JP2004177498A - 光硬化性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物およびその用途 Download PDF

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Tomomasa Kaneko
知正 金子
Kenichi Ueda
賢一 上田
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Abstract

【課題】優れた硬度および耐熱性を発現しうる塗膜を形成できる光硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】光硬化性樹脂組成物は、カルボキシル基および/またはエステル基を有するバインダー樹脂(A)とともにラジカル重合性単量体(B)および光重合開始剤(C)を必須成分とすることにより光照射によるラジカル硬化機能を備えた樹脂組成物であって、エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)と2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有する成分(X)とをも必須成分とすることによりエステル化反応および/またはエステル交換反応による熱硬化機能をも備える、ことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等のカラーフィルターにおけるブラックマトリクス、画素、保護膜および柱スペーサーなどの形成に有用な光硬化性樹脂組成物と、これを用いたカラーフィルターおよび液晶表示装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光硬化性樹脂組成物は、液晶表示装置等のカラーフィルターにおけるブラックマトリクス、画素、保護膜および柱スペーサーなどの形成に利用されている。具体的には、光硬化性樹脂組成物の塗膜にフォトマスクを介して光照射することにより露光部を光硬化させ、その後アルカリ現像処理を行なうことにより塗膜の未露光部を除去してパターンを形成した後、ポストベークすることにより残存溶媒を除去するようにされている。
カラーフィルター用の光硬化性樹脂組成物としては、従来、アルカリ可溶性のバインダー樹脂、光重合性モノマーおよび光重合開始剤を必須成分とするものが一般に用いられてきた。しかし、近年、液晶表示装置の高品質化や用途の拡大が進むなか、従来の光硬化性樹脂組成物では、硬度や耐熱性が不充分なってきており、例えば、得られたカラーフィルターを用いてLCD製造する際に、例えばカラーフィルター基板とTFT基板の張り合わせ工程などにおいてかかる種々の負荷を考慮すると硬度が不充分であったり、セルギャップを均一に保持できなかったり、色ムラや輝度ムラが発生するなど、改善すべき問題が生じることがあり、さらなる性能の向上が求められている。
【0003】
このため、前記カラーフィルター用光硬化性樹脂組成物にエポキシ樹脂やシランカップリング剤を添加して、硬度の向上を図る試みがなされている。しかし、エポキシ樹脂は、アルカリ可溶性に乏しく現像不良を生じやすいため、例えば、ブラックマトリクス部や画素部の現像不良(現像残渣)による画素欠陥が生じて色ムラや輝度ムラが発生したり、柱スペーサー部の現像不良によりスペーサー高さにバラツキが生じてセルギャップが不均一となり、色ムラや輝度ムラが発生したりすることがあった。また、シランカップリング剤は、水分や酸成分に対して不安定であるため現像不良を生じやすく、例えば、ブラックマトリクス部や画素部の現像不良(現像残渣)による画素欠陥が生じて色ムラや輝度ムラが発生したり、柱スペーサー部の現像不良によりスペーサー高さにバラツキが生じてセルギャップが不均一となり、色ムラや輝度ムラが発生したり、粘度変化や不溶の異物の発生など保存安定性に問題が起こったりすることがあった。
【0004】
他方、添加剤としてチタネート系またはアルミニウム系のカップリング剤を含有する熱硬化性着色被膜を支持基板上に有するカラーフィルターも提案されている(特許文献1参照)。該技術は、シランカップリング剤の代わりにチタネート系またはアルミニウム系のカップリング剤を使用することにより、前述したシランカップリング剤の問題点を改良しようとするものであるが、硬度の向上については充分に満足しうるものではなかった。すなわち、前記技術によれば、カルボキシル基および/またはエステル基と水酸基とのエステル化反応および/またはエステル交換反応によって緻密な架橋を形成することによる充分な高強度化を達成することはできない。しかも、前記技術は、着色被膜を支持基板上に形成する方法として印刷法を前提としており、前記熱硬化性着色被膜は光硬化性を有さないため、該技術は、柱スペーサーなど微細なパターンの形成には適用し難いものであった。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−118219号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、優れた硬度および耐熱性を発現しうる塗膜を形成できる光硬化性樹脂組成物と、これを用いた高性能のカラーフィルターおよび液晶表示装置とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく、鋭意検討を行った。その結果、従来のアルカリ可溶性バインダー樹脂、光重合性モノマーおよび光重合開始剤を必須成分とする光硬化性樹脂組成物において、エステル化触媒および/またはエステル交換触媒をも必須成分とするとともに、組成物中に、2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有する成分を存在させることにより、エステル化反応および/またはエステル交換反応による熱硬化機能をも付与することができること、そして、該熱硬化機能を、カラーフィルターにおけるブラックマトリクス、画素、保護膜および柱スペーサーなどを形成する際のポストベーク工程において発揮させることにより、優れた性能を発現させることができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明にかかる光硬化性樹脂組成物は、カルボキシル基および/またはエステル基を有するバインダー樹脂(A)とともにラジカル重合性単量体(B)および光重合開始剤(C)を必須成分とすることにより光照射によるラジカル硬化機能を備えた樹脂組成物であって、
エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)と2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有する成分(X)とをも必須成分とすることによりエステル化反応および/またはエステル交換反応による熱硬化機能をも備える、ことを特徴とする。
【0009】
本発明にかかるカラーフィルターは、前記本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて形成されたものである。
本発明にかかる液晶表示装置は、前記本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルターを構成部材として含む。
【0010】
【発明の実施の形態】
<光硬化性樹脂組成物>
本発明の光硬化性樹脂組成物は、カルボキシル基および/またはエステル基を有するバインダー樹脂(A)を必須成分とする。本発明においては、該バインダー樹脂(A)が有するカルボキシル基および/またはエステル基が後述する成分(X)が有する水酸基と反応して、エステル化反応および/またはエステル交換反応を起こすことにより、本発明の特徴である熱硬化機能を発揮することとなるのである。また、該バインダー樹脂(A)がカルボキシル基を有することによって、本発明の光硬化性樹脂組成物はアルカリ可溶性を示すこととなり、カラーフィルター用途に好適に用いられることとなる。
【0011】
前記バインダー樹脂(A)としては、カルボキシル基および/またはエステル基を有するものであれば、特に制限されないが、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマー(以下、単に「カルボキシル基含有不飽和モノマー」という。)の重合体、もしくは該カルボキシル基含有不飽和モノマーと他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(以下、単に「他の不飽和モノマー」という。)との共重合体が挙げられる。なお、バインダー樹脂(A)は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸、2ー(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類等を挙げることができる。
【0012】
前記他の不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和アミドあるいは不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリシリコーン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができる。
【0013】
前記バインダー樹脂(A)としては、前記例示の中でも特に、2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有するものが、後述する成分(X)をも兼ねることができる点で好ましい。
前記2個以上の水酸基を有するバインダー樹脂(A)としては、例えば、前記カルボキシル基含有不飽和モノマーと他の不飽和モノマーとの共重合体であって前記他の不飽和モノマーとして少なくとも水酸基含有不飽和モノマーを用いた共重合体や、前記カルボキシル基含有不飽和モノマーと他の不飽和モノマーとの共重合体が有するカルボキシル基の一部にエポキシ化合物を付加させてなる共重合体が挙げられる。
【0014】
2個以上の水酸基を有するバインダー樹脂(A)が前記水酸基含有不飽和モノマーを用いた共重合体である場合、水酸基含有不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このような2個以上の水酸基を有するバインダー樹脂(A)の具体例としては、例えば、メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/フェニルマレイミド/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/シクロヘキシルマレイミド/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体等が好ましく挙げられる。
【0015】
2個以上の水酸基を有するバインダー樹脂(A)が前記エポキシ化合物を付加させてなる共重合体である場合、エポキシ化合物としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテルやフェニルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類、グリシドール等が挙げられる。このような2個以上の水酸基を有するバインダー樹脂(A)の具体例としては、例えば、メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体にn−ブチルグリシジルエーテルを付加した共重合体、メチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体にグリシドールを付加した共重合体等が好ましく挙げられる。
【0016】
前記1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有するバインダー樹脂(A)としては、例えば、前記カルボキシル基含有不飽和モノマーと他の不飽和モノマーとの共重合体が有するカルボキシル基の一部に、エポキシ基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させてなる共重合体が挙げられる。エポキシ基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等が挙げられる。このような1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有するバインダー樹脂(A)の具体例としては、例えば、メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体にグリシジルメタクリレートを付加した共重合体、メチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体にグリシジルメタクリレートを付加した共重合体、メチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸共重合体にグリシジルメタクリレートを付加した共重合体、メチルメタクリレート/フェニルマレイミド/メタクリル酸共重合体にグリシジルメタクリレートを付加した共重合体、メチルメタクリレート/シクロヘキシルマレイミド/メタクリル酸共重合体にグリシジルメタクリレートを付加した共重合体等が好ましく挙げられる。
【0017】
なお、前記バインダー樹脂(A)において、カルボキシル基含有不飽和モノマーの共重合割合、水酸基含有不飽和モノマーを共重合させる場合の該モノマーの共重合割合、エポキシ化合物もしくはエポキシ基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物を付加させる場合のこれら化合物の付加の割合については、特に制限はないが、バインダー樹脂(A)のけん化価、酸価および水酸基価が、それぞれ後述する範囲となるように適宜設定することが好ましい。
前記バインダー樹脂(A)は、けん化価(酸価+エステル価)が30mgKOH/g以上であることが好ましく、50mgKOH/g以上であることがより好ましい。バインダー樹脂(A)のけん化価が前記範囲よりも小さいと、エステル化反応および/またはエステル交換反応が不充分となり充分な高強度化を図ることができない。なお、前記けん化価は、JIS−K−0070に準じて測定されたものとする。
【0018】
前記バインダー樹脂(A)は、酸価が30〜200mgKOH/gであることが好ましく、50〜150mgKOH/gであることがより好ましい。バインダー樹脂(A)の酸価が前記範囲よりも小さいと、アルカリ現像液に対する溶解性が低下する恐れがあり、一方、前記範囲よりも大きいと、現像時に形成されたパターンの基板からの脱落やパターン表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。なお、前記酸価は、JIS−K−0070に準じて測定されたものとする。
前記バインダー樹脂(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;溶出溶媒テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」という。)は、3,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜50,000であることがより好ましい。バインダー樹脂(A)の重量平均分子量が前記範囲より小さいと、現像時に形成されたパターンの基板からの脱落やパターン表面の膜荒れを起こしたり、パターンの強度が低下したりする傾向があり、一方、前記範囲よりも大きいと、現像残渣が生じやすくなる。
【0019】
前記バインダー樹脂(A)が水酸基をも有する場合、バインダー樹脂(A)の水酸基価は、5〜350mgKOH/gであることが好ましく、10〜250mgKOH/gであることがより好ましい。バインダー樹脂(A)の水酸基価が前記範囲より小さいと、強度の向上効果が不充分となり、一方、前記範囲よりも大きいと、アルカリ可溶性が強くなりすぎて、現像時に形成されたパターンの基板からの脱落やパターン表面の膜荒れを来たす傾向がある。なお、前記水酸基価は、JIS−K−0070に準じて測定されたものとする。
本発明の光硬化性樹脂組成物中に占める前記バインダー樹脂(A)の含有割合は、所望の塗膜厚や採用する塗布方法などに応じて、所望の濃度となるように適宜設定すればよい。
【0020】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合性単量体(B)を必須成分とする。該ラジカル重合性単量体(B)と後述する光重合開始剤(C)とによって、本発明の光硬化性樹脂組成物は光硬化機能を発現しうるものとなり、カラーフィルター用途において好適に用いることができることとなる。
前記ラジカル重合性単量体(B)としては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を2個以上有するモノマーであれば、特に制限されるものではなく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジアクリレートまたはジメタクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジアクリレートまたはジメタクリレート類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート等の3価以上の多価アルコールのポリアクリレートまたはポリメタクリレート類;ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴアクリレートまたはオリゴメタクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジアクリレートまたはジメタクリレート類や、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリスメタクリロイルオキシエチルフォスフェート等を挙げることができる。これらの中でも特に、3価以上の多価アルコールのポリアクリレートまたはポリメタクリレート類が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート等を挙げられる。なお、ラジカル重合性単量体(B)は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0021】
前記ラジカル重合性単量体(B)としては、前記例示の中でも特に、1個以上の水酸基を有するものが、後述する成分(X)をも兼ねることができる点で好ましい。このようなラジカル重合性単量体(B)としては、具体的には、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等が挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物中に占める前記ラジカル重合性単量体(B)の含有割合は、バインダー樹脂(A)の樹脂固形分100重量部に対して、5〜500重量部であることが好ましく、20〜300重量部であることがより好ましい。ラジカル重合性単量体(B)の含有割合が前記範囲よりも少ないと、露光感度が不充分となったり、パターンの強度あるいは表面平滑性が低下したりする傾向があり、一方、前記範囲よりも多いと、アルカリ現像性が低下したり、残渣や膜残りが発生したりする恐れがある。
【0022】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤(C)を必須成分とする。該光重合開始剤(C)と前述したラジカル重合性単量体(B)とによって、本発明の光硬化性樹脂組成物は光硬化機能を発現しうるものとなり、カラーフィルター用途において好適に用いることができることとなる。
前記光重合開始剤(C)は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の照射により、前記ラジカル重合性単量体(B)の重合を開始しうる活性種を発生することができる化合物であれば、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ビイミダゾール系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、トリアジン系化合物等を挙げられる。これらの中でも特に、カラーフィルター用途においては、ビイミダゾール系化合物が、溶剤に対する溶解性に優れ、未溶解物、析出物等の異物を生じることがなく、しかも感度が高く、少ないエネルギー量の放射線照射によりラジカル硬化反応を十分進行させるとともに、コントラストが高く、放射線未照射部で硬化反応が生じることがないため、好ましい。なお、光重合開始剤(C)は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0023】
前記ビイミダゾール系化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等を挙げることができる。これらの中でも特に、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールおよび2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが好ましい。
【0024】
前記ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインi−プロピルエーテル、ベンゾインi−ブチルエーテル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエート等を挙げることができる。
前記アセトフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−アジドアセトフェノン、4−アジドベンザルアセトフェノン等を挙げることができる。
【0025】
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等を挙げることができる。
前記α−ジケトン系化合物としては、例えば、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。
前記多核キノン系化合物としては、例えば、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン等を挙げることができる。
【0026】
前記キサントン系化合物としては、例えば、キサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等を挙げることができる。
前記ジアゾ系化合物としては、例えば、4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メトキシジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン等を挙げることができる。
前記トリアジン系化合物としては、例えば、2−(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−ブロモ−4’−メチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−チオフェニルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。
【0027】
前記光重合開始剤(C)としては、前記化合物のほかにも、例えば、4−アジドベンズアルデヒド、アジドピレン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、N−フェニルチオアクリドン、トリフェニルピリリウムパークロレート等を使用することもできる。
本発明の光硬化性樹脂組成物中に占める前記光重合開始剤(C)の含有割合は、ラジカル重合性単量体(B)100重量部に対して、0.01〜200重量部であることが好ましく、1〜120重量部であることがより好ましく、1〜50重量部であることがさらに好ましい。光重合開始剤(C)の含有割合が前記範囲よりも少ないと、硬化が不充分となったり、パターンの強度あるいは表面平滑性が低下したりする傾向があり、一方、前記範囲よりも多いと、不経済であると同時に、現像時にパターンが脱落したり、残渣や膜残りが発生したりする恐れがある。
【0028】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、さらに、前記光重合開始剤(C)とともに、増感剤、硬化促進剤、高分子光架橋・増感剤等を含有させることもできる。
前記増感剤としては、例えば、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。なお、増感剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0029】
前記硬化促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−4,6−ジメチルアミノピリジン等の連鎖移動剤を挙げることができる。なお、硬化促進剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記高分子光架橋・増感剤は、放射線の照射により架橋剤および/または増感剤として作用しうる少なくとも1種の官能基を主鎖および/または側鎖中に有する高分子化合物であり、具体的には、4−アジドベンズアルデヒドとポリビニルアルコールとの縮合物、4−アジドベンズアルデヒドとフェノールノボラック樹脂との縮合物、4−アクリロイルフェニルシンナモイルエステルの単独重合体あるいは共重合体、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。なお、高分子光架橋・増感剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0030】
本発明の光硬化性樹脂組成物が前記増感剤、硬化促進剤、高分子光架橋・増感剤をも含有する場合、これらの合計含有量は、光重合開始剤(C)100重量部に対して、300重量部以下とすることが好ましく、200重量部以下とすることがより好ましく、100重量部以下とすることがさらに好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有する成分(X)をも必須成分とする。これにより、該成分(X)が有する水酸基と前記バインダー樹脂(A)が有するカルボキシル基および/またはエステル基とによって、エステル化反応および/またはエステル交換反応を起こすことになり、本発明の特徴である熱硬化機能を発揮することとなるのである。
【0031】
本発明における前記成分(X)は、前述したように、2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とをも有するバインダー樹脂(A)がこれを兼ねる形態で存在するものであってもよいし、1個以上の水酸基を有するラジカル重合性単量体(B)がこれを兼ねる形態で存在するものであってもよいし、前述した必須成分とは別に前記成分(X)として、2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有する架橋剤(E)を必須成分とする形態で存在するものであってもよい。好ましくは、バインダー樹脂(A)が成分(X)を兼ねる形態が最もよい。なお、前記成分(X)は1種のみで存在するものであってもよいし、2種以上で存在するものであってもよい。
【0032】
前記架橋剤(E)のうち、2個以上の水酸基を有するものの具体例として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、3個以上の水酸基を有するアルコールの部分エステル化物(ペンタエリスリトールモノアセテート、ジペンタエリスリトールジアセテートなど)等の低分子多価アルコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヒドロキシポリブタジエン等の末端ヒドロキシル化重合体のうち末端水酸基の数が2個以上のもの、メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体やスチレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体のような水酸基含有モノマーの共重合体等のポリマーポリオール;等が挙げられる。また、前記架橋剤(E)のうち、1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有するものの具体例として、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基含有多官能(メタ)アクリレート類;ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、フルオレンエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートを共重合してなる共重合型エポキシ樹脂などの各種エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加したエポキシ(メタ)アクリレート類;等が挙げられる。なお、架橋剤(E)は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0033】
本発明の光硬化性樹脂組成物中に占める前記成分(X)の含有割合は、バインダー樹脂(A)の樹脂固形分100重量部に対して、0.5〜100重量部であることが好ましく、2〜50重量部であることがより好ましい。成分(X)の含有割合が前記範囲より少ないと、エステル化反応および/またはエステル交換反応が不充分となり充分な高強度化を図ることができず、一方、前記範囲より多いと、形成されたパターンが基板から脱落したり、パターン表面に膜荒れが生じたり、現像時に残渣や膜残りが発生しやすくなったりする傾向がある。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)を必須成分とする。これにより、エステル化反応および/またはエステル交換反応を起こさせることができ、本発明の特徴である熱硬化機能を発揮することとなるのである。
【0034】
前記エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、好ましくは、下記一般式(1)で示される金属キレート化合物がよい。
【0035】
【化1】
Figure 2004177498
【0036】
(式(1)中、Mは、Al、Ti、Zr,Zn、Mg、Sn、Pb、Ba、Ca、Ce、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから選ばれる1種の金属原子であり、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基、またはこれらの置換体であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、またはこれらの置換体であり、mは、金属原子Mの原子価であり、nは、0〜mの整数である。)
さらに、前記一般式(1)で示される金属キレート化合物の中でも、MがAlである化合物が、アルカリ可溶性を有し、各種溶媒にも易溶で、水に対して比較的安定である点で好ましい。なお、エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0037】
本発明の光硬化性樹脂組成物中に占める前記エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)の含有割合は、バインダー樹脂(A)の樹脂固形分100重量部に対して、0.01〜100重量部であることが好ましく、0.5〜50重量部であることがより好ましい。エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)の含有割合が前記範囲より少ないと、エステル化反応および/またはエステル交換反応が不充分となり充分な高強度化を図ることができず、一方、前記範囲より多いと、不経済であると同時に、現像時に残渣や膜残りが発生しやすくなる傾向がある。
【0038】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて(例えば、画素やブラックマトリクスの形成に用いる場合など)、着色剤を含有させることができる。着色剤は、その色調や含有量に特に限定はなく、用途に応じて適宜選択すればよい。また、着色剤は有機着色剤でも無機着色剤でもよい。前記有機着色剤とは、具体的には染料、有機顔料、天然色素等を意味し、前記無機着色剤とは、具体的には無機顔料のほか、体質顔料と呼ばれる無機塩をも意味するものであるが、特に、カラーフィルター用途においては高精密な発色と耐熱性が求められることから、発色性が高く、かつ耐熱性の高い着色剤、とりわけ耐熱分解性の高い着色剤が好ましく、通常、有機着色剤、特に有機顔料が好適である。さらに、前記着色剤は、所望により、顔料粒子の表面をポリマーで改質したものであってもよい。なお、着色剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0039】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、種々の添加剤を含有させることもできる。添加剤としては、例えば、前記着色剤に対する分散助剤;ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリ(フロロアルキルアクリレート)等の高分子化合物;ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;等が挙げられる。なお、添加剤は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0040】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、溶媒を含有するものであってもよい。前記溶媒としては、前述した各成分を溶解または分散し、かつこれら成分と反応せず、適度の揮発性を有するものであれば、特に制限されるものではない。このような溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸i−プロピル、酪酸エチル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;等を挙げることができる。なお、溶媒は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0041】
本発明の光硬化性樹脂組成物が前記溶媒をも含有する場合、その含有割合は、バインダー樹脂(A)の樹脂固形分100重量部に対して、100〜10000重量部であることが好ましく、500〜5000重量部であることがより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、ラジカル硬化機能と熱硬化機能との両方を備えたものであり、これにより、優れた硬度および耐熱性を有する塗膜を形成できることとなる。
本発明におけるラジカル硬化機能とは、前記ラジカル重合性単量体(B)が有するラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合が前記光重合開始剤(C)の存在下、光照射によってラジカル重合しうることである。したがって、本発明において、ラジカル硬化機能を備えるとは、本発明の組成物が前記ラジカル重合性単量体(B)および前記光重合開始剤(C)を含むことを意味するものである。
【0042】
本発明において、熱硬化機能とは、前記バインダー樹脂(A)が有するカルボキシル基および/またはエステル基と前記成分(X)が有する水酸基とがエステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)の存在下、熱によってエステル化反応および/またはエステル交換反応しうることであり、さらに詳しくは、該エステル化反応および/またはエステル交換反応によって緻密な架橋が形成されうることである。したがって、本発明において、熱硬化機能を備えるとは、本発明の組成物が、バインダー樹脂(A)と前記成分(X)と前記エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)とを含むことを意味するものであり、具体的には、本発明の組成物が、例えば、以下の1)〜3)のうち少なくとも1つの組み合わせを含むことを意味するものである。
1)2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有する前記バインダー樹脂(A)と、前記エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)との組み合わせ
2)前記バインダー樹脂(A)と、1個以上の水酸基を有する前記ラジカル重合性単量体(B)と、前記エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)との組み合わせ
3)前記バインダー樹脂(A)と、2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有する前記架橋剤(E)と、前記エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)との組み合わせ
本発明の光硬化性樹脂組成物は、優れた硬度および耐熱性を有する塗膜を形成できるものであるので、例えば、液晶表示装置等のカラーフィルターにおけるブラックマトリクス、画素、保護膜および柱スペーサーなどの形成に好適に用いることができる。とりわけ、高強度を要求される柱スペーサーの形成に特に好適である。
【0043】
<カラーフィルター>
本発明のカラーフィルターは、前記本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて形成されたものである。詳しくは、本発明のカラーフィルターは、カラーフィルターの構成部位であるブラックマトリクス、画素、保護膜および柱スペーサーのうち、少なくとも1つが前記本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて形成されたものであればよいのであるが、好ましくは、全ての構成部位が前記本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて形成されていることが望ましい。特に、高強度を要求される柱スペーサーは前記本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて形成されていることが好ましく、前記本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて形成された柱スペーサーを具備したカラーフィルターは、高強度でセルギャップを均一に保つことができるものとなる。
【0044】
前記本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて、前記ブラックマトリクス、画素、保護膜もしくは柱スペーサーを形成する方法は、以下の通りである。まず、基板上に本発明の光硬化性樹脂組成物を塗布したのち、プリベークを行って溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して光を照射したのち、アルカリ現像液で現像処理を行うことにより塗膜の未露光部を溶解除去する。次いで、必要に応じて洗浄した後、ポストベークを行う。このように、組成物の塗布、プリベーク、光照射、現像処理およびポストベークを経て、所定のパターンが形成される。本発明においては、前記光照射によって光硬化機能を発揮させるとともに、前記ポストベークによって熱硬化機能を発揮させることにより、硬度や耐熱性を向上さることができるのである。
【0045】
本発明の光硬化性樹脂組成物を塗布する際には、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布法を採用することができる。このとき、塗布厚さは、本発明の光硬化性樹脂組成物により形成するカラーフィルターの構成部位に応じて適宜設定すればよいのであるが、通常、乾燥後の膜厚が0.1〜10μmとなるようにするのがよい。
前記光照射には、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。放射線の照射エネルギー量は、好ましくは1〜1000mJ/cmである。
【0046】
前記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。前記アルカリ現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
アルカリ現像法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができ、現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
【0047】
本発明のカラーフィルターは、以下のようにして得ることが好ましい。まず、透明基板の表面上の画素パターンを形成する部分を区画するように遮光層を形成する。この遮光層は、クロムスパッタ等による金属ブラックマトリックスでもよいし、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて前述の方法で形成された樹脂ブラックマトリックスであってもよい。この基板上に、着色剤を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて前述の方法で着色された画素が所定のパターンで配置された画素アレイを形成する。その後、必要に応じて、他の色(例えば、赤、緑または青)の着色剤を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて前述の方法で各色の画素アレイを同一基板上に順次形成する。その後、必要に応じて、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて前述の方法で保護膜や柱スペーサーを形成するようにしてもよい。
【0048】
前記透明基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの透明基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、前記本発明のカラーフィルターを構成部材として含むものである。
【0049】
本発明の液晶表示装置は、例えば、以下のようにして形成することができる。まず、本発明のカラーフィルターにポリイミド配向膜を形成し、配向処理をする。次いで、TN駆動モードのTFT素子を形成したTFT基板と張り合わせて、基板周辺を液晶用のシール材で封止し、張り合わせて基板間にTN駆動モード用の液晶を封入する。これにより、柱スペーサーで基板間のギャップを規定した液晶表示装置を作製することができる。
【0050】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[合成例1−1(水酸基を有さないメタクリレート樹脂の合成)]
反応槽(冷却管を備えたセパラブルフラスコ)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)1480部を仕込み、窒素置換した後、内温が90℃になるまでオイルバスにより加熱した。
他方、モノマー滴下槽に、メチルメタクリレート(MMA)800部、メタクリル酸(MAA)200部、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(PBO;日本油脂製「パーブチルO」)10部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽に、n−ドデカンチオール(n−DM)20部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)20部をよく攪拌混合したものを準備した。
【0051】
反応槽の内温が90℃で安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始し、重合を開始した。滴下は、90℃を維持しながらそれぞれ180分かけて行った。滴下が終了して1時間後に内温が110℃となるよう昇温を始め、110℃に到達後その内温を維持した。滴下を終了してから4時間後、反応槽を室温まで冷却し、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液を下記の方法で分析したところ、重量平均分子量は12,100であり、酸価は127mgKOH/gであり、けん化価は567mgKOH/gであり、水酸基価は0mgKOH/gであった。なお、得られたポリマー溶液の樹脂固形分は40.4重量%であった。
【0052】
(重量平均分子量)
測定装置として昭和電工(株)製「Shodex GPC System−21H」を用い、ポリスチレン換算で測定した。
(樹脂固形分)
ポリマー溶液0.3gにアセトン2mlを加えて溶解させた溶液を、常温で自然乾燥させた後、さらに5時間減圧乾燥(160℃/5mmHg)し、その後、デシケータ内で放冷してから重量を測定して、重量減少量からポリマー溶液の樹脂固形分(不揮発分)を算出した。
【0053】
(酸価・けん化価・水酸基価)
JIS−K−0070に準じて、ポリマー溶液の酸価、けん化価、水酸基価をそれぞれ測定し、得られた値と樹脂固形分とから、酸価、けん化価、水酸基価をそれぞれ求めた。
[合成例1−2(水酸基を有するメタクリレート樹脂の合成)]
モノマー滴下槽に、MMA400部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)200部、2−エチルヘキシルメタクリレート(HEMA)200部、MAA200部、PBO10部をよく攪拌混合したものを準備し、これを用いたこと以外は、合成例1と同様にしてポリマー溶液を得た。
【0054】
得られたポリマー溶液を合成例1−1と同様に分析したところ、重量平均分子量は11,300であり、酸価は128mgKOH/gであり、けん化価は451mgKOH/gであり、水酸基価は84mgKOH/gであった。なお、得られたポリマー溶液の樹脂固形分は40.1重量%であった。
[合成例1−3(水酸基およびラジカル重合性二重結合を有するメタクリレート樹脂の合成)]
反応槽(冷却管を備えたセパラブルフラスコ)に、DMDG1200部を仕込み、窒素置換した後、内温が90℃になるまでオイルバスにより加熱した。
【0055】
他方、モノマー滴下槽に、フェニルマレイミド(PMI)200部、MMA390部、MAA410部、PBO20部、DMDG300部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽に、n−DM40部を準備した。
反応槽の内温が90℃で安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始し、重合を開始した。滴下は、90℃を維持しながらそれぞれ180分かけて行った。滴下が終了して1時間後に内温が110℃となるよう昇温を始め、110℃に到達後その内温を滴下を終了してから4時間後まで維持した。
【0056】
次いで、反応槽にガス導入管を取りつけ、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスをバブリングしながら、反応槽に、2,2’−メチレンビス(4−メチルー6−t−ブチルフェノール)(MBMTB)2.1部、トリエチルアミン(TEA)4.2g、グリシジルメタクリレート(GMA)413部を投入し、内温が110℃となるよう加熱を続けた。GMAを添加してから8時間後に反応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィ(島津(株)製「GC−17A」)を用いて検量線により残存GMA量を定量した。以後、1時間おきにサンプリングを行い、残存GMA量が0.3重量%以下になったことを確認してから内温が40℃になるまで冷却しポリマー溶液を得た。
【0057】
得られたポリマー溶液を合成例1−1と同様に分析したところ、重量平均分子量は13,200であり、酸価は76mgKOH/gであり、けん化価は442mgKOH/gであり、水酸基価は108mgKOH/gであった。また、残存GMA量は0.18重量%であった。なお、得られたポリマー溶液の樹脂固形分は47.8重量%であった。
[実施例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−5]
合成例1〜3で得られたポリマー溶液をそれぞれDMDGで20重量%に希釈した溶液をバインダー樹脂(溶媒含有)として用い、該バインダー樹脂を含む下記の各成分を表1に示す組成比(重量比)で混合してよく攪拌し、光硬化性樹脂組成物を得た。
【0058】
<バインダー樹脂(溶媒含有)>
A1:合成例1のポリマー溶液の希釈溶液
A2:合成例2のポリマー溶液の希釈溶液
A3:合成例3のポリマー溶液の希釈溶液
<ラジカル重合性単量体>
B1:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(水酸基1個含有)
B2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(水酸基含有せず)
<光重合開始剤>
C1:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
C2:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール
<エステル交換触媒>
アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)
<架橋剤>
トリメチロールプロパン
<エポキシ樹脂>
油化シェルエポキシ(株)製「エピコート180S70」
<シランカップリング剤>
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
【0059】
【表1】
Figure 2004177498
【0060】
得られた光硬化性樹脂組成物を、5cm×5cmのガラス基板上にスピンコート法にて塗工した後、80℃で5分間乾燥し、厚さ5μmの均一な塗膜を形成した。次いで、超高圧水銀灯を用い300mJ/cmの光量で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させた後、さらに200℃に加熱したホットプレート上で40分間加熱して硬化を完結させ、試験片を得た。得られた試験片について以下の性能試験を行った。結果を表2に示す。
(硬度)
JIS−K−5400に準拠して得られた試験片の鉛筆硬度を測定した。
【0061】
(耐熱性)
表面粗さ計を用い、得られた試験片の膜厚および表面状態を測定した後、さらに試験片を250℃に加熱したホットプレート上で1時間加熱し、再度膜厚および表面状態を測定した。
加熱前後の膜厚から、次式に従って減膜率を算出した。
減膜率(%)=[(加熱前の膜厚−加熱後の膜厚)/加熱前の膜厚]×100
次の基準に従って表面状態を評価した。
○:加熱前後で変化なし、△:加熱前に比べて加熱後の表面の凹凸がやや大きくなっている、×:加熱後の表面の一部に穴があいている
【0062】
【表2】
Figure 2004177498
【0063】
[実施例2−1]
実施例1−3で得られた光硬化性樹脂組成物に、顔料および顔料分散剤を加え、4種類の着色レジスト(赤色レジスト、緑色レジスト、青色レジスト、黒色レジスト)を調製した。各色ごとに、ガラス基板上に着色レジストをスピンコートし、90℃で3分間乾燥した後、所定のフォトマスクを用いてUV露光し、次いで0.05%水酸化カリウム水溶液を主成分とする現像液で現像し、次いで純水で洗浄してから、200℃で30分間加熱し、ブラックマトリクス、赤色画素、緑色画素、青色画素を形成した。さらに、実施例1−3で得られた光硬化性樹脂組成物を用い、ブラックマトリクス、赤色画素、緑色画素、青色画素の形成と同様の工程により、画素上に保護膜を形成した。保護膜の上にスパッタリングによりITO膜を形成した後、実施例1−3で得られた光硬化性樹脂組成物を用い、ITO膜上に、ブラックマトリクス、赤色画素、緑色画素、青色画素を形成した時と同様の工程により、柱スペーサーを形成し、カラーフィルターを作製した。得られたカラーフィルターは、現像残渣がなく、パターン形状が良好なものであった。
【0064】
次に、得られたカラーフィルターにポリイミド配向膜を形成し、配向処理をした。次いで、TN駆動モードのTFT素子を形成したTFT基板と張り合わせて、基板周辺を液晶用のシール材で封止し、張り合わせて基板間にTN駆動モード用の液晶を封入した。これにより、柱スペーサーで基板間のギャップを規定したカラー液晶表示装置を得た。得られたカラー液晶表示装置は、セルギャップが均一で、色ムラや輝度ムラが発生せず、良好な表示品質が得られるものであった。
[比較例2−1]
比較例1−3で得られた光硬化性樹脂組成物を用い、実施例2−1と同様にして、カラーフィルターおよびカラー液晶表示装置を作製した。得られたカラーフィルターは、現像残渣がなくパターン形状も良好であったが、得られたカラー液晶表示装置は、セルギャップが不均一で、色ムラや輝度ムラが発生するものであった。
【0065】
[比較例2−2]
比較例1−4で得られた光硬化性樹脂組成物を用い、実施例2−1と同様にして、カラーフィルターおよびカラー液晶表示装置を作製した。得られたカラーフィルターは、現像残渣が生じており、パターン形状が不良な部分があった。得られたカラー液晶表示装置は、セルギャップが不均一で、色ムラや輝度ムラが発生するものであった。
[比較例2−3]
比較例1−5で得られた光硬化性樹脂組成物を用い、実施例2−1と同様にして、カラーフィルターおよびカラー液晶表示装置を作製した。得られたカラーフィルターは、現像残渣が生じており、パターン形状が不良な部分があった。得られたカラー液晶表示装置は、セルギャップが不均一で、色ムラや輝度ムラが発生するものであった。
【0066】
【発明の効果】
本発明の光硬化性樹脂組成物によれば、優れた硬度および耐熱性を発現しうる塗膜を形成できる。また、本発明のカラーフィルターは、現像残渣がなくパターン形状も良好であり、本発明の液晶表示装置は、セルギャップが均一で、色ムラや輝度ムラが発生せず、良好な表示品質が得られるものである。

Claims (6)

  1. カルボキシル基および/またはエステル基を有するバインダー樹脂(A)とともにラジカル重合性単量体(B)および光重合開始剤(C)を必須成分とすることにより光照射によるラジカル硬化機能を備えた樹脂組成物であって、
    エステル化触媒および/またはエステル交換触媒(D)と2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有する成分(X)とをも必須成分とすることによりエステル化反応および/またはエステル交換反応による熱硬化機能をも備える、
    ことを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. 前記バインダー樹脂(A)が、2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有することにより前記水酸基を含有する成分(X)をも兼ねている、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記ラジカル重合性単量体(B)が、1個以上の水酸基を有することにより前記水酸基を含有する成分(X)をも兼ねている、請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 2個以上の水酸基を有するかまたは1個以上の水酸基と1個以上のラジカル重合性二重結合とを有する架橋剤(E)をも必須成分とし、該架橋剤(E)が前記水酸基を含有する成分(X)となっている、請求項1から3までのいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を用いて形成された、カラーフィルター。
  6. 請求項1から4までのいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルターを構成部材として含む、液晶表示装置。
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