JP2004177272A - 赤外線検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検知体から放射される赤外線を、ノイズを除去して精度良く検出することができる赤外線検出装置を提供すること。
【解決手段】所定電圧が印加された赤外線検知用感熱素子TPと、所定電圧が印加され、赤外線検知用感熱素子TPの内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体Rsと、赤外線検知用感熱素子TPの出力から抵抗体Rsの出力を減算する減算手段103と、赤外線検知用感熱素子TPの温度補償を行う温度補償用感熱素子THを含む温度補償手段102と、減算手段103の出力と温度補償手段102の出力とを加算する加算手段105とを備えている
【選択図】 図1
【解決手段】所定電圧が印加された赤外線検知用感熱素子TPと、所定電圧が印加され、赤外線検知用感熱素子TPの内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体Rsと、赤外線検知用感熱素子TPの出力から抵抗体Rsの出力を減算する減算手段103と、赤外線検知用感熱素子TPの温度補償を行う温度補償用感熱素子THを含む温度補償手段102と、減算手段103の出力と温度補償手段102の出力とを加算する加算手段105とを備えている
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検知体から放射される赤外線に応じた信号を出力する赤外線検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検知体の表面温度を非接触で検出するための赤外線検出装置の例として、食品の温度を赤外線センサで検知して加熱制御させる電子レンジ用の赤外線検出装置がある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この赤外線検出装置は、図12に示すように、凹面鏡3を有し、該凹面鏡3の焦点にセンサ素子4が配置され、該センサー素子4の出力信号が基準信号と比較され、かつ評価回路15内にて、温度信号に変換される。センサ素子4は、サーモパイル素子6を有し、該サーモパイル素子6の近くに温度基準素子5が配置され、校正可能の第1前置増幅器8,9がサーモパイル素子6の出力信号を増幅し、第2前置増幅器10〜13が温度基準素子5の出力信号を増幅し、かつ第3前置増幅器14が差動増幅器として接続され、この差動増幅器14が第1前置増幅器8,9及び第2前置増幅器10〜13の出力信号の差を増幅する前置増幅器を形成している。
【0004】
【特許文献1】
特表平9−505434号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような赤外線検出装置においては、赤外線検知部(センサ素子4)と信号処理回路部(第1前置増幅器8,9、第2前置増幅器10〜13及び差動増幅器14)が1つの素子16に配置されているために、例えば電子レンジ内にこのような赤外線検出装置を配置する場合、電子レンジ内の加熱室壁に設けられた開口部に上記素子16を配置しなければならないため、加熱室内で加熱された食品からの蒸気が開口部から素子16に流入し、前記赤外線検出装置を構成する信号処理回路を構成する部品の動作温度上限まで達することがあり、誤動作の原因になる場合があった。
【0006】
このような問題を解決する方法として、赤外線検知部と信号処理回路部を分離し、信号処理回路部を電子レンジ内の熱や湿気の影響の及ばない場所に設置して、赤外線検知部と信号処理回路部間を延長ケーブルで接続する方法が考えられる。
【0007】
しかしながら、この方法は、赤外線検知部を構成するセンサ素子4(サーモパイル素子6)の出力インピーダンスが高く、その出力信号が極めて小さいために、サーモパイル素子6やその配線パターンに、放射ノイズや、電子レンジ内に設置した場合にはマイクロ波の誘導ノイズや、電源ラインからの誘導ノイズがセンサ素子4の微小な温度出力信号に重畳し、さらに信号処理回路部の増幅器で増幅される不都合が生じ、精度の高い赤外線検知ができなかった。また、上述した赤外線検知部と信号処理回路部が1つの素子16に配置された構成の赤外線検出装置においても、サーモパイル素子6へのノイズの重畳が発生してその影響が無視できない場合があった。
【0008】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、被検知体から放射される赤外線を、ノイズを除去して精度良く検出することができる赤外線検出装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、所定電圧が印加された赤外線検知用感熱素子と、前記所定電圧が印加され、前記赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体と、前記赤外線検知用感熱素子の出力から前記抵抗体の出力を減算する減算手段と、前記赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、前記減算手段の出力と前記温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えたことを特徴とする赤外線検出装置に存する。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、赤外線検出装置は、所定電圧が印加された赤外線検知用感熱素子と、所定電圧が印加され、赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体と、赤外線検知用感熱素子の出力から抵抗体の出力を減算する減算手段と、赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、減算手段の出力と温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えているので、赤外線検知用感熱素子やその配線パターンに重畳するノイズを除去することができ、被検知体から放射される赤外線を精度良く検知することができる。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、前記赤外線検知用感熱素子、前記抵抗体及び前記温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、前記減算手段及び前記加算手段から構成される信号検出部とからなり、前記赤外線検知部と前記信号検出部は、分離されて互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の赤外線検出装置に存する。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、赤外線検出装置は、赤外線検知用感熱素子、抵抗体及び温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、減算手段及び加算手段から構成される信号検出部とからなり、赤外線検知部と信号検出部は、分離されて互いに電気的に接続されているので、信号検出部を被検知体から放射される赤外線等の影響を受けない場所に設置することができ、精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、所定電圧が印加され、赤外線を受光する第1の赤外線検知用感熱素子と、前記所定電圧が印加され、前記第1の赤外線検知用感熱素子と略同一の温度特性を有すると共に、前記赤外線に対して遮光された第2の赤外線検知用感熱素子と、前記第1の赤外線検知用感熱素子の出力から前記第2の赤外線検知用感熱素子の出力を減算する減算手段と、前記第1の赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、前記減算手段の出力と前記温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えたことを特徴とする赤外線検出装置に存する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、赤外線検出装置は、所定電圧が印加され、赤外線を受光する第1の赤外線検知用感熱素子と、所定電圧が印加され、第1の赤外線検知用感熱素子と略同一の温度特性を有すると共に、赤外線に対して遮光された第2の赤外線検知用感熱素子と、第1の赤外線検知用感熱素子の出力から第2の赤外線検知用感熱素子の出力を減算する減算手段と、第1の赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、減算手段の出力と温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えているので、赤外線検知用感熱素子やその配線パターンに重畳するノイズを除去することができ、被検知体から放射される赤外線を精度良く検知することができる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、前記第1の赤外線検知用感熱素子、前記第2の赤外線検知用感熱素子及び前記温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、前記減算手段及び前記加算手段から構成される信号検出部とからなり、前記赤外線検知部と前記信号検出部は、分離されて互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項3記載の赤外線検出装置に存する。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、赤外線検出装置は、第1の赤外線検知用感熱素子、第2の赤外線検知用感熱素子及び温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、減算手段及び前記加算手段から構成される信号検出部とからなり、赤外線検知部と信号検出部は、互いに分離されて電気的に接続されているので、信号検出部を被検知体から放射される赤外線等の影響を受けない場所に設置することができ、精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0017】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、前記減算手段及び前記加算手段は、それぞれ、オペアンプを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の赤外線検出装置に存する。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、減算手段及び加算手段は、それぞれ、オペアンプを含むので、それぞれのゲインを適宜に設定することにより精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0019】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、前記温度補償用感熱素子が、サーミスタであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の赤外線検出装置に存する。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、温度補償用感熱素子が、サーミスタであるので、周囲温度の変動を抵抗値の変化としてとらえ、電圧変化に変換して温度補償のための信号として出力することができる。
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の発明は、前記温度補償手段は、前記サーミスタの温度特性を直線化する直線化手段をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の赤外線検出装置に存する。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、温度補償手段は、サーミスタの温度特性を直線化する直線化手段をさらに含むので、精度の良い温度補償が可能となる。
【0023】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の発明は、前記赤外線検知用感熱素子が、サーモパイル素子であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の赤外線検出装置に存する。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、赤外線検知用感熱素子が、サーモパイル素子であるので、赤外線を感度良く検知することができる。
【0025】
上記課題を解決するためになされた請求項9記載の発明は、前記抵抗体が、固定抵抗器であることを特徴とする請求項1、2、5から8のいずれか1項に記載の赤外線検出装置に存する。
【0026】
請求項9記載の発明によれば、抵抗体が、固定抵抗器であるので、赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一に設定した抵抗値を維持することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0028】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明による赤外線検出装置の第1の実施の形態の回路構成を示す回路図である。図1において、赤外線検出装置Sは、赤外線検知部Aと信号検出部Bとからなる。赤外線検知部Aは、赤外線検知用感熱素子としてのサーモパイル素子TPと、サーモパイル素子TPの内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体としての固定抵抗Rsと、温度補償用感熱素子としてのサーミスタTHとから構成されている。サーミスタTHは、NTC(Negative Temperature coefficient)タイプのものが使用されている。
【0029】
また、信号検出部Bは、赤外線検知手段としての赤外線検出回路101と、温度補償手段としての温度補償回路102と、減算手段としての減算回路103と、増幅回路104及び加算手段としての加算回路105とから構成されている。
【0030】
赤外線検出回路101は、電源電圧+Vccと接地間に直列接続された抵抗R1及び抵抗R2と、抵抗R1と抵抗R2との接続点aに接続されたサーモパイル素子TPと、固定抵抗Rsを含み、赤外線検知手段として働く。
【0031】
温度補償回路102は、+電源電圧Vccと接地間に直列接続されたサーミスタTH及び直線化手段としての抵抗R5を含み、サーミスタTHと抵抗R5との接続点eから温度補償信号を出力する温度補償手段として働く。
【0032】
減算回路103は、オペアンプamp1と、抵抗R3,R4を有する。抵抗R3は、オペアンプamp1の反転入力端子と出力端子間に接続されている。抵抗R4は、オペアンプamp1の非反転入力端子と接地間に接続されている。また、オペアンプamp1の非反転入力端子には、赤外線検出回路101のサーモパイル素子TPの出力端子が接続され、反転入力端子には、固定抵抗Rsの出力端子が接続されている。
【0033】
増幅回路104は、オペアンプamp2と、抵抗R6,R7,R8を有する。抵抗R6は、温度補償回路102のサーミスタTHと抵抗R5の接続点eと、オペアンプamp2の非反転入力端子の間に接続されている。抵抗R7は、オペアンプamp2の反転入力端子と出力端子間に接続されている。抵抗R8は、オペアンプamp2の反転入力端子と接地間に接続されている。
【0034】
加算回路105は、オペアンプamp3と、抵抗R9,R10,R11を有する。抵抗R9は、減算回路103の出力端子及び増幅回路104の出力端子の接続点gと、オペアンプamp3の非反転入力端子の間に接続されている。抵抗R10は、オペアンプamp3の反転入力端子と出力端子間に接続されている。抵抗R11は、オペアンプamp3の反転入力端子と接地間に接続されている。
【0035】
なお、赤外線検知部AにおけるG〜K及び信号検出部BにおけるG’〜K’は、それぞれ、赤外線検知部Aと信号検出部Bとを互いに電気的に接続するための接続部であり、接続部GとG’,HとH’,IとI’,JとJ’,KとK’は、それぞれ引出線などにより電気的に接続されている。
【0036】
次に図1の赤外線検出装置の構造例について図2及び図3を参照して説明する。図2は、図1の赤外線検出装置の概略斜視図であり、図3は、図2のX−X線断面図である。
【0037】
図2及び図3において、赤外線検知部Aは、サーモパイル素子TP、サーミスタTH及び固定抵抗Rsに相当する固定抵抗器(以下、固定抵抗器Rsと記す)が封入された金属パッケージCと、基板51とから構成されていて、基板51上に金属パッケージCが載置されている。サーモパイル素子TPと固定抵抗器RsとサーミスタTHは、金属パッケージCを構成するステムCa上に載置され、サーモパイル素子TPの出力端子(不図示)は外部出力用端子Lへ、固定抵抗器Rsの出力端子(不図示)は外部出力端子Mへ、サーミスタTHの出力端子(不図示)は外部出力用端子Nへ、各々ワイヤボンディングなどの手法によって電気的に接続されている(不図示)。ステムCaと共に金属パッケージCを構成するキャップCbには、サーモパイル素子TPの赤外線受光部TPa上に一致するように、赤外線を透過するフィルタ21が組み込まれ、キャップCbとステムCaとは、溶接等の手法によって封止されている。
【0038】
信号検出部Bは、減算回路103が封止されたICパッケージ103Aと、増幅回路104が封止されたICパッケージ104Aと、加算回路105が封止されたICパッケージ105Aと、基板61とで構成されていて、基板61上にICパッケージ103A,104A,105Aが載置されている。
【0039】
また、図1で説明したように、赤外線検知部Aと信号検出部Bは、図示しない接続部G〜Kと接続部G’〜K’が引出線71によって電気的に接続されている。
【0040】
サーモパイル素子TPは、矢印で示すように、被検知体(図示しない)から放射された赤外線Irが、フィルタ21を通過して赤外線受光部TPaに導かれ、赤外線受光部TPaで受光した赤外線エネルギーを電気信号に変換し、そのエネルギー量に応じた電圧を出力するものである。
【0041】
次に、再び図1を参照し、赤外線検出装置Sの動作について説明する。赤外線検知回路101において、接続点aからは、一定の基準電圧Vrefが得られ、サーモパイル素子TP及び固定抵抗Rsへそれぞれ印加される。この基準電圧Vrefは、
Vref=Vcc*R2/(R1+R2)・・・・・・・・・(1)
と表すことができる。
【0042】
ところで、サーモパイル素子TPは、高出力インピーダンスで、出力信号が極めて微小であるために、サーモパイル素子TPが接続されている配線パターン、及び引出線には、赤外線検出装置Sを電子レンジに適用した場合にマグネトロンから発生するマイクロ波の誘導によるノイズが重畳されてしまうが、サーモパイル素子TPの内部抵抗と略同一な抵抗値にペアリングしている固定抵抗Rs側にも、固定抵抗Rsを接続する配線パターン、及び引出線に同相ノイズが重畳される。
【0043】
このとき、減算回路103のオペアンプamp1の非反転入力端子への入力電圧Vbは、
Vb=Vtp+Vref+N・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
と表すことができる。なお、Vtpは、サーモパイル素子TPから発生する熱起電力であり、Nは、サーモパイル素子TPを接続する配線パターン及び引出線に重畳されるノイズである。
【0044】
また、オペアンプamp1の反転入力端子への入力電圧Vcは、
Vc=Vr+Vref+N・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
と表すことができる。なお、Vrは、固定抵抗Rsに印加されている電圧であり、Nは、固定抵抗Rsを接続する配線パターン、及び引出線に重畳されるノイズであり、サーモパイル素子TPを接続する配線パターン、及び引出線に重畳するノイズNと同相のノイズである。
【0045】
このとき、減算回路103の出力電圧V103は、
V103=Vb−Vc=G1*(Vtp−Vr)・・・・・・(4)
と表すことができる。なお、G1は、オペアンプamp1のゲインである。つまり、減算回路103からは、サーモパイル素子TPの配線パターン、及び引出線に重畳したノイズと固定抵抗器Rsの配線パターン及び引出線に重畳したノイズが除去された出力電圧V103が出力される。
【0046】
なお、サーモパイル素子TPの温度補償は、温度補償回路102から略直線化された出力電圧を増幅回路104を介して、接続点gにおいて減算回路103の出力電圧と加算することにより行われる。温度補償回路102の接続点eの出力電圧Veは、
Ve=Vcc*R5/(R5+Rth)=Vtho・・・・・(5)
と表される。なお、Rthoは、サーミスタTHの抵抗値である。
【0047】
温度補償回路102の出力電圧特性は、サーミスタTHの温度特性が指数関数の関係にあるが、赤外線検出装置Sの使用温度の範囲内において、略直線になるような抵抗R5を求めることにより略直線にすることができる。上記の抵抗R5は、式(5)と、使用温度の下限温度t1と、上限温度t3と、下限温度t1及び上限温度t3間の中央の温度t2とのそれぞれの温度におけるサーミスタTHの抵抗値Rth1,Rth3,Rth2と、出力電圧Vtho1,Vtho3,Vtho2の関係(Vtho2−Vtho1=Vtho3−Vtho2)とで求められ、温度補償回路102の出力電圧特性は、図4のようになる。
【0048】
この出力電圧Vthoは、サーミスタTHの抵抗値Rthが周囲温度の変動に伴って変化し、その抵抗値変化が電圧変化に変換されて、オペアンプamp2に入力されるので、周囲温度の変化に応じて変動し、それにより、サーモパイル素子TPの出力の周囲温度の変動によるシフト分が相殺され、サーモパイル素子TPの出力が温度補償される。
【0049】
なお、サーモパイル素子の出力電圧を温度補償する理由は、以下の通りである。すなわち、一例として、図5に黒体炉温度(℃)対サーモパイル素子TPの増幅後出力電圧の温度特性として示すように、温度補償なしの場合の出力電圧は、たとえば、周囲温度Ta=20℃及びTa=50℃の場合に、それぞれ、異なるカーブA及びBを描く。そして、図からも分かるように、周囲温度Taが高いほど、カーブは、出力電圧が低い方へシフトする。
【0050】
そして、温度補償がある(温度補償回路102)場合、増幅回路104の出力電圧と減算回路103の出力電圧は、加算回路105で加算増幅され、出力電圧Voutとして出力される。つまり、加算回路105から出力された出力電圧Voutは、減算回路103の出力電圧に増幅回路104から出力された出力電圧だけシフトさせた、図中の温度補償後出力で示すカーブC一本にまとめることができる。
【0051】
このように、温度補償回路102があるということは、周囲温度の変化に応じてシフトしてしまうサーモパイル素子TPの出力電圧を周囲の温度に関係なく、1つのカーブに補正することができるということになる。
【0052】
上述のとおり、温度補償回路102から出力される出力電圧V102は、
V102=Ve+N’ =Vtho+N’ ・・・・・・・・・・(6)
と表される。なお、N’ は、サーミスタTHを接続する配線パターン、及び引出線に重畳するノイズである。
【0053】
温度補償回路102から出力された出力電圧V102は、増幅回路104によって増幅される。増幅回路104から出力される出力電圧V104は、
V104=G2*V102=G2*(Vtho+N’ )・・・(7)
と表される。なお、G2は、オペアンプamp2のゲインである。
【0054】
接続点gでは、減算回路103から出力された出力電圧V103と増幅回路104から出力された出力電圧V104が加算される。接続点gの電圧Vgは、
と表される。
【0055】
加算回路105から出力される出力電圧Voutは、
Vout=G3*(G1*(Vtp−Vr)+G2*(Vtho+N’ ))・・・(9)
と表される。なお、G3は、オペアンプamp3のゲインである。
【0056】
本実施の形態では、具体的には、直流電圧源(5V)、サーモパイル素子TP(温度特性:20mV/℃,内部抵抗:50kΩ)、固定抵抗器Rs(抵抗値:50kΩ)、サーミスタTH(25℃での抵抗値:100kΩ、サーミスタの温度依存性を示すB定数:3435K)のものを使用した。また、G1のゲインは1000倍、G2のゲインは1倍にしておいた。
【0057】
その結果、サーミスタTHに接続された配線パターン、及び引出線に重畳したノイズN’は増幅回路104によって増幅されるが、オペアンプamp1のゲインをオペアンプamp2のゲインより大きくしているので、サーミスタTHに接続された配線パターン、及び引出線に重畳されたノイズは、加算回路105によって無視できる程小さくできている。
【0058】
次に、図6は、本発明の赤外線検出装置Sを電子レンジに適用した例を示す図である。図6において、電子レンジ101は、マグネトロン103と、電子レンジ庫内102の回転テーブル104とを有し、回転テーブル105上に、水Wを入れた容器151が載置されている。赤外線検出装置Sの温度検知部Aは、水Wから放射される赤外線を測定できるように、電子レンジ庫内102に金属パッケージC側が露出するように取り付けられ、赤外線検知部Aと電気的に接続された信号検出部Bは、電子レンジ庫内102からの赤外線等の影響を受けない場所に取り付けられている。
【0059】
同図において、マグネトロン103は、図示しない電源回路から例えば1000Wのパワーが印加されてマイクロ波を発生し、このマイクロ波によって水Wの水分子を振動させて、水Wを加熱させる。赤外線検出装置Sの温度検知部Aは、水Wから放射される赤外線を検知し、信号検出部Bからは、水Wの温度に応じた出力信号が出力される。
【0060】
図7(a)は、図6における赤外線検出装置Sの出力電圧Voutを記録したものである。図7(b)は、図7(a)と比較するために、図1の赤外線検出装置を構成している固定抵抗Rsを取り除き、更に減算回路103を、減算回路103のゲインと同一ゲインの増幅回路と置換した構成の赤外線検出装置によって、同様の実験を行い、その出力電圧Voutを記録したものである。
【0061】
図7(b)においては、赤外線検出装置が、ノイズを除去するための固定抵抗Rsと減算回路103を有していないので、加算回路105から出力される出力電圧Voutがノイズによって振動しているのがわかる。これに対して、図7(a)においては、赤外線検出装置Sがノイズを除去するための固定抵抗Rsと減算回路103を有しているので、ノイズが除去された出力電圧Voutが加算回路105から出力されているのが判る。
【0062】
なお、図3に示した固定抵抗器Rsは、金属パッケージCを構成するステムCa上に載置させているが、これに限らず、ステムCa上に載置せずに基板51上に載置させても良い。
【0063】
なお、図8は、温度検知部Aの構造例を示す分解斜視図であり、サーモパイル素子TPを形成する工程において、サーモパイル素子TPの内部抵抗値と略同一の抵抗値を有する固定抵抗器Rsをも形成し、サーミスタTHをサーモパイル素子TP上の冷接点付近に載置し、サーモパイル素子TPと固定抵抗器RsとサーミスタTHの出力端子から外部引出用端子へワイヤボンディング等の方法によって各々電気的に接続し(不図示)、金属パッケージCに封入したものでもよい。
【0064】
また、本実施の形態の赤外線検出装置においては、赤外線検知部Aと信号検出部Bを分離させた構造を開示したが、赤外線検知部Aと信号検出部Bを同一基板上に形成しても、サーモパイル素子TP及び固定抵抗器Rsの配線パターンに重畳する同相ノイズを減算回路103によって除去することができる。
【0065】
(第2の実施の形態)
図9は、本発明による赤外線検出装置の第2の実施の形態の回路構成を示す回路図である。図9の赤外線検出装置は、図1の赤外線検出装置とほぼ同一の構成を有するが、図1におけるサーモパイル素子TPに代えて第1の赤外線検知用感熱素子としての第1のサーモパイル素子TP1が接続される共に、固定抵抗Rsに代えて第1のサーモパイル素子TP1と略同一の温度特性を有する第2の赤外線検知用感熱素子としての第2のサーモパイル素子TP2が接続されている点が異なっている。
【0066】
次に、図9の赤外線検出装置の構造例について図10及び図11を参照して説明する。図10は、図9の赤外線検出装置の概略斜視図であり、図11は、図10のX−X線断面図である。
【0067】
図10及び図11において、赤外線検知部Aは、第1のサーモパイル素子TP1と、サーモパイル素子TP1と略同一の温度特性を有する第2のサーモパイル素子TP2と、サーミスタTHとが封入されたセラミックパッケージC1と、基板51とから構成されていて、基板51上にセラミックパッケージC1が載置されている。第1および第2のサーモパイル素子TP1,TP2とサーミスタTHとは、セラミックパッケージC1を構成する有底容器C1a内に載置され、第1のサーモパイル素子TP1の出力端子(不図示)は外部出力用端子Lへ、第2のサーモパイル素子TP2の出力端子(不図示)は外部出力用端子Mへ、サーミスタTHの出力端子(不図示)は外部出力用端子Nへ、各々ワイヤボンディングなどの手法によって電気的に接続されている(不図示)。有底容器C1aと共にセラミックパッケージC1を構成する蓋部材C1bには、第1のサーモパイル素子TP1の赤外線受光部TP1a上に一致するように赤外線を透過するフィルタ21が組み込まれ、蓋部材C1bと有底容器C1aは、耐熱性の樹脂などによって封着されている。信号検出部Bの構造は、図2の信号検出部Bと同一である。
【0068】
第1のサーモパイル素子TP1は、矢印で示すように、被検知体(図示しない)から放射された赤外線Irが、フィルタ21を通過して赤外線受光部TP1aに導かれ、赤外線受光部TP1aで受光した赤外線エネルギーを電気信号に変換し、そのエネルギー量に応じた電圧を出力するものである。第2のサーモパイルTP2は、被検知体から放射された赤外線Irが赤外線受光部TP2aに導かれないように、蓋部材C1bによって遮光されている。
【0069】
次に、再び図9を参照し、赤外線検出装置Sの動作について説明する。赤外線検知回路101において、接続点aからは、一定の基準電圧Vrefが得られ、第1及び第2のサーモパイル素子TP1,TP2へそれぞれ印加される。この基準電圧Vrefは、
Vref=Vcc*R2/(R1+R2)・・・・・・・・・(10)
と表すことができる。
【0070】
ところで、第1のサーモパイル素子TP1は、高出力インピーダンスで、出力信号が極めて微小であるために、サーモパイル素子TP1が接続されている配線パターン、及び引出線には、赤外線検出装置Sを電子レンジに適用した場合にマグネトロンから発生するマイクロ波の誘導によるノイズが重畳されてしまうが、第1のサーモパイル素子TP1の温度特性と略同一にペアリングしている第2のサーモパイル素子TP2側にも、第2のサーモパイル素子TP2を接続する配線パターン、及び引出線に同相ノイズが重畳される。
【0071】
このとき、減算回路103のオペアンプamp1の非反転入力端子への入力電圧Vbは、
Vb=Vtp1+Vref+N・・・・・・・・・・・・・・・(11)
と表すことができる。なお、Vtp1は、第1のサーモパイル素子TP1から発生する熱起電力であり、Nは、第1のサーモパイル素子TP1を接続する配線パターン及び引出線に重畳されるノイズである。
【0072】
また、オペアンプamp1の反転入力端子への入力電圧Vcは、
Vc=Vtp2+Vref+N・・・・・・・・・・・・・・(12)
と表すことができる。なお、Vtp2は、第2のサーモパイル素子TP2から発生する熱起電力であり、Nは、第2のサーモパイル素子TP2を接続する配線パターン及び引出線に重畳されるノイズであり、第1のサーモパイル素子TP1を接続する配線パターン及び引出線に重畳するノイズNと同相のノイズである。
【0073】
このとき、減算回路103の出力電圧V103は、
V103=Vb−Vc=G1*(Vtp1−Vtp2)・・・(13)
と表すことがでる。なお、G1は、オペアンプamp1のゲインである。つまり、減算回路103からは、第1のサーモパイル素子TP1の配線パターン及び引出線に重畳したノイズと第2のサーモパイル素子TP2の配線パターン及び引出線に重畳したノイズとが除去された出力電圧V103が出力される。
【0074】
なお、第1のサーモパイル素子TP1の温度補償を行う理由は、上述の第1の実施の形態と同一であるので、ここでは、その理由の説明を省略する。
【0075】
温度補償回路102から出力される出力電圧V102は、
V102=Ve+N’ =Vtho+N’ ・・・・・・・・・(14)
と表される。なお、N’ は、サーミスタTHを接続する配線パターン及び引出線に重畳するノイズである。
【0076】
温度補償回路102から出力された出力電圧V102は、増幅回路104によって増幅される。増幅回路104から出力される出力電圧V104は、
V104=G2*V102=G2*(Vtho+N’ )・・・(15)
と表される。なお、G2は、オペアンプamp2のゲインである。
【0077】
接続点gでは、減算回路103から出力された出力電圧V103と増幅回路104から出力された出力電圧V104が加算される。接続点gの電圧Vgは、
と表される。
【0078】
加算回路105から出力される出力電圧Voutは、
Vout=G3*(G1*(Vtp1−Vtp2)+G2*(Vtho+N’ ))・・・(17)
と表される。なお、G3は、オペアンプamp3のゲインである。
【0079】
本実施の形態では、具体的には、直流電圧源(5V)、第1および第2のサーモパイル素子TP1,TP2(温度特性:20mV/℃,内部抵抗:50kΩ)、サーミスタTH(25℃での抵抗値:100kΩ、サーミスタの温度依存性を示すB定数:3435K)のものを使用した。また、G1のゲインは1000倍、G2のゲインは1倍にしておいた。
【0080】
その結果、サーミスタTHに接続された配線パターン、及び引出線に重畳したノイズN’ は増幅回路104によって増幅されるが、オペアンプamp1のゲインをオペアンプamp2のゲインより大きくしているので、サーミスタTHに接続された配線パターン、及び引出線に重畳されたノイズは、加算回路105によって無視できる程小さくできている。
【0081】
なお、蓋部材C1bによって検知体から放射される赤外線の入射が遮光される第2のサーモパイル素子TP2は、上述の第1の実施の形態における固定抵抗器Rsの代わりとなるもので、第1のサーモパイル素子TP1と同一の生産ラインで作ることが可能であり、第1のサーモパイル素子TP1とペアリングしやすい利点を有している。
【0082】
また、本実施の形態の赤外線検出装置においては、赤外線検知部Aと信号検出部Bを分離させた構造を開示したが、赤外線検知部Aと信号検出部Bを同一基板上に形成しても第1および第2のサーモパイル素子TP1,TP2やそれらの配線パターンに重畳するノイズを減算回路103によって除去することができる。
【0083】
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
【0084】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、赤外線検出装置は、所定電圧が印加された赤外線検知用感熱素子と、所定電圧が印加され、赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体と、赤外線検知用感熱素子の出力から抵抗体の出力を減算する減算手段と、赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、減算手段の出力と温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えているので、赤外線検知用感熱素子やその配線パターンに重畳するノイズを除去することができ、被検知体から放射される赤外線を精度良く検知することができる。
【0085】
請求項2記載の発明によれば、赤外線検出装置は、赤外線検知用感熱素子、抵抗体及び温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、減算手段及び加算手段から構成される信号検出部とからなり、赤外線検知部と信号検出部は、分離されて互いに電気的に接続されているので、信号検出部を被検知体から放射される赤外線等の影響を受けない場所に設置することができ、精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0086】
請求項3記載の発明によれば、赤外線検出装置は、所定電圧が印加され、赤外線を受光する第1の赤外線検知用感熱素子と、所定電圧が印加され、第1の赤外線検知用感熱素子と略同一の温度特性を有すると共に、赤外線に対して遮光された第2の赤外線検知用感熱素子と、第1の赤外線検知用感熱素子の出力から第2の赤外線検知用感熱素子の出力を減算する減算手段と、第1の赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、減算手段の出力と温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えているので、赤外線検知用感熱素子やその配線パターンに重畳するノイズを除去することができ、被検知体から放射される赤外線を精度良く検知することができる。
【0087】
請求項4記載の発明によれば、赤外線検出装置は、第1の赤外線検知用感熱素子、第2の赤外線検知用感熱素子及び温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、減算手段及び前記加算手段から構成される信号検出部とからなり、赤外線検知部と信号検出部は、互いに分離されて電気的に接続されているので、信号検出部を被検知体から放射される赤外線等の影響を受けない場所に設置することができ、精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0088】
請求項5記載の発明によれば、減算手段及び加算手段は、それぞれ、オペアンプを含むので、それぞれのゲインを適宜に設定することにより精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0089】
請求項6記載の発明によれば、温度補償用感熱素子が、サーミスタであるので、周囲温度の変動を抵抗値の変化としてとらえ、電圧変化に変換して温度補償のための信号として出力することができる。
【0090】
請求項7記載の発明によれば、温度補償手段は、サーミスタの温度特性を直線化する直線化手段をさらに含むので、精度の良い温度補償が可能となる。
【0091】
請求項8記載の発明によれば、赤外線検知用感熱素子が、サーモパイル素子であるので、赤外線を感度良く検知することができる。
【0092】
請求項9記載の発明によれば、抵抗体が、固定抵抗器であるので、赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一に設定した抵抗値を維持することができる。赤外線検知用感熱素子が、サーモパイル素子であるので、赤外線を感度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による赤外線検出装置の第1の実施の形態の回路構成を示す回路図である。
【図2】図1の赤外線検出装置の構造例の概略斜視図である。
【図3】図2の赤外線検出装置のX−X線断面図である。
【図4】図1の赤外線検出装置における温度補償回路の出力電圧特性を示す図である。
【図5】図1の赤外線検出装置におけるサーモパイル素子の温度補償を説明するための温度特性図である。
【図6】本発明の赤外線検出装置を電子レンジに適用した例を示す図である。
【図7】(a)は図6の赤外線検出装置の出力電圧を記録した図であり、(b)は、図6の赤外線検出装置の構成を一部変更した場合の出力電圧を記録した図である。
【図8】本発明の赤外線検出装置における温度検知部の構造例を示す分解斜視図である。
【図9】本発明による赤外線検出装置の第2の実施の形態の回路構成を示す回路図である。
【図10】図9の赤外線検出装置の構造例の概略斜視図である。
【図11】図10の赤外線検出装置のX−X線断面図である。
【図12】従来の赤外線検出装置の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
amp1,amp2,amp3 オペアンプ
Rs 固定抵抗(固定抵抗器、抵抗体)
TP サーモパイル素子(赤外線検知用感熱素子)
TP1 第1のサーモパイル素子(第1の赤外線検知用感熱素子)
TP2 第2のサーモパイル素子(第2の赤外線検知用感熱素子)
TH サーミスタ(温度補償用感熱素子)
101 赤外線検出回路
102 温度補償回路(温度補償手段)
103 減算回路(減算手段)
104 増幅回路
105 加算回路(加算手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検知体から放射される赤外線に応じた信号を出力する赤外線検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検知体の表面温度を非接触で検出するための赤外線検出装置の例として、食品の温度を赤外線センサで検知して加熱制御させる電子レンジ用の赤外線検出装置がある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この赤外線検出装置は、図12に示すように、凹面鏡3を有し、該凹面鏡3の焦点にセンサ素子4が配置され、該センサー素子4の出力信号が基準信号と比較され、かつ評価回路15内にて、温度信号に変換される。センサ素子4は、サーモパイル素子6を有し、該サーモパイル素子6の近くに温度基準素子5が配置され、校正可能の第1前置増幅器8,9がサーモパイル素子6の出力信号を増幅し、第2前置増幅器10〜13が温度基準素子5の出力信号を増幅し、かつ第3前置増幅器14が差動増幅器として接続され、この差動増幅器14が第1前置増幅器8,9及び第2前置増幅器10〜13の出力信号の差を増幅する前置増幅器を形成している。
【0004】
【特許文献1】
特表平9−505434号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような赤外線検出装置においては、赤外線検知部(センサ素子4)と信号処理回路部(第1前置増幅器8,9、第2前置増幅器10〜13及び差動増幅器14)が1つの素子16に配置されているために、例えば電子レンジ内にこのような赤外線検出装置を配置する場合、電子レンジ内の加熱室壁に設けられた開口部に上記素子16を配置しなければならないため、加熱室内で加熱された食品からの蒸気が開口部から素子16に流入し、前記赤外線検出装置を構成する信号処理回路を構成する部品の動作温度上限まで達することがあり、誤動作の原因になる場合があった。
【0006】
このような問題を解決する方法として、赤外線検知部と信号処理回路部を分離し、信号処理回路部を電子レンジ内の熱や湿気の影響の及ばない場所に設置して、赤外線検知部と信号処理回路部間を延長ケーブルで接続する方法が考えられる。
【0007】
しかしながら、この方法は、赤外線検知部を構成するセンサ素子4(サーモパイル素子6)の出力インピーダンスが高く、その出力信号が極めて小さいために、サーモパイル素子6やその配線パターンに、放射ノイズや、電子レンジ内に設置した場合にはマイクロ波の誘導ノイズや、電源ラインからの誘導ノイズがセンサ素子4の微小な温度出力信号に重畳し、さらに信号処理回路部の増幅器で増幅される不都合が生じ、精度の高い赤外線検知ができなかった。また、上述した赤外線検知部と信号処理回路部が1つの素子16に配置された構成の赤外線検出装置においても、サーモパイル素子6へのノイズの重畳が発生してその影響が無視できない場合があった。
【0008】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、被検知体から放射される赤外線を、ノイズを除去して精度良く検出することができる赤外線検出装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、所定電圧が印加された赤外線検知用感熱素子と、前記所定電圧が印加され、前記赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体と、前記赤外線検知用感熱素子の出力から前記抵抗体の出力を減算する減算手段と、前記赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、前記減算手段の出力と前記温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えたことを特徴とする赤外線検出装置に存する。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、赤外線検出装置は、所定電圧が印加された赤外線検知用感熱素子と、所定電圧が印加され、赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体と、赤外線検知用感熱素子の出力から抵抗体の出力を減算する減算手段と、赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、減算手段の出力と温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えているので、赤外線検知用感熱素子やその配線パターンに重畳するノイズを除去することができ、被検知体から放射される赤外線を精度良く検知することができる。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、前記赤外線検知用感熱素子、前記抵抗体及び前記温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、前記減算手段及び前記加算手段から構成される信号検出部とからなり、前記赤外線検知部と前記信号検出部は、分離されて互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の赤外線検出装置に存する。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、赤外線検出装置は、赤外線検知用感熱素子、抵抗体及び温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、減算手段及び加算手段から構成される信号検出部とからなり、赤外線検知部と信号検出部は、分離されて互いに電気的に接続されているので、信号検出部を被検知体から放射される赤外線等の影響を受けない場所に設置することができ、精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、所定電圧が印加され、赤外線を受光する第1の赤外線検知用感熱素子と、前記所定電圧が印加され、前記第1の赤外線検知用感熱素子と略同一の温度特性を有すると共に、前記赤外線に対して遮光された第2の赤外線検知用感熱素子と、前記第1の赤外線検知用感熱素子の出力から前記第2の赤外線検知用感熱素子の出力を減算する減算手段と、前記第1の赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、前記減算手段の出力と前記温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えたことを特徴とする赤外線検出装置に存する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、赤外線検出装置は、所定電圧が印加され、赤外線を受光する第1の赤外線検知用感熱素子と、所定電圧が印加され、第1の赤外線検知用感熱素子と略同一の温度特性を有すると共に、赤外線に対して遮光された第2の赤外線検知用感熱素子と、第1の赤外線検知用感熱素子の出力から第2の赤外線検知用感熱素子の出力を減算する減算手段と、第1の赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、減算手段の出力と温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えているので、赤外線検知用感熱素子やその配線パターンに重畳するノイズを除去することができ、被検知体から放射される赤外線を精度良く検知することができる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、前記第1の赤外線検知用感熱素子、前記第2の赤外線検知用感熱素子及び前記温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、前記減算手段及び前記加算手段から構成される信号検出部とからなり、前記赤外線検知部と前記信号検出部は、分離されて互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項3記載の赤外線検出装置に存する。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、赤外線検出装置は、第1の赤外線検知用感熱素子、第2の赤外線検知用感熱素子及び温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、減算手段及び前記加算手段から構成される信号検出部とからなり、赤外線検知部と信号検出部は、互いに分離されて電気的に接続されているので、信号検出部を被検知体から放射される赤外線等の影響を受けない場所に設置することができ、精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0017】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、前記減算手段及び前記加算手段は、それぞれ、オペアンプを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の赤外線検出装置に存する。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、減算手段及び加算手段は、それぞれ、オペアンプを含むので、それぞれのゲインを適宜に設定することにより精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0019】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、前記温度補償用感熱素子が、サーミスタであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の赤外線検出装置に存する。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、温度補償用感熱素子が、サーミスタであるので、周囲温度の変動を抵抗値の変化としてとらえ、電圧変化に変換して温度補償のための信号として出力することができる。
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の発明は、前記温度補償手段は、前記サーミスタの温度特性を直線化する直線化手段をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の赤外線検出装置に存する。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、温度補償手段は、サーミスタの温度特性を直線化する直線化手段をさらに含むので、精度の良い温度補償が可能となる。
【0023】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の発明は、前記赤外線検知用感熱素子が、サーモパイル素子であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の赤外線検出装置に存する。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、赤外線検知用感熱素子が、サーモパイル素子であるので、赤外線を感度良く検知することができる。
【0025】
上記課題を解決するためになされた請求項9記載の発明は、前記抵抗体が、固定抵抗器であることを特徴とする請求項1、2、5から8のいずれか1項に記載の赤外線検出装置に存する。
【0026】
請求項9記載の発明によれば、抵抗体が、固定抵抗器であるので、赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一に設定した抵抗値を維持することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0028】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明による赤外線検出装置の第1の実施の形態の回路構成を示す回路図である。図1において、赤外線検出装置Sは、赤外線検知部Aと信号検出部Bとからなる。赤外線検知部Aは、赤外線検知用感熱素子としてのサーモパイル素子TPと、サーモパイル素子TPの内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体としての固定抵抗Rsと、温度補償用感熱素子としてのサーミスタTHとから構成されている。サーミスタTHは、NTC(Negative Temperature coefficient)タイプのものが使用されている。
【0029】
また、信号検出部Bは、赤外線検知手段としての赤外線検出回路101と、温度補償手段としての温度補償回路102と、減算手段としての減算回路103と、増幅回路104及び加算手段としての加算回路105とから構成されている。
【0030】
赤外線検出回路101は、電源電圧+Vccと接地間に直列接続された抵抗R1及び抵抗R2と、抵抗R1と抵抗R2との接続点aに接続されたサーモパイル素子TPと、固定抵抗Rsを含み、赤外線検知手段として働く。
【0031】
温度補償回路102は、+電源電圧Vccと接地間に直列接続されたサーミスタTH及び直線化手段としての抵抗R5を含み、サーミスタTHと抵抗R5との接続点eから温度補償信号を出力する温度補償手段として働く。
【0032】
減算回路103は、オペアンプamp1と、抵抗R3,R4を有する。抵抗R3は、オペアンプamp1の反転入力端子と出力端子間に接続されている。抵抗R4は、オペアンプamp1の非反転入力端子と接地間に接続されている。また、オペアンプamp1の非反転入力端子には、赤外線検出回路101のサーモパイル素子TPの出力端子が接続され、反転入力端子には、固定抵抗Rsの出力端子が接続されている。
【0033】
増幅回路104は、オペアンプamp2と、抵抗R6,R7,R8を有する。抵抗R6は、温度補償回路102のサーミスタTHと抵抗R5の接続点eと、オペアンプamp2の非反転入力端子の間に接続されている。抵抗R7は、オペアンプamp2の反転入力端子と出力端子間に接続されている。抵抗R8は、オペアンプamp2の反転入力端子と接地間に接続されている。
【0034】
加算回路105は、オペアンプamp3と、抵抗R9,R10,R11を有する。抵抗R9は、減算回路103の出力端子及び増幅回路104の出力端子の接続点gと、オペアンプamp3の非反転入力端子の間に接続されている。抵抗R10は、オペアンプamp3の反転入力端子と出力端子間に接続されている。抵抗R11は、オペアンプamp3の反転入力端子と接地間に接続されている。
【0035】
なお、赤外線検知部AにおけるG〜K及び信号検出部BにおけるG’〜K’は、それぞれ、赤外線検知部Aと信号検出部Bとを互いに電気的に接続するための接続部であり、接続部GとG’,HとH’,IとI’,JとJ’,KとK’は、それぞれ引出線などにより電気的に接続されている。
【0036】
次に図1の赤外線検出装置の構造例について図2及び図3を参照して説明する。図2は、図1の赤外線検出装置の概略斜視図であり、図3は、図2のX−X線断面図である。
【0037】
図2及び図3において、赤外線検知部Aは、サーモパイル素子TP、サーミスタTH及び固定抵抗Rsに相当する固定抵抗器(以下、固定抵抗器Rsと記す)が封入された金属パッケージCと、基板51とから構成されていて、基板51上に金属パッケージCが載置されている。サーモパイル素子TPと固定抵抗器RsとサーミスタTHは、金属パッケージCを構成するステムCa上に載置され、サーモパイル素子TPの出力端子(不図示)は外部出力用端子Lへ、固定抵抗器Rsの出力端子(不図示)は外部出力端子Mへ、サーミスタTHの出力端子(不図示)は外部出力用端子Nへ、各々ワイヤボンディングなどの手法によって電気的に接続されている(不図示)。ステムCaと共に金属パッケージCを構成するキャップCbには、サーモパイル素子TPの赤外線受光部TPa上に一致するように、赤外線を透過するフィルタ21が組み込まれ、キャップCbとステムCaとは、溶接等の手法によって封止されている。
【0038】
信号検出部Bは、減算回路103が封止されたICパッケージ103Aと、増幅回路104が封止されたICパッケージ104Aと、加算回路105が封止されたICパッケージ105Aと、基板61とで構成されていて、基板61上にICパッケージ103A,104A,105Aが載置されている。
【0039】
また、図1で説明したように、赤外線検知部Aと信号検出部Bは、図示しない接続部G〜Kと接続部G’〜K’が引出線71によって電気的に接続されている。
【0040】
サーモパイル素子TPは、矢印で示すように、被検知体(図示しない)から放射された赤外線Irが、フィルタ21を通過して赤外線受光部TPaに導かれ、赤外線受光部TPaで受光した赤外線エネルギーを電気信号に変換し、そのエネルギー量に応じた電圧を出力するものである。
【0041】
次に、再び図1を参照し、赤外線検出装置Sの動作について説明する。赤外線検知回路101において、接続点aからは、一定の基準電圧Vrefが得られ、サーモパイル素子TP及び固定抵抗Rsへそれぞれ印加される。この基準電圧Vrefは、
Vref=Vcc*R2/(R1+R2)・・・・・・・・・(1)
と表すことができる。
【0042】
ところで、サーモパイル素子TPは、高出力インピーダンスで、出力信号が極めて微小であるために、サーモパイル素子TPが接続されている配線パターン、及び引出線には、赤外線検出装置Sを電子レンジに適用した場合にマグネトロンから発生するマイクロ波の誘導によるノイズが重畳されてしまうが、サーモパイル素子TPの内部抵抗と略同一な抵抗値にペアリングしている固定抵抗Rs側にも、固定抵抗Rsを接続する配線パターン、及び引出線に同相ノイズが重畳される。
【0043】
このとき、減算回路103のオペアンプamp1の非反転入力端子への入力電圧Vbは、
Vb=Vtp+Vref+N・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
と表すことができる。なお、Vtpは、サーモパイル素子TPから発生する熱起電力であり、Nは、サーモパイル素子TPを接続する配線パターン及び引出線に重畳されるノイズである。
【0044】
また、オペアンプamp1の反転入力端子への入力電圧Vcは、
Vc=Vr+Vref+N・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
と表すことができる。なお、Vrは、固定抵抗Rsに印加されている電圧であり、Nは、固定抵抗Rsを接続する配線パターン、及び引出線に重畳されるノイズであり、サーモパイル素子TPを接続する配線パターン、及び引出線に重畳するノイズNと同相のノイズである。
【0045】
このとき、減算回路103の出力電圧V103は、
V103=Vb−Vc=G1*(Vtp−Vr)・・・・・・(4)
と表すことができる。なお、G1は、オペアンプamp1のゲインである。つまり、減算回路103からは、サーモパイル素子TPの配線パターン、及び引出線に重畳したノイズと固定抵抗器Rsの配線パターン及び引出線に重畳したノイズが除去された出力電圧V103が出力される。
【0046】
なお、サーモパイル素子TPの温度補償は、温度補償回路102から略直線化された出力電圧を増幅回路104を介して、接続点gにおいて減算回路103の出力電圧と加算することにより行われる。温度補償回路102の接続点eの出力電圧Veは、
Ve=Vcc*R5/(R5+Rth)=Vtho・・・・・(5)
と表される。なお、Rthoは、サーミスタTHの抵抗値である。
【0047】
温度補償回路102の出力電圧特性は、サーミスタTHの温度特性が指数関数の関係にあるが、赤外線検出装置Sの使用温度の範囲内において、略直線になるような抵抗R5を求めることにより略直線にすることができる。上記の抵抗R5は、式(5)と、使用温度の下限温度t1と、上限温度t3と、下限温度t1及び上限温度t3間の中央の温度t2とのそれぞれの温度におけるサーミスタTHの抵抗値Rth1,Rth3,Rth2と、出力電圧Vtho1,Vtho3,Vtho2の関係(Vtho2−Vtho1=Vtho3−Vtho2)とで求められ、温度補償回路102の出力電圧特性は、図4のようになる。
【0048】
この出力電圧Vthoは、サーミスタTHの抵抗値Rthが周囲温度の変動に伴って変化し、その抵抗値変化が電圧変化に変換されて、オペアンプamp2に入力されるので、周囲温度の変化に応じて変動し、それにより、サーモパイル素子TPの出力の周囲温度の変動によるシフト分が相殺され、サーモパイル素子TPの出力が温度補償される。
【0049】
なお、サーモパイル素子の出力電圧を温度補償する理由は、以下の通りである。すなわち、一例として、図5に黒体炉温度(℃)対サーモパイル素子TPの増幅後出力電圧の温度特性として示すように、温度補償なしの場合の出力電圧は、たとえば、周囲温度Ta=20℃及びTa=50℃の場合に、それぞれ、異なるカーブA及びBを描く。そして、図からも分かるように、周囲温度Taが高いほど、カーブは、出力電圧が低い方へシフトする。
【0050】
そして、温度補償がある(温度補償回路102)場合、増幅回路104の出力電圧と減算回路103の出力電圧は、加算回路105で加算増幅され、出力電圧Voutとして出力される。つまり、加算回路105から出力された出力電圧Voutは、減算回路103の出力電圧に増幅回路104から出力された出力電圧だけシフトさせた、図中の温度補償後出力で示すカーブC一本にまとめることができる。
【0051】
このように、温度補償回路102があるということは、周囲温度の変化に応じてシフトしてしまうサーモパイル素子TPの出力電圧を周囲の温度に関係なく、1つのカーブに補正することができるということになる。
【0052】
上述のとおり、温度補償回路102から出力される出力電圧V102は、
V102=Ve+N’ =Vtho+N’ ・・・・・・・・・・(6)
と表される。なお、N’ は、サーミスタTHを接続する配線パターン、及び引出線に重畳するノイズである。
【0053】
温度補償回路102から出力された出力電圧V102は、増幅回路104によって増幅される。増幅回路104から出力される出力電圧V104は、
V104=G2*V102=G2*(Vtho+N’ )・・・(7)
と表される。なお、G2は、オペアンプamp2のゲインである。
【0054】
接続点gでは、減算回路103から出力された出力電圧V103と増幅回路104から出力された出力電圧V104が加算される。接続点gの電圧Vgは、
と表される。
【0055】
加算回路105から出力される出力電圧Voutは、
Vout=G3*(G1*(Vtp−Vr)+G2*(Vtho+N’ ))・・・(9)
と表される。なお、G3は、オペアンプamp3のゲインである。
【0056】
本実施の形態では、具体的には、直流電圧源(5V)、サーモパイル素子TP(温度特性:20mV/℃,内部抵抗:50kΩ)、固定抵抗器Rs(抵抗値:50kΩ)、サーミスタTH(25℃での抵抗値:100kΩ、サーミスタの温度依存性を示すB定数:3435K)のものを使用した。また、G1のゲインは1000倍、G2のゲインは1倍にしておいた。
【0057】
その結果、サーミスタTHに接続された配線パターン、及び引出線に重畳したノイズN’は増幅回路104によって増幅されるが、オペアンプamp1のゲインをオペアンプamp2のゲインより大きくしているので、サーミスタTHに接続された配線パターン、及び引出線に重畳されたノイズは、加算回路105によって無視できる程小さくできている。
【0058】
次に、図6は、本発明の赤外線検出装置Sを電子レンジに適用した例を示す図である。図6において、電子レンジ101は、マグネトロン103と、電子レンジ庫内102の回転テーブル104とを有し、回転テーブル105上に、水Wを入れた容器151が載置されている。赤外線検出装置Sの温度検知部Aは、水Wから放射される赤外線を測定できるように、電子レンジ庫内102に金属パッケージC側が露出するように取り付けられ、赤外線検知部Aと電気的に接続された信号検出部Bは、電子レンジ庫内102からの赤外線等の影響を受けない場所に取り付けられている。
【0059】
同図において、マグネトロン103は、図示しない電源回路から例えば1000Wのパワーが印加されてマイクロ波を発生し、このマイクロ波によって水Wの水分子を振動させて、水Wを加熱させる。赤外線検出装置Sの温度検知部Aは、水Wから放射される赤外線を検知し、信号検出部Bからは、水Wの温度に応じた出力信号が出力される。
【0060】
図7(a)は、図6における赤外線検出装置Sの出力電圧Voutを記録したものである。図7(b)は、図7(a)と比較するために、図1の赤外線検出装置を構成している固定抵抗Rsを取り除き、更に減算回路103を、減算回路103のゲインと同一ゲインの増幅回路と置換した構成の赤外線検出装置によって、同様の実験を行い、その出力電圧Voutを記録したものである。
【0061】
図7(b)においては、赤外線検出装置が、ノイズを除去するための固定抵抗Rsと減算回路103を有していないので、加算回路105から出力される出力電圧Voutがノイズによって振動しているのがわかる。これに対して、図7(a)においては、赤外線検出装置Sがノイズを除去するための固定抵抗Rsと減算回路103を有しているので、ノイズが除去された出力電圧Voutが加算回路105から出力されているのが判る。
【0062】
なお、図3に示した固定抵抗器Rsは、金属パッケージCを構成するステムCa上に載置させているが、これに限らず、ステムCa上に載置せずに基板51上に載置させても良い。
【0063】
なお、図8は、温度検知部Aの構造例を示す分解斜視図であり、サーモパイル素子TPを形成する工程において、サーモパイル素子TPの内部抵抗値と略同一の抵抗値を有する固定抵抗器Rsをも形成し、サーミスタTHをサーモパイル素子TP上の冷接点付近に載置し、サーモパイル素子TPと固定抵抗器RsとサーミスタTHの出力端子から外部引出用端子へワイヤボンディング等の方法によって各々電気的に接続し(不図示)、金属パッケージCに封入したものでもよい。
【0064】
また、本実施の形態の赤外線検出装置においては、赤外線検知部Aと信号検出部Bを分離させた構造を開示したが、赤外線検知部Aと信号検出部Bを同一基板上に形成しても、サーモパイル素子TP及び固定抵抗器Rsの配線パターンに重畳する同相ノイズを減算回路103によって除去することができる。
【0065】
(第2の実施の形態)
図9は、本発明による赤外線検出装置の第2の実施の形態の回路構成を示す回路図である。図9の赤外線検出装置は、図1の赤外線検出装置とほぼ同一の構成を有するが、図1におけるサーモパイル素子TPに代えて第1の赤外線検知用感熱素子としての第1のサーモパイル素子TP1が接続される共に、固定抵抗Rsに代えて第1のサーモパイル素子TP1と略同一の温度特性を有する第2の赤外線検知用感熱素子としての第2のサーモパイル素子TP2が接続されている点が異なっている。
【0066】
次に、図9の赤外線検出装置の構造例について図10及び図11を参照して説明する。図10は、図9の赤外線検出装置の概略斜視図であり、図11は、図10のX−X線断面図である。
【0067】
図10及び図11において、赤外線検知部Aは、第1のサーモパイル素子TP1と、サーモパイル素子TP1と略同一の温度特性を有する第2のサーモパイル素子TP2と、サーミスタTHとが封入されたセラミックパッケージC1と、基板51とから構成されていて、基板51上にセラミックパッケージC1が載置されている。第1および第2のサーモパイル素子TP1,TP2とサーミスタTHとは、セラミックパッケージC1を構成する有底容器C1a内に載置され、第1のサーモパイル素子TP1の出力端子(不図示)は外部出力用端子Lへ、第2のサーモパイル素子TP2の出力端子(不図示)は外部出力用端子Mへ、サーミスタTHの出力端子(不図示)は外部出力用端子Nへ、各々ワイヤボンディングなどの手法によって電気的に接続されている(不図示)。有底容器C1aと共にセラミックパッケージC1を構成する蓋部材C1bには、第1のサーモパイル素子TP1の赤外線受光部TP1a上に一致するように赤外線を透過するフィルタ21が組み込まれ、蓋部材C1bと有底容器C1aは、耐熱性の樹脂などによって封着されている。信号検出部Bの構造は、図2の信号検出部Bと同一である。
【0068】
第1のサーモパイル素子TP1は、矢印で示すように、被検知体(図示しない)から放射された赤外線Irが、フィルタ21を通過して赤外線受光部TP1aに導かれ、赤外線受光部TP1aで受光した赤外線エネルギーを電気信号に変換し、そのエネルギー量に応じた電圧を出力するものである。第2のサーモパイルTP2は、被検知体から放射された赤外線Irが赤外線受光部TP2aに導かれないように、蓋部材C1bによって遮光されている。
【0069】
次に、再び図9を参照し、赤外線検出装置Sの動作について説明する。赤外線検知回路101において、接続点aからは、一定の基準電圧Vrefが得られ、第1及び第2のサーモパイル素子TP1,TP2へそれぞれ印加される。この基準電圧Vrefは、
Vref=Vcc*R2/(R1+R2)・・・・・・・・・(10)
と表すことができる。
【0070】
ところで、第1のサーモパイル素子TP1は、高出力インピーダンスで、出力信号が極めて微小であるために、サーモパイル素子TP1が接続されている配線パターン、及び引出線には、赤外線検出装置Sを電子レンジに適用した場合にマグネトロンから発生するマイクロ波の誘導によるノイズが重畳されてしまうが、第1のサーモパイル素子TP1の温度特性と略同一にペアリングしている第2のサーモパイル素子TP2側にも、第2のサーモパイル素子TP2を接続する配線パターン、及び引出線に同相ノイズが重畳される。
【0071】
このとき、減算回路103のオペアンプamp1の非反転入力端子への入力電圧Vbは、
Vb=Vtp1+Vref+N・・・・・・・・・・・・・・・(11)
と表すことができる。なお、Vtp1は、第1のサーモパイル素子TP1から発生する熱起電力であり、Nは、第1のサーモパイル素子TP1を接続する配線パターン及び引出線に重畳されるノイズである。
【0072】
また、オペアンプamp1の反転入力端子への入力電圧Vcは、
Vc=Vtp2+Vref+N・・・・・・・・・・・・・・(12)
と表すことができる。なお、Vtp2は、第2のサーモパイル素子TP2から発生する熱起電力であり、Nは、第2のサーモパイル素子TP2を接続する配線パターン及び引出線に重畳されるノイズであり、第1のサーモパイル素子TP1を接続する配線パターン及び引出線に重畳するノイズNと同相のノイズである。
【0073】
このとき、減算回路103の出力電圧V103は、
V103=Vb−Vc=G1*(Vtp1−Vtp2)・・・(13)
と表すことがでる。なお、G1は、オペアンプamp1のゲインである。つまり、減算回路103からは、第1のサーモパイル素子TP1の配線パターン及び引出線に重畳したノイズと第2のサーモパイル素子TP2の配線パターン及び引出線に重畳したノイズとが除去された出力電圧V103が出力される。
【0074】
なお、第1のサーモパイル素子TP1の温度補償を行う理由は、上述の第1の実施の形態と同一であるので、ここでは、その理由の説明を省略する。
【0075】
温度補償回路102から出力される出力電圧V102は、
V102=Ve+N’ =Vtho+N’ ・・・・・・・・・(14)
と表される。なお、N’ は、サーミスタTHを接続する配線パターン及び引出線に重畳するノイズである。
【0076】
温度補償回路102から出力された出力電圧V102は、増幅回路104によって増幅される。増幅回路104から出力される出力電圧V104は、
V104=G2*V102=G2*(Vtho+N’ )・・・(15)
と表される。なお、G2は、オペアンプamp2のゲインである。
【0077】
接続点gでは、減算回路103から出力された出力電圧V103と増幅回路104から出力された出力電圧V104が加算される。接続点gの電圧Vgは、
と表される。
【0078】
加算回路105から出力される出力電圧Voutは、
Vout=G3*(G1*(Vtp1−Vtp2)+G2*(Vtho+N’ ))・・・(17)
と表される。なお、G3は、オペアンプamp3のゲインである。
【0079】
本実施の形態では、具体的には、直流電圧源(5V)、第1および第2のサーモパイル素子TP1,TP2(温度特性:20mV/℃,内部抵抗:50kΩ)、サーミスタTH(25℃での抵抗値:100kΩ、サーミスタの温度依存性を示すB定数:3435K)のものを使用した。また、G1のゲインは1000倍、G2のゲインは1倍にしておいた。
【0080】
その結果、サーミスタTHに接続された配線パターン、及び引出線に重畳したノイズN’ は増幅回路104によって増幅されるが、オペアンプamp1のゲインをオペアンプamp2のゲインより大きくしているので、サーミスタTHに接続された配線パターン、及び引出線に重畳されたノイズは、加算回路105によって無視できる程小さくできている。
【0081】
なお、蓋部材C1bによって検知体から放射される赤外線の入射が遮光される第2のサーモパイル素子TP2は、上述の第1の実施の形態における固定抵抗器Rsの代わりとなるもので、第1のサーモパイル素子TP1と同一の生産ラインで作ることが可能であり、第1のサーモパイル素子TP1とペアリングしやすい利点を有している。
【0082】
また、本実施の形態の赤外線検出装置においては、赤外線検知部Aと信号検出部Bを分離させた構造を開示したが、赤外線検知部Aと信号検出部Bを同一基板上に形成しても第1および第2のサーモパイル素子TP1,TP2やそれらの配線パターンに重畳するノイズを減算回路103によって除去することができる。
【0083】
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
【0084】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、赤外線検出装置は、所定電圧が印加された赤外線検知用感熱素子と、所定電圧が印加され、赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体と、赤外線検知用感熱素子の出力から抵抗体の出力を減算する減算手段と、赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、減算手段の出力と温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えているので、赤外線検知用感熱素子やその配線パターンに重畳するノイズを除去することができ、被検知体から放射される赤外線を精度良く検知することができる。
【0085】
請求項2記載の発明によれば、赤外線検出装置は、赤外線検知用感熱素子、抵抗体及び温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、減算手段及び加算手段から構成される信号検出部とからなり、赤外線検知部と信号検出部は、分離されて互いに電気的に接続されているので、信号検出部を被検知体から放射される赤外線等の影響を受けない場所に設置することができ、精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0086】
請求項3記載の発明によれば、赤外線検出装置は、所定電圧が印加され、赤外線を受光する第1の赤外線検知用感熱素子と、所定電圧が印加され、第1の赤外線検知用感熱素子と略同一の温度特性を有すると共に、赤外線に対して遮光された第2の赤外線検知用感熱素子と、第1の赤外線検知用感熱素子の出力から第2の赤外線検知用感熱素子の出力を減算する減算手段と、第1の赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、減算手段の出力と温度補償手段の出力とを加算する加算手段とを備えているので、赤外線検知用感熱素子やその配線パターンに重畳するノイズを除去することができ、被検知体から放射される赤外線を精度良く検知することができる。
【0087】
請求項4記載の発明によれば、赤外線検出装置は、第1の赤外線検知用感熱素子、第2の赤外線検知用感熱素子及び温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、減算手段及び前記加算手段から構成される信号検出部とからなり、赤外線検知部と信号検出部は、互いに分離されて電気的に接続されているので、信号検出部を被検知体から放射される赤外線等の影響を受けない場所に設置することができ、精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0088】
請求項5記載の発明によれば、減算手段及び加算手段は、それぞれ、オペアンプを含むので、それぞれのゲインを適宜に設定することにより精度の良い赤外線検出が可能となる。
【0089】
請求項6記載の発明によれば、温度補償用感熱素子が、サーミスタであるので、周囲温度の変動を抵抗値の変化としてとらえ、電圧変化に変換して温度補償のための信号として出力することができる。
【0090】
請求項7記載の発明によれば、温度補償手段は、サーミスタの温度特性を直線化する直線化手段をさらに含むので、精度の良い温度補償が可能となる。
【0091】
請求項8記載の発明によれば、赤外線検知用感熱素子が、サーモパイル素子であるので、赤外線を感度良く検知することができる。
【0092】
請求項9記載の発明によれば、抵抗体が、固定抵抗器であるので、赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一に設定した抵抗値を維持することができる。赤外線検知用感熱素子が、サーモパイル素子であるので、赤外線を感度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による赤外線検出装置の第1の実施の形態の回路構成を示す回路図である。
【図2】図1の赤外線検出装置の構造例の概略斜視図である。
【図3】図2の赤外線検出装置のX−X線断面図である。
【図4】図1の赤外線検出装置における温度補償回路の出力電圧特性を示す図である。
【図5】図1の赤外線検出装置におけるサーモパイル素子の温度補償を説明するための温度特性図である。
【図6】本発明の赤外線検出装置を電子レンジに適用した例を示す図である。
【図7】(a)は図6の赤外線検出装置の出力電圧を記録した図であり、(b)は、図6の赤外線検出装置の構成を一部変更した場合の出力電圧を記録した図である。
【図8】本発明の赤外線検出装置における温度検知部の構造例を示す分解斜視図である。
【図9】本発明による赤外線検出装置の第2の実施の形態の回路構成を示す回路図である。
【図10】図9の赤外線検出装置の構造例の概略斜視図である。
【図11】図10の赤外線検出装置のX−X線断面図である。
【図12】従来の赤外線検出装置の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
amp1,amp2,amp3 オペアンプ
Rs 固定抵抗(固定抵抗器、抵抗体)
TP サーモパイル素子(赤外線検知用感熱素子)
TP1 第1のサーモパイル素子(第1の赤外線検知用感熱素子)
TP2 第2のサーモパイル素子(第2の赤外線検知用感熱素子)
TH サーミスタ(温度補償用感熱素子)
101 赤外線検出回路
102 温度補償回路(温度補償手段)
103 減算回路(減算手段)
104 増幅回路
105 加算回路(加算手段)
Claims (9)
- 所定電圧が印加された赤外線検知用感熱素子と、
前記所定電圧が印加され、前記赤外線検知用感熱素子の内部抵抗と略同一の抵抗値を有する抵抗体と、
前記赤外線検知用感熱素子の出力から前記抵抗体の出力を減算する減算手段と、
前記赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、
前記減算手段の出力と前記温度補償手段の出力とを加算する加算手段と
を備えたことを特徴とする赤外線検出装置。 - 前記赤外線検知用感熱素子、前記抵抗体及び前記温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、
前記減算手段及び前記加算手段から構成される信号検出部とからなり、
前記赤外線検知部と前記信号検出部は、分離されて互いに電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1記載の赤外線検出装置。 - 所定電圧が印加され、赤外線を受光する第1の赤外線検知用感熱素子と、
前記所定電圧が印加され、前記第1の赤外線検知用感熱素子と略同一の温度特性を有すると共に、前記赤外線に対して遮光された第2の赤外線検知用感熱素子と、
前記第1の赤外線検知用感熱素子の出力から前記第2の赤外線検知用感熱素子の出力を減算する減算手段と、
前記第1の赤外線検知用感熱素子の温度補償を行う温度補償用感熱素子を含む温度補償手段と、
前記減算手段の出力と前記温度補償手段の出力とを加算する加算手段と
を備えたことを特徴とする赤外線検出装置。 - 前記第1の赤外線検知用感熱素子、前記第2の赤外線検知用感熱素子及び前記温度補償用感熱素子とから構成される赤外線検知部と、
前記減算手段及び前記加算手段から構成される信号検出部とからなり、
前記赤外線検知部と前記信号検出部は、分離されて互いに電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項3記載の赤外線検出装置。 - 前記減算手段及び前記加算手段は、それぞれ、オペアンプを含む
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の赤外線検出装置。 - 前記温度補償用感熱素子が、サーミスタである
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の赤外線検出装置。 - 前記温度補償手段は、前記サーミスタの温度特性を直線化する直線化手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項6記載の赤外線検出装置。 - 前記赤外線検知用感熱素子が、サーモパイル素子である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の赤外線検出装置。 - 前記抵抗体が、固定抵抗器である
ことを特徴とする請求項1、2、5から8のいずれか1項に記載の赤外線検出装置。
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| JP2002343817A JP2004177272A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 赤外線検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=32705510
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002343817A Withdrawn JP2004177272A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 赤外線検出装置 |
Country Status (1)
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Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101503033B1 (ko) | 2013-08-23 | 2015-03-16 | 주식회사 에스원 | 무선 열선감지기에 있어서 배터리 수명을 연장하기 위한 저전력 동작 방법 및 이를 이용한 저전력 동작 시스템 |
| WO2015047578A1 (en) * | 2013-09-26 | 2015-04-02 | Rosemount Inc. | Infrared sensor |
| CN110208185A (zh) * | 2018-08-21 | 2019-09-06 | 华帝股份有限公司 | 红外检测烟雾浓度的检测电路及其检测方法 |
| CN110987198A (zh) * | 2019-10-31 | 2020-04-10 | 北京空间机电研究所 | 一种空间遥感红外探测器焦平面温度精密测量系统 |
| KR20200092734A (ko) * | 2019-01-25 | 2020-08-04 | 조선대학교산학협력단 | 적외선 온도 센싱 시스템 |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002343817A patent/JP2004177272A/ja not_active Withdrawn
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| KR102277195B1 (ko) * | 2019-01-25 | 2021-07-14 | 조선대학교 산학협력단 | 적외선 온도 센싱 시스템 |
| CN110987198A (zh) * | 2019-10-31 | 2020-04-10 | 北京空间机电研究所 | 一种空间遥感红外探测器焦平面温度精密测量系统 |
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