JP2004191702A - ガラス割れ防止用フィルム状フィルタとプラズマ表示装置 - Google Patents

ガラス割れ防止用フィルム状フィルタとプラズマ表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ表示板の視認側に直接装着することで空気層をなくし、2重映りの問題がなく、しかもその装着が容易で軽量化や薄型化さらに低コスト化に寄与でき、プラズマ表示板のガラス割れ防止効果が大きい、またリサイクルの点よりプラズマ表示板への装着後に容易に取り外せるガラス割れ防止用フィルム状フィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】アクリル系重合体として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体の重合体を主材成分とし、これにポリオキシアルキレングリコールを含ませたアクリル系粘着性材料によりガラス割れ防止層11を構成し、このガラス割れ防止層11の一面側11aに反射防止フィルム12を積層したことを特徴とするガラス割れ防止用フィルム状フィルタ。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタと、これを装着したプラズマ表示装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラズマ表示装置は、図2に示すように、プラズマ表示板21の視認側に、スペーサー4による間隙5を設けて、厚さが約3mm程度のガラス板からなる透明前面板6を配置し、それをケース3内に収納したものである。
このように、間隙5を介して透明前面板6を配置する構成とすることにより、外部衝撃力がプラズマ表示板21に直接作用するのを防げ、またプラズマ表示板21の発生熱が透明前面板6に伝達されるのを抑制できる。
【0003】
しかし、間隙5によって形成される空気層とプラズマ表示板21および透明前面板6との界面における光の屈折により、画像が2重に映る問題がある。また、透明前面板6は、外部衝撃力に耐えるように約3mm程度の厚さとされるため、重量が重くかつコストも高くなるという問題もある。
【0004】
これに対して、本出願人は、既に、プラズマ表示板の視認側に、緩衝性と密着性を有する耐熱性の透明樹脂シートを介して透明保護板を直接装着したことを特徴とするプラズマ表示装置を提案している(特許文献1参照)。この表示装置によれば、前記従来のように、視認側に空気層がないため、画像の2重映りの問題を回避できるというすぐれた効果が奏される。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−259770号公報(第2〜3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記提案では、透明保護板として硬質で厚手のガラス板やアクリル板を用いているため、これを透明樹脂シートを介してプラズマ表示板に装着する操作が容易ではなく、ガラス板では、重量やコスト上の問題がなお残っていた。また、耐衝撃性の面でも十分とは言えず、重さ3gの鋼球を1mの高さより落下したときの衝撃力(約0.0294J)で耐衝撃性の良否を判定している程度である。さらに、表示装置の廃棄に際し、リサイクルのために透明保護板などを再剥離して取り外そうとしても、容易に取り外せない問題もあった。
【0007】
本発明は、このような事情に照らし、プラズマ表示板の視認側に直接装着することで空気層をなくし、2重映りの問題がなく、しかもその装着が容易で軽量化や薄型化さらに低コスト化に寄与でき、プラズマ表示板のガラス割れ防止効果が大きいガラス割れ防止用フィルム状フィルタを提供すること、またリサイクルの点より、プラズマ表示板への装着後に容易に取り外せる上記ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを提供すること、さらにこれらのフィルム状フィルタを装着したプラズマ表示装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、ポリオキシアルキレングリコールを添加したアクリル系粘着性材料によりガラス割れ防止層を構成して、その一面側に反射防止フィルムを積層したフィルム状フィルタによると、反射防止フィルムの積層側とは反対面側を内側にして、その粘着性を利用した貼り付けにより、プラズマ表示板に直接装着でき、これにより表示装置の耐衝撃性が向上してガラス割れ防止効果が増大し、また直接装着のため、空気層による2重映りの問題がなく、しかも硬質で厚手のガラス板やアクリル板などの透明保護板を用いていないため、装着が容易で、表示装置の軽量化や薄型化さらには低コスト化にも貢献でき、さらに上記反対面側の粘着性はポリオキシアルキレングリコールの添加により再剥離性を有するものとなっており、このため、装着後の再剥離が可能で容易に取り外せることもわかった。
【0009】
本発明は、このような知見をもとにして、完成されたものである。
すなわち、本発明は、アクリル系重合体として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体の重合体を主材成分とし、これにポリオキシアルキレングリコールを含ませたアクリル系粘着性材料によりガラス割れ防止層を構成し、このガラス割れ防止層の一面側に反射防止フィルムを積層したことを特徴とするガラス割れ防止用フィルム状フィルタに係るものであり、とくに、上記主材成分であるアクリル系重合体が、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体の重合体である上記構成のガラス割れ防止用フィルム状フィルタに係るものである。
また、本発明は、ポリオキシアルキレングリコールが、ポリオキシプロピレングリコールまたはポリオキシテトラメチレングリコールである上記構成のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ、ポリオキシアルキレングリコールの重量平均分子量が400〜3,000の範囲にある上記構成のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ、ポリオキシアルキレングリコールが、主材成分であるアクリル系重合体100重量部あたり、0.5〜10重量部である上記構成のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ、ガラス割れ防止層の厚さが0.5〜3mmである上記構成のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ、ガラス割れ防止層が再剥離性を有する上記構成のガラス割れ防止用フィルム状フィルタに係るものである。
さらに、本発明は、プラズマ表示板の視認側に、上記各構成のガラス割れ防止用フィルム状フィルタを、反射防止フィルムを積層した一面側とは反対面側を内側にして、その粘着性(再剥離性)を利用して、直接装着したことを特徴とするプラズマ表示装置に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参考にして説明する。
図1は、本発明のガラス割れ防止用フィルム状フィルタとこれを装着したプラズマ表示装置の一例を示したものである。
【0011】
図中、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタ1は、ガラス割れ防止層11の一面側11aに反射防止フィルム12を積層した構成からなっている。
また、プラズマ表示装置2は、プラズマ表示板21の視認側に、上記のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ1を、反射防止フィルム12を積層した一面側とは反対面側を内側にして、その粘着性を利用して直接貼り付けて装着し、これをケース3内に収容した構成となっている。
【0012】
ガラス割れ防止用フィルム状フィルタ1において、ガラス割れ防止層11は、アクリル系重合体として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体の重合体を主材成分とし、これにポリオキシアルキレングリコールを含ませたアクリル系粘着性材料により、構成されている。
【0013】
このようなアクリル系粘着性材料によると、プラズマ表示板21の視認性を阻害しない、良好な透明性(光透過性)が得られるうえに、外部衝撃を良好に吸収緩和して、プラズマ表示板21のガラス割れを効果的に防止し、かつその粘着性としてとくに再剥離性にもすぐれたものとなり、プラズマ表示板21への装着後にリサイクルのために容易に取り外すことが可能となる。このような耐衝撃性と再剥離性が得られるのは、後述するとおり、アクリル系重合体からなる主材成分にポリオキシアルキレングリコールを含ませたことによる。
【0014】
アクリル系重合体は、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体の重合体であり、通常、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに必要により共重合可能な改質用単量体を加えて、これらの単量体を常法により重合処理することにより、得られるものである。また、その粘着性(再剥離性)や耐熱性の調整を目的として、必要により、適宜の架橋処理が施される。
【0015】
単量体の主成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜18、とくに好ましくは4〜12である直鎖状もしくは分岐状のアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルが用いられる。具体的には、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどを挙げることができる。
【0016】
これらの主成分と共重合可能な改質用単量体は、光学特性や耐熱性などの物性の改質などを目的として、必要により用いられるものである。具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド系モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチル、N,N−ジメチル(メタ)アクリル酸アミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー、酢酸ビニルやスチレンなどのビニル系モノマー、アクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマーなどが挙げられる。
【0017】
このようなアクリル系重合体に含ませるポリオキシアルキレングリコールは、耐衝撃性と再剥離性の向上に大きく寄与するものである。その作用機構は、今のところ、必ずしも明らかではないが、推測では、プラズマ表示板21とガラス割れ防止層11の接着界面において低分子に富む薄層を形成して、衝撃時に上記接着界面での摩擦抵抗により衝撃エネルギーを散逸させ、また上記薄層の形成にて再剥離性が付与されるためではないかと思われる。
【0018】
このような効果を発揮するポリオキシアルキレングリコールとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール(下記の構造式1)、ポリオキシテトラメチレングリコール(下記の構造式2)などの液状化合物が挙げられる。これらの液状化合物の中でも、アクリル系重合体との相溶性の点より、ポリオキシプロピレングリコールまたはポリオキシテトラメチレングリコールが、最も好ましく用いられる。
<構造式1>
Figure 2004191702
<構造式2>
HO−(CH2 CH2 CH2 CH2 O)n−H
【0019】
これらのポリオキシアルキレングリコールの分子量としては、重量平均分子量が400〜3,000、とくに好ましくは400〜1,000であるのがよい。重量平均分子量が400未満になると、衝撃緩和性に対する効果が乏しくなり、また3,000を超えると、アクリル系重合体と分離して、アクリル系粘着性材料全体として白濁してくるため、いずれも好ましくない。
【0020】
このようなポリオキシアルキレングリコールの添加量としては、アクリル系重合体100重量部あたり、0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の範囲とするのがよい。ポリオキシアルキレングリコールの添加量が0.5重量部未満となると、衝撃緩和性に対する効果が乏しくなり、また10重量部を超えると、アクリル系重合体と分離して、アクリル系粘着性材料全体として白濁してくるため、いずれも好ましくない。
【0021】
アクリル系粘着性材料からなるガラス割れ防止層11の厚さは、0.5〜3mmであるのがよく、好ましくは0.8〜2mmであるのがよい。厚さが0.5mm未満では、衝撃緩和能力が低下し、プラズマ表示板21のガラス割れ防止効果が損なわれ、安全性などの点で問題を生じやすい。また、厚さが3mmを超えると、プラズマ表示板21への貼り付け作業、つまり装着作業が損なわれたり、視認性が低下し、画像の揺らぎを生じたり、鮮明度の低下を引き起こしやすい。
【0022】
ガラス割れ防止層11を形成するには、(1)溶液重合法などによりアクリル系重合体を得、これにポリオキシアルキレングリコールと必要により架橋剤やその添加剤を加えてアクリル系粘着性材料とし、これを塗布乾燥する方法、(2)アクリル系重合体を得るための単量体にポリオキシアルキレングリコールと重合開始剤と必要により架橋剤やその添加剤成分を加えた重合性組成物を塗布して、塊状重合方式により重合処理する方法などが用いられる。
【0023】
上記の形成方法のうち、0.5〜3mmという比較的厚めのシート状物を形成する必要があることから、上記(2)の塊状重合方式が好適に使用される。とくに紫外線重合方式によるシート形成手法が好ましい。
この紫外線重合方式では、まず、単量体に光重合開始剤を加え、少量の紫外線照射により一部の単量体を重合させ、増粘させてシロップを調製する。つぎに、このシロップにポリオキシアルキレングリコール、架橋性モノマー、光重合開始剤などを加えて混合し、これを適当な厚さに塗布したのち、紫外線照射装置にて重合処理して、ガラス割れ防止層を形成する。
【0024】
光重合開始剤の例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)−フェニル〕−2−モルホリノプロバン−1などのアセトフェノン系化合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニゾインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどのα−ケトール系化合物、ベンジルジメチルケタールなどのケタール化合物、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物、1−フェノン−−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。
【0025】
また、架橋性モノマーとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリルレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリルレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリルレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリルレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリルレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリルレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0026】
ガラス割れ防止用フィルム状フィルタ1において、反射防止フィルム12は、上記のガラス割れ防止層11の一面側11aにその粘着性を利用して積層され、上記フィルム状フィルタ1をプラズマ表示板21の視認側に直接装着したとき、外光の映り込みを低減する反射防止機能を果たして、プラズマ表示装置の画像表示の劣化を防ぐものである。
【0027】
このような効果を発揮する反射防止フィルム12としては、厚さが0.01〜0.5mmの範囲、とくに好ましくは0.05〜0.3mmの範囲にあるのがよく、通常は、透明性の良好なポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムに可視光反射率が5%以下、好ましくは4%以下となる反射防止処理を施したものが用いられる。また、上記同様のプラスチックフィルムにヘイズ値が5%以下となるアンチグレア処理を施したものなどであってもよい。
【0028】
上記の反射防止処理として、屈折率が1.50未満、好ましくは1.45以下の低屈折率層を形成することができる。これには、有機系の材料として、含フッ素ポリマー、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル、含フッ素シリコーンなどが挙げられ、また無機系の材料として、MgF2 、CaF2 、SiO2 などが挙げられる。このような低屈折率層の厚さは、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下であるのがよい。
【0029】
また、別の反射防止処理として、屈折率が1.5以上、好ましくは1.6以上の高屈折率層(ないし高屈折率防眩層)を形成することもできる。これには、有機系の材料として、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどを重合硬化させたものや、シリコン系、メラミン系、エポキシ系の架橋性樹脂原料を架橋硬化させたものなどが挙げられ、また無機系の材料として、酸化インジウムを主成分としこれに二酸化チタンなどを少量含ませたものや、Al2 3 、MgO、TiO2 などが挙げられる。このような層の厚さは、通常50μm以下、好ましくは10μm以下であるのがよい。
【0030】
なお、上記の反射防止フィルム12には、必要により、このフィルム12自体に電磁波および/または近赤外線(800〜1,200nm)を遮蔽する機能を付加したり、染料や顔料などの色素材料を用いて可視光域における色調整を行う機能を付加するなど、適宜の機能を付加させるようにしてもよい。また、たとえば、電磁波および/または近赤外線遮蔽部材を別に作製しておき、この遮蔽部材を反射防止フィルム12に隣接して設けるようにしてもよい。
【0031】
電磁波および/または近赤外線遮蔽部材には、透明フィルム基材上に透明導電体薄膜を積層したもの、透明フィルム基材上に透明導電体薄膜を積層しこれとは別に近赤外線吸収色素を含有する層を設けたもの、透明フィルム基材上に導電性メッシュ材料を貼り合わせさらに近赤外線吸収色素を含有する層を設けたもの、透明フィルム基材上に印刷やパターニング処理により導電性メッシュを設けこれとは別に近赤外線吸収色素を含有する層を設けたものなどがある。なお、電磁波遮蔽部材では、電磁波遮蔽性能を高めるため、プラズマディスプレイ本体のアース電極と設置するための電極を設けるのがよい。
【0032】
電磁波および/または近赤外線遮蔽部材は、ガラス割れ防止層11の粘着性を利用して貼り合わせるか、別の透明粘着剤を介して貼り合わせることができる。後者の場合、透明粘着剤をあらかじめ上記遮蔽部材の片面または両面に粘着剤層として形成しておくのがよい。その形成方法としては、たとえば、透明粘着剤をトルエンや酢酸エチルなどの適宜の有機溶媒に溶解または分散させて10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、これを流延方式や塗工方式などにより、上記遮蔽部材上に直接塗布形成する方法や、セパレータ上に一旦粘着剤層を形成してそれを上記遮蔽部材上に移着する方法などが用いられる。
【0033】
プラズマ表示装置2において、上記のように構成されたガラス割れ防止用フィルム状フィルタ1が、ガラス割れ防止層11の反射防止フィルム12を積層した一面側とは反対面側を内側にして、その粘着性を利用して、1枚ガラスまたは2枚ガラスからなるプラズマ表示装置21の視認側に、直接貼り付けられて、装着される。このように、上記フィルタ1を上記表示板21に装着すると、上記表示板21への外部衝撃が上記フィルタ1のガラス割れ防止層11で吸収緩和され、これにより上記表示板21の外部衝撃によるガラス割れが防がれる。
【0034】
しかも、上記フィルタ1がプラズマ表示板21に対して直接装着されるため、従来のような空気層がなく、これに起因した2重映りの問題がなくなり、さらに上記フィルタ1が比較的薄手で軽量の反射防止フィルム12を積層した構成からなるため、装着作業が容易で、表示装置の軽量化や薄型化さらに低コスト化に大きく貢献できる。また、上記フィルタ1のガラス割れ防止層11の粘着性として再剥離性を備えていることから,プラズマ表示装置の廃棄にあたり、リサイクルのために再剥離が可能で、容易に取り外せるという効果もある。
【0035】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0036】
実施例1
冷却管、窒素導入管、温度計、紫外線照射装置および撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸2−エチルヘキシル100部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)0.1部を入れ、紫外線照射により重合処理して、重合率10重量%の単量体・重合体混合物(シロップ)を得た。このシロップ100部に、重量平均分子量650のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)2部、トリメチルプロパントリアクリレート(内部架橋剤)0.2部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)0.1部を配合して、光重合性組成物とした。
【0037】
この光重合性組成物を、厚さが50μmのポリエステル系セパレータ上に塗布し、窒素雰囲気下、紫外線ランプにて、2,000mJ/cm2 の紫外線を照射して光重合させ、アクリル系粘着性材料からなる厚さが0.8mmのガラス割れ防止層を形成した。このガラス割れ防止層の一面側に、厚さが0.1mmの反射防止フィルム(日本油脂社製の「リアルックA−1200」)に貼り合わせて、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0038】
実施例2
光重合性組成物の塗布厚さを変えて、アクリル系粘着性材料からなるガラス割れ防止層の厚さが3mmとなるように変更した以外は、実施例1と同様にして、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0039】
実施例3
光重合性組成物の塗布厚さを変えて、アクリル系粘着性材料からなるガラス割れ防止層の厚さが0.5mmとなるように変更した以外は、実施例1と同様にして、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0040】
実施例4
重量平均分子量650のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)の添加量を5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0041】
実施例5
重量平均分子量650のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)2部の代わりに、重量平均分子量1,000のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)2部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0042】
実施例6
重量平均分子量650のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)2部の代わりに、重量平均分子量1,000のポリプロピレングリコール(三洋化成社製)5部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0043】
実施例7
冷却管、窒素導入管、温度計、紫外線照射装置および撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸イソオクチル97部、アクリル酸3部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)0.1部を入れ、紫外線照射により重合処理して、重合率10重量%の単量体・重合体混合物(シロップ)を得た。このシロップ100部に、重量平均分子量650のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)3部、トリメチルプロパントリアクリレート(内部架橋剤)0.2部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)0.1部を配合して、光重合性組成物を調製した。
【0044】
この光重合性組成物を、厚さが50μmのポリエステル系セパレータ上に塗布し、窒素雰囲気下、紫外線ランプにて、2,000mJ/cm2 の紫外線を照射して光重合させ、アクリル系粘着性材料からなる厚さが1mmのガラス割れ防止層を形成した。このガラス割れ防止層の一面側に、厚さが0.1mmの反射防止フィルム(日本油脂社製の「リアルックA−1200」)に貼り合わせて、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0045】
実施例8
冷却管、窒素導入管、温度計、紫外線照射装置および撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル100部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン(光重合開始剤)0.1部を入れ、紫外線照射により重合処理して、重合率10重量%の単量体・重合体混合物(シロップ)を得た。このシロップ100部に、重量平均分子量1,000のポリプロピレングリコール(三洋化成社製)3部、トリメチルプロパントリアクリレート(内部架橋剤)0.2部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光重合開始剤)0.1部を配合して、光重合性組成物を調製した。
【0046】
この光重合性組成物を、厚さが50μmのポリエステル系セパレータ上に塗布し、窒素雰囲気下、紫外線ランプにて、2,000mJ/cm2 の紫外線を照射して光重合させ、アクリル系粘着性材料からなる厚さが1mmのガラス割れ防止層を形成した。このガラス割れ防止層の一面側に、厚さが0.1mmの反射防止フィルム(日本油脂社製の「リアルックA−1200」)に貼り合わせて、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0047】
比較例1
重量平均分子量650のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0048】
比較例2
光重合性組成物の塗布厚さを変えて、アクリル系粘着性材料からなるガラス割れ防止層の厚さが0.3mmとなるように変更した以外は、実施例1と同様にして、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0049】
比較例3
重量平均分子量650のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)の添加量を20部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。このフィルタは白濁していた。
【0050】
比較例4
重量平均分子量650のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)2部の代わりに、重量平均分子量3,500のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)2部を使用した以外は、実施例1と同様にして、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。このフィルタは白濁していた。
【0051】
比較例5
重量平均分子量650のポリオキシテトラメチレングリコール(三洋化成社製)を添加しなかった以外は、実施例7と同様にして、ガラス割れ防止用フィルム状フィルタを作製した。
【0052】
上記の実施例1〜8および比較例1〜5の各ガラス割れ防止用フィルム状フィルタについて、下記の方法により、耐衝撃性、90°剥離粘着力および透明性を調べた。これらの結果は、表1に示されるとおりであった。
【0053】
<耐衝撃性>
金属板上に、厚さが1mmのシリコーンシートと厚さが2.8mmのプラズマディスプレイ用ガラス(旭硝子社製の「PD200」)とをこの順に載せ、この上にフィルム状フィルタをそのポリエステル系セパレータを剥がして貼り合わせた。このフィルタ上に、直径が50mm、重さが510gの鋼球を、30cmの高さから落下させ、上記プラズマディスプレイ用ガラスが割れるかどうかを調べた。評価は、割れない場合を○、割れた場合を×、とした。なお、鋼球を落下させたときの衝撃エネルギーは、鋼球重さ(kg)×高さ(m)×9.8(m/s2 )=0.51×0.3×9.8として求められ、約1.5Jであった。
【0054】
<90°剥離粘着力>
フィルム状フィルタを25mm幅に切断し、そのポリエステル系セパレータを剥がして、厚さが2.8mmのプラズマディスプレイ用ガラス(旭硝子社製の「PD200」)に貼り合わせた。これを80℃の雰囲気中に40日間投入したのち、取り出して、23℃に4時間放置後、フィルム状フィルタを90°の方向に50mm/分の速度で剥離し、そのときの粘着力を測定した。
【0055】
<透明性>
フィルム状フィルタをスライドに貼り付けて、その全光線透過率を、濁度計により測定した。
【0056】
Figure 2004191702
【0057】
上記の結果から明らかなように、実施例1〜8のガラス割れ防止用フィルム状フィルタは、いずれも、透明性を満足することはもちろん、耐衝撃性にすぐれ、粘着性(再剥離性)も満足できるものであり、これに対し、比較例1〜5のガラス割れ防止用フィルム状フィルタは、上記特性のいずれかに劣っており、プラズマディスプレイ用フィルタとして十分に満足できない。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、ポリオキシアルキレングリコールを添加したアクリル系粘着性材料によりガラス割れ防止層を構成して、その一面側に反射防止フィルムを積層したことにより、反射防止フィルムの積層側とは反対面側を内側にして、その粘着性を利用した貼り付けにより、プラズマ表示板に直接装着でき、これにより表示装置の耐衝撃性が向上してガラス割れ防止効果が増大し、また直接装着のため、空気層による2重映りの問題がなく、しかも硬質で厚手のガラス板やアクリル板などの透明保護板を用いていないため、装着が容易で、表示装置の軽量化や薄型化さらには低コスト化にも貢献でき、さらに上記反対面側の粘着性はポリオキシアルキレングリコールの添加で再剥離性を有するものとなっているため、リサイクルのための再剥離が可能で取り外しが容易なガラス割れ防止用フィルム状フィルタとこれを装着したプラズマ表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス割れ防止用フィルム状フィルタとこれを装着したプラズマ表示装置の一例を示す断面図である。
【図2】従来のプラズマ表示装置の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス割れ防止用フィルム状フィルタ
11 ガラス割れ防止層
11a 一面側
12 反射防止フィルム
2 プラズマ表示装置
21 プラズマ表示板
3 ケース

Claims (8)

  1. アクリル系重合体として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体の重合体を主材成分とし、これにポリオキシアルキレングリコールを含ませたアクリル系粘着性材料によりガラス割れ防止層を構成し、このガラス割れ防止層の一面側に反射防止フィルムを積層したことを特徴とするガラス割れ防止用フィルム状フィルタ。
  2. アクリル系重合体は、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体の重合体である請求項1に記載のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ。
  3. ポリオキシアルキレングリコールは、ポリオキシプロピレングリコールまたはポリオキシテトラメチレングリコールである請求項1または2に記載のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ。
  4. ポリオキシアルキレングリコールは、その重量平均分子量が400〜3,000の範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ。
  5. ポリオキシアルキレングリコールは、主材成分であるアクリル系重合体100重量部あたり、0.5〜10重量部である請求項1〜4のいずれかに記載のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ。
  6. ガラス割れ防止層は、その厚さが0.5〜3mmである請求項1〜5のいずれかに記載のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ。
  7. ガラス割れ防止層は、再剥離性を有する請求項1〜6のいずれかに記載のガラス割れ防止用フィルム状フィルタ。
  8. プラズマ表示板の視認側に、請求項1〜7のいずれかに記載のガラス割れ防止用フィルム状フィルタを、反射防止フィルムを積層した一面側とは反対面側を内側にして、その粘着性(再剥離性)を利用して、直接装着したことを特徴とするプラズマ表示装置。
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