JP2004191920A - マイクロリソグラフィ用等の投影対物レンズ及び投影対物レンズの調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学系にわずかに介入して投影対物レンズを液浸構造及びドライ構造間で適合調整し、したがって、液浸対物レンズとして、またはドライ対物レンズとして任意に使用できるようにする。
【解決手段】投影対物レンズを調整する方法において、投影対物レンズは、その光軸に沿って配置された多数の光学素子を有し、これらの光学素子は、物体面の次に続く第1群の光学素子と、第1群の次に続き、像面に隣接した位置にあって、像面から作動距離を置いて配置された投影対物レンズの出射面を定める最終光学素子とを備えている。最終光学素子は、屈折力をほとんど有さないで、まったく、またはわずかしか湾曲していない。方法は、最終光学素子の厚さを変化させることと、液浸媒体の導入または除去によって出射面及び像面間の空間の屈折率を変化させることと、好ましくは、最終光学素子を軸方向に変位させて、適当な作動距離を設定できるようにすることとを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】投影対物レンズを調整する方法において、投影対物レンズは、その光軸に沿って配置された多数の光学素子を有し、これらの光学素子は、物体面の次に続く第1群の光学素子と、第1群の次に続き、像面に隣接した位置にあって、像面から作動距離を置いて配置された投影対物レンズの出射面を定める最終光学素子とを備えている。最終光学素子は、屈折力をほとんど有さないで、まったく、またはわずかしか湾曲していない。方法は、最終光学素子の厚さを変化させることと、液浸媒体の導入または除去によって出射面及び像面間の空間の屈折率を変化させることと、好ましくは、最終光学素子を軸方向に変位させて、適当な作動距離を設定できるようにすることとを含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体面上に配置されたパターンを像面に投影する投影対物レンズと、そのような投影対物レンズを調整する方法に関する。好適な適用分野は、マイクロリソグラフィの投影露光系に使用される投影対物レンズである。
【0002】
【従来の技術】
半導体構成部品及び他の微細構造部品を製造するために、フォトリソグラフィ投影対物レンズが何十年にもわたって使用されてきた。それらは、以下にマスクまたはレチクルとも呼ぶフォトマスクのパターンまたは目盛り付きプレートを、感光層を塗布した物体上に、たとえば、フォトレジストを塗布した半導体ウェハ上に最大解像度で縮小して投影するために使用される。
【0003】
100nm以下のより微細な構造体を形成するために、多くの開発が進められている。第1に、投影対物レンズの像側の開口数(NA)を、現時点で一般的な値を超えてNA=0.8以上に高めようとする試みが行われている。また、たとえば、248nm、193nm、157nmまたはそれ以下のますます短い波長が、好ましくは波長が60nm未満の紫外線が使用されている。位相シフトマスク及び/または斜め照明を使用することによって、解像度及び/または焦点深度を改善しようとする試みが度々行われている。
【0004】
従来では、最終光学素子の出射面と像面との間の像空間内に有限作動距離があり、作動中はそれを空気または別の適当なガスで満たした投影対物レンズがほぼ排他的に使用されている。そのような光学系は、「ドライ光学系」または「ドライ対物レンズ」と呼ばれる。像空間は一般的に、ヘリウム、窒素または他のガスか、屈折率nがほぼ1の混合ガスで満たされている。
【0005】
高屈折率の液浸媒体を最終光学素子の出射面と基板との間の空間に導入することによって、達成可能な解像度を改善する方法もすでに存在する。この技術は、液浸リソグラフィと呼ばれる。これの従来例が、米国特許第4,346,164号に示されている。この技術に適応させた投影対物レンズは、「液浸光学系」または「液浸対物レンズ」と呼ばれる。液浸を導入するだけであるので、開口数NA=n.sinθ、したがって、解像度
【数1】
は変化しない。ここで、θは近軸周縁光線角、λは波長、CDは合成限界寸法の大きさである。実験定数k1 は、プロセスに依存している。液浸媒体の助けによって、NA>1、特にNA=1.3または1.4までの開口数を達成することが可能である。液浸リソグラフィにおける一般的な作動距離は、空気系で一般的な値より相当に小さい。
【0006】
従来から求められている液浸リソグラフィの利点は実質的に、開口数がNA>1の値まで増加し、従って、解像度が向上する可能性にある。液浸リソグラフィに適し、像側で開口数NA>1が得られる幾つかの屈折投影対物レンズが、本出願人の特許出願であるドイツ特許出願第102 10 899号及び国際/欧州特許出願第02/04846号に開示されている。
【0007】
露光プロセスに重要な別のパラメータは、達成できる焦点深度(DOF)である。空気系の場合、これが1/NA2 に比例して減少するため、高開口数の投影対物レンズでは、実際に適した焦点深度の値を達成することも困難になる。その結果、露光すべき基板を正確に位置決めした配置及びそれらの表面品質に対する要求事項が相当に増加する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、投影対物レンズと、ユーザが異なった処理状態において露光プロセスを最適に実行できるようにする投影対物レンズの適当な調整方法との提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、請求項第1項〜第25項の特徴を有する投影対物レンズと、請求項第30項の特徴を有する投影対物レンズの調整方法とを提供している。好都合な開発が、従属請求項に明記されている。すべての請求項の用語表現は、本説明の内容の一部をなす。
【0010】
【発明の実施の形態】
物体面上に配置されたパターンを像面に投影するための本発明の投影対物レンズは、ほぼ投影対物レンズの光軸に沿って配置された多数の光学素子を有する。光学素子は、物体面の次に続く第1群の光学素子と、第1群の次に続き、像面に最も近く、像面から作動距離を置いて配置された投影対物レンズの出射面を定める最終光学素子とを備えている。この場合、最終光学素子は、屈折力をほとんど有さないで、まったく、またはわずかしか湾曲していない。投影対物レンズは、収差に応じて、屈折率が1より相当に大きい液浸媒体で作動距離を満たすように調整される。
【0011】
本出願において、屈折力がわずかである光学素子は、平行平面プレートなどの、屈折力がほとんどないか、非常に低レベルの屈折力しかないかのいずれかである。それらは、少なくともわずかに湾曲した表面を備えた素子であることができ、その湾曲光学表面の半径が、光学素子の直径より大きい(原文通り)。出射側は理想的にはほぼ平坦であり、したがって、せいぜいわずかな湾曲が生じるだけである。適正な調整を行えば、液浸層を確実にほぼ均一な厚さにすることができる。これらの特性を有する光学素子の場合、光学系の光学特性を大して変化させることなく、光軸に平行に軸方向変位させることができる。
【0012】
そのような液浸対物レンズの1つの特別な特徴は、機械的/光学的構造にわずかに介入することによって、「液浸構造」及び「ドライ構造」間の適合調整を行うことができることである。「ドライ構造」は、投影対物レンズを「ドライ光学系」として使用することができる投影対物レンズの機械的/光学的構造である。ドライ構造では、露光基板の像側にガス充填された作動距離が与えられると、最適投影状態が存在するように、投影対物レンズの光学特性が最適化される。これとは逆に、「液浸構造」は、同じ投影対物レンズのこの機械的/光学的構造の場合、投影対物レンズの出射面と基板との間に液浸媒体が存在する時、基板上に最適投影が行われることによって達成され、この液浸媒体の屈折率は、空気か、通常使用される他のガスの屈折率より相当に高い。
【0013】
第1光学群の光学素子は全体的に、通過する波面の球面不足補正を行うように構成されている。この場合、特に球面収差に関して、投影の十分に良好な補正状態が像面に存在するように、最終光学素子の厚さ、最終光学素子の材料の屈折率(または組み合わせ屈折率)、及び使用した液浸媒体の屈折率を互いに整合させる。
【0014】
好ましくは、第1群と最終光学素子との間に長い距離を置いており、これにより、特に隣接の光学素子を変位させることなく、最終光学素子を大きく軸方向変位させることができる。調整中に最終光学素子を像面に対して変位させることができることで、出射面と基板表面との間の作動距離を適当に設定することができるようになる。投影対物レンズは好ましくは、液浸構造での作動距離が、ドライ構造の場合より小さくなるように構成されている。ドライ光学系用の一般的な作動距離は、数mm程度、たとえば、約5〜約20mm、特に約6〜約12mmにすることができる。他方、液浸構造の場合の一般的な作動距離は、相当に小さくすることができ、たとえば、1〜2mmまたはそれ以下の少ない値にすることができる。
【0015】
投影対物レンズを調整するために本発明によって提供された方法を使用することによって、この液浸対物レンズをわずかな方策でドライ対物レンズに切り換えることができる。本方法は、最終光学素子の厚さを変化させることと、出射面及び像面間の空間の屈折率を変化させることとを含む。また、好ましくは、適当な作動距離を設定できるように、最終光学素子を軸方向に変位させる。
【0016】
液浸構造からドライ構造に切り換える際は、たとえば、像側の作動領域の屈折率を、液浸媒体の比較的高い値(一般的にn>1.3)から適当なガスのn=1〜1.1程度の低い値に減少させる。最終光学素子の厚さを変化させ、一般的に増加させ、また、必要か、適当であれば、光学素子を第1群の方向に変位させて、大きい作動距離が設定されるようにする。
【0017】
光学系をドライ光学系から液浸光学系に構成し直す場合、変更を逆方向に進める。この場合、最終光学素子の厚さを通常は減少させ、また、適当であれば、光学素子を像面の方向に変位させて、小さい作動距離が設定されるようにする。(狭くなった)距離領域に液浸媒体を導入する結果、この領域の屈折率が増加する。
【0018】
上記方策の物理的背景は、以下のように理解されるであろう。上記特性を有する最終光学素子、たとえば、ほぼ平行平面のプレートはそれ自体が、材料の屈折率の増加に伴って低下するレベルの球面過剰補正の効果を有する。発生する可能性がある過剰補正は、厚さに比例し、厚さの減少に伴って減少する。これらの効果自体は周知である。たとえば、米国特許第5,973,863号は、最終光学素子として交換可能なプレートを有することができるドライ対物レンズを記載している。異なった湾曲のプレートを交換することによって、球面収差及び/または像視野湾曲が調整される。
【0019】
空気中の厚さdの平面プレートの開口数誤差SPHは、たとえば、ひとみの縁部の長手方向収差SPHとして、以下のように計算することができる。
【0020】
【数2】
たとえば、平面プレートを異なった屈折率の媒体と交換すると、そのプレートが光学系に導入する球面収差も変化する。しかし、理論的には、新しい光学素子の厚さのスケーリングによって、球面収差を、正確には1つのひとみ高さについてだけ、交換前の値(すなわち、上記式において、対物レンズのNAより小さいNAの値)に適応させることができるので、球面収差にゾーン誤差が残る。交換すべき領域が厚いほど、また、液浸媒体の屈折率と最終光学素子の屈折率との差異が大きいほど、これらのゾーン誤差が大きくなる。
【0021】
液浸構造内の作動距離を小さくし、投影対物レンズの開口数を少なくし、かつ/または出射面に隣接する材料及び液浸媒体の屈折率を良好に一致させることが、ゾーン誤差の最小化に好ましい。したがって、光学系の明細によっては、そのような基本的補償が、ドライ対物レンズを液浸対物レンズに(またはその逆に)適合調整するのに十分であろう。
【0022】
特に、光学系を液浸構造からドライ構造に変更する時、液浸媒体の代わりに、良好な屈折率一致(屈折率整合)性を有する光透過性材料を用いることもできる。たとえば、出射面に隣接する光学部品に、石英ガラスの代わりとしてフッ化カルシウム、フッ化リチウムなどを使用することによって、屈折率整合を向上させることができる。このようにして、残留収差の発生を大幅に減少させることができる。出射面に隣接した最終光学素子の光学材料は、液浸媒体の屈折率nI に近い屈折率nE を有する必要があり、nI /nE の比が0.8を超え、特に0.9を超えることが好ましい。たとえば、2枚のプレートを有する最終光学素子の場合、(出射面を有する)最終プレートをフッ化カルシウムまたはフッ化リチウムで構成することができる。ドライ構造の場合、このプレートを設置し、液浸構造の場合、これを取り除くことができる。その場合、液浸流体がそれの光学効果にほぼ取って代わる。
【0023】
残留ゾーン誤差の補正が必要か、望ましい場合、たとえば、レンズ間の空気隙間を特別に変化させることによって、投影対物レンズをさらに調整することができる。これについては、さらに詳細に後述する。
【0024】
高屈折率の液浸流体を使用することによって、焦点深度を相当に増加させることができることがわかっている。この効果は、開口数に無関係であり、特に1.0未満の開口数で利用することができる。焦点深度は次の式で計算できることがわかる。
【0025】
【数3】
小さい値のNAの場合にはこの関係が、周知の近軸関係:
【数4】
に変化する。定数k2はプロセスに依存している。これの結果として、たとえば、液浸媒体がNA=0.95、屈折率n=1.45である投影対物レンズをドライ対物レンズ(n=1.0)と比較すると、焦点深度を約2倍に増加させることができる。このようにして、露光すべき基板の位置決め正確度及びそれらの表面状態に対する要求を相当に軽減することができる。また、非理想的な焦点合わせ及び/または構成済み表面の場合でも、非常に微細な構造を十分な鮮鋭度で作製することができる。
【0026】
使用する液浸媒体は、たとえば、適当な液体にすることができる。適当な液浸流体の一般的な屈折率は、およそnをほぼ1.3以上にすることができる。J.Vac.Sci.Technol.B19(6)2001年11月・12月号1ページ以降のM.Switkes及びM.Rothschildによる論文「157nmでの液浸リソグラフィ(Immersion Lithography at 157 nm)」には、 パーフルオロポリエーテル(PFPE)をベースにした液浸液体が示されており、これは、157nmの作動波長において十分な光透過性を有し、マイクロリソグラフィに現在使用されている幾つかのフォトレジスト材料に適合する。1つの検査液浸液体は、157nmで屈折率n=1.37である。193nmの波長では、たとえば、屈折率n=1.45の脱イオン水を使用することができる。
【0027】
最終光学素子は、軸方向に変位可能に取り付けることができる。最終光学素子を適当に取り付けることによって、たとえば、z操作(すなわち、光軸に平行な光学素子全体の平行変位)が可能である。そのような軸方向移動を実行するための適当な取り付け体が、たとえば、米国特許第4,961,001号から周知である。変位を行うため、スペーサの挿入または除去後に、素子を取り除いて設置し直すことによって、さまざまな軸方向位置にはめ付けることもできる。
【0028】
最終光学素子が、材料の除去または材料の付着を行わないで変更できる厚さを有することが可能である。たとえば、最終光学素子に、切り離し可能または分離可能に互いに連結された複数の構成部品を設けて、それらを互いに距離を置いて配置し、互いにクリップ留めするか、光学的に中立に相互連結することができる。たとえば、最終光学素子が(厚い)内側及び(薄い)外側プレートを有する場合、最終光学素子の厚さは、それぞれ薄いプレートの取り除きまたは挿入によって、薄いプレートの厚さ分だけ減少または増加させることができ、したがって、素子の厚さをこの量だけ変化させることができる。したがって、最終光学素子を単一部品か、幾つかの部品片で構成することができる。それは一般的に、第2群と呼ぶことができる。
【0029】
最終光学素子の材料除去または材料付着処理によって、厚さを変更することも可能である。このために、最終光学素子は通常、取り外されて、厚さの調整後に設置し直される。
【0030】
最終光学素子が、透明材料製の1枚または複数枚のほぼ平行平面のプレートを有する場合、軸方向位置が対物レンズの収差にまったく影響を与えることなく、この素子を光軸に沿って自由にシフトまたは変位させて作動距離を調整することができるので、好都合である。
【0031】
最終光学素子の軸方向シフトまたは変位を容易にするために、本発明に従った投影対物レンズの一部の実施形態では、最終素子の前方(すなわち、投影対物レンズ内)の自由作動距離、すなわち、材料が存在しない作動距離が、投影対物レンズの全長の約0.5%〜1%を超える。すなわち、変位行程を大きくすることができ、これは一般的に、数ミリメートルから数センチメートル程度の大きさであろう。最終光学素子が、両側に比較的大きい軸方向隙間を有していれば、好都合である。たとえば、最終光学素子の前方の自由距離と、出射面及び像面間の距離との合計が、投影対物レンズの全長の約0.5%〜1%より大きい。
【0032】
ドライ対物レンズの作動距離を縮めて、液浸媒体、たとえば、液体を満たした場合、これらの構造変化によって一般的に深刻な収差が発生し、その原因は主に、液浸層の有限厚さと、像側の開口数が通常は比較的高いことにある。液浸対物レンズからドライ対物レンズに変更する間に、作動距離を増加させ、浸漬媒体を除去した時にも、同じことが言える。特に、像側がテレセントリック系の対物レンズの場合、球面収差が支配的である。本発明に従った一部の投影対物レンズでは、ほとんどまったく屈折力を有していない最終素子の特定の厚さ変化によって、これらの収差を大幅に補償することができる。
【0033】
補償することができない残留誤差が、特にフィールドゾーン(ゾーン誤差)に残る可能性がある。これらの残留誤差を減少させるために、一部の実施形態では、これらの残留誤差をほぼなくすことができるように、第1群の光学特性を特別に変更することが可能である。
【0034】
一部の実施形態では、第1群の少なくとも1つの変位可能な光学素子を適当に変位させることによって、実質的な、または完全な補償(調整)を達成することが可能である。問題となる収差は、球面収差である。(少なくとも1つの)変位可能な光学素子を光軸に沿って変位させることができる実施形態がある。調整中の1回の変位で十分であろう。これは、たとえば、隣接スペーサの取り付けまたは取り外しによって行うことができる。作動中の調整も可能であろう。このために、光学素子を、制御可能なz操作の可能性を有する適当な取り付け体内に取り付けることができ、したがって、移動可能にすることができる。複数の変位可能及び/または移動可能な光学素子を設け、たとえば、その数を5、6、7、8、9または10以上にすることが好都合であることがわかっている。その結果、全収差をなくすために必要な素子の変位及び/または移動を多くの素子に分散させることができ、したがって、これらの素子の個々にはわずかな変位が必要なだけである。これによって、機械的構造が容易になり、操作の自由度を増すことができる。
【0035】
軸方向変位の代わりか、それに追加して、1つまたは複数の可動素子の傾斜または偏心も用いることができる。
【0036】
一部の実施形態の構造において、変位可能な素子及び/または可動素子の前方、及び/または変位可能な素子及び/または可動素子の後方の自由距離が、像側の作動距離領域内に液浸媒体を導入することによって発生する収差の少なくともかなりの部分を、光学素子の変位によって補正できるようにする大きさの寸法であることから、一部の投影対物レンズで液浸構造及びドライ構造間の切り換え調整が可能であることがわかるであろう。
【0037】
あるいは、または追加して、投影対物レンズに、好ましくは少なくとも1つの非球面を有する少なくとも1つの交換可能な光学補正素子を割り当てることができる。たとえば、これは、ドライ構造から液浸構造に(またはその逆に)切り換える時の残留収差が補正されるようにそれぞれ設計された光学効果を有する1組の複数の非球面補正プレートにすることができる。補正素子は、タレットなどの交換可能なホルダ内に保持することができ、通常は第1群内の適当な点に、たとえば、投影対物レンズのひとみ面またはフィールド面付近に導入される。
【0038】
あるいは、または追加して、球面を機械加工して非球面にすることによって、既存の光学表面、たとえば、レンズの入射または出射面を補正面として構成することもできる。
【0039】
一部の実施形態では、少なくとも1つの湾曲光学表面を有する少なくとも1つの光学素子で、この光学表面の湾曲を永久的または可逆的に変化させることができる。その結果、ドライ構造及び液浸構造間の切り換え中に、特に少なくとも1つのレンズの半径を変更することもできる。たとえば、可変湾曲光学表面を適応鏡またはひずみ可能レンズによって形成することができる。光学表面の少なくとも1つの半径の変化を利用して、ペッツバルの条件を補正することができる。これは、たとえば、出射面が平面的でないドライ対物レンズの場合に利用することができる。半径の変化は、それが投影対物レンズの最終(像に最も近い)半径の1つの半径であって液浸媒体に隣接していない時の光学特性の調整に特に効果的である。
【0040】
本発明に従った投影対物レンズの多くの実施形態を好都合な構造で最適化することによって、エンドユーザが大きい焦点深度を有するプロセス管理を行うことができる。したがって、これらの投影対物レンズは、出射面と像面との間に液浸媒体を使用した時、像側の開口数がNA<1、好ましくは約0.7〜1、特に0.8〜1であるように構成することができる。像側の開口数が1に近い値である場合、この高開口数範囲では、開口数の増加時に焦点深度が不均等に増加するという利点がある。
【0041】
本発明の好適な発展の上記及びさらなる特徴は、請求の範囲と共に説明及び図面から明らかになり、個々の特徴は、本発明の実施形態及び他の分野で、それぞれ単独に、または複数を部分的組み合わせの形にして実現し、好都合な実施形態と共に保護自体が可能な実施形態も構成することができる。
【0042】
【実施例】
本発明の実施例を例示的に図面に示し、以下に詳細に説明する。
【0043】
図1は、半導体部品及び他の微細構造部品のマイクロリソグラフィ製造用の屈折投影対物レンズ10を概略的に示す。真空紫外域(DUV)から作動する縮小対物レンズ使用して、投影対物レンズの物体面11上に配置されたフォトマスク(レチクル)のパターンを、投影対物レンズの像面12上に配置されるフォトレジスト塗布済み半導体ウェハ上に縮小して投影することができる。投影対物レンズには、光学系の光軸13に沿って配置された多数の光学素子が、合成石英ガラス製のレンズの形で設けられている。光学素子は、物体面のすぐ次に続く第1群14と、第1群14の次に続く、像面12に最も近い位置にある最終光学素子15とを含む。最終光学素子は、以下の説明では終端素子15とも呼ばれており、1つまたは複数の部品で構成することができる。終端素子の、像面に面する出射面16は、同時に投影対物レンズの出射面16を形成している。これは、像面から数ミリメートルの作動距離を置いて配置されている。終端素子15は、石英ガラス製の平行平面プレートであり、したがって、屈折力も湾曲もまったく有していない。第1群14と終端素子15との間には、数ミリメートルの比較的大きい距離があり、これによって、終端素子15を第1群14の方向に軸方向シフトまたは変位させることができる。投影対物レンズ10は、液浸構造で示され、したがって、液浸対物レンズとして構成されている。すなわち、発生した像誤差(収差)に対して、出射面16及び像面12間の像空間17に、屈折率が1より相当に高い液浸媒体18を満たすようにして調整されることを意味する。本例では、248nmの作動波長での屈折率nI =1.4の液浸液体を使用している。
【0044】
光学素子の第1群14全体は、それを通過する波面が、第1群の後方かつ最終素子の入射面19の前方で球面不足補正されるように構成されている。この補正状態が、横のグラフ(a)で示されており、これは、軸方向に補正状態を横方向収差として表している。収差曲線がゼロ線から大きくずれていることは、球面不足補正の程度が大きいことを表している。
【0045】
周知のように、平行平面プレートは、本質的に球面過剰補正をもたらし、これは、プレートの厚さに伴って増加し、材料の屈折率の増加に伴って減少する(SPHの計算式を参照されたい)。したがって、平行平面プレート15を通過した後、波面の不足補正の程度がプレートに入射する前より軽減される。これが、グラフ(b)に概略的に示されている。
【0046】
プレート15の屈折率と異なった屈折率の薄い液浸層18も同様に、平行平面プレートのように作用して、さらなる球面過剰補正をもたらす。
【0047】
本例では、像面12上の波面の球面収差がほぼ完全に補正される(グラフ(c))ように、終端プレート15の厚さ及びそれの屈折率、液浸層18の厚さ及びそれの屈折率、第1群14の球面不足補正を互いに調和させる。したがって、この液浸構造では、十分に良好に補正された投影が可能である。
【0048】
次に、図2〜図4を使用して、わずかな構造変更を加えることによって同じ投影対物レンズを良好な補正状態のドライ対物レンズとして使用できるようにする投影対物レンズ調整方法を説明する。図2〜図4に示された方法段階は、図示の順序か、異なった順序か、少なくとも部分的に同時に実行することができる。図示の方法の例では、第1段階で、液浸媒体18を像空間から除去する(図2)。この分離された処理は、終端素子15に入射する前(グラフ(a))及び終端素子から出射した後(グラフ(b))の補正状態をまったく変化させない。しかし、液浸流体からなる高屈折率の平行平面層を像空間から取り除いた結果、それの過剰補正作用が除去され、したがって、像面12上での補正状態は、出射面16での不足補正状態と一致する(グラフ(b)及び(c)を比較されたい)。
【0049】
さらなる段階(図3)で、最終光学素子15’の厚さを増加させる。その工程で、厚さの増加に伴って、それの過剰補正作用が増加するであろう。厚くしたプレート15’によって生じる過剰補正が、プレート入口19での不足補正状態(グラフ(a))をほぼ補償するように、プレート材料の屈折率に従って厚さが選択される。この投影対物レンズの場合、この方法で達成することができる像面での投影状態が、グラフ(b)に示されており、このグラフでは、残留誤差を図形表示できるように、縦軸方向が拡大されている。本例では、ひとみの中心及び縁部で非常に良好な補正状態が達成されるが、主にひとみゾーンではわずかな過剰補正が存在することがわかるであろう。
【0050】
ここに記載した方法例では、投影対物レンズは、さらなる2段階で図4に示されたドライ構造に切り換えられる。1つの段階は、最終光学素子15’を第1群14の方向に実際に変位させることによって、液浸構造(図1)と比較して大きい作動距離を設定することである。これは、電気的または他の方法で駆動することができるzマニピュレータを利用して素子15’を軸方向変位させることによって行うことができる。また、最終光学素子を個別に取り付けて、第1群の取り付け体と最終光学素子の取り付け体との間にスペーサを使用して、スペーサの除去または設置によって適当な距離を設定することもできる。平行平面プレート15’からできる限り屈折力をなくし、湾曲を付けていないので、この軸方向変位は、対物レンズの収差に確認できる影響を与えることなく、行うことができる。
したがって、さらなる処理を加えなければ、図4に従ったドライ構造の補正状態は、図3(b)の補正状態に対応する。しかし、図示の実施形態では、第1群のレンズの少なくとも1つ、すなわち、図示の発散レンズ20が、zマニピュレータによって軸方向に変位できるように取り付けられている。この場合、図3(b)に示された残留誤差は、レンズ20を物体面の方向(矢印)にわずかにシフトさせることによって補償することができ、したがって、最終調整されたドライ対物レンズは、出射面で十分に良好な補正状態を有する(グラフ(b))。
【0051】
この最終段階、すなわち、第1群内の少なくとも1つの操作可能または可変光学素子を利用した微調整は、厳密な明細に適合できるようにするためにしばしば必要であろう。要求レベルが低い場合、最初に挙げた段階(液浸流体の導入または除去による像空間内の屈折率の変化、最終素子の厚さの変更、及び作動距離を変化させるための最終素子の変位)が、液浸構造からドライ構造への(またはその逆の)切り換えを行うのに十分であろう。
【0052】
説明のために、これらの方法段階がある程度個別に説明されている。実際には、終端素子の厚さの変更及びそれの軸方向変位は、所定の厚さ及び軸方向位置を有して個別に取り付けられた終端素子を取り除き、異なった軸方向位置及び厚さを有して同様に取り付けられたものと交換することによって、実行されることが多いであろう。
【0053】
以下の説明では、屈折及び反射屈折投影対物レンズの実際の実施形態を使用して、マイクロリソグラフィ用の高出力投影対物レンズの場合での本発明の実現可能性も実証する。一例として、図5は、特にDUV波長域での高解像度マイクロリソグラフィ用の純粋に屈折系の回転対称投影対物レンズ30を示す。この構造は、ドイツ特許公報第198 55 108号(米国特許第6,349,005号B1に対応)に示された対物レンズにほぼ対応し、それに広範に示されている。これに関して、これらの書類の開示内容は、参照として本説明の内容に援用される。
【0054】
3胴体形光学系は、248nmの作動波長、NA=0.8用に構成されており、26mm×8mmのフィールドサイズを有し、合成石英ガラス製のレンズだけを有する。構造の詳細が、表1に表形式で要約されている。この場合、第1欄は、屈折させるか、別の方法で識別された表面の番号を示し、第2欄は、表面の半径(mm単位)を示し、第3欄は、次の表面との間の距離(厚さで示す)(mm単位)を示し、第4欄は、材料を示し、第5欄は、作動波長における材料の屈折率を示し、第6欄は、最大使用可能半径(自由直径の半分)を示す。物体面及び像面間の全長Lは約1166mmである。湾曲はすべて球形である。
【0055】
【表1】
図5と、図6のウェハ側の端部領域の拡大図とが、液浸構造(表1)の光学系を示している。光学素子の第1群34と最終素子35との間に、約16.25mmの比較的大きい距離があることがわかるであろう。使用された最終光学素子35は、厚さが3mmの平行平面プレート(表面65、66)であって、脱イオン水からなる約2mm厚さの液浸層38に隣接しており、この液浸層は、投影対物レンズの素子35の出射面と像面32との間の空間を満たしている。この液浸構造の光学系の補正状態は、たとえば、約13mλrmsの波面収差で表すことができる。
【0056】
上記の方法段階によって光学系をドライ構造に切り換えた時、ウェハ側の端部領域は、図7に詳細に示す構造になる。詳細な明細が、表2に示されている。終端プレート35が第1群34の最終素子に相当に近づいた位置へ移動しており、その結果、作動距離37が約2mmから約12mmに増加していることがわかるであろう。プレートの厚さは、3mmから約5mmに増加している。本例では、図6の薄いプレート35を対応の厚いプレート35’(図7)と交換することによってこれが行われている。このために、プレートは、個別に取り付けられて、それぞれ、個々の取り付け体を交換することによって、同時に第1群34及び終端素子間の適正な軸方向距離も設定されるような寸法になっている。他の実施形態では、zマニピュレータを利用した端部プレートの軸方向変位が行われる。液浸構造からドライ構造への切り換え時の厚さの増加は、液浸構造で存在している薄いプレートに約2mm厚さの薄いプレートをクリップ留めすることによって行われる。この光学的に中立な連結によって、2つの部品を有する最終光学素子が形成され、2つの部品を互いに分離することによって、取り外すことなく最終素子の厚さを変化させることができる。
【0057】
【表2】
図8〜図10から、本発明が屈折光学系に限定されないで、反射屈折投影対物レンズにも使用できることが明らかになる。物体面41上に位置するパターンを、中間実像51を形成することによって像面42上に4:1の縮尺で投影するために、幾何学的ビームスプリッタ50を備えた反射屈折投影対物レンズ40が設けられている。光軸43は、幾何学的ビームスプリッタ50で折れ曲がって、投影に凹面鏡52を使用できるようにしており、これによって、光学系全体の色補正が容易になる。投影対物レンズの基本構造及びそれの光学特性は、ドイツ特許第101 27 227号(欧州特許第1 260 845号に対応)から詳細に理解することができ、これらの開示内容は、参照として本説明に援用される。
【0058】
図8及び図9と表3は、液浸構造の特性を示す一方、図10及び表4は、対応のドライ構造を示す。表の第2欄に「AS」を記した表面は非球面であり、表面形状は、表の非球面データと欧州特許第1 260 845号に引用された式とを使用して計算することができる。投影対物レンズ40は、約157nmの作動波長用に構成されており、すべてのレンズ用に使用されているフッ化カルシウムのレンズ材料は、屈折率N=1.55841である。像側の開口数はNA=0.8であり、光学系は、22.7mm2 のフィールドサイズ用に構成され、二重テレセントリック系である。
【0059】
【表3】
液浸構造(図8及び図9)では、液浸層48と接触したほぼ平行平面の終端素子45(表面46、47)が、像面42から2mmの作動距離の位置にあり、厚さが約8mmである。この液浸構造の補正状態は、たとえば、約8mλrmsの波面収差で表すことができる。
【0060】
図10及び表4に示されたドライ構造では、終端プレートが第1群44に近づいた位置へ移動しているので、約7.8mmの大きい作動距離がある。液浸構造からドライ構造への切り換えで、終端プレート45’の厚さが約9.7mmに増加している。補正状態は、たとえば、約8mλrmsの波面収差で表すことができる。
【0061】
【表4】
次に、以上の基本調整に従ってなくす必要がある残留誤差を減少させることができるさまざまな補正方法を説明する。可能な方法の1つは、第1群の球面レンズ表面の1つにナノ非球面形を追加することである。ここで、ナノ非球面形とは、球面とわずかに(ナノメートルの範囲で)異なった球面形状を表し、その結果、球面レンズから比較的容易に形成することができる。ナノ非球面形を追加した反射屈折ドライ光学系が、表5に示されている。ここでは、元は球面であった表面32が非球面として形成されていることがわかる。これは、それに応じて異なったレンズを交換するか、取り外して表面加工し、塗布した後に設置することによって、行うことができる。その結果、光学系の補正状態が相当に改善した。それは、たとえば、約8mλrmsの波面収差で表すことができる。
【0062】
【表5】
残留誤差の除去は、全光学系の光コンダクタンス(開口数とフィールドサイズとの積)を減少させることによっても可能である。このようにして、構造に対する要求が全体的に軽減される。たとえば、図8〜図10に示された光学系が表6に示されており、20mm×5mmの小さいフィールドサイズを有する。このようにして、十分に良好な補正状態を達成することができ、たとえば、約9mλrmsの波面収差で表すことができる。
【0063】
【表6】
本発明の内容において、最終光学素子、たとえば、終端プレートを投影対物レンズから取り除き、その代わりに、投影対物レンズの出射面と比べて大きく、適当な、特に異なった厚さを有する平行平面プレートを使用することができ、このプレートは、ウェハ全体か、その表面の大部分にわたって延在する。この平行平面プレートは、液浸液体と共に、ウェハ上に置かれ、このプレート/液浸結合体を通して露光が行われる。この場合の「残留投影対物レンズ」では、高レベルの球面不足補正になる。必要ならば、上記のようにさらに調整することができる。本発明を使用することによって、最終光学素子が最初は、ほとんど屈折力を有さないでほとんど湾曲していないものではなく、たとえば、球面または非球面入射側と、ほぼ、または完全に平坦な出射側とを有する平凸レンズによって形成されている投影対物レンズを調整することもできる。この場合、この素子から液浸構造を形成するために、平面プレートを分割する(原文通り)ことによって、それの厚さを減少させることができる。上記説明と同様にして、他の調整方法を実行することもできる。
【0064】
本発明は、ドライ対物レンズ及び液浸対物レンズの両方として使用することができる組み合わせ形投影対物レンズを提供している。設計パラメータを適当に選択することによって、本発明に従って構成された「ドライ対物レンズ」をわずかな労力で調整して「液浸対物レンズ」を形成するか、その逆が可能になる。本発明に従ったドライ対物レンズの場合、構造に比較的簡単な変更を加えるだけで、液浸光学系として使用し、したがって、ユーザは焦点深度を深くした露光プロセスを行うことができる。また、解像度の点でも利点が得られるであろう。液浸構造を調整してドライ構造を形成することによって、「ドライ」リソグラフィの利点を利用することができる。
【0065】
本発明は、ビームスプリッタの有無に関係なく、反射屈折系とまったく同様にして純粋屈折系に使用することができ、ビームスプリッタ光学系の場合、物理的ビームスプリッタ(たとえば、ビームスプリッタ構造)を備えた光学系、及び幾何学的ビームスプリッタを備えた光学系の両方を考えることができる。適当な屈折系のさらなる例が、欧州特許第1 245 984号、欧州特許第1 235 091号または米国特許第6,008,884号の公報に示されている。幾何学的ビームスプリッタを備えた適当な反射屈折系が、米国特許出願第2002/0145811号に示されている。最後の2つの書類の場合、平凸レンズの形の最終素子を備えた光学系が示され、これは、平面プレートの分割及びそれに伴った方法について説明したように調整することができる。これらの書類の開示内容は、参照として本説明に援用され、本発明と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液浸構造の屈折投影対物レンズの概略図と、補正状態(軸方向の点の横方向収差)に関するグラフである。
【図2】液浸媒体を除去した後の投影対物レンズの概略図と、それに対応した補正状態に関するグラフである。
【図3】図1に示された投影対物レンズの、最終光学素子の厚さを増加させた後の概略図と、それに対応した補正状態のグラフである。
【図4】図1に示された投影対物レンズの、作動距離を大きくすると共にウェハから遠い少なくとも1つのレンズを変位させてドライ構造に切り換えた時の概略図と、それに対応した補正状態に関するグラフである。
【図5】液浸構造の屈折投影対物レンズの実施形態のレンズの断面図である。
【図6】図5の投影対物レンズの、像に近いレンズの拡大詳細図である。
【図7】ドライ構造に適合させた後の同じ投影対物レンズの図6と同様な拡大図である。
【図8】液浸構造にある幾何学的ビームスプリッタを備えた反射屈折投影対物レンズの実施形態を示す図である。
【図9】図8に示された投影対物レンズの、像に近いレンズの拡大詳細図である。
【図10】図8に示された投影対物レンズのドライ構造の場合の図9と同様な詳細図である。
【符号の説明】
10 屈折投影対物レンズ
11 物体面
12 像面
13 光軸
14 第1群
15、15’ 最終光学素子
16 出斜面
17 像空間
18 液浸媒体
19 入射面
20 発散レンズ
30 回転対称投影対物レンズ
32 像面
34 第1群
35 最終光学素子
37 作動距離
38 液浸層
40 反射屈折投影対物レンズ
41 物体面
42 像面
43 光軸
45 終端素子
48 液浸層
50 幾何学的ビームスプリッタ
51 中間実像
52 凹面鏡
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体面上に配置されたパターンを像面に投影する投影対物レンズと、そのような投影対物レンズを調整する方法に関する。好適な適用分野は、マイクロリソグラフィの投影露光系に使用される投影対物レンズである。
【0002】
【従来の技術】
半導体構成部品及び他の微細構造部品を製造するために、フォトリソグラフィ投影対物レンズが何十年にもわたって使用されてきた。それらは、以下にマスクまたはレチクルとも呼ぶフォトマスクのパターンまたは目盛り付きプレートを、感光層を塗布した物体上に、たとえば、フォトレジストを塗布した半導体ウェハ上に最大解像度で縮小して投影するために使用される。
【0003】
100nm以下のより微細な構造体を形成するために、多くの開発が進められている。第1に、投影対物レンズの像側の開口数(NA)を、現時点で一般的な値を超えてNA=0.8以上に高めようとする試みが行われている。また、たとえば、248nm、193nm、157nmまたはそれ以下のますます短い波長が、好ましくは波長が60nm未満の紫外線が使用されている。位相シフトマスク及び/または斜め照明を使用することによって、解像度及び/または焦点深度を改善しようとする試みが度々行われている。
【0004】
従来では、最終光学素子の出射面と像面との間の像空間内に有限作動距離があり、作動中はそれを空気または別の適当なガスで満たした投影対物レンズがほぼ排他的に使用されている。そのような光学系は、「ドライ光学系」または「ドライ対物レンズ」と呼ばれる。像空間は一般的に、ヘリウム、窒素または他のガスか、屈折率nがほぼ1の混合ガスで満たされている。
【0005】
高屈折率の液浸媒体を最終光学素子の出射面と基板との間の空間に導入することによって、達成可能な解像度を改善する方法もすでに存在する。この技術は、液浸リソグラフィと呼ばれる。これの従来例が、米国特許第4,346,164号に示されている。この技術に適応させた投影対物レンズは、「液浸光学系」または「液浸対物レンズ」と呼ばれる。液浸を導入するだけであるので、開口数NA=n.sinθ、したがって、解像度
【数1】
は変化しない。ここで、θは近軸周縁光線角、λは波長、CDは合成限界寸法の大きさである。実験定数k1 は、プロセスに依存している。液浸媒体の助けによって、NA>1、特にNA=1.3または1.4までの開口数を達成することが可能である。液浸リソグラフィにおける一般的な作動距離は、空気系で一般的な値より相当に小さい。
【0006】
従来から求められている液浸リソグラフィの利点は実質的に、開口数がNA>1の値まで増加し、従って、解像度が向上する可能性にある。液浸リソグラフィに適し、像側で開口数NA>1が得られる幾つかの屈折投影対物レンズが、本出願人の特許出願であるドイツ特許出願第102 10 899号及び国際/欧州特許出願第02/04846号に開示されている。
【0007】
露光プロセスに重要な別のパラメータは、達成できる焦点深度(DOF)である。空気系の場合、これが1/NA2 に比例して減少するため、高開口数の投影対物レンズでは、実際に適した焦点深度の値を達成することも困難になる。その結果、露光すべき基板を正確に位置決めした配置及びそれらの表面品質に対する要求事項が相当に増加する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、投影対物レンズと、ユーザが異なった処理状態において露光プロセスを最適に実行できるようにする投影対物レンズの適当な調整方法との提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、請求項第1項〜第25項の特徴を有する投影対物レンズと、請求項第30項の特徴を有する投影対物レンズの調整方法とを提供している。好都合な開発が、従属請求項に明記されている。すべての請求項の用語表現は、本説明の内容の一部をなす。
【0010】
【発明の実施の形態】
物体面上に配置されたパターンを像面に投影するための本発明の投影対物レンズは、ほぼ投影対物レンズの光軸に沿って配置された多数の光学素子を有する。光学素子は、物体面の次に続く第1群の光学素子と、第1群の次に続き、像面に最も近く、像面から作動距離を置いて配置された投影対物レンズの出射面を定める最終光学素子とを備えている。この場合、最終光学素子は、屈折力をほとんど有さないで、まったく、またはわずかしか湾曲していない。投影対物レンズは、収差に応じて、屈折率が1より相当に大きい液浸媒体で作動距離を満たすように調整される。
【0011】
本出願において、屈折力がわずかである光学素子は、平行平面プレートなどの、屈折力がほとんどないか、非常に低レベルの屈折力しかないかのいずれかである。それらは、少なくともわずかに湾曲した表面を備えた素子であることができ、その湾曲光学表面の半径が、光学素子の直径より大きい(原文通り)。出射側は理想的にはほぼ平坦であり、したがって、せいぜいわずかな湾曲が生じるだけである。適正な調整を行えば、液浸層を確実にほぼ均一な厚さにすることができる。これらの特性を有する光学素子の場合、光学系の光学特性を大して変化させることなく、光軸に平行に軸方向変位させることができる。
【0012】
そのような液浸対物レンズの1つの特別な特徴は、機械的/光学的構造にわずかに介入することによって、「液浸構造」及び「ドライ構造」間の適合調整を行うことができることである。「ドライ構造」は、投影対物レンズを「ドライ光学系」として使用することができる投影対物レンズの機械的/光学的構造である。ドライ構造では、露光基板の像側にガス充填された作動距離が与えられると、最適投影状態が存在するように、投影対物レンズの光学特性が最適化される。これとは逆に、「液浸構造」は、同じ投影対物レンズのこの機械的/光学的構造の場合、投影対物レンズの出射面と基板との間に液浸媒体が存在する時、基板上に最適投影が行われることによって達成され、この液浸媒体の屈折率は、空気か、通常使用される他のガスの屈折率より相当に高い。
【0013】
第1光学群の光学素子は全体的に、通過する波面の球面不足補正を行うように構成されている。この場合、特に球面収差に関して、投影の十分に良好な補正状態が像面に存在するように、最終光学素子の厚さ、最終光学素子の材料の屈折率(または組み合わせ屈折率)、及び使用した液浸媒体の屈折率を互いに整合させる。
【0014】
好ましくは、第1群と最終光学素子との間に長い距離を置いており、これにより、特に隣接の光学素子を変位させることなく、最終光学素子を大きく軸方向変位させることができる。調整中に最終光学素子を像面に対して変位させることができることで、出射面と基板表面との間の作動距離を適当に設定することができるようになる。投影対物レンズは好ましくは、液浸構造での作動距離が、ドライ構造の場合より小さくなるように構成されている。ドライ光学系用の一般的な作動距離は、数mm程度、たとえば、約5〜約20mm、特に約6〜約12mmにすることができる。他方、液浸構造の場合の一般的な作動距離は、相当に小さくすることができ、たとえば、1〜2mmまたはそれ以下の少ない値にすることができる。
【0015】
投影対物レンズを調整するために本発明によって提供された方法を使用することによって、この液浸対物レンズをわずかな方策でドライ対物レンズに切り換えることができる。本方法は、最終光学素子の厚さを変化させることと、出射面及び像面間の空間の屈折率を変化させることとを含む。また、好ましくは、適当な作動距離を設定できるように、最終光学素子を軸方向に変位させる。
【0016】
液浸構造からドライ構造に切り換える際は、たとえば、像側の作動領域の屈折率を、液浸媒体の比較的高い値(一般的にn>1.3)から適当なガスのn=1〜1.1程度の低い値に減少させる。最終光学素子の厚さを変化させ、一般的に増加させ、また、必要か、適当であれば、光学素子を第1群の方向に変位させて、大きい作動距離が設定されるようにする。
【0017】
光学系をドライ光学系から液浸光学系に構成し直す場合、変更を逆方向に進める。この場合、最終光学素子の厚さを通常は減少させ、また、適当であれば、光学素子を像面の方向に変位させて、小さい作動距離が設定されるようにする。(狭くなった)距離領域に液浸媒体を導入する結果、この領域の屈折率が増加する。
【0018】
上記方策の物理的背景は、以下のように理解されるであろう。上記特性を有する最終光学素子、たとえば、ほぼ平行平面のプレートはそれ自体が、材料の屈折率の増加に伴って低下するレベルの球面過剰補正の効果を有する。発生する可能性がある過剰補正は、厚さに比例し、厚さの減少に伴って減少する。これらの効果自体は周知である。たとえば、米国特許第5,973,863号は、最終光学素子として交換可能なプレートを有することができるドライ対物レンズを記載している。異なった湾曲のプレートを交換することによって、球面収差及び/または像視野湾曲が調整される。
【0019】
空気中の厚さdの平面プレートの開口数誤差SPHは、たとえば、ひとみの縁部の長手方向収差SPHとして、以下のように計算することができる。
【0020】
【数2】
たとえば、平面プレートを異なった屈折率の媒体と交換すると、そのプレートが光学系に導入する球面収差も変化する。しかし、理論的には、新しい光学素子の厚さのスケーリングによって、球面収差を、正確には1つのひとみ高さについてだけ、交換前の値(すなわち、上記式において、対物レンズのNAより小さいNAの値)に適応させることができるので、球面収差にゾーン誤差が残る。交換すべき領域が厚いほど、また、液浸媒体の屈折率と最終光学素子の屈折率との差異が大きいほど、これらのゾーン誤差が大きくなる。
【0021】
液浸構造内の作動距離を小さくし、投影対物レンズの開口数を少なくし、かつ/または出射面に隣接する材料及び液浸媒体の屈折率を良好に一致させることが、ゾーン誤差の最小化に好ましい。したがって、光学系の明細によっては、そのような基本的補償が、ドライ対物レンズを液浸対物レンズに(またはその逆に)適合調整するのに十分であろう。
【0022】
特に、光学系を液浸構造からドライ構造に変更する時、液浸媒体の代わりに、良好な屈折率一致(屈折率整合)性を有する光透過性材料を用いることもできる。たとえば、出射面に隣接する光学部品に、石英ガラスの代わりとしてフッ化カルシウム、フッ化リチウムなどを使用することによって、屈折率整合を向上させることができる。このようにして、残留収差の発生を大幅に減少させることができる。出射面に隣接した最終光学素子の光学材料は、液浸媒体の屈折率nI に近い屈折率nE を有する必要があり、nI /nE の比が0.8を超え、特に0.9を超えることが好ましい。たとえば、2枚のプレートを有する最終光学素子の場合、(出射面を有する)最終プレートをフッ化カルシウムまたはフッ化リチウムで構成することができる。ドライ構造の場合、このプレートを設置し、液浸構造の場合、これを取り除くことができる。その場合、液浸流体がそれの光学効果にほぼ取って代わる。
【0023】
残留ゾーン誤差の補正が必要か、望ましい場合、たとえば、レンズ間の空気隙間を特別に変化させることによって、投影対物レンズをさらに調整することができる。これについては、さらに詳細に後述する。
【0024】
高屈折率の液浸流体を使用することによって、焦点深度を相当に増加させることができることがわかっている。この効果は、開口数に無関係であり、特に1.0未満の開口数で利用することができる。焦点深度は次の式で計算できることがわかる。
【0025】
【数3】
小さい値のNAの場合にはこの関係が、周知の近軸関係:
【数4】
に変化する。定数k2はプロセスに依存している。これの結果として、たとえば、液浸媒体がNA=0.95、屈折率n=1.45である投影対物レンズをドライ対物レンズ(n=1.0)と比較すると、焦点深度を約2倍に増加させることができる。このようにして、露光すべき基板の位置決め正確度及びそれらの表面状態に対する要求を相当に軽減することができる。また、非理想的な焦点合わせ及び/または構成済み表面の場合でも、非常に微細な構造を十分な鮮鋭度で作製することができる。
【0026】
使用する液浸媒体は、たとえば、適当な液体にすることができる。適当な液浸流体の一般的な屈折率は、およそnをほぼ1.3以上にすることができる。J.Vac.Sci.Technol.B19(6)2001年11月・12月号1ページ以降のM.Switkes及びM.Rothschildによる論文「157nmでの液浸リソグラフィ(Immersion Lithography at 157 nm)」には、 パーフルオロポリエーテル(PFPE)をベースにした液浸液体が示されており、これは、157nmの作動波長において十分な光透過性を有し、マイクロリソグラフィに現在使用されている幾つかのフォトレジスト材料に適合する。1つの検査液浸液体は、157nmで屈折率n=1.37である。193nmの波長では、たとえば、屈折率n=1.45の脱イオン水を使用することができる。
【0027】
最終光学素子は、軸方向に変位可能に取り付けることができる。最終光学素子を適当に取り付けることによって、たとえば、z操作(すなわち、光軸に平行な光学素子全体の平行変位)が可能である。そのような軸方向移動を実行するための適当な取り付け体が、たとえば、米国特許第4,961,001号から周知である。変位を行うため、スペーサの挿入または除去後に、素子を取り除いて設置し直すことによって、さまざまな軸方向位置にはめ付けることもできる。
【0028】
最終光学素子が、材料の除去または材料の付着を行わないで変更できる厚さを有することが可能である。たとえば、最終光学素子に、切り離し可能または分離可能に互いに連結された複数の構成部品を設けて、それらを互いに距離を置いて配置し、互いにクリップ留めするか、光学的に中立に相互連結することができる。たとえば、最終光学素子が(厚い)内側及び(薄い)外側プレートを有する場合、最終光学素子の厚さは、それぞれ薄いプレートの取り除きまたは挿入によって、薄いプレートの厚さ分だけ減少または増加させることができ、したがって、素子の厚さをこの量だけ変化させることができる。したがって、最終光学素子を単一部品か、幾つかの部品片で構成することができる。それは一般的に、第2群と呼ぶことができる。
【0029】
最終光学素子の材料除去または材料付着処理によって、厚さを変更することも可能である。このために、最終光学素子は通常、取り外されて、厚さの調整後に設置し直される。
【0030】
最終光学素子が、透明材料製の1枚または複数枚のほぼ平行平面のプレートを有する場合、軸方向位置が対物レンズの収差にまったく影響を与えることなく、この素子を光軸に沿って自由にシフトまたは変位させて作動距離を調整することができるので、好都合である。
【0031】
最終光学素子の軸方向シフトまたは変位を容易にするために、本発明に従った投影対物レンズの一部の実施形態では、最終素子の前方(すなわち、投影対物レンズ内)の自由作動距離、すなわち、材料が存在しない作動距離が、投影対物レンズの全長の約0.5%〜1%を超える。すなわち、変位行程を大きくすることができ、これは一般的に、数ミリメートルから数センチメートル程度の大きさであろう。最終光学素子が、両側に比較的大きい軸方向隙間を有していれば、好都合である。たとえば、最終光学素子の前方の自由距離と、出射面及び像面間の距離との合計が、投影対物レンズの全長の約0.5%〜1%より大きい。
【0032】
ドライ対物レンズの作動距離を縮めて、液浸媒体、たとえば、液体を満たした場合、これらの構造変化によって一般的に深刻な収差が発生し、その原因は主に、液浸層の有限厚さと、像側の開口数が通常は比較的高いことにある。液浸対物レンズからドライ対物レンズに変更する間に、作動距離を増加させ、浸漬媒体を除去した時にも、同じことが言える。特に、像側がテレセントリック系の対物レンズの場合、球面収差が支配的である。本発明に従った一部の投影対物レンズでは、ほとんどまったく屈折力を有していない最終素子の特定の厚さ変化によって、これらの収差を大幅に補償することができる。
【0033】
補償することができない残留誤差が、特にフィールドゾーン(ゾーン誤差)に残る可能性がある。これらの残留誤差を減少させるために、一部の実施形態では、これらの残留誤差をほぼなくすことができるように、第1群の光学特性を特別に変更することが可能である。
【0034】
一部の実施形態では、第1群の少なくとも1つの変位可能な光学素子を適当に変位させることによって、実質的な、または完全な補償(調整)を達成することが可能である。問題となる収差は、球面収差である。(少なくとも1つの)変位可能な光学素子を光軸に沿って変位させることができる実施形態がある。調整中の1回の変位で十分であろう。これは、たとえば、隣接スペーサの取り付けまたは取り外しによって行うことができる。作動中の調整も可能であろう。このために、光学素子を、制御可能なz操作の可能性を有する適当な取り付け体内に取り付けることができ、したがって、移動可能にすることができる。複数の変位可能及び/または移動可能な光学素子を設け、たとえば、その数を5、6、7、8、9または10以上にすることが好都合であることがわかっている。その結果、全収差をなくすために必要な素子の変位及び/または移動を多くの素子に分散させることができ、したがって、これらの素子の個々にはわずかな変位が必要なだけである。これによって、機械的構造が容易になり、操作の自由度を増すことができる。
【0035】
軸方向変位の代わりか、それに追加して、1つまたは複数の可動素子の傾斜または偏心も用いることができる。
【0036】
一部の実施形態の構造において、変位可能な素子及び/または可動素子の前方、及び/または変位可能な素子及び/または可動素子の後方の自由距離が、像側の作動距離領域内に液浸媒体を導入することによって発生する収差の少なくともかなりの部分を、光学素子の変位によって補正できるようにする大きさの寸法であることから、一部の投影対物レンズで液浸構造及びドライ構造間の切り換え調整が可能であることがわかるであろう。
【0037】
あるいは、または追加して、投影対物レンズに、好ましくは少なくとも1つの非球面を有する少なくとも1つの交換可能な光学補正素子を割り当てることができる。たとえば、これは、ドライ構造から液浸構造に(またはその逆に)切り換える時の残留収差が補正されるようにそれぞれ設計された光学効果を有する1組の複数の非球面補正プレートにすることができる。補正素子は、タレットなどの交換可能なホルダ内に保持することができ、通常は第1群内の適当な点に、たとえば、投影対物レンズのひとみ面またはフィールド面付近に導入される。
【0038】
あるいは、または追加して、球面を機械加工して非球面にすることによって、既存の光学表面、たとえば、レンズの入射または出射面を補正面として構成することもできる。
【0039】
一部の実施形態では、少なくとも1つの湾曲光学表面を有する少なくとも1つの光学素子で、この光学表面の湾曲を永久的または可逆的に変化させることができる。その結果、ドライ構造及び液浸構造間の切り換え中に、特に少なくとも1つのレンズの半径を変更することもできる。たとえば、可変湾曲光学表面を適応鏡またはひずみ可能レンズによって形成することができる。光学表面の少なくとも1つの半径の変化を利用して、ペッツバルの条件を補正することができる。これは、たとえば、出射面が平面的でないドライ対物レンズの場合に利用することができる。半径の変化は、それが投影対物レンズの最終(像に最も近い)半径の1つの半径であって液浸媒体に隣接していない時の光学特性の調整に特に効果的である。
【0040】
本発明に従った投影対物レンズの多くの実施形態を好都合な構造で最適化することによって、エンドユーザが大きい焦点深度を有するプロセス管理を行うことができる。したがって、これらの投影対物レンズは、出射面と像面との間に液浸媒体を使用した時、像側の開口数がNA<1、好ましくは約0.7〜1、特に0.8〜1であるように構成することができる。像側の開口数が1に近い値である場合、この高開口数範囲では、開口数の増加時に焦点深度が不均等に増加するという利点がある。
【0041】
本発明の好適な発展の上記及びさらなる特徴は、請求の範囲と共に説明及び図面から明らかになり、個々の特徴は、本発明の実施形態及び他の分野で、それぞれ単独に、または複数を部分的組み合わせの形にして実現し、好都合な実施形態と共に保護自体が可能な実施形態も構成することができる。
【0042】
【実施例】
本発明の実施例を例示的に図面に示し、以下に詳細に説明する。
【0043】
図1は、半導体部品及び他の微細構造部品のマイクロリソグラフィ製造用の屈折投影対物レンズ10を概略的に示す。真空紫外域(DUV)から作動する縮小対物レンズ使用して、投影対物レンズの物体面11上に配置されたフォトマスク(レチクル)のパターンを、投影対物レンズの像面12上に配置されるフォトレジスト塗布済み半導体ウェハ上に縮小して投影することができる。投影対物レンズには、光学系の光軸13に沿って配置された多数の光学素子が、合成石英ガラス製のレンズの形で設けられている。光学素子は、物体面のすぐ次に続く第1群14と、第1群14の次に続く、像面12に最も近い位置にある最終光学素子15とを含む。最終光学素子は、以下の説明では終端素子15とも呼ばれており、1つまたは複数の部品で構成することができる。終端素子の、像面に面する出射面16は、同時に投影対物レンズの出射面16を形成している。これは、像面から数ミリメートルの作動距離を置いて配置されている。終端素子15は、石英ガラス製の平行平面プレートであり、したがって、屈折力も湾曲もまったく有していない。第1群14と終端素子15との間には、数ミリメートルの比較的大きい距離があり、これによって、終端素子15を第1群14の方向に軸方向シフトまたは変位させることができる。投影対物レンズ10は、液浸構造で示され、したがって、液浸対物レンズとして構成されている。すなわち、発生した像誤差(収差)に対して、出射面16及び像面12間の像空間17に、屈折率が1より相当に高い液浸媒体18を満たすようにして調整されることを意味する。本例では、248nmの作動波長での屈折率nI =1.4の液浸液体を使用している。
【0044】
光学素子の第1群14全体は、それを通過する波面が、第1群の後方かつ最終素子の入射面19の前方で球面不足補正されるように構成されている。この補正状態が、横のグラフ(a)で示されており、これは、軸方向に補正状態を横方向収差として表している。収差曲線がゼロ線から大きくずれていることは、球面不足補正の程度が大きいことを表している。
【0045】
周知のように、平行平面プレートは、本質的に球面過剰補正をもたらし、これは、プレートの厚さに伴って増加し、材料の屈折率の増加に伴って減少する(SPHの計算式を参照されたい)。したがって、平行平面プレート15を通過した後、波面の不足補正の程度がプレートに入射する前より軽減される。これが、グラフ(b)に概略的に示されている。
【0046】
プレート15の屈折率と異なった屈折率の薄い液浸層18も同様に、平行平面プレートのように作用して、さらなる球面過剰補正をもたらす。
【0047】
本例では、像面12上の波面の球面収差がほぼ完全に補正される(グラフ(c))ように、終端プレート15の厚さ及びそれの屈折率、液浸層18の厚さ及びそれの屈折率、第1群14の球面不足補正を互いに調和させる。したがって、この液浸構造では、十分に良好に補正された投影が可能である。
【0048】
次に、図2〜図4を使用して、わずかな構造変更を加えることによって同じ投影対物レンズを良好な補正状態のドライ対物レンズとして使用できるようにする投影対物レンズ調整方法を説明する。図2〜図4に示された方法段階は、図示の順序か、異なった順序か、少なくとも部分的に同時に実行することができる。図示の方法の例では、第1段階で、液浸媒体18を像空間から除去する(図2)。この分離された処理は、終端素子15に入射する前(グラフ(a))及び終端素子から出射した後(グラフ(b))の補正状態をまったく変化させない。しかし、液浸流体からなる高屈折率の平行平面層を像空間から取り除いた結果、それの過剰補正作用が除去され、したがって、像面12上での補正状態は、出射面16での不足補正状態と一致する(グラフ(b)及び(c)を比較されたい)。
【0049】
さらなる段階(図3)で、最終光学素子15’の厚さを増加させる。その工程で、厚さの増加に伴って、それの過剰補正作用が増加するであろう。厚くしたプレート15’によって生じる過剰補正が、プレート入口19での不足補正状態(グラフ(a))をほぼ補償するように、プレート材料の屈折率に従って厚さが選択される。この投影対物レンズの場合、この方法で達成することができる像面での投影状態が、グラフ(b)に示されており、このグラフでは、残留誤差を図形表示できるように、縦軸方向が拡大されている。本例では、ひとみの中心及び縁部で非常に良好な補正状態が達成されるが、主にひとみゾーンではわずかな過剰補正が存在することがわかるであろう。
【0050】
ここに記載した方法例では、投影対物レンズは、さらなる2段階で図4に示されたドライ構造に切り換えられる。1つの段階は、最終光学素子15’を第1群14の方向に実際に変位させることによって、液浸構造(図1)と比較して大きい作動距離を設定することである。これは、電気的または他の方法で駆動することができるzマニピュレータを利用して素子15’を軸方向変位させることによって行うことができる。また、最終光学素子を個別に取り付けて、第1群の取り付け体と最終光学素子の取り付け体との間にスペーサを使用して、スペーサの除去または設置によって適当な距離を設定することもできる。平行平面プレート15’からできる限り屈折力をなくし、湾曲を付けていないので、この軸方向変位は、対物レンズの収差に確認できる影響を与えることなく、行うことができる。
したがって、さらなる処理を加えなければ、図4に従ったドライ構造の補正状態は、図3(b)の補正状態に対応する。しかし、図示の実施形態では、第1群のレンズの少なくとも1つ、すなわち、図示の発散レンズ20が、zマニピュレータによって軸方向に変位できるように取り付けられている。この場合、図3(b)に示された残留誤差は、レンズ20を物体面の方向(矢印)にわずかにシフトさせることによって補償することができ、したがって、最終調整されたドライ対物レンズは、出射面で十分に良好な補正状態を有する(グラフ(b))。
【0051】
この最終段階、すなわち、第1群内の少なくとも1つの操作可能または可変光学素子を利用した微調整は、厳密な明細に適合できるようにするためにしばしば必要であろう。要求レベルが低い場合、最初に挙げた段階(液浸流体の導入または除去による像空間内の屈折率の変化、最終素子の厚さの変更、及び作動距離を変化させるための最終素子の変位)が、液浸構造からドライ構造への(またはその逆の)切り換えを行うのに十分であろう。
【0052】
説明のために、これらの方法段階がある程度個別に説明されている。実際には、終端素子の厚さの変更及びそれの軸方向変位は、所定の厚さ及び軸方向位置を有して個別に取り付けられた終端素子を取り除き、異なった軸方向位置及び厚さを有して同様に取り付けられたものと交換することによって、実行されることが多いであろう。
【0053】
以下の説明では、屈折及び反射屈折投影対物レンズの実際の実施形態を使用して、マイクロリソグラフィ用の高出力投影対物レンズの場合での本発明の実現可能性も実証する。一例として、図5は、特にDUV波長域での高解像度マイクロリソグラフィ用の純粋に屈折系の回転対称投影対物レンズ30を示す。この構造は、ドイツ特許公報第198 55 108号(米国特許第6,349,005号B1に対応)に示された対物レンズにほぼ対応し、それに広範に示されている。これに関して、これらの書類の開示内容は、参照として本説明の内容に援用される。
【0054】
3胴体形光学系は、248nmの作動波長、NA=0.8用に構成されており、26mm×8mmのフィールドサイズを有し、合成石英ガラス製のレンズだけを有する。構造の詳細が、表1に表形式で要約されている。この場合、第1欄は、屈折させるか、別の方法で識別された表面の番号を示し、第2欄は、表面の半径(mm単位)を示し、第3欄は、次の表面との間の距離(厚さで示す)(mm単位)を示し、第4欄は、材料を示し、第5欄は、作動波長における材料の屈折率を示し、第6欄は、最大使用可能半径(自由直径の半分)を示す。物体面及び像面間の全長Lは約1166mmである。湾曲はすべて球形である。
【0055】
【表1】
図5と、図6のウェハ側の端部領域の拡大図とが、液浸構造(表1)の光学系を示している。光学素子の第1群34と最終素子35との間に、約16.25mmの比較的大きい距離があることがわかるであろう。使用された最終光学素子35は、厚さが3mmの平行平面プレート(表面65、66)であって、脱イオン水からなる約2mm厚さの液浸層38に隣接しており、この液浸層は、投影対物レンズの素子35の出射面と像面32との間の空間を満たしている。この液浸構造の光学系の補正状態は、たとえば、約13mλrmsの波面収差で表すことができる。
【0056】
上記の方法段階によって光学系をドライ構造に切り換えた時、ウェハ側の端部領域は、図7に詳細に示す構造になる。詳細な明細が、表2に示されている。終端プレート35が第1群34の最終素子に相当に近づいた位置へ移動しており、その結果、作動距離37が約2mmから約12mmに増加していることがわかるであろう。プレートの厚さは、3mmから約5mmに増加している。本例では、図6の薄いプレート35を対応の厚いプレート35’(図7)と交換することによってこれが行われている。このために、プレートは、個別に取り付けられて、それぞれ、個々の取り付け体を交換することによって、同時に第1群34及び終端素子間の適正な軸方向距離も設定されるような寸法になっている。他の実施形態では、zマニピュレータを利用した端部プレートの軸方向変位が行われる。液浸構造からドライ構造への切り換え時の厚さの増加は、液浸構造で存在している薄いプレートに約2mm厚さの薄いプレートをクリップ留めすることによって行われる。この光学的に中立な連結によって、2つの部品を有する最終光学素子が形成され、2つの部品を互いに分離することによって、取り外すことなく最終素子の厚さを変化させることができる。
【0057】
【表2】
図8〜図10から、本発明が屈折光学系に限定されないで、反射屈折投影対物レンズにも使用できることが明らかになる。物体面41上に位置するパターンを、中間実像51を形成することによって像面42上に4:1の縮尺で投影するために、幾何学的ビームスプリッタ50を備えた反射屈折投影対物レンズ40が設けられている。光軸43は、幾何学的ビームスプリッタ50で折れ曲がって、投影に凹面鏡52を使用できるようにしており、これによって、光学系全体の色補正が容易になる。投影対物レンズの基本構造及びそれの光学特性は、ドイツ特許第101 27 227号(欧州特許第1 260 845号に対応)から詳細に理解することができ、これらの開示内容は、参照として本説明に援用される。
【0058】
図8及び図9と表3は、液浸構造の特性を示す一方、図10及び表4は、対応のドライ構造を示す。表の第2欄に「AS」を記した表面は非球面であり、表面形状は、表の非球面データと欧州特許第1 260 845号に引用された式とを使用して計算することができる。投影対物レンズ40は、約157nmの作動波長用に構成されており、すべてのレンズ用に使用されているフッ化カルシウムのレンズ材料は、屈折率N=1.55841である。像側の開口数はNA=0.8であり、光学系は、22.7mm2 のフィールドサイズ用に構成され、二重テレセントリック系である。
【0059】
【表3】
液浸構造(図8及び図9)では、液浸層48と接触したほぼ平行平面の終端素子45(表面46、47)が、像面42から2mmの作動距離の位置にあり、厚さが約8mmである。この液浸構造の補正状態は、たとえば、約8mλrmsの波面収差で表すことができる。
【0060】
図10及び表4に示されたドライ構造では、終端プレートが第1群44に近づいた位置へ移動しているので、約7.8mmの大きい作動距離がある。液浸構造からドライ構造への切り換えで、終端プレート45’の厚さが約9.7mmに増加している。補正状態は、たとえば、約8mλrmsの波面収差で表すことができる。
【0061】
【表4】
次に、以上の基本調整に従ってなくす必要がある残留誤差を減少させることができるさまざまな補正方法を説明する。可能な方法の1つは、第1群の球面レンズ表面の1つにナノ非球面形を追加することである。ここで、ナノ非球面形とは、球面とわずかに(ナノメートルの範囲で)異なった球面形状を表し、その結果、球面レンズから比較的容易に形成することができる。ナノ非球面形を追加した反射屈折ドライ光学系が、表5に示されている。ここでは、元は球面であった表面32が非球面として形成されていることがわかる。これは、それに応じて異なったレンズを交換するか、取り外して表面加工し、塗布した後に設置することによって、行うことができる。その結果、光学系の補正状態が相当に改善した。それは、たとえば、約8mλrmsの波面収差で表すことができる。
【0062】
【表5】
残留誤差の除去は、全光学系の光コンダクタンス(開口数とフィールドサイズとの積)を減少させることによっても可能である。このようにして、構造に対する要求が全体的に軽減される。たとえば、図8〜図10に示された光学系が表6に示されており、20mm×5mmの小さいフィールドサイズを有する。このようにして、十分に良好な補正状態を達成することができ、たとえば、約9mλrmsの波面収差で表すことができる。
【0063】
【表6】
本発明の内容において、最終光学素子、たとえば、終端プレートを投影対物レンズから取り除き、その代わりに、投影対物レンズの出射面と比べて大きく、適当な、特に異なった厚さを有する平行平面プレートを使用することができ、このプレートは、ウェハ全体か、その表面の大部分にわたって延在する。この平行平面プレートは、液浸液体と共に、ウェハ上に置かれ、このプレート/液浸結合体を通して露光が行われる。この場合の「残留投影対物レンズ」では、高レベルの球面不足補正になる。必要ならば、上記のようにさらに調整することができる。本発明を使用することによって、最終光学素子が最初は、ほとんど屈折力を有さないでほとんど湾曲していないものではなく、たとえば、球面または非球面入射側と、ほぼ、または完全に平坦な出射側とを有する平凸レンズによって形成されている投影対物レンズを調整することもできる。この場合、この素子から液浸構造を形成するために、平面プレートを分割する(原文通り)ことによって、それの厚さを減少させることができる。上記説明と同様にして、他の調整方法を実行することもできる。
【0064】
本発明は、ドライ対物レンズ及び液浸対物レンズの両方として使用することができる組み合わせ形投影対物レンズを提供している。設計パラメータを適当に選択することによって、本発明に従って構成された「ドライ対物レンズ」をわずかな労力で調整して「液浸対物レンズ」を形成するか、その逆が可能になる。本発明に従ったドライ対物レンズの場合、構造に比較的簡単な変更を加えるだけで、液浸光学系として使用し、したがって、ユーザは焦点深度を深くした露光プロセスを行うことができる。また、解像度の点でも利点が得られるであろう。液浸構造を調整してドライ構造を形成することによって、「ドライ」リソグラフィの利点を利用することができる。
【0065】
本発明は、ビームスプリッタの有無に関係なく、反射屈折系とまったく同様にして純粋屈折系に使用することができ、ビームスプリッタ光学系の場合、物理的ビームスプリッタ(たとえば、ビームスプリッタ構造)を備えた光学系、及び幾何学的ビームスプリッタを備えた光学系の両方を考えることができる。適当な屈折系のさらなる例が、欧州特許第1 245 984号、欧州特許第1 235 091号または米国特許第6,008,884号の公報に示されている。幾何学的ビームスプリッタを備えた適当な反射屈折系が、米国特許出願第2002/0145811号に示されている。最後の2つの書類の場合、平凸レンズの形の最終素子を備えた光学系が示され、これは、平面プレートの分割及びそれに伴った方法について説明したように調整することができる。これらの書類の開示内容は、参照として本説明に援用され、本発明と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液浸構造の屈折投影対物レンズの概略図と、補正状態(軸方向の点の横方向収差)に関するグラフである。
【図2】液浸媒体を除去した後の投影対物レンズの概略図と、それに対応した補正状態に関するグラフである。
【図3】図1に示された投影対物レンズの、最終光学素子の厚さを増加させた後の概略図と、それに対応した補正状態のグラフである。
【図4】図1に示された投影対物レンズの、作動距離を大きくすると共にウェハから遠い少なくとも1つのレンズを変位させてドライ構造に切り換えた時の概略図と、それに対応した補正状態に関するグラフである。
【図5】液浸構造の屈折投影対物レンズの実施形態のレンズの断面図である。
【図6】図5の投影対物レンズの、像に近いレンズの拡大詳細図である。
【図7】ドライ構造に適合させた後の同じ投影対物レンズの図6と同様な拡大図である。
【図8】液浸構造にある幾何学的ビームスプリッタを備えた反射屈折投影対物レンズの実施形態を示す図である。
【図9】図8に示された投影対物レンズの、像に近いレンズの拡大詳細図である。
【図10】図8に示された投影対物レンズのドライ構造の場合の図9と同様な詳細図である。
【符号の説明】
10 屈折投影対物レンズ
11 物体面
12 像面
13 光軸
14 第1群
15、15’ 最終光学素子
16 出斜面
17 像空間
18 液浸媒体
19 入射面
20 発散レンズ
30 回転対称投影対物レンズ
32 像面
34 第1群
35 最終光学素子
37 作動距離
38 液浸層
40 反射屈折投影対物レンズ
41 物体面
42 像面
43 光軸
45 終端素子
48 液浸層
50 幾何学的ビームスプリッタ
51 中間実像
52 凹面鏡
Claims (43)
- 光軸に沿って配置された多数の光学素子を有して、物体面上に配置されたパターンを像面に投影する投影対物レンズであって、
前記光学素子は、前記物体面の次に続く第1群の光学素子と、前記第1群の次に続き、前記像面に隣接した位置にあって、前記像面から作動距離を置いて配置された出射面を定める最終光学素子とを備えており、
前記最終光学素子は、屈折力をほとんど有さないで、まったく、または、わずかしか湾曲しておらず、
収差に応じて、屈折率が1より相当に大きい液浸媒体で前記作動距離を満たすことができるようにした投影対物レンズ。 - 前記最終光学素子の大幅な軸方向変位を可能にする大きい距離が、前記第1群と前記最終光学素子との間に存在する請求項1に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終素子の前方の自由空間が、全長の約0.5%を超える先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終素子の前方の自由距離と前記出射面及び像面間の距離との合計が、全長の約0.5%を超える先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子の厚さの変化を、好ましくは前記像面に対する前記最終光学素子の変位と組み合わせて利用することによって、液浸構造及びドライ構造間の適合調整をほとんど、または完全に行うことができる先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子は、前記光軸のさまざまな軸方向位置間で変位させることができる先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子は、前記光軸に沿って移動することができる請求項6に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子は、交換することができる先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子は、可変厚さを有する先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子は、材料の除去または材料の付着を行わないで変更することができる厚さを有する請求項9に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子は、互いに距離を置いて配置されるか、光学的に中立に相互連結された複数の相互に分離可能な構成部品を有する請求項9または10に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子の構成部品は、異なった光学材料からなり、好ましくは、少なくとも1つの構成部品がフッ化物結晶、特にフッ化リチウムまたはフッ化カルシウムからなる請求項11に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子は、透明材料からなる少なくとも1つのほぼ平行平面のプレートを有し、前記素子は好ましくは、単一の平行平面プレートによって形成されている先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子は、透明材料からなる2枚の相互に分離可能なほぼ平行平面のプレートを有する先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子は、平面的な出射面を有する先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子の、前記出射面を画定する光学材料は、液浸媒体の屈折率nI に近い屈折率nE を有し、nI /nE の比が好ましくは0.8を超え、特に0.9を超える先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記第1群の前記光学素子は、少なくとも1つの変位可能な光学素子を含む先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 複数の、特に少なくとも5つの変位可能な光学素子を有する請求項17に記載の投影対物レンズ。
- 前記変位可能な光学素子の少なくとも1つが、前記光軸に沿って移動可能である請求項17または18に記載の投影対物レンズ。
- 前記変位可能な素子の前方及び/または前記変位可能な素子の後方の自由距離が、前記少なくとも1つの変位可能な光学素子を変位させることによって、前記最終光学素子を液浸媒体に適合させることによって生じる収差の少なくとも一部を補正できるような大きさである請求項17に記載の投影対物レンズ。
- 好ましくは少なくとも1つの非球面を有する少なくとも1つの交換可能な光学補正素子が割り当てられている先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記第1群の少なくとも1つの光学素子が、可逆的または永久的に可変な表面湾曲を有する少なくとも1つの光学表面を有する先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記出射面及び前記像面間に液浸媒体を使用する場合、NA<1の像側開口数(NA)を有し、前記像側開口数が、約0.7〜1、特に0.8〜1である先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 前記最終光学素子を取り除くことができ、代わりに、前記出射面と比べて大きく、露光すべき物体の大面積にわたって配置することができる平行平面プレートを用いることができる先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 光軸に沿って配置された多数の光学素子を有して、物体面上に配置されたパターンを像面に投影する投影対物レンズであって、
前記光学素子は、前記物体面の次に続く第1群の光学素子と、前記第1群の次に続き、前記像面に隣接した位置にあって、前記像面から作動距離を置いて配置された出射面を定める最終光学素子とを備えており、
前記最終光学素子は、屈折力をほとんど有さないで、まったく、またはわずかしか湾曲しておらず、
収差に応じて、屈折率が1に近いガスで前記作動距離を満たすことができるようにした投影対物レンズ。 - 請求項2乃至24の少なくともいずれか1項の特徴付け部分の特性を特徴とする請求項25に記載の投影対物レンズ。
- 純粋にジオプトリック(屈折系)である先行の請求項のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 特に少なくとも1つの中間実像を有する反射屈折系である先行の請求項1乃至26のいずれか1項に記載の投影対物レンズ。
- 物理的ビームスプリッタまたは幾何学的ビームスプリッタを有する請求項28に記載の投影対物レンズ。
- 物体面上に配置されたパターンを像面に投影するために設けられて、多数の光学素子を有し、前記光学素子は、前記物体面の次に続く第1群の光学素子と、前記第1群の次に続き、像面に隣接した位置にあって、前記像面から作動距離を置いて配置された出射面を定める最終光学素子とを備えており、前記最終光学素子は、屈折力をほとんど有さないで、まったく、またはわずかしか湾曲していない投影対物レンズを調整する方法であって、前記最終光学素子の厚さを変化させる段階と、液浸媒体の導入または除去によって前記出射面及び前記像面間の空間の屈折率を変化させる段階とを含む方法。
- 前記最終光学素子の軸方向変位を行って、適当な作動距離を設定できるようにする請求項30記載の方法。
- 液浸構造からドライ構造への移行を行うために、像空間の屈折率を液浸媒体の比較的高い値から適当なガスの低い値に減少させ、前記最終光学素子の厚さを増加させ、また、好ましくは、前記光学素子を前記第1群の方向に変位させて、大きい作動距離を設定できるようにする請求項30または31に記載の方法。
- ドライ構造から液浸構造への移行を行うために、像空間の屈折率を適当なガスの比較的低い値から液浸媒体の高い値に増加させ、前記最終光学素子の厚さを減少させ、また、好ましくは、前記最終光学素子を前記像面の方向に変位させて、小さい作動距離を設定できるようにする請求項30または31に記載の方法。
- 前記最終光学素子の厚さを変化させ、かつ/または最終光学素子の軸方向変位を実施するために、最終光学素子を別の厚さ及び/または別の軸方向位置の別の最終光学素子と交換する請求項30乃至33のいずれか1項に記載の方法。
- 互いに距離を置いて配置されるか、光学的に中立に相互連結された複数の相互に分離可能な構成部品、特に平行平面プレートを有する最終光学素子を使用し、前記最終光学素子の厚さの変化は、構成部品を追加して厚さを増加させるか、構成部品を取り除いて厚さを減少させることを含むことを特徴とする請求項30乃至35のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第1群の補正状態を変化させて、残留収差を減少できるようにすることを特徴とする請求項30乃至36のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第1群の少なくとも1つの光学素子を変位させ、特に軸方向に移動させて、前記第1群の補正状態を変化させるようにした請求項36に記載の方法。
- 少なくとも1つの補正表面を挿入するか、光学表面に生じて、前記第1群の補正状態を変化させるようにした請求項36または37に記載の方法。
- 前記第1群の少なくとも1つの光学素子の少なくとも1つの表面湾曲を可逆的または永久的に変化させて、前記第1群の補正状態を変化させるようにした請求項36乃至38のいずれか1項に記載の方法。
- 開口数及び/またはフィールドサイズを変化させて、補正状態を変化させるようにした請求項36乃至39のいずれか1項に記載の方法。
- 物体面上に配置されたパターンを像面に投影するために設けられて、多数の光学素子を有し、前記光学素子は、前記物体面の次に続く第1群の光学素子と、前記第1群の次に続き、前記像面に隣接した位置にあって、前記像面から作動距離を置いて配置された出射面を定める最終光学素子とを備えており、前記最終光学素子は、屈折力をほとんど有さないで、まったく、またはわずかしか湾曲していない投影対物レンズを調整する方法であって、
前記最終光学素子を取り除いて、残存対物レンズを生成する段階と、
前記最終光学素子の代わりに、前記出射面と比較して大きい平行平面プレートを用いる段階と、
露光すべき物体に液浸媒体層を付着させる段階と、
前記液浸媒体層の上に平行平面プレートを載置する段階と、
前記露光すべき物体を、前記残存対物レンズの助けを借りてプレート及び液浸媒体のこの組み合わせ体を通して露光する段階とを含む方法。 - 請求項36乃至40の少なくともいずれか1項の特徴付け部分の特性を特徴とする請求項41記載の方法。
- 物体面上に配置されたパターンを像面に投影するために設けられて、多数の光学素子を有し、前記光学素子は、前記物体面の次に続く第1群の光学素子と、前記第1群の次に続き、前記像面に隣接した位置にあって、前記像面から作動距離を置いて配置された出射面を定める最終光学素子とを備えた投影対物レンズを調整する方法であって、
平行平面プレートを前記最終光学素子から分離して、厚さを減少させるようにする段階と、
前記出射面及び前記像面間の空間の屈折率を、液浸媒体の導入によって高める段階とを含む方法。
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