JP2004190871A - 加熱処理装置及びその搬送トレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】高い生産性をもって均質な製品を製造することができる加熱処理装置及びその搬送トレイを提供する。
【解決手段】加熱処理装置は、円筒形の加熱体と、加熱体内の一端から他端に向けて原材料を搬送する搬送トレイと、加熱体の加熱手段とを備え、搬送トレイ中の原材料は加熱体内を通過する間に加熱処理されるように構成された加熱処理装置において、搬送トレイの底部及び左右両側部の外周面を加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したことを特徴とする。また、搬送トレイは、原材料を搬送しつつ加熱処理する断面円形の加熱体を備えた加熱処理装置に用いられる原材料の搬送トレイにおいて、左右両側部の外周面を加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】加熱処理装置は、円筒形の加熱体と、加熱体内の一端から他端に向けて原材料を搬送する搬送トレイと、加熱体の加熱手段とを備え、搬送トレイ中の原材料は加熱体内を通過する間に加熱処理されるように構成された加熱処理装置において、搬送トレイの底部及び左右両側部の外周面を加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したことを特徴とする。また、搬送トレイは、原材料を搬送しつつ加熱処理する断面円形の加熱体を備えた加熱処理装置に用いられる原材料の搬送トレイにおいて、左右両側部の外周面を加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断面円形の加熱体によって原材料を加熱処理するための加熱処理装置及びそれに用いられる搬送トレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の加熱処理装置は、加熱体内に角箱形の搬送トレイを配設し、搬送トレイに原材料を盛った状態で入れ、原材料を加熱体の材料導入側から製品導出側に向けて搬送する間に製品化するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、図8のように、角箱形の搬送トレイ100を加熱体101内に配設した場合には、搬送トレイ100の下方及び両側方に空間S1が形成され、これらの空間S1と搬送トレイ100の上方に形成される空間S2との間で雰囲気ガスの対流熱伝達が生じ、搬送トレイ100の中の原材料のうち上部温度が高く下部温度が低くなって加熱処理された製品が不均質になり、また、搬送トレイ100の回りに空間S1が形成される分だけ加熱体101内の空間断面の利用効率は悪くなり生産性が低下するという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−211909号公報(全頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高い生産性をもって均質な製品を製造することができる加熱処理装置及びその搬送トレイを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の加熱処理装置は、筒形の加熱体と、前記加熱体内の一端から他端に向けて原材料を搬送する搬送トレイと、前記加熱体の加熱手段とを備え、前記搬送トレイ中の前記原材料は前記加熱体内を通過する間に加熱されて製品になるように構成された加熱処理装置において、底部及び左右両側部の外周面を前記加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したことを特徴とする。
【0007】
本発明の搬送トレイは、原材料を搬送しつつ加熱処理する断面円形の加熱体を備えた加熱処理装置に用いられる原材料の搬送トレイにおいて、左右両側部の外周面を前記加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したことを特徴とする。
【0008】
また、成形された原材料を搬送する場合には、前記搬送トレイの両端面のうち少なくとも一端面を開口させるのが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
黒鉛製造装置(加熱処理装置の一例)は、図1に示すように、水平に配設された円筒形の加熱体1と、加熱体1を昇温させる加熱手段2と、加熱体1内を一端部から他端部に向けて黒鉛原料(原材料の一例)を搬送する搬送トレイ3とを備え、黒鉛原料は、搬送トレイ3によって加熱体1内を搬送される間に加熱されて黒鉛化し、製品黒鉛(製品の一例)が製造されるようになっている。
【0011】
加熱体1は円筒形の黒鉛管を複数本連結して形成され、加熱体1の一端部には黒鉛原料の導入部4が、加熱体1の他端部には製品黒鉛の導出部5がそれぞれ連結されている。
【0012】
導入部4は黒鉛原料が入れられた搬送トレイ3を導入して加熱体1に搬出するためのものであり、導入部4内に黒鉛原料を供給するための原料供給部6と窒素ガス等の不活性ガスを流通させるためのガス流通口7とを備え、原料供給部6では搬送トレイ3に粉粒体の黒鉛原料が供給される。
【0013】
導入部4には押込装置8が取り付けられ、該押込装置8は、図2のように導入部4の端面に設けられた入口側パスボックス9、搬送トレイ3を導入管4に押し出すシリンダ10及びこの入口側パスボックス9に搬送トレイ3を送り込むコンベア11から構成されている。
【0014】
また、導出部5は加熱体1において製造された製品黒鉛の入った搬送トレイ3を加熱体1から導出するためのものであり、窒素ガス等の不活性ガスを流通させるためのガス流通口12を備えている。
【0015】
導出部5には回収装置13が取り付けられ、該回収装置13は加熱体1を通過する間に加熱されて製造された製品黒鉛及び搬送トレイ3を回収する装置である。
【0016】
加熱体1、導入部4及び導出部5の周囲には炉壁14が設けられ、炉壁14と加熱体1との間には断熱材15が充填されている。導出部5のうち炉壁14の外部に位置する部分は外気によって空冷される。
【0017】
図4は搬送トレイ3の斜視図を示している。搬送トレイ3は上方に開口した半円筒形に形成され、搬送トレイ3の底部及び両側部の外周面は加熱体1の内周面と合致するように加熱体1の内側とほぼ同じ曲率で湾曲し、図3のように搬送トレイ3を加熱体1内に入れた状態では、加熱体1と搬送トレイ3の底部及び両側部の外周面との間には空間が形成されない。また、搬送トレイ3の前後両端は端面板3aで閉塞されている。搬送トレイ3は、例えば、炭素や黒鉛などの材質の半円柱体の中身を刳り抜いて製造される。このようにして製造すれば、安価な旋盤加工が主な製造作業内容になるので、製造費が安価になる。
【0018】
コンベア11と入口側パスボックス9との間はシャッタ16が、導入部4の端部にはシャッタ17がそれぞれ設けられている。また、導出部5の出口にシャッタ18、回収装置13の搬送トレイ3の出口にシャッタ19、出口側パスボックス20の出口にシャッタ21が設けられる。
【0019】
また、導入部4、加熱体1、導出部5、トレイ押込装置8及び回収装置13には、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス等のガス流通口22及び23が設けられ、不活性ガス等を流通させることにより、外部より流入した酸素を外部へ追い出すようになっている。
【0020】
次に、黒鉛製造装置を用いて製品黒鉛を製造する場合について説明する。まず、加熱手段2により加熱体1を1800〜3500℃(好ましくは2800〜3200℃)に昇温した後、搬送トレイ3を入口側パスボックス9に送り込む。このとき、シャッタ16を一時的に開いて入口側パスホックス9内の空気を入れ替え、次工程で空気が導入部4内に流入するのを防止する。
【0021】
次に、トレイ押込装置8により搬送トレイ3を導入部4内に押し込む。このとき、導入部4の入口に設けられるシャッタ17が一時的に開き、搬送トレイ3には原料供給部6から黒鉛原料が供給される。
【0022】
搬送トレイ3が導入部4内に押し込まれることにより、図2に示す既に導入部4内、加熱体1内及び導出部5内に押し込まれた搬送トレイ3は、一つの搬送トレイ3の分だけ前進する。そして、搬送トレイ3が加熱体1内を通過する際に、黒鉛原料は黒鉛化されて製品黒鉛になる。
【0023】
導出部5から炉壁14の外側に出た搬送トレイ3及びその中の製品黒鉛は空冷され、その後、回収装置13に送られて解砕され、図外の冷却機によって200℃以下に冷却されながら回収される。
【0024】
残った搬送トレイ3は、シリンダ25によって出口側パスボックス20内に送られた後、コンベア24によって回収される。
【0025】
搬送トレイ3が加熱体1内に位置した状態では、加熱体1の内周面(熱伝導面)と搬送トレイ3との間には空間が形成されないので、雰囲気ガスは介在しなくなり、加熱体1の内壁面からの放熱が黒鉛材料に直接伝達されて熱伝導効果が向上し、上述のような熱対流による製品の不均質化を防止できる。
【0026】
また、加熱体1と搬送トレイ3と間に隙間が形成されないので、加熱体1の内部空間の利用率を向上させることができる。そして、搬送トレイ3内に黒鉛原料を加熱体1内に天井部まで満たされるようにすれば、加熱体1の管内の利用率は搬送トレイ3の断面積を含めて100%にできる。
【0027】
なお、黒鉛原料としては、フェノール、フラン等の樹脂、コークス、カーボンブラック、メソカーボン、天然黒鉛等の炭素質や黒鉛質等が使用される。また、黒鉛原料の形状は、特に限定されない。前記のように、製品黒鉛とした後に解砕する場合は、粉状、粒子状、粉粒状等のものを用いることができる。
【0028】
図5及び図6は搬送トレイ3の他の実施形態を示し、図5に示す搬送トレイ3は一端が端面板3aで閉塞され、一端が開口している。図6に示す搬送トレイ3は両端面が開口している。これらの搬送トレイ3は、例えば原材料(炭素材料)が円柱状の原材料成形体を製品化するのに適し、搬送トレイ3の端部が開口している分だけ、黒鉛原料への加熱効率を向上させることができる。
【0029】
黒鉛原料の成形体を用いる場合には、原料供給部6が不要となり、また、回収装置13では解砕機を設けず、直接冷却機にかける機構を設けることが好ましい。
【0030】
【実施例】
図4に示す搬送トレイ3の実施例1(半円筒形)と、図7に示す搬送トレイ3の比較例(角箱形)とを用いて、図1及び図2に示す黒鉛製造装置により黒鉛を連続的に製造した。
【0031】
実施例1の内寸法は、内径が330mm、長さが400mm、厚みが15mmである。比較例の搬送トレイ3の内寸法は、幅が220mm、深さが218mm、長さが360mm、厚みは15mmである。また、黒鉛製造装置の加熱体1の内径は360mmである。
【0032】
搬送トレイ3の加熱体1における平均滞留時間は20時間、装置の両端部からアルゴンガスを50リットル/分の速度で流し、導入部4及び加熱体1の上端部のガス流通口23から排出した。黒鉛原料としてはメソカーボンを用い、粉粒体の大きさ平均7μmであった。
【0033】
加熱温度1500℃、2000℃、2500℃及び3000℃で処理して得られた黒鉛粉をX線分析による面間隔C0及びP値測定を行うことにより、表1に示す結果が得られた。これにより、実施品を用いた場合には、搬送トレイ3の中の黒鉛原料の上部と下部の温度差は0又はそれに近いものになり、均熱加熱できることが判明した。
【0034】
【表1】
【0035】
また、比較例を用いた場合の加熱体1内での黒鉛原料の断面積指数を100とした場合には、実施例1を用いた場合には167となり(図7参照)、実施例1を用いることにより黒鉛原料の搬送能力が向上する。なお、図7中の斜線部分は黒鉛原料(処理粉)であり、2点鎖線は加熱体の内側を示す。
【0036】
更に、搬送トレイ3の製作費を指数で示した場合、表2に示すように実施例1は製作費が大幅に低減し、図5に示す実施例2(一端面開放型)では更に低減し、図6に示す実施例3(両端面開放型)では比較例の半分にまで低減した。なお、実施例1及び2の内寸法は実施例1のそれと同じである。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明の加熱処理装置及びその搬送トレイによれば、搬送トレイの底部及び左右両側部の外周面を前記加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したので、搬送トレイの外周面は加熱体の内周面と合致して搬送トレイの下方及び両側方に空間が形成されず、搬送トレイの下方及び両側方と搬送トレイの上方との間で雰囲気ガスの対流熱伝達が発生するのを防止でき、均質な製品を得ることができる。また、搬送トレイの外周面と加熱体の内周面との間に空間が形成されないので、加熱体内の空間断面の利用効率を向上させることができ、搬送能力の向上により生産効率を高め、省エネルギー化を図ることができる。
【0039】
また、原材料が成形体の場合には、前記搬送トレイの端面を開口させれば、前記開口部によって黒鉛原料への加熱効率を向上させて生産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】黒鉛製造装置の平面図である。
【図2】本発明の実施形態の搬送トレイを備えた黒鉛製造装置の平断面図である。
【図3】同実施形態の搬送トレイを加熱体内に位置させた状態を示す縦断面図である。
【図4】同実施形態の搬送トレイの斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態の搬送トレイの斜視図である。
【図6】本発明の他の実施形態の搬送トレイの斜視図である。
【図7】加熱体内での黒鉛原料の断面積を示す比較図である。
【図8】従来の搬送トレイを加熱体内に位置させた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 加熱体
2 加熱手段
3 搬送トレイ
【発明の属する技術分野】
本発明は、断面円形の加熱体によって原材料を加熱処理するための加熱処理装置及びそれに用いられる搬送トレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の加熱処理装置は、加熱体内に角箱形の搬送トレイを配設し、搬送トレイに原材料を盛った状態で入れ、原材料を加熱体の材料導入側から製品導出側に向けて搬送する間に製品化するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、図8のように、角箱形の搬送トレイ100を加熱体101内に配設した場合には、搬送トレイ100の下方及び両側方に空間S1が形成され、これらの空間S1と搬送トレイ100の上方に形成される空間S2との間で雰囲気ガスの対流熱伝達が生じ、搬送トレイ100の中の原材料のうち上部温度が高く下部温度が低くなって加熱処理された製品が不均質になり、また、搬送トレイ100の回りに空間S1が形成される分だけ加熱体101内の空間断面の利用効率は悪くなり生産性が低下するという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−211909号公報(全頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高い生産性をもって均質な製品を製造することができる加熱処理装置及びその搬送トレイを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の加熱処理装置は、筒形の加熱体と、前記加熱体内の一端から他端に向けて原材料を搬送する搬送トレイと、前記加熱体の加熱手段とを備え、前記搬送トレイ中の前記原材料は前記加熱体内を通過する間に加熱されて製品になるように構成された加熱処理装置において、底部及び左右両側部の外周面を前記加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したことを特徴とする。
【0007】
本発明の搬送トレイは、原材料を搬送しつつ加熱処理する断面円形の加熱体を備えた加熱処理装置に用いられる原材料の搬送トレイにおいて、左右両側部の外周面を前記加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したことを特徴とする。
【0008】
また、成形された原材料を搬送する場合には、前記搬送トレイの両端面のうち少なくとも一端面を開口させるのが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
黒鉛製造装置(加熱処理装置の一例)は、図1に示すように、水平に配設された円筒形の加熱体1と、加熱体1を昇温させる加熱手段2と、加熱体1内を一端部から他端部に向けて黒鉛原料(原材料の一例)を搬送する搬送トレイ3とを備え、黒鉛原料は、搬送トレイ3によって加熱体1内を搬送される間に加熱されて黒鉛化し、製品黒鉛(製品の一例)が製造されるようになっている。
【0011】
加熱体1は円筒形の黒鉛管を複数本連結して形成され、加熱体1の一端部には黒鉛原料の導入部4が、加熱体1の他端部には製品黒鉛の導出部5がそれぞれ連結されている。
【0012】
導入部4は黒鉛原料が入れられた搬送トレイ3を導入して加熱体1に搬出するためのものであり、導入部4内に黒鉛原料を供給するための原料供給部6と窒素ガス等の不活性ガスを流通させるためのガス流通口7とを備え、原料供給部6では搬送トレイ3に粉粒体の黒鉛原料が供給される。
【0013】
導入部4には押込装置8が取り付けられ、該押込装置8は、図2のように導入部4の端面に設けられた入口側パスボックス9、搬送トレイ3を導入管4に押し出すシリンダ10及びこの入口側パスボックス9に搬送トレイ3を送り込むコンベア11から構成されている。
【0014】
また、導出部5は加熱体1において製造された製品黒鉛の入った搬送トレイ3を加熱体1から導出するためのものであり、窒素ガス等の不活性ガスを流通させるためのガス流通口12を備えている。
【0015】
導出部5には回収装置13が取り付けられ、該回収装置13は加熱体1を通過する間に加熱されて製造された製品黒鉛及び搬送トレイ3を回収する装置である。
【0016】
加熱体1、導入部4及び導出部5の周囲には炉壁14が設けられ、炉壁14と加熱体1との間には断熱材15が充填されている。導出部5のうち炉壁14の外部に位置する部分は外気によって空冷される。
【0017】
図4は搬送トレイ3の斜視図を示している。搬送トレイ3は上方に開口した半円筒形に形成され、搬送トレイ3の底部及び両側部の外周面は加熱体1の内周面と合致するように加熱体1の内側とほぼ同じ曲率で湾曲し、図3のように搬送トレイ3を加熱体1内に入れた状態では、加熱体1と搬送トレイ3の底部及び両側部の外周面との間には空間が形成されない。また、搬送トレイ3の前後両端は端面板3aで閉塞されている。搬送トレイ3は、例えば、炭素や黒鉛などの材質の半円柱体の中身を刳り抜いて製造される。このようにして製造すれば、安価な旋盤加工が主な製造作業内容になるので、製造費が安価になる。
【0018】
コンベア11と入口側パスボックス9との間はシャッタ16が、導入部4の端部にはシャッタ17がそれぞれ設けられている。また、導出部5の出口にシャッタ18、回収装置13の搬送トレイ3の出口にシャッタ19、出口側パスボックス20の出口にシャッタ21が設けられる。
【0019】
また、導入部4、加熱体1、導出部5、トレイ押込装置8及び回収装置13には、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス等のガス流通口22及び23が設けられ、不活性ガス等を流通させることにより、外部より流入した酸素を外部へ追い出すようになっている。
【0020】
次に、黒鉛製造装置を用いて製品黒鉛を製造する場合について説明する。まず、加熱手段2により加熱体1を1800〜3500℃(好ましくは2800〜3200℃)に昇温した後、搬送トレイ3を入口側パスボックス9に送り込む。このとき、シャッタ16を一時的に開いて入口側パスホックス9内の空気を入れ替え、次工程で空気が導入部4内に流入するのを防止する。
【0021】
次に、トレイ押込装置8により搬送トレイ3を導入部4内に押し込む。このとき、導入部4の入口に設けられるシャッタ17が一時的に開き、搬送トレイ3には原料供給部6から黒鉛原料が供給される。
【0022】
搬送トレイ3が導入部4内に押し込まれることにより、図2に示す既に導入部4内、加熱体1内及び導出部5内に押し込まれた搬送トレイ3は、一つの搬送トレイ3の分だけ前進する。そして、搬送トレイ3が加熱体1内を通過する際に、黒鉛原料は黒鉛化されて製品黒鉛になる。
【0023】
導出部5から炉壁14の外側に出た搬送トレイ3及びその中の製品黒鉛は空冷され、その後、回収装置13に送られて解砕され、図外の冷却機によって200℃以下に冷却されながら回収される。
【0024】
残った搬送トレイ3は、シリンダ25によって出口側パスボックス20内に送られた後、コンベア24によって回収される。
【0025】
搬送トレイ3が加熱体1内に位置した状態では、加熱体1の内周面(熱伝導面)と搬送トレイ3との間には空間が形成されないので、雰囲気ガスは介在しなくなり、加熱体1の内壁面からの放熱が黒鉛材料に直接伝達されて熱伝導効果が向上し、上述のような熱対流による製品の不均質化を防止できる。
【0026】
また、加熱体1と搬送トレイ3と間に隙間が形成されないので、加熱体1の内部空間の利用率を向上させることができる。そして、搬送トレイ3内に黒鉛原料を加熱体1内に天井部まで満たされるようにすれば、加熱体1の管内の利用率は搬送トレイ3の断面積を含めて100%にできる。
【0027】
なお、黒鉛原料としては、フェノール、フラン等の樹脂、コークス、カーボンブラック、メソカーボン、天然黒鉛等の炭素質や黒鉛質等が使用される。また、黒鉛原料の形状は、特に限定されない。前記のように、製品黒鉛とした後に解砕する場合は、粉状、粒子状、粉粒状等のものを用いることができる。
【0028】
図5及び図6は搬送トレイ3の他の実施形態を示し、図5に示す搬送トレイ3は一端が端面板3aで閉塞され、一端が開口している。図6に示す搬送トレイ3は両端面が開口している。これらの搬送トレイ3は、例えば原材料(炭素材料)が円柱状の原材料成形体を製品化するのに適し、搬送トレイ3の端部が開口している分だけ、黒鉛原料への加熱効率を向上させることができる。
【0029】
黒鉛原料の成形体を用いる場合には、原料供給部6が不要となり、また、回収装置13では解砕機を設けず、直接冷却機にかける機構を設けることが好ましい。
【0030】
【実施例】
図4に示す搬送トレイ3の実施例1(半円筒形)と、図7に示す搬送トレイ3の比較例(角箱形)とを用いて、図1及び図2に示す黒鉛製造装置により黒鉛を連続的に製造した。
【0031】
実施例1の内寸法は、内径が330mm、長さが400mm、厚みが15mmである。比較例の搬送トレイ3の内寸法は、幅が220mm、深さが218mm、長さが360mm、厚みは15mmである。また、黒鉛製造装置の加熱体1の内径は360mmである。
【0032】
搬送トレイ3の加熱体1における平均滞留時間は20時間、装置の両端部からアルゴンガスを50リットル/分の速度で流し、導入部4及び加熱体1の上端部のガス流通口23から排出した。黒鉛原料としてはメソカーボンを用い、粉粒体の大きさ平均7μmであった。
【0033】
加熱温度1500℃、2000℃、2500℃及び3000℃で処理して得られた黒鉛粉をX線分析による面間隔C0及びP値測定を行うことにより、表1に示す結果が得られた。これにより、実施品を用いた場合には、搬送トレイ3の中の黒鉛原料の上部と下部の温度差は0又はそれに近いものになり、均熱加熱できることが判明した。
【0034】
【表1】
【0035】
また、比較例を用いた場合の加熱体1内での黒鉛原料の断面積指数を100とした場合には、実施例1を用いた場合には167となり(図7参照)、実施例1を用いることにより黒鉛原料の搬送能力が向上する。なお、図7中の斜線部分は黒鉛原料(処理粉)であり、2点鎖線は加熱体の内側を示す。
【0036】
更に、搬送トレイ3の製作費を指数で示した場合、表2に示すように実施例1は製作費が大幅に低減し、図5に示す実施例2(一端面開放型)では更に低減し、図6に示す実施例3(両端面開放型)では比較例の半分にまで低減した。なお、実施例1及び2の内寸法は実施例1のそれと同じである。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明の加熱処理装置及びその搬送トレイによれば、搬送トレイの底部及び左右両側部の外周面を前記加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したので、搬送トレイの外周面は加熱体の内周面と合致して搬送トレイの下方及び両側方に空間が形成されず、搬送トレイの下方及び両側方と搬送トレイの上方との間で雰囲気ガスの対流熱伝達が発生するのを防止でき、均質な製品を得ることができる。また、搬送トレイの外周面と加熱体の内周面との間に空間が形成されないので、加熱体内の空間断面の利用効率を向上させることができ、搬送能力の向上により生産効率を高め、省エネルギー化を図ることができる。
【0039】
また、原材料が成形体の場合には、前記搬送トレイの端面を開口させれば、前記開口部によって黒鉛原料への加熱効率を向上させて生産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】黒鉛製造装置の平面図である。
【図2】本発明の実施形態の搬送トレイを備えた黒鉛製造装置の平断面図である。
【図3】同実施形態の搬送トレイを加熱体内に位置させた状態を示す縦断面図である。
【図4】同実施形態の搬送トレイの斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態の搬送トレイの斜視図である。
【図6】本発明の他の実施形態の搬送トレイの斜視図である。
【図7】加熱体内での黒鉛原料の断面積を示す比較図である。
【図8】従来の搬送トレイを加熱体内に位置させた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 加熱体
2 加熱手段
3 搬送トレイ
Claims (4)
- 円筒形の加熱体と、前記加熱体内の一端から他端に向けて原材料を搬送する搬送トレイと、前記加熱体の加熱手段とを備え、前記搬送トレイ中の前記原材料は前記加熱体内を通過する間に加熱処理されるように構成された加熱処理装置において、
前記搬送トレイの底部及び左右両側部の外周面を前記加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したことを特徴とする加熱処理装置。 - 前記搬送トレイの両端面のうち少なくとも一端面は開口されたことを特徴とする請求項1に記載の加熱処理装置。
- 原材料を搬送しつつ加熱処理する断面円形の加熱体を備えた加熱処理装置に用いられる原材料の搬送トレイにおいて、左右両側部の外周面を前記加熱体の内周面に沿う曲率で湾曲させて断面円弧状に形成したことを特徴とする搬送トレイ。
- 両端面のうち少なくとも一端面は開口されたことを特徴とする請求項3に記載の加熱処理装置の搬送トレイ。
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| JP2002355562A JP2004190871A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 加熱処理装置及びその搬送トレイ |
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Cited By (1)
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|---|---|---|---|---|
| WO2016117616A1 (ja) * | 2015-01-21 | 2016-07-28 | Secカーボン株式会社 | ルツボを用いた炭素材料の製造方法 |
-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002355562A patent/JP2004190871A/ja active Pending
Cited By (3)
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| WO2016117616A1 (ja) * | 2015-01-21 | 2016-07-28 | Secカーボン株式会社 | ルツボを用いた炭素材料の製造方法 |
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