には、ベンジルアルコール又はクロロブタノール、あるいはそれらの組合せから選択され得る。
【0081】
本発明の長時間作用性の非経口投薬形態は、数日間に1回の投与が可能である。本発明の長時間作用性の非経口投薬形態は、比較的大きな用量で投与された場合でさえ、望ましくない作用の発生は最小限であった。
【0082】
上述のように、本発明の薬剤組成物の利点には、延長された作用持続時間、迅速な作用開始(2時間以内)及び安全性が包含され、これらは治療の質を改善するであろう。本発明の薬剤組成物は、痛みに苦しむ患者に対して、6〜8時間ではなく、数日間という投薬間隔を設けることが可能である。
【0083】
【実施例】
以下の例は、本発明の範囲を限定するものとしてではなく、単に例示目的で与えられる。
【0084】
以下の表1は、本発明の好ましいブプレノルフィンエステル誘導体の化学構造を示している。
【0085】
【表1】
【0086】
合成例1 エナント酸ブプレノルフィンの調製
75mLの塩化メチレン(米国、Mallinckrodt、Baker)及び0.01モルのブプレノルフィンHCl又は塩基を、冷却用の氷浴内に配置した250mLの丸底フラスコ内に加えた。混合物を撹拌し、0.03モルのトリエチルアミン(米国ミズーリ州、Sigma)を含む20mLの塩化メチレンを、徐々にそこに添加した。速い撹拌と共に、別の、0.011モルの塩化ヘプタノイル(米国、ミルウォーキー、Aldrich)を含む20mLの塩化メチレンを滴下により添加した。その後、混合物を室温で1時間撹拌した。10%の炭酸ナトリウム溶液20mLを、残りの酸を中和し、水溶性の不純物を除去するために加えた。溶液を脱水するために硫酸ナトリウムを使用した。真空下で乾燥後、表題の化合物、即ち、エナント酸ブプレノルフィンを得た。生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0087】
表題の化合物である生成物は、表題の化合物の1H−NMRスペクトルチャート、マススペクトルチャート、UVチャート、及びIRチャートをそれぞれが示している、図1、図2、図3及び図4によって確認された。
検出された表題化合物の特性
試料の1H−NMR(400MHz、CDCl3):6.71(d,1H,J=8.1Hz)、6.52(d,1H,J=8.0Hz)、5.83(s,1H)、4.35(s,1H)、3.40(s,3H)、2.99−2.80(m,3H)、2.59−2.43(m,3H)、2.28−1.59(m,11H)、1.35−0.41(m,33H)。
【0088】
試料のマスフラグメント(amu):580、564、523、490、478、464、378、113、84、55(GC−MS分光器(英国、Perkin ElmerのSpectrum RXI)を用いて検出を行った。)
試料のIR吸収(cm−1):3441.2、3076.6、2929.9、1763.2、1610.8(FT−IR分光器(英国、Perkin ElmerのSpectrum RXI))を用いて検出を行った。
【0089】
さらに、表題化合物の物理的特徴を以下の表2に示す。
合成例2 デカン酸ブプレノルフィンの調製
塩化ヘプタノイルの変わりに、0.011モルの塩化デカノイル(スイス国Buchs、Fluka)を使用した以外は、上記合成例1で説明した方法に従って、表題の化合物を調製した。純粋なデカン酸ブプレノルフィンを得た。(図5、図6、図7及び図8を参照されたい。これらは、それぞれが、表題の化合物の1H−NMRスペクトルチャート、マススペクトルチャート、UVチャート、及びIRチャートを示している。)検出された表題化合物の特性
試料の1H−NMR(400MHz、CDCl3):6.76(d,1H,J=8.0Hz)、6.58(d,1H,J=8.1Hz)、5.91(s,1H)、4.41(s,1H)、3.45(s,3H)、3.00(m,2H)、2.87(m,1H)、2.50(t,2H,J=7.4Hz)、2.33−2.10(m,5H)、2.00−1.78(m,4H)、1.72−1.66(m,4H)、1.37−1.25(m,18H)、1.04(m,11H)、0.87(t,3H,J=6.6Hz)、0.80(m,1H)、0.69(m,1H)、0.48(m,2H)、0.11(m,2H)。
【0090】
試料のマスフラグメント(amu):622、607,565、533、521、507、380、55(GC−MS分光器(英国、Perkin ElmerのSpectrum RXI)を用いて検出を行った。)
試料のIR吸収(cm−1):3448.0、3076.4、2927.1、1763.8、1610.7(FT−IR分光器(英国、Perkin ElmerのSpectrum RXI))を用いて検出を行った。
【0091】
さらに、表題化合物の物理的特徴を以下の表2に示す。
合成例3 ブプレノルフィンピバレートの調製
75mLの塩化メチレンと0.01モルのブプレノルフィンHCl又は塩基を、氷浴させた250mLの丸底フラスコ内に配置した。20mLの塩化メチレン中に溶解した0.011モルのピバロイルクロリド(米国ニュージャージー州、Acros)を、撹拌しながらフラスコ内に徐々に添加した。続いて合成例1で説明した手順を行い、純粋なブプレノルフィンピバレートを得た。(表題の化合物のマススペクトルチャート、UVチャート、及びIRチャートをそれぞれが示す、図9、図10及び図11を参照のこと。)
検出された表題化合物の特性
試料のマスフラグメント(amu):552、537、519、495、463、451、436、84、57(GC−MS分光器(英国、Perkin ElmerのSpectrum RXI)を用いて検出を行った。)
試料のIR吸収(cm−1):3439.2、3077.1、2976.6、1753.0、1610.2(FT−IR分光器(英国、Perkin ElmerのSpectrum RXI))を用いて検出を行った。
【0092】
さらに、表題化合物の物理的特徴を以下の表2に示す。
合成例4 パルミチン酸ブプレノルフィンの調製
塩化ヘプタノイルの変わりに0.011モルの塩化ヘキサデカノイル(米国、ミルウォーキー、Aldrich)を使用した以外は上述の合成例1で説明した方法に従って、表題の化合物を調製した。純粋なパルミチン酸ブプレノルフィンを得た。(表題化合物のUVチャート及びIRチャートをそれぞれ示している図12及び図13を参照のこと。)
検出された表題化合物の特性
試料のIR吸収(cm−1):3447.0、3076.9、2924.0、1763.3、1610.9(FT−IR分光器(英国、Perkin ElmerのSpectrum RXI))を用いて検出を行った。
【0093】
さらに、表題化合物の物理的特徴を以下の表2に示す。
合成例5 ジブプレノルフィンピメレートの調製
塩化ヘプタノイルの変わりに0.006モルの塩化ヘプタンジオアチル(米国、ミルウォーキー、Aldrich)を使用した以外は上述の合成例1で説明した方法に従って、表題の化合物を調製した。純粋なジブプレノルフィンピメレートを得た。(表題化合物のIRチャート及びUVチャートをそれぞれ示している図14及び図15を参照のこと。)
検出された表題化合物の特性
試料のIR吸収(cm−1):3435.0、3077.0、2953.0、1760.8、1611.0(FT−IR分光器(英国、Perkin ElmerのSpectrum RXI))を用いて検出を行った。
【0094】
さらに、表題化合物の物理的特徴を以下の表2に示す。
合成例6 ジブプレノルフィンセバコイルエステルの調製
塩化ヘプタノイルの変わりに0.006モルの塩化セバコイル(スイス国、Buchs、Eluka)を使用した以外は上述の合成例1で説明した方法に従って、表題の化合物を調製した。純粋なジブプレノルフィンセバコイルエステルを得た。(表題化合物の1H−NMRスペクトルチャート、UVチャート及びIRチャートをそれぞれ示している図16、図17及び図18を参照のこと。)
検出された表題化合物の特性
試料の1H−NMR(400MHz、CDCl3):6.75(d,2H,J=8.0Hz)、6.57(d,2H,J=8.0Hz)、5.90(s,2H)、4.40(s,2H)、3.44(s,6H)、2.99(m,4H)、2.87(m,2H)、2.59(m,2H)、2.50(t,4H,J=7.6Hz)、2.32−2.23(m,8H)、2.10(m,2H)、2.00−1.66(m,16H)、1.36−1.26(m,18H)、1.05−1.01(m,22H)、0.80(m,2H)、0.69(m,2H)、0.47(m,4H)、0.10(m,4H)。
【0095】
試料のIR吸収(cm−1):3435.3、3077.2、2931.9、1760.0、1611.3(FT−IR分光器(英国、Perkin ElmerのSpectrum RXI))を用いて検出を行った。
【0096】
さらに、表題化合物の物理的特徴を以下の表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】
調合例1
ブプレノルフィン塩基又は本発明のブプレノルフィンエステル誘導体を含む注射可能オイル調合物の調製
(1) 10μモルのブプレノルフィン塩基を、1mLのゴマ油に加えた。混合物が完全に溶解するように、若干揺すった。
【0099】
(2) 20μモルのプロピオン酸ブプレノルフィンを、1mLのゴマ油に加えた。混合物が完全に溶解するように、若干揺すった。
【0100】
(3) 20μモルのデカン酸ブプレノルフィンを、1mLのゴマ油に加えた。混合物が完全に溶解するように、若干揺すった。
【0101】
(4) 20μモルのブプレノルフィンピメレートを、1mLのゴマ油に加えた。混合物が完全に溶解するように、若干揺すった。
【0102】
(5) 20μモルのブプレノルフィンエステル又はポリエステルを、ラッカセイ油又は大豆油のエチルエステル1mL中に加えた。混合物が完全に溶解するように、若干揺すった。
薬理例1
筋肉内注射を介した塩酸ブプレノルフィンの生体内における鎮痛効果(投与量を見出すための研究)
(1) 動物:オスのSDラット(175−225gm、6週令)、各グループ中、n=6。
【0103】
(2) 薬剤:0.9%の生理食塩水に溶解した塩酸ブプレノルフィンの溶液、0.02μモル/kg(=0.01mg/kg)、0.06μモル/kg(=0.03mg/kg)、0.18μモル/kg(=0.09mg/kg)、0.6μモル/kg(=0.3mg/kg)、テストラットの右後ろ脚に筋肉内注射。
【0104】
(3) テスト:デバイス(イタリア国、7370、UGO、BASILE)を使用した足底テスト。
【0105】
足底(plantar)テストは、抑制されていないラットへの薬物による熱刺激に対する、末梢的に媒介した応答を、研究者が確認できるようにする。これは基本的に、オペレータによってその上にラットが載せられたガラスパネルの下に配置された移動可能なI.R.(赤外)発生器を含む。パースペックス(商標名)の囲いで空間を仕切り、その中では動物は抑制されない。3つの部屋に分け、オペレータが迅速に「スクリーニング」作業を実行できるようにしたため、3匹のラットまでは、それ程の手間取らずにテスト可能である。
【0106】
オペレータは、ラットの後ろ足の下に直接I.R.発生器を配置し、スタートキーでI.R源と反応時間カウンタの両方を動かす。ラットが痛みを感じて足を引っ込めると、I.R.発生器とタイマーのスイッチが自動的に切れ、足を引っ込めるまでの潜時を測定することができる。
【0107】
足底テストの詳細に関しては、例えば、K.M. Hargreaves等の”A New and Sensitive Method for Measuring Thermal Nociception in Cutaneous Hyperalgesia” Pain 32:77−88、1988年、及びK.M. Hargreaves等の”Peripheral Action of Opiates in the Blockade of Carrageenan−Induced Inflammation” Pain Researchand Clinical Management, Vol. 3. Elsevier Science Publishers, Amsterdam: 55−60、1988年が参考となるであろう。
【0108】
刺激(放射熱)を与えてから足(左後ろ脚)を引っ込めるまでの潜時は、応答潜時として割り当てられた。放射熱は、前投薬潜時が7〜9秒になるように設定した。組織の損傷を防ぐため、中断時間を25秒に設定した。
【0109】
(4) 統計量:データは、平均値で示した。”*”は、ANOVA及びDunnettテストを使用してテスト前の値と比較した際のP<0.05を意味する。ANOVAは、分散分析法(analysis of variance)のことであり、ANOVAと省略されることが多い。これは、異なる変化量の原因を分離して概算を出すに使用可能な、非常に効果的な統計技術である。Dunnettテストは、ANOVAに続いて行われる平均値間の後比較である。このテストにより、グループ間での可能な比較を全て行うことができる。Pは確率(probability)を意味し、P<0.05は統計量が著しく異なることを意味する。
【0110】
(5) 結果:異なる投与量のブプレノルフィンHClは、3〜5時間の鎮痛作用持続時間を示した(表3及び図19を参照のこと)。
薬理例2
筋肉内注射又は皮下注射のいずれかによる、ブプレノルフィン塩基の投与量を見出す生体内における研究
(1) 動物:オスのSDラット(175〜225gm)(n=6)。
【0111】
(2) 薬剤:ゴマ油に溶解したブプレノルフィン塩基、0.6μモル/kg、6μモル/kg、60μモル/kg。ラットの右後ろ脚に筋肉内注射。
【0112】
(3) テスト:足底テスト(上述の薬理例1を参照)。
【0113】
(4) 統計量:ANOVA後にDunnettテスト。データは「平均値」で示した。
【0114】
(5) 結果:筋肉内注射による、異なる投与量のブプレノルフィン塩基は、48〜50時間の鎮痛作用持続時間を示した(表3及び図20−Aを参照)。さらに、皮下注射による、異なる投与量のブプレノルフィン塩基は、48〜50時間の鎮痛作用持続時間を示した(表3及び図20−Bを参照)。
薬理例3
筋肉内注射による、式(I)の、5種のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体の生体内における鎮痛有効性
(1) 動物:オスのSDラット(175−225gm)、各グループ中、n=6。
【0115】
(2) 薬剤:プロピオン酸ブプレノルフィン0.6μモル/kg、ブプレノルフィンピバレート0.6μモル/kg、エナント酸ブプレノルフィン0.6μモル/kg、デカン酸ブプレノルフィン0.6μモル/kg、及びパルミチン酸ブプレノルフィン0.6μモル/kg。これら全てのエステル誘導体をオイル溶液としてのゴマ油中に溶解し、右後ろ脚に筋肉内注射した。
【0116】
(3) テスト:足底テスト(上述の薬理例1を参照)。
【0117】
(4) 統計量:ANOVA後にDunnettテスト(上述の薬理例1を参照)。
【0118】
(5) 結果:投与量0.6μモル/kgでの筋肉内注射によるテストを行った本発明の5種のブプレノルフィンエステル誘導体は、急速に作用が始まり、48〜96時間という持続時間を示した。特に、デカン酸ブプレノルフィンとパルミチン酸ブプレノルフィンの両方は、96時間の作用持続時間をもたらすことが可能であった(表3及び図21−A〜図21−Eを参照)。
薬理例4
筋肉内注射による、プロピオン酸ブプレノルフィンの投与量を見出す生体内における研究
(1) 動物:オスのSDラット(175−225gm)、各グループ中、n=6。
【0119】
(2) 薬剤:プロピオン酸ブプレノルフィン(オイル溶液)、投与量:0.6μモル/kg、6μモル/kg、60μモル/kg。テストラットの右後ろ脚に筋肉内注射。
【0120】
(3) テスト:足底テスト(上述の薬理例1を参照)。
【0121】
(4) 統計量:ANOVA後にDunnettテスト(上述の薬理例1を参照)。
【0122】
(5) 結果:筋肉内注射による、異なる投与量のプロピオン酸ブプレノルフィンは、48〜60時間の作用持続時間を示した(表3及び図22を参照)。
薬理例5
筋肉内注射による、式(II)の、2種のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体の生体内における鎮痛有効性
(1) 動物:オスのSDラット(175−225gm)、各グループ中、n=6。
【0123】
(2) 薬剤:ジブプレノルフィンピメレート、ジブプレノルフィンセバコイルエステル、投与量:0.3μモル/kg(ゴマ油中に溶解したオイル溶液)、テストラットの右後ろ脚に筋肉内注射。
【0124】
(3) テスト:足底テスト(上述の薬理例1を参照)。
【0125】
(4) 統計量:ANOVA後にDunnettテスト(上述の薬理例1を参照)。
【0126】
(5) 結果:投与量0.3μモル/kgでの筋肉内注射による、ブプレノルフィンピメレート及びブプレノルフィンセバコイルエステルのいずれもが、迅速に作用が開始し(2時間)、それぞれ72時間及び96時間の作用持続時間を示した(表3及び図23−A及び図23−Bを参照)
以下の表3は、ブプレノルフィン及びその誘導体の、足底テストを用いたラットにおける鎮痛作用持続時間を集約したものである。
【0127】
【表3】
【0128】
本発明を、最も実用的且つ好ましい実施態様に関連させて詳述してきたが、本発明は上述の実施態様に限定されるものではなく、最も広く解釈された要旨及び範囲に包含される多様な調整を網羅することにより、そのような変更及び同等の調整の全てを含むことを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エナント酸ブプレノルフィンの1H−NMRスペクトルチャートを示す。
【図2】エナント酸ブプレノルフィンのマススペクトルチャートを示す。
【図3】エナント酸ブプレノルフィンのUVチャートを示す。
【図4】エナント酸ブプレノルフィンのIRスペクトルチャートを示す。
【図5】デカン酸ブプレノルフィンの1H−NMRスペクトルチャートを示す。
【図6】デカン酸ブプレノルフィンのマススペクトルチャートを示す。
【図7】デカン酸ブプレノルフィンのUVチャートを示す。
【図8】デカン酸ブプレノルフィンのIRスペクトルチャートを示す。
【図9】ブプレノルフィンピバレートのマススペクトルチャートを示す。
【図10】ブプレノルフィンピバレートのUVチャートを示す。
【図11】ブプレノルフィンピバレートのIRスペクトルチャートを示す。
【図12】パルミチン酸ブプレノルフィンのUVチャートを示す。
【図13】パルミチン酸ブプレノルフィンのIRスペクトルチャートを示す。
【図14】ジブプレノルフィンピメレートのIRスペクトルチャートを示す。
【図15】ジブプレノルフィンピメレートのUVチャートを示す。
【図16】ジブプレノルフィンセバコイルエステルの1H−NMRスペクトルチャートを示す。
【図17】ジブプレノルフィンセバコイルエステルのUVチャートを示す。
【図18】ジブプレノルフィンセバコイルエステルのIRスペクトルチャートを示す。
【図19】ラットにおける、筋肉内投与された塩酸ブプレノルフィンの用量応答を示す。
【図20−A】ラットにおける、筋肉内投与されたブプレノルフィン塩基の用量応答を示す。
【図20−B】ラットにおける、皮下投与されたブプレノルフィン塩基の用量応答を示す。
【図21−A】ラットにおける、筋肉内投与された本発明のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体の鎮痛作用を示す。
【図21−B】ラットにおける、筋肉内投与された本発明のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体の鎮痛作用を示す。
【図21−C】ラットにおける、筋肉内投与された本発明のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体の鎮痛作用を示す。
【図21−D】ラットにおける、筋肉内投与された本発明のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体の鎮痛作用を示す。
【図21−E】ラットにおける、筋肉内投与された本発明のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体の鎮痛作用を示す。
【図22】ラットにおける、筋肉内投与されたプロピオン酸ブプレノルフィンの用量応答を示す。
【図23−A】ラットにおける、筋肉内投与された本発明のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体の鎮痛作用を示す。
【図23−B】ラットにおける、筋肉内投与された本発明のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体の鎮痛作用を示す。
Claims (34)
- 前記Rが、任意にフェニル基で置換されたアルキル基である、請求項1に記載のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体。
- 前記Rが、2〜40個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項2に記載のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体。
- 前記Rが、5〜20個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項3に記載のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体。
- 前記Rが、任意にフェニル基で置換された直鎖アルキル基、任意にフェニル基で置換された分岐アルキル基、任意に直鎖脂肪族基で置換されたフェニル基、及び任意に分岐脂肪族基で置換されたフェニル基からなる群から選択される、請求項1に記載のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体。
- ブプレノルフィンピバレート、安息香酸ブプレノルフィン、デカン酸ブプレノルフィン及びパルミチン酸ブプレノルフィンから選択される、請求項1に記載のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体。
- 前記R1が、1〜40個の炭素原子を有するアルキレン基である、請求項7に記載のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体。
- 前記R1が、1〜20個の炭素原子を有するアルキレン基である、請求項8に記載のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体。
- ジブプレノルフィンピメレート及びジブプレノルフィンセバコイルエステルから選択される、請求項7に記載のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体。
- 治療的に有効な量の請求項1のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体、及び製薬的に許容可能なキャリア含む、鎮痛薬剤組成物。
- 前記キャリアがオイルである、請求項11に記載の鎮痛薬剤組成物。
- 前記キャリアが、ゴマ油、ヒマシ油、綿実油、大豆油、ラッカセイ油又はラッカセイ油のエチルエステル、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項12に記載の鎮痛薬剤組成物。
- 治療的に有効な量の請求項7のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体、及び製薬的に許容可能なキャリアを含む、鎮痛薬剤組成物。
- 前記キャリアがオイルである、請求項14に記載の鎮痛薬剤組成物。
- 前記キャリアが、ゴマ油、ヒマシ油、綿実油、大豆油、ラッカセイ油又はラッカセイ油のエチルエステル、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項15に記載の鎮痛薬剤組成物。
- 治療的に有効な量の、ブプレノルフィン塩基、請求項1のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体及び請求項7のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体から選択される化合物、及び注射可能なオイル賦形剤を含む、鎮痛薬剤組成物。
- 前記注射可能なオイル賦形剤が、ゴマ油、ヒマシ油、綿実油、大豆油、ラッカセイ油又はラッカセイ油のエチルエステル、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項17に記載の鎮痛薬剤組成物。
- 前記鎮痛薬剤組成物が、筋肉内投与用又は皮下投与用である、請求項17に記載の鎮痛薬剤組成物。
- 有効量の請求項11の組成物を、無痛処置を必要とする動物又はヒトに投与することを含む、動物あるいはヒトに対して持続性の無痛状態をもたらす方法。
- 有効量の請求項14の組成物を、無痛処置を必要とする動物又はヒトに投与することを含む、動物あるいはヒトに対して持続性の無痛状態をもたらす方法。
- 有効量の請求項17の組成物を、無痛処置を必要とする動物又はヒトに投与することを含む、動物あるいはヒトに対して持続性の無痛状態をもたらす方法。
- (i) 塩化メチレンの存在下で、ブプレノルフィンHCl又は塩基をトリメチルアミンで処理するステップ、及び、
(ii) ステップ(i)からの混合物に、塩化メチレンの存在下で、式RCOOH(式中、Rは、任意にアリール基で置換された直鎖又は分岐の飽和又は不飽和脂肪族基、及び任意に直鎖又は分岐の飽和又は不飽和脂肪族基で置換されたアリール基からなる群から選択される)の化合物、又はそれらの酸無水物あるいは酸塩化物を添加するステップ、
を含む、請求項1に記載の式(I)のブプレノルフィンモノカルボン酸エステル誘導体を調製する方法。 - 前記ステップ(ii)において、1〜40個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸、あるいはそれらの酸無水物又は酸塩化物が使用される、請求項23の方法。
- 前記ステップ(ii)において、飽和C5−C20脂肪族カルボン酸、あるいはそれらの酸無水物又は酸塩化物が使用される、請求項23に記載の方法。
- 前記ステップ(ii)において、塩化ヘプタノイルが使用される、請求項23に記載の方法。
- 前記ステップ(ii)において、塩化デカノイルが使用される、請求項23に記載の方法。
- 前記ステップ(ii)において、塩化ピバロイルが使用される、請求項23に記載の方法。
- 前記ステップ(ii)において、塩化ヘキサデカノイルが使用される、請求項23に記載の方法。
- 前記ステップ(ii)において、塩化ベンゾイルが使用される、請求項23に記載の方法。
- (i’) ブプレノルフィンHCl又は塩基を、塩化メチレンの存在下で、トリメチルアミンで処理するステップ、及び、
(ii’) ステップ(i’)からの混合物に、塩化メチレンの存在下で式R1(COOH)2(R1は、任意にフェニル基で置換された飽和又は不飽和の脂肪族基である二価の部分)の化合物、又はそれらの酸無水物かあるいは酸塩化物を添加するステップ、を含む、請求項7に記載の式(II)のジブプレノルフィンジカルボン酸エステル誘導体を調製する方法。 - 前記ステップ(ii’)で使用される式R1(COOH)2の化合物が、3〜40個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、あるいはそれらの酸無水物又は酸塩化物である、請求項31に記載の方法。
- 前記ステップ(ii’)において、塩化ヘプタンジオアチルが使用される、請求項31に記載の方法。
- 前記ステップ(ii’)において、セバコイル酸が使用される、請求項31に記載の方法。
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