JP2004192831A - 海中ケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】3本のケーブル線心10と3本の捻り補強線12とを一方向に撚り合わせた線状集合体14の外周に、そのケーブル線心10及び捻り補強線12の撚り合わせ方向と逆方向に外装線18を撚り合わせた外装体16を設けると共に、前記線状集合体14におけるケーブル線心10及び捻り補強線12の撚り合わせ角度が外装体16における外装線18の撚り合わせ角度よりも大きく設定されるようにして、線状集合体14と外装体16に作用する捻りトルクを打ち消してトルクバランスさせるようにした構成になっている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、洋上に係留された浮遊式構造物から海中に懸垂する等して使用される海中ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
海中ケーブルは、例えば、洋上に係留された浮遊式石油生産プラットホーム等の浮遊式構造物間に電力や情報を伝送するために、浮遊式構造物から海中に懸垂する等して多く使用される。また、海中潜水作業ロボットと洋上基地を結ぶ海中電線(アンビリカルケーブル)としても広く用いられている。海中ケーブルには自重や波浪、潮流等による張力が常時作用し、撚り合わせ構造の電力ケーブル線心や通信ケーブル線心(以下ケーブル線心と称する)の外周に、外装線を撚り合わせた外装体を設けたケーブルには張力により派生するトルクが発生して海中ケーブル全体を捻ろうとする。一般に、ケーブル線心は捻りによる損傷が発生し易く、これによって伝送機能を失うことが多い。このため、従来の海中ケーブルでは、通常、図3に示すように、ケーブル線心1の外周に設けた外装体2がケーブル線心1よりも十分に捻り剛性の大きい外装線3を互いに逆方向に二重に撚り合わせて構成され、相互にトルクを打ち消し合うトルクバランス機構のものになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−281629号公報(段落0002及び図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような海中ケーブルによると、外装体2が二重撚り合わせ構造になるため、ケーブル外径が大きくなり、波浪、潮流による外力が増大する。また、ケーブル自重も増大するので、これらの力に耐えるように、外装体2を構成する外装線3の断面積を更に大きくする必要が生じる。これによって、ケーブル重量が更に増大するといった悪循環に陥ることが多い。そこで、海中ケーブルは出来るだけ簡素、軽量、細径化された構造とする必要があり、外装体2は出来得れば一重撚り合わせ構造にすることが好ましい。
【0005】
本発明は上記に鑑み生まれたもので、簡素、軽量、細径化された構造で、ケーブルに張力が作用してもケーブルが捻れるのを少なくすることができる海中ケーブルを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載された海中ケーブルは、ケーブル線心と捻り補強線の複数本を一方向に撚り合わせた線状集合体の外周に、そのケーブル線心及び捻り補強線の撚り合わせ方向と逆方向に外装線を撚り合わせた外装体を設け、線状集合体と外装体に作用する捻りトルクを打ち消してトルクバランスさせるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
このような構成によると、従来のような外装体を二重撚り合わせ構造にしてトルクバランスさせる必要がなくなるので、外装体を一重撚り合わせ構造にすることが可能になり、よって、簡素、軽量、細径化された構造で、ケーブルに張力が作用してもケーブルが捻れるのを少なくすることができる。
【0008】
前記線状集合体及び外装体の捻り剛性GJはおおよそ下記の式(1)により算出される。即ち、捻り補強線、外装線のヤング率E、本数n、1本当りの断面積S、撚り合わせ層心径R、軸線方向に対する撚り合わせ角度(螺旋巻き角度)θとすると、
【0009】
GJ=2nSR2Esinθ・・・・・・・・・・(1)
【0010】
となる。そこで、式(1)により、線状集合体と外装体の各捻り剛性GJがほぼ同等値になるように、線状集合体の捻り補強線及び外装体の外装線の寸法及び材質を選択して、ヤング率E、本数n、1本当りの断面積S、撚り合わせ層心径R、軸線方向に対する撚り合わせ角度θを決定し、線状集合体のケーブル線心及び捻り補強線、外装体の外装線の撚り合わせ方向を互いに逆方向にして撚り合わせることにより、線状集合体と外装体をトルクバランスさせることが可能となる。なお、線状集合体はケーブル線心の捻り剛性があるので、それを考慮して、捻り補強線の捻り剛性GJを外装体の捻り剛性GJよりも低い数値に設定することができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載された海中ケーブルは、請求項1記載の海中ケーブルにおいて、前記線状集合体におけるケーブル線心及び捻り補強線の撚り合わせ角度が外装体における外装線の撚り合わせ角度よりも大きく設定されていることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成によると、式(1)の線状集合体側のsinθが外装体のsinθよりも大きくなり、その分、線状集合体の捻り補強線のヤング率E、断面積S等を小さくすることが可能になる。よって、線状集合体における捻り補強線の強度及び寸法を小さくすることが可能になり、ケーブルをより簡素、軽量、細径化された構造にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明を6.6kV海中ケーブルに適用した例を示す断面図である。
【0014】
この海中ケーブルは3本のケーブル線心10と3本の捻り補強線12とを一方向に撚り合わせた線状集合体14の外周に、そのケーブル線心10及び捻り補強線12の撚り合わせ方向と逆方向に外装線18を撚り合わせた外装体16を設け、線状集合体14と外装体16に作用する捻りトルクを打ち消してトルクバランスさせるようにしたものである。
【0015】
更に詳細に説明すると、ケーブル線心10は導体断面積100mm2の撚線導体10aの上に架橋ポリエチレン絶縁体10b等を押出被覆して構成される。また、捻り補強線12は外径11mmのアルミニウム製補強線材で構成される。更に、外装体16は34本の外径6mmのFRP線からなる外装線18をケーブル線心10等の撚り合わせ方向と逆方向に撚り合わせて構成されるものである。
【0016】
この際、前記線状集合体14におけるケーブル線心10及び捻り補強線12の撚り合わせ角度θを17度、外装体16における外装線18の撚り合わせ角度θを9度として、線状集合体14側の撚り合わせ角度θを外装体16側の撚り合わせ角度θよりも大きく設定することが望ましい。そして、線状集合体14と外装体16の各捻り剛性GJがほぼ同等値になるように、下記表1に示すように、線状集合体14の捻り補強線12及び外装体16の外装線18の材質、ヤング率E、断面積S等を選択し、線状集合体14と外装体16に作用する捻りトルクを打ち消してトルクバランスさせる。
【0017】
なお、図1において、20は線状集合体14と外装体16との間に介在された遮水層、22は外装体16の外周に設けられたPE防食層である。
【0018】
【表1】
【0019】
本発明のような構成によると、ケーブル線心10と捻り補強線12を一方向に撚り合わせた線状集合体14の外周に、そのケーブル線心10及び捻り補強線12の撚り合わせ方向と逆方向に外装線18を撚り合わせた外装体16を設けるようにして、線状集合体14と外装体16に作用する捻りトルクを打ち消してトルクバランスさせるようにしたので、外装体16を一重撚り合わせ構造にすることが可能になり、ケーブル構造が簡素、軽量、細径化され、ケーブルに張力が作用してもケーブルが捻れるのを少なくすることができる。
【0020】
また、前記構成のように、線状集合体14におけるケーブル線心10及び捻り補強線12の撚り合わせ角度θが外装体16における外装線18の撚り合わせ角度θよりも大きく設定されていると、前記式(1)の線状集合体側のsinθが外装体のsinθよりも大きくなり、その分、線状集合体14の捻り補強線12のヤング率E、断面積S等を小さくすることが可能になるから、線状集合体14における捻り補強線12の強度及び寸法を小さくすることが可能になり、ケーブルをより簡素、軽量、細径化された構造にすることができる。
【0021】
図2に示す海中ケーブルは、本発明の他の実施形態を示すもので、この海中ケーブルが前記図1に示す海中ケーブルと異なるところは、中心に軽量な介在紙紐24を配置し、その外周に3本のケーブル線心10と3本の捻り補強線12とを一方向に撚り合わせて線状集合体26を構成するようにしたもので、その他の構成は前記海中ケーブルと同じである。
【0022】
このような線状集合体26を用いると、捻り補強線12の1本当りの断面積Sと、捻り補強線12の撚り合わせ層心径Rを大きくすることが可能になるので、前記式(1)に基づき、線状集合体26の捻り剛性GJが大きくなり、外装体16とのトルクバランスが取り易くなる効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載された海中ケーブルは、ケーブル線心と捻り補強線の複数本を一方向に撚り合わせた線状集合体の外周に、そのケーブル線心及び捻り補強線の撚り合わせ方向と逆方向に外装線を撚り合わせた外装体を設け、線状集合体と外装体に作用する捻りトルクを打ち消してトルクバランスさせるようにしたので、外装体を一重撚り合わせ構造にすることが可能になり、簡素、軽量、細径化された構造で、ケーブルに張力が作用してもケーブル
が捻れるのを少なくすることができる。
【0024】
本発明の請求項2に記載された海中ケーブルは、前記線状集合体におけるケーブル線心及び捻り補強線の撚り合わせ角度が外装体における外装線の撚り合わせ角度よりも大きく設定されているので、線状集合体における捻り補強線の強度及び寸法を小さくすることが可能になり、ケーブルをより簡素、軽量、細径化された構造にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を6.6kV海中ケーブルに適用した例を示す断面図である。
【図2】本発明の海中ケーブルの他の実施形態を示す断面図である。
【図3】従来の海中ケーブルを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ケーブル線心
10a 撚線導体
10b 架橋ポリエチレン絶縁体
12 捻り補強線
14 線状集合体
16 外装体
18 外装線
20 遮水層
22 PE防食層
24 介在紙紐
26 線状集合体
Claims (2)
- ケーブル線心と捻り補強線の複数本を一方向に撚り合わせた線状集合体の外周に、そのケーブル線心及び捻り補強線の撚り合わせ方向と逆方向に外装線を撚り合わせた外装体を設け、線状集合体と外装体に作用する捻りトルクを打ち消してトルクバランスさせるようにしたことを特徴とする海中ケーブル。
- 前記線状集合体におけるケーブル線心及び捻り補強線の撚り合わせ角度が外装体における外装線の撚り合わせ角度よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の海中ケーブル。
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