JP2004190815A - 配管の支持構造および支持方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配管を支持するUボルトに持続的な高サイクルの振動等が加わる場合に、該Uボルトの損傷を効果的に防止する。
【構成】配管1を支持したUボルト4の脚部5を取付部材2に設けたボルト孔3に挿通し、脚部5に形成されているネジ部6の後端6aがボルト孔3から配管1側に突出しない状態で、Uボルト4をナット7で締結する。
【選択図】 図1
【構成】配管1を支持したUボルト4の脚部5を取付部材2に設けたボルト孔3に挿通し、脚部5に形成されているネジ部6の後端6aがボルト孔3から配管1側に突出しない状態で、Uボルト4をナット7で締結する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はUボルトを利用した配管の支持構造および支持方法に関し、詳しくは、Uボルトが持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受ける状況にある場合に好適に適用できる配管の支持構造および支持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々のプラントや施設では多くの配管が敷設されるが、通常、これら配管は建物の壁や構造躯体などの取付部材にUボルトを利用して支持される。すなわち配管を支持したUボルトの脚部を取付部材に形成したボルト孔に挿通し、一対の脚部に形成したネジ部にそれぞれナットを締結することにより配管を支持する。
【0003】
配管をUボルトで支持する場合の基準はJISで規定されている。例えば「船用鋼管取付Uボルト」についてはJIS F3022に定められ、Uボルトに対するナットの取付け方としてA形,B形,C形の3種が規定されている。ここでA形とB形は通常呼び寸法100mm以上、C形は通常呼び寸法90mm以下に適用される。
【0004】
A形は取付部材のボルト孔にUボルトの脚部を挿通し、ボルト孔を挟んで配管側と反対側の両方から脚部をナットで締結する方式であり、B形は取付部材のボルト孔にUボルトの脚部を挿通し、配管側と反対側から脚部を単一のナットで締結する方式であり、C形は取付部材のボルト孔にUボルトの脚部を挿通し、配管側と反対側から脚部をダブルナットで締結する方式である。そして特に振動の激しい場所ではC形を使用してもよいと規定している。
【0005】
図2はJIS F3022に規定されたC形による配管の支持構造を示す断面図である。図2において、1は配管、2は取付部材、3は取付部材に設けたボルト孔、4はUボルト、5はUボルト4の脚部、6は脚部5に設けたネジ部、6aはネジ部の後端、7はナットである。図示のように配管1を取付部材2に支持するには、先ずUボルト4のU形部分で配管1を把持して支持し、その脚部5を取付部材2のボルト孔3に挿通した上で、配管1と反対側から脚部5に形成したネジ部6にナット7を二重に締結する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし図2に示す配管の支持構造では、脚部5に形成したネジ部6の後端6aが取付部材2のボルト穴3から配管側に突出している。そのためUボルト4が配管1から持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受ける状況にある場合には、金属疲労によりUボルト4が損傷する恐れがある。
【0007】
実験によれば、Uボルトが配管1から図2に矢印で示すようなY方向およびZ方向の持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受けると、Uボルトの脚部5に引張り荷重とせん断荷重が繰り返し作用し、それらは脚部5がボルト孔3の配管側の縁部と接触する部分に集中することが確認された。
【0008】
このように応力が集中する該部分は、前記のようにネジ部6が形成されているので、脚部の軸径が減少し切り込み効果も加わって損傷しやすくなるものと推定される。そこで本発明は従来のUボルトによる配管の支持構造における上記問題を解決することを課題とし、そのための新しい配管の支持構造および支持方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明に係る配管の支持構造は、配管を支持したUボルトの脚部が取付部材に設けたボルト孔に挿通され、前記Uボルトはその脚部に形成されたネジ部の後端がボルト孔から配管側に突出しない状態でナットにより締結されていることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
上記支持構造によれば、Uボルトに形成したネジ部の後端がナット締結時にボルト孔から配管側に突出しないようになされている。そのため脚部がボルト孔の配管側の縁部と接触する部分には脚部の径を減少させるネジ部が存在しないので脚部の耐久性を向上させることができる。
【0011】
上記配管の支持構造はUボルトが配管から持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受ける状況にある場合に、特に前記効果が発揮される(請求項2)。
なお、ここで高サイクルの振動とは、各種プラントの運転中に回転機械の回転や流体の流通に伴う振動により連続して発生する振動による疲労をいう。
【0012】
また、前記課題を解決する本発明に係る配管の支持方法は、配管を支持したUボルトの脚部を取付部材に設けたボルト孔に挿通し、脚部に形成したネジ部の後端がボルト孔から配管側に突出しないようにして、前記Uボルトの脚部にナットを締結することを特徴とする(請求項3)。
【0013】
上記配管の支持方法において、前記Uボルトをナットで締結する際にロックナットを介在することにより、脚部のボルト孔に対する挿通量を調整することができる(請求項4)。このようなロックナットを用いると、脚部のボルト孔に対する挿通量を任意に且つ容易に設定できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明に係る配管の支持構造を示す断面図である。図1において、1は配管、2は取付部材、3は取付部材にボルト孔、4はUボルト、5はUボルト4の脚部、6は脚部5に設けたネジ部、6aはネジ部の後端、7はナットである。
【0015】
図1の支持構造では、脚部5に形成したネジ部6がボルト孔3の内部から配管1と反対側に延長した状態とされているので、ネジ部6の後端6aはボルト孔3から配管1側に突出しない。そのため前記のように配管1から脚部5に加わる荷重はネジ部6を形成していない部分に集中することになり、脚部5の耐久性を向上させることができる。
【0016】
すなわち、配管1からUボルト4が図1に矢印で示すようなY方向およびZ方向の持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受けた場合、それによってUボルト4の脚部5に引張り荷重とせん断荷重が作用し、それらは脚部5がボルト孔3の配管1側の縁部と接触する部分に集中する。しかし該接触部分にはネジ部6が形成されていないので、脚部5の実質断面積は本来の断面積のままであるから耐荷重性が低下することはなく、結果として脚部5の耐久性が向上する。
【0017】
図示のように配管1を取付部材2に支持するには、先ず配管1を支持したUボルト4の脚部5を取付部材2に設けたボルト孔3に挿通し、脚部5に形成したネジ部6の後端6aがボルト孔3から配管側に突出しないようにして、前記Uボルト4の脚部5にナット7を締結する。
脚部5にナット7を締結する際に、平座金及びばね座金等からなるスペーサまたはロックナット8を1枚もしくは数枚介在させることにより、脚部5のボルト孔3に対する挿通量を任意に且つ容易に設定することができる。
【0018】
【実施例】
次に図1に示す本発明に係る配管の支持構造におけるUボルトの強度についての実験例を説明する。配管1の口径Dが34mm、取付部材2から配管1の中心までの高さhがD/2=17mm、配管1からUボルトに加わるZ方向の反力Rzが48.0Kg、Y方向の反力Ryが76.3Kg、Z方向の加振力(解析値)Fzが28.0Kg、Y方向の加振力(解析値)Fyが35.0Kgであるとき、Uボルト4における曲げモーメントや応力度は次のように計算される。
【0019】
(1)配管反力による応力
Uボルトの曲げモーメントM=Rz×h=48.0×17=816.0(Kg・mm)
Uボルトの曲げ応力度σb=M/Z=816.0/98.18=8.31(Kg/mm2 )
但し、上記式中のZはボルト断面係数であり、ボルトの軸径d2を10mmとするとZ=(π×d2の3乗)/32=(π×10の3乗)/32=98.18(mm3 )となる。
【0020】
Uボルトの引張力T=Ry/2=76.3/2=38.15(Kg)
Uボルトの引張応力度σt=βk×(T/A1)=2.64×(38.15/55.1)=1.83(Kg/mm2 )
但し、上記式中のA1はネジ部におけるUボルトの断面積であり、ボルト谷径d1を8.376mmとすると、A1=π×(d1の2乗/4)=π×(8.376の2条/4)=55.1(mm2 )となる。
【0021】
Uボルトのせん断応力度τ=Rz/A2=48.0/78.54=0.61(Kg/mm2 )
但し、上記式中のA2はUボルトの断面積であり、軸径d2を10mmとすると、A2=π×(d2の2乗)/4=π×(10の2乗)/4=78.54(mm)となる。
合成応力度σm=[(σb+σt)の2乗+3×τの2乗]=10.19(Kg/mm2 )
【0022】
(2)振動時の応力振幅
Uボルトの曲げモーメントM=Fz×h=28.0×17=476.0(Kg・mm)
Uボルトの曲げ応力度度σb=M/Z=476.0/598.18=4.85(Kg/mm2 )
Uボルトの引張力T=Fy/2=35.0/2=17.5(Kg)
【0023】
Uボルトの引張応力度σt=βk×(T/A1)=2.64×(17.5/55.1)=0.84(Kg/mm2 )
Uボルトのせん断応力度τ=Fz/A2=28.0/78.54=0.36(Kg/mm2 )
合成応力度σm=[(σb+σt)の2乗+3×τの2乗]=5.72(Kg/mm2 )
【0024】
上記各式において、応力度はUボルトが単位断面積当たりに受ける応力であるから、この値が小さいほど耐久性がよいことになる。
次に比較のため図2に示す従来の配管の支持構造について、図1と同じ配管からの配管反力や振動加振力が加わったときのUボルトにおける曲げモーメントや応力度は次のように計算される。
【0025】
(1)管反力による応力
Uボルトの曲げモーメントM=Rz×h=48.0×17=816.0(Kg・mm)
Uボルトの曲げ応力度σb=M/Z=816.0/57.7=14.14(Kg/mm2 )
但し、上記式中のZはボルト断面係数であり、ボルト谷径d1を8.376mmとすると、Z=(π×d1の3乗)/32=(π×8.376の3乗)/32=57.7(mm3 )となる。
【0026】
Uボルトの引張力T=Ry/2=76.3/2=38.15(Kg)
Uボルトの引張応力度σt=βk×(T/A1)=2.64×(38.15/55.1)=1.83(Kg/mm2 )
但し、上記式中のA1はネジ部におけるUボルトの断面積であり、ボルト谷径d1を8.376mmすると、A1=π×(dの2乗/4)=π×(8.376の2条/4)=55.1(mm2 )となる。
Uボルトのせん断応力度τ=Rz/A1=48.0/55.1=0.87(Kg/mm2 )
合成応力度σm=[(σb+σt)の2乗+3×τの2乗]=16.04(Kg/mm2 )
【0027】
(2)振動時の応力振幅
Uボルトの曲げモーメントM=Fz×h=28.0×17=476.0(Kg・mm)
Uボルトの曲げ応力度度σb=M/Z=476.0/57.7=8.25(Kg/mm2 )
Uボルトの引張力T=Fy/2=35.0/2=17.5(Kg)
【0028】
Uボルトの引張応力度σt=βk×(T/A1)=2.64×(17.5/55.1)=0.84(Kg/mm2 )
Uボルトのせん断応力度τ=Fz/A1=28.0/55.1=0.51(Kg/mm2 )
合成応力度σm=[(σb+σt)の2乗+3×τの2乗]=9.13(Kg/mm2 )
【0029】
以上の実験結果から、図1に示す本発明に係る支持構造と、図2に示す従来の支持構造を比較すると、配管反力に対するUボルトの曲げ応力度σbは8.31/14.14=0.59(59%)、Uボルトのせん断応力度τは0.61/0.87=0.7(70%)、合成応力度は10.19/16.04=0.63(63%)に減少する。
【0030】
また振動時におけるUボルトの曲げ応力度σbは4.85/8.25=0.59(59%)、Uボルトのせん断応力度τは0.36/0.51=0.7(70%)、合成応力度は5.72/9.13=0.63(63%)に減少する。したがって、本発明に係る支持構造は時の支持構造に比べてUボルトを金属疲労させる応力度が減少するので、耐久性が向上することは明らかである。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る配管の支持構造は、配管を支持したUボルトの脚部が取付部材に設けたボルト孔に挿通され、前記Uボルトはその脚部に形成したネジ部の後端がボルト孔から配管側に突出しない状態でナットにより締結されていることを特徴とする。
【0032】
本支持構造によれば、Uボルトに形成したネジ部の後端がボルト孔から配管側に突出しないので、脚部がボルト孔の配管側の縁部と接触する部分には脚部の径を減少させるネジ部が形成されていない。そのため配管から脚部に加わる荷重はネジ部を形成していない部分に集中することになり、脚部の耐久性を向上させることができる。そして本支持構造は、Uボルトが配管から持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受ける状況にある場合に、特に前記効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配管の支持構造の断面図。
【図2】従来の配管の支持構造の断面図。
【符号の説明】
1 配管
2 取付部材
3 ボルト孔
4 Uボルト
5 脚部
6 ネジ部
6a 後端
7 ナット
8 ロックナット
【発明の属する技術分野】
本発明はUボルトを利用した配管の支持構造および支持方法に関し、詳しくは、Uボルトが持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受ける状況にある場合に好適に適用できる配管の支持構造および支持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々のプラントや施設では多くの配管が敷設されるが、通常、これら配管は建物の壁や構造躯体などの取付部材にUボルトを利用して支持される。すなわち配管を支持したUボルトの脚部を取付部材に形成したボルト孔に挿通し、一対の脚部に形成したネジ部にそれぞれナットを締結することにより配管を支持する。
【0003】
配管をUボルトで支持する場合の基準はJISで規定されている。例えば「船用鋼管取付Uボルト」についてはJIS F3022に定められ、Uボルトに対するナットの取付け方としてA形,B形,C形の3種が規定されている。ここでA形とB形は通常呼び寸法100mm以上、C形は通常呼び寸法90mm以下に適用される。
【0004】
A形は取付部材のボルト孔にUボルトの脚部を挿通し、ボルト孔を挟んで配管側と反対側の両方から脚部をナットで締結する方式であり、B形は取付部材のボルト孔にUボルトの脚部を挿通し、配管側と反対側から脚部を単一のナットで締結する方式であり、C形は取付部材のボルト孔にUボルトの脚部を挿通し、配管側と反対側から脚部をダブルナットで締結する方式である。そして特に振動の激しい場所ではC形を使用してもよいと規定している。
【0005】
図2はJIS F3022に規定されたC形による配管の支持構造を示す断面図である。図2において、1は配管、2は取付部材、3は取付部材に設けたボルト孔、4はUボルト、5はUボルト4の脚部、6は脚部5に設けたネジ部、6aはネジ部の後端、7はナットである。図示のように配管1を取付部材2に支持するには、先ずUボルト4のU形部分で配管1を把持して支持し、その脚部5を取付部材2のボルト孔3に挿通した上で、配管1と反対側から脚部5に形成したネジ部6にナット7を二重に締結する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし図2に示す配管の支持構造では、脚部5に形成したネジ部6の後端6aが取付部材2のボルト穴3から配管側に突出している。そのためUボルト4が配管1から持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受ける状況にある場合には、金属疲労によりUボルト4が損傷する恐れがある。
【0007】
実験によれば、Uボルトが配管1から図2に矢印で示すようなY方向およびZ方向の持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受けると、Uボルトの脚部5に引張り荷重とせん断荷重が繰り返し作用し、それらは脚部5がボルト孔3の配管側の縁部と接触する部分に集中することが確認された。
【0008】
このように応力が集中する該部分は、前記のようにネジ部6が形成されているので、脚部の軸径が減少し切り込み効果も加わって損傷しやすくなるものと推定される。そこで本発明は従来のUボルトによる配管の支持構造における上記問題を解決することを課題とし、そのための新しい配管の支持構造および支持方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明に係る配管の支持構造は、配管を支持したUボルトの脚部が取付部材に設けたボルト孔に挿通され、前記Uボルトはその脚部に形成されたネジ部の後端がボルト孔から配管側に突出しない状態でナットにより締結されていることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
上記支持構造によれば、Uボルトに形成したネジ部の後端がナット締結時にボルト孔から配管側に突出しないようになされている。そのため脚部がボルト孔の配管側の縁部と接触する部分には脚部の径を減少させるネジ部が存在しないので脚部の耐久性を向上させることができる。
【0011】
上記配管の支持構造はUボルトが配管から持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受ける状況にある場合に、特に前記効果が発揮される(請求項2)。
なお、ここで高サイクルの振動とは、各種プラントの運転中に回転機械の回転や流体の流通に伴う振動により連続して発生する振動による疲労をいう。
【0012】
また、前記課題を解決する本発明に係る配管の支持方法は、配管を支持したUボルトの脚部を取付部材に設けたボルト孔に挿通し、脚部に形成したネジ部の後端がボルト孔から配管側に突出しないようにして、前記Uボルトの脚部にナットを締結することを特徴とする(請求項3)。
【0013】
上記配管の支持方法において、前記Uボルトをナットで締結する際にロックナットを介在することにより、脚部のボルト孔に対する挿通量を調整することができる(請求項4)。このようなロックナットを用いると、脚部のボルト孔に対する挿通量を任意に且つ容易に設定できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明に係る配管の支持構造を示す断面図である。図1において、1は配管、2は取付部材、3は取付部材にボルト孔、4はUボルト、5はUボルト4の脚部、6は脚部5に設けたネジ部、6aはネジ部の後端、7はナットである。
【0015】
図1の支持構造では、脚部5に形成したネジ部6がボルト孔3の内部から配管1と反対側に延長した状態とされているので、ネジ部6の後端6aはボルト孔3から配管1側に突出しない。そのため前記のように配管1から脚部5に加わる荷重はネジ部6を形成していない部分に集中することになり、脚部5の耐久性を向上させることができる。
【0016】
すなわち、配管1からUボルト4が図1に矢印で示すようなY方向およびZ方向の持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受けた場合、それによってUボルト4の脚部5に引張り荷重とせん断荷重が作用し、それらは脚部5がボルト孔3の配管1側の縁部と接触する部分に集中する。しかし該接触部分にはネジ部6が形成されていないので、脚部5の実質断面積は本来の断面積のままであるから耐荷重性が低下することはなく、結果として脚部5の耐久性が向上する。
【0017】
図示のように配管1を取付部材2に支持するには、先ず配管1を支持したUボルト4の脚部5を取付部材2に設けたボルト孔3に挿通し、脚部5に形成したネジ部6の後端6aがボルト孔3から配管側に突出しないようにして、前記Uボルト4の脚部5にナット7を締結する。
脚部5にナット7を締結する際に、平座金及びばね座金等からなるスペーサまたはロックナット8を1枚もしくは数枚介在させることにより、脚部5のボルト孔3に対する挿通量を任意に且つ容易に設定することができる。
【0018】
【実施例】
次に図1に示す本発明に係る配管の支持構造におけるUボルトの強度についての実験例を説明する。配管1の口径Dが34mm、取付部材2から配管1の中心までの高さhがD/2=17mm、配管1からUボルトに加わるZ方向の反力Rzが48.0Kg、Y方向の反力Ryが76.3Kg、Z方向の加振力(解析値)Fzが28.0Kg、Y方向の加振力(解析値)Fyが35.0Kgであるとき、Uボルト4における曲げモーメントや応力度は次のように計算される。
【0019】
(1)配管反力による応力
Uボルトの曲げモーメントM=Rz×h=48.0×17=816.0(Kg・mm)
Uボルトの曲げ応力度σb=M/Z=816.0/98.18=8.31(Kg/mm2 )
但し、上記式中のZはボルト断面係数であり、ボルトの軸径d2を10mmとするとZ=(π×d2の3乗)/32=(π×10の3乗)/32=98.18(mm3 )となる。
【0020】
Uボルトの引張力T=Ry/2=76.3/2=38.15(Kg)
Uボルトの引張応力度σt=βk×(T/A1)=2.64×(38.15/55.1)=1.83(Kg/mm2 )
但し、上記式中のA1はネジ部におけるUボルトの断面積であり、ボルト谷径d1を8.376mmとすると、A1=π×(d1の2乗/4)=π×(8.376の2条/4)=55.1(mm2 )となる。
【0021】
Uボルトのせん断応力度τ=Rz/A2=48.0/78.54=0.61(Kg/mm2 )
但し、上記式中のA2はUボルトの断面積であり、軸径d2を10mmとすると、A2=π×(d2の2乗)/4=π×(10の2乗)/4=78.54(mm)となる。
合成応力度σm=[(σb+σt)の2乗+3×τの2乗]=10.19(Kg/mm2 )
【0022】
(2)振動時の応力振幅
Uボルトの曲げモーメントM=Fz×h=28.0×17=476.0(Kg・mm)
Uボルトの曲げ応力度度σb=M/Z=476.0/598.18=4.85(Kg/mm2 )
Uボルトの引張力T=Fy/2=35.0/2=17.5(Kg)
【0023】
Uボルトの引張応力度σt=βk×(T/A1)=2.64×(17.5/55.1)=0.84(Kg/mm2 )
Uボルトのせん断応力度τ=Fz/A2=28.0/78.54=0.36(Kg/mm2 )
合成応力度σm=[(σb+σt)の2乗+3×τの2乗]=5.72(Kg/mm2 )
【0024】
上記各式において、応力度はUボルトが単位断面積当たりに受ける応力であるから、この値が小さいほど耐久性がよいことになる。
次に比較のため図2に示す従来の配管の支持構造について、図1と同じ配管からの配管反力や振動加振力が加わったときのUボルトにおける曲げモーメントや応力度は次のように計算される。
【0025】
(1)管反力による応力
Uボルトの曲げモーメントM=Rz×h=48.0×17=816.0(Kg・mm)
Uボルトの曲げ応力度σb=M/Z=816.0/57.7=14.14(Kg/mm2 )
但し、上記式中のZはボルト断面係数であり、ボルト谷径d1を8.376mmとすると、Z=(π×d1の3乗)/32=(π×8.376の3乗)/32=57.7(mm3 )となる。
【0026】
Uボルトの引張力T=Ry/2=76.3/2=38.15(Kg)
Uボルトの引張応力度σt=βk×(T/A1)=2.64×(38.15/55.1)=1.83(Kg/mm2 )
但し、上記式中のA1はネジ部におけるUボルトの断面積であり、ボルト谷径d1を8.376mmすると、A1=π×(dの2乗/4)=π×(8.376の2条/4)=55.1(mm2 )となる。
Uボルトのせん断応力度τ=Rz/A1=48.0/55.1=0.87(Kg/mm2 )
合成応力度σm=[(σb+σt)の2乗+3×τの2乗]=16.04(Kg/mm2 )
【0027】
(2)振動時の応力振幅
Uボルトの曲げモーメントM=Fz×h=28.0×17=476.0(Kg・mm)
Uボルトの曲げ応力度度σb=M/Z=476.0/57.7=8.25(Kg/mm2 )
Uボルトの引張力T=Fy/2=35.0/2=17.5(Kg)
【0028】
Uボルトの引張応力度σt=βk×(T/A1)=2.64×(17.5/55.1)=0.84(Kg/mm2 )
Uボルトのせん断応力度τ=Fz/A1=28.0/55.1=0.51(Kg/mm2 )
合成応力度σm=[(σb+σt)の2乗+3×τの2乗]=9.13(Kg/mm2 )
【0029】
以上の実験結果から、図1に示す本発明に係る支持構造と、図2に示す従来の支持構造を比較すると、配管反力に対するUボルトの曲げ応力度σbは8.31/14.14=0.59(59%)、Uボルトのせん断応力度τは0.61/0.87=0.7(70%)、合成応力度は10.19/16.04=0.63(63%)に減少する。
【0030】
また振動時におけるUボルトの曲げ応力度σbは4.85/8.25=0.59(59%)、Uボルトのせん断応力度τは0.36/0.51=0.7(70%)、合成応力度は5.72/9.13=0.63(63%)に減少する。したがって、本発明に係る支持構造は時の支持構造に比べてUボルトを金属疲労させる応力度が減少するので、耐久性が向上することは明らかである。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る配管の支持構造は、配管を支持したUボルトの脚部が取付部材に設けたボルト孔に挿通され、前記Uボルトはその脚部に形成したネジ部の後端がボルト孔から配管側に突出しない状態でナットにより締結されていることを特徴とする。
【0032】
本支持構造によれば、Uボルトに形成したネジ部の後端がボルト孔から配管側に突出しないので、脚部がボルト孔の配管側の縁部と接触する部分には脚部の径を減少させるネジ部が形成されていない。そのため配管から脚部に加わる荷重はネジ部を形成していない部分に集中することになり、脚部の耐久性を向上させることができる。そして本支持構造は、Uボルトが配管から持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受ける状況にある場合に、特に前記効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配管の支持構造の断面図。
【図2】従来の配管の支持構造の断面図。
【符号の説明】
1 配管
2 取付部材
3 ボルト孔
4 Uボルト
5 脚部
6 ネジ部
6a 後端
7 ナット
8 ロックナット
Claims (4)
- 配管1を支持したUボルト4の脚部5が取付部材2に設けたボルト孔3に挿通され、前記Uボルト4はその脚部5に形成されたネジ部6の後端6aがボルト孔3から配管1側に突出しない状態でナット7により締結されていることを特徴とする配管の支持構造。
- 請求項1において、前記Uボルト4が持続的な高サイクルの振動または持続的なせん断応力を受ける状況にあることを特徴とする配管の支持構造。
- 配管1を支持したUボルト4の脚部5を取付部材2に設けたボルト孔3に挿通し、脚部5に形成したネジ部6の後端6aがボルト孔3から配管1側に突出しないようにして、前記Uボルト4の脚部5にナット7を締結することを特徴とする配管の支持方法。
- 請求項3において、前記Uボルト4をナット7で締結する際にロックナット8を介在することにより、脚部5のボルト孔3に対する挿通量を調整することを特徴とする配管の支持方法。
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| JP2002361424A JP2004190815A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 配管の支持構造および支持方法 |
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|---|---|---|---|---|
| KR200474986Y1 (ko) * | 2013-01-22 | 2014-10-28 | 삼성중공업 주식회사 | 배관지지구 |
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-
2002
- 2002-12-12 JP JP2002361424A patent/JP2004190815A/ja active Pending
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